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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20230502BHJP
   G06F 3/04886 20220101ALI20230502BHJP
【FI】
G06Q30/0251
G06F3/04886
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018159602
(22)【出願日】2018-08-28
(65)【公開番号】P2020035096
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-06-25
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 雄哉
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-519922(JP,A)
【文献】特開2012-215555(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0060319(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -99/00
G06F 3/01
G06F 3/03
G06F 3/041- 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示するとともに、利用者による接触を検知するタッチパネルと、
前記タッチパネルの周辺の3次元形状データを取得可能とされた3次元センサと、
前記タッチパネルに情報コンテンツを表示させる処理装置と
を備えた情報提供システムであって、
前記3次元センサは、利用者を含まない背景3次元形状データと、利用者を含む計測3次元形状データと、を取得し、
前記背景3次元形状データと、前記計測3次元形状データと、を用いて、利用者に係る利用者3次元データを抽出し、前記利用者3次元データを記憶部に格納された利用者の属性に係る形状データモデルと比較し、利用者の属性を判別する利用者属性判別部をさらに有し、
前記処理装置は、前記利用者属性判別部で判別した利用者の属性に応じて前記タッチパネルに表示させる操作ボタンの位置を変える
ことを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記背景3次元形状データと、前記計測3次元形状データと、を用いて、前記利用者と前記タッチパネルの位置関係を求める位置関係取得部と、をさらに有し、
前記処理装置は、前記位置関係に応じて前記タッチパネルに表示させる前記操作ボタンの位置を変える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記処理装置は、前記利用者の属性に応じて前記タッチパネルに表示させる前記情報コンテンツを変える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば地図情報の提供や広告等を目的としてショッピングエリアなどに設置されるデジタルサイネージやタッチパネルなどの情報提供システムおよび情報提供方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者属性を判別するシステムとして、監視カメラの映像より歩行支援が必要な人を判別できる歩行支援システム(例えば、特許文献1を参照)や、ステレオカメラで得た3次元距離情報を基にした車イス利用者検出システム(例えば、特許文献2を参照)などが知られている。
【0003】
また、属性に応じたコンテンツを提供するサイネージ等の情報提供装置として、カメラ画像から人物属性を推定し、個別最適化した表示応答を行うサイネージ(例えば、特許文献3を参照)や、乗客の身長を検出し、ボタンの表示位置を変更するエレベータ操作パネル(例えば、特許文献4を参照)が知られている。また、タッチ時の利用者の頭部の位置を検出し、提供する情報内容を大人用と子供用とに切り替えられるタッチパネルディスプレイや、利用者の頭部の位置とディスプレイとの距離(の変化)から車イス利用者や弱視者の判断を行い、それぞれに合わせた情報提供を行うタッチパネルディスプレイが知られている(例えば、特許文献5を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3697632号公報
【文献】特許第4811651号公報
【文献】特許第4951656号公報
【文献】国際公開第WO01/096224号公報
【文献】特許第4831026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、巨大なモニタを備えたデジタルサイネージの場合、車イス利用者や子供では手が届かない場所に操作したいボタンがにモニタ表示されることがある。これは、従来技術の組合せで解決可能と思われがちであるが、それぞれ下記の問題がある。
【0006】
特許文献1、3のカメラ映像を用いたシステムでは、プライバシーの問題がある。また、特許文献2のステレオカメラの距離情報を用いたシステムでは、ベビーカー利用者と車イス利用者の判別が困難であるという問題がある。また、特許文献4の身長を測るセンサを用いたシステムでは、車イス利用者と子供との判別ができないという問題がある。また、特許文献5の頭部位置の高さとディスプレイまでの距離から車イス利用者を判別するシステムでは、ディスプレイから離れた位置にいる子供との誤認識が発生するという問題がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザビリティを向上した情報提供システムおよび情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報提供システムは、所定の情報提供対象エリアに設置され、情報提供対象エリアに居る利用者に向けて操作部を含む情報を表示する表示機能と、利用者による操作部への所定の操作入力を受け付ける操作機能とを有する表示装置と、この表示装置の周辺の利用者を含む3次元形状データを取得する3次元センサと、取得した3次元形状データに基づいて利用者の属性を判別する利用者属性判別手段と、取得した3次元形状データに基づいて利用者と表示装置の位置関係を求める位置関係取得手段と、位置関係と利用者の属性に対応した位置に操作部を表示させる一方で、位置関係と利用者の属性に対応した情報コンテンツを表示装置に表示させる制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る情報提供方法は、所定の情報提供対象エリアに設置され、情報提供対象エリアに居る利用者に向けて操作部を含む情報を表示する表示機能と、利用者による操作部への所定の操作入力を受け付ける操作機能とを有する表示装置の周辺の利用者を含む3次元形状データを取得する3次元形状データ取得ステップと、取得した3次元形状データに基づいて利用者の属性を判別する利用者属性判別ステップと、取得した3次元形状データに基づいて利用者と表示装置の位置関係を求める位置関係取得ステップと、位置関係と利用者の属性に対応した位置に操作部を表示させる一方で、位置関係と利用者の属性に対応した情報コンテンツを表示装置に表示させる制御ステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る情報提供システムによれば、所定の情報提供対象エリアに設置され、情報提供対象エリアに居る利用者に向けて操作部を含む情報を表示する表示機能と、利用者による操作部への所定の操作入力を受け付ける操作機能とを有する表示装置と、この表示装置の周辺の利用者を含む3次元形状データを取得する3次元センサと、取得した3次元形状データに基づいて利用者の属性を判別する利用者属性判別手段と、取得した3次元形状データに基づいて利用者と表示装置の位置関係を求める位置関係取得手段と、位置関係と利用者の属性に対応した位置に操作部を表示させる一方で、位置関係と利用者の属性に対応した情報コンテンツを表示装置に表示させる制御手段とを備えるので、ユーザビリティを向上した情報提供システムを提供することができるという効果を奏する。
【0011】
また、本発明に係る情報提供方法によれば、所定の情報提供対象エリアに設置され、情報提供対象エリアに居る利用者に向けて操作部を含む情報を表示する表示機能と、利用者による操作部への所定の操作入力を受け付ける操作機能とを有する表示装置の周辺の利用者を含む3次元形状データを取得する3次元形状データ取得ステップと、取得した3次元形状データに基づいて利用者の属性を判別する利用者属性判別ステップと、取得した3次元形状データに基づいて利用者と表示装置の位置関係を求める位置関係取得ステップと、位置関係と利用者の属性に対応した位置に操作部を表示させる一方で、位置関係と利用者の属性に対応した情報コンテンツを表示装置に表示させる制御ステップとを備えるので、ユーザビリティを向上した情報提供方法を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明に係る情報提供システムの実施の形態を示す概略構成図である。
図2図2は、本発明に係る情報提供方法の実施の形態を示す概略フロー図である。
図3図3は、3次元形状データの取得手順の一例を示す図である。
図4図4は、属性の判定手順の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施例1を示す図である。
図6図6は、本発明の実施例2を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る情報提供システムおよび情報提供方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
図1に示すように、本実施の形態に係る情報提供システム10は、サイネージ12と、3次元センサ14と、属性判定部16と、位置関係取得部18と、表示内容制御部20とを備える。属性判定部16、位置関係取得部18、表示内容制御部20は、図示しないコンピュータの演算処理機能を利用して構成される。
【0015】
サイネージ12は、例えばショッピングエリア(情報提供対象エリア)のフロア上に設置される。このサイネージ12は、地図情報、発券情報、広告情報等の提供を目的としたタッチパネル式の大型ディスプレイ(表示装置)からなり、設置場所の周辺に居る利用者に向けて操作ボタン(操作部)を含む情報コンテンツをディスプレイ画面上に表示する表示機能と、操作ボタンへの指先などによるタッチ操作入力を受け付ける操作機能とを有する。本実施の形態では、高さ2m、幅1.5m程度の大型ディスプレイ画面を想定しているが、本発明はこれに限るものではない。
【0016】
3次元センサ14は、サイネージ12の周辺の利用者を含む物体表面の3次元形状データを取得するためのものであり、サイネージ12の近傍(例えば、サイネージ12の上方近傍)に設けられる。3次元センサ14としては、例えば、LiDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)センサのようなレーザ光を照射する方式など種々の非接触方式のものが利用可能である。3次元センサ14による周辺物体の3次元形状データの取得方法としては、周知の方法を使用可能である。このような方法として、例えばレーザ光を照射する方式のセンサを用いる場合、センサから周辺に向けてライン状のレーザ光を照射して、その照射部位における物体表面からの反射光を受光し、受光信号とレーザ光の位置および方向のデータに基づいて、周辺にある物体表面の3次元形状データを取得するという方法がある。
【0017】
本実施の形態において、利用者を含む物体表面の3次元形状データは、例えば、図3に示すような方法で取得することができる。この方法では、まず、図3(1)に示すように、サイネージ12の前方周辺に利用者が居ない状態で、予め3次元形状データ(背景3次元形状データ)を取得しておく。次に(2)に示すように、利用者が居る状態で3次元形状データ(計測3次元形状データ)を取得する。次に(3)に示すように、計測3次元形状データから背景3次元形状データを除く処理を行う。このようにすることで、(4)に示すような利用者などの対象物体の3次元形状データを取得することができる。
【0018】
属性判定部16は、取得した3次元形状データに基づいて利用者の属性を判定するものである。これは、本発明の利用者属性判別手段として機能する。代表的な利用者の属性としては、大人、子供(例えば、未就学児程度)、車イス利用者、ベビーカー利用者などが挙げられるが、本発明はこれらに限るものではない。
【0019】
属性判定部16による利用者属性の判定方法としては、例えば、図4に示すような方法を用いることができる。この方法では、図4に示すように、3次元センサ14で取得した3次元形状データと、予め用意した属性ごとの形状データモデルとを比較し、最も当てはまりの良いモデルから属性を判定するものである。
【0020】
図4の例では、利用者の属性を、属性1(大人)、属性2(子供)、属性3(車イス利用者)、属性4(ベビーカー利用者)の4つに区分し、属性ごとに3つの形状データモデルを図示しないデータベースなどに用意した場合を示している。この例では、属性判定部16は、取得した3次元形状データを各属性の形状データモデルと比較し、属性1(大人)の形状データモデルが3次元形状データに最も当てはまりの良いモデルと判定している。これにより、この形状データモデルを擁する属性1(大人)が利用者の属性として判定される。
【0021】
なお、比較の結果、属性2(子供)の形状データモデルが3次元形状データに最も当てはまりの良いモデルと判定した場合には、属性2(子供)が利用者の属性として判定されることになる。属性3(車イス利用者)、属性4(ベビーカー利用者)についても同様である。また、図4の例では、属性ごとに3つの形状データモデルを用意した場合を示したが、本発明はこれに限るものではなく、4つ以上の様々な形状データモデルを用意してもよい。
【0022】
位置関係取得部18は、取得した3次元形状データに基づいて利用者とサイネージ12の相対的な位置関係を取得するものである。これは、本発明の位置関係取得手段として機能する。位置関係取得部18による位置関係の取得方法としては、例えば、3次元センサ14で取得される周辺の3次元形状データを用いて、3次元センサ14から利用者およびサイネージ12までの距離、方向をそれぞれ算出し、この算出結果から利用者とサイネージ12の相対的な位置関係を取得する方法を用いることができる。
【0023】
表示内容制御部20は、サイネージ12に対して、上記の位置関係と利用者の属性に対応した位置に操作ボタンを表示させる制御を行う一方で、上記の位置関係と利用者の属性に対応した情報コンテンツを表示させる制御を行うものである。表示内容制御部20は、本発明の制御手段として機能するものであり、図示しないデータベースを有している。このデータベースには、操作ボタンの表示位置情報(操作インターフェース情報)を含む情報コンテンツが、上記の位置関係および利用者の属性と予め紐付けて記録されている。表示内容制御部20は、上記の位置関係および利用者の属性に対応する情報コンテンツをデータベースから読み出して設定し、これをサイネージ12に表示させる。
【0024】
表示内容制御部20による表示制御の例としては、次のようなものが挙げられる。例えば、利用者の属性が車イス利用者、子供の場合には、サイネージ12のディスプレイ画面の低い範囲に、操作ボタンなどの操作部を表示させる。また、利用者の属性が子供の場合には、表示する文字にフリガナを付ける。
【0025】
また、サイネージ12で提供する情報コンテンツが地図情報で、かつ、利用者の属性が車イス利用者の場合には、多目的トイレのような車イス利用者にとってニーズの高い施設を強調した表示にする。また、ベビーカー利用者の場合には、授乳室のようなベビーカー利用者にとってニーズの高い施設を強調した表示にする。
【0026】
また、サイネージ12が自動券売機の機能を有する場合(情報コンテンツが発券情報の場合)、子供に対して、子供料金を選びやすくする表示にする。例えば、サイネージ12のディスプレイ画面の低い範囲に操作ボタンなどの操作部を表示させたり、子供料金を強調した表示にする。
【0027】
また、ディスプレイ画面に表示する操作ボタンのタッチ操作可能範囲を、利用者の位置に合わせて配置してもよい。例えば、利用者の位置に近い側にタッチ操作可能範囲を配置すれば、操作ボタンを操作する利用者の利便性が高まり、システムのユーザビリティが向上する。
【0028】
次に、上記の表示制御の実施例について具体的に説明する。
【0029】
(実施例1)
本実施例1は、利用者の属性に応じて操作ボタンのタッチ操作可能範囲を変更制御するものである。図5は、本実施例1を示したものである。図5(1)に示すように、利用者の属性が大人1、ベビーカー利用者4と判定された場合には、操作ボタンのタッチ操作可能範囲22を通常の範囲に設定する。
【0030】
これに対し、図5(2)に示すように、利用者の属性が子供2、車イス利用者3と判定された場合には、操作ボタンのタッチ操作可能範囲22を、サイネージ12のディスプレイ画面の低い範囲(例えば画面の下側など)に設定し、この範囲に操作ボタンを表示させる。このようにする代わりに、通常のタッチ操作可能範囲全体を縮小した範囲をタッチ操作可能範囲22に設定してもよい。また、操作ボタンのタッチ操作可能範囲22を利用者の位置に応じた範囲に設定してもよい。例えば、図5(2)のように、利用者の居る位置がサイネージ12に向かって右の位置と判定された場合には、画面の右下側に設定してもよい。なお、情報コンテンツはタッチ操作可能範囲22にのみ表示可能としてもよいし、この範囲を超えて表示可能としてもよい。
【0031】
(実施例2)
本実施例2は、利用者とサイネージ12の位置関係に応じて操作ボタンのタッチ操作可能範囲を変更制御するものである。図6は、本実施例2を示したものである。図6(1)に示すように、利用者の属性が大人1で、かつ、利用者の居る位置がサイネージ12に向かって右の位置と判定された場合には、操作ボタンのタッチ操作可能範囲22を、画面の右上側に設定してもよい。反対に、図6(2)に示すように、利用者の属性が大人1で、かつ、利用者の居る位置がサイネージ12に向かって左の位置と判定された場合には、操作ボタンのタッチ操作可能範囲22を、画面の左上側に設定してもよい。
【0032】
また、図6(3)に示すように、利用者の属性が子供2で、例えば利用者の居る位置がサイネージ12に向かって左の位置と判定された場合には、操作ボタンのタッチ操作可能範囲22を、画面の左下側に設定してもよい。なお、情報コンテンツはタッチ操作可能範囲22にのみ表示可能としてもよいし、この範囲を超えて表示可能としてもよい。
