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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】天板付什器
(51)【国際特許分類】
   A47B 13/02 20060101AFI20230502BHJP
   A47B 9/00 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
A47B13/02
A47B9/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019007349
(22)【出願日】2019-01-18
(65)【公開番号】P2020115941
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】山本 崇之
(72)【発明者】
【氏名】北岡 なつほ
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】実公昭44-003060(JP,Y1)
【文献】特開平08-299058(JP,A)
【文献】特開2001-029142(JP,A)
【文献】特開2012-029996(JP,A)
【文献】特開平09-191940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/02
A47B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に離間して配置される複数の脚体と、
複数の前記脚体に支持される天板と、
前記天板の下方で隣り合う前記脚体の対向方向に沿って延び、隣り合う前記脚体同士を連結する連結部材と、を備え、
前記連結部材には、少なくとも当該連結部材の上方と、当該連結部材の延び方向に沿う両側の側面の一部を覆うカバー部材が脱着可能に取り付けられ
前記カバー部材は、
前記連結部材の上面の上方を覆う上壁と、
前記上壁の端部から下方に屈曲して延び、前記連結部材の両側の前記側面の外方を覆う一対の側壁と、を備え、
前記カバー部材の前記側壁と前記連結部材の前記側面との間には、空間部が設けられ、
前記側壁の上下方向の延出長さは、当該側壁の下端部が、前記連結部材の前記側面の下端よりも上方に位置される長さに設定されていることを特徴とする天板付什器。
【請求項2】
相互に離間して配置される複数の脚体と、
複数の前記脚体に支持される天板と、
前記天板の下方で隣り合う前記脚体の対向方向に沿って延び、隣り合う前記脚体同士を連結する連結部材と、を備え、
前記連結部材には、少なくとも当該連結部材の上方と、当該連結部材の延び方向に沿う両側の側面の一部を覆うカバー部材が脱着可能に取り付けられ、
前記カバー部材は、
前記連結部材の上面の上方を覆う上壁と、
前記上壁の端部から下方に屈曲して延び、前記連結部材の両側の前記側面の外方を覆う一対の側壁と、を備え、
前記カバー部材の前記側壁と前記連結部材の前記側面との間には、空間部が設けられ、
各前記側壁の下端には、前記連結部材の前記側面に対向する方向に屈曲して延びる下壁が延設され、
前記下壁の延び方向の端部には、上方に屈曲して延び、内側面が前記連結部材の前記側面に当接する支持壁が延設され、
前記支持壁が前記連結部材に脱着可能に取り付けられていることを特徴とする天板付什器。
【請求項3】
前記脚体には、前記連結部材の端部に結合される連結用突起が突設され、
前記連結部材の端部は、前記連結用突起に嵌合された状態で、当該連結用突起の前記側面に結合部材によって固定され、
前記支持壁と前記下壁には、前記結合部材との干渉を回避する切欠き部が設けられ、
前記結合部材は、前記連結部材の前記側面のうちの、前記側壁によって覆われる位置に配置されていることを特徴とする請求項に記載の天板付什器。
【請求項4】
相互に離間して配置される複数の脚体と、
複数の前記脚体に支持される天板と、
前記天板の下方で隣り合う前記脚体の対向方向に沿って延び、隣り合う前記脚体同士を連結する連結部材と、を備え、
前記連結部材には、少なくとも当該連結部材の上方と、当該連結部材の延び方向に沿う両側の側面の一部を覆うカバー部材が脱着可能に取り付けられ、
前記脚体には、前記連結部材の端部に結合される連結用突起が突設され、
前記連結部材の端部は、前記連結用突起に嵌合された状態で、当該連結用突起に結合部材によって固定されていることを特徴とする天板付什器。
【請求項5】
