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特許7272341情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/29 20190101AFI20230502BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230502BHJP
【FI】
G06F16/29
G06Q50/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020183481
(22)【出願日】2020-11-02
(65)【公開番号】P2022007887
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2022-06-15
(31)【優先権主張番号】P 2020109484
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】山田 篤史
【審査官】原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-175567(JP,A)
【文献】特開2006-024196(JP,A)
【文献】特開2014-203214(JP,A)
【文献】特開2007-303878(JP,A)
【文献】特開2004-317374(JP,A)
【文献】特開2008-083879(JP,A)
【文献】特開2007-026216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図画像上の位置に対応する所在地を含む複数のサービス施設に関する施設情報を記憶する記憶部と、
ユーザ端末によって指定された検索基準位置を示す情報を取得し、当該検索基準位置を中心とした検索範囲内のサービス施設を検索し、第1の数のサービス施設が検索されるまで当該検索範囲をゼロ範囲から拡大し、
前記第1の数の前記サービス施設が検索された後、前記第1の数よりも多い第2の数の前記サービス施設が検索されるまで前記検索範囲を拡大し、
前記第1の数の検索結果と前記第2の数の検索結果のうちいずれかを選択する選択情報を前記ユーザ端末から受信し、
前記選択情報に応じて、前記拡大された検索範囲に対応し前記検索されたサービス施設の所在地に対応するアイコンが配置された地図画像を前記ユーザ端末へ送信する
制御部と
を具備する情報処理システム。
【請求項2】
地図画像上の位置に対応する所在地を含む複数のサービス施設に関する施設情報を記憶し、
ユーザ端末によって指定された検索基準位置を示す情報を取得し、当該検索基準位置を中心とした検索範囲内のサービス施設を検索し、
第1の数のサービス施設が検索されるまで前記検索範囲をゼロ範囲から拡大し、
前記第1の数の前記サービス施設が検索された後、前記第1の数よりも多い第2の数の前記サービス施設が検索されるまで前記検索範囲を拡大し、
前記第1の数の検索結果と前記第2の数の検索結果のうちいずれかを選択する選択情報を前記ユーザ端末から受信し、
前記選択情報に応じて、前記拡大された検索範囲に対応し前記検索されたサービス施設の所在地に対応するアイコンが配置された地図画像を前記ユーザ端末へ送信する
情報処理方法。
【請求項3】
情報処理装置に、
地図画像上の位置に対応する所在地を含む複数のサービス施設に関する施設情報を記憶するステップと、
ユーザ端末によって指定された検索基準位置を示す情報を取得し、当該検索基準位置を中心とした検索範囲内のサービス施設を検索するステップと、
第1の数のサービス施設が検索されるまで前記検索範囲をゼロ範囲から拡大するステップと
前記第1の数の前記サービス施設が検索された後、前記第1の数よりも多い第2の数の前記サービス施設が検索されるまで前記検索範囲を拡大するステップと、
前記第1の数の検索結果と前記第2の数の検索結果のうちいずれかを選択する選択情報を前記ユーザ端末から受信するステップと、
前記選択情報に応じて、前記拡大された検索範囲に対応し前記検索されたサービス施設の所在地に対応するアイコンが配置された地図画像を前記ユーザ端末へ送信するステップと
