(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】駆動ユニット
(51)【国際特許分類】
F16H 1/28 20060101AFI20230502BHJP
B60W 10/04 20060101ALI20230502BHJP
B60W 10/18 20120101ALI20230502BHJP
B60W 10/08 20060101ALI20230502BHJP
B60W 10/184 20120101ALI20230502BHJP
B60L 7/24 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
F16H1/28
B60W10/00 120
B60W10/08
B60W10/184
B60L7/24 Z
(21)【出願番号】P 2019097380
(22)【出願日】2019-05-24
【審査請求日】2022-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000149033
【氏名又は名称】株式会社エクセディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】松岡 佳宏
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0300081(US,A1)
【文献】特開2017-048822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 1/28
B60W 10/04
B60W 10/08
B60W 10/184
B60L 7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルクを駆動輪へと伝達する駆動ユニットであって、
原動機と、
インペラ、タービン、及びステータを有し、前記原動機からトルクが入力されるトルクコンバータと、
前記インペラに接続される入力軸と、
前記タービンに接続される出力軸と、
前記入力軸に取り付けられる第1ギア、遊星ギア、前記出力軸に取り付けられる遊星キャリア、及び第2ギアを有する遊星歯車機構と、
前記駆動輪側からトルクが入力されるときに前記第2ギアの回転を制動
し、前記原動機側からトルクが入力されるときに前記第2ギアを回転可能とするように構成された制動機構と、
を備え、
前記第1ギアは、サンギア及びリングギアの一方のギアであり、
前記第2ギアは、サンギア及びリングギアの他方のギアである、
駆動ユニット。
【請求項2】
前記駆動輪側からトルクが入力されたときに前記第2ギアの回転を制動するように前記制動機構を制御する制御部をさらに備える、
請求項1に記載の駆動ユニット。
【請求項3】
運転者に操作される補助制動力調整スイッチ、をさらに備え、
前記制御部は、前記補助制動力調整スイッチの操作情報に基づき、前記制動機構を制御する、
請求項2に記載の駆動ユニット。
【請求項4】
前記原動機は、モータである、
請求項2又は3に記載の駆動ユニット。
【請求項5】
アクセル開度を検知するアクセルセンサと、
前記モータとの間で電力を授受するバッテリの充電量を検知するバッテリセンサと、
ブレーキ操作量を検知するブレーキセンサと、
車速を検知する車速センサと、
をさらに備え、
前記制御部は、前記アクセル開度、前記バッテリの充電量、前記ブレーキ操作量、前記車速の少なくともいずれかに基づき、前記モータ及び前記制動機構の少なくとも一方を制御する、
請求項4に記載の駆動ユニット。
【請求項6】
前記遊星歯車機構は、前記原動機と前記トルクコンバータとの間に配置される、
請求項1から5のいずれかに記載の駆動ユニット。
【請求項7】
前記トルクコンバータは、前記インペラに固定されるカバーを有し、
前記インペラは、前記カバーに対して前記原動機側に配置される、
請求項1から6のいずれかに記載の駆動ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車は、摩擦ブレーキの他に、エンジンブレーキ又は回生ブレーキなどによって減速することができる。具体的には、減速時などにおいて駆動輪側からトルクが入力されることによって、エンジンブレーキ、又はモータの回生ブレーキが作動し、制動力が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような自動車において、減速時においてより大きな制動力が要望されることがある。そこで、本発明の課題は、減速時における制動力の向上が可能な駆動ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に係る駆動ユニットは、トルクを駆動輪へと伝達するように構成されている。駆動ユニットは、原動機と、トルクコンバータと、入力軸と、出力軸と、遊星歯車機構と、制動機構と、を備えている。トルクコンバータは、インペラ、タービン、及びステータを有する。トルクコンバータは、原動機からトルクが入力される。入力軸は、インペラに接続される。出力軸は、タービンに接続される。遊星歯車機構は、第1ギア、遊星ギア、遊星キャリア、及び第2ギアを有する。第1ギアは、入力軸に取り付けられる。遊星キャリアは、出力軸に取り付けられる。制動機構は、駆動輪側からトルクが入力されるときに第2ギアの回転を制動可能に構成されている。第1ギアは、サンギア及びリングギアの一方のギアである。第2ギアは、サンギア及びリングギアの他方のギアである。
【0006】
この構成によれば、減速時に駆動輪側から出力軸にトルクが入力される。この出力軸に入力されたトルクは、タービンに伝達されるとともに、遊星キャリアにも伝達される。減速時に制動機構が第2ギアの回転を制動することによって、遊星キャリア、遊星ギア、第1ギアを介して入力軸に伝達されるトルクは増速される。この結果、入力軸に接続されるインペラは、出力軸に接続されるタービンよりも高い回転速度で回転し、この回転速度の差によって制動力が発生する。従って、減速時における制動力の向上が可能となる。
【0007】
好ましくは、駆動ユニットは、制御部をさらに備える。制御部は、駆動輪側からトルクが入力されたときに第2ギアの回転を制動するように制動機構を制御する。
【0008】
好ましくは、駆動ユニットは、運転者に操作される補助制動力調整スイッチをさらに備える。制御部は、補助制動力調整スイッチの操作情報に基づき、制動機構を制御する。
【0009】
好ましくは、原動機は、モータである。
【0010】
好ましくは、駆動ユニットは、アクセルセンサ、バッテリセンサ、ブレーキセンサ、及び車速センサをさらに備える。アクセルセンサは、アクセル開度を検知する。バッテリセンサは、モータとの間で電力を授受するバッテリの充電量を検知する。ブレーキセンサは、ブレーキ操作量を検知する。車速センサは、車速を検知する。制御部は、アクセル開度、バッテリの充電量、ブレーキ操作量、車速の少なくともいずれかに基づき、モータ及び制動機構の少なくとも一方を制御する。
【0011】
本発明の第2側面に係る駆動ユニットは、トルクを駆動輪へと伝達するように構成されている。駆動ユニットは、原動機と、トルクコンバータと、変速機とを備える。トルクコンバータは、インペラ、タービン、及びステータを有する。トルクコンバータは、原動機からトルクが入力される。変速機は、駆動輪側からのトルクをトルクコンバータに伝達するように構成されている。変速機は、タービンに伝達されるトルクよりも増速されたトルクをインペラに伝達する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、減速時における制動力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図5】第1冷却流路を示すための、駆動ユニットの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る駆動ユニットの実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施形態に係る駆動ユニットの概略図である。なお、以下の説明において、軸方向とはモータ2及びトルクコンバータ3の回転軸Oが延びる方向である。また、円周方向とは、回転軸Oを中心とした円の円周方向であり、径方向とは、回転軸Oを中心とした円の径方向である。また、正回転とは、車両が前進するときの回転であり、逆回転とは、車両が後進するときの回転である。
【0015】
[駆動ユニット100]
図1に示すように、駆動ユニット100は、モータ2、遊星歯車機構8、トルクコンバータ3、制御部4、入力軸5、出力軸6、制動機構12、各種センサ41~45、及びバッテリ46を備えている。また、駆動ユニット100は、減速機800、トルクコンバータケース7、及び第1冷却流路9a(
図5参照)を備えている。この駆動ユニット100は、例えば、電気自動車に搭載される。駆動ユニット100は、駆動輪101にモータ2からのトルクを伝達する。
【0016】
<モータ2>
モータ2は、モータケース21、ステータ22、ロータ23、及びモータ出力軸24を有している。本実施形態におけるモータ2は、いわゆるインナーロータ型のモータである。モータケース21は、車体フレームなどに固定されており、回転不能である。
【0017】
ステータ22は、モータケース21の内周面に固定されている。ステータ22は回転不能である。ロータ23は、回転軸O周りに回転する。ロータ23は、径方向において、ステータ22の内側に配置される。モータ出力軸24は、ロータ23と一体的に回転する。また、モータ出力軸24は、入力軸5と一体的に回転する。モータ出力軸24は、入力軸5と別部材で構成されていてもよいし、入力軸5と1つの部材で構成されていてもよい。
【0018】
<遊星歯車機構8>
遊星歯車機構8は、サンギア81、複数の遊星ギア82、遊星キャリア83、及びリングギア84を有している。遊星歯車機構8は、変速機ケース802内に収容されている。なお、本実施形態では、サンギア81が本発明の第1ギアに相当し、リングギア84が本発明の第2ギアに相当する。
【0019】
サンギア81は、入力軸5に取り付けられている。サンギア81は、入力軸5と一体回転する。遊星キャリア83は、出力軸6に取り付けられている。遊星キャリア83は、出力軸6と一体回転する。リングギア84は、回転可能に配置されている。
【0020】
モータ2からのトルクは、遊星歯車機構8において変速することなく、トルクコンバータ3へと伝達される。一方、駆動輪101側からのトルクは、遊星歯車機構8において変速して、トルクコンバータ3へと伝達される。また、駆動輪101側からのトルクは、遊星歯車機構8において変速して、モータ2へと伝達される。
【0021】
<制動機構>
制動機構12は、リングギア84の回転を制動するように構成されている。詳細には、制動機構12は、オン状態になるとリングギア84の回転を制動し、オフ状態になるとリングギア84を回転可能とする。
【0022】
制動機構12は、駆動輪101側からトルクが入力されるとき、すなわち車両の減速時に、オン状態となり、リングギア84の回転を制動する。一方、制動機構12は、モータ2からトルクが入力されるときに、オフ状態となり、リングギア84を回転可能とする。なお、制動機構12は、制御部4によって制御されて、オン状態又はオフ状態に切り替えられる。
【0023】
<トルクコンバータ3>
トルクコンバータ3は、軸方向において、モータ2と間隔をあけて配置されている。このトルクコンバータ3とモータ2との間に、減速機800が配置されている。また、トルクコンバータ3とモータ2との間に遊星歯車機構8も配置されている。軸方向において、モータ2、遊星歯車機構8、減速機800、トルクコンバータ3の順で配列している。
【0024】
トルクコンバータ3の回転軸Oは、モータ2の回転軸Oと実質的に一致している。また、トルクコンバータ3の回転軸Oは、遊星歯車機構8の回転軸Oとも実質的に一致している。トルクコンバータ3は、モータ2からのトルクが伝達される。トルクコンバータ3は、モータ2からのトルクを増幅して減速機800へと出力する。
【0025】
図2に示すように、トルクコンバータ3は、カバー31、インペラ32、タービン33、ステータ34、第1ワンウェイクラッチ35、及び第2ワンウェイクラッチ36を有している。また、トルクコンバータ3は、遠心クラッチ37をさらに有している。
【0026】
トルクコンバータ3は、インペラ32がモータ2側(
図2の左側)を向き、カバー31がモータ2と反対側(
図2の右側)を向くように配置されている。このトルクコンバータ3は、トルクコンバータケース7内に収容されている。トルクコンバータ3内には作動流体が供給されている。作動流体は、例えば作動油である。
【0027】
カバー31は、モータ2からの動力が入力される。カバー31は、モータ2からのトルクによって回転する。カバー31は、入力軸5に固定されている。例えば、カバー31は、スプライン孔を有しており、入力軸5がカバー31のスプライン孔にスプライン嵌合する。このため、カバー31は、入力軸5と一体的に回転する。カバー31は、タービン33を覆うように配置されている。
【0028】
カバー31は、円板部311、円筒部312、及びカバーハブ313を有している。円板部311は、中央に開口を有する。円筒部312は、円板部311の外周端部からモータ2側に延びている。円板部311と円筒部312とは1つの部材によって構成されている。
【0029】
カバーハブ313は、円板部311の内周端部に固定されている。本実施形態では、カバーハブ313は、円板部311と別部材によって構成されているが、円板部311と一つの部材によって構成されていてもよい。
【0030】
カバーハブ313は、第1ボス部313a、第1フランジ部313b、及び突出部313cを有している。第1ボス部313a、第1フランジ部313b、及び突出部313cは、一つの部材によって構成されている。
【0031】
第1ボス部313aは、円筒状であって、スプライン孔を有している。この第1ボス部313aに、入力軸5がスプライン嵌合する。第1ボス部313aは、トルクコンバータケース7に軸受部材102を介して回転可能に支持されている。このため、第1ボス部313aは、軸方向において、第1フランジ部313bからモータ2と反対側に延びている。
【0032】
第1フランジ部313bは、第1ボス部313aから径方向外側に延びている。詳細には、第1フランジ部313bは、第1ボス部313aのモータ2側の端部から径方向外側に延びている。この第1フランジ部313bの外周端部に、円板部311が固定されている。
【0033】
突出部313cは、第1フランジ部313bから軸方向に延びている。突出部313cは、モータ2に向かって延びている。突出部313cは、第1フランジ部313bの外周端部から延びている。突出部313cは、円筒状である。この突出部313cは、複数の貫通孔313dを有している。この貫通孔313dを介して作動流体がトルクコンバータ3から排出される。
【0034】
インペラ32は、カバー31と一体的に回転する。インペラ32は、カバー31に固定されている。インペラ32は、インペラシェル321、複数のインペラブレード322、インペラハブ323、及び複数の供給流路324を有している。
【0035】
インペラシェル321は、カバー31に固定されている。複数のインペラブレード322はインペラシェル321の内側面に取り付けられている。
【0036】
インペラハブ323は、インペラシェル321の内周端部に取り付けられている。なお、本実施形態では、インペラハブ323は、インペラシェル321と一つの部材によって構成されているが、インペラシェル321と別部材によって構成されていてもよい。
【0037】
インペラハブ323は、第2ボス部323aと、第2フランジ部323bとを有する。第2ボス部323aは、円筒状であって、
軸方向に延びている。第2ボス部323aは、軸受部材103を介してトルクコンバータケース7に回転可能に支持されている(
図5参照)。第2ボス部323a内を、固定軸104が
軸方向に延びている。なお、この固定軸104は円筒状であり、この固定軸104内を出力軸6が
軸方向に延びている。また、固定軸104は、例えば、変速機ケース802又はトルクコンバータケース7から延びている。固定軸104は、回転不能である。
【0038】
供給流路324は、インペラハブ323に形成されている。詳細には、供給流路324は、第2フランジ部323bに形成されている。供給流路324は、インペラハブ323の内周面から径方向外側に延びている。そして、供給流路324は、トーラスT内に開口している。なお、トーラスTは、インペラ32とタービン33とによって囲まれた空間である。
【0039】
供給流路324は、軸方向において閉じられている。すなわち、供給流路324は、インペラハブ323内を径方向に延びる貫通孔である。
図3に示すように、供給流路324は、放射状に延びている。供給流路324は、径方向外側に向かって、正回転方向と反対側に傾斜している。すなわち、供給流路324は、径方向外側に向かって、逆回転方向(
図3の反時計回り)に傾斜している。なお、供給流路324は直線状に延びているものに限らず、例えば、
図4に示すように、供給流路324は曲線状に延びていてもよい。
【0040】
図2に示すように、タービン33は、インペラ32と対向して配置されている。詳細には、タービン33は、軸方向においてインペラ32と対向している。タービン33は、作動流体を介してインペラ32からの動力が伝達される。
【0041】
タービン33は、タービンシェル331、複数のタービンブレード332、及びタービンハブ333を有している。タービンブレード332は、タービンシェル331の内側面に固定されている。
【0042】
タービンハブ333は、タービンシェル331の内周端部に固定されている。例えば、タービンハブ333は、リベットによって、タービンシェル331に固定されている。本実施形態では、タービンハブ333は、タービンシェル331と別部材によって構成されているが、タービンシェル331と一つの部材によって構成されていてもよい。
【0043】
タービンハブ333には、出力軸6が取り付けられている。詳細には、出力軸6が、タービンハブ333にスプライン嵌合している。タービンハブ333は、出力軸6と一体的に回転する。
【0044】
タービンハブ333は、第3ボス部333a及び第3フランジ部333bを有している。第3ボス部333a及び第3フランジ部333bは、一つの部材によって構成されている。
【0045】
第3ボス部333aは、円筒状であって、スプライン孔を有している。この第3ボス部333aに、出力軸6がスプライン嵌合する。第3ボス部333aは、軸方向において、第3フランジ部333bからモータ2と反対側に延びている。すなわち、第3ボス部333aは、軸方向において、第3フランジ部333bからカバーハブ313に向かって延びている。
【0046】
第3ボス部333aは、径方向において、突出部313cと間隔をあけて配置されている。すなわち、径方向において、第3ボス部333aの外側に突出部313cが配置されている。第3ボス部333aと突出部313cとの間に、第1ワンウェイクラッチ35が配置されている。なお、第1ワンウェイクラッチ35が無い状態では、第3ボス部333aの外周面と、突出部313cの内周面とが対向する。
【0047】
第3ボス部333aの先端とカバーハブ313との間には作動流体が流れる流路が形成されている。本実施形態では、第3ボス部333aの先端部に複数の切り欠き部333cが形成されている。切り欠き部333cは、第3ボス部333aの先端部を径方向に延びている。この切り欠き333c及び貫通孔313dを介して作動流体がトルクコンバータ3から排出される。
【0048】
第3フランジ部333bは、第3ボス部333aから径方向外側に延びている。詳細には、第3フランジ部333bは、第3ボス部333aのモータ2側の端部から径方向外側に延びている。この第3フランジ部333bの外周端部に、タービンシェル331がリベットなどによって固定されている。
【0049】
ステータ34は、タービン33からインペラ32へと戻る作動油を整流するように構成されている。ステータ34は、回転軸O周りに回転可能である。例えば、ステータ34は、固定軸104に、第2ワンウェイクラッチ36を介して支持されている。このステータ34は、軸方向において、インペラ32とタービン33との間に配置される。
【0050】
ステータ34は、円板状のステータキャリア341と、その外周面に取り付けられる複数のステータブレード342と、を有している。
【0051】
第1ワンウェイクラッチ35は、カバー31とタービン33との間に配置されている。第1ワンウェイクラッチ35は、正回転方向において、カバー31をタービン33に対して相対回転可能とする。すなわち、車両が前進するようにモータ2が正回転したとき、カバー31がタービン33と相対回転するように第1ワンウェイクラッチ35は構成されている。このため、車両の前進時は、第1ワンウェイクラッチ35は、カバー31からタービン33へと動力を伝達しない。
【0052】
一方、第1ワンウェイクラッチ35は、逆回転方向において、カバー31をタービン33と一体回転させる。すなわち、車両が後進するようにモータ2が逆回転したとき、カバー31がタービン33と一体回転するように第1ワンウェイクラッチ35は構成されている。このため、車両の後進時は、第1ワンウェイクラッチ35は、カバー31からタービン33へと動力を伝達する。
【0053】
第2ワンウェイクラッチ36は、固定軸104とステータ34との間に配置されている。第2ワンウェイクラッチ36は、ステータ34を正回転方向に回転可能とするように構成されている。一方、第2ワンウェイクラッチ36は、ステータ34を逆回転方向に回転不能とする。このステータ34によって、トルクが増幅されて、インペラ32からタービン33へと伝達される。
【0054】
遠心クラッチ37は、タービン33に取り付けられている。遠心クラッチ37は、タービン33と一体的に回転する。遠心クラッチ37は、タービン33の回転によって生じる遠心力によって、カバー31とタービン33とを連結するように構成されている。詳細には、遠心クラッチ37は、タービン33が所定の回転速度以上になると、カバー31からタービン33に動力を伝達するように構成されている。なお、駆動輪101側からトルクが入力されるとき、遠心クラッチ37は作動しないように構成されている。
【0055】
遠心クラッチ37は、複数の遠心子371と、摩擦材372とを有している。摩擦材372は、遠心子371の外周面に取り付けられている。遠心子371は、径方向に移動可能に配置されている。なお、遠心子371は、周方向に移動不能に配置されている。このため、遠心子371は、タービン33とともに回転し、遠心力によって径方向外側に移動する。
【0056】
この遠心クラッチ37は、タービン33の回転速度が所定の回転速度以上になると、遠心子371が径方向外側に移動し、摩擦材372がカバー31の円筒部312の内周面と摩擦係合する。この結果、遠心クラッチ37はオン状態となり、カバー31からの動力が遠心クラッチ37を介してタービン33へと伝達される。なお、遠心クラッチ37がオン状態になっても、作動流体は遠心クラッチ37を介して流通可能である。
【0057】
タービン33の回転速度が所定の回転速度未満になると、遠心子371が径方向内側に移動し、摩擦材372とカバー31の円筒部312の内周面との摩擦係合が解除される。この結果、遠心クラッチ37はオフ状態となり、カバー31からの動力は遠心クラッチ37を介してタービン33へと伝達されない。すなわち、カバー31からの動力は、インペラ32に伝達された後、作動流体を介してタービン33へと伝達される。
【0058】
<減速機800>
図1に示すように、減速機800は、軸方向においてモータ2とトルクコンバータ3との間に配置されている。減速機800は、トルクコンバータ3からのトルクを駆動輪101側へと伝達する。詳細には、減速機800は、トルクコンバータ3からのトルクを増幅して、デファレンシャルギア109を介して、駆動輪101側へと伝達する。なお、減速機800は、複数の歯車801を有している。減速機800は、変速機ケース802内に収容される。なお、複数の歯車801のうちの一つは、出力軸6に固定されている。歯車801は出力軸6と一体的に回転する。
【0059】
<入力軸5>
入力軸5は、遊星歯車機構8から延びている。詳細には、入力軸5は、遊星歯車機構8のサンギア81から延びている。入力軸5は、サンギア81と一体的に回転する。また、入力軸5は、モータ2の出力軸24とも一体的に回転する。入力軸5は、トルクコンバータ3に向かって延びている。入力軸5の回転軸は、モータ2の回転軸、及びトルクコンバータ3の回転軸と実質的に同一線上にある。
【0060】
入力軸5は、モータ2からのトルクをトルクコンバータ3に入力する。入力軸5は、トルクコンバータ3のインペラ32に接続されている。詳細には、入力軸5は、カバー31を介してインペラ32に接続されている。入力軸5の先端部は、トルクコンバータ3のカバーハブ313に取り付けられている。
【0061】
入力軸5は、出力軸6内を延びている。入力軸5は、中実状である。入力軸5は、先端部に連通路51を有している。連通路51は、軸方向に延びている。そして、連通路51は、第1冷却流路9aに向かって開口している。
【0062】
<出力軸6>
出力軸6は、トルクコンバータ3からの動力を出力する。出力軸6は、トルクコンバータ3からの動力を減速機800へと出力する。出力軸6は、トルクコンバータ3からモータ2に向かって延びている。
【0063】
図2に示すように、出力軸6は、円筒状である。入力軸5は、この出力軸6内を延びている。出力軸6の一方の端部(
図2の右端部)は、トルクコンバータ3のタービン33に取り付けられている。また、出力軸6の他方の端部には、遊星キャリア83が取り付けられている。出力軸6は、例えば、変速機ケース802に軸受部材などを介して回転可能に支持されている。
【0064】
<トルクコンバータケース7>
図5に示すように、トルクコンバータケース7は、トルクコンバータ3を収容している。本実施形態では、トルクコンバータケース7は、変速機ケース802と一つの部材によって構成されているが、別部材によって構成されていてもよい。
【0065】
トルクコンバータケース7は、側壁部71と、外壁部72と、複数の放熱フィン73とを有している。側壁部71は、トルクコンバータ3のカバー31と対向するように配置されている。側壁部71は、回転軸Oと直交するように配置されている。
【0066】
軸方向において、側壁部71の一方側(
図5の左側)には、トルクコンバータ3が配置されている。一方、側壁部71の他方側(
図5の右側面)は、外気と接している。すなわち、側壁部71の他方側には、熱源となる部材は配置されていない。
【0067】
側壁部71の中央部には、軸受部材102を介して、カバー31が回転可能に取り付けられている。側壁部71は、第1冷却流路9a内を流れる作動流体から速やかに多くの熱を吸収して大気へ放熱できるように、比熱及び熱伝導率の大きい材料によって構成されている。例えば、側壁部71は、マグネシウム、又はアルミニウムなどによって構成されている。
【0068】
外壁部72は、トルクコンバータ3の外周面と対向するように配置されている。外壁部72は、側壁部71と一つの部材によって構成されているが、別部材によって構成されていてもよい。外壁部72は、側壁部71の外周端部からモータ2に向かって延びている。外壁部72は、回転軸Oと実質的に平行に延びている。なお、外壁部72の先端部(モータ2側の端部)は、径方向内側に向かって傾斜している。外壁部72の材質は、側壁部71と同様とすることができる。
【0069】
放熱フィン73は、側壁部71に形成されている。放熱フィン73は、側壁部71からトルクコンバータ3と反対側(
図5の右側)に延びている。放熱フィン73は、第1冷却流路9a内を流れる作動流体を効率的に放熱するために側壁部71に取り付けられている。放熱フィン73の熱伝導率は、側壁部71の熱伝導率と同等、もしくはより高くすることが好ましいが、特に限定されない。例えば、放熱フィン73は、マグネシウム、アルミニウム、又は銅などによって構成されている。
【0070】
<第1冷却流路9a>
第1冷却流路9aは、トルクコンバータ3から排出された作動流体を冷却するための流路である。第1冷却流路9aは、トルクコンバータケース7内を延びている。本実施形態では、第1冷却流路9aは、トルクコンバータケース7の上半分のみに形成されている。
【0071】
第1冷却流路9aは、側壁部71の中央部から外周部まで延び、続いて、外壁部72を軸方向においてトルクコンバータ3を超えるまで延びている。第1冷却流路9aは、作動流体溜り部91と連通している。
【0072】
図6又は
図7に示すように、第1冷却流路9aは、側壁部71内において、複数の経路を有している。本実施形態では、第1冷却流路9aは、側壁部71内において、2本の経路に分かれている。第1冷却流路9aは、側壁部71内において、中央部から外周部まで直線状に延びるのではなく、蛇行しながら延びている。
【0073】
第1冷却流路9aは、外壁部72内においても複数の経路を有していてもよい。本実施形態では、例えば、第1冷却流路9aは、外壁部72内において、3本の経路に分かれている。第1冷却流路9aは、外壁部72内では直線状に軸方向に延びているが、蛇行しながら延びていてもよい。
【0074】
<作動流体溜り部>
図5に示すように、駆動ユニット100は、作動流体溜り部91を備えている。作動流体溜り部91は、軸方向において、側壁部71と協働してトルクコンバータ3を挟むように配置されている。すなわち、軸方向において、作動流体溜り部91、トルクコンバータ3、側壁部71の順で並んでいる。作動流体溜り部91は、変速機ケース802内に配置されている。作動流体溜り部91は、回転軸Oの上方に配置されている。
【0075】
作動流体溜り部91は、トルクコンバータ3に供給する作動流体を内部に有している。作動流体溜り部91は、底面に供給孔92を有している。この供給孔92から排出された作動流体は、固定軸104とインペラハブ323の第2ボス部323aとの間の流路106を介して、トルクコンバータ3へと供給される。
【0076】
具体的には、トルクコンバータ3のインペラ32の回転によって遠心力が生じ、流路106内の作動流体が供給流路324を介してトーラスT内へと供給される。そして、トルクコンバータ3から排出された作動流体は、連通路51を介して第1冷却流路9aへと流れる。そして、第1冷却流路9aを流れて冷却された作動流体は、作動流体溜り部91に戻される。
【0077】
<バッテリ>