前記結合部材は、前記連結部材の前記側面のうちの、前記カバー部材によって覆われる位置に配置されていることを特徴とする請求項に記載の天板付什器。
【請求項6】
相互に離間して配置される複数の脚体と、
複数の前記脚体に支持される天板と、
前記天板の下方で隣り合う前記脚体の対向方向に沿って延び、隣り合う前記脚体同士を連結する連結部材と、を備え、
前記連結部材には、少なくとも当該連結部材の上方と、当該連結部材の延び方向に沿う両側の側面の一部を覆うカバー部材が脱着可能に取り付けられ、
前記脚体は、
床面に載置されるベース部材と、
前記ベース部材から上方に突設されるとともに、伸縮調整可能な脚柱と、を備え、
前記連結部材の端部は、前記ベース部材に結合されていることを特徴とする天板付什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デスク装置やテーブル装置等の天板付什器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスや公共施設等においては、各種作業を行うことができる天板を備えた天板付什器が用いられている。
一般的な天板付什器は、床面上に載置される複数の脚体と、複数の脚体の上部に架設される天板と、を備えた構造とされている。この種の天板付什器は、天板のサイズが大きい場合等に天板の揺れや脚体の変形を招く恐れがある。
【0003】
この対策として、複数の脚体の下部同士を連結部材によって連結し、脚体全体の強度を高めたものが案出されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-27206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の天板付什器は、連結部材によって脚体の強度を高めることができるものの、連結部材が天板の下方に位置されることから、利用者の足やワゴン等の移動物品が連結部材に当接する可能性が高い。このため、特許文献1に記載の天板付什器では、長期の使用によって連結部材の破損や汚れが生じ易い。そして、連結部材の破損や汚れが生じた場合には、連結部材の大掛かりな交換作業が必要となる。
【0006】
そこで本発明は、複数の脚体の強度を効率良く高め、かつ、メンテナンスの容易化を図ることができる天板付什器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る天板付什器は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本出願の一の発明に係る天板付什器は、相互に離間して配置される複数の脚体と、複数の前記脚体に支持される天板と、前記天板の下方で隣り合う前記脚体の対向方向に沿って延び、隣り合う前記脚体同士を連結する連結部材と、を備え、前記連結部材には、少なくとも当該連結部材の上方と、当該連結部材の延び方向に沿う両側の側面の一部を覆うカバー部材が脱着可能に取り付けられ、前記カバー部材は、前記連結部材の上面の上方を覆う上壁と、前記上壁の端部から下方に屈曲して延び、前記連結部材の両側の前記側面の外方を覆う一対の側壁と、を備え、前記カバー部材の前記側壁と前記連結部材の前記側面との間には、空間部が設けられ、前記側壁の上下方向の延出長さは、当該側壁の下端部が、前記連結部材の前記側面の下端よりも上方に位置される長さに設定されていることを特徴とする。
【0008】
上記の構成により、隣り合う脚体が連結部材によって相互に連結され、複数の脚体の強度が効率良く高められる。また、天板の下方に配置される連結部材は、カバー部材によって少なくとも上方と側面の一部を覆われているため、利用者の足や移動物品が連結部材に直接当接するのを防止することができる。本発明に係る天板付什器では、カバー部材が連結部材に脱着可能に取り付けられているため、長期の使用等によってカバー部材が破損したり、汚れたりした場合には、カバー部材を容易に新たなものと交換することができる。
【0009】
この場合、カバー部材の側壁と連結部材の側面の間に空間部が設けられているため、カバー部材の側壁に衝撃が入力されたときに、その衝撃をカバー部材の側壁によって緩衝することができる。このため、衝撃による連結部材の損傷や変形を抑制することができる。
【0010】
さらにこの場合、カバー部材の容積を小さくしてカバー部材の小型・軽量化を図ることができる。また、連結部材とカバー部材は、天板の下方に配置されるため、下方から覗き込まない限り、連結部材は外部から見えない。さらに、連結部材とカバー部材の組付体は、連結部材が直接外部に露出する下部領域の幅が、カバー部材の存在する上部領域の幅よりも狭まることになる。このため、連結部材とカバー部材の組付体の外観を軽快なデザインとすることができる。
【0011】
本出願の他の発明に係る天板付什器は、相互に離間して配置される複数の脚体と、複数の前記脚体に支持される天板と、前記天板の下方で隣り合う前記脚体の対向方向に沿って延び、隣り合う前記脚体同士を連結する連結部材と、を備え、前記連結部材には、少なくとも当該連結部材の上方と、当該連結部材の延び方向に沿う両側の側面の一部を覆うカバー部材が脱着可能に取り付けられ、前記カバー部材は、前記連結部材の上面の上方を覆う上壁と、前記上壁の端部から下方に屈曲して延び、前記連結部材の両側の前記側面の外方を覆う一対の側壁と、を備え、前記カバー部材の前記側壁と前記連結部材の前記側面との間には、空間部が設けられ、各前記側壁の下端には、前記連結部材の前記側面に対向する方向に屈曲して延びる下壁が延設され、前記下壁の延び方向の端部には、上方に屈曲して延び、内側面が前記連結部材の前記側面に当接する支持壁が延設され、前記支持壁が前記連結部材に脱着可能に取り付けられていることを特徴とする。
この場合、カバー部材の側壁と連結部材の側面の間に空間部を確保する構成を採用しつつも、カバー部材を支持壁によって連結部材に安定して取り付けることができる。
【0012】
前記脚体には、前記連結部材の端部に結合される連結用突起が突設され、前記連結部材の端部は、前記連結用突起に嵌合された状態で、当該連結用突起の前記側面に結合部材によって固定され、前記支持壁と前記下壁には、前記結合部材との干渉を回避する切欠き部が設けられ、前記結合部材は、前記連結部材の前記側面のうちの、前記側壁によって覆われる位置に配置されるようにしても良い。
この場合、連結部材の端部を結合部材によって連結用突起に固定した後に、連結部材にカバー部材を取り付ける際に、結合部材がカバー部材と干渉するのを切欠き部によって回避することができる。また、カバー部材が連結部材に組み付けられると、結合部材はカバー部材の側壁によって覆われて外部から見えにくくなる。したがって、本構成を採用した場合には、カバー部材の組付け作業性を良好に保ちつつ、結合部材が外部から見えることによる見栄えの低下を防止することができる。
【0013】
本出願のさらに他の発明に係る天板付什器は、相互に離間して配置される複数の脚体と、複数の前記脚体に支持される天板と、前記天板の下方で隣り合う前記脚体の対向方向に沿って延び、隣り合う前記脚体同士を連結する連結部材と、を備え、前記連結部材には、少なくとも当該連結部材の上方と、当該連結部材の延び方向に沿う両側の側面の一部を覆うカバー部材が脱着可能に取り付けられ、前記カバー部材は、前記連結部材の上面の上方を覆う上壁と、前記上壁の端部から下方に屈曲して延び、前記連結部材の両側の前記側面の外方を覆う一対の側壁と、を備え、前記カバー部材の前記側壁と前記連結部材の前記側面との間には、空間部が設けられ、前記脚体には、前記連結部材の端部に結合される連結用突起が突設され、前記連結部材の端部は、前記連結用突起に嵌合された状態で、当該連結用突起に結合部材によって固定されていることを特徴とする。
この場合、連結部材の端部を脚体に容易に、かつ、強固に固定することができる。
【0014】
前記結合部材は、前記連結部材の前記側面のうちの、前記カバー部材によって覆われる位置に配置されることが望ましい。
この場合、連結部材の端部を結合部材によって脚体に固定した状態で、連結部材にカバー部材を取り付けることにより、結合部材をカバー部材によって覆い隠すことができる。したがって、本構成を採用した場合には、結合部材が外部から見えなくなり、天板付什器の外部から見栄えが良好になる。
【0016】
本出願のさらに他の発明に係る天板付什器は、相互に離間して配置される複数の脚体と、複数の前記脚体に支持される天板と、前記天板の下方で隣り合う前記脚体の対向方向に沿って延び、隣り合う前記脚体同士を連結する連結部材と、を備え、前記連結部材には、少なくとも当該連結部材の上方と、当該連結部材の延び方向に沿う両側の側面の一部を覆うカバー部材が脱着可能に取り付けられ、前記カバー部材は、前記連結部材の上面の上方を覆う上壁と、前記上壁の端部から下方に屈曲して延び、前記連結部材の両側の前記側面の外方を覆う一対の側壁と、を備え、前記カバー部材の前記側壁と前記連結部材の前記側面との間には、空間部が設けられ、前記脚体は、床面に載置されるベース部材と、前記ベース部材から上方に突設されるとともに、伸縮調整可能な脚柱と、を備え、前記連結部材の端部は、前記ベース部材に結合されていることを特徴とする。
この場合、天板が脚柱の伸縮によって昇降可能とされている。このため、連結部材の配置される部分は、天板を上昇させたときに外部から見え易い。しかし、本構成では、少なくとも連結部材の上方と、側面の一部が脱着可能なカバー部材によって覆われているため、適宜カバー部材を新たなものと交換することにより、天板付き什器の見栄えの低下を避けることができる。
【0017】
また、この場合、脚体の下端のベース部材同士が連結部材によって連結されるため、複数の脚体の強度が効率良く高まる。また、伸縮調整機構を内蔵しないベース部材同士が連結部材によって連結されるため、連結部材を結合するための脚体側の加工が容易になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、隣り合う脚体同士が連結部材によって連結されているため、複数の脚体の強度を効率良く高めることができる。また、本発明では、少なくとも連結部材の上方と側面の一部を覆うカバー部材が、連結部材に脱着可能に取り付けられているため、カバー部材によって連結部材を保護することができるとともに、カバー部材が破損したり汚れたりした場合には、カバー部材を新たなものと容易に交換することができる。したがって、本発明を採用した場合には、複数の脚体の強度を効率良く高め、かつ、メンテナンスの容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態の天板付什器の斜視図である。
図2】実施形態の天板付什器の図1のA矢視図である。
図3】実施形態の天板付什器の平面図である。
図4】実施形態の天板付什器の図1のB矢視図である。
図5】実施形態の端部の脚体におけるベース部材の平面図である。
図6】実施形態の端部の脚体におけるベース部材の側面図である。
図7】実施形態の中央の脚体におけるベース部材の平面図である。
図8】実施形態の端部の脚体と連結部材との連結部を示す斜視図である。
図9】実施形態の連結部材の側面図である。
図10】実施形態のカバー部材の側面図である。
図11】実施形態のカバー部材を裏面側から見た斜視図である。
図12図13のXII-XII断面に対応する部分の実施形態のカバー部材と連結部材の断面図である。
図13】実施形態のカバー部材が組付けられた連結部材の側面図である。
図14】実施形態の端部の脚体と連結部材の連結位置における下面図である。
図15】実施形態の天板付什器の図14のXV-XV線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、実施形態の天板付什器1の斜視図であり、図2は、天板付什器1の図1のA矢視図である。また、図3は、天板付什器1の平面図であり、図4は、天板付什器1の図1のB矢視図である。
天板付什器1は、複数(三つ)の脚体2と、複数の脚体2の上部に固定される長方形状の二つの天板3A,3Bと、を備えている。本実施形態では、二つの天板3A,3Bが長手方向の端部同士を突き合せた状態で、複数の脚体2に支持されている。なお、本実施形態では、二つの天板3A,3Bが長手方向の端部で突き合わされて用いられているが、天板は連続した一枚の天板部材によって構成するようにしても良い。
【0022】
以下では、説明の便宜上、天板付什器1に関して、施設の床面F上に載置されて上下を向く方向を上下方向、天板3A,3Bの長手となる方向を長手方向、上下方向と長手方向に対して直交する方向を幅方向と呼ぶ。また、図面には、上下方向を指す矢印Zと、長手方向を指す矢印Yと、幅方向を指す矢印Xが適宜記されている。
各脚体2は、幅方向Xに沿って延びる板状のベース部材10と、ベース部材10の延び方向の略中央位置から上方に突設された角筒状の脚柱11と、を備えている。脚柱11は、ベース部材10から鉛直上方に向かって垂立している。
【0023】
本実施形態では、脚柱11は、図示しない電動式駆動ユニットによって伸縮調整可能とされている。電動式駆動ユニットは、脚柱11の内部に配置されている。天板3A,3Bは、脚柱11の伸縮操作によって昇降調整可能とされている。
【0024】
三つの脚体2の各脚柱11の上部には、天板3A,3Bの下面を下方から支持するフレーム枠6が結合されている。フレーム枠6は、幅方向Xに沿って延び、幅方向Xの略中央部が対応する脚柱11の上端部に結合される三つの主フレーム6Aと、隣接する主フレーム6Aの同側の端部同士を連結する四つの連結フレーム6Bと、を有している。
長手方向Yの両端の二つの主フレーム6Aは、各々が天板3A,3Bの下面にボルト締結等によって結合され、長手方向Yの中央の主フレーム6Aは、二つの天板3A,3Bの下面に跨る位置において、二つの天板3A,3Bの下面にボルト締結等によって結合されている。
【0025】
また、天板付什器1は、天板3A,3Bの下方において、長手方向Yで隣り合う二つの脚体2同士を連結する連結部材12を備えている。本実施形態では、連結部材12は、長手方向Yで隣り合う脚体2のベース部材10同士を連結している。より具体的には、連結部材12は、天板3A,3Bの下方において、長手方向Yに沿って延び、隣り合う脚体2のベース部材10の幅方向Xの略中央部同士を連結している。連結部材12は、天板3A,3Bの下方において、長手方向Yに沿って延びている。本実施形態では、隣り合う脚体2の対向方向は、長手方向Yと合致している。
なお、長手方向Yの中央に配置される脚体2のベース部材10は、長手方向Yの端部に配置される脚体2のベース部材10と構造が若干異なっている。図中の長手方向Yの端部に配置されるベース部材10には、符号10Sが付され、長手方向Yの中央に配置されるベース部材10には、符号10Cが付されている。
【0026】
図5は、長手方向Yの端部に配置されるベース部材10Sの平面図であり、図6は、同ベース部材10Sを中央のベース部材10Cの方向から見た側面図である。
これらの図に示すように、ベース部材10Sは、幅方向Xの両側の端部の下壁に、高さ調整可能な接地部品13が取り付けられている。各接地部品13の下面は、施設の床面F上に載置される。ベース部材10Sの上壁の幅方向Xの中央部には、対応する脚柱11の下端がボルト締結される締結孔14が形成されている。また、ベース部材10Sの一方の側壁(中央のベース部材10Cに対向する側の側壁)の幅方向Xの中央部には、連結部材12の端部に結合される連結用突起15が突設されている。連結用突起15は、下方に開いた略コ字状の断面形状に形成されている。連結用突起15は、ベース部材10Sの側壁に対して、例えば、溶接等によって固定されている。ただし、連結用突起15は、ベース部材10Sに一体に形成することも可能である。
連結用突起15の外面側には、連結部材12の端部が嵌合され(重ねられ)、その状態で連結部材12がボルト締結される。連結用突起15に対する連結部材12の具体的な結合形態については後に詳述する。
【0027】
図7は、長手方向Yの中央に配置されるベース部材10Cの平面図である。
同図に示すように、中央のベース部材10Cは、端部のベース部材10Sと同様に、幅方向Xの両側の端部の下壁に接地部品13が取り付けられるとともに、上壁の幅方向Xの中央部に、脚柱11の下端がボルト締結される締結孔14が形成されている。ただし、中央のベース部材10Cは、端部のベース部材10Sと異なり、両側の側壁の幅方向Xの中央部に、連結部材12の端部に結合される連結用突起15が突設されている。
【0028】
図8は、端部のベース部材10S(脚体)に連結部材12の端部が結合された状態を示す斜視図であり、図9は、連結部材12の単体の側面図である。
これらの図に示すように、連結部材12は、連結用突起15(図6図15参照)と同様に、下方に開いた略コ字状の断面形状に形成されている。ただし、連結部材12は、連結用突起15よりも一回り大きい断面形状に形成され、連結用突起15の外面(上壁の上面、及び、両側の側壁の外面)に嵌合される(重ね合わされる)ようになっている。
【0029】
図8図9に示すように、連結部材12の長手方向Yの端部の両側の側壁12sには、夫々一対の長孔状のボルト挿通孔16が形成されている。一対のボルト挿通孔16は、側壁12sの長手方向に離間して形成されている。これらのボルト挿通孔16には、連結部材12の端部を連結用突起15に固定する結合部材であるボルト17(図14図15参照。)が挿入される。連結用突起15の側壁には、ボルト17の軸部が螺合されるねじ孔18(図8図15参照。)が形成されている。なお、図8は、ねじ孔18にボルト17の軸部が螺合される前の状態を示している。
【0030】
また、連結部材12の長手方向Yの端部の両側の側壁12sには、略コ字状の切込みの内側領域を切り起こした切り起こし片19が設けられている。切込みは、上方側に開く略コ字状に施されている。切り起こし片19は、下端が側壁12sの外側方に向かって下方傾斜するように切り起こされている(図12参照)。
【0031】
連結部材12には、連結部材12と長手方向Yの長さが略同長さの金属製のカバー部材20が脱着可能に取り付けられている。カバー部材20は、連結部材12に取り付けられることにより、連結部材12の上面12uの上方と、連結部材12の側壁12sの外側面12so(側面)の一部の外方を覆う。ただし、カバー部材20は、連結部材12の側壁12sの外側面12so(側面)の全域の外方を覆う構成であっても良い。
なお、連結部材12の両側の側壁12sの外側面12soは、連結部材12の延び方向に沿う両側の側面を構成している。
【0032】
図10は、カバー部材20の側面図であり、図11は、カバー部材20の端部を裏面側から見た斜視図である。図12は、カバー部材20が連結部材12に取り付けられるときのカバー部材20と連結部材12の断面図である。なお、図12は、図13のXII-XII断面に対応する部分の断面が示されている。また、図13は、カバー部材20が組付けられた連結部材12の側面図であり、図14は、脚体2と連結部材12の連結位置における下面図、図15は、図14のXV-XV線に沿う断面図である。
カバー部材20は、連結部材12の上面12uの上方を覆う上壁20aと、上壁20aの幅方向Xの両端部から下方に屈曲して延び、連結部材12の外側面12so(側面)の外方を覆う一対の側壁20bと、各側壁20bの下端から連結部材12の外側面12soに対向する方向に屈曲して延びる下壁20cと、各下壁20cの延び方向の端部から上方に屈曲して延びる支持壁20dと、を備えている。支持壁20dは、内側面が連結部材12の側壁12sの外側面12so(側面)に当接し、その状態で連結部材12に脱着可能に係止される。
【0033】
カバー部材20の上壁20aは、連結部材12よりも幅方向Xの寸法が大きく設定されている。カバー部材20の側壁20bと連結部材12の外側面12so(側面)との間には、図12図15に示すように、空間部21が確保されている。また、カバー部材20の両側の側壁20bの上下方向の延出長さは、カバー部材20が連結部材12に取り付けられた状態において、側壁20bの下端部が、連結部材の外側面12so(側面)の下端よりも上方に位置される長さに設定されている。したがって、連結部材12に取り付けられたカバー部材20は、図15に示すように、連結部材12の外側面12so(側面)の下部領域を除く領域を覆うことになる。また、連結部材12とカバー部材20の組付体は、連結部材12が直接外部に露出する下部領域の幅が、カバー部材20の存在する上部領域の幅よりも狭まっている。
【0034】
また、カバー部材20の支持壁20dの端部側領域には、略長方形状の係止孔22が形成されている。係止孔22は、連結部材12に対するカバー部材20の組付け時に、カバー部材20の側壁12sの切り起こし片19の下端が挿入されて係止される孔であり、カバー部材20の支持壁20dのうちの、切り起こし片19と対応する位置に形成されている。
【0035】
カバー部材20を実際に連結部材12に組付ける際には、図12に示すように、カバー部材20の支持壁20dの内側面を、連結部材12の側壁12sの外側面12soに整合させ、その状態でカバー部材20を下方に押し込む。こうして、カバー部材20が下方に押し込まれると、支持壁20dの内側面が、切り起こし片19を側壁12sの外側面12soに沿う方向に弾性変形させる。こうしてカバー部材20が所定量下方に押し込まれると、カバー部材の上壁20aの下面が連結部材12の上面12uに当接するとともに、連結部材12の切り起こし片19の下端がカバー部材20の支持壁20dの係止孔22の位置に位置される。切り起こし片19の下端が係止孔22の位置に位置されると、切り起こし片19が初期の切り起こし角度に形状復帰する。これにより、切り起こし片19の下端が係止孔22内に挿入され、係止孔22の下辺部を係止することになる。この結果、カバー部材20は、連結部材12に対して係止固定される。
【0036】
また、カバー部材20を連結部材12から取り外す場合には、カバー部材20の両側の支持壁20dを下壁20cや側壁20bとともに左右に押し広げ、係止孔22による切り起こし片19の係止を解除した状態で、カバー部材20を上方に持ち上げて連結部材12から引き剥がす。
なお、本実施形態では、係止孔22と切り起こし片19が、支持壁20dと連結部材12の間のスナップフィット構造を構成している。
【0037】