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店等のサービス施設に関するウェブページのブックマーク処理を制御可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、飲食店等のサービス施設の検索結果を地図上に表示する技術が存在する。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、最初に自車位置を含む狭い検索範囲で検索処理を実行し、この検索範囲の地図画像とともに検索結果を表示し、利用者が意図した検索結果項目が得られない場合には、検索範囲を拡大して再度検索処理を実行するナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-27536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、検索された複数の結果からユーザがいずれかを選択することを望む場合、検索条件によっては、わずかな数の検索結果しか得られない場合も考える。しかし、上記特許文献1に記載の技術では、そのような場合に対応できないため、ユーザは当該わずかな検索結果からサービス施設を選択せざるをえず、選択の余地が制限されてしまう。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、地図上に表示されるサービス施設の検索結果の数が少なくなりすぎるのを防ぐことが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理システムは、記憶部と制御部とを有する。上記記憶部は、地図画像上の位置に対応する所在地を含む複数のサービス施設に関する施設情報を記憶する。上記制御部は、ユーザ端末によって指定された所定位置を示す情報を取得し、当該所定位置を中心とした検索範囲内のサービス施設を検索し、所定数以上または所定数範囲内のサービス施設が検索されるまで当該検索範囲をゼロ範囲から拡大する。
【0008】
これにより情報処理システムは、検索結果の数を少なくとも所定数確保することで、検索結果の数が少なくなりすぎるのを防ぎ、ユーザのサービス施設の最小限の選択の余地を確保し、利便性を向上させることができる。ここで当該情報処理システムは、1または複数の情報処理装置で構成されうる。ここで「ゼロ範囲」とは、検索範囲が存在しない場合(点である場合)のほか、検索範囲が実質的にゼロ範囲、すなわち、サービス施設が検索されないような極めて狭い範囲(例えば1m等)である場合も含む。
【0009】
上記制御部は、上記拡大された検索範囲に対応し上記検索されたサービス施設の所在地に対応するアイコンが配置された地図画像を上記ユーザ端末へ送信してもよい。
【0010】
上記制御部は、上記ユーザ端末により上記検索基準位置が変更された場合、変更された検索基準位置から上記拡大された検索範囲内で検索されたサービス施設のうち、変更前にも検索されていたサービス施設を除くサービス施設に対応するアイコンを上記地図画像に配置してもよい。
【0011】
これにより情報処理システムは、検索基準位置が変更された場合に、変更前に既に確認していたサービス施設のアイコンを表示しないことで、新たなサービス施設のみをユーザに把握させることができる。ここで検索範囲の変更は、ユーザ端末上でユーザが地図画像をスクロールすることで実現されてもよいし、ユーザ端末の現在位置が移動することによって実現されてもよい。
【0012】
上記制御部は、上記ユーザ端末により上記検索基準位置が変更された場合、変更された検索基準位置から上記拡大された検索範囲内で検索されたサービス施設のうち、変更前にも検索されていたサービス施設に対応するアイコンと変更後に新たに検索されたサービス施設に対応するアイコンとを異なる態様で上記地図画像に配置してもよい。
【0013】
これにより情報処理システムは、検索基準位置が変更された場合に、変更前に既に確認していたサービス施設のアイコンを新たに検索されたサービス施設のアイコンと異なる態様で配置することで、新たなサービス施設を既に確認済みのサービス施設と区別してユーザに把握させることができる。ここで異なる態様とは、例えばアイコンの大きさ、色、明度等であるが、これに限られない。
【0014】
上記制御部は、上記ユーザ端末のユーザにより変更された検索基準位置の変更距離が所定距離未満の場合、変更後の検索基準位置に基づく検索を行わなくてもよい。
【0015】
これにより情報処理システムは、ユーザが意図せずわずかに位置を移動した場合やわずかに地図画像をスクロールした場合等、検索結果に変更がないと想定される場合でも、その都度検索処理が実行されてしまい処理負荷が大きくなるのを防ぐことができる。所定距離とは例えば3m、5m、10m、またはそれらに応じた地図画像上の画素数等であるが、これらに限られない。
【0016】
本発明の他の形態に係る情報処理方法は、
地図画像上の位置に対応する所在地を含む複数のサービス施設に関する施設情報を記憶し、
