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特許7272647ストッパー装置、およびそれを備えたストッパーシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】ストッパー装置、およびそれを備えたストッパーシステム
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/00 20060101AFI20230502BHJP
   B65G 1/00 20060101ALN20230502BHJP
【FI】
B62B3/00 Z
B65G1/00 501C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019135075
(22)【出願日】2019-07-23
(65)【公開番号】P2021017180
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大澤 真一
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-101577(JP,A)
【文献】特開2003-292114(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02439124(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 1/00- 5/08
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車に対応するストッパー部材と、
該ストッパー部材と一体的に設けられ該台車の駐車位置を示す指標と、
該指標に対して着脱可能に装着され、該台車を該ストッパー部材に対して位置決めするガイド部材と、
を有するストッパー装置。
【請求項2】
該指標は、該ストッパー部材よりも台車側に突出している請求項1に記載のストッパー装置。
【請求項3】
該指標は、該駐車位置とともに該ストッパー部材に対して該台車を進退させる方向を示す矢印形状をなした請求項1又は請求項2に記載のストッパー装置。
【請求項4】
前記ガイド部材は、該指標よりもさらに該台車側に突出し、前記台車の車輪間に位置して該台車を該ストッパー部材に対して正対させる請求項に記載のストッパー装置。
【請求項5】
該ガイド部材は、該指標とは色違いである請求項1~のいずれか1項に記載のストッパー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商店のバックヤード内で台車を整然と配列させることが可能なストッパー装置およびストッパーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商店の倉庫において、商品の在庫が載置されるとともに、陳列棚に商品を運ぶ際の運搬に用いられる台車がある。
【0003】
近年、POSを利用した商品在庫管理システムが広く普及し、商店において多量の商品の在庫を保管する必要がなくなってきた。一方、このように必要最小限の在庫しか倉庫に保管しなくなったため、在庫数の現状をすぐに把握できるシステムを構築することが要請されている。したがって、在庫数の把握を迅速に行えるような台車の配置方法が望まれてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-5970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、台車は、商店内の陳列棚と倉庫との間を往復して商品の搬送にも用いられるものであるから、台車をバックヤード内の正しい位置に常に配置させることは、困難を伴う。
従って、本発明の課題は、正しい位置に台車を配置させることが可能なストッパー装置およびストッパーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、本発明(1)のストッパー装置は、台車に対応するストッパー部と、該ストッパー部と一体的に設けられ該台車の駐車位置を示す指標と、を有する。
【0007】
また、本発明(2)のストッパー装置は、(1)記載のストッパー装置であって、該指標は、該ストッパー部材よりも台車側に突出している。