さらに、カバー部材20の端部側領域の係止孔22よりも、より端部に近い領域には、両側の支持壁20dと下壁20cの一部に跨るように連続した切欠き部23が形成されている。切欠き部23は、カバー部材20を連結部材12に組み付ける際に、連結部材12の外側面12soから外側に膨出したボルト17(結合部材)の頭部に対して、カバー部材20側の下壁20cや支持壁20dが干渉するのを回避するためのものである。このため、下壁20cと支持壁20dに跨って形成される切欠き部23の形状とサイズは、カバー部材20を連結部材12に組み付ける際に、ボルト17の頭部が通過できるように設定されている。
また、結合部材であるボルト17は、カバー部材20を連結部材12に組み付けた状態で、頭部がカバー部材20の側壁20bによって覆わる位置において、結合部材12と連結用突起15とを結合している。
【0038】
以上のように、本実施形態の天板付什器1は、天板3A,3Bの下方で長手方向に離間して配置された複数の脚体2が連結部材12によって連結されている。このため、複数の脚体2の強度を連結部材12によって効率良く高めることができる。したがって、本実施形態の天板付什器1では、脚体2上に大型の天板3A,3Bが支持された状態で天板3A,3Bに重い荷物が載置されたり、利用者から大きな外力が加えられたりすることがあっても、天板3A,3Bの揺れや脚体2の撓みの発生等を抑制することができる。
【0039】
また、本実施形態の天板付什器1は、連結部材12の上方と外側面12soの一部を覆うカバー部材20が、連結部材12に脱着可能に取り付けられている。このため、本実施形態の天板付什器1では、カバー部材20によって連結部材12を保護することができるとともに、長期の使用等によってカバー部材20が破損したり汚れたりした場合には、カバー部材20を新たなものと容易に交換することができる。したがって、本実施形態の天板付什器1を採用した場合には、複数の脚体2の強度を効率良く高め、かつ、メンテナンスの容易化を図ることができる。
また、本実施形態の天板付什器1では、カバー部材20が連結部材12に脱着可能に取り付けられているため、天板付什器1に大きな外力が掛かったときや、経年使用によって連結用突起15と連結部材20の端部を連結するボルト17に緩みが生じた場合にも、カバー部材20を取り外してボルト17の締め増しを容易に行うことができる。
【0040】
さらに、本実施形態の天板付什器1は、カバー部材20が、連結部材12の上面12uの上方を覆う上壁20aと、連結部材12の両側の外側面12soの外方を覆う一対の側壁20bを備え、側壁20bと連結部材12の外側面12soとの間に空間部21が設けられている。このため、カバー部材20の側壁20bに外部から衝撃が入力されたときに、カバー部材20の側壁20bが柔軟に変形することで入力衝撃を緩衝することができる。したがって、本構成を採用した場合には、入力衝撃による連結部材12の損傷や変形を抑制することができる。
【0041】
また、本実施形態の天板付什器1では、カバー部材20の側壁20bの上下長さが、連結部材12の側壁12sの上下長さよりも短く形成されることにより、カバー部材20が連結部材12に組付けられた状態で、カバー部材20の側壁20bの下端が連結部材12の側壁12sの下端よりも上方位置となっている。本実施形態では、カバー部材20の側壁20bと連結部材12の側壁12sの上下長さが上記のように設定されていても、カバー部材20の側壁20bが連結部材12の側壁12sに対し、空間部21を挟んで幅方向外側にオフセットして配置されているため、下方から覗き込まない限り、連結部材12の下部領域はカバー部材20の側壁20bに隠れて外部から見えにくい。特に、連結部材12は、天板3A,3Bの下方に配置されて隣接する脚体2を連結する部材であるため、天板付什器1の通常の使用形態では、連結部材12の下部領域は外部から目に付くことがない。
したがって、本実施形態の構成を採用した場合には、外観の低下を招くことなく、カバー部材20の小型・軽量化を図ることができる。
さらに、本構成では、連結部材12とカバー部材20の組付体は、連結部材12が直接外部に露出する下部領域の幅が、カバー部材20の存在する上部領域の幅よりも狭まるため、下方から覗き込んだ場合には、外観が軽快なデザインに見え好ましい。
【0042】
また、本実施形態の天板付什器1は、カバー部材20の各側壁20bの下端に、連結部材12の方向に屈曲して延びる下壁20cが延設されるとともに、下壁20cの延び方向の端部に、上方に屈曲して延びる支持壁20dが延設され、その支持壁20dが連結部材12の外側面12soに当接した状態で連結部材12に脱遅着可能に取り付けられている。このため、本実施形態の天板付什器1では、カバー部材20の側壁20bと連結部材12の外側面12soの間に空間部21を確保する構成を採用しつつも、カバー部材20を支持壁20dによって連結部材12に安定して取り付けることができる。
