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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】サーバ、コンピュータプログラム、方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/24 20120101AFI20230502BHJP
【FI】
G06Q20/24
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021211361
(22)【出願日】2021-12-24
【審査請求日】2022-02-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年1月20日付け新規性の喪失の例外証明書提出書の別添表2及び令和4年2月8日付け手続補足書に係る別添表1に記載されたウェブサイトにて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516075204
【氏名又は名称】株式会社Kyash
(74)【代理人】
【識別番号】100128886
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 裕弘
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鷹取 真一
【審査官】後藤 昂彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-083145(JP,A)
【文献】特開2020-107217(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0254699(US,A1)
【文献】特開2016-095883(JP,A)
【文献】特開2020-086590(JP,A)
【文献】特開2020-113176(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0058012(US,A1)
【文献】特表2016-531364(JP,A)
【文献】特開2021-110961(JP,A)
【文献】米国特許第08401968(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレジットカードによる決済を支援するサーバであって、
前記サーバは、第1ユーザの情報と、前記第1ユーザに関連づけられた第1クレジットカードの情報と、第1の残高を有する第1ウォレットと、第2の残高を有する第2ウォレットと、を記憶する記憶部と、
前記第1ユーザの保有する端末から、前記第1ウォレットと前記第2ウォレットの少なくとも一方を、決済と関係ない前記第1ユーザの所望のタイミングで、前記第1クレジットカードによる決済を行うウォレットとして選択する指示を受け付けるウォレット選択部と、
を有することを特徴とするサーバ。
【請求項2】
前記記憶部は、第2ユーザの情報と、前記第2ユーザに関連づけられた第2クレジットカードの情報と、第3の残高を有する第3ウォレットと、を記憶し、
前記ウォレット選択部は、前記第2ユーザから、前記第2ウォレットと前記第3ウォレットの少なくとも一方を、前記第2クレジットカードによる決済を行うウォレットとして選択する指示を受け付けること、
を特徴とする、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
クレジットカードによる決済を支援するサーバであって、
前記サーバは、第1ユーザの情報と、前記第1ユーザに関連づけられた第1クレジットカードの情報と、第1の残高を有する第1ウォレットと、第2の残高を有する第2ウォレットと、を記憶する記憶部と、
前記第1ユーザから、前記第1ウォレットと前記第2ウォレットの少なくとも一方を、前記第1クレジットカードによる決済を行うウォレットとして選択する指示を受け付けるウォレット選択部と、を有し、
前記記憶部は、第2ユーザの情報と、前記第2ユーザに関連づけられた第2クレジットカードの情報と、第3の残高を有する第3ウォレットと、を記憶し、
前記ウォレット選択部は、前記第2ユーザから、前記第2ウォレットと前記第3ウォレットの少なくとも一方を、前記第2クレジットカードによる決済を行うウォレットとして選択する指示を受け付けること、
を特徴とするサーバ
【請求項4】
前記第1クレジットカードの決済履歴は、前記第1ウォレットを用いて決済された場合は、前記第1ユーザが閲覧可能であり、前記第2ウォレットを用いて決済された場合は、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザが閲覧可能である、
請求項2または3に記載のサーバ。
【請求項5】
前記サーバは、決済履歴を表示する履歴表示部を有し、
前記履歴表示部は、前記第2ウォレットの決済履歴を、前記第1ウォレットと異なる態様で表示させる、
請求項2から4のいずれかに記載のサーバ。
【請求項6】
前記履歴表示部は、前記第1ウォレットの決済履歴は、決済額を表示させ、
前記第2ウォレットの決済履歴は、決済額と、決済を行ったユーザに関連する情報を表示させる、
請求項5に記載のサーバ。
【請求項7】
クレジットカードによる決済を支援するコンピュータプログラムであって、
プロセッサに、
第1ユーザの情報と、前記第1ユーザに関連づけられた第1クレジットカードの情報と、1の残高を有する第1ウォレットと、第2の残高を有する第2ウォレットと、を取得するステップと、
前記第1ユーザの保有する端末から、前記第1ウォレットと前記第2ウォレットの少なくとも一方を、決済と関係ない前記第1ユーザの所望のタイミングで、前記第1クレジットカードによる決済を行うウォレットとして選択する指示を受け付けるステップと、
を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項8】
クレジットカードによる決済を支援する方法であって、
プロセッサが、
第1ユーザの情報と、前記第1ユーザに関連づけられた第1クレジットカードの情報と、第1の残高を有する第1ウォレットと、第2の残高を有する第2ウォレットと、を取得するステップと、
前記第1ユーザの保有する端末から、前記第1ウォレットと前記第2ウォレットの少なくとも一方を、決済と関係ない前記第1ユーザの所望のタイミングで、前記第1クレジットカードによる決済を行うウォレットとして選択する指示を受け付けるステップと、
を実行する、方法。
【請求項9】
クレジットカードによる決済を支援するコンピュータプログラムであって、
プロセッサに、
第1ユーザの情報と、前記第1ユーザに関連づけられた第1クレジットカードの情報と、第1の残高を有する第1ウォレットと、第2の残高を有する第2ウォレットと、を取得するステップと、
前記第1ユーザから、前記第1ウォレットと前記第2ウォレットの少なくとも一方を、前記第1クレジットカードによる決済を行うウォレットとして選択する指示を受け付けるステップと、第2ユーザの情報と、前記第2ユーザに関連づけられた第2クレジットカードの情報と、第3の残高を有する第3ウォレットと、を取得するステップと、
前記第2ユーザから、前記第2ウォレットと前記第3ウォレットの少なくとも一方を、前記第2クレジットカードによる決済を行うウォレットとして選択する指示を受け付けるステップと、
を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項10】
クレジットカードによる決済を支援する方法であって、
プロセッサが、
第1ユーザの情報と、前記第1ユーザに関連づけられた第1クレジットカードの情報と、第1の残高を有する第1ウォレットと、第2の残高を有する第2ウォレットと、を取得するステップと、
前記第1ユーザから、前記第1ウォレットと前記第2ウォレットの少なくとも一方を、前記第1クレジットカードによる決済を行うウォレットとして選択する指示を受け付けるステップと、第2ユーザの情報と、前記第2ユーザに関連づけられた第2クレジットカードの情報と、第3の残高を有する第3ウォレットと、を取得するステップと、
前記第2ユーザから、前記第2ウォレットと前記第3ウォレットの少なくとも一方を、前記第2クレジットカードによる決済を行うウォレットとして選択する指示を受け付けるステップと、
を実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ、コンピュータプログラム、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に利用可能なクレジットカードに対し、関連するクレジットカードを発行可能な方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1において、店舗等において一般的に利用できるクレジットカードのような決済に用いるカードを親カードとし、有料道路の自動料金収受システムにおいて限定的に利用できるETCカードのようなカードを子カードとして発行する子カード発行システムについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-84240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において開示される技術では、子カードの利用金額は、親カードに紐づけられた引落口座から決済される。そのため、子カードを用いて、親カードに紐づけられた引落口座とは異なる口座で決済することはできない。支払い口座を分けて決済する場合には、ユーザは、複数のクレジットカードを保有する必要があり、利便性が悪かった。
【0006】
そこで、本発明では、ユーザにとって利便性の高いクレジットカード決済技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
クレジットカードによる決済を支援するサーバであって、前記サーバは、第1ユーザの情報と、前記第1ユーザに関連づけられた第1クレジットカードの情報と、第1の残高を有する第1ウォレットと、第2の残高を有する第2ウォレットと、を記憶する記憶部と、前記第1ユーザから、前記第1ウォレットと前記第2ウォレットの少なくとも一方を、前記第1クレジットカードによる決済を行うウォレットとして選択する指示を受け付けるウォレット選択部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザにとって利便性の高いクレジットカード決済技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第一実施形態に係るクレジットカードの提供システムを示すブロック構成図である。
図2】同実施形態に係るサーバ端末100を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
