(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】穀物乾燥機のサイドカバー
(51)【国際特許分類】
F26B 17/14 20060101AFI20230502BHJP
F26B 25/12 20060101ALI20230502BHJP
【ＦＩ】
F26B17/14 P
F26B25/12 B
【請求項の数】
5
(21)【出願番号】P 2019032844
(22)【出願日】2019-02-26
(65)【公開番号】P2020134115
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(72)【発明者】
【氏名】今井 健美
(72)【発明者】
【氏名】木内 草真
【審査官】渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開昭５７－０２３７８１（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開昭５７－０４１５７０（ＪＰ，Ａ）
【文献】実開昭５８－１６５５９１（ＪＰ，Ｕ）
【文献】実開昭５９－０８４３９４（ＪＰ，Ｕ）
【文献】実開昭５４－０４８８７８（ＪＰ，Ｕ）
【文献】実開昭６４－０４１０８５（ＪＰ，Ｕ）
【文献】特開２０１９－０７８４１０（ＪＰ，Ａ）
(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)
Ｆ２６Ｂ １７／１４
Ｆ２６Ｂ ２５／１２
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物貯留タンク内の穀物を流下させるための多孔壁鋼板で形成した一対の穀物乾燥室と、該一対の穀物乾燥室の内側に形成される熱風室と、前記一対の穀物乾燥室の各外側に形成される排風室とを備えた穀物乾燥部を前記穀物貯留タンクの下部に一体的に設け、前記穀物貯留タンクと穀物乾燥部とを揚穀機で接続してなる穀物乾燥機であって、該穀物乾燥部の前面には前記熱風室に熱風を送風するための熱風生成部を設け、前記穀物乾燥部の背面には前記排風室に連通する吸引ファンを設けてなる穀物乾燥機において、前記穀物乾燥部の両側面には前記各排風室を形成する外側一側面を開口して掃除用開口部を設け、前記掃除用開口部の両側端と中央部に嵌合突条を形成した複数の支柱を設け、該複数の支柱は、その上端を、前記穀物乾燥部の上縁部下方から嵌入するとともに、その下端を、前記掃除用開口部の底縁部に螺着することにより、前記掃除用開口部内に着脱可能に立設させるとともに、これら複数の支柱間には周縁に嵌合突条を形成したサイドカバーを介在させ、前記サイドカバー側縁の嵌合突条を前記サイドカバーと隣接する前記支柱の嵌合突条に重合させて嵌合させるとともに、該嵌合部を着脱可能に係着する係合手段を設けることを特徴とする穀物乾燥機におけるサイドカバー。
【請求項2】
前記係合手段は、互いに隣接する前記支柱の嵌合突条に前記サイドカバーの嵌合突条を重合させた嵌合部を横方向に貫通する係合ピンとしてなる請求項１の穀物乾燥機におけるサイドカバー。
【請求項3】
前記支柱の両側縁の嵌合突条を、該支柱を構成する鋼板の両端部を折曲して形成してなる請求項１又は２の穀物乾燥機におけるサイドカバー。
【請求項4】
前記穀物乾燥室には前記掃除用開口部と対峙する面に内部掃除用開口部を設け、該内部掃除用開口部に通気性部材からなる内部掃除蓋を設けてなる請求項１乃至３いずれかの穀物乾燥機におけるサイドカバー。
【請求項5】
