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特許7272876記憶装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】記憶装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/62 20130101AFI20230502BHJP
   G06F 21/44 20130101ALI20230502BHJP
   G06F 3/06 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
G06F21/62
G06F21/44
G06F3/06 304H
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019115476
(22)【出願日】2019-06-21
(65)【公開番号】P2021002206
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】591275481
【氏名又は名称】株式会社アイ・オー・データ機器
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 英之
(72)【発明者】
【氏名】増田 裕一
【審査官】平井 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-267533(JP,A)
【文献】特開2008-225661(JP,A)
【文献】特開昭60-138181(JP,A)
【文献】特開2012-068701(JP,A)
【文献】特開2008-197902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/00-88
G06F 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶する記憶部と、
情報処理装置に対して接続可能な接続端子と、
入出力許可操作による認証を行う制御部であって、前記入出力許可操作が行われた場合に前記情報処理装置との前記情報の入出力を許可し、前記入出力許可操作が行われない場合に前記情報処理装置との前記情報の入出力を許可しない制御部と、
を備えた記憶装置であって、
前記情報処理装置は、第1情報処理装置及び第2情報処理装置を含み、
前記制御部は、
前記接続端子が前記第1情報処理装置との接続を解除してから所定の設定時間が経過するまでの間に前記第2情報処理装置に接続された場合、前記認証を行わずに前記第2情報処理装置との前記情報の入出力を許可
前記接続端子が前記第1情報処理装置との接続を解除してから前記設定時間が経過した後に前記第2情報処理装置に接続された場合、前記認証を行い
前記制御部は、前記設定時間の延長操作を受け付けた場合、前記設定時間を延長する、
記憶装置。
【請求項2】
ユーザによって操作される複数の操作子を有するユーザインタフェース部をさらに備え、
前記制御部は、前記複数の操作子のうち特定の操作子が連続的に操作された場合に、前記延長操作として受け付ける
請求項1に記載の記憶装置。
【請求項3】
前記特定の操作子は、前記複数の操作子のうち第1操作子及び第2操作子により構成される、
求項に記載の記憶装置。
【請求項4】
発光素子をさらに備え、
前記制御部は、前記接続端子が前記第1情報処理装置との接続を解除してから前記設定時間が経過するまでの間、前記複数の操作子のうち前記特定の操作子が、予め設定された前記発光素子の点灯パターンに対応して操作された場合に、前記延長操作として受け付ける
請求項又は請求項に記載の記憶装置。
【請求項5】
パスワードの入力を受け付けるパスワード受付部をさらに備え、
前記接続端子が前記第1情報処理装置との接続を解除してから前記設定時間が経過するまでの間、前記パスワード受付部で受け付けた前記パスワードよりも桁数が少ない短縮パスワードが入力された場合に、前記第2情報処理装置との前記情報の入出力を許可
前記接続端子が前記第1情報処理装置との接続を解除してから前記設定時間が経過するまでの間、前記短縮パスワードが入力されない場合、前記パスワード受付部で前記パスワードを受け付けるまで、前記第2情報処理装置との前記情報の入出力を許可しない、
請求項1乃至請求項のいずれかに記載の記憶装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1情報処理装置で設定された前記設定時間に関する設定情報を、前記接続端子を介して取得する、
請求項1乃至請求項のいずれかに記載の記憶装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記接続端子が前記第1情報処理装置との接続を解除してから前記設定時間が経過するまでの間、前記接続端子の状態に応じて、前記設定時間を無効にする、