図3】同実施形態に係るサーバ端末100のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】サーバ端末100に格納されるユーザ情報の一例を示す図である。
図5】サーバ端末100に格納されるウォレット情報の一例を示す図である
図6】サーバ端末100に格納されるユーザ情報の一例を示す他の図である。
図7】サーバ端末100に格納されるウォレット情報の一例を示す他の図である。
図8】サーバ端末100に格納されるウォレット情報の一例を示す他の図である。
図9】サーバ端末100に格納される取引履歴情報の一例を示す図である。
図10】同実施形態に係るユーザ端末200を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
図11】同実施形態に係るユーザ端末200のソフトウェア構成例を示す図である。
図12】同実施形態に係る店舗端末300を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
図13】同実施形態に係る店舗端末300のソフトウェア構成例を示す図である。
図14】本発明の第一実施形態に係る、クレジットカードの提供方法の一例に係るフローチャートである。
図15】本発明の第一実施形態に係る、クレジットカードの提供方法の他の一例に係るフローチャートである。
図16】本発明の第一実施形態に係る、クレジットカードの提供方法のさらに他の一例に係るフローチャートである。
図17】本発明の第一実施形態に係る、ユーザ端末に表示される画面の一例である。
図18】本発明の第一実施形態に係る、ユーザ端末に表示される画面の他の一例である。
図19】本発明の第一実施形態に係る、ユーザ端末に表示される画面の他の一例である。
図20】本発明の第一実施形態に係る、ユーザ端末に表示される画面の他の一例である。
図21】ユーザID(クレジットカード情報)と、ウォレットIDの関係、および、共有ウォレットIDとユーザID(クレジットカード情報)の関係を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の一実施形態は、以下のような構成を備える。
[項目1]
クレジットカードによる決済を支援するサーバであって、
前記サーバは、第1ユーザの情報と、前記第1ユーザに関連づけられた第1クレジットカードの情報と、第1の残高を有する第1ウォレットと、第2の残高を有する第2ウォレットと、を記憶する記憶部と、
前記第1ユーザから、前記第1ウォレットと前記第2ウォレットの少なくとも一方を、前記第1クレジットカードによる決済を行うウォレットとして選択する指示を受け付けるウォレット選択部と、
を有するサーバ。
[項目2]
前記記憶部は、第2ユーザの情報と、前記第2ユーザに関連づけられた第2クレジットカードの情報と、第3の残高を有する第3ウォレットと、を記憶し、
前記ウォレット選択部は、前記第2ユーザから、前記第2ウォレットと前記第3ウォレットの少なくとも一方を、前記第2クレジットカードによる決済を行うウォレットとして選択する指示を受け付けること、
を特徴とする、項目1に記載のサーバ。
[項目3]
前記ウォレット選択部は、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザから、クレジットカードによる決済を行うウォレットを選択する指示を受け付け可能に構成される、
項目2に記載のサーバ。
[項目4]
前記第1クレジットカードの決済履歴は、前記第1ウォレットを用いて決済された場合は、前記第1ユーザが閲覧可能であり、前記第2ウォレットを用いて決済された場合は、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザが閲覧可能である、
項目2または3に記載のサーバ。
[項目5]
前記サーバは、決済履歴を表示する履歴表示部を有し、
前記履歴表示部は、前記第2ウォレットの決済履歴を、前記第1ウォレットと異なる態様で表示させる、
項目2から4のいずれかに記載のサーバ。
[項目6]
前記履歴表示部は、前記第1ウォレットの決済履歴は、決済額を表示させ、
前記第2ウォレットの決済履歴は、決済額と、決済を行ったユーザに関連する情報を表示させる、
項目5に記載のサーバ。
[項目7]
前記サーバは、クレジットカードの決済金額に基づいてポイントを付与するポイント付与部を有し、
前記ポイント付与部は、前記第1クレジットカードによる決済時に、前記第1ウォレットを用いて決済が行われた場合に、前記第1ユーザに前記ポイントを付与し、前記第2ウォレットを用いて決済が行われた場合に、前記第1ユーザに前記ポイントを付与する、
項目2から6のいずれかに記載のサーバ。
[項目8]
前記第1ユーザと、第2ユーザの少なくとも一方は、前記第2ウォレットを利用可能なユーザを招待可能であり、
前記招待されたユーザは、本人確認が完了されていることを条件として、前記第2ウォレットを利用可能とする、
項目2から7のいずれかに記載のサーバ。
[項目9]
クレジットカードによる決済を支援するコンピュータプログラムであって、
プロセッサに、
第1ユーザの情報と、前記第1ユーザに関連づけられた第1クレジットカードの情報と、第1の残高を有する第1ウォレットと、第2の残高を有する第2ウォレットと、を取得するステップと、
前記第1ユーザから、前記第1ウォレットと前記第2ウォレットの少なくとも一方を、前記第1クレジットカードによる決済を行うウォレットとして選択する指示を受け付けるステップと、
を実行させる、コンピュータプログラム。
[項目10]
クレジットカードによる決済を支援する方法であって、
プロセッサが、
第1ユーザの情報と、前記第1ユーザに関連づけられた第1クレジットカードの情報と、第1の残高を有する第1ウォレットと、第2の残高を有する第2ウォレットと、を取得するステップと、
前記第1ユーザから、前記第1ウォレットと前記第2ウォレットの少なくとも一方を、前記第1クレジットカードによる決済を行うウォレットとして選択する指示を受け付けるステップと、
を実行する、方法。
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
(実施形態1)
<構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係る、クレジットカードの提供システム1を示すブロック構成図である。本実施形態においては、クレジットカードの提供システム1は、サーバ端末100と、クレジットカードを利用する、複数のユーザの各々の端末である、ユーザ端末200A及び200Bと、商品またはサービスと引き換えにカード会社が発行するクレジットカードを利用可能な加盟店舗の端末である、店舗端末300と、により構成される。サーバ端末100は、クレジットカードに関連するクレジットカード情報を記憶し、ユーザによるクレジットカードに関連する取引を管理する。サーバ端末100は、クレジットカードのユーザ(ユーザ)に対して、クレジットカードを発行するカード発行会社、または金融サービスを提供する事業者などによって管理される。なお、サーバ端末、ユーザ端末、及び店舗端末の数および種類は限定されないが、本実施形態においては、説明の便宜のため、図1に示す構成として、以下詳細に説明する。
【0013】
カード会社は、所謂、クレジットカードのイシュアーと呼ばれ、ユーザに対し、カードを発行し、与信管理を行い、ユーザが商品等と引き換えにクレジットカードを加盟店舗で利用した際に、その取引のオーソリ(承認)を行う。ユーザは、個人ユーザまたは法人ユーザが考えられる。
【0014】
また、カード会社は、所謂、バーチャルカードといわれる、ユーザがスマートフォン等の携帯端末にインストールしたアプリケーションを介して表示される物理的に存在しないクレジットカードを発行する。また、カード会社は、ユーザからの要求に応じて、リアルカードといわれる、磁気またはICチップ等を内蔵した物理的に存在するクレジットカードを発行することもできる。ここで、本実施形態においては、各ユーザに対し、バーチャルカードおよび、クレジットカードの両方が発行される場合について、説明する。なお、バーチャルカードとリアルカードとは、同じクレジットカード情報を有するカードとしてもよい。また、本実施形態においては、サーバ端末100は、クレジットカード情報に対する決済口座として、個人口座と共有口座を記憶している。個人口座は他のユーザと共有することが出来ず、決済利用者が限定される口座である。共有口座は、他のユーザと共有することが出来、決済利用者が限定されていない口座である。このように、サーバ端末100は、ユーザの行う決済に対して、複数の口座(ウォレット)を決済口座として関連付けて記憶している。
【0015】
サーバ端末100と、ユーザ端末200A、200B及び店舗端末300は、ネットワークNWを介して接続される。ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等により構成される。
【0016】
==サーバ端末100==
サーバ端末100は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。本実施形態においては、説明の便宜上カード会社端末として1台を例示しているが、これに限定されず、複数台であってもよい。
【0017】
==ユーザ端末200==
ユーザ端末200は、クレジットカードのユーザが操作するコンピュータである。例えば、たとえば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。ユーザは、たとえばユーザ端末200で実行されるアプリケーションやWebブラウザによりサーバ端末100にアクセスすることができる。
【0018】
==店舗端末300==
店舗端末300は、カードの加盟店に設置される端末であり、例えば、スーパー、ショッピングセンター、コンビニエンスストア等に設置されるPOS/CCT/CAT等の端末か含まれ、同様の機能を備えたアプリケーションを内蔵したパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等も含まれる。また、店舗に限らず、事業活動を行う事業主に設置される事業主端末も含まれ得る。店舗端末300により、加盟店の店頭において、クレジットカード、プリペイドカードおよびデビットカードの決済等の操作を行うことができる。また、店舗端末300は、ネットワークNWを介して、サーバ端末100や(図示しない)他のクレジットカード発行会社の端末と通信可能に接続される。また、VISA(登録商標)等の国際ブランドのカードシステムを経由して、サーバ端末100等に接続することも考えられる。
【0019】
図2は、本実施形態のサーバ端末100のハードウェア構成例を示す図である。サーバ端末100は、CPU101、メモリ102、記憶装置103、通信インタフェース104、入力装置105、出力装置106を備える。CPU101は、サーバ端末100全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えばCPU101は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶装置103に格納されメモリ102に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。メモリ102は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive、ソリッドステートドライブ)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ102は、CPU101のワークエリア等として使用され、また、サーバ端末100の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種設定情報等を格納する。記憶装置103は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース104は、ネットワークNWに接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置105は、たとえばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどを通じてデータの入力を受け付ける装置である。出力装置106は、データを出力する、たとえばディスプレイやプリンタ、スピーカなどを備える。
【0020】
図3は、図1のサーバ端末100の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、サーバ端末100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。記憶部120は、ユーザ情報格納部121と、ウォレット情報格納部122を含む。制御部130は、要求受付部131と、ユーザ情報処理部132と、ウォレット情報処理部133を含む。
【0021】
なお、通信部110は、ネットワークNWを介してユーザ端末200及び店舗端末300と通信を行うための通信インタフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。記憶部120は、サーバ端末100が備えるメモリ102および記憶装置103が提供する記憶領域の一部として実現される。制御部130は、サーバ端末100が備えるCPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより実現される。
【0022】
ここで、本実施の形態において、記憶部120と、ユーザ情報格納部121と、ウォレット情報格納部122と、のデータ構成について示す。
【0023】
記憶部120は、クレジットカードユーザが、加盟店で商品またはサービスを購入した場合の取引のオーソリ(承認)や、口座への入金に必要な各種データを格納する。記憶部120は、ユーザ情報格納部121と、ウォレット情報格納部122を含む。さらに、記憶部120は、通信インタフェース204を介して、ユーザ端末200A、200B及び店舗端末300から取得した内容および情報を一時的に記憶する。なお、各種データを格納したデータベース(図示せず)が記憶部120外に構築されていてもよい。
【0024】
ユーザ情報格納部121は、図4に一例を示す、ユーザに関するユーザデータ1000を格納する。図4において、説明の便宜上、一ユーザ(ユーザID「10001」で特定されるユーザ)の例を示すが、複数のユーザの情報を格納することができる。図4に示すように、ユーザデータ1000は、ユーザIDに紐づけて、登録情報と、カード情報と、与信情報と、口座情報が含まれる。当該登録情報は、一例として、ユーザの登録情報(法人の場合は、法人名、代表者名、住所及び連絡先等を含む。個人または従業員の場合は、氏名、生年月日、性別、住所、及び連絡先(電話番号、Eメールアドレス等)、また、従業員の場合は、さらに、社員ID及び所属部門等を含んでもよい)などの情報を含む。当該カード情報は、カード番号(PAN)、カード会員名、有効期限(EXP)、セキュリティコード(CAV/CVC2/CVV2/CID等)、暗証番号(PIN等)、トラックレコードなどの情報を含む。当該与信情報は、銀行口座の残高、電子マネーの残高、利用限度額などの情報を含む。当該口座情報は、ユーザのチャージもとに関する情報、クレジットカード情報、デビットカード情報、銀行口座情報、仮想通貨口座情報、キャリア決済用情報、ウォレット情報、ポイント情報などの情報を含む。
【0025】
ウォレット情報格納部122は、図5に一例を示す、ウォレット情報(ウォレットデータ2000)を格納する。ウォレット情報は、ユーザのクレジットカードに関連付けられるウォレットに関連する各種データである。図5において、説明の便宜上、一ウォレット(ウォレットID「20001」で特定されるウォレット)の例を示すが、複数のウォレットの情報を格納することができる。図5に示すように、ウォレットデータ2000は、ウォレットIDに紐づけて、ウォレット種別情報と、オーナ情報と、共有ユーザ情報と、残高情報と、取引履歴情報と、が含まれる。当該ウォレット種別情報は、一例として、対象となるウォレットの種別(例えば、ユーザ個人に関連づけられる個人口座、複数のユーザに関連づけられる(共有される)共有口座の種別など)の情報を含む。共有口座の場合、当該オーナ情報は、対象となる共有ウォレットのオーナのユーザID、法人名(オーナが個人の場合は氏名)、連絡先などの情報を含む。当該共有ユーザ情報は、対象となる共有ウォレットのユーザとして設定されたユーザのユーザID、法人名(個人の場合は氏名)などの情報を含む。当該残高情報は、ウォレットの残高などの情報を含む。当該取引履歴情報は、使用日時、決済したユーザ(ユーザID、氏名等のユーザ情報)、使用金額、支払先、支払い方法(一回払い、分割払い等)などの情報を含む。
【0026】
図6は、サーバ端末100に格納されるユーザデータの一例を示す説明図である。図6に示すように、各ユーザのユーザID(例えば、ユーザ「A」、「B」、「C」に対して、クレジットカード番号が対応づけられて格納される。また、ユーザIDに対して、ユーザの本人確認が完了しているか否かについてのステータス情報(例えば、「済」、「未」)が対応づけられる。本人確認情報は、後に詳細に説明するが共有口座の利用可否の判断に用いられる。ここで、本人確認について、マネーロンダリングの防止等の目的で必要な手続である。利用登録に際して、登録者がユーザ本人であることを確認するために、免許証等の本人確認書類の画像データの送信を求めることができる。
【0027】
図7は、サーバ端末100に格納されるウォレットデータの一例を示す説明図である。図7に示すように、ウォレットデータとして、ユーザID(例えば、ユーザ「A」、「B」)、ウォレットID(例えば、「AA」、「AB」、「BB」等)、ウォレット残高、ポイント残高、ウォレット種別(例えば、個人または共有(共有口座の参加属性(オーナOR参加))、決済設定(クレジットカード決済時に決済を行うウォレットを指定する設定)、ウォレットへの自動チャージ設定(例えば、「有効」または「不可」)が対応づけられて格納される。図7において、例えば、ウォレットID「BB」は、ユーザA及びユーザBによって共有される共有口座であり、ユーザBがそのウォレットのオーナユーザであり、ユーザAが参加ユーザであることが示される。
【0028】
ウォレットIDは、ウォレット毎に付与され、ユーザIDに関連付けられて格納される。1のユーザIDに対し、複数のウォレットIDが関連付けられて格納される。ユーザIDとウォレットIDは、1:N(多)の関係で対応づけられている。すなわち、ユーザIDと関連付けられた1のクレジットカード情報に対して、複数のウォレットIDが関連付けられている。このように、クレジットカード情報とウォレットIDは、1:N(多)の関係となっている。また、ウォレットIDは、口座に入金された残高情報を有する。
【0029】
ポイントは、クレジットカードの利用に基づいて、付与されるポイントである。ポイントは、ウォレット種別「個人」にのみ付与され、ウォレット種別「共有」には付与されない。図7において、個人口座であるウォレットID「AA」は、1200ポイントを有し、共有口座であるウォレットID「AB」は、ポイント残高を有しない。決済を行った口座に関わらず、ポイントは個人口座に付与される。ポイントは、個人口座には付与可能である一方、共有口座には付与することができない。ポイントは、クレジットカードの利用により、付与される。例えば、利用回数、利用頻度、利用額、特定の店舗での利用、等に戻づいて付与される。クレジットカードによる決済は個人が行う行為である。そのため、個人に対して利用のインセンティブであるポイントを付与することが好ましい。例えば、共有口座の残高による決済時に、ポイントを付与しないとする構成の場合、個人口座の残高による決済と共有口座による決済とで、ポイント付与に違いが生じることになる。このように、決済を行う口座が個人口座と共有口座のどちらであっても、個人口座にポイントを付与することにより、決済を行う口座の種別に関わらずポイントを付与することができる。よって、ユーザに利便性の高いクレジットカード決済技術を提供することができる。
【0030】
ウォレット種別は、「個人」、「共有(オーナ)」、「共有(参加)」の3つの種別を有する。ウォレット種別「個人」は、個人口座であり、他のユーザと共有することが出来ない口座を意味する。個人口座の残高を用いて決済することが出来るのは、個人口座に関連付けられた1ユーザのみである。図7において、ウォレットID「AA」の残高を用いて決済を行うことが出来るのは、ユーザAのみである。ウォレット種別が「共有(オーナ)」および「共有(参加)」は、共有口座であり、他のユーザと共有された口座を意味する。共有口座の残高を用いて決済することが出来るのは、共有口座に関連付けられた複数のユーザである。図7において、ウォレットID「BB」の残高を用いて決済を行うことが出来るのは、ユーザAおよびユーザBである。ウォレット種別「共有(オーナ)」と、「共有(参加)」の違いについては、後述する。
【0031】
決済設定は、クレジットカードを用いた決済が行われた際に、決済を行うウォレットIDを予め指定しておく設定である。サーバ端末100は、ユーザ端末200から、クレジットカード決済時の決済ウォレットの選択を受け付ける。図7において、ユーザAは、ユーザIDと関連付けられたウォレットID「AA」、「AB」、「BB」のうちから、決済ウォレットを選択可能である。本実施例では、ウォレットID「BB」がユーザAの決済口座として選択(決済設定が「ON」に設定)されている。このように、ユーザは保有するクレジットカードを用いる決済の決済ウォレットを予め選択することが出来る。ユーザは1のクレジットカードを用いた決済であっても、決済を行う口座を複数から選択することが出来る。よって、利便性の高いクレジットカード決済技術を提供することが出来る。
【0032】