前記サイドカバー及び内部掃除蓋に取っ手を設けてなる請求項１乃至４いずれかの穀物乾燥機におけるサイドカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米麦等の穀物を循環しながら熱風により乾燥させる穀物乾燥機に係り、特に、穀物乾燥機の本体両側面のサイドカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱風により穀物を乾燥させる穀物乾燥機は周知である（例えば、特許文献１参照。）。
【0003】
特許文献１に記載された穀物乾燥機は、穀物貯留タンク部の下方に通風乾燥部からなる乾燥機本体を設ける。前記穀物乾燥部は穀物乾燥室、該穀物乾燥室に挟まれた熱風室、及び前記穀物乾燥室の外側に位置する排風室等を備え、前記穀物貯留タンク部を載置すべく堅牢で気密な構造とされる。
【0004】
ところで、前記穀物乾燥室は通気性を有する多孔壁鋼板によって形成され、該穀物乾燥室内を流下する穀物に前記熱風室の熱風を通風させて穀物の乾燥を行うのであるが、前記穀物貯留タンク部内の穀物が前記穀物乾燥室を流下して熱風による乾燥作用を受けた後、前記穀物貯留タンク部に循環された後に再度前記穀物乾燥室を流下して乾燥作用を繰り返し受ける間に、刈取り時に混入した藁屑（わらくず）等が前記穀物乾燥室を形成する多孔壁鋼板に付着したり刺さったりして穀物の流動や熱風の通風を阻害することがある。
【0005】
そこで、前記穀物乾燥部（乾燥機本体）の両側面のサイドカバーを開けて前記多孔壁鋼板面の掃除を行う必要があるが、前述のように、乾燥機本体である穀物乾燥部は堅牢かつ気密状の構造であって前記サイドカバーはボルト等で強固に取り付けられているため、その開閉が容易ではなく、前記多孔壁鋼板面の掃除は時間を要し煩わしい作業であった。
【0006】
なお、前記穀物乾燥部の内部を点検するために容易に開閉可能な点検カバーが設けられることもあるが、該点検カバーは専ら前記穀物乾燥部内部の目視による点検が目的であって前記穀物乾燥部の強度を損なわないよう比較的小さく形成されるため、前記点検カバーを外して前記多孔壁鋼板の全面を掃除することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開２０１７―２０６９１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、前記穀物乾燥部（乾燥機本体）の堅牢さを保持する一方、穀物乾燥部内の掃除をするための乾燥部側面の大きな開口部を容易に露出することのできる穀物乾燥機のサイドカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、穀物貯留タンク内の穀物を流下させるための多孔壁鋼板で形成した一対の穀物乾燥室と、該一対の穀物乾燥室の内側に形成される熱風室と、前記一対の穀物乾燥室の各外側に形成される排風室とを備えた穀物乾燥部を前記穀物貯留タンクの下部に一体的に設け、前記穀物貯留タンクと穀物乾燥部とを揚穀機で接続してなる穀物乾燥機であって、該穀物乾燥部の前面には前記熱風室に熱風を送風するための熱風生成部を設け、前記穀物乾燥部の背面には前記排風室に連通する吸引ファンを設けてなる穀物乾燥機において、
前記穀物乾燥部の両側面には前記各排風室を形成する外側一側面を開口して掃除用開口部を設け、前記掃除用開口部には側縁に嵌合突条を形成した複数の支柱を着脱可能に立設するとともにこれらの支柱間には周縁に嵌合突条を形成したサイドカバーを介在させ、前記サイドカバー側縁の嵌合突条を前記サイドカバーと隣接する前記支柱の嵌合突条に重合させて嵌合させるとともに、該嵌合部を着脱可能に係着する係合手段を設けることを特徴とする。
前記穀物乾燥部の両側面には前記各排風室を形成する外側一側面を開口して掃除用開口部を設け、前記掃除用開口部には側縁に嵌合突条を形成した複数の支柱を着脱可能に立設するとともにこれらの支柱間には周縁に嵌合突条を形成したサイドカバーを介在させ、前記サイドカバー側縁の嵌合突条を前記サイドカバーと隣接する前記支柱の嵌合突条に重合させて嵌合させるとともに、該嵌合部を着脱可能に係着する係合手段を設けることを特徴とする。
