(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】旋回フレーム
(51)【国際特許分類】
B66C 23/62 20060101AFI20230502BHJP
B66C 23/74 20060101ALI20230502BHJP
B66C 13/52 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
B66C23/62
B66C23/74 Z
B66C13/52 Z
(21)【出願番号】P 2019023762
(22)【出願日】2019-02-13
【審査請求日】2021-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】本山 雄大
(72)【発明者】
【氏名】市川 靖生
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-040323(JP,A)
【文献】特開平10-236779(JP,A)
【文献】特開2010-189188(JP,A)
【文献】特開2003-081579(JP,A)
【文献】特開2018-203487(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01000896(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 23/62
B66C 23/74
B66C 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回ベアリングを介して下部走行体に取り付けられ、カウンタウエイトおよびブームが取り付けられる、クレーンの旋回フレームであって、
長手方向が前後方向であるフレーム本体部と、
前記フレーム本体部の前側部分に設けられ、前記ブームが取り付けられるブーム取付部と、
前記フレーム本体部から上下方向に突出する上下方向突出部と、
を備え、
前記フレーム本体部は、
前記旋回ベアリングが取り付けられるフレーム前側部分と、
前記フレーム前側部分よりも後側に配置され、前記カウンタウエイトが取り付けられ、前記ブームから伝わる力が上向きに作用するフレーム後側部分と、
を備え、
前記フレーム後側部分の上下方向の幅は、前記フレーム前側部分の上下方向の幅よりも広い、
旋回フレーム。
【請求項2】
旋回ベアリングを介して下部走行体に取り付けられ、カウンタウエイトおよびブームが取り付けられる、クレーンの旋回フレームであって、
長手方向が前後方向であるフレーム本体部と、
前記フレーム本体部から上下方向に突出する上下方向突出部と、
を備え、
前記上下方向突出部は、前記フレーム本体部の後側部分から上側に突出する後側上突出部を備え、
前記フレーム本体部は、
前記旋回ベアリングが取り付けられるフレーム前側部分と、
前記フレーム前側部分よりも後側に配置され、前記カウンタウエイトが取り付けられ、前記ブームから伝わる力が上向きに作用するフレーム後側部分と、
を備え、
前記フレーム後側部分の上下方向の幅は、前記フレーム前側部分の上下方向の幅よりも広い、
旋回フレーム。
【請求項3】
請求項1
または2に記載の旋回フレームであって、
前記フレーム本体部は、前記フレーム前側部分と前記フレーム後側部分との間の前記フレーム本体部の上面に配置されるフレーム上面傾斜部を備え、
前記フレーム上面傾斜部は、後側ほど上側に配置されるように前後方向に対して傾斜する、
旋回フレーム。
【請求項4】
請求項1
~3のいずれか1項に記載の旋回フレームであって、
前記フレーム前側部分と前記フレーム後側部分との間の部分の上下方向の幅の最小値は、前記フレーム前側部分の上下方向の幅よりも狭い、
旋回フレーム。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか1項に記載の旋回フレームであって、
前記フレーム後側部分の下面の上下方向における位置は、前記フレーム後側部分の下面に取り付けられる前記カウンタウエイトが前記下部走行体と干渉しないような位置に設定される、
旋回フレーム。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれか1項に記載の旋回フレームであって、
前記フレーム後側部分の後側端部に配置され、前記フレーム本体部の外部と内部とを前後方向に貫通する後端開口部を備える、
旋回フレーム。
【請求項7】
請求項
6に記載の旋回フレームであって、
前記後端開口部の横方向における幅は、上側ほど狭い、
旋回フレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンの旋回フレームに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1などに、従来の旋回フレームが記載されている(同文献の
図2、