自動チャージは、ユーザが予め設定した入金元(銀行口座、クレジットカード等)から、ユーザの都度の入金指示なしに、自動的に口座に入金を行う機能である。例えば、口座の残高が予めユーザの設定した金額以下となった場合に、自動的に入金を行う。または、決済時に口座の残高が不足すると判断された場合に、自動的に不足額またはユーザの設定した金額を入金する。ここで、自動チャージが「有効」である場合は、自動チャージが行われる。自動チャージが「無効」である場合は、自動チャージが行われない。自動チャージが「不可」である場合は、自動チャージの設定を行うことが出来ない。自動チャージは、個人口座は設定可能に構成される一方、共有口座では設定することが出来ない。共有口座は、複数のユーザで共有して決済に利用するものであり、自動的に入金する設定が可能であると、自動入金を設定したユーザに不測の事態を招く可能性がある。一方で、個人口座および共有口座で、ともに自動入金ができない構成とすると、個人口座の利便性が低下する。よって、個人口座と共有口座で自動入金に関する設定を変更することで、利便性の高いクレジットカード決済技術を提供することが出来る。
【0033】
図8は、サーバ端末100に格納される共有ウォレットデータの一例を示す説明図である。図8に示すように、共有口座のウォレットID(例えば、「AB」、「BB」)に対して、参加ユーザのユーザID(例えば、ユーザ「A」、「B」、「C」)、参加ユーザの属性(例えば、「オーナ」、「参加済」、「参加待」)、クレジットカード利用登録に際する本人確認完了ステータス(例えば、「済」、「未」)、決済設定(クレジットカード決済時に決済を行うウォレットを指定する設定)、参加ユーザ毎のクレジットカード番号が対応づけられて格納される。本図において、ウォレットID「AB」は、ユーザA、ユーザB及びユーザCによって共有される共有口座である。ウォレットID「AB」において、ユーザAがオーナである。また、ウォレットIDに対して、オーナまたは参加ユーザ各々のクレジットカードが対応づけられて格納される。このように、1の共有口座のウォレットIDに対し、複数のユーザIDが関連付けられて格納される。共有口座のウォレットIDとユーザIDは、1:N(多)の関係となる。すなわち、1の共有口座情報に対して、複数のクレジットカード情報が関連付けられている。換言すれば、共有口座のウォレットIDとクレジットカード情報についても、1:N(多)の関係となっている。
【0034】
参加ユーザの属性は、「オーナ」、「参加済」、「参加待」の3つの属性を有する。参加ユーザの属性「オーナ」は、共有口座の作成者であることを意味する。参加ユーザの属性「参加済」は、共有口座の作成者ではなく、共有口座の参加者であることを意味する。共有口座への参加は、共有口座のオーナまたは他の参加者からの共有口座への招待を受けることで行われる。共有口座への招待を受けたユーザが、共有口座を決済口座として選択可能な場合に、参加ユーザの属性は「参加済」となる。共有口座への招待は受けたが、共有口座を決済口座として選択することが出来ない場合に、参加ユーザの属性は「参加待」となる。なお、共有口座への招待は、参加ユーザの属性が、「オーナ」「参加済」であるユーザが行うことができる。ここで、共有口座への招待および参加は、本人確認が行われたユーザのみ可能に構成される。このように、本人確認が行われたユーザのみが共有口座へ参加または招待を行うこと可能なため、共有口座の安全性が確保される。
【0035】
決済設定は、前述の通り、クレジットカードを用いた決済が行われた際に、決済を行うウォレットID(口座)を指定する設定である。図8において、ユーザBは共有口座であるウォレットID「AB」について、決済設定を「ON」にいている。この場合、ユーザBがユーザBのクレジットカードを用いて決済すると、共有口座であるウォレットID「AB」の残高を用いて決済が行われる。また、ユーザAは共有口座であるウォレットID「AB」について、決済設定を「OFF」にいている。この場合、ユーザAがユーザAのクレジットカードを用いて決済しても、共有口座であるウォレットID「AB」の残高を用いて決済されない。
【0036】
図21は、ユーザID(クレジットカード情報)と、ウォレットIDの関係、および、共有ウォレットIDとユーザID(クレジットカード情報)の関係を模式的に示した図である。このように、1のユーザID(クレジットカード情報)に対して、複数のウォレットIDが関連付けられ、ユーザID(クレジットカード情報)とウォレットIDは、1:N(多)の関係にある。よって、例えば図21において、ユーザAは1のクレジットカード情報を用いた決済であっても、ユーザの選択した口座(ウォレットID:DまたはEまたはF)の残高を用いて決済を行うことが出来る。また、1の共有口座のウォレットIDに対して、複数のユーザID(クレジットカード情報)が関連付けられる。共有口座のウォレットIDとユーザID(クレジットカード情報)は、1:N(多)の関係にある。よって、例えば図21において、1の共同口座(ウォレットID:F)の残高を用いて、複数のユーザ(ユーザID:BおよびC)が自身のクレジットカード情報による決済を行うことが出来る。このように、1のクレジットカードを用いる決済の利便性の高い決済技術を提供することができる。
【0037】
図9は、サーバ端末100に格納される取引履歴情報の一例を示す説明図である。図9に示すように、ウォレットに関連する個々の、入出金及び決済等の取引を示す取引IDに対し、その取引に関連するウォレットID(例えば、「AB」、「AA」)、取引金額、取引に関連するユーザID(例えば、ユーザ「A」、「B」)、利用カテゴリ(例えば、決済の場合はその利用用途(「食費」、「交通費」、「ショッピング」等)、入出金の場合はその種別(例えば、「入金」「送金」「出金」「振替」等))、ポイントを付与するウォレットID(取引を行ったユーザの個人口座)、が対応づけられる。本図において、例えば、取引ID「xxxxx1」は、ウォレットID「AB」に関連する取引であり、700円が、ユーザAにより、「食費」の用途で決済され、ポイントがユーザAの個人口座に付与されたことを示す。なお、用途については、クレジットカード決済に際して店舗端末300から取得される加盟店舗の店コード等に基づいて推測されてもよい。
【0038】
以上がサーバ端末100に記憶されるデータのデータ構成についての説明である。
【0039】
ここで、本実施の形態において、制御部130と、要求受付部131と、ユーザ情報処理部132と、ウォレット情報処理部133と、の機能について示す。
【0040】
制御部130の機能として、ユーザ端末200A、200B、または、店舗端末300からの指示を受け付ける要求受付部131と、カードユーザのクレジットカードに関連するユーザ情報を参照し、所定の処理を実行するユーザ情報処理部132と、カードユーザのクレジットカードの関連づけられるウォレット情報を参照し、所定の処理を実行する、ウォレット情報処理部133と、を含む。
【0041】
要求受付部131は、例えば、ユーザ端末200においてインストールされるアプリケーションを介して表示されるユーザインターフェースにおいて、ユーザが、例えば、ユーザ情報を登録したり、バーチャルカードまたリアルカードを発行する等の所定の要求を行ったりしたときに、ユーザ端末200から通信部110を介して要求を受付ける。また、ユーザが、例えば、加盟店でカードを使って商品またはサービスの購入を行い、店舗端末300のリーダによって磁気カードの読み取り操作を行い、オーソリ要求を行うためにオーソリ電文を送信したときに、店舗端末300から通信部110を介して要求を受付ける。
【0042】
ユーザ情報処理部132は、クレジットカードユーザが利用するユーザ端末200から、クレジットカードの登録や決済に関連する要求を受付けたときに、後述する所定の処理を行う。
【0043】
ウォレット情報処理部133は、クレジットカードに関連する処理のうち、特にウォレットに関連する登録や決済の要求を受け付けたときに、所定の処理を行う。
【0044】
また、制御部130は、図示しない、画面生成部を有することもでき、求めに応じて、ユーザ端末200、店舗端末300のユーザインターフェースを介して表示される画面情報を生成する。例えば、記憶部120に格納された(図示しない)画像及びテキストデータを素材として、所定のレイアウト規則に基づいて、各種画像及びテキストをユーザインターフェースの所定の領域に配置することで、(例えば、ユーザに対してクレジットカードやウォレットに関連する情報を可視化して示すためのダッシュボード等の)ユーザインターフェースを生成する。画面生成部に関連する処理は、GPU(Graphics Processing Unit)によって実行することもできる。
【0045】
図10は、本実施形態のユーザ端末200のハードウェア構成例を示す図である。ユーザ端末200は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。CPU201は、ユーザ端末200全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えばCPU201は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶装置203に格納されメモリ202に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。メモリ202は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、ソリッドステートドライブ等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ202は、CPU201のワークエリア等として使用され、また、ユーザ端末200の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種設定情報等を格納する。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、ネットワークNWに接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、たとえばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどを通じてデータの入力を受け付ける装置である。出力装置206は、データを出力する、たとえばディスプレイやプリンタ、スピーカなどを備える。
【0046】
図11は、ユーザ端末200の機能構成を示すブロック図である。図11に示すように、ユーザ端末200は、通信部210と、表示操作部220と、記憶部230と、制御部240とを備える。
【0047】
なお、上記各機能部は、ユーザ端末200が備えるCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、上記記憶部230は、ユーザ端末200が備えるメモリ202および記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0048】