図1に示すように、バッテリ46は、モータ2との間で電力の授受を行うように構成されている。すなわち、バッテリ46は、モータ2と電気的に接続されており、モータ2に電力を供給したり、モータ2の回転によって発生した電力を蓄電したりする。詳細には、バッテリ46は、制御部4のインバータ回路及びコンバータ回路を介してモータ2と接続されている。そして、バッテリ46は、コンバータ回路によって直流電力に変換された電力を蓄電する。
【0078】
また、バッテリ46に蓄電された電力は、モータ2に供給されてモータ2が回転することもできる。詳細には、バッテリ46に蓄電された直流電力が、制御部4のインバータ回路によって交流電力に変換されてモータ2へと供給される。
【0079】
<各種センサ>
各種センサとして、ブレーキセンサ41、アクセルセンサ42、車速センサ43、及びバッテリセンサ44が制御部4に有線又は無線により情報通信可能に接続されている。また、補助制動力調整スイッチ45が、制御部4に有線又は無線により情報通信可能に接続されている。
【0080】
ブレーキセンサ41は、ブレーキ操作量を検知するように構成されている。例えば、ブレーキセンサ41は、ブレーキペダルのストローク量、又は踏力などを検知するように構成されている。ブレーキセンサ41は、検出したブレーキ操作量を制御部4に出力する。
【0081】
アクセルセンサ42は、アクセル開度を検知するように構成されている。アクセルセンサ42は、検知したアクセル開度を制御部4へと出力する。
【0082】
車速センサ43は、駆動ユニット100を搭載する車両の速度を検知するように構成されている。車速センサ43は、検知した車速を制御部4へと出力する。
【0083】
バッテリセンサ44は、バッテリ46の充電量を検知する。バッテリセンサ44は、検知した充電量を制御部4へと出力する。
【0084】
補助制動力調整スイッチ45は、運転者によって操作される。補助制動力調整スイッチ45は、運転者に操作されることによって、オン状態又はオフ状態のいずれかの状態になる。例えば、運転者が減速時において大きな制動力を要望する場合、運転者が補助制動力調整スイッチ45を操作し、補助制動力調整スイッチ45をオン状態にする。一方、運転者が減速時において大きな制動力を要望しない場合、補助制動力調整スイッチ45はオフ状態となる。補助制動力調整スイッチ45は、このオン状態又はオフ状態についての操作情報を制御部4に出力する。
【0085】
<制御部>
制御部4は、モータ2の出力トルクを制御するように構成されている。例えば、制御部4は、ECU(Electronic Control Unit)、及びPCU(Power Control Unit)などを含んでいる。制御部4は、PCUが有するインバータ回路及びコンバータ回路を介して、モータ2とバッテリ86との間で電力を授受させる。制御部4は、バッテリ86からの電力を制御することによって、モータ2の出力トルクを制御することができる。
【0086】
制御部4は、例えば、アクセル開度、バッテリの充電量、ブレーキ操作量、及び車速の少なくともいずれかに基づき、モータ2の出力トルク、及び制動機構12の少なくともいずれかを制御するように構成されている。
【0087】
また、制御部4は、制動機構12を制御するように構成されている。具体的には、制御部4は、制動機構12をオン状態又はオフ状態に切り替えるように構成されている。制御部4は、減速時に制動機構12をオン状態にする。この結果、制動機構12はリングギア84の回転を制動し、リングギア84は回転不能となる。また、制御部4は、減速時以外には制動機構12をオフ状態とする。この結果、制動機構12はリングギア84の回転の制動を解除し、リングギア84は回転可能となる。
【0088】
また、制御部4は、補助制動力調整スイッチ45の操作情報に基づき、制動機構12を制御してオン状態又はオフ状態に切り替える。例えば、補助制動力調整スイッチ45がオン状態になっているときに減速すると、制御部4は制動機構12をオン状態にする。
【0089】
一方、補助制動力調整スイッチ45がオフ状態になっているとき、車両が減速しても制御部4は制動機構12をオフ状態にする。
【0090】
<制御方法>
次に、制御部4による制御方法について説明する。まず、制御部4による制動機構12の制御方法について説明する。
【0091】
図8に示すように、制御部4は、補助制動力調整スイッチ45がオン状態であるか否か判断する(ステップS1)。制御部4は、補助制動力調整スイッチ45がオン状態ではない(ステップS1のNo)、すなわち、補助制動力調整スイッチ45がオフ状態であると判断すると、制動機構12をオフ状態にする(ステップS4)。この結果、リングギア84は回転可能となる。
【0092】
一方、制御部4は、補助制動力調整スイッチ45がオン状態であると判断すると(ステップS1のYes)、次に、アクセル開度が0%であるか否か判断する(ステップS2)。制御部4は、アクセル開度が0%でない(ステップS2のNo)、すなわちアクセル開度が0%より大きい(アクセルが操作されている)と判断すると、制動機構12をオフ状態にする(ステップS4)。
【0093】
一方、制御部4は、アクセル開度が0%であると判断すると(ステップS2のYes)、制動機構12をオン状態にする(ステップS3)。この結果、リングギア84は回転不能となる。
【0094】
このように、リングギア84が回転不能となった状態で、減速時などに駆動輪101側からのトルクは出力軸6に入力されると、以下に説明するように、トルクコンバータ3において制動力が発生する。
【0095】
まず、出力軸6に入力されたトルクは、遊星キャリア83、遊星ギア82、及びサンギア81を介して入力軸5にも伝達される。ここで、リングギア84が固定されているため、入力軸5に伝達されたトルクは、回転速度が増速された状態で伝達されている。そして、増速されたトルクは、入力軸5を介してインペラ32に伝達される。ここで、タービン33に伝達されたトルクは、出力軸6と同じ回転速度である。このため、インペラ32は、タービン33よりも回転速度が高い。このインペラ32とタービン33との回転速度の差によって、制動力を発生させることができる。
【0096】
また、遊星歯車機構8によって増速されたトルクが入力軸5を介してモータ2のロータ23に伝達されるため、モータ2による発電量を向上させることもできる。
【0097】
次に、減速時における、制御部4によるモータ2の制御方法について説明する。例えば、制御部4は、ブレーキセンサ41によって検知されたブレーキ操作量に基づき、モータ2を制御する。例えば、制御部4は、ブレーキ操作量に応じて回生ブレーキの強さを制御してもよい。すなわち、制御部4は、ブレーキ操作量が大きいほど回生ブレーキも大きくなるようにモータ2を制御することができる。
【0098】
また、制御部4は、ブレーキ操作量が第1閾値以上のときに回生ブレーキを作動させ、ブレーキ操作量が第1閾値未満のときに回生ブレーキをオフにするようにモータ2を制御してもよい。
【0099】
また、制御部4は、車速センサ43によって検知された車速に基づき、モータ2を制御する。例えば、制御部4は、車速に応じて回生ブレーキの強さを制御してもよい。すなわち、制御部4は、車速が高いほど回生ブレーキも大きくなるようにモータ2を制御することができる。
【0100】
また、制御部4は、車速が第2閾値以上のときに回生ブレーキを作動させ、車速が第2閾値未満のときに回生ブレーキをオフにするようにモータ2を制御してもよい。
【0101】
また、制御部4は、バッテリセンサ44によって検知されたバッテリ46の充電量に基づき、モータ2を制御する。例えば、制御部4は、バッテリ46の充電量が第3閾値未満のときに回生ブレーキを作動させ、充電量が第3閾値以上のときに回生ブレーキをオフにするようにモータ2を制御してもよい。
【0102】
減速時におけるトルクコンバータ3での制動力を低減させたい場合には、制御部4は、インペラ32の回転速度を低下させるようにモータ2を力行させることができる。
【0103】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0104】
変形例1
上記実施形態では、制動機構12は制御部4によってオン状態とオフ状態とが切り替えられるように構成されているが、制動機構12の構成はこれに限定されない。例えば、制動機構12は、ワンウェイクラッチであってもよい。すなわち、モータ2からトルクコンバータ3にトルクが入力されるとき、制動機構12は、リングギア84を回転可能とする。一方で、駆動輪101側からトルクが入力されるとき、制動機構12は、リングギア84を回転不能とする。
【0105】
変形例2
上記実施形態では、駆動ユニット100は、遊星歯車機構8によって、駆動輪101側からのトルクを変速してトルクコンバータ3に伝達しているが、遊星歯車機構8以外の変速機によって変速してもよい。この変速機は、駆動輪101側のトルクをトルクコンバータ3に伝達する際、タービン33に伝達されるトルクよりも増幅されたトルクをインペラ32に伝達するように構成される。
【0106】
変形例3
上記実施形態では、サンギア81が本発明の第1ギアに相当し、リングギア84が本発明の第2ギアに相当しているが、これに限定されない。例えば、
図9に示すように、サンギア81が本発明の第2ギアに相当し、リングギア84が本発明の第1ギアに相当しているように遊星歯車機構8が構成されていてもよい。
【0107】
詳細には、リングギア84は、入力軸5に取り付けられている。リングギア84は、入力軸5と一体回転する。サンギア81は、回転可能に配置されている。このサンギア81は、駆動輪101側からトルクが入力されたとき、制動機構12によって回転が制動される。
【0108】
この変形例では、モータ2とトルクコンバータ3との間に遊星歯車機構8が配置されているが、減速機800は、モータ2とトルクコンバータ3との間に配置されていない。具体的には、軸方向において、モータ2、遊星歯車機構8、トルクコンバータ3、減速機800の順で配置されている。
【符号の説明】
【0109】
2 モータ
3 トルクコンバータ
32 インペラ
33 タービン
34 ステータ
4 制御部
41 ブレーキセンサ
42 アクセルセンサ
43 車速センサ
44 バッテリセンサ
45 補助制動力調整スイッチ
46 バッテリ
5 入力軸
6 出力軸
8 遊星歯車機構
81 サンギア
82 遊星ギア
83 遊星キャリア
84 リングギア
100 駆動ユニット