IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝三菱電機産業システム株式会社の特許一覧

特許7272511電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置および電力変換システムの制御装置
<>
  • 特許-電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置および電力変換システムの制御装置 図1
  • 特許-電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置および電力変換システムの制御装置 図2
  • 特許-電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置および電力変換システムの制御装置 図3
  • 特許-電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置および電力変換システムの制御装置 図4
  • 特許-電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置および電力変換システムの制御装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置および電力変換システムの制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20230502BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022546143
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(86)【国際出願番号】 JP2021024592
【審査請求日】2022-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多和田 義大
(72)【発明者】
【氏名】勝倉 朋也
(72)【発明者】
【氏名】山下 大地
(72)【発明者】
【氏名】後 雅博
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-205297(JP,A)
【文献】特開2019-106812(JP,A)
【文献】特開2019-22272(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換システムからのデータをそれぞれ記憶する複数のファイル記憶領域と、
前記複数のファイル記憶領域におけるデータの記憶のフォーマットとして端末装置に適用されるファイルシステムを使用しないフォーマットを設定するデータを管理するファイル管理領域と、
を備えた電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置。
【請求項2】
前記ファイル管理領域は、前記複数のファイル記憶領域におけるデータの記憶のフォーマットとしてリングバッファ形式のフォーマットを設定するデータを管理する請求項1に記載の電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置。
【請求項3】
端末装置から前記複数のファイル記憶領域に記憶されたデータを読み出すための閲覧ソフトのデータを記憶する標準フォーマット領域、
を備えた請求項1または請求項2に記載の電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置。
【請求項4】
前記標準フォーマット領域は、端末装置から前記複数のファイル記憶領域に記憶されたデータを読み出す際に使用されるランタイムのデータを記憶する請求項3に記載の電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置。
【請求項5】
前記標準フォーマット領域は、端末装置から前記複数のファイル記憶領域に記憶されたデータを読み出す際に使用されるミドルウェアのデータを記憶する請求項3または請求項4に記載の電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置。
【請求項6】
電力変換システムからのデータを受信するデータ受信部と、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の前記ファイル管理領域に設定されたフォーマットに従って前記データ受信部が受信したデータを前記複数のファイル記憶領域に書き込むデータ制御部と、
を備えた電力変換システムの制御装置。
【請求項7】
外部との間でデータを送受信する外部送受信部、
を備え、
前記データ制御部は、前記ファイル管理領域に設定されたフォーマットに従って前記複数のファイル記憶領域のうちの少なくともひとつに書き込まれたデータを読み込んで、当該データを上位監視装置に向けて前記外部送受信部に送信させる請求項6に記載の電力変換システムの制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置および電力変換システムの制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電力システムを開示する。当該電力システムによれば、複数の電力変換システムを1台の制御装置で運転制御し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本特開平10-201105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の制御装置においては、プログラムの容量が限られている。このため、パーソナルコンピュータ等の一般的な端末装置において適用されるファイルシステムを適用できない場合がある。この場合、電力変換システムからのデータを一般的な外部記憶装置に記憶できない。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、容量が少ないプログラムでも電力変換システムからのデータを書き込むことができる電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置および電力変換システムの制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置は、電力変換システムからのデータをそれぞれ記憶する複数のファイル記憶領域と、前記複数のファイル記憶領域におけるデータの記憶のフォーマットとして端末装置に適用されるファイルシステムを使用しないフォーマットを設定するデータを管理するファイル管理領域と、を備えた。
【0007】
本開示に係る電力変換システムの制御装置は、電力変換システムからのデータを受信するデータ受信部と、前記ファイル管理領域に設定されたフォーマットに従って前記データ受信部が受信したデータを前記複数のファイル記憶領域に書き込むデータ制御部と、を備えた。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、データは、端末装置に適用されるファイルシステムを使用しないフォーマットに従って外部記憶装置に記憶される。このため、容量が少ないプログラムでも電力変換システムからのデータを書き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1における電力変換システムの制御装置が適用される電力システムの構成図である。
図2】実施の形態1における電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置の実装方法を説明するためのブロック図である。
図3】実施の形態1における電力変換システムの制御装置の動作を説明するための図である。
図4】実施の形態1における電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置の領域の概要を説明するための図である。
図5】実施の形態1における電力変換システムの制御装置との間でデータを送受信する上位監視装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0011】
実施の形態1.
図1は実施の形態1における電力変換システムの制御装置が適用される電力システムの構成図である。
【0012】
図1の電力システムにおいて、電力変換システム10は、電力変換器12と、直流コンデンサ14と、フィルタ回路16と、直流電圧検出器18と、直流電流検出器20と、複数の交流電圧検出器22a~22cと、複数の交流電流検出器24a~24cと、複数の直流開閉器26a、26bと、複数の交流開閉器28a~28cと、制御装置34と、を備える。
【0013】
電力変換システム10は、直流電源としての太陽電池パネル2と交流の電力系統4とに接続される。電力変換システム10は、例えば、変圧器6を介して電力系統4に接続される。太陽電池パネル2は、直流電力を電力変換システム10に供給する。電力変換システム10は、太陽電池パネル2から入力された直流電力を交流電力に変換し、変換後の交流電力を電力系統4に供給する。なお、直流電源として、太陽電池パネル2ではなく蓄電池を用いてもよい。
【0014】
電力変換システム10は、電力系統4に有効電力、及び無効電力を供給する。電力変換システム10は、例えば、太陽電池パネル2を分散型電源として機能させる。また、電力変換システム10は、電力系統4に無効電力を供給することにより、電力系統4の電圧変動を抑制する無効電力補償を行う。電力変換システム10は、例えば、日中などの太陽電池パネル2の発電量の高い時間帯において、有効電力、及び無効電力を供給する動作を行う
【0015】
この例では、太陽電池パネル2を直流電源として示している。この例において、電力系統4の交流電力は、三相交流電力である。電力変換システム10は、直流電力を三相交流電力に変換し、電力系統4に供給する。電力系統4の交流電力は、三相交流電力に限ることなく、単相交流電力などでもよい。電力系統4の交流電圧は、例えば、100V(実効値)であってもよい。電力系統4の交流電力の周波数は、例えば、50Hzまたは60Hzであってもよい。
【0016】
電力変換器12は、太陽電池パネル2に接続される一対の直流端子d1、d2と、電力系統4に接続される複数の交流端子a1~a3と、を有する。直流端子d1は、高圧側の直流端子であり、直流端子d2は、低圧側の直流端子である。これとは反対に、直流端子d1を低圧側、直流端子d2を高圧側としてもよい。
【0017】
この例において、電力変換器12は、三相交流電力の各相に対応した3つの交流端子a1~a3を有する。例えば、電力系統4の交流電力が単相交流電力である場合には、交流端子の数は、2つでもよい。交流端子の数は、交流電力の形式などに応じて適宜設定すればよい。
【0018】
電力変換器12は、太陽電池パネル2の直流電力を電力系統4に対応した交流電力に変換し、交流電力を電力系統4に供給する。電力変換器12は、例えば、複数のスイッチング素子12aと、各スイッチング素子12aのそれぞれに逆並列に接続された複数の整流素子12bと、を有する。電力変換器12は、各スイッチング素子12aのオン・オフにより、直流電力を交流電力に変換する。電力変換器12は、いわゆる三相電圧型インバータである。
【0019】
電力変換器12は、例えば、三相ブリッジ接続された6つのスイッチング素子12aを有し、各スイッチング素子12aのオン・オフにより、直流電力を三相交流電力に変換する。各スイッチング素子12aには、例えば、GTO(Gate Turn-Off thyristor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの自己消弧型の半導体素子が用いられる。
【0020】
直流コンデンサ14は、一対の直流端子d1、d2の間に接続される。直流コンデンサ14は、例えば、太陽電池パネル2の直流電圧を平滑化する。直流コンデンサ14は、換言すれば、平滑コンデンサである。
【0021】
フィルタ回路16は、各交流端子a1~a3と電力系統4との間に設けられる。フィルタ回路16は、各交流端子a1~a3に接続されている。フィルタ回路16は、例えば、インダクタ16aと、コンデンサ16bと、を有する。インダクタ16a及びコンデンサ16bは、例えば、交流電力の相毎に設けられる。フィルタ回路16は、電力変換器12から出力された交流電力の高調波成分を抑制し、出力波形をより正弦波に近付ける。
【0022】
直流電圧検出器18は、直流コンデンサ14の直流電圧値Vdcを検出する。換言すれば、直流電圧検出器18は、太陽電池パネル2の直流電圧の電圧値を検出する。また、直流電圧検出器18は、制御装置34に接続され、検出した直流電圧値Vdcを制御装置34に入力する。
【0023】
直流電流検出器20は、太陽電池パネル2と電力変換器12との間に設けられる。直流電流検出器20は、電力変換器12に入力される直流電流の大きさを表す直流電流値Idcを検出する。直流電流検出器20は、制御装置34に接続され、検出した電流値を制御装置34に入力する。
【0024】
各交流電圧検出器22a~22cは、フィルタ回路16を介して各交流端子a1~a3のそれぞれに接続されている。各交流電圧検出器22a~22cは、電力変換器12から出力された交流電力の電圧値を検出する。換言すれば、各交流電圧検出器22a~22cは、電力系統4の交流電圧の電圧値を検出する。各交流電圧検出器22a~22cは、例えば、三相交流電力の各相の電圧値(相電圧)を検出する。各交流電圧検出器22a~22cは、制御装置34に接続されており、検出した電圧値を制御装置34に入力する。
【0025】
各交流電流検出器24a~24cは、フィルタ回路16と電力系統4との間に設けられる。各交流電流検出器24a~24cは、電力変換器12から出力された交流電力の電流値を検出する。換言すれば、各交流電流検出器24a~24cは、電力系統4の交流電流の電流値を検出する。各交流電流検出器24a~24cは、三相交流電力の各相の電流値(相電流)を検出する。各交流電流検出器24a~24cは、制御装置34に接続されており、検出した電流値を制御装置34に入力する。
【0026】
各直流開閉器26a、26bは、太陽電池パネル2と電力変換器12との間に設けられる。各直流開閉器26a、26bは、例えば手動式であってもよい。各直流開閉器26a、26bは、通常は投入状態であり何らかの異常が生じたとき制御装置34の働き等により自動的に開放される。
【0027】
各交流開閉器28a~28cは、電力系統4と電力変換器12との間に設けられる。交流電圧検出器22a~22bで検出された電圧値と、変圧器側電圧検出器(図示せず)により変圧器6の電力変換装置側の端子電圧が所定の範囲内で等しいとみなされた場合に、各交流開閉器28a~28cは、例えば、制御装置34の働きにより自動的に投入される。
【0028】
各直流開閉器26a、26bおよび各交流開閉器28a~28cは例えばメンテナンスの際などに開放され、この開放により電力変換器12が太陽電池パネル2及び電力系統4から切り離される。各直流開閉器26a、26bおよび各交流開閉器28a~28cを投入することにより、電力変換器12が太陽電池パネル2及び電力系統4に接続される。
【0030】
制御装置34は、電力変換器12の動作を制御する。制御装置34は、電力変換器12による電力の変換を制御する。制御装置34は、例えば、各スイッチング素子12aのゲート信号端子に接続されている。制御装置34は、各スイッチング素子12aのオン・オフを制御することにより、電力変換器12による電力の変換を制御する。
【0031】
制御装置34は、電力変換システム10から各種データを受信し得るように設けられる。例えば、制御装置34は、直流電圧検出器18から直流電圧値Vdcのデータを受信する。例えば、制御装置34は、直流電流検出器20から直流電流値Idcのデータを受信する。例えば、制御装置34は、各交流電圧検出器22a~22cから三相交流電力の各相の電圧値(相電圧)のデータを受信する。例えば、制御装置34は、各交流電流検出器24a~24cから三相交流電力の各相の電流値(相電流)のデータを受信する。
【0032】
外部記憶装置50は、制御装置34に対して着脱自在に設けられる。外部記憶装置50は、制御装置34との間でデータをやり取りし得るように設けられる。
【0033】
上位監視装置11は、制御装置34との間でデータを送受信し得るように設けられる。
【0034】
電力システムの動作中において、制御装置34は、電力変換システム10から電流・電圧・周波数・温度などのデータを受信する。電力変換システム10の故障時において、制御装置34は、それらのデータを外部記憶装置50に記憶させる。電力変換システム10の故障時において、制御装置34は、それらのデータを上位監視装置11に向けて送信する。上位監視装置11は、それらのデータに基づいて電力変換器12の状態を監視する。
【0035】
御装置34は、当該データを外部記憶装置50に記憶させることができる。
【0036】
次に、図2を用いて、外部記憶装置50の実装方法を説明する。
図2は実施の形態1における電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置の実装方法を説明するためのブロック図である。
【0037】
図2に示されるように、製造者は、一般的な外部記憶装置50を調達する。その後、製造者は、一般的なデスクトップのパーソナルコンピュータ等の第1端末装置60のオペレーションシステムの機能により外部記憶装置50をフォーマットする。その結果、外部記憶装置50は、一般的なパーソナルコンピュータ等の端末装置に適用されるファイルシステムに対応する領域と空の領域とに分割される。この際、一般的なパーソナルコンピュータ等の端末装置に適用されるファイルシステムに対応する領域には、閲覧ソフト等のデータが配置される。
【0038】
その後、製造者は、外部記憶装置50を制御装置34に装着する。その後、使用者または製造者は、外部記憶装置50を初期化する。その結果、外部記憶装置50の空の領域に対し、一般的なパーソナルコンピュータ等の端末装置に適用されるファイルシステムを使用しない独自フォーマットが適用される。
【0039】
制御装置34が電力変換システム10からの各種データを外部記憶装置50に記憶させた後、使用者または製造者は、制御装置34から外部記憶装置50を抜き取る。その後、使用者または製造者は、一般的なラップトップのパーソナルコンピュータ等の第2端末装置70に外部記憶装置50を装着する。その後、使用者または製造者は、第2端末装置70により外部記憶装置50に記憶された閲覧ソフトのデータを利用して一般的なオペレーションソフトでは見ることのできない独自フォーマットで記録されたデータのBankリストを閲覧する。
【0040】
使用者または製造者は、必要に応じて第2端末装置70により外部記憶装置50に記憶された閲覧ソフトの機能により、電力変換システム10からの各種データのリストを見て、選択したデータをトレースファイル形式でエクスポートする。使用者または製造者は、一般的な表示ツールにより当該データ対応した内容を表示させる。
【0041】
次に、図3を用いて、制御装置34の動作を説明する。
図3は実施の形態1における電力変換システムの制御装置の動作を説明するための図である。
【0042】
図3に示されるように、制御装置34は、データ受信部34aと外部送受信部34bとデータ制御部34cとを備える。
【0043】
データ受信部34aは、電力変換システム10からの各種データを受信する。外部送受信部34bは、外部の上位監視装置11と制御装置34との間で各種データを送受信する。例えば、データ制御部34cは、産業向けで少ないプログラム容量の組み込み型のマイクロコンピュータである。データ制御部34cは、各種データの処理を制御する。
【0044】
例えば、データ制御部34cは、データ受信部34aが受信したデータを外部記憶装置50に書き込む。例えば、データ制御部34cは、外部記憶装置50に記憶されたデータを読み込んで当該データを産業用通信プロトコルにより上位監視装置11に向けて外部送受信部34bに送信させる。
【0045】
次に、図4を用いて、外部記憶装置50の領域の概要を説明する。
図4は実施の形態1における電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置の領域の概要を説明するための図である。
【0046】
図4に示されるように、外部記憶装置50は、複数のファイル記憶領域50aとファイル管理領域50bと標準フォーマット領域50cとに分割される。
【0047】
複数のファイル記憶領域50aは、電力変換システム10からの各種データをそれぞれ記憶する。複数のファイル記憶領域50aは、リングバッファ形式の領域である。例えば、複数のファイル記憶領域50aの各々は、「BANK情報(Index)」と「状変履歴」と「トレースヘッダー」と「トレースデータ」とのデータを記憶する。
【0048】
ファイル管理領域50bは、複数のファイル記憶領域50aにおけるデータの記憶のフォーマットとして一般的なパーソナルコンピュータ等の端末装置に適用されるファイルシステムを使用しないフォーマットを設定するデータを管理する。例えば、ファイル管理領域50bは、「設定」と複数の「BANKプロパティ」とのデータを記憶する。
【0049】
例えば、「設定」のデータは、「識別コード」と「リングバッファBANK数」と「トレースCH数/BANK」と「トレース点数/CH」と「波形データbyteサイズ」とのデータである。
【0050】
例えば、「BANKプロパティ」のデータは、「BANK情報(Index)」と「記録日時」と「トリガー日時」と「トリガーアイテム」とのデータである。
【0051】
標準フォーマット領域50cは、一般的なパーソナルコンピュータ等の端末装置に適用されるファイルシステムに対応する。標準フォーマット領域50cは、一般的なパーソナルコンピュータ等の端末装置に適用される「閲覧ソフト」と「ランタイム」と「ミドルウェア」とのデータを記憶する。
【0052】
「閲覧ソフト」のデータは、端末装置から複数のファイル記憶領域50aに記憶されたデータを読み出すための閲覧ソフトのデータである。「ランタイム」のデータは、端末装置から複数のファイル記憶領域50aに記憶されたデータを読み出す際に使用されるランタイムのデータである。「ミドルウェア」のデータは、端末装置から複数のファイル記憶領域50aに記憶されたデータを読み出す際に使用されるミドルウェアのデータである。
【0053】
以上で説明した実施の形態1によれば、独自フォーマットが適用される。一般的なファイルシステムで記憶するより独自フォーマットで記憶する仕組みの方が、プログラム量が少なくなる。このため、容量が少ないプログラムでも電力変換システム10からのデータを書き込むことができる。
【0054】
また、外部記憶装置50は、リングバッファ形式のフォーマットで電力変換システム10からのデータを記憶する。このため、外部記憶装置50の記憶容量が少ない場合でも、最新のデータを書き込むことができる。
【0055】
また、外部記憶装置50は、端末装置に適用される閲覧ソフトのデータを記憶する。このため、端末装置は、閲覧ソフトを用いて電力変換システム10からのデータのリスト表示等の処理を行うことができる。
【0056】
また、外部記憶装置50は、端末装置に適用されるランタイムのデータを記憶する。このため、端末装置は、閲覧ソフトを用いて電力変換システム10からのデータのリスト表示等の処理をより確実に行うことができる。
【0057】
また、外部記憶装置50は、端末装置に適用されるミドルウェアのデータを記憶する。このため、端末装置は、閲覧ソフトを用いて電力変換システム10からのデータのリスト表示等の処理を行うことができる。
【0058】