請求項1乃至請求項のいずれかに記載の記憶装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項のいずれかに記載の記憶装置と、
前記記憶装置の前記接続端子に対応する接続部を有する前記情報処理装置と、を備えた情報処理システム。
【請求項9】
前記情報処理装置と通信する管理装置をさらに備え、
前記情報処理装置は、前記接続端子が前記第1情報処理装置との接続を解除してから前記設定時間が経過するまでの間、前記第2情報処理装置に前記接続端子が接続された場合、前記記憶装置から前記記憶装置に関する記憶装置情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、受信した前記記憶装置情報に基づいて、前記情報の入出力を許可するか否かを判定し、判定結果を前記第2情報処理装置に送信し、
前記記憶装置の前記制御部は、前記第2情報処理装置が受信した前記判定結果に基づいて、前記第2情報処理装置との前記情報の入出力を許可する、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記記憶装置の前記記憶部は、前記情報の入出力の条件に関する条件設定情報を記憶し、
前記情報処理装置は、前記接続端子との接続を解除してから前記設定時間が経過するまでの間、前記条件設定情報を前記記憶装置から取得し、前記条件設定情報に基づいて、前記記憶装置の前記制御部に前記情報の入出力を許可させる、
請求項又はに記載の情報処理システム。
【請求項11】
情報を記憶する処理と、
入出力許可操作による認証を行う処理と、
前記入出力許可操作が行われた場合に第1情報処理装置との前記情報の入出力を許可する処理と
前記入出力許可操作が行われない場合に前記第1情報処理装置との前記情報の入出力を許可しない処理と、
前記第1情報処理装置との接続を解除してから所定の設定時間が経過するまでの間に第2情報処理装置に接続された場合前記認証を行わずに前記第2情報処理装置との前記情報の入出力を許可する処理と、
前記第1情報処理装置との接続を解除してから前記設定時間が経過した後に前記第2情報処理装置に接続された場合、前記認証を行う処理と、
前記設定時間の延長を受け付ける延長操作を受け付けた場合に、前記設定時間を延長する処理と、
記憶装置に行なわせる、情報処理方法。
【請求項12】
情報を記憶し、
入出力許可操作による認証を行う処理と、
前記入出力許可操作が行われた場合に第1情報処理装置との前記情報の入出力を許可する処理と
前記入出力許可操作が行われない場合に前記第1情報処理装置との前記情報の入出力を許可しない処理と、
前記第1情報処理装置との接続を解除してから所定の設定時間が経過するまでの間に第2情報処理装置に接続された場合、前記認証を行わずに前記第2情報処理装置との前記情報の入出力を許可する処理と、
前記第1情報処理装置との接続を解除してから前記設定時間が経過した後に前記第2情報処理装置に接続された場合、前記認証を行う処理と、
前記設定時間の延長を受け付ける延長操作を受け付けた場合に、前記設定時間を延長する処理と、
を記憶装置に実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報を記憶する記憶装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パスワードが入力されることにより、各種動作の処理を許可する情報処理装置がある(例えば特許文献1参照)。従来の装置は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)に接続される際、自装置に正しいパスワードが入力されることで、該PCに対して情報の入出力を許可する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-164307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の装置は、PCに接続する度に、ユーザによるパスワードの入力が必要となり、情報のセキュリティ機能を確保することはできても、利便性に乏しいものであった。
【0005】