【0010】
本発明は、互いに隣接する前記支柱の嵌合突条と前記サイドカバーの嵌合突条とを重合させた嵌合部を横方向に貫通する係合ピンからなる係合手段とすることが望ましい。
【0011】
本発明は、前記支柱の両側縁の嵌合突条を、該支柱を構成する鋼板の両端部を折曲して形成するとよい。
【0012】
本発明は、前記穀物乾燥室を形成する多孔壁鋼板には前記掃除用開口部と対峙する面に内部掃除用開口部を設け、該内部掃除用開口部に通気性部材からなる内部掃除蓋を設けるとよい。
【0013】
本発明は、前記サイドカバー及び内部掃除蓋に取っ手を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、前記係合手段の係合状態を解除して前記サイドカバーを前記支柱から取り外した後、前記各支柱を前記掃除用開口部から外すことにより、容易に掃除用開口部を露出させることが可能となる。しかも、前記掃除用開口部は掃除作業を行うとき以外は、常時、前記複数の支柱によって補強されているので、大きな掃除用開口部を設けても前記穀物乾燥部の堅牢さは維持でき、かつ、気密性も保持できる。
【0015】
本発明は、互いに隣接する前記支柱の嵌合突条と前記サイドカバーの嵌合突条とを横方向に貫通する係合ピンとした係合手段とすれば、係合手段を複雑にすることなく、かつ、強固なものとすることができる。
【0016】
本発明は、前記支柱の両側縁の嵌合突条を、該支柱を構成する鋼板の両端部を折曲して形成すれば、比較的薄い鋼板で軽量で堅固な支柱を形成することができ、しかも、前記サイドカバーに形成した嵌合突条との噛み合わせが容易かつ強固で、気密性もよい。
【0017】
本発明は、前記穀物乾燥室には前記掃除用開口部と対峙する面に内部掃除用開口部を設け、該内部掃除用開口部に通気性部材からなる内部掃除蓋を設けることとすれば、前記穀物乾燥室の外面のみならず、その内部も容易に掃除することができる。
【0018】
本発明は、前記前記サイドカバー及び内部掃除蓋に取っ手を設けることとすれば、作業性が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の穀物乾燥機の正断面図。
【図2】本発明の穀物乾燥機の通風乾燥部の側断面図。
【図3】本発明の穀物乾燥機の通風乾燥部の斜視図。
【図4】（ａ）（ｂ）（ｃ）は本発明の係合手段の動作説明図。
【図5】本発明の係合手段の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施の形態における穀物乾燥機は、上部に、穀物を貯留する穀物貯留タンク、下部に、前記穀物貯留タンクから流下する穀物に熱風を通風して乾燥させる通風乾燥部を有する機体と、前記通風乾燥部において乾燥作用を受けた穀物を前記穀物タンクに還流させるための揚穀機を備えた周知のものである。
本発明の実施の形態における穀物乾燥機は、上部に、穀物を貯留する穀物貯留タンク、下部に、前記穀物貯留タンクから流下する穀物に熱風を通風して乾燥させる通風乾燥部を有する機体と、前記通風乾燥部において乾燥作用を受けた穀物を前記穀物タンクに還流させるための揚穀機を備えた周知のものである。
【0021】
本発明の実施の形態における穀物乾燥機１の全体構成を図１及び図２を用いて説明すると、外観が略直方体の穀物乾燥機１の機体上部は穀物を貯蔵する穀物貯留タンク２に、その下部は穀物乾燥部３に形成し、該穀物乾燥部３には前記穀物貯留タンク２から流下する穀物を通風乾燥するための、縦断面が略Ｖ字形状に配設された一対の穀物乾燥室６を、該穀物乾燥部３の機体長手方向（前後方向）にわたって設ける。前記一対の穀物乾燥室６は、多数のスリットを備えた通風可能な多孔壁鋼板６ａにより形成され、該一対の穀物乾燥室６で囲繞される内側空間を熱風室4に形成する一方、前記一対の穀物乾燥室６の外側の各空間を排風室５に形成し、前記各排風室５の長手方向一端側（背面側）には排風口７を開口するとともに、これら排風口７を覆うファンボックス８を設け、該ファンボックス８には吸引ファン９及びファンモータ１８を装着する。
【0022】
前記穀物乾燥部３の機体長手方向にわたって形成される前記熱風室４の、前記吸引ファン９と対向する側（前面側）の一端部に熱風生成用のバーナ１０を臨ませるとともに該バーナ１０を格納するバーナボックス１１を設け、該バーナボックス１１には外気導入用の開口１２を設ける。
【0023】
さらに、前記断面Ｖ字状の穀物乾燥室６の下端合流部には、前記穀物乾燥室６内の穀物を間欠的に流下させるための長尺かつ円筒状のロータリーバルブ１４が、前記一対の穀物乾燥室６下端部の全長にわたって横設される。前記ロータリーバルブ１４には前半部と後半部とに穀物を受け入れる一対の切込み部を１８０度ずらして対称的に設け、ロータリーバルブ用モータ１５によって間欠的又は連続的に正・逆回転するよう構成される。
【0024】
前記ロータリーバルブ１４の下方には、前記排風室５の底部を形成するホッパ状の集穀板１９を設け、該集穀板１９のホッパ底部には前記ロータリバルブ１４から排出される穀物を搬送する下部スクリューコンベア２０を横設し、該下部スクリューコンベア２０の搬送終端部はバケット式の揚穀機２１に接続され、該揚穀機２１上部の吐出部は、前記穀物貯留タンク２の天板部に横設した上部スクリューコンベア２２に接続され、該上部スクリューコンベア２２の搬送終端部には搬送された穀物を前記穀物貯留タンク２内に投入する分散盤１３が垂設される。前記揚穀機２１、上部スクリューコンベア２２及び分散盤１３を駆動する揚穀機用モータ１７を揚穀機２１に付設する一方、前記穀物乾燥部３の底部には、前記下部スクリューコンベア２０を駆動する本機モータ１６を配設する。
【0025】
次に、図３に基づき前記穀物乾燥部３について詳述する。
前記穀物乾燥部３は、前面にバーナボックス１１や揚穀機２１等を設ける一方、背面にファンボックス８及び吸引ファン９を設け、これらの間に前記熱風室４、排風室５及び穀物乾燥室６が配設される。そして、該穀物乾燥部３の両側面の開口を掃除用開口部２３となす。すなわち、前記一対の集穀板１９の上端縁から該穀物乾燥部３の上縁付近までを掃除用開口部２３となし、その両側端と中央部に支柱２４を立設する。前記支柱２４は単一の鋼板の側縁部を角柱状又は円柱状に曲げ加工して嵌合突条、すなわちフランジ２５を形成し強度を持たせてある。前記フランジ２５は前記支柱２４の両側縁に形成するが、中央の支柱２４ａ以外の両側の支柱２４ｂは前記掃除用開口部２３側にのみフランジ２５を形成してもよい。
前記穀物乾燥部３は、前面にバーナボックス１１や揚穀機２１等を設ける一方、背面にファンボックス８及び吸引ファン９を設け、これらの間に前記熱風室４、排風室５及び穀物乾燥室６が配設される。そして、該穀物乾燥部３の両側面の開口を掃除用開口部２３となす。すなわち、前記一対の集穀板１９の上端縁から該穀物乾燥部３の上縁付近までを掃除用開口部２３となし、その両側端と中央部に支柱２４を立設する。前記支柱２４は単一の鋼板の側縁部を角柱状又は円柱状に曲げ加工して嵌合突条、すなわちフランジ２５を形成し強度を持たせてある。前記フランジ２５は前記支柱２４の両側縁に形成するが、中央の支柱２４ａ以外の両側の支柱２４ｂは前記掃除用開口部２３側にのみフランジ２５を形成してもよい。
【0026】
前記各支柱２４ａ，２４ｂは、その上端を、前記穀物乾燥部３の上縁部を外側にコ字状に折り返したフランジ３ａ内に下方から嵌入するとともに、その下端を、前記掃除用開口部２３の底縁部、すなわち、前記集穀板１９の上縁を外方に折り曲げてなるフランジ１９ａに当接してボルトで螺着することにより、前記掃除用開口部２３内に着脱可能に立設する。
なお、本実施形態においては、前記支柱２４を３本設けた場合を示したが、穀物乾燥機の機種に応じて中間部の支柱２４ａの数は複数設ける場合もある。
なお、本実施形態においては、前記支柱２４を３本設けた場合を示したが、穀物乾燥機の機種に応じて中間部の支柱２４ａの数は複数設ける場合もある。
【0027】
前記複数の支柱２４間にサイドカバー２６を着脱可能に介在させる。すなわち、前記支柱２４ａと支柱２４ｂとの間隔に等しい幅で、かつ、前記掃除用開口部２３の高さ寸法に等しい大きさのサイドカバー２６は、その周縁部を折曲して断面コ字状の嵌合突条、すなわちフランジ２７を形成するとともに前面上部寄りに取っ手２８を設ける。
前記サイドカバー２６は、その周縁部のフランジ２７を前記支柱２４のフランジ２５に重ね合わせるとともに係合手段によって前記支柱２４に係合される。
なお、本実施の形態における嵌合突条は、１枚の鋼板の端部を複数回折曲して断面がコ字状、角又は円状のフランジに形成したが、断面形状はこれらのフランジに限られず、互いに嵌合し合えて強度が一層向上し、かつ、密着して気密性を保持するものであればよい。
前記サイドカバー２６は、その周縁部のフランジ２７を前記支柱２４のフランジ２５に重ね合わせるとともに係合手段によって前記支柱２４に係合される。
なお、本実施の形態における嵌合突条は、１枚の鋼板の端部を複数回折曲して断面がコ字状、角又は円状のフランジに形成したが、断面形状はこれらのフランジに限られず、互いに嵌合し合えて強度が一層向上し、かつ、密着して気密性を保持するものであればよい。
【0028】
前記係合手段について図４及び図５に基づいて詳述する。
前記中間部の支柱２４ａの上下２箇所には、一対のＣ型のブラケット３１によって左右方向に摺動可能にクランク型係合ピン３０ａを装着する。前記一対のブラケット３１は前記支柱２４ａ両側縁に形成したフランジ２７の間に設けられ、前記一対のブラケット３１の各外側の取付枠３１ａには前記クランク型係合ピン３０ａを挿通する貫通孔３１ｃを設けるとともに、各内側の取付枠３１ｂには前記クランク型係合ピン３０ａのクランク部ｃの摺動を妨げないように切欠き３１ｄを形成する。これにより、前記クランク型係合ピン３０ａは前記一対のブラケット３１の各貫通孔３１ｃに挿通されるとともに前記各ブラケット３１の各内側の取付枠３１ｂの間に位置する前記クランク部ｃを持ち上げて回動させ後、前記クランクｃを持って該クランク型係合ピン３０ａを左右に摺動することができる。
前記中間部の支柱２４ａの上下２箇所には、一対のＣ型のブラケット３１によって左右方向に摺動可能にクランク型係合ピン３０ａを装着する。前記一対のブラケット３１は前記支柱２４ａ両側縁に形成したフランジ２７の間に設けられ、前記一対のブラケット３１の各外側の取付枠３１ａには前記クランク型係合ピン３０ａを挿通する貫通孔３１ｃを設けるとともに、各内側の取付枠３１ｂには前記クランク型係合ピン３０ａのクランク部ｃの摺動を妨げないように切欠き３１ｄを形成する。これにより、前記クランク型係合ピン３０ａは前記一対のブラケット３１の各貫通孔３１ｃに挿通されるとともに前記各ブラケット３１の各内側の取付枠３１ｂの間に位置する前記クランク部ｃを持ち上げて回動させ後、前記クランクｃを持って該クランク型係合ピン３０ａを左右に摺動することができる。
【0029】
一方、前記支柱２４ａの各フランジ２５には前記ブラケット３１に対応する位置にそれぞれ係合孔３２を設けるとともに、前記支柱２４ａのフランジ２５に重合する前記サイドカバー２６のフランジ２７にも前記係合孔３２に合致するよう係合孔２９がそれぞれ設けてある。これにより、前記クランク型係合ピン３０ａをその軸を中心に９０度回動させるとともに左右何れか方向に摺動させ（図４及び図５中の丸付数字１，2参照）、前記クランク部ｃが前記ブラケット３１の外側の取付枠３１ｃに当接するまで移動させることによって、前記クランク型係合ピン３０ａの先端部が前記係合孔２９，３２から外れることとなる（図４のｂ，ｃ参照）。