【0008】
また、本発明(3)のストッパー装置は、(1)又は(2)記載のストッパー装置であって、該指標は、該駐車位置とともに該ストッパー部材に対して該台車を進退させる方向を示す矢印形状をなした。
【0009】
また、本発明(4)のストッパー装置は、(1)~(3)記載のストッパー装置であって、該指標に対して着脱可能に装着され、該台車を該ストッパー部材に対して位置決めするガイド部材を有する。
【0010】
また、本発明(5)のストッパー装置は、(1)~(4)記載のストッパー装置であって、前記ガイド部材は、該指標よりもさらに該台車側に突出し、該台車の車輪間に位置して該台車を該ストッパー部材に対して正対させる。
【0011】
また、本発明(6)のストッパーシステムは、該ガイド部材は、該指標とは色違いである。
【0012】
また、本発明(7)のストッパーシステムは、
複数の台車に対して1対1で対応する複数のストッパー装置であって、該台車に当接する当接面をそれぞれ有する複数のストッパー装置と、
隣接する2つの該ストッパー装置同士の間に設けられ略直角三角形をなした複数のスペーサ部材であって、該略直角三角形の直角を挟む第1辺および第2辺のうちの該第1辺に該当接面が沿うように1つの該ストッパー装置を位置させるとともに、該第2辺に該当接面が直交するように他の1つの該ストッパー装置を位置させる複数のスペーサ部材と、
を有する。
【0013】
また、本発明(8)のストッパーシステムは、(7)記載のストッパーシステムであって、
該複数のスペーサ部材は、その略直角三角形の斜辺同士を一つの直線上に配置するように横並びに配置され、
該複数のスペーサ部材のうちの一つのスペーサ部材の該第1辺は、該複数のスペーサ部材のうちの他のスペーサ部材の該第1辺と同側にある。
【0014】
また、本発明(9)のストッパーシステムは、(7)又は(8)記載のストッパーシステムであって、
該複数のストッパー装置のそれぞれは、ストッパー部材を有し、該ストッパー部材は、該当接面と、略長方形のベース部と、を有し、
該ベース部は、該当接面に沿って延びるとともに該台車の車幅以上の長さを有する長辺と、該長辺と交差する方向に延びる短辺と、を有し、
隣接する2つの該ストッパー装置は、該スペーサ部材を用いない状態で、互いの該短辺同士を突き合わせて横並びに配置可能である。
【0015】
また、本発明(10)のストッパーシステムは、(9)記載のストッパーシステムであって、該ストッパー装置の該短辺と、該ストッパー装置に隣接する他の該ストッパー装置の該短辺と、の間に介在されるジョイント部材を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、正しい位置に台車を配置させることが可能なストッパー装置およびストッパーシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態のストッパーシステムおよびそれに駐車される複数の台車を示す模式的な平面図である。
図2図1に示すストッパーシステムの詳細を示す斜視図である。
図3図1に示すストッパーシステムに含まれる各ストッパー装置のストッパー部材のベース部および指標を示す平面図である。
図4図3に示す各ストッパー装置のストッパー部材のベース部および指標を示す側面図である。
図5図2に示すストッパーシステムに含まれる各ストッパー装置のストッパー部材の壁部を示す正面図である。
図6図5に示す各ストッパー装置のストッパー部材の壁部を示す側面図である。
図7図2に示すストッパーシステムに含まれる各スペーサ部材を構成するサブスペーサを示す平面図である。
図8図2に示すストッパーシステムに含まれる各ストッパー装置のガイド部材を示す平面図である。
図9図8に示すガイド部材を示す側面図である。
図10図8に示すガイド部材を示す正面図である。
図11図1に示すストッパーシステムのストッパー装置と台車との位置関係を示す側面図である。
図12図1に示すストッパーシステムおよびそれに駐車される台車の位置関係を示す斜視図である。
図13】第2実施形態のストッパーシステムおよびそれに駐車される複数の台車を示す模式的な平面図である。
図14】第3実施形態のストッパーシステムおよびそれに駐車される複数の台車を示す模式的な平面図である。
図15図14に示すストッパーシステムの詳細を示し、同ストッパーシステムに含まれるストッパー装置の一つを分解して示すとともに、ジョイント部材を介した接続を分解して示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図1図15を参照して、本発明のストッパーシステムの実施形態について説明する。本発明のストッパーシステムは、商店内の倉庫や冷蔵室、その他のスペースといった、いわゆるバックヤード等に設置され、バックヤード等において複数の台車を正しい位置に配置させるものである。また、ストッパーシステムは、店舗の運営方針の変更や商品種類の変更に応じて、台車の配置を適宜に変更可能にするものである。
[第1実施形態]
【0019】
図1図2に示すように、ストッパーシステム11は、複数のストッパー装置12と、複数のストッパー装置12同士の間に介在される複数のスペーサ部材13と、を備える。複数のストッパー装置12は、複数の台車14に対して1対1で対応する。すなわち、一つのストッパー装置12に対して、一つの台車14が駐車される。
【0020】
図1図11に示すように、本発明のストッパーシステム11に用いられる台車14は、一般的な台車であってよい。台車14は、例えば4つの車輪14Aを有する台車であってもよいし、3つまたは5つ以上の車輪14Aを有する台車であってもよい。図11に示すように、複数の車輪14Aのそれぞれは、進行方向に沿って回転軸回りに回転可能であることはいうまでもなく、その位置で支軸14Bを中心に水平方向に360°旋回可能に構成されることが多い。
【0021】
図1に示すように、複数のスペーサ部材13のそれぞれは、上方から見て略直角三角形をなした平板状をなしている。図1に示すように、スペーサ部材13は、斜辺15と、略直角三角形の直角をはさむ第1辺16および第2辺17と、を有する。
【0022】
スペーサ部材13は、2つのサブスペーサ18を有する。図7に示すように、サブスペーサ18のそれぞれは、上方から見て略直角三角形をなした平板状をなしている。図1図2に示すように、スペーサ部材13は、好ましくは、上方から見て直角二等辺三角形状をなしている。2つのサブスペーサ18は、互いの直角と直角に隣接する一つの辺とを突き合わせて大きな直角三角形を形成するように配置することで、1つの大きなスペーサ部材13を構成できる。スペーサ部材13は、2つのサブスペーサ18として分割されることなく、一つの直角三角形の平板状に構成されてもよい。
【0023】
サブスペーサ18は、例えば、ゴム材料、樹脂材料、および金属材料のうちいずれかで構成されるが、特に、耐久性、製造コスト、および緩衝材としての可撓性を考慮して、ゴム材料で構成されることが好ましい。
【0024】
スペーサ部材13は、小型のサブスペーサ18を組み合わせて構成した場合には、バックヤードの角部42の壁際にもサブスペーサ18を設置することができる。このため、ストッパーシステム11の設置自由度が向上する。スペーサ部材13は、必要に応じてバックヤードの床面に対して接着具を介して接着される。接着具は、例えば、両面テープ、接着剤、およびねじのいずれかであると良いが、両面テープで構成されることが好ましい。また、接着具を用いることは必須ではない。スペーサ部材13をゴム材料で構成し、床との間で摩擦力を発生させてもよい。これによって、スペーサ部材13は、当該摩擦力によってそれらの設置位置を維持できる。
【0025】
図2図3に示すように、ストッパー装置12は、台車14に対応するストッパー部材21と、ストッパー部材21の後述するベース部22と一体的に設けられた指標23と、指標23に対して着脱可能に構成されたガイド部材24と、を有する。ストッパー部材21は、上方から見て長方形をなした平板状のベース部22と、ベース部22に対して起立して設けられた壁部25と、を有する。本実施形態において、壁部25は、ベース部22とは別体でベース部22から分離可能に設けられている。しかしながら、壁部25は、ベース部22と一体に形成されてもよい。
【0026】
ベース部22および指標23は、例えば、ゴム材料、樹脂材料、および金属材料のうちいずれかで構成されるが、特に、耐久性、製造コスト、および緩衝材としての可撓性を考慮して、ゴム材料で構成されることが好ましい。ベース部22および指標23は、黄色やオレンジ色、黄緑色などの明るい色で構成されることが好ましい。
【0027】
図3に示すように、ベース部22は、ベース部頂面26と、側面27と、を有する。側面27は、一対の長辺27Aと、長辺27Aと交差する一対の短辺27Bと、を有する。長辺27Aの長さは、スペーサ部材13の第1辺16および第2辺17と同等の長さか、それらよりも若干小さい長さを有する。また、長辺27Aの長さは、台車14の車幅と同等の長さか、それよりも大きい長さを有する。すなわち、長辺27Aの長さは、台車14の車幅以上の長さである。
【0028】
長辺27Aの一つには、指標23が接続されている。長辺27Aの他の一つは、壁部25の本体25Aが装着される第1切欠部31と、壁部25の鍔部25Bが差し込まれる第2切欠部32と、を有する。第2切欠部32は、第1切欠部31と連続して設けられている。
【0029】
図3図4に示すように、短辺27Bの一つには、凸部33が設けられており、短辺27Bの他の一つには、凸部33が差し込まれて嵌る凹部34が設けられている。凹部34に対して凸部33が嵌ることで、ストッパー装置12同士を横並びで接続することもできる(第2実施形態、図13参照)。
【0030】
図5図6に示すように、壁部25は、所定の幅および厚みを有する板状をなしている。壁部25は、本体25Aと、本体25Aの下側に本体25Aと一体的に設けられた鍔部25Bと、を有する。本体25Aは、台車14と当接する側に平坦な当接面25AAを有する。当接面25AAは、駐車位置に駐車される台車14と当接する面を構成する。鍔部25Bは、本体25Aの下端から、外側、好ましくは、指標23に近づく方向と、ベース部22の短辺27Bに近づく方向と、に突出するように形成されている。壁部25は、例えば、ゴム材料、樹脂材料、および金属材料のうちいずれかで構成されるが、特に、耐久性、製造コスト、および緩衝材としての可撓性を考慮して、ゴム材料で構成されることが好ましい。壁部25は、ベース部22および指標23と同色で構成されることが好ましく、黄色やオレンジ色、黄緑色などの明るい色で構成されることが好ましい。
【0031】
図2図4に示すように、指標23は、上方から見て矢印形状に形成される。指標23は、台車14の駐車位置を示している。また、指標23は、台車14を進退させる方向を示しているとも言い換えられる。指標23が示している方向は、一例として壁部25から遠ざかる方向を示しているが、壁部25に近づく方向を示していてもよい。指標23は、ストッパー部材21よりも台車14側に突出している。指標23は、、ベース部22の長辺27Aに沿う方向に関して、長辺27Aの長さの範囲内に設置されることが好ましい。
【0032】
指標23は、矢頭23Aと、軸部23Bと、矢頭23Aの両端部とベース部22とを接続する底板部23Cと、を有する。指標23は、面取り面35を有する。面取り面35は、その頂面(指標頂面23D)と側面27との間に位置する角部を除去するように、指標頂面23Dに対して斜めに形成されている。
【0033】
図2図8に示すように、ガイド部材24は、上方から見て、舌形状をなした板状に形成される。ガイド部材24は、ベース部22および指標23の色とは色違いで構成されることが好ましい。ガイド部材24は、例えば、黒色等、ベース部22および指標23に比して暗い色で構成されることが好ましい。これによって、ベース部22および指標23の視認性が向上される。
【0034】
図2に示すように、ガイド部材24は、指標23よりもさらに台車14側に突出している。図8に示すように、ガイド部材24は、ベース部22側に位置する基端から先端に行くにつれて、途中まで同幅で形成された方形部24Aと、その後先端付近で幅狭になった台形部24Bと、を有する。ガイド部材24は、方形部24Aおよび台形部24Bに跨り平坦になった平板部36と、第2面取り面37と、を有する。第2面取り面37は、平板部36の周囲に設けられている。平板部36は、ガイド部材24の頂面と平板部36の周囲に設けられた側面との間に位置する角部を除去するように、ガイド部材24の頂面に対して斜めに形成されている。ガイド部材24は、台車14の車輪14A、14A間に位置して、第2面取り面37等を介して車輪14A、14Aを案内することで、台車14をストッパー部材21に対して正対させることができる。
【0035】
ガイド部材24は、指標23を内側に受け入れるための受容部38を有する。ガイド部材24は、指標23に対して装着され、指標23を介してストッパー部材21に対して着脱可能に構成される。ストッパー装置12は、ガイド部材24なしでも用いることができるが、台車14の車輪14Aのガイド機能を有することから、ガイド部材24を用いて実施することが望ましい。
【0036】
ストッパー部材21のベース部22、壁部25、指標23、およびガイド部材24は、必要に応じてバックヤードの床面に対して接着具を介して接着される。接着具は、例えば、両面テープ、接着剤、およびねじのいずれかであると良いが、両面テープで構成されることが好ましい。また、接着具を用いることは必須ではない。ベース部22、壁部25、指標23、およびガイド部材24をそれぞれゴム材料で構成し、床との間で摩擦力を発生させてもよい。これによって、ベース部22、壁部25、指標23、およびガイド部材24は、当該摩擦力によってそれらの設置位置を維持できる。
【0037】
続いて、本実施形態のストッパーシステム11の使用方法およびその作用について説明する。複数のスペーサ部材13は、斜辺15同士を一つの直線上に配置することで、台車14の斜め駐車を実現する。本実施形態の斜め駐車では、比較的に在庫量が少ない商品を載置した台車に適したストッパーシステム11の使用態様である。
【0038】
ユーザは、図1図2に示すように、一つの直線41上に複数のスペーサ部材13の斜辺15を隙間なく配置して、スペーサ部材13同士を横並びにする。このとき、複数のスペーサ部材13のうちの一つのスペーサ部材13の第1辺16は、これとは異なる他のスペーサ部材13の第1辺16と同側にあると定義する。このとき、例えば図1において、すべてのスペーサ部材13の直角の上側に隣接する辺を第1辺16と定義し、すべてのスペーサ部材13の直角の下側に隣接する辺を第2辺17と定義する。
【0039】
また、一つの直線41は、バックヤードの壁であってもよいし、壁とは別途に床に引いた直線であってもよい。バックヤードの壁面に沿って複数のスペーサ部材13の斜辺15を配置させた場合には、図1の左下に示すように、バックヤードの壁の角部42には、スペーサ部材13のサブスペーサ18を一つだけ配置して、バックヤードの角部42とストッパー装置12との間の隙間を埋めるようにしてもよい。これによって、最も端に位置するストッパー装置12の位置がずれてしまうことをこのサブスペーサ18で防止できる。
【0040】
スペーサ部材13は、床に対して接着具を介して固定してもよいし、固定しなくてもよい。このスペーサ部材13を基準に、スペーサ部材13の直角を挟む第1辺16に沿わせて一つのストッパー装置12を配置し、スペーサ部材13の直角を挟む第2辺17に沿わせて他の一つのストッパー装置12を配置する。第1辺16に隣接するストッパー装置12は、その当接面25AAが第1辺16に沿うように設置される。第2辺17に隣接するストッパー装置12は、その当接面25AAが第2辺17と直交するように設置される。このとき、第2辺17に隣接するストッパー装置12は、その当接面25AAが基準となるスペーサ部材13と隣接する他のスペーサ部材13の第1辺16に沿うように設けられる。
【0041】
このような配置をとることで、複数のスペーサ部材13が階段状に配置し、これに沿って配置される複数のストッパー装置12が段違い且つ互いに平行に配置される。このため、これらのストッパー装置12の壁部25(当接面25AA)に突き当たるように駐車される台車14は、横並び且つ互いに略半台車長だけ位置ずれして、整然と並ぶこととなる。
【0042】
ストッパー装置12に対して台車14を移動させる際には、台車14の長手方向に台車14を後退させることで簡単に台車14を引き出すことができる。また、台車14をストッパー装置12に対して駐車させる際には、指標23を目印に台車14をそれに向けて前進させつつ、台車14の本体25Aを壁部25(当接面25AA)に突き当てるようにする。このとき、ガイド部材24が台車14の車輪14A、14A間に位置して車輪14A、14Aを案内する。すなわち、ガイド部材24の台形部24Bおよび方形部24Aが、台車14の車輪14A、14Aの向きを調整しつつ車輪14A、14Aを正しい位置に案内する。これによって、台車14をストッパー部材21に対して正対させ、ストッパー装置12に対して台車14が正しい位置に案内される。このように、台車14を前進させるだけで台車14が正しい位置に位置決めされるため、ユーザが意識をすることなく、台車14を整然と並べることができる。
【0043】
このとき、台車14同士は、横並びかつ互いに略半台車長だけ位置ずれしている。したがって、図12に示すような位置関係で台車14同士が配置される。このために、仮に一つ一つの台車14に商品在庫が山積みになっていて、台車14の向こう側が視認できない場合でも、ユーザが台車14の後ろ側の半分の積み荷を視認できる。このために、ユーザが台車14を移動させることなく、台車14上の商品の積み荷の種類・数を迅速に確認することができる。
【0044】
なお、本実施形態では、ガイド部材24を配置することでストッパー装置12による台車14のガイドを円滑にしているが、ガイド部材24なしで台車14をストッパー装置12に対して駐車させてもよい。この場合、ユーザは、ストッパー装置12の指標23を目印に、ストッパー装置12に対して台車14を駐車させればよい。
【0045】
第1実施形態によれば、以下のことがいえる。ストッパー装置12は、台車14に対応するストッパー部材21と、該ストッパー部材21と一体的に設けられ該台車14の駐車位置を示す指標23と、を有する。この構成によれば、ストッパー装置12と一体的に指標23が設けられるために、ユーザが台車14をストッパー装置12に対して駐車させる際に、目印を与えることができ、ユーザが正しい位置に台車14を駐車させることができる。
【0046】
該指標23は、該ストッパー部材21よりも台車14側に突出している。この構成によれば、ユーザにとってより分かりやすい位置に指標23を配置することができ、ユーザが台車14の駐車位置を間違えることなく正しい位置に台車14を駐車させることができる。
【0047】
該指標23は、該駐車位置とともに該ストッパー部材21に対して該台車14を進退させる方向を示す矢印形状をなしている。この構成によれば、指標23によって台車14の駐車位置だけでなく、台車14を進退させる方向も指し示すことができる。これによって、ユーザは、台車14の駐車位置と、台車14を前進・後退させる方向と、を迷わずに済み、ユーザフレンドリーなストッパー装置12を実現できる。
【0048】
該指標23に対して着脱可能に装着され、該台車14を該ストッパー部材21に対して位置決めするガイド部材24を有する。この構成によれば、ガイド部材24によって台車14をストッパー装置12に案内できるために、ユーザが台車14を駐車させる際に、台車14の操作を容易に行うことができる。また、指標23を用いてガイド部材24を装着できるために、ガイド部材24固定用の取り付け部を別途に用意する必要がなくなり、ストッパー部材21の構造を簡略化できる。
【0049】
前記ガイド部材24は、該指標23よりもさらに該台車14側に突出し、該台車14の車輪14A、14A間に位置して該車輪14A、14Aを案内することで該台車14を該ストッパー部材21に対して正対させる。この構成によれば、ガイド部材24が車輪14A、14A間で台車14の車輪14A、14Aを案内するため、ユーザが台車14を駐車させる際に、ユーザ側で正確に台車14を操作する必要がなくなり、ユーザは単に台車14をストッパー部材21に向けて押し進めるだけで、半自動的に台車14の位置決めをすることができる。
【0050】
該ガイド部材24は、該指標23とは色違いである。この構成によれば、指標23とガイド部材24との間の境界を明確にすることができ、ガイド部材24を設置した場合でも、ユーザに対して指標23を見やすくすることができる。
【0051】
ストッパーシステム11は、複数の台車14に対して1対1で対応する複数のストッパー装置12であって、該台車14に当接する当接面25AAをそれぞれ有する複数のストッパー装置12と、隣接する2つの該ストッパー装置12同士の間に設けられ略直角三角形をなした複数のスペーサ部材13であって、該略直角三角形の直角を挟む第1辺16および第2辺17のうちの該第1辺16に該当接面25AAが沿うように1つの該ストッパー装置12を位置させるとともに、該第2辺17に該当接面25AAが直交するように他の1つの該ストッパー装置12を位置させる複数のスペーサ部材13と、を有する。
【0052】
特に、近年では、POSシステムの普及に伴い在庫数を多く置く必要がなくなったが、在庫数を少なくした分だけ、販売現場での在庫確認作業を迅速に行える体制を整える必要がある。上記の構成によれば、スペーサ部材13によって、ストッパー装置12を段違い且つ互いに平行に配置することができる。これによって、ストッパー装置12に対して駐車される台車14同士を、横並び且つ特定の車両長(1/3~1/2台車長)だけ位置ずれさせて配置することができる。これによって、台車14に載置される商品在庫を、台車14を移動させることなくユーザが迅速に把握することができ、極めてユーザフレンドリーな台車用のストッパーシステム11を提供できる。
【0053】
該複数のスペーサ部材13は、その略直角三角形の斜辺15同士を一つの直線41上に配置するように横並びに配置され、該複数のスペーサ部材13のうちの一つのスペーサ部材13の該第1辺16は、該複数のスペーサ部材13のうちの他のスペーサ部材13の該第1辺16と同側にある。この構成によれば、複数の台車14同士を横並び且つ所定の車両長だけ位置ずれさせて配置することができる。これによって、バックヤードに保管される商品在庫を台車14を移動することなく迅速に把握でき、ユーザフレンドリーな台車用のストッパーシステム11を提供できる。
【0054】
以下の第2、第3実施形態では、主として第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と共通する部分については、図示又は説明を省略する。
[第2実施形態]
【0055】
図13を参照して、第2実施形態のストッパーシステム11について説明する。
【0056】
第2実施形態のストッパーシステム11は、従前のように商品在庫を大量にバックヤードに保管したい場合に、台車14を密集隊形で配置するのに適した使用態様である。本実施形態では、複数のスペーサ部材13を省略して、ストッパー装置12同士を直接に接続する。ストッパー装置12の形状等は、第1実施形態と同様である。
【0057】
図13に示すように、複数のストッパー装置12は、ベース部22の短辺27B同士を互いに接合して、横並びに並べられる。このとき、一つのストッパー装置12の凸部33が、他のストッパー装置12の凹部34に差し込まれることで、ストッパー装置12同士が連結される。
【0058】
本実施形態のストッパーシステム11による作用について説明する。本実施形態では、ストッパー装置12同士が横並びで密に配置される。これによって、バックヤードの多量の商品在庫を高密度で実施できる。また、生鮮食品のように多量の在庫を置くことができない商品については、第1実施形態のスペーサシステムのように台車14同士を所定の台車長位置ずれさせて配置して在庫を確認し易くすこととし、長期保存可能な商品については、本実施形態のように密集隊形で保存する等、商品の性質等に応じて台車14の配置を適宜に変えてもよい。すなわち、バックヤード内で、第1実施形態と、第2実施形態と、を併用して実施してもよいし、状況の変化、店舗方針の変更、商品種類の変更、に応じて第1実施形態の配置と、第2実施形態の配置と、の間で、ストッパーシステムの配置を組み替えてもよい。
【0059】
本実施形態によれば、以下のことがいえる。該複数のストッパー装置12のそれぞれは、ストッパー部材21を有し、該ストッパー部材21は、該当接面25AAと、略長方形のベース部22と、を有し、該ベース部22は、該当接面25AAに沿って延びるとともに該台車14の車幅以上の長さを有する長辺27Aと、該長辺27Aと交差する方向に延びる短辺27Bと、を有し、隣接する2つの該ストッパー装置12は、該スペーサ部材13を用いない状態で、互いの該短辺27B同士を突き合わせて横並びに配置可能である。
【0060】
この構成によれば、長期保存可能な商品などについて、比較的多量の商品在庫を置きたい場合に、台車14を密集隊形で配置することで、バックヤードでの商品の密度を高くして、多量の商品在庫を置くことができる。また、生鮮食品など、多量の在庫を置くことができない商品については、例えば第1実施形態のストッパーシステム11および台車14を用いた配置をとることとし、多量の在庫を置くことができる長期保存可能な商品については、本実施形態のストッパーシステム11および台車14を用いた配置をとることとする等、商品の性質に応じて台車14の疎密を適宜に変更することもできる。
[第3実施形態]
【0061】
図14図15を参照して、第3実施形態のストッパーシステム11について説明する。
【0062】
第3実施形態のストッパーシステム11は、第2実施形態のように商品在庫を大量にバックヤードに保管したい場合であるが、大型の商品を台車14に載置したい場合に適した使用態様である。本実施形態では、第2実施形態と同様に複数のスペーサ部材13の使用を省略している。ストッパー装置12の形状等は、第1実施形態と同様である。
【0063】
ストッパーシステム11は、複数のストッパー装置12と、複数のストッパー装置12同士の間に介在される複数のジョイント部材43と、を備える。ジョイント部材43は、一つのストッパー装置12の短辺27Bと、これに隣接する他の一つのストッパー装置12の短辺27Bと、の間に介在される。ジョイント部材43は、方形の板状に形成される。ジョイント部材43は、ベース部22の短辺27Bと同等の長さを有する連結辺43Aと、連結辺43Aと直交する方向に延びる側辺43Bと、を有する。側辺43Bの長さは、ストッパー装置12のベース部22の長辺27Aの長さよりも短い。ジョイント部材43の材質および色は、ストッパー部材21と同一であってもよい。
【0064】
ジョイント部材43は、一つの連結辺43Aに、ストッパー装置12のベース部22に設けられる凸部33と同様の凸部33と、ストッパー装置12のベース部22に設けられる凹部34と同様の凹部34と、を有する。
【0065】
本実施形態のストッパーシステム11の作用について説明する。本実施形態では、ジョイント部材43は、横並び状態で隣接するストッパー装置12同士の間に介在され、一方のストッパー装置12の凹部34に対してジョイント部材43の凸部33を挿入し、他のストッパー装置12の凸部33に対してジョイント部材43の凹部34を受容するようにする。これによって、ストッパー装置12同士の間にスペースが設けられることになり、台車14に対して大型の商品を載置した場合でも、商品同士が干渉することがなく、台車14の進退移動に支障をきたすことがない。
【0066】
本実施形態によれば、以下のことがいえる。ストッパーシステム11は、該ストッパー装置12の該短辺27Bと、該ストッパー装置12に隣接する他の該ストッパー装置12の該短辺27Bと、の間に介在されるジョイント部材43を有する。この構成によれば、台車14を密集隊形でおく必要がある場合でも、ストッパー装置12同士の間にジョイント部材43を介在させることで、台車14同士の間に余裕を持たせることができる。これによって、大型の商品を台車14に載置する場合でも、隣接する台車14間で商品同士が干渉することがなく、台車14の出し入れを円滑に行うことができる。したがって、ユーザは、生鮮食品等の多量の在庫を置くことができない商品については第1実施形態の台車14の配置をとることとし、多量の在庫を置くことができる商品については第2実施形態の台車の配置をとることとし、多量の在庫を置くことが可能な商品で且つ大型なものを設置する場合には本実施形態の台車の配置をとるなど、商品の性質に応じて台車の配置を適宜に選択することができる。これによって、ユーザフレンドリーな台車のストッパーシステム11を実現できる。
【0067】
上記した実施形態は、種々の置き換えや変形を加えて実施できる。また、上記実施形態同士を適宜に組み合わせて発明を実現することも当然にできる。
【符号の説明】
【0068】
11 ストッパーシステム
12 ストッパー装置
13 スペーサ部材
14 台車
14A 車輪
15 斜辺
16 第1辺
17 第2辺
18 サブスペーサ
21 ストッパー部材
22 ベース部
23 指標
23A 矢頭
23B 軸部
23C 底板部
23D 指標頂面
24 ガイド部材
24A 方形部
24B 台形部
25 壁部
25A 本体
25AA 当接面
25B 鍔部
26 ベース部頂面
27 側面
27A 長辺
27B 短辺
31 第1切欠部
32 第2切欠部
33 凸部
34 凹部
35 面取り面
36 平板部
37 第2面取り面
38 受容部
41 直線
42 角部
43 ジョイント部材
43A 連結辺
43B 側辺
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10
図11
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図13
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図15