図4を参照)。この旋回フレームは、下部走行体に対して旋回可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同文献に記載の旋回フレームでは、旋回フレームの後側部分の上下方向の幅(厚さ)は、旋回フレームの前側部分の上下方向の幅よりも狭い。この構造では、下部走行体に対する旋回フレームの旋回中心から、旋回フレームの後側端部までの距離(旋回半径)が大きくなりやすい。すると、この旋回フレームを有するクレーンが、狭所で作業しにくくなる。そのため、旋回フレームの旋回半径を短くすることが望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、旋回半径を短くできる旋回フレームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
旋回フレームは、旋回ベアリングを介して下部走行体に取り付けられ、カウンタウエイトおよびブームが取り付けられる、クレーンの旋回フレームである。旋回フレームは、長手方向が前後方向であるフレーム本体部と、前記フレーム本体部から上下方向に突出する上下方向突出部と、を備える。前記フレーム本体部は、フレーム前側部分と、フレーム後側部分と、を備える。前記フレーム前側部分は、前記旋回ベアリングが取り付けられる部分である。前記フレーム後側部分は、前記フレーム前側部分よりも後側に配置され、前記カウンタウエイトが取り付けられ、前記ブームから伝わる力が上向きに作用する部分である。前記フレーム後側部分の上下方向の幅は、前記フレーム前側部分の上下方向の幅よりも広い。
【発明の効果】
【0007】
上記構成により、旋回フレームの旋回半径を短くできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図1に示す旋回フレーム30を横から見た図である。
【
図3】
図1に示す旋回フレーム30を上側から見た図である。
【
図4】
図1に示す旋回フレーム30を後側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1~
図4を参照して、
図1に示すクレーン1の旋回フレーム30について説明する。
【0010】
クレーン1は、ブーム13を有する建設機械である。クレーン1は、下部走行体11と、旋回ベアリング12と、ブーム13と、ブームバックストップ14と、ブーム起伏装置15と、上部旋回体20と、を備える。
【0011】
下部走行体11は、クレーン1を走行させる部分であり、例えばクローラを備える。旋回ベアリング12は、下部走行体11と上部旋回体20との間に配置され、下部走行体11に対して上部旋回体20を旋回可能に支持する。ブーム13は、吊荷を吊り上げる作業などを行う。ブーム13は、上部旋回体20に起伏(回転)可能に取り付けられる。ブーム13は、ラチス構造を有するラチスブームである。ブーム13がラチスブームであり、下部走行体11がクローラを備える場合、クレーン1は、ラチスブームクローラクレーンである。ブームバックストップ14は、ブーム13が所定の起伏角度よりも後側X2に回転することを防ぐ装置である。なお、「後側X2」などの方向の定義は後述する。
【0012】
ブーム起伏装置15は、上部旋回体20に対してブーム13を起伏させる装置である。ブーム起伏装置15は、マスト15aと、下部スプレッダ15bと、上部スプレッダ15cと、ブーム起伏ロープ15dと、ブームガイライン15eと、を備える。マスト15a(ブーム起伏部材)は、ブーム13よりも後側X2に配置され、上部旋回体20に起伏(回転)可能に取り付けられる。下部スプレッダ15bは、複数のシーブを有する装置であり、上部旋回体20の後側X2端部に取り付けられる。上部スプレッダ15cは、複数のシーブを有する装置であり、マスト15aの先端部(上部旋回体20に取り付けられる側とは反対側の端部)に取り付けられる。ブーム起伏ロープ15dは、下部スプレッダ15bおよび上部スプレッダ15cに掛けられ、図示しないウインチにより巻き取り、および繰り出しされる。ブームガイライン15eは、マスト15aの先端部とブーム13の先端部とに接続される。ブーム起伏装置15は、次のように作動する。ブーム起伏ロープ15dが、図示しないウインチにより巻き取り、および繰り出しされる。すると、下部スプレッダ15bと上部スプレッダ15cとの間隔が変わる。その結果、マスト15aが、上部旋回体20に対して起伏する。その結果、ブーム13が、上部旋回体20に対して起伏する。
【0013】
なお、ブーム起伏装置15は、マスト15aに代えてガントリ(ブーム起伏部材)を備えてもよい。この場合、マスト15aに代えて、上部旋回体20に取り付けられるコンプレッションメンバが設けられる。コンプレッションメンバの先端部(マスト15aの先端部の位置に対応)と上部旋回体20の後端部(下部スプレッダ15bの位置に対応)とが、リンク部材であるテンションメンバで接続される。下部スプレッダ15bは、コンプレッションメンバの先端部に配置される。上部スプレッダ15cは、コンプレッションメンバの先端部とブーム13の先端部との間の位置に配置され、ブームガイライン15eが接続される。そして、ブーム起伏ロープ15dが、図示しないウインチにより巻き取り、および繰り出しされる。すると、下部スプレッダ15bと上部スプレッダ15cとの間隔が変わる。その結果、ブーム13が、上部旋回体20に対して起伏する。
【0014】
上部旋回体20は、下部走行体11よりも上側Z1に配置され、下部走行体11に対して旋回可能である。上部旋回体20は、キャブ21と、カウンタウエイト23と、旋回フレーム30と、
図2に示すフレーム内搭載物80と、カバー89と、を備える。
【0015】
キャブ21は、
図1に示すクレーン1の操作者が操作を行う運転室であり、上部旋回体20の前側X1部分に配置される。カウンタウエイト23は、クレーン1の前後方向Xの質量のバランスをとるための錘であり、上部旋回体20の後側X2部分に配置される。
【0016】
旋回フレーム30は、ブーム13、ブーム起伏装置15、キャブ21、およびカウンタウエイト23などを支持するフレーム(構造物)である。旋回フレーム30に関する方向を次のように定義する。下部走行体11に対する旋回フレーム30の旋回の回転軸が延びる方向を、上下方向Zとする。上下方向Zにおいて、下部走行体11から上部旋回体20に向かう側を上側Z1とし、その逆側を下側Z2とする。旋回フレーム30の(フレーム本体部40(
図2参照)の)長手方向を前後方向Xとする。前後方向Xは、上下方向Zに直交する。前後方向Xにおいて、旋回フレーム30へのカウンタウエイト23の取り付け位置から旋回ベアリング12の取り付け位置に向かう側を前側X1とし、その逆側を後側X2とする。上下方向Zおよび前後方向Xのそれぞれに直交する方向を横方向Yとする。
図2に示すように、旋回フレーム30は、ブーム取付部30bと、上下方向突出部31と、フレーム本体部40と、を備える。
【0017】
ブーム取付部30bは、ブーム13(
図1参照)が取り付けられる部分である。ブーム取付部30bは、フレーム本体部40の前側X1部分に設けられる。ブーム取付部30bは、フレーム本体部40から前側X1に突出してもよい。ブーム取付部30bは、フレーム本体部40の前側X1部分、かつ、フレーム本体部40の上下方向Zの中央部または下側Z2部分に配置されてもよい。ブーム取付部30bは、フレーム本体部40から上側Z1に突出してもよい(ブーム取付部30bは、上下方向突出部31に含まれてもよい)。
【0018】
上下方向突出部31は、フレーム本体部40から上下方向Zに突出する部分(突起部)である。上下方向突出部31は、例えば、マスト取付部31aと、バックストップ受け部31bと、下部スプレッダ取付部31cと、カウンタウエイト取付部31dと、を備える。
【0019】
マスト取付部31a(ブーム起伏部材取付部)は、マスト15a(
図1参照)が取り付けられる部分であり、旋回フレーム30の前側X1端部に配置される。マスト取付部31aは、フレーム本体部40から上側Z1に突出する(バックストップ受け部31bおよび下部スプレッダ取付部31cも同様)。バックストップ受け部31bは、ブームバックストップ14(
図1参照)の下側Z2端部を受ける部分であり、例えば、フレーム本体部40の前後方向X中央部に配置される。下部スプレッダ取付部31cは、下部スプレッダ15b(
図1参照)が取り付けられる部分であり、フレーム本体部40の後側X2端部に配置される。なお、マスト15a(
図1参照)に代えてガントリが設けられる場合は、マスト取付部31aに代えてコンプレッションメンバの取付部が設けられ、下部スプレッダ取付部31cに代えてテンションメンバの取付部が設けられる。
【0020】
カウンタウエイト取付部31dは、カウンタウエイト23が取り付けられる部分であり、フレーム本体部40の後側X2部分(後述するフレーム後側部分60)に配置される。カウンタウエイト取付部31dは、フレーム本体部40から下側Z2に突出する。カウンタウエイト取付部31dは、
図2および
図4に示す例では、前後方向Xおよび横方向Yに間隔を開けて4か所に設けられる。
【0021】
フレーム本体部40は、
図2に示すように、前後方向Xに長い(フレーム本体部40の長手方向を前後方向Xとする)。フレーム本体部40は、旋回フレーム30のうち上下方向突出部31を除く部分である。フレーム本体部40は、フレーム前側部分50と、フレーム後側部分60と、フレーム中央部分70と、を備える。
【0022】
フレーム前側部分50は、旋回フレーム30の前側X1の部分である。フレーム前側部分50は、旋回ベアリング12(
図1参照)が取り付けられる部分である。以下、前後方向Xにおける位置を前後方向X位置ともいう(上下方向Zについても同様)。フレーム前側部分50の後側X2の端の前後方向X位置は、ベアリング座面52の後側X2の端の前後方向X位置と同じ位置である。フレーム前側部分50の前側X1の端の前後方向X位置は、ベアリング座面52の前側X1の端の前後方向X位置と同じ位置である。なお、フレーム前側部分50の前側X1の端の前後方向X位置は、フレーム前板50fの前側X1の端の前後方向X位置と同じ位置でもよい。フレーム前板50fは、フレーム本体部40の前側X1端部に配置され、フレーム本体部40の左右の側面(横方向Y外側の両面)につながれる。フレーム前側部分50は、フレーム前側上面51と、ベアリング座面52と、を備える。
【0023】
フレーム前側上面51は、フレーム前側部分50の上面(上側Z1の面)である。フレーム前側上面51は、平面状でもよく、略平面状でもよく、段差や傾斜があってもよい。横方向Yから見たとき、フレーム前側上面51は、前後方向Xに延びる直線状または略直線状でもよく、折れ線状でもよく、曲線状でもよく、これらを組み合わせた形状でもよい(フレーム後側部分60およびフレーム中央部分70のそれぞれの上下面も同様)。フレーム前側上面51から上側Z1に、マスト取付部31a(またはコンプレッションメンバ取付部)が突出する。
【0024】
ベアリング座面52は、フレーム前側部分50の下面(下側Z2の面)に設けられ、旋回ベアリング12(
図1参照)が固定される部分である。ベアリング座面52には、旋回ベアリング12が接触する。ベアリング座面52は、平面状であり、横方向Yから見て前後方向Xに延びる直線状である。
【0025】
(前側上下幅L50)
フレーム前側部分50の上下方向Zの幅(厚さ、高さ、寸法)を前側上下幅L50とする。前側上下幅L50は、例えばベアリング座面52の必要な強度を確保できるような幅に設定される。前側上下幅L50は、ベアリング座面52からフレーム前側上面51までの上下方向Zの幅である。フレーム前側上面51が平面でない場合は、フレーム前側部分50の前後方向X位置によって、ベアリング座面52からフレーム前側上面51までの上下方向Zの幅が異なる場合がある。この場合、ベアリング座面52からフレーム前側上面51までの上下方向Zの幅の最大値を、前側上下幅L50とする。なお、上下方向突出部31の寸法は、前側上下幅L50には含まれない(後側上下幅L60、中央上下幅L70も同様)。
【0026】
フレーム後側部分60は、フレーム本体部40の後側X2の部分である。フレーム後側部分60は、フレーム前側部分50よりも後側X2に配置される。フレーム後側部分60には、カウンタウエイト23(
図1参照)が取り付けられる。フレーム後側部分60の後側X2の端の前後方向X位置は、フレーム本体部40の後側X2の端の前後方向X位置である。フレーム後側部分60の前側X1の端の前後方向X位置は、少なくともフレーム前側部分50よりも後側X2であり、例えばフレーム上面傾斜部71aの後側X2の端の前後方向X位置と同じ位置である。
【0027】
このフレーム後側部分60には、ブーム13(
図1参照)から伝わる力が上側Z1向きに作用する。さらに詳しくは、
図1に示すブーム13から、ブームガイライン15e、上部スプレッダ15c、ブーム起伏ロープ15d、下部スプレッダ15b、
図2に示す下部スプレッダ取付部31c、の順に力が伝わる。そして、下部スプレッダ取付部31cに伝わった上側Z1向きの力が、フレーム後側部分60に作用する。なお、
図1に示すマスト15aに代えてガントリが設けられる場合は、次のように力が伝わる。ブーム13から、ブームガイライン15e、上部スプレッダ15c、ブーム起伏ロープ15d、下部スプレッダ15b、テンションメンバ、
図2に示す下部スプレッダ取付部31cと同じ位置のテンションメンバ取付部、の順に力が伝わる。そして、テンションメンバ取付部に伝わった上側Z1向きの力が、フレーム後側部分60に作用する。
【0028】
このフレーム後側部分60は、フレーム後側上面61と、フレーム後側下面62と、
図4に示すフレーム後面63と、フレーム後部上部フレーム64と、フレーム後部下部フレーム65と、後端開口部67と、を備える。
【0029】
フレーム後側上面61は、
図2に示すように、フレーム後側部分60の上面である。フレーム後側上面61は、平面状でもよく、略平面状でもよい(フレーム後側下面62も同様)。フレーム後側上面61から上側Z1に、下部スプレッダ取付部31c(またはテンションメンバ取付部(以下の下部スプレッダ取付部31cについても同様))が突出する。
【0030】
フレーム後側下面62は、フレーム後側部分60の下面である。フレーム後側下面62には、カウンタウエイト23(
図1参照)が取り付けられる。フレーム後側下面62から、カウンタウエイト取付部31d・31dの一部が下側Z2に突出する。フレーム後側下面62の上下方向Z位置は、
図1に示すカウンタウエイト23と下部走行体11とが干渉しないような位置に設定される。さらに詳しくは、下部走行体11に対する上部旋回体20の旋回角度がどのような角度であっても、カウンタウエイト23と下部走行体11とが干渉しないように、
図2に示すフレーム後側下面62の上下方向Z位置が設定される。例えば、フレーム後側下面62は、ベアリング座面52よりも上側Z1に配置される。この場合、ベアリング座面52と同じ上下方向Z位置にフレーム後側下面62が配置される場合に比べ、フレーム後側部分60を軽量化しやすい。
【0031】
(後側上下幅L60)
フレーム後側部分60の上下方向Zの幅を後側上下幅L60とする。後側上下幅L60は、例えば下部スプレッダ取付部31cからフレーム後側部分60に作用する力に対する必要な強度を確保できるような広さに設定される。後側上下幅L60は、フレーム後側下面62からフレーム後側上面61までの上下方向Zの幅である。フレーム後側上面61およびフレーム後側下面62の少なくともいずれかが平面でない場合は、フレーム後側部分60の前後方向X位置によって、フレーム後側下面62からフレーム後側上面61までの上下方向Zの幅が異なる場合がある。この場合、フレーム後側下面62からフレーム後側上面61までの上下方向Zの幅の最大値を、後側上下幅L60とする。後側上下幅L60は、フレーム前側部分50の前側上下幅L50よりも広い。
【0032】
フレーム後面63(
図4参照)は、フレーム本体部40の後側X2端部に配置され、後側X2を向く面である。
図4に示すように、フレーム後部上部フレーム64は、下部スプレッダ取付部31cを支持する構造物である。フレーム後部上部フレーム64は、フレーム後側部分60の後側X2部分かつ上側Z1部分に配置される。フレーム後部上部フレーム64は、横方向Yに延びる梁である(フレーム後部下部フレーム65も同様)。フレーム後部上部フレーム64の上面は、フレーム後側上面61に含まれる。フレーム後部下部フレーム65は、フレーム後側部分60の後側X2端部かつ下側Z2部分に配置される。フレーム後部下部フレーム65の下面は、フレーム後側下面62に含まれる。
【0033】
後端開口部67は、空気の取り込み口などとして用いられる開口である。後端開口部67は、フレーム本体部40の外部と内部とを前後方向Xに貫通する孔(さらに詳しくは孔の内面)である。後端開口部67は、フレーム後側部分60の後側X2端部に配置される。後端開口部67は、フレーム後面63に設けられる。後端開口部67は、フレーム後面63のうち、フレーム後部上部フレーム64とフレーム後部下部フレーム65との上下方向Zの間の部分に設けられる。後端開口部67は、フレーム後部上部フレーム64には設けられない。後端開口部67は、フレーム後部下部フレーム65には設けられない。後端開口部67は、前後方向Xから見たとき、四角形または略四角形であり、例えば、長方形または略長方形でもよく、例えば台形または略台形でもよい。後端開口部67は、後端開口部傾斜部67aを備えてもよい。後端開口部傾斜部67aは、後端開口部67の横方向Yにおける端に設けられる。後端開口部傾斜部67aが設けられることにより、後端開口部67の横方向Yにおける幅は、上側Z1ほど狭い。後端開口部傾斜部67aは、前後方向Xから見て、直線状でもよく、曲線状でもよく、これらを組み合わせた形状(
図4に示す例を参照)でもよい。
【0034】
フレーム中央部分70は、
図2に示すように、フレーム本体部40のうち、フレーム前側部分50とフレーム後側部分60との間(前後方向Xにおける間)の部分である。フレーム中央部分70は、フレーム中央上面71と、フレーム中央下面72と、を備える。
【0035】
フレーム中央上面71は、フレーム中央部分70の上面である。フレーム中央上面71は、フレーム上面傾斜部71aを備える。フレーム上面傾斜部71aは、後側X2ほど上側Z1に配置されるように、前後方向Xに対して傾斜する。
【0036】
フレーム中央下面72は、フレーム中央部分70の下面である。フレーム中央下面72は、フレーム下面傾斜部72aを備える。フレーム下面傾斜部72aは、前側X1ほど下側Z2に配置されるように、前後方向Xに対して傾斜する。例えば、フレーム下面傾斜部72aは、フレーム上面傾斜部71aよりも前側X1に配置されてもよく、上下方向Zから見てフレーム上面傾斜部71aと重なる位置に配置されてもよい(図示なし)。
【0037】
(中央上下幅L70)
フレーム中央部分70の上下方向Zの幅を中央上下幅L70とする。中央上下幅L70は、フレーム中央下面72からフレーム中央上面71までの上下方向Zの幅である。中央上下幅L70は、フレーム中央部分70の前後方向X位置によって異なる。
図2に示す例では、中央上下幅L70は、ベアリング座面52の後側X2の端からフレーム下面傾斜部72aの前側X1の端までの前後方向X位置では一定であり、フレーム下面傾斜部72aの位置では後側X2ほど狭くなる。中央上下幅L70は、フレーム下面傾斜部72aとフレーム上面傾斜部71aとの前後方向Xにおける間の位置では一定である。この位置では、中央上下幅L70が最小値L70minとなる。中央上下幅L70は、フレーム上面傾斜部71aの位置では後側X2ほど広くなる。中央上下幅L70の最小値L70minは、前側上下幅L50よりも狭い。これにより、フレーム中央部分70を軽量化できる。
【0038】
フレーム内搭載物80は、旋回フレーム30に搭載される物(機器など)である。フレーム内搭載物80は、旋回フレーム30の内部に配置され、旋回フレーム30の左右の側面(横方向Y外側の面)よりも横方向Yにおける内側に配置される。フレーム内搭載物80は、例えば、エンジン81と、ファン83と、タンク85(
図3参照)と、を備える。なお、フレーム内搭載物80は、図示しない油圧機器(ポンプなど)なども備える。
【0039】
エンジン81は、クレーン1(
図1参照)の駆動源である。例えば、エンジン81は、フレーム後側部分60およびフレーム中央部分70の少なくともいずれかに配置される。エンジン81の上側Z1端部の上下方向Z位置は、フレーム後側上面61よりも下側Z2でもよく、フレーム後側上面61の上下方向Z位置と同じ位置でもよく、フレーム後側上面61よりも上側Z1でもよい(タンク85(
図3参照)も同様)。エンジン81の上側Z1端部(の全体または一部)の上下方向Z位置は、フレーム中央上面71よりも下側Z2でもよく、フレーム中央上面71の上下方向Z位置と同じ位置でもよい(タンク85(
図3参照)も同様)。エンジン81の上側Z1端部の全体または一部の、上下方向Z位置は、フレーム中央上面71よりも上側Z1でもよい(二点鎖線で示すエンジン81Aを参照)(タンク85(
図3参照)も同様)。
【0040】
ファン83は、エンジン81を冷却するための空気を、旋回フレーム30の外部(外気)から内部に取り込む。ファン83は、後端開口部67(
図4参照)の内側であって旋回フレーム30の内部と外部との境界部分に配置されてもよい。ファン83は、後端開口部67(
図4参照)よりも前側X1に配置されてもよく、旋回フレーム30の内部に配置されてもよい。
【0041】
タンク85は、
図3に示すように、例えば、燃料タンクや作動油タンクなどである。タンク85は、例えば、エンジン81よりも横方向Y外側に配置され、例えば、エンジン81よりも横方向Y外側の両側(左右)に配置される。
【0042】
カバー89は、
図2に示すように、フレーム本体部40の上面などを覆う。カバー89は、エンジン81を上側Z1から覆う。カバー89は、タンク85(
図3参照)を上側Z1から覆う。エンジン81がフレーム本体部40の上面よりも上側Z1に突出している場合(エンジン81Aを参照)は、カバー89もフレーム本体部40の上面よりも上側Z1に突出することになる(タンク85(
図3参照)も同様)。なお、フレーム本体部40の上面に足場が設けられてもよく、カバー89に足場が設けられてもよく、カバー89が足場として利用されてもよい。
【0043】
(比較)
従来の旋回フレームでは、一般的には、旋回フレームの後側部分の上下幅は、旋回フレームの前側部分の上下幅よりも小さい(薄い、高さが低い)構造となっていた。この構造の問題点として、例えば下記の[問題の例1]~[問題の例3]がある。なお、説明の便宜上、本実施形態の構成要素の符号を、従来の構造の構成要素に付した。
【0044】
[問題の例1]旋回フレーム30の後側X2部分には、ブーム13から、下部スプレッダ15b(またはテンションメンバ)を介して、上側Z1向きの力が作用する。旋回フレーム30の後側X2部分では、この力に対する強度を確保する必要がある。そこで、旋回フレーム30の後端を後側X2に長く延ばし、下部スプレッダ15b(またはテンションメンバ)の取付位置をできるだけ後側X2に配置すれば、ブーム起伏ロープ15d(またはテンションメンバ)の張力が下がる。そのため、旋回フレーム30の後側X2部分に上側Z1向きに作用する力が減り、旋回フレーム30の後側X2部分での必要な強度は下がる。しかし、旋回フレーム30の後端を後側X2に長く延ばすと、下部走行体11に対する旋回フレーム30の旋回中心から、旋回フレーム30の後端までの距離(旋回半径)が長くなる。すると、狭い作業現場では、クレーン1が作業できなくなる問題がある。
【0045】
[問題の例2]旋回フレーム30の後端を後側X2に長く延ばさず、旋回フレーム30全体を厚くすれば、旋回フレーム30の強度は上がる。しかし、旋回フレーム30全体を厚くすれば、旋回フレーム30の質量が増加するとともに、旋回フレーム30の上下方向Zの幅が広くなる。ここで、公道を用いて輸送を行うときなどには、輸送物の寸法および質量が制限される。そのため、旋回フレーム30の寸法および質量が大きくなると、旋回フレーム30の輸送が困難になる。
【0046】
[問題の例3]旋回フレーム30の内部に、エンジン81が配置される場合がある。このエンジン81を冷却するために、旋回フレーム30の外部から内部に空気が取り込まれる場合がある。一方、旋回フレーム30の後端部に開口を設けると、旋回フレーム30の後側X2部分の必要な強度を確保できないおそれがある。そのため、旋回フレーム30の後端部よりも前側X1の開口から空気を取り込む場合がある。この場合、エンジン81やエンジン81の排気口の近傍の熱風が、冷却風として取り込まれるおそれがあり、冷却風による冷却効率が悪化するおそれがある。また、この開口が狭い場合には、作業者が開口を通ることが難しくなるおそれがある。その結果、各種機器(エンジン81や油圧機器など)のメンテナンスが難しくなるおそれがある。
【0047】