通信部210は、ネットワークNWを介してサーバ端末100と通信を行うための通信インタフェースであり、例えばTCP/IP等の通信規約により通信が行われる。
【0049】
表示操作部220は、ユーザが指示を入力し、制御部240からの入力データに応じてテキスト、画像等を表示するために用いられるユーザインターフェースであり、ユーザ端末200がパーソナルコンピュータで構成されている場合はディスプレイとキーボードやマウスにより構成され、ユーザ端末200がタブレット端末で構成されている場合はタッチパネル等から構成される。この表示操作部220は、記憶部230に記憶されているアプリケーションプログラム等の制御プログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)であるユーザ端末200により実行される。
【0050】
記憶部230は、各種制御処理や制御部240内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAMやROM等から構成される。また、記憶部230は、通信インタフェース204を介して、サーバ端末100から取得した内容および情報を一時的に記憶している。
【0051】
制御部240は、記憶部230に記憶されているプログラムを実行することにより、ユーザ端末200の全体の動作を制御するものであり、CPUやGPU等から構成される。
【0052】
なお、サーバ端末100にユーザ端末200に記憶されているアプリケーションプログラム等の制御プログラムの機能を全部または一部備える構成としても良い。
【0053】
図12は、本実施形態の店舗端末300のハードウェア構成例を示す図である。店舗端末300は、CPU301、メモリ302、記憶装置303、通信インタフェース304、入力装置305、出力装置306を備える。CPU301は、店舗端末300全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えばCPU301は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶装置303に格納されメモリ302に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。メモリ302は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、ソリッドステートドライブ等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ302は、CPU301のワークエリア等として使用され、また、店舗端末300の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種設定情報等を格納する。記憶装置303は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース304は、ネットワークNWに接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置305は、たとえばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどを通じてデータの入力を受け付ける装置である。出力装置306は、データを出力する、たとえばディスプレイやプリンタ、スピーカなどを備える。
【0054】
図13は、店舗端末300を示す機能ブロック構成図である。店舗端末300は、通信部310と、表示操作部320と、記憶部330と、リーダ340、制御部350とを備える。
【0055】
なお、上記各機能部は、店舗端末300が備えるCPU301が記憶装置303に記憶されているプログラムをメモリ302に読み出して実行することにより実現され、上記記憶部330は、店舗端末300が備えるメモリ302および記憶装置303が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0056】
通信部310は、ネットワークNWを介してサーバ端末100(国際ブランドのカードシステムを経由する場合は、(図示しない)国際ブランドのカードシステムと)と通信を行うための通信インタフェースであり、例えばTCP/IP等の通信規約により通信が行われる。
【0057】
表示操作部320は、店舗担当者が指示を入力し、制御部350からの入力データに応じてテキスト、画像等を表示するために用いられるユーザインターフェースであり、店舗端末300が、POS/CCT/CAT端末であれば、ディスプレイとボタン、ポインティングデバイス、キーボード等により構成され、パーソナルコンピュータで構成されている場合はディスプレイとキーボードやマウス等により構成され、店舗端末300がタブレット端末で構成されている場合はタッチパネル等から構成される。また、この表示操作部320は、記憶部330に記憶されているアプリケーションプログラム等の制御プログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)である店舗端末300により実行される。
【0058】
記憶部330は、各種制御処理や制御部350内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAMやROM等から構成される。また、記憶部330は、サーバ端末100との通信内容を一時的に記憶している。
【0059】
リーダ340は、磁気カードリーダ、バーコードリーダ、ICチップリーダ、NFCタグリーダ等の装置で構成され、プリペイドカード、クレジットカード、デビットカード等の情報を読み取ることができる。
【0060】
制御部350は、記憶部330に記憶されているプログラムを実行することにより、店舗端末300の全体の動作を制御するものであり、CPUやGPU等から構成される。
【0061】
<処理の流れ>
図14を参照しながら、本実施形態のシステム1が実行するクレジットカードの提供方法の処理の流れについて説明する。図14は、本発明の第一実施形態に係る、クレジットカードの提供方法の一例に係るフローチャートである。
【0062】
<クレジットカード発行処理>
ここで、まず、一例として、ユーザは、クレジットカードを発行するため、自身のユーザ端末200に、アプリケーションをインストールする。ユーザは、インストールしたアプリケーションを起動し、提供されるユーザインターフェースにおいて登録情報を登録し、クレジットカードの発行要求を行う。クレジットカードとして、バーチャルカードといわれる、ユーザがスマートフォン等の携帯端末にインストールしたアプリケーションを介して表示される物理的に存在しないクレジットカードを発行する。また、カード会社は、ユーザからの要求に応じて、リアルカードといわれる、磁気またはICチップ等を内蔵した物理的に存在するクレジットカードを発行することもできる。各ユーザに対して発行されたクレジットカードに対しては、まず、ユーザ個人が利用するための個人口座が関連づけられる。そして、ユーザは、事前にアプリケーションを使って、個人口座に入金(チャージ)するための所望の入金元情報(例えば、クレジットカード情報、デビットカード情報、銀行口座情報、仮想通貨口座情報及びキャリア決済用の情報等)を設定し、事前に所定金額を入金しておくことができる。また、コンビニエンスストア等の店舗に設置されたATMを使った現金による入金も可能である。ここで、ユーザのカード発行に際して、ユーザにより入力された登録情報及びクレジットカードに関する口座情報は、サーバ端末100の記憶部120のユーザ情報格納部121に、ユーザデータ1000として格納される。また、ユーザ情報登録されたユーザ情報が真正なユーザ本人であるか、の本人確認が所定の処理を通じて行われ、本人確認が完了した場合は、ユーザ情報格納部121のユーザデータ1000として「完了」ステータス情報が格納される。なお、本実施形態で説明するクレジットカードは、事前に口座に所定金額を入金し、入金された残高を用いて決済を行う例について説明したが、これに限られない。事前に所定金額相当の電子マネーをチャージしておくことにより、利用するプリペイド方式のクレジットカードも含む。また、クレジットカードによる決済が行われた後、所定のタイミングで銀行等の口座から決済額を引き落とす方式のクレジットカードも含む。
【0063】
<共有口座作成>
クレジットカードの登録を行った前提で、まず、共有口座の生成プロセスとして、SQ101の処理として、サーバ端末100の要求受付部131は、通信部110を介して、クレジットカードのユーザであるユーザAが利用するユーザ端末200Aから、共有口座の作成要求を受信する。
【0064】
ここで、共有口座は、ユーザ本人によってのみ取引可能な個人口座とは別に発行される。共有口座は、他のユーザと共有可能であり、他の口座を共有しているユーザである共有ユーザとともに決済に利用可能な口座である。すなわち、個人口座は、ユーザ本人の一枚のクレジットカードと関連するのに対し、共有口座は、ユーザ本人及び、他の共有ユーザを含む複数枚のクレジットカードと関連づけられる。本実施形態において、ユーザは、クレジットカードの利用時または事前に、共有口座を決済口座として設定することにより、クレジットカード利用時に共有口座から決済を行うことができる、という特徴を有する。ここで、制御部130は、共有口座の生成要求を行なったユーザを、共有口座の「オーナ」として、ウォレットデータに格納し、管理する。
【0065】
次に、SQ102の処理として、サーバ端末100は、ユーザAの要求に基づき、共有口座を生成する。ウォレット情報処理部133は、要求を受け付けたユーザAのユーザ情報を、ユーザ情報処理部132から読み出し、ユーザ情報格納部121に格納されたユーザデータに基づいて共有口座のウォレットIDを生成する。ウォレット情報処理部133は、生成した共有口座情報を、ユーザAに関連付けられたウォレットデータとして、記憶部120のウォレット情報格納部122に格納する。
【0066】
次に、SQ103の処理として、サーバ端末100のウォレット情報処理部133は、通信部110を介して、ユーザ端末200Aに対して、共有口座の生成が完了した旨を通知する。
【0067】
<共有口座への招待>
次に、共有口座の招待プロセスを説明する。SQ201の処理として、要求受付部131は、ユーザAが利用するユーザ端末200Aから、通信部110を介して、招待するユーザ情報(ユーザID等)及び招待する共有口座情報(共有口座ID)を受信する。例えば、ユーザAからユーザBに対する共有口座への招待要求を受信する。共有口座への招待は、招待を行う共有口座の共有ウォレットデータにおいて、参加ユーザ属性が「オーナ」「参加済」のユーザは、他のユーザを当該共有口座に招待することができる。このように、オーナでなくても他のユーザを共有口座に招待することができるため、利便性が高いクレジットカード決済技術を提供することができる。
【0068】
次に、SQ202の処理として、ユーザ情報処理部132は、ユーザ情報格納部121に格納されるユーザデータ1000を参照し、招待されるユーザに関する情報(本例では、「ユーザB」)を確認する。ここで、ユーザ情報処理部132は、招待するユーザBが本人確認済のユーザであるか、ユーザデータ1000を参照することで確認する。
【0069】
次に、SQ203の処理として、ウォレット情報処理部133は、通信部110を介して、ユーザBが利用するユーザ端末200Bに対して、共有口座の招待通知を送信する。
【0070】
次に、SQ204の処理として、サーバ端末100の要求受付部131は、ユーザ端末200Bから、共有口座への参加要求を(及び上記SQ202の本人確認が「未」の場合は、本処理において本人確認に必要な情報もあわせて)受信する。このように、本人確認が行われたユーザのみが共有口座へ参加可能なため、共有口座の安全性が確保される。
【0071】
次に、SQ205の処理として、ウォレット情報処理部133は、参加要求を行なったユーザBに関するユーザ情報を、共有口座に関連づける処理を行う。例えば、図8に示すように、ユーザAがオーナとして生成された、ウォレットID「AB」の共有口座の参加ユーザとしてユーザBを登録する処理を行う。なお、共有口座への招待を行ったユーザが、当該共有口座の「オーナ」ユーザでない場合は、共有口座の参加ユーザとして登録する前に、「オーナ」ユーザに参加可否を確認してもよい。
【0072】
次に、SQ206の処理として、ウォレット情報処理部133は、通信部110を介して、招待を行ったユーザAのユーザ端末200A、及び招待したユーザBのユーザ端末200Bに対して、ユーザBが共有口座に参加した旨の通知を送信する。実際に招待を行ったユーザだけでなく、当該ウォレットを共有するすべてのユーザのユーザ端末に対して、新たなユーザの参加登録がなされた旨の通知が送信されてもよい。
【0073】
<決済口座選択>
次に、決済口座選択の処理として、SQ301の処理として、要求受付部131は、ユーザAのユーザ端末200Aから、通信部110を介して、ウォレット情報の取得要求を受信する。これに対して、SQ302の処理として、ウォレット情報処理部133は、ウォレット情報格納部122に格納された、ユーザAに関連付けられたウォレットデータを参照し、ユーザAが決済設定可能なウォレット情報を取得する。ウォレット情報処理部133は取得したウォレット情報を、通信部110を介して、ユーザ端末200Aに送信する。
【0074】
次に、SQ303の処理として、要求受付部131は、通信部110を介して、ユーザ端末200Aから決済口座の選択要求を受信する。SQ303の処理として、例えば、ユーザAが選択したウォレットが共有口座である場合、サーバ端末100のウォレット情報処理部133は、ウォレット情報格納部122のウォレットデータを参照し、決済口座を共有口座とするよう変更を行う。すなわち、選択されたウォレットIDに関連付けられた決済設定を「OFF」から「ON」に変更する。そして、SQ305の処理として、ウォレット情報処理部133は、通信部110を介して、ユーザ端末200Aに対して、決済口座を変更した旨の通知を送信する。ユーザ端末200Aは、決済口座設定がなされたウォレット情報をサーバ端末100から通信により取得し、記憶部230に記憶する。このように、ユーザは保有するクレジットカードの決済ウォレットを選択することが出来る。よって、ユーザは同じクレジットカードを用いた決済であっても、決済を行う口座を複数から選択することが出来る。そのため、利便性の高いクレジットカード決済技術を提供することが出来る。
【0075】
<入金(振替)>
次に図15を参照しながら、他のクレジットカードの提供技術の例について説明する。まず、取引処理の一例である入金(振替)処理として、SQ401の処理として、要求受付部131は、通信部110を介して、ユーザAのユーザ端末200Aから、入金(振替)先ウォレットの情報と金額情報とを含む、入金(振替)要求を受信する。
【0076】
次に、SQ402の処理として、ウォレット情報処理部133は、ウォレット情報格納部122に格納されたウォレットデータを参照し、また、ユーザ情報処理部132を介して、ユーザ情報格納部121に格納されたユーザ情報を参照しながら、ユーザの指定する入金元から、ユーザの指定する入金先へ要求金額の入金(振替)を行う処理を行う。ウォレット情報処理部133は、入金後の残高情報を、ウォレット情報格納部122に格納されたウォレットデータの取引履歴情報を更新する。
【0077】
次に、SQ403の処理として、サーバ端末100のウォレット情報処理部133は、通信部110を介して、ユーザAのユーザ端末200Aに対して入金された旨及び入金金額に関する情報を通知する。
【0078】
個人口座と共有口座への入金(振替)処理の違いについて説明する。ここで、本例において、入金または出金とは、本システム1外の入出金ソース(銀行口座、クレジットカード、ATM等)と、本システム1上の口座との間での残高の移動を意味する。振替とは、クレジットカードの提供システム1上の口座間、例えば、個人口座と共有口座間での残高の移動を意味する。
【0079】
個人口座は、入金、出金および振替が可能に構成される。すなわち、個人口座は、本システム1外(銀行口座、クレジットカード、ATM等)に対し、入金および出金することが出来る。一方で、共有口座は、振替は可能であるが、入金および出金を行うことが出来ない。すなわち、共有口座の残高を増減させる場合は、本システム1上で個人口座の残高から、または、個人口座の残高へ振替が行われる。個人口座はユーザに関連付けられた口座である。共有口座の残高増減を、限定することにより、共有口座の残高増減がどのユーザに起因して発生したのかを明確にすることができる。
【0080】
ウォレット情報処理部133は、個人口座に対し、入金または振替等の所定の取引が実行された場合、当該個人ユーザのユーザ端末に対して、入金または振替等の所定の取引が行われた旨の通知を送信する。一方で、ウォレット情報処理部133は、共有口座に対して振替等の所定の取引が実行された場合に、実際に取引を行ったユーザだけでなく、当ウォレットを共有するすべてのユーザのユーザ端末に対して、入金または振替等の所定の取引が行われた旨の通知を送信する。このように、個人口座と共有口座とで、所定の取引に対する通知方法を変更することで、ユーザに適切に所定の取引の発生を知らせることができる。
【0081】
<出金(振替)>
次に、取引の一例としての出金(振替)処理として、共有口座から個人口座への振替について説明する。SQ501の処理として、要求受付部131は、通信部110を介して、ユーザAのユーザ端末200Aから、出金元のウォレットの情報(本例では、ユーザAがオーナの共有口座)及び金額情報とともに、出金(振替)要求を受信する。なお、ユーザAは、共有口座に対しては、本システム1外の出金先の銀行口座等に対する出金要求を行なうことができない。ユーザAは、個人口座に対しては、本システム1外の出金先の銀行口座等に対する出金要求を行なうことができる。
【0082】
次に、SQ502の処理として、ウォレット情報処理部133は、ウォレット情報格納部122に格納されたウォレットデータを参照し、また、ユーザ情報処理部132を介して、ユーザ情報格納部121に格納されたユーザ情報を参照しながら、ユーザAが「オーナ」の共有口座から、ユーザAの個人口座に対して、要求金額の出金(振替)を行う処理を行う。ウォレット情報処理部133は、出金後の残高情報を、ウォレット情報格納部122に格納されたウォレットデータの残高情報を更新する。
【0083】
次に、SQ503の処理として、ウォレット情報処理部133は、通信部110を介して、ユーザAのユーザ端末200A、及び、共有口座の参加者であるユーザBに対して、共有口座から出金された旨及び出金金額に関する情報を通知する。本例の特徴として、共有口座に対して出金等の所定の取引が実行された場合に、実際に取引を行ったユーザだけでなく、当該ウォレットを共有するすべてのユーザのユーザ端末に対して、取引が行われた旨の通知が送信される。
【0084】
<共有口座からの退出・削除>
次に、共有口座からの退出処理として、SQ601の処理として、要求受付部131は、通信部110を介して、共有口座に参加するユーザBのユーザ端末200Bから、共有口座から退出する旨の要求を受信する。
【0085】
次に、SQ602の処理として、サーバ端末100のウォレット情報処理部133は、ウォレット情報格納部122に格納されたウォレットデータを参照する。次に、ウォレット情報処理部133は、ユーザ情報格納部121に格納されたユーザ情報を参照する。ウォレット情報処理部133は、共有口座からの退出要求をおこなったユーザBの属性を確認する。例えば、図8に示すように、ユーザBが共有口座「AB」の「オーナ」でない場合、ウォレット情報処理部133は、ユーザBを共有口座から退出させる処理を行う。一方で、ユーザBが共有口座「AB」の「オーナ」である場合、ウォレット情報処理部133は、ユーザBを共有口座から退出させる処理を行わない。このように、ウォレット情報処理部133は、退出要求を行うユーザの属性に基づいて、退出処理の可否を決定する。よって、共有口座からの退出処理に伴う、共有口座に参加する他のユーザに不測の不利益が生じることを防止することができる。続いて、SQ603の処理として、ウォレット情報処理部133は、SQ602の処理における確認結果を基に、退出要求を行なったユーザの、共有口座からの退出処理を行う。
【0086】
次に、SQ604の処理として、ウォレット情報処理部133は、通信部110を介して、ユーザAのユーザ端末200A、及び、共有口座の参加者であるユーザBに対して、ユーザBが共有口座から退出した旨の情報を通知する。本例の特徴として、共有口座に対して参加または退出が実行された場合に、実際に参加または退出を行ったユーザだけでなく、当該ウォレットを共有するすべてのユーザのユーザ端末に対して、参加または退出が行われた旨の通知が送信される。
【0087】
上記の通り、共有口座からの退出処理について説明を行ったが、共有口座自体の削除については、共有口座を作成した「オーナ」のユーザのみの要求によって可能とすることができる。この場合、共有口座に入金された残高金額が存在すると、当該ウォレットの他の参加者に不利益が生じることになるため、残高がゼロ円の場合のみ削除を可能とすることができる。
【0088】
共有口座の残高を用いた決済が、のちに返金される場合について説明する。返金時に共有口座が削除されていない場合は、決済が行われた共有口座に返金される。返金時に共有口座が削除されていた場合においては、決済が行われた共有口座の「オーナ」であったユーザの個人口座に対して返金処理を行う。このように、共有口座が削除された場合であっても、返金処理を確実に実行することができる。
【0089】
<決済>
次に図16を参照しながら、取引処理の一例である決済処理について説明を行う。本例では、ユーザAが店舗を訪れ、その店舗で提供する商品またはサービスと引き換えに支払を行うために、クレジットカードを利用する例を用いて説明する。具体的に、ユーザAは、クレジットカードの加盟店で商品またはサービスを購入するために、クレジットカードを利用する。この場合、ユーザが実店舗で商品またはサービスを購入する場合は、ユーザは、リアルカードと呼ばれる、物理的に存在するクレジットカードを店舗の担当者に提示する。ユーザがユーザ端末200等を使って、オンライン店舗等で商品またはサービスを購入する場合は、ユーザ端末200のアプリケーション上に、バーチャルカードと呼ばれる、物理的に存在しないクレジットカードに関する情報を表示させ、オンライン店舗の購入画面に入力する。なお、リアルカードとバーチャルカードのクレジットカード情報は同じとすることが出来る。このように、同じクレジットカード情報とすることで、ユーザの管理負担が少なく利便性の高いクレジットカード技術を提供することができる。
【0090】
まず、SQ701の処理として、ユーザAがクレジットカードを利用する加盟店の店舗端末300は、商品またはサービスの決済操作を行い、商品またはサービスの取引に対するオーソリ要求をサーバ端末100に送信する。例えば、オンライン店舗の場合、店舗端末300は、ユーザ端末200から商品またはサービスの購入要求をネットワーク経由で受付け、決済処理を行う。また、実店舗の場合、店舗端末300は、クレジットカードをPOS/CCT/CAT等の端末に読み取らせて決済処理を行う。
【0091】
次に、SQ702の処理として、ウォレット情報処理部133は、通信部110を介して、店舗端末300から、所定の決済情報を受信する。決済情報に含まれる情報として、例えば、クレジットカード情報、加盟店ID、日時、利用金額等が含まれる。
【0092】
次に、SQ703の処理として、ユーザ情報処理部132は、受信した決済情報に含まれるクレジットカード情報に基づいて、ユーザ情報格納部121に格納されたユーザデータを参照し、ユーザ情報を取得する。続いて、SQ704の処理として、ウォレット情報処理部133は、ユーザ情報に関連づけられるウォレット情報を、ウォレット情報格納部122に格納されたウォレットデータを参照し、クレジットカードの決済が行われるウォレットに関する、決済口座情報を取得する。また、SQ705の処理として、ウォレット情報処理部133は、決済口座として設定されている(決済設定が「ON」に設定されている)ウォレットの残高情報を、ウォレットデータを参照しながら取得する。ここで、決済口座が、個人口座に設定されており、個人口座の残高以上の決済金額で決済が行われた場合、予めウォレットに対して自動チャージを行う設定がされていれば、ウォレット情報処理部133は、不足金額または所定金額をチャージする処理を行う。ここで、個人口座に対して自動入金(チャージ)を行う設定がされていない場合、不足金額をチャージすることができないため、ウォレット情報処理部133は、決済に対してエラー判定を行う。また、決済口座が、共有口座に設定されている場合であって、口座の残高以上の決済金額で決済が行われた場合、共有口座に対する自動入金(チャージ)の設定はでない。したがって、不足金額をチャージすることができないので、ウォレット情報処理部133は、決済に対してエラー判定を行う。
【0093】
次に、SQ705の処理において、決済が可能であるとの判定がなされた場合、SQ706の処理として、ウォレット情報処理部133は、ウォレット情報に基づいて決済を行う。例えば、決済口座が共有口座に設定されている場合、ウォレット情報処理部133は、ウォレット情報格納部122に格納されたウォレットデータを参照し、ユーザAが「オーナ」の共有口座から利用金額を減算する処理を行い、取引履歴情報を更新する。例えば、図9に示すように、ユーザAが加盟店において食費として700円の商品を購入し、クレジットカード決済を行った場合、共有口座「AB」から700円を減算した旨の情報を更新する。本例においては、決済に際して、共有口座から直接決済する場合について説明したが、これに限らない。例えば、決済口座が共有口座として設定されている場合、決済額相当を共有口座から個人口座へ自動的に振替をし、最終的には個人口座から決済を行ってもよい。どのような態様であっても、決済口座として設定された共有口座の残高から決済額相当が減少し、決済が行われればよい。
【0094】
このように、基本的には、ユーザがクレジットカードを利用したタイミングで決済が完了し、共有口座に入金されている残高金額に対して直ちに決済金額の減算が行われるが、クレジットカード利用時から一定期間経過後に決済が行われる取引も考えられる。例えば、月額サービスのように、サービス登録時に少額の決済が行われ、その後サービス利用料の決済請求が行われる場合や、一度商品購入後にオプションを追加した場合のように、クレジットカード利用時に対して決済が後日行われる場合がある。この場合、クレジットカード利用時に決済が行われない旨(例えば、「与信時に減算がない取引」等)の通知を、共有口座の参加者全員に対して通知する。このように、直ちに決済が行われない(残高減算が行われない)ことによるユーザの不安を解消することができる。
【0095】
その他、加盟店舗との取引として、クレジットカードの有効性を確認するために、クレジットカード利用時に、店舗側から形式的に一定額の決済請求を行い、クレジットカードの有効性を確認し、利用額との差額を返金する場合がある。かかる場合においても、共有口座の参加者全員に対して、カードの有効性を確認するための一時的な支払いである旨の通知を行うことで、ユーザの不安を解消することができる。
【0096】
次に、SQ707の処理として、ウォレット情報処理部133は、決済を行ったユーザに対してポイントを付与する処理を行う。本例においては、ウォレット情報処理部133は、共有口座が決済口座に設定されていても、実際に決済を行ったユーザであるユーザAの個人口座に対してポイントを付与する処理を行う。ウォレット情報処理部133は、ウォレット情報格納部122に格納されたウォレットデータを参照し、ユーザAの個人口座に対して付与したポイントを更新する処理を行う。例えば、図9に示すように、共有口座「AB」を利用して食費として700円が決済されたことに対し、ユーザA個人のウォレット「AA」に対してポイントが付与される。このように、実際に決済を行ったユーザの個人口座に対して直接ポイントを付与することで、公平性を担保することができる。ここで、ポイントは、個人口座には付与可能である一方、共有口座には付与されない構成とすることが好ましい。ポイントは、クレジットカードの利用により、例えば、利用回数、利用頻度、利用額、特定の店舗での利用、等により付与されるインセンティブ的な性質を有する。共有口座を決済口座に設定して決済を行った際も、個人口座にポイントを付与することでクレジットカードを利用するユーザのインセンティブが確保される。本例では、個人口座に対してポイントを付与する例について説明したが、クレジットカードを利用したユーザ個人のみが利用可能であれば、ポイント付与先は限定されない。例えば、ポイントを管理する専用の口座(ウォレット)情報を生成し、その口座にポイントを付与してもよい。このように、ウォレット情報処理部133は、ポイントをユーザ個人に対して付与する。
【0097】
次に、SQ708の処理として、ウォレット情報処理部133は、通信部110を介して、ユーザAのユーザ端末200A、及び、共有口座の参加者であるユーザBに対して、共有口座による決済が行われた旨の情報を通知する。本例の特徴として、共有口座に対して決済等の所定の取引が実行された場合に、実際に取引を行ったユーザだけでなく、当ウォレットを共有するすべてのユーザのユーザ端末に対して、取引が行われた旨の通知が送信される。
【0098】
ここで、決済等の取引に際して、ユーザAがユーザ端末200Aにインストールされたクレジットカードのアプリケーションを起動し、ウォレットを利用するための操作を行うと、図17に示すように、ユーザ端末200Aに個人口座に関する情報が表示される。図17に示すように、個人口座に関する情報として、残高情報、入金元情報(例えば、指定の銀行口座)、取引履歴情報(例えば、入出金及び決済に関する情報、入金元、利用店舗等に関する情報)が表示される。
【0099】
ユーザAは、共有口座を選択するために、図17の個人口座に関する情報を表示する画面において、所定の操作(例えば、画面に表示される矢印アイコン(901)を選択、アプリケーション画面の所定の領域においてタップ、若しくはスワイプ操作を行う等)を行うと、図18に示すように、共有口座に関する情報が画面上に表示される。このように、ユーザは、共有口座に関する情報を参照するために、ウォレットに関するアプリケーション画面において、ワンタップやスワイプ等の簡易な操作方法により所望の画面に遷移することができる。
【0100】
共有口座に関する情報を表示する画面においては、残高情報、取引履歴情報(例えば、入出金及び決済に関する情報、入金元、利用店舗等に関する情報)が表示される。共有口座の取引履歴情報については、個人口座とは異なり、どのユーザが取引を行ったかを簡易に視認できるよう、取引を行ったユーザを識別する情報(例えば、ユーザのユーザ名、ユーザアイコン)が取引履歴情報として表示される。
【0101】
ユーザがユーザ端末200にインストールされたクレジットカードのアプリケーションを起動すると、ユーザ端末200の制御部240は、口座情報をユーザ端末200に表示させる。制御部240は、表示操作部220のスワイプ操作等により、ユーザ端末200に表示する当該ユーザに関連付けられた口座情報の表示を変更する。この際、制御部240は、決済口座に設定された口座情報が他の口座情報に優先して表示されるよう制御する。優先して表示させるとは、例えば、アプリケーションの起動時画面に表示させる、口座情報を表示する際にデフォルトで表示させる、他の口座情報よりも大きく表示させる、他の口座情報とは異なる色で表示させる、等である。このようにすることで、ユーザは複数ある口座のうち、決済設定された口座がどの口座であるのかをユーザインターフェースを通して容易に理解することができる。
【0102】
また、図18に示すように、共有口座はアプリケーション画面において、取引履歴情報として、決済額や利用用途だけでなく、決済を行ったユーザに関する情報を表示する等、個人口座において表示される取引履歴情報と表示態様が異なる。共有口座は、個人口座と異なり、複数のユーザによって共有され、決済を行うための口座である。そのため、各ユーザは、誰が決済・振替等の取引を行ったかを知るニーズがある。このように、共有口座の取引履歴情報を表示する際に、個人口座と異なり、取引を行ったユーザ情報を表示することで、利便性の高いクレジットカード技術を提供することができる。
【0103】
その他、図18に示すように、共有口座の画面においては、入金/出金を示すアイコンの近傍に「振替」の旨、表示されている。共有口座については、個人口座と異なり、個人ユーザが設定する銀行口座に対して直接入出金を行うことができず、個人口座に対する振替による入出金のみを可能としているため、ユーザは、共有口座と個人口座の入出金に関する機能の違いを理解することができる。