【0033】
次に、上記のように構成した情報提供システム10の動作および作用について説明する。
図2に示すように、まず、3次元センサ14で周辺の3次元形状データを取得し、取得した3次元形状データを用いて利用者の検出と(ステップS1)、サイネージ12の検出を行う(ステップS2)。
【0034】
続いて、例えば上記の図3の方法を利用して、利用者の3次元形状データを取得し(ステップS3)、取得した3次元形状データから、属性判定部16により利用者の属性を判定する(ステップS4)。属性の判定には、例えば上記の図4の方法を利用することができる。次に、ステップS4とS2の結果を用いて、位置関係取得部18により利用者とサイネージ12との相対的な位置関係を取得する(ステップS5)。
【0035】
次に、取得した利用者の属性と位置関係から、サイネージ12のディスプレイ画面における操作ボタンのタッチ操作可能範囲や情報コンテンツの表示範囲を設定する(ステップS6)。さらに、利用者の属性から表示する情報コンテンツを選択する(ステップS7)。ステップS6で設定した範囲に操作ボタン等を表示するとともに、ステップS7で選択した情報コンテンツを表示する(ステップS8)。これらのステップS6~S8の制御処理は、表示内容制御部20が行う。
【0036】
このように、本実施の形態では、3次元センサ14を用いて利用者の属性を判別し、さらに、利用者とサイネージ12の位置関係を双方の形状データ等から取得し、利用者の属性と位置関係に合わせた適切な表示を行うことができる。特に、利用者とサイネージ12の位置関係に合わせた操作インタフェースを実現することが可能となる。このため、本実施の形態によれば、ユーザビリティを向上した情報提供システムを提供することができる。
【0037】
また、本実施の形態によれば、必要以上にプライバシー情報を取り扱わない。3次元センサ14を用いることで、従来の技術では難しかった、車イス利用者とベビーカー利用者の判別も容易である。
【0038】
上記の実施の形態では、表示装置がサイネージ12で構成される場合を例にとり説明したが、本発明の表示装置はこれに限るものではなく、表示装置がタッチパネル自体であってもよいし、自動券売機等に備わるタッチパネル式の表示装置であってもよく、いずれの表示装置で構成しても上記と同様の作用効果を奏することができる。
【0039】
以上説明したように、本発明に係る情報提供システムによれば、所定の情報提供対象エリアに設置され、情報提供対象エリアに居る利用者に向けて操作部を含む情報を表示する表示機能と、利用者による操作部への所定の操作入力を受け付ける操作機能とを有する表示装置と、この表示装置の周辺の利用者を含む3次元形状データを取得する3次元センサと、取得した3次元形状データに基づいて利用者の属性を判別する利用者属性判別手段と、取得した3次元形状データに基づいて利用者と表示装置の位置関係を求める位置関係取得手段と、位置関係と利用者の属性に対応した位置に操作部を表示させる一方で、位置関係と利用者の属性に対応した情報コンテンツを表示装置に表示させる制御手段とを備えるので、ユーザビリティを向上した情報提供システムを提供することができる。
【0040】
また、本発明に係る情報提供方法によれば、所定の情報提供対象エリアに設置され、情報提供対象エリアに居る利用者に向けて操作部を含む情報を表示する表示機能と、利用者による操作部への所定の操作入力を受け付ける操作機能とを有する表示装置の周辺の利用者を含む3次元形状データを取得する3次元形状データ取得ステップと、取得した3次元形状データに基づいて利用者の属性を判別する利用者属性判別ステップと、取得した3次元形状データに基づいて利用者と表示装置の位置関係を求める位置関係取得ステップと、位置関係と利用者の属性に対応した位置に操作部を表示させる一方で、位置関係と利用者の属性に対応した情報コンテンツを表示装置に表示させる制御ステップとを備えるので、ユーザビリティを向上した情報提供方法を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上のように、本発明に係る情報提供システムおよび情報提供方法は、例えば地図情報の提供や広告等を目的としてショッピングエリアなどに設置されるデジタルサイネージやタッチパネルなどに有用であり、特に、ユーザビリティを向上するのに適している。
【符号の説明】
【0042】
10 情報提供システム
12 サイネージ(表示装置)
14 3次元センサ
16 属性判定部(利用者属性判別手段)
18 位置関係取得部(位置関係取得手段)
20 表示内容制御部(制御手段)
22 タッチ操作可能範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6