ユーザ端末によって指定された所定位置を示す情報を取得し、当該所定位置を中心とした検索範囲内のサービス施設を検索し、
所定数以上または所定数範囲内のサービス施設が検索されるまで上記検索範囲をゼロ範囲から拡大する、ことを含む。
【0017】
本発明の他の形態に係るプログラムは、情報処理装置に、
地図画像上の位置に対応する所在地を含む複数のサービス施設に関する施設情報を記憶するステップと、
ユーザ端末によって指定された所定位置を示す情報を取得し、当該所定位置を中心とした検索範囲内のサービス施設を検索するステップと、
所定数以上または所定数範囲内のサービス施設が検索されるまで上記検索範囲をゼロ範囲から拡大するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、地図上に表示されるサービス施設の検索結果の数が少なくなりすぎるのを防ぐことができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供システムの構成を示した図である。
図2】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供サーバのハードウェア構成を示した図である。る。
図3】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供サーバが有するデータベースの構成を示した図である。
図4】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供サーバによる、飲食店検索結果地図表示処理の流れを示したフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態においてユーザ端末に表示される飲食店検索結果表示画面の例を示した図である。
図6】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供サーバによる、検索基準位置が変更された場合の表示処理の流れを示したフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態において検索基準位置が変更された場合にユーザ端末に表示される飲食店検索結果表示画面の例を示した図である。
図8】本発明の一実施形態において検索基準位置が変更された場合にユーザ端末に表示される飲食店検索結果表示画面の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0021】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係る飲食店情報提供システムの構成を示した図である。
【0022】
同図に示すように、このシステムは、インターネット50上の飲食店情報提供サーバ100と、複数のユーザ端末200と含む。
【0023】
飲食店情報提供サーバ100は、飲食店に関する情報を掲載したポータルサイトを運営するウェブサーバである。飲食店情報提供サーバ100は、複数のユーザ端末200とインターネット50を介して接続されている。
【0024】
飲食店情報提供サーバ100は、上記ポータルサイトにおいて、ユーザ端末200のユーザ向けに飲食店情報の検索システムを提供する。具体的には、飲食店情報提供サーバ100は、ユーザ端末200からの検索要求に基づいて検索条件に合致する飲食店情報を検索し、検索結果を掲載したウェブページを生成してユーザ端末200へ送信する。
【0025】
ユーザ端末200(200A,200B,200C...)は、ユーザにより使用される端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)、ノートブックPC、デスクトップPC等である。
【0026】
ユーザ端末200は、ユーザの操作に基づいて飲食店の検索条件を決定し、当該検索条件に基づく飲食店検索要求を上記ポータルサイトまたは対応するアプリケーションを介して飲食店情報提供サーバ100へ送信し、検索結果のウェブページや検索結果のうち所望の飲食店のウェブページ(飲食店情報ページ)を受信してブラウザ等により画面に表示する。
【0027】
また飲食店情報提供サーバ100は、上記検索結果として、検索された飲食店に関する情報を一覧表示する一覧表示画面の他、検索された飲食店の所在位置を示すアイコンを地図上に表示する地図表示画面を生成可能である。以下、このような飲食店検索結果地図表示処理の詳細について説明する。なお、上記一覧表示も地図表示も飲食店検索結果の表示態様の一例であり、何らかの表示態様で検索結果が表示されればよい。
【0028】
[飲食店情報提供サーバのハードウェア構成]
図2は、上記飲食店情報提供サーバ100のハードウェア構成を示した図である。同図に示すように、飲食店情報提供サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0029】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながら飲食店情報提供サーバ100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0030】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。
【0031】
表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0032】
操作受付部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の入力装置である。操作受付部17がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部16と一体となり得る。
【0033】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0034】
特に本実施形態では、記憶部18は、各飲食店の飲食店情報、各ユーザ端末200のユーザに関するユーザ情報等を記憶するとともに、これらのデータを用いて飲食店情報提供サーバ100が飲食店検索結果地図表示処理を実行するためのアプリケーションその他のプログラムを記憶している。後述するが、記憶部18は、そのようなデータを含むデータベースとして、飲食店情報データベース、ユーザ情報データベース、地図情報データベースを有している。
【0035】
通信部19は、例えばEthernet用のNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールであり、上記ユーザ端末200との間の通信処理を担う。
【0036】
図示しないが、上記ユーザ端末200のハードウェア構成も上記飲食店情報提供サーバ100のハードウェア構成と同様である。またユーザ端末200には、上記飲食店情報提供サーバ100と接続して飲食店検索処理を実行するためのアプリケーションがインストールされている。
【0037】
[飲食店情報提供サーバのデータベース構成]
図3は、上記飲食店情報提供サーバ100が有するデータベースの構成を示した図である。
【0038】
同図に示すように、飲食店情報提供サーバ100は、記憶部18に、飲食店情報データベース31、ユーザ情報データベース32、地図情報データベース33を有している。
【0039】
飲食店情報データベース31は、飲食店毎に、その飲食店の店名や所在位置(緯度・経度)情報、その飲食店を識別するID(施設ID)の他、その飲食店の業態・サービスのカテゴリ情報、その飲食店を紹介する内容、すなわち、サービス施設のPR文等のサービス施設の特徴を示す情報、飲食店が行うイベント情報、飲食店が立地しているエリア情報、飲食店の住所、電話番号、飲食店に関する(飲食店を紹介する)画像データ、飲食店が提供するメニューに関するメニュー情報、営業時間、ウェブサイトURL等の情報を記憶している。
【0040】
上記メニュー情報は、上記ポータルサイト上の各飲食店のサイトに掲載されるメニューに対応する情報であり、各飲食店が提供可能な複数のメニューのメニュー名を、飲食店毎に記憶している。当該メニュー情報は、例えば前菜/メイン、ランチ/ディナー/コース等のメニューカテゴリ毎に記憶されてもよい。また上記画像データがメニューに対応するものである場合には、当該画像データはメニュー情報と対応付けられて記憶される。
【0041】
上記エリア情報は、例えば都道府県単位のものであるが、市区町村等のより狭い範囲の単位でも情報が記憶されてもよい。上記カテゴリ情報は、例えば和食、中華、イタリアン、フレンチ、焼肉等のメインカテゴリの他、和食における焼き鳥・天ぷら等、イタリアンにおけるパスタ・ピザ等のより詳細なサブカテゴリを含んでいてもよい。
【0042】
ユーザ情報データベース32は、ユーザ端末200を所有する、上記飲食店情報提供サーバ100が提供する上記ポータルサイトを介した飲食店情報サービスの利用者(会員)であるユーザに関する情報を記憶する。具体的には、ユーザ情報データベース42は、ユーザID、パスワード、氏名、メールアドレス、電話番号、住所、年齢(層)、性別、誕生日等の情報をユーザ毎に記憶している。
【0043】
地図情報データベース33は、上記各飲食店の所在位置を含む地図画像データ及びその他地図画像の表示に必要なデータを記憶している。しかし、飲食店情報提供サーバ100は、地図画像データを自身では保有せず、クラウド上に例えばGIS(geographic information system)データの形式で無償利用可能に存在する地図画像データを用いてもよい。
【0044】
これら各データベースは、後述する飲食店情報提供サーバ100による、飲食店検索結果地図表示処理において、必要に応じて相互に参照されて用いられる。
【0045】
[飲食店情報提供サーバの動作]
次に、以上のように構成された飲食店情報提供サーバ100の動作について説明する。当該動作は、飲食店情報提供サーバ100のCPU11及び通信部19等のハードウェアと、記憶部18に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。以下の説明では、便宜上、CPU11を動作主体とする。
【0046】
図4は、飲食店情報提供サーバ100による、飲食店検索結果地図表示処理の流れを示したフローチャートである。
【0047】
同図に示すように、飲食店情報提供サーバ100のCPU11はまず、ユーザ端末200から例えばアプリケーションを介して、ユーザ端末200の現在位置に基づくレストラン検索要求を受信したか否かを判断する(ステップ41)。これは、ユーザが例えば現在地から飲食店を検索するモードを指定し検索ボタンを押すことで送信される。
【0048】
上記検索要求を受信したと判断した場合(Yes)、CPU11は、要求元のユーザ端末200の現在位置情報を取得する(ステップ42)。当該現在位置情報は、上記アプリケーションによって取得され上記検索要求に含まれて送信される。
【0049】
続いてCPU11は、飲食店の検索範囲をゼロ範囲に設定(リセット)する(ステップ43)。ここで「ゼロ範囲」とは、検索範囲が存在しない場合(点である場合)のほか、検索範囲が実質的にゼロ範囲、すなわち、飲食店が検索されないような極めて狭い範囲(例えば1m等)である場合も含む。
【0050】
続いてCPU11は、現在位置を検索基準位置として、当該位置から上記検索範囲内に所在位置を有する飲食店を検索する(ステップ44)。飲食店の所在位置は上記飲食店情報データベース31から取得される。
【0051】
続いてCPU11は、検索結果数が所定数以上か否かを判断する(ステップ45)。所定数は例えば10、20、30、50等であるが、これに限られない。検索範囲がゼロ範囲の場合は、当然ながら検索結果数も0となる。
【0052】
検索結果数が所定数に満たないと判断した場合(No)、CPU11は、検索範囲を拡大して(ステップ46)、当該検索範囲内に所在位置を有する飲食店を再検索する(ステップ44)。ここで、ゼロ範囲の次の検索範囲は例えば100mとされ、それ以降は所定距離(例えば100m)ずつ、または所定縮尺(例えば1/4万、1/8万、1/16万、1/32万…)ずつ拡大されるが、これに限られない。
【0053】
続いてCPU11は、再検索した飲食店の検索結果数が上記所定数以上か否かを再び判断する(ステップ45)。検索結果がまだ所定数未満であると判断した場合(No)、CPU11は、当該検索結果数が所定数以上となるまで、上記検索範囲を所定距離(縮尺)ずつ拡大して再検索処理を繰り返す。
【0054】
検索結果が所定数以上であると判断した場合(ステップ44のYes)、CPU11は、上記地図情報データベース33上から、上記ユーザ端末100の現在位置を中心とする上記所定距離範囲内の地図画像を取得し、当該地図画像上に当該現在位置に対応するアイコンと、飲食店の所在位置に対応するアイコンとを配置する(ステップ47)。
【0055】
そしてCPU11は、上記アイコンが配置された地図画像を含むウェブページ(地図検索結果ページ)を飲食店検索結果としてユーザ端末200へ送信し表示させる(ステップ48)。
【0056】
図5は、上記飲食店情報提供サーバ100によって生成されユーザ端末200において表示される地図検索結果ページの例を示した図である。
【0057】
同図に示すように、地図検索結果ページMは、ユーザ端末200の現在位置を示す現在位置アイコンUと、上記検索された飲食店の所在位置に対応する飲食店アイコンRを含む。
【0058】
CPU11は、検索結果数が所定数(例えば20個)以上となるまで、検索範囲をゼロ範囲(範囲S0)から範囲S1、範囲S2、範囲S3、範囲S4、範囲S5と徐々に拡大していく。同図では範囲S5まで検索範囲が拡大されることで20個の検索結果が得られ、それに対応するアイコンRが掲載された地図検索結果ページMがユーザ端末200に表示された例が示されている。これによりユーザには、飲食店を選択するための十分な選択肢が確保される。