一方、本実施形態では、上記の各問題を、下記のように抑制できる。なお、本実施形態において、上記の各問題の一部が抑制できなくてもよい。
【0048】
(効果)
図1に示す旋回フレーム30による効果は次の通りである。
【0049】
(第1の発明の効果)
クレーン1の旋回フレーム30は、旋回ベアリング12を介して下部走行体11に取り付けられ、カウンタウエイト23およびブーム13が取り付けられるものである。
図2に示すように、旋回フレーム30は、フレーム本体部40と、上下方向突出部31と、を備える。フレーム本体部40の長手方向は、前後方向Xである。上下方向突出部31は、フレーム本体部40から上下方向Zに突出する。フレーム本体部40は、旋回ベアリング12(
図1参照)が取り付けられるフレーム前側部分50と、フレーム後側部分60と、を備える。フレーム後側部分60は、フレーム前側部分50よりも後側X2に配置され、カウンタウエイト23(
図1参照)が取り付けられ、ブーム13(
図1参照)から伝わる力が上側Z1向きに作用する部分である。
【0050】
[構成1]フレーム後側部分60の上下方向Zの幅(後側上下幅L60)は、フレーム前側部分50の上下方向Zの幅(前側上下幅L50)よりも広い。
【0051】
上記[構成1]により、後側上下幅L60が前側上下幅L50以下である場合に比べ、フレーム後側部分60の強度を向上させることができる。ここで、旋回フレーム30の前後方向Xの長さが短くなると、ブーム13(
図1参照)からフレーム後側部分60に伝わる上側Z1向きの力は大きくなる。一方、上記[構成1]では、フレーム後側部分60の強度を向上させることができるので、旋回フレーム30の前後方向Xの長さを短くできる。その結果、旋回フレーム30の旋回半径を短くできる。
【0052】
さらに詳しくは、フレーム本体部40の後側X2端部の位置を、従来よりも前側X1にすると、下部スプレッダ取付部31c(またはテンションメンバの取付部)の位置が従来よりも前側X1になる。すると、ブーム13(
図1参照)からフレーム後側部分60に力を伝える張力部材(具体的にはブーム起伏ロープ15d(
図1参照)またはテンションメンバ)に作用する張力が大きくなり、フレーム後側部分60の必要な強度は高くなる。一方、本実施形態では、上記[構成1]により、フレーム後側部分60の強度を向上させることができる。よって、旋回フレーム30の前後方向Xの長さを短くして、上記の張力が大きくなっても、フレーム後側部分60の必要な強度を確保できる。よって、旋回フレーム30の前後方向Xの長さを短くでき、旋回フレーム30の旋回半径を短くできる。その結果、旋回フレーム30を有するクレーン1による作業を、狭い作業スペースでも行いやすくできる。
【0053】
また、上記[構成1]により、後側上下幅L60が前側上下幅L50以下である場合に比べ、フレーム後側部分60の内部のスペースを広くできる。よって、フレーム後側部分60の内部またはその近傍に機器(例えばフレーム内搭載物80)を配置しやすい。
【0054】
上記[構成1]により、次の効果が得られてもよい。フレーム後側部分60の内部またはその近傍にフレーム内搭載物80が配置された場合に、旋回フレーム30の上面を超えないようにフレーム内搭載物80を配置できる、または、旋回フレーム30からのフレーム内搭載物80の上側Z1への突出量を抑制できる。その結果、旋回フレーム30の上面に足場が設けられる場合は、旋回フレーム30の上面に足場を取り付けやすくなる。また、フレーム内搭載物80がカバー89で覆われる場合は、カバー89を少なくでき、カバー89を簡易な構成にしやすい。
【0055】
また、上記[構成1]により、次の効果が得られてもよい。フレーム後側部分60の内部またはその近傍にフレーム内搭載物80が配置され、旋回フレーム30の内部でフレーム内搭載物80に関する作業(例えばメンテナンスなど)が行われる場合、この作業を行うためのスペースを広くできる。よって、旋回フレーム30の内部でのフレーム内搭載物80に関する作業性(例えばメンテナンス性)を向上させることができる。
【0056】
(第2の発明の効果)
[構成2]
図2に示すように、フレーム本体部40は、フレーム上面傾斜部71aを備える。フレーム上面傾斜部71aは、フレーム前側部分50とフレーム後側部分60との間のフレーム本体部40の上面(フレーム中央上面71)に配置され、後側X2ほど上側Z1に配置されるように前後方向Xに対して傾斜する。
【0057】
上記[構成2]により、フレーム前側部分50とフレーム後側部分60との間で、フレーム本体部40の上下方向Zの幅(中央上下幅L70)が急変することを抑制できる。よって、中央上下幅L70の幅が急変する場合に比べ、応力集中を抑制できる。
【0058】
(第3の発明の効果)
[構成3]フレーム前側部分50とフレーム後側部分60との間の部分の上下方向Zの幅(中央上下幅L70)の最小値L70minは、フレーム前側部分50の上下方向Zの幅(前側上下幅L50)よりも狭い。
【0059】
通常、旋回ベアリング12(
図1参照)が取り付けられるフレーム前側部分50に比べ、フレーム中央部分70に作用する力は小さいので、フレーム中央部分70の中央上下幅L70を狭くしても、旋回フレーム30に必要な強度を確保し得る。そこで、上記[構成3]では、中央上下幅L70の最小値L70minは、前側上下幅L50よりも狭い。よって、中央上下幅L70の最小値L70minが前側上下幅L50以上である場合に比べ、フレーム中央部分70を軽量化できる。
【0060】
(第4の発明の効果)
[構成4]フレーム後側部分60の下面(フレーム後側下面62)の上下方向Zにおける位置は、フレーム後側下面62に取り付けられるカウンタウエイト23(
図1参照)が下部走行体11(
図1参照)と干渉しないような位置に設定される。
【0061】
上記[構成4]により、
図1に示すカウンタウエイト23と下部走行体11とを干渉させずに、下部走行体11に対して上部旋回体20を旋回させることができる。
【0062】
(第5の発明の効果)
[構成5]
図2に示す旋回フレーム30は、後端開口部67(
図4参照)を備える。後端開口部67は、フレーム後側部分60の後側X2端部に配置され、フレーム本体部40の外部と内部とを前後方向Xに貫通する。
【0063】
上記[構成5]では、後側上下幅L60が前側上下幅L50以下である場合に比べ、後端開口部67の上下方向Zの幅を広くできるので、後端開口部67を大きくできる。また、上記[構成1]では、フレーム後側部分60の強度を向上させることができるので、後端開口部67を大きくしても、フレーム後側部分60の必要な強度を確保しやすい。よって、後端開口部67を大きくできる。
【0064】
上記[構成5]により、後端開口部67を冷却風(空気)の取り込み口として利用する場合は、次の効果が得られてもよい。後端開口部67を大きくできるので、より多くの空気を取り込みやすい。よって、冷却効率を向上させることができる。また、後端開口部67を大きくできるので、後端開口部67の内側およびその近傍に、ファン83やダクトなどを容易に配置でき、ファン83やダクトなどを大きくできる。よって、ファン83やダクトなどを配置する場合は、冷却効率をより向上させることができる。また、フレーム後側部分60の後側X2端部よりも前側X1に後端開口部67が配置される場合に比べ、旋回フレーム30の内部に配置された機器であって熱を発する機器(例えばエンジン81など)から、後端開口部67を遠ざけることができる。よって、後端開口部67に取り込まれる空気の温度を低くでき(熱風を吸い込みにくく)、冷却効率をより向上させることができる。
【0065】
上記[構成5]により、次の効果が得られてもよい。後端開口部67を作業者の出入口として利用する場合は、後端開口部67を大きくできるので、作業者が出入りしやすい。
【0066】
上記[構成5]により、後端開口部67から騒音が発せられる場合は、次の効果が得られてもよい。後端開口部67が後側X2端部に配置されるので、後端開口部67をキャブ21から遠ざけることができる。よって、キャブ21に届く騒音を抑制できる。
【0067】
(第6の発明の効果)
[構成6]
図4に示すように、後端開口部67の横方向Yにおける幅は、上側Z1ほど狭い。
【0068】
フレーム後側部分60の後側X2端部では、通常、上側Z1ほど応力が大きくなりやすい。そこで、上記[構成6]では、後端開口部67の横方向Yにおける幅が、上側Z1ほど狭い。よって、フレーム後側部分60の後側X2端部の上側Z1部分の強度を確保することで応力を抑制でき、かつ、フレーム後側部分60の後側X2端部の下側Z2部分では後端開口部67を大きくできる。
【0069】
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、各構成要素の配置や形状が変更されてもよい。例えば、構成要素の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、構成要素どうしの固定や連結などは、直接的でも間接的でもよい。例えば、互いに異なる複数の構成要素として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい。例えば、一つの部材や部分として説明したものが、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 クレーン
11 下部走行体
12 旋回ベアリング
13 ブーム
23 カウンタウエイト
30 旋回フレーム
30b ブーム取付部
31 上下方向突出部
31c 下部スプレッダ取付部(後側上突出部)
40 フレーム本体部
50 フレーム前側部分
60 フレーム後側部分
62 フレーム後側下面
67 後端開口部
67a 後端開口部傾斜部
71a フレーム上面傾斜部
L50 前側上下幅(フレーム前側部分50の上下方向Zの幅)
L60 後側上下幅(フレーム後側部分60の上下方向Zの幅)
L70 中央上下幅(フレーム前側部分50とフレーム後側部分60との間の部分の上下方向Zの幅)
X 前後方向