また、制御装置34は、外部記憶装置50に記憶されたデータを上位監視装置11に向けて送信する。この際、制御装置34は、端末装置に適用されるファイルシステムを使用しないフォーマットに従って外部記憶装置50の複数のファイル記憶領域50aのうちの少なくともひとつに書き込まれたデータを送信すればよい。その結果、上位監視装置11は、電力変換システム10の状態情報を適切に取得することができる。
【0060】
また、交流電力を直流電力に変換する電力変換器の制御装置に対して、実施の形態1の外部記憶装置50を適用してもよい。
【0061】
次に、図5を用いて、上位監視装置11の例を説明する。
図5は実施の形態1における電力変換システムの制御装置との間でデータを送受信する上位監視装置のハードウェア構成図である。
【0062】
上位監視装置11の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える。
【0063】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える場合、上位監視装置11の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ100bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ100aは、少なくとも1つのメモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、上位監視装置11の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ100aは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ100bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0064】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、上位監視装置11の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、上位監視装置11の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0065】
上位監視装置11の各機能について、一部を専用のハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、電力変換システム10の状態を監視する機能については専用のハードウェア200としての処理回路で実現し、電力変換システム10の状態を監視する機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ100aが少なくとも1つのメモリ100bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0066】
このように、処理回路は、ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで上位監視装置11の各機能を実現する。
【0067】
図示されないが、第1端末装置60の各機能も、上位監視装置11の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現される。第2端末装置70の各機能も、上位監視装置11の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現される。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上のように、本開示の電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置および電力変換システムの制御装置は、電力システムに利用できる。
【符号の説明】
【0069】
2 太陽電池パネル、2a 出力端子、2b 出力端子、4 電力系統、6 変圧器、10 電力変換システム、11 上位監視装置、 12 電力変換器、 12a スイッチング素子、12b 整流素子、14 直流コンデンサ、16 フィルタ回路、16a インダクタ、16b コンデンサ、18 直流電圧検出器、20 直流電流検出器、22a~22c 交流電圧検出器、24a~24c 交流電流検出器、26a、26b 直流開閉器(直流遮断器)、28a~28c 交流開閉器(交流遮断器)、34 制御装置、 34a データ受信部、 34b 外部送受信部、 34c データ制御部、 50 外部記憶装置、 50a ファイル記憶領域、 50b ファイル管理領域、 50c 標準フォーマット領域、 60 第1端末装置、 70 第2端末装置
【要約】
容量が少ないプログラムでも電力変換システムからのデータを書き込むことができる電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置を提供する。電力変換システムの制御装置に対する外部記憶装置は、電力変換システムからのデータをそれぞれ記憶する複数のファイル記憶領域と、前記複数のファイル記憶領域におけるデータの記憶のフォーマットとして端末装置に適用されるファイルシステムを使用しないフォーマットを設定するデータを管理するファイル管理領域と、を備えた。
図1
図2
図3
図4
図5