【0059】
このように、地図検索結果ページMは、所定数の検索結果数が得られて初めてユーザ端末200に送信され表示される。しかし、CPU11は、上記範囲S0~S5の各段階への検索範囲の拡大毎に、地図検索結果ページMを生成し、その都度ユーザ端末200へ送信して表示させてもよい。この際、各ページMに検索結果数が掲載されることで、所定数の検索結果が得られるまでの過程がユーザに示されてもよい。
【0060】
次に、ユーザ端末200により上記検索基準位置が変更された場合の飲食店情報提供サーバ100の動作について説明する。図6は、検索基準位置に変更があった場合の飲食店情報提供サーバ100の動作の流れを示したフローチャートである。
【0061】
同図に示すように、まずCPU11は、ユーザ端末200から上記地図検索結果ページ上における検索基準位置の変更要求を受信したか否かを判断する(ステップ61)。当該検索基準位置の変更要求は、例えばユーザが地図検索結果ページをいずれかの方向にスクロールした場合や、地図検索結果ページの任意の位置を指定(タップ等)した場合に送信される。またそれ以外でも、ユーザ端末200が移動し現在位置が変化した場合、当該変化後の現在位置が飲食店情報提供サーバ100へ送信されることが検索基準位置の変更要求とみなされてもよい。
【0062】
上記検索基準位置の変更要求を受信したと判断した場合(Yes)、CPU11は、上記変更された検索基準位置の位置情報を取得する(ステップ62)。当該位置情報は、上記アプリケーションによって取得され上記変更検索要求に含まれて送信される。
【0063】
続いてCPU11は、図4の場合と同様、飲食店の検索範囲をゼロ範囲に設定(リセット)し(ステップ63)、当該変更された検索基準位置から検索範囲内に所在位置を有する飲食店を、検索結果数が所定数以上となるまで、検索範囲を拡大して検索する処理を繰り返す(ステップ64、65、66)。
【0064】
検索結果数が所定数以上であると判断した場合(ステップ65のYes)、CPU11は、上記図4の場合と同様に、地図画像上に現在位置に対応するアイコンUと、飲食店の所在位置に対応するアイコンRとを配置する(ステップ67)。
【0065】
ここでCPU11は、当該配置されたアイコンのうち、検索基準位置の変更前に既に表示されていたアイコンが存在するか否かを判断する(ステップ68)。
【0066】
検索基準位置の変更前に表示されていたアイコンが存在すると判断した場合(Yes)、CPU11は、当該アイコンを地図画像上への配置から除外した上で(ステップ69)、当該地図画像を含む地図検索結果ページを送信する(ステップ70)。
【0067】
図7は、上記検索範囲の変更があった場合に飲食店情報提供サーバ100によって生成されユーザ端末200において表示される地図検索結果ページの例を示した図である。
【0068】
同図の例は、例えばユーザが図5(B)に示したような地図検索結果ページMを右方向にスクロールすることで検索基準位置を変更した場合の表示例を示している。同図に示すように、当該地図検索結果ページMにおいては、上記検索された飲食店に対応する飲食店アイコンのうち、変更前に飲食店アイコンRとして示されていたアイコンHは、変更後は非表示とされ、新たに検索された飲食店のアイコンRのみが表示されている。
【0069】
これにより飲食店情報提供サーバ100は、検索基準位置の変更によって新たに検索された飲食店のみを選択候補としてユーザに把握させることができる。これは、検索基準位置の変更が、ユーザの気になる飲食店が見つからなかったことによる場合に有効である。
【0070】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、飲食店情報提供サーバ100は、検索基準位置から第1距離範囲を検索範囲とすると飲食店の検索数が少なくなりすぎる場合に検索範囲を第2距離範囲に広げることで、地図上に表示される飲食店の検索結果からユーザがいずれかを選ぶ際の最低限の選択の余地を確保することができる。
【0071】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0072】
上述の実施形態においては、飲食店情報提供サーバ100のCPU11は、ユーザ端末200のユーザにより、飲食店の検索基準位置が変更された場合、変更前にも検索されていた飲食店に対応するアイコンを非表示とし、変更後に新たに検索された飲食店に対応するアイコンのみを表示していた。これに代えて、CPU11は、変更された検索基準位置を基準として検索された飲食店のうち、変更前にも検索されていた飲食店に対応するアイコンと変更後に新たに検索されたサービス施設に対応するアイコンとを異なる態様で上記地図画像に配置してもよい。これにより飲食店情報提供サーバ100は、検索基準位置の変更によって新たに検索された飲食店を既に確認済みの飲食店と区別してユーザに把握させることができる。
【0073】
図8は、この場合の地図検索結果ページの例を示す。同図に示すように、検索基準位置の変更前にも表示されていた飲食店アイコンR2は例えば半透明で表示され、変更後に新たに検索された飲食店の飲食店アイコンR1は不透明の着色によって表示されている。このような透明度の違いのみならず、例えば、アイコンの色の違いやアイコンの大きさの違い等によって検索基準位置の変更前に表示されていた飲食店のアイコンと変更後に新たに検索された飲食店のアイコンとが区別して表示されてもよい。
【0074】
上述の実施形態において、飲食店情報提供サーバ100は、ユーザ端末200のユーザにより変更された検索基準位置の変更距離が所定距離未満の場合、変更後の検索基準位置に基づく検索を行わなくてもよい。所定距離とは、ユーザ端末の移動により検索基準位置が変更された場合には例えば3m、5m、10m等であり、ユーザが地図上で検索基準位置を変更したり地図をスクロールすることで検索基準位置が変更された場合には、上記3m、5m、10m等に対応する地図上の距離(ピクセル等)であるが、これらに限られない。
【0075】
さらに上記実施形態において、飲食店情報提供サーバ100は、ユーザ端末200(のディスプレイ)が向いている方位に応じて飲食店を検索してもよい。この場合飲食店情報提供サーバ100は、ユーザ端末200の位置が変更されなくとも方位角が変更された場合には変更後の方位角に基づく飲食店の再検索処理を実行するが、当該方位角が所定角(例えば5度、10度等)未満の場合には当該再検索処理を実行しないようにしてもよい。
【0076】
これにより飲食店情報提供サーバ100は、ユーザが意図せずわずかに位置を移動した場合やわずかに地図画像をスクロールした場合等、検索結果に変更がないと想定される場合でも、その都度検索処理が実行されてしまい処理負荷が大きくなるのを防ぐことができる。
【0077】
上述の実施形態においては、ユーザ端末200の現在位置を検索基準位置として飲食店を検索する例を示したが、飲食店情報提供サーバ100は、例えばユーザが地図画像上で現在位置とは異なる所定の位置を指定した場合にも同様に検索結果を表示させることが可能である。例えばユーザは、検索基準位置として、地図画像上の任意の点を指定することもできるし駅や建物等のスポットを指定することもできる。またユーザは、上記飲食店情報データベース31に含まれるエリア情報を基に、任意のエリアを選択することで、当該エリアの中心地を検索基準位置として指定することもできる。
【0078】
この場合飲食店情報提供サーバ100は、ユーザによって地図上で指定された位置の位置情報(緯度・経度情報)を検索要求と共にユーザ端末200から受信して当該指定された検索基準位置から検索範囲内に所在位置を有する飲食店を、検索結果数が所定数以上となるまで、検索範囲を拡大して検索する処理を繰り返す。
【0079】
上述の実施形態においては、飲食店情報提供サーバ100は、飲食店の検索結果数が所定数以上か否かで検索範囲を拡大するか否かを決定していた。しかし、この「所定数」は、単一の数ではなく、所定の幅を持った数値範囲(例えば20~30件)であっても構わない。これにより閾値となる数値に幅を持たせることで、再検索処理を繰り返す回数を軽減し処理負荷を軽減することができる。
【0080】
上述の実施形態で示した飲食店情報提供サーバ100は、その機能が複数のサーバや情報処理装置に分散されたシステムとして構成されていても構わない。
【0081】
上述の実施形態において、飲食店情報提供サーバ100は、検索基準位置から検索範囲内に所在位置を有する飲食店を、検索結果数が所定数以上となるまで、検索範囲を拡大して検索していた。この際、飲食店情報提供サーバ100は、ユーザの各飲食店への来訪履歴を参照して、来訪したことがある飲食店は、上記検索結果数のカウント対象から除外してもよい。
【0082】
ここで上記来訪履歴は、例えば飲食店内に設置されたチェックイン装置や2次元コード等を用いたチェックイン履歴を各飲食店端末300またはユーザ端末200から受信したり、飲食店情報提供サーバ100を介した飲食店の予約履歴を参照したりすることで取得可能である。
【0083】
これにより飲食店情報提供サーバ100は、ユーザが行ったことのない飲食店のみを所定数抽出して検索結果として提供することで、ユーザに新たな飲食経験を提供することができる。
【0084】
上述の実施形態において、飲食店情報提供サーバ100は、検索結果数が所定数以上となるまでは無制限に検索範囲を拡大して飲食店を検索していた。しかし飲食店情報提供サーバ100は、検索範囲に上限(例えば300m、500m、1km等)を設けてもよい。また当該上限はユーザ端末200のユーザによって指定可能であってもよい。
【0085】
この場合飲食店情報提供サーバ100は、検索範囲を拡大しながら飲食店の検索結果数が所定数以上か否かを検索毎に判定するとともに、検索範囲が上限に達したか否かも並行して判定し、検索範囲が上限に達したと判定した場合には、検索結果数が所定数に満たない場合でも検索を終了し、その時点で検索された飲食店を示すアイコンを地図画像上に配置した地図検索結果ページをユーザ端末200へ送信する。
【0086】
これにより飲食店情報提供サーバ100は、ユーザの徒歩圏外となるようなユーザの現在位置から離れた位置に存在する飲食店(すなわち、ユーザがわざわざ訪問する可能性が低い飲食店)まで検索結果として表示されるのを防ぐことができる。
【0087】
また上述の実施形態において飲食店情報提供サーバ100は、検索範囲の拡大に伴う飲食店の検索結果数の増加ペースが速すぎる場合には、検索結果数が所定数に満たない場合でも検索を終了し、検索条件の追加を提案してもよい。
【0088】
すなわち飲食店情報提供サーバ100は、検索範囲を拡大して検索するごとに検索結果数の増加率を算出し、当該増加率が所定値以上となった場合には、検索を終了するとともに、例えば「検索結果が多すぎます。検索条件を追加してください。」といった検索条件の追加を促すメッセージをユーザ端末200のディスプレイに表示させる。
【0089】
これにより、実際には所定数よりはるかに多い飲食店が比較的近い範囲に存在するにもかかわらず、極めて狭い範囲で所定数しか検索結果として提示されなくなるのを防ぐことができる。
【0090】
上述の実施形態において飲食店情報提供サーバ100は、上記所定数(第1の数)以上の検索結果数が得られた場合でも、検索を終了せず、上記第1の数以上の第2の数、第3の数といった複数の検索結果が得られるまでさらに検索範囲を拡大して検索を続行し、当該第1の数、第2の数、第3の数といった検索結果数の中からユーザに選択された数の検索結果を示す地図検索結果ページをユーザ端末200へ送信してもよい。
【0091】
例えば、飲食店情報提供サーバ100は、検索範囲を広げながら検索を実行することで、10件の検索結果、20件の検索結果、30件の検索結果を順に得た場合に、10件、20件、30件という選択肢をユーザ端末200へ提示して、選択を促し、選択された件数に対応する検索結果ページを表示させる。この際、飲食店情報提供サーバ100は、選択肢として、検索基準位置を中心とする半径(検索範囲)の異なる複数の同心円を検索結果数と共に地図画像上に表示させて、当該同心円のいずれかの円に対するユーザの選択を受け付けてもよい。
【0092】
これにより、ユーザが所望する検索結果数にて検索結果ページを表示させることができる。
【0093】
上述の実施形態では、サービス施設として飲食店が例に挙げられたが、サービス施設は飲食店に限られず、例えば、ホテル・旅館等の宿泊施設、テニス、バスケットボール、ゴルフ等の各種スポーツ施設、カラオケ・ボーリング等の娯楽施設、美容院、マッサージ・エステ等の施術施設等の、現実の住所を有する様々なサービス施設についても、本発明は同様に適用可能である。この場合上記飲食店情報提供サーバ100も、飲食店以外の各サービス施設に対応したサーバとして機能する。
【0094】
本願の特許請求の範囲に記載された発明のうち、「情報処理方法」と記載された発明は、その各ステップを、ソフトウェアによる情報処理によりコンピュータ等の少なくとも1つの装置が自動的に行うものであり、人間がコンピュータ等の装置を用いて行うものではない。すなわち、当該「情報処理方法」は、コンピュータ・ソフトウェアによる情報処理方法であって、コンピュータという計算道具を人間が操作する方法ではない。
【符号の説明】
【0095】
11…CPU
18…記憶部
19…通信部
31…飲食店情報データベース
32…ユーザ情報データベース
33…地図情報データベース
100…飲食店情報提供サーバ
200…ユーザ端末
M…地図検索結果ページ
U…現在位置アイコン
R…飲食店アイコン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8