【0030】
さらに、前記両側の支柱２４ｂの各内側のフランジ２５にも貫通孔３２とブラケット３１とを上下位置にそれぞれ設ける。前記支柱２４ｂにはＬ型係合ピン３０ｂを１つのブラケット３１によって支持する。前記ブラケット３１の一対の取付枠にはそれぞれ係合孔が設けられ、前記Ｌ型係合ピン３０ｂを回動し、かつ、横方向に摺動可能としてある。前記Ｌ型係合ピン３０ｂの先端部は、前記支柱２４ｂのフランジ２５とこれに重合するサイドカバー２６のフランジ２７の係合孔２９に挿通されて前記サイドカバー２６の一側を気密状に保持する。前記サイドカバー２６の脱着に際しては、前記Ｌ型係合ピン３０ｂを約９０度回動させて外側方向（前記掃除用開口部２３から遠ざかる方向）に摺動させる。
【0031】
以上のように、前記各支柱２４に設けた係合ピン３０を何ら工具を用いることなく手動で回動及び摺動させることで前記サイドカバー２６が前記支柱２４に容易に脱着できるとともに、前記支柱２４は、その上端部を前記穀物乾燥部３の上縁フランジ３ａ内に嵌入する一方、その下端部をボルト締めするので、比較的容易に前記掃除用開口部２３に脱着可能であり、これにより、前記排風室５の一側面の掃除用開口部２３を大きく開口できて、前記穀物乾燥室６を形成する多孔壁鋼板６ａを広範囲にわたって掃除することが可能となる。
【0032】
また、前記穀物乾燥室６を形成する多孔壁鋼板６ａ面であって、前記掃除用開口部２３に対峙する側には複数の内部掃除口（図示せず）を設けるとともに、前記内部掃除口には内部掃除蓋３３を、フック等の係止手段（図示せず）により開閉自在に装着する。前記内部掃除蓋３３には取っ手３３ａを設ける。これにより、前記掃除用開口部２３を開口した際、前記係止手段を解除し、前記取っ手３３ａを持って前記内部掃除口を開口し、前記穀物乾燥室６内部を掃除することが容易にできる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の穀物乾燥機は、穀物乾燥部内を容易に掃除できて、安全かつ乾燥能率を維持して穀物の乾燥作業が行えるものである。
【符号の説明】
【0034】
１ 穀物乾燥機
２ 穀物貯留タンク
３ 穀物乾燥部
４ 熱風室
５ 排風室
６ 穀物乾燥室
７ 排風口
８ ファンボックス
９ 吸引ファン
１０ バーナ
１１ バーナボックス
１２ 開口
１３ 拡散盤
１４ ロータリバルブ
１５ ロータリバルブ用モータ
１６ 本機モータ
１７ 揚穀機用モータ
１８ ファンモータ
１９ 集穀板
２０ 下部スクリューコンベア
２１ 揚穀機
２２ 上部スクリューコンベア
２３ 掃除用開口部
２４ 支柱
２５ フランジ（嵌合突条）
２６ サイドカバー
２７ フランジ（嵌合突条）
２８ 取っ手
２９ 係止孔
３０ 係合ピン
３１ ブラケット
３２ 係合孔
３３ 内部掃除蓋
２ 穀物貯留タンク
３ 穀物乾燥部
４ 熱風室
５ 排風室
６ 穀物乾燥室
７ 排風口
８ ファンボックス
９ 吸引ファン
１０ バーナ
１１ バーナボックス
１２ 開口
１３ 拡散盤
１４ ロータリバルブ
１５ ロータリバルブ用モータ
１６ 本機モータ
１７ 揚穀機用モータ
１８ ファンモータ
１９ 集穀板
２０ 下部スクリューコンベア
２１ 揚穀機
２２ 上部スクリューコンベア
２３ 掃除用開口部
２４ 支柱
２５ フランジ（嵌合突条）
２６ サイドカバー
２７ フランジ（嵌合突条）
２８ 取っ手
２９ 係止孔
３０ 係合ピン
３１ ブラケット
３２ 係合孔
３３ 内部掃除蓋
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】