【0104】
また、図17に示す個人口座における取引履歴情報に基づいて、図19図20に示すように、口座の利用用途(例えば、食費、日用品、交通費等)と合計金額について、日毎、週毎、月毎等の所定期間毎の情報として、円グラフ等のグラフを用いて可視化して表示させることができる。これにより、クレジットカードユーザは、個人口座について、どれくらいの金額を何に使ったか、利用用途毎の割合等、を一目で確認することができる。
【0105】
また、図示しないが、共有口座についても、同様に、用途及び用途毎の合計金額や割合を表示させることができる。さらに、共有口座については、参加ユーザの情報も組み合わせて表示させることができる。例えば、口座を共有するオーナまたは参加者の各々利用金額、利用割合、入金(振替)割合、出金(振替)割合、等を表示させることもできる。このように各々の口座の特性に基づいて、その利用に関する情報をグラフ等で可視化して表示させることで、ユーザは一目でその口座の利用状況を確認することができる。換言すると、個人口座においては、個人の利用用途・金額に関する情報を表示する第1表示を行う。また、共有口座においては、利用用途・金額に関する情報を表示する第1表示に加え、取引をおこなったユーザに関する情報を表示する第2表示を行う。このように、個人口座の取引履歴情報と共有口座の取引履歴情報の表示態様(外観、項目、グラフ数、等)を変更することにより、ユーザは、取引履歴情報を見ただけで、表示した取引履歴情報の口座の利用状況を理解することができる。
【0106】
以上のように、本実施形態によれば、ユーザ毎に関連付けられたクレジットカードを提供し、クレジットカードに対して、個人口座及び共有口座を関連づけすることで、ユーザにとって利便性の高いクレジットカード技術を提供することができる。
【0107】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0108】
例えば、本開示では、クレジットカード利用時は、ユーザにより選択された1つの決済口座(決済設定が「ON」に設定された)の残高を用いて決済される場合について説明したが、これに限られない。例えば、決済口座は複数選択されていてもよい。この場合、決済口座として選択された複数の口座(ウォレット)の残高を用いて決済が行われる。さらに、選択された複数の口座毎に、決済割合を設定可能に構成されてもよい。
【0109】
処理の一例を説明する。サーバ端末100の要求受付部131はユーザ端末200から、口座毎の決済割合を受信し、ウォレット情報格納部122に格納する。クレジットカードによる決済が行われると、ウォレット情報処理部133は、ウォレット情報格納部122から、ユーザが口座毎に設定した決済割合を読み込む。ウォレット情報処理部133は、読み込んだ決済割合に基づいて、複数の決済口座から決済を行う。このように、ユーザの設定した決済割合にもとづいて、複数の口座(ウォレット)の残高を用いて決済することができる。例えば、予め決済額の一定割合を補助する第2の口座を設ける等することにより、利用額に応じた補助を第2の口座から容易に行うことができる。また、決済割合ではなく、ユーザが決済額を設定する態様としてもよい。この場合、第1の口座残高から一定額が決済され、第2の口座残高から残余の金額が決済される。また、決済口座として選択された口座(ウォレット)の利用に優先順位を設けて、優先順位の高い口座の残高が不足したら、優先順位が低い口座(ウォレット)の残高を用いて決済してもよい
【0110】
例えば、本開示では、共有口座の参加ユーザは制限なく共有口座の残高を用いた決済を行うことができる場合について説明したが、これに限られない。例えば、共有口座の「オーナ」であるユーザが、参加ユーザ毎に共有口座の利用可能額や利用期間を、設定可能に構成されてもよい。
【0111】
処理の一例を説明する。サーバ端末100の要求受付部131は、共有口座の「オーナ」であるユーザのユーザ端末200から、共有口座の参加ユーザに関する制限情報を受信し、ウォレット情報格納部122に格納する。制限情報には、参加ユーザ毎の決済毎の利用限度額、所定期間の利用限度額、共有口座を用いて決済が可能な利用期間、等が含まれる。クレジットカードによる決済が行われると、ウォレット情報処理部133は、ウォレット情報格納部122から、参加ユーザの制限情報を読み込む。ウォレット情報処理部133は、読み込んだ制限情報に基づいて、共有口座からの決済が可能か否かを判断する。このように、共有口座のオーナであるユーザの設定した制限情報にもとづいて、共有口座の残高による決済をすることができる。例えば、制限情報を設けることにより、一時的または時限的に共有口座の利用を許可することや、共有口座の参加ユーザの共有口座残高の利用(増減)をオーナ側で制御することができる。
【0112】
例えば、本開示では、個人口座と共有口座の取引履歴情報を利用用途や所定期間毎の情報として表示する場合について説明したが、これに限られない。例えば、取引履歴情報にユーザがメモを記入することが可能であってもよい。
【0113】
処理の一例を説明する。ユーザはユーザ端末200の表示操作部220を操作することで、取引履歴情報をサーバ端末100のウォレット情報格納部122から取得する。ユーザ端末200に表示された、取引履歴情報から、任意の取引を、表示操作部220を用いて選択し、メモを入力する。ユーザ端末200は、ユーザが入力したメモを、サーバ端末100に送信する。サーバ端末100は、受信したメモを取引履歴情報と関連付けてウォレット情報格納部122に格納する。ここで、共有口座は複数のユーザが共有する口座であり、メモは他人でも理解できる内容であることが好ましい。一方で、個人口座はユーザ個人が利用する口座であり、メモは自分が理解できる内容であればよい。そのため、個人口座と共有口座では、取引履歴情報に書き込めるメモの情報量に違いを設けることが好ましい。具体的には、共有口座の取引履歴情報に書き込めるメモの情報量を個人口座の取引履歴情報に書き込めるメモの情報量よりも多くする。このようにすれば、必要な情報量のメモを残すことができ、ユーザにとって利便性が高くなる。
【0114】
例えば、本開示では、個人口座と共有口座の残高を振替(入金および出金)する場合について説明したが、これに限られない。例えば、残高だけでなく、取引履歴情報についても振替が行われてもよい。決済口座として、第1口座が設定され、決済が第1口座の残高を用いて行われた後に、当該決済が第2口座から行われるべき決済であるとユーザが判断することがある。このような場合に、残高とともに取引履歴情報の振替を行うことにより、当該決済自体が第2口座を用いて決済されたように取り扱うことができる。
【0115】
処理の一例を説明する。ユーザはユーザ端末200の表示操作部220を操作することで、取引履歴情報をサーバ端末100のウォレット情報格納部122から取得する。ユーザ端末200に表示された、取引履歴情報から、任意の取引を表示操作部220を用いて選択する。次にユーザは、ユーザに関連付けられた口座の中から、振替先口座を選択し、履歴振替要求をサーバ端末100に送信する。サーバ端末100のウォレット情報処理部133は、履歴振替要求を受信すると、ウォレット情報格納部122から振替を行う取引履歴情報を読み出す。ウォレット情報処理部133は、読みだした取引履歴情報の決済額の情報に基づいて、ウォレット情報格納部122に格納された振替先口座の残高データを決済額相当分減額して更新する。次に、ウォレット情報格納部122に格納された振替元口座の残高データを決済額相当分増額して更新する。さらに、ウォレット情報処理部133は、読みだした取引履歴情報の内容を、振替先口座の取引履歴情報に書込むとともに、振替元の取引履歴情報を削除する。このように、第1口座を用いて決済が行われた後、ユーザ操作により、第1口座と第2口座の間で取引履歴情報と残高の振替を行うことで、はじめから第2口座を用いて決済が行われたように取り扱うことができる。
【0116】
本明細書において説明した装置は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部がネットワークで接続された複数の装置(例えばクラウドサーバ)等により実現されてもよい。例えば、サーバ端末100のCPU101および記憶装置103は、互いにネットワークで接続された異なるサーバにより実現されてもよい。
【0117】
本明細書において説明した装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、およびソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。本実施形態に係るサーバ端末100の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0118】
また、本明細書においてフローチャート図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0119】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【符号の説明】
【0120】
1 クレジットカード提供システム
100 サーバ端末
101 CPU
102 メモリ
103 記憶装置
104 通信インタフェース
105 入力装置
106 出力装置
110 通信部
120 記憶部
121 ユーザ情報格納部
122 ウォレット情報格納部
130 制御部
131 要求受付部
132 ユーザ情報処理部
133 ウォレット情報処理部
200 ユーザ端末
201 CPU
202 メモリ
203 記憶装置
204 通信インタフェース
205 入力装置
206 出力装置
210 通信部
220 表示操作部
230 記憶部
240 制御部
300 店舗端末
301 CPU
302 メモリ
303 記憶装置
304 通信インタフェース
305 入力装置
306 出力装置
310 通信部
320 表示操作部
330 記憶部
340 リーダ
350 制御部
NW ネットワーク
【要約】      (修正有)
【課題】ユーザにとって管理負担の少ないクレジットカードの技術を提供するサーバを提供する。
【解決手段】複数のユーザ端末と、サーバ端末とが、ネットワークを介して接続されるクレジットカード提供システムにおいて、クレジットカードによる決済を支援するサーバ端末は、第1ユーザの情報と、第1ユーザに関連づけられた第1クレジットカードの情報と、第1の残高を有する第1ウォレットと、第2の残高を有する第2ウォレットと、を記憶する記憶部と、第1ユーザから、第1ウォレットと第2ウォレットの少なくとも一方を、第1クレジットカードによる決済を行うウォレットとして選択する指示を受け付けるウォレット情報処理部とを有する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21