この発明の目的は、情報のセキュリティ機能を確保しつつ、利便性を向上する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の記憶装置は、情報を記憶する記憶部と、情報処理装置に対して接続可能な接続端子と、前記接続端子が前記情報処理装置との接続を解除してから、入出力許可操作が行われるまで前記情報の入出力を許可せず、かつ、前記接続端子が前記情報処理装置との接続を解除してから所定の設定時間が経過するまでの間、前記情報処理装置との前記情報の入出力を許可する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の記憶装置は、情報処理装置、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)に外付けされる、いわゆる外付けメモリである。本発明の記憶装置は、接続端子を介して、情報処理装置に対し、自装置に記憶されている情報の入出力を行う。本発明の記憶装置は、接続端子が情報処理装置との接続を解除してから、所定の設定時間が経過するまでの間であれば、予め決められた入出力許可操作(例えば、パスワード入力)が行われなくても、情報処理装置との情報の入出力を許可する。これにより、本発明の記憶装置は、情報のセキュリティ機能を確保しつつ、利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、情報のセキュリティ機能を確保しつつ、利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】情報処理システムの構成を示す概略図である。
図2】USBメモリの主要な構成を示すブロック構成図である。
図3】USBメモリの外観を示す斜視図である。
図4】PCの主要な構成を示すブロック構成図である。
図5】USBメモリの動作を示すフローチャートである。
図6】変形例1のUSBメモリの主要な構成を示すブロック構成図である。
図7】変形例1のUSBメモリの外観を示す斜視図である。
図8】変形例1のUSBメモリの動作を示すフローチャートである。
図9】変形例2のUSBメモリの主要な構成を示すブロック構成図である。
図10】変形例2のUSBメモリの外観を示す斜視図である。
図11】変形例3のUSBメモリの動作を示すフローチャートである。
図12】変形例6の情報処理システムの構成を示す概略図である。
図13】変形例6のサーバ、PC及びUSBメモリの情報の授受の関係を示す関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は情報処理システム100の構成を示す概略図である。
【0011】
情報処理システム100は、図1に示すように、複数(図1では2台)のPC(パーソナルコンピュータ)2a、2bと、USBメモリ(USBフラッシュメモリ)1と、を備えている。この例でいう、PC2a、2bは、それぞれ情報処理装置に相当する。また、この例でいう、USBメモリ1は、本発明の記憶装置に相当する。
【0012】
この例では、情報処理システム100は、USBメモリ1を介して、PC2a及びPC2b間で情報の送受信を行う。以下の説明では、USBメモリ1がPC2aに対して、情報の入力又は出力をした後、PC2bに対し、情報を入力又は出力する例について説明する。ただし、本発明の記憶装置は、複数の情報処理装置に接続されることが必須ではない。
【0013】
情報処理システム100では、USBメモリ1がPC2aと接続した後、再びPC2A又はPC2bに接続する際、USBメモリ1に、入出力許可操作が必要になる。入出力許可操作は、例えば、ユーザによるパスワードの入力である。情報処理システム100は、ユーザによって、正しいパスワードがUSBメモリ1に入力されることで、USBメモリ1の本体認証を行う。情報処理システム100では、USBメモリ1に正しいパスワードが入力された場合、USBメモリ1がPC2a又はPC2bに接続すれば、PC2a又はPC2bは、USBメモリ1に記憶されている情報にアクセスすることができる。一方、情報処理システム100では、USBメモリ1に正しいパスワードが入力されなければ、USBメモリ1をPC2a又はPC2bに接続しても、PC2a又はPC2bは、USBメモリ1に記憶されている情報にアクセスすることができない。
【0014】
一方で、例えば、USBメモリ1とPC2aとの接続を解除してから、近接した位置にあるPC2bに、短時間(例えば、10秒以内)で接続する場合がある。この場合、USBメモリ1は、ユーザが上述の入出力許可操作とは別の許可操作を行ない、所定の許可条件を満たせば、PC2bとの情報の入出力を許可する。これにより、ユーザは、USBメモリ1を用いて、情報の送受信を効率よく行なうことができる。
【0015】
この例では、USBメモリ1は、許可条件として、設定時間が設定されている。設定時間は、例えば、10秒程度である。USBメモリ1は、PC2aとの接続を解除してから、設定時間内にPC2a又はPC2bに接続すれば、許可条件を満たしたと判断して、アクセスを許可する。すなわち、USBメモリ1は、PC2aとの接続を解除してから、設定時間内に接続すれば、パスワードが入力されなくても、情報の入出力を許可する。
【0016】
なお、情報処理装置は、PC2a、PC2bに限定されず、スマートフォンやタブレット型の情報処理装置等の、外付けの記憶装置と接続可能なインタフェースを備えた装置であればどの様なものであってもよい。また、記憶装置は、USBメモリに限定されず、例えば外付け型のHDD(Hard Disk Drive)等でもよい。
【0017】