【0043】
そして、本実施形態では、支持壁20dに形成された係止孔22と、連結部材12の側壁12sに形成された切り起こし片19によってスナップフィット構造が構成され、そのスナップフィット構造によってカバー部材20が連結部材12に脱着可能に係止されている。このため、本実施形態の構成を採用した場合には、カバー部材20を連結部材12に被せて下方に押し込むだけで、カバー部材20を連結部材12に容易に取り付けることができる。
なお、本実施形態では、切り起こし片19を連結部材12の側壁12sに形成し、係止孔22を支持壁20dに形成しているが、逆に、切り起こし片19を支持壁20dに形成し、係止孔22を連結部材12の側壁12sに形成するようにしても良い。
【0044】
また、本実施形態の天板付什器1は、脚体2に連結用突起15が突設され、連結部材12の端部が連結用突起15の端部に嵌合された状態で、その連結用突起15にボルト17によって固定されている。このため、連結部材12の端部を脚体2に容易に、かつ、強固に固定することができる。
なお、本実施形態では結合部材の一例としてボルト17を採用しているが、結合部材はボルト17に限るものでなく、例えば、リベット等であっても良い。
【0045】
また、本実施形態の天板付什器1は、結合部材であるボルト17の頭部が、連結部材12の外側面のうちの、カバー部材20によって外側を覆われる位置に配置されている。このため、連結部材12にカバー部材20が組付けられた状態では、ボルト17の頭部が外部から見えなくなり、天板付什器1の外部からの見栄えが良好になる。
【0046】
特に、本実施形態の天板付什器1は、カバー部材20の支持壁20dと下壁20cに切欠き部23が形成され、カバー部材20を連結部材12に上方から組み付ける際に、連結部材12の側面から膨出したボルト17の頭部がカバー部材20と干渉するのを切欠き部23によって回避できるようになっている。したがって、本実施形態の構成を採用した場合には、カバー部材20の組付け作業性を良好に保ちつつ、結合部材であるボルト17の頭部が外部から見えることによる見栄えの低下を防止することができる。
【0047】
また、本実施形態の天板付什器1は、各脚体2が、床面Fに載置されるベース部材10と、ベース部材10から上方に突設される脚柱11と、を備え、脚柱11が伸縮調整可能な構造とされている。このため、脚柱11の伸縮操作によって天板3A,3Bを任意の高さに調整することができる。しかし、この構造の場合、天板3A,3Bを上方に大きく上昇させたときに、脚体2の間の連結部材12部分が外部から見え易く、その部分に破損や汚れがあると、外観上望ましくない。本実施形態の場合、連結部材12が脱着可能なカバー部材20によって覆われているため、適宜カバー部材20を新たなものと交換することにより、天板付き什器1の見栄えの低下を避けることができる。
【0048】
さらに、本実施形態の天板付什器1では、連結部材12の端部が、脚体2の下部領域に配置されるベース部材10部分に結合されている。このため、複数の脚体2の強度を効率良く高めることができる。また、この構成では、伸縮調整機構を内蔵しないベース部材10同士が連結部材12によって連結されることから、連結用突起15の溶接等の連結部材12を結合するための脚体2側の加工が容易になる。
【0049】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、天板3A,3Bを支持する脚体2は三つ設けられているが、脚体2の数は、二つ以上であればいくつであっても良い。また、カバー部材20の材質は金属に限らず、樹脂等の他の材質であっても良い。
【符号の説明】
【0050】
1 天板付什器
2 脚体
3A,3B 天板
10 ベース部材
11 脚柱
12 連結部材
12so 外側面(側面)
15 連結用突起
17 ボルト(結合部材)
19 切り起こし片(スナップフィット構造)
20 カバー部材
20a 上壁
20b 側壁
20c 下壁
20d 支持壁
21 空間部
22 係止孔(スナップフィット構造)
23 切欠き部
図1
図2
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