次に、USBメモリ1について図を参照して説明する。図2は、USBメモリ1の主要構成を示すブロック構成図である。図3は、USBメモリ1の外観を示す斜視図である。
【0018】
USBメモリ1は、図2に示すように、制御部10と、フラッシュメモリ(ROM)11と、RAM12と、インタフェース13と、テンキー141を有するパスワード受付部14とを備えている。この例でいう、インタフェース13は、本発明の接続端子に相当する。また、この例でいう、ROM11及びRAM12は、本発明の記憶部に相当する。また、この例でいう、テンキー141は、本発明の操作子に相当する。
【0019】
また、USBメモリ1は、図3に示すように、本体15をさらに備えている。この例では、インタフェース13は、本体15の一面に設けられている。本体15には、回路基板(図示せず)が収納されている。インタフェース13は、当該回路基板と電気的に接続されている。
【0020】
USBメモリ1のインタフェース13は、PC2a及びPC2bに設けられているUSB用インタフェースに挿入する。これにより、USBメモリ1は、PC2a及びPC2bと接続する。
【0021】
この例では、パスワード受付部14は、本体15の外面に配置されるテンキー141を介してユーザからパスワードを受け付ける。パスワード受付部14は、受け付けたパスワードを制御部10に入力する。
【0022】
パスワードは、ユーザによって決められた任意の値であってもよい。また、パスワードは、ROM11に予め記憶されていてもよい。
【0023】
ROM11は、PCから受信したファイル等のデータ(以下、指定情報と称する。)を記憶している。また、ROM11は、動作用プログラム、パスワード及び設定時間を記憶している。設定時間は、例えば10秒である。
【0024】
制御部10は、USBメモリ1を統括的に制御する。制御部10は、ROM11に記憶された動作用プログラムをRAM12に読み出す。これにより、制御部10は、各種の動作を行なう。
【0025】
制御部10は、インタフェース13を介するPCとの接続を解除した後、設定時間内にPCに接続された場合、パスワードによる本体認証を行わない。すなわち、制御部10は、PCの接続が解除されて、設定時間内に再びPCに接続された場合、指定情報の入出力を許可する。これにより、ユーザは、PCとの接続が解除しても、短時間であれば、パスワードを入力しなくても、USBメモリ1を利用することができる。よって、ユーザは、例えば、PC2aからPC2bに、短時間の間にデータを移行したい場合に便利である。
【0026】
また、制御部10は、PCとの接続が解除されてから設定時間が経過した後、パスワードを使用してUSBメモリ1の本体認証を行う。制御部10は、パスワード受付部14がユーザによるパスワードを受け付けると、RAM12に予め記憶されていたパスワードと、パスワード受付部14が受け付けたパスワードとを比較する。制御部10は、パスワード受付部14が受け付けたパスワードが正しい場合、RAM12に記憶されている指定情報の入出力を許可する。
【0027】
一方、制御部10は、パスワード受付部14が正しいパスワードを受け付けるまで、指定情報の入出力を許可しない。すなわち、USBメモリ1は、PCとの接続が解除されて設定時間が経過した後、パスワード受付部14が正しいパスワードを受け付けるまで、指定情報に対するアクセスを禁止する。したがって、USBメモリ1は、紛失、盗難などの場合に、データの流出を防止することができる。
【0028】
次に、図4は、PC2aの主要な構成を示すブロック構成図である。PC2a及びPC2bは同じ構成であるため、PC2aを代表して説明する。
【0029】
PC2aは、図4に示すように、CPU20と、記憶部(ROM)21と、RAM22と、情報インタフェース(情報I/F)部23と、ユーザインタフェース(ユーザI/F)24と、表示部25とを備える。
【0030】
情報I/F部23は、USBメモリ1と接続可能なUSB用インタフェース(図示せず)を備えている。情報I/F部23は、USBメモリ1が接続されたか否かを検出する。この例でいう情報I/F部23は、本発明の接続部に相当する。
【0031】
ユーザI/F24は、例えば、キーボード、マウス、又はタッチパネル等であって、ユーザの操作を受け付ける。
【0032】
表示部25は、例えば、USBメモリ1に記憶されている指定情報に係る画面を表示器に表示させる。
【0033】
CPU20は、PC2aを統括的に制御する。CPU20は、ROM21に記憶された所定のプログラムをRAM22に読み出す。これにより、CPU20は、各種の動作を行なう。
【0034】
CPU20は、情報I/F部23を介してUSBメモリ1が接続されたことを検出した場合、USBメモリ1のROM11に記憶されている指定情報をユーザによる操作に基づいて処理する。
【0035】
次に、USBメモリ1の動作について、図5を参照して説明する。図5は、USBメモリ1の動作を示すフローチャートである。この例では、PC2aに接続されていたUSBメモリ1が、PC2aとの接続を解除して、PC2bに接続するまでの動作について説明する。なお、以下のUSBメモリ1の動作は一例であって、これに限定されるものではない。
【0036】
USBメモリ1の制御部10は、インタフェース13を介してPC2aとの接続を解除したと判断すると(S11:Yes)、設定時間(10秒)が設定されたタイマのカウントを開始する(S12)。制御部10は、インタフェース13を介して10秒内にPC2bに接続されると(S13:Yes、S14:Yes)、PC2bとの情報の入出力を許可する(S15)。
【0037】
一方、制御部10は、インタフェース13が10秒内にPC2bに接続しなければ(S14:No)、正しいパスワードを受け付けるまで、PC2bとの指定情報の入出力を許可しない(S16:No、S17:No)。パスワード受付部14が、正しいパスワードを受け付けると(S16:Yes、S17:Yes)、PC2bとの指定情報の入出力を許可する(S15)。
【0038】
本実施形態の情報処理システム100は、USBメモリ1がPC2aとの接続を解除してから設定時間が経過するまでに、PC2bと接続していれば、ユーザによるパスワードの入力がなくても、指定情報の入出力を許可する。したがって、ユーザは、短時間であればデータの移行などを簡単に行うことができ、一方で、紛失、盗難などの場合にも、データの漏洩を防止することができる。
【0039】
なお、設定時間は、10秒に限定されない。設定時間は、PC2a等の専用のアプリケーションプログラムを用いて、ユーザが自由に設定することができる。
【0040】
また、バッテリを内蔵するUSBメモリは、PCと接続していない状態であってもタイマのカウントを開始することができる。この場合、図5に示すフローチャートのS13とS14の順番は、逆でもよい。バッテリを内蔵するUSBメモリは、PCとの接続を解除してから設定時間(例えば、10秒)内、データの入出力を許可する状態を保持する。すなわち、バッテリを内蔵するUSBメモリは、PCとの接続を解除してから設定時間以内に限り、データの入出力を許可する状態を維持することができる。
【0041】
また、本実施形態の情報処理システム100では、パスワードによる認証を示したが、入出力許可操作は、指紋認証などの他の手法を用いてもよい。
【0042】
(変形例1)
変形例1の情報処理システム100のUSBメモリ1Aについて説明する。なお、上述の実施形態のUSBメモリ1と同じ構成には、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0043】
図6は、変形例1のUSBメモリ1Aの主要な構成を示すブロック構成図である。図7は、変形例1のUSBメモリ1Aの外観を示す斜視図である。図8は、変形例1のUSBメモリ1Aの動作を示すフローチャートである。
【0044】
変形例1のUSBメモリ1Aは、許可条件として、設定時間に加え、延長キー161を使用する。この例でいう、延長キー161は、本発明の特定の操作子に相当する。
【0045】
変形例1のUSBメモリ1Aは、図6に示すように、延長キー161を有する延長キー受付部16をさらに備える。この例では、延長キー161は、図7に示すように、本体15の外面に設けられている。延長キー受付部16は、本発明のユーザインタフェース部の一例である。
【0046】
延長キー受付部16は、延長キー161が押下されているか否かを検出する。延長キー受付部16は、延長キー161が押下されていれば、その旨を示す情報(延長キー押下検出情報)を制御部10に入力する。また、延長キー受付部16は、延長キー161の押下解除を検出する。この場合、延長キー受付部16は、延長キー161の押下が解除した場合、その旨を示す情報(延長キー解除情報)を制御部10に入力する。
【0047】
制御部10は、例えば、PCとの接続を解除してから、設定時間(10秒)内であり、かつ連続的に延長キー161が押下されていることを条件に、ユーザによるパスワードの入力がなくても、PCとの指定情報の入出力を許可する。すなわち、制御部10は、設定時間(10秒)内にPCと接続した場合であっても、延長キー161の解除を検出した場合、PCとの指定情報の入出力を許可しない。
【0048】
変形例1のUSBメモリ1Aの動作について、図8を参照して説明する。この例では、USBメモリ1Aが、PC2aとの接続を解除して、PC2bに接続するまでの動作について説明する。以下のUSBメモリ1Aの動作は一例であって、これに限定されない。
【0049】
制御部10は、延長キー161が押下され(S21:Yes)、PC2aとの接続を解除したと判断した場合(S22:Yes)、設定時間(10秒)のタイマのカウントを開始する(S23)。制御部10は、PC2bに接続するまでに、延長キー受付部16を介して延長キー161の解除を検出した場合(S24:No)、正しいパスワードを受け付けるまで、PC2bとの指定情報の入出力を許可しない(S16:No、S17:No)。
【0050】
一方、制御部10は、PC2bに接続するまで延長キー161が連続的に押下され(S24:Yes、S13:Yes)、PC2bとの接続が10秒以内に行われていれば(S14:Yes)、PC2bとの指定情報の入出力を許可する(S15)。
【0051】
変形例1のUSBメモリ1Aは、PC2aとの接続を解除してから、設定時間(10秒)内にPC2bと接続し、かつ接続するまで連続的に延長キー161が押下されていれば、PC2bとの指定情報の入出力を許可する。これにより、変形例1のUSBメモリ1Aは、情報のセキュリティ機能をより向上しつつ、利便性も向上することができる。
【0052】
なお、本発明の特定の操作子は、延長キー161に限らない。例えば、USBメモリ1Aは、テンキー141のうち1つ以上の任意のキーを延長キーとして構成してもよい。この場合、ユーザは、PCのアプリケーションプログラムを用いて、延長キーとして利用するキーを選択することができる。
【0053】
また、USBメモリ1Aは、任意の複数のキーを延長キーとして構成してもよい。この場合においても、ユーザは、PCのアプリケーションプログラムを用いて、複数のキーを延長キーとして選択する。この場合において、USBメモリ1Aは、テンキー141及び延長キー161の両方を延長キーとして構成してもよい。
【0054】
この様に、USBメモリ1Aは、複数のキーのうち1つ以上の任意のキーを延長キー(特定の操作子)として選択することができる。これにより、USBメモリ1Aは、利用者の利便性を向上しながらも、セキュリティ機能をより向上できる。
【0055】
(変形例2)
変形例2のUSBメモリ1Bについて、図を参照して説明する。図9は、USBメモリ1Bの主要な構成を示すブロック構成図である。図10は、USBメモリ1Bの外観を示す斜視図である。
【0056】
変形例2のUSBメモリ1Bは、図9に示すように、変形例1のUSBメモリ1Aの構成にLED17をさら備えている。この例でいう、LED17は、本発明の発光素子の一例である。なお、上述の変形例1のUSBメモリ1Aと同じ構成には、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0057】
LED17の発光は、制御部10によって制御される。LED17は、例えば、本体15内に収納されている回路基板(図示せず)に、設けられている。LED17は、例えば、図10に示すように、本体15に設けられた孔から本体15の外に光を照射する。
【0058】
制御部10は、LED17の発光を制御する。制御部10は、例えば、インタフェース13がPC2aとの接続を解除してから、設定時間(10秒)が経過するまでの間、2秒間隔で点灯と消灯とを繰り返すようにLED17を制御する。
【0059】
制御部10は、LED17が点灯しているタイミングに延長キー161が押下され、インタフェース13がPC2bに接続した場合、PC2bとの指定情報の入出力を許可する。
【0060】
このように、変形例2のUSBメモリ1Bは、LED17の点灯パターンに合わせて、延長キー161が押下されることで、PCとの指定情報の入出力を許可する。これにより、変形例2のUSBメモリ1Bは、情報のセキュリティ機能をさらに確保しつつ、利便性をより向上することができる。
【0061】
なお、LED17の点灯と消灯の間隔は、2秒に限定されない。LED17の点灯と消灯の間隔は、ユーザにとって、LED17が点灯している間に延長キー161を押下できる時間であればよい。
【0062】
(変形例3)
変形例3のUSBメモリ1Aについて、図を参照して説明する。図11は、変形例3のUSBメモリ1Aの動作のフローチャートである。変形例3のUSBメモリ1Aは、許可条件として、上述の正規のパスワードよりも桁数の短い短縮パスワードを使用する。なお、上述の変形例1のUSBメモリ1Aと同じ構成には、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0063】
パスワード受付部14(図6参照)は、短縮パスワードを受け付ける。短縮パスワードは、例えば、正規のパスワードの先頭2桁の数字である。
【0064】
制御部10は、パスワード受付部14が受け付けた短縮パスワードと、正規のパスワードの先頭2桁の数字とを比較する。制御部10は、短縮パスワードが正しければ、PCとの指定情報の入出力を許可する。
【0065】
変形例3のUSBメモリ1Aの動作について、図11を参照して説明する。なお、この例では、変形例3のUSBメモリ1Aが、PC2aとの接続を解除して、PC2bに接続するまでの動作について説明する。以下で説明する変形例3のUSBメモリ1Aの動作は一例であって、これに限定されない。
【0066】
変形例3のUSBメモリ1Aの制御部10は、設定時間(10秒)のタイマのカウントを開始した後(S23)、延長キー161が解除され(S31:Yes)、かつパスワード受付部14が短縮パスワードを受け付けた場合(S32:Yes)、パスワード受付部14が受け付けた短縮パスワードとROM11に記憶されている正規のパスワードの先頭2桁とを比較する(S33)。制御部10は、受け付けた短縮パスワードが正しく(S33:Yes)、かつインタフェース13がPC2bに、設定時間(10秒)以内に接続されていれば(S34:YES、S35:YES)、PC2bとの指定情報の入出力を許可する(S15)。
【0067】
一方、制御部10は、受け付けた短縮パスワードが正しくなければ(S33:No)、正しいパスワード(正規のパスワード)を受け付けるまで、PC2bとの指定情報の入出力を許可しない(S16:No、S17:No)。また、制御部10は、インタフェース13が10秒以内にPC2bと接続されていなければ(S33:No)、正しいパスワード(正規のパスワード)を受け付けるまで、PC2bとの指定情報の入出力を許可しない(S16:No、S17:No)。
【0068】
このように、変形例3のUSBメモリ1Aは、短縮パスワードを使用することで、情報のセキュリティをさらに向上することができ、かつ利便性を向上することができる。
【0069】
なお、短縮パスワードは、パスワードの一部を使用する例に限定されず、正規のパスワードよりも簡易なものであれば、どのような値でもよい。
【0070】
(変形例4)
変形例4のUSBメモリ1について説明する。変形例4のUSBメモリ1は、インタフェース13がPC2aとの接続を解除してから設定時間が経過するまでの間、インタフェース13の状態に応じて、設定時間を無効にする。なお、上述の実施形態のUSBメモリ1と同じ構成には、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0071】
例えば、制御部10は、USBメモリ1の端子を覆うキャップを有する場合、当該キャップが端子を覆った場合、設定時間を無効にする。また、制御部10は、USBメモリ1の端子がスライドして本体に収納されるノック式(スライド式)の場合、端子が本体15に収納されると、設定時間を無効にする。
【0072】
このように、変形例4のUSBメモリ1は、インタフェース13の状態に応じて、設定時間を無効にすることができる。これにより、10秒経過前に設定時間の監視を停止することができ、USBメモリ1の消費電力を低減することができる。
【0073】
(変形例5)
変形例5の情報処理システム100について説明する。変形例6の情報処理システム100は、PCに予めインストールされたアプリケーションプログラムの機能を使用する。この例では、PC2a(又はPC2b)は、アプリケーションプログラムの機能を使用して、USBメモリ1の設定時間等の許可条件の設定を行う。
【0074】
表示部25は、インストールしたアプリケーションプログラムに係る画面を表示器に表示させる。ユーザI/F24は、ユーザからの操作を受け付ける。CPU20は、ユーザI/F24から受け付けた内容に基づいて、許可条件の設定を行う。変形例5のUSBメモリ1の制御部10は、PCから許可条件を取得して、許可条件を満たすように自装置を制御する。以下、この例における、CPU20が設定する許可条件を列挙する。
【0075】
(1)設定時間を短時間(10秒)とし、USBメモリ1が10秒以内にPCに接続されれば、ユーザによるパスワードの入力を不要とする(上述の実施形態の許可条件)。
【0076】
(2)設定時間を長時間(3分)とし、USBメモリ1が3分以内にPC2bに接続されれば、読み取り専用の場合のみ、ユーザによるパスワードの入力不要とする。
【0077】
(3)USBメモリ1との接続が解除されてから次回の接続時のみ、パスワードの入力を不要とする。
【0078】
(4)簡易パスワードによる認証を利用する。
【0079】
このように、変形例5の情報処理システム100は、PCのアプリケーションプログラムを用いて許可条件の設定を行うことができるため、利便性を向上することができる。
【0080】
(変形例6)
変形例6の情報処理システム100Aについて、図を参照して説明する。図12は、変形例6に係る情報処理システム100Aの構成を示す概略図である。図13は、サーバ3、PC2b及びUSBメモリ1の動作を示す図である。なお、上述の実施形態の情報処理システム100と同じ構成には、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0081】
情報処理システム100Aは、実施形態の情報処理システム100において、サーバ3をさらに備えている。サーバ3は、本発明の管理装置の一例である。
【0082】
変形例の情報処理システム100Aでは、サーバ3が、PC2a、2bを介して、USBメモリ1の本体認証を行う。サーバ3は、PC2a及びPC2bを介して、記憶装置情報を取得する。記憶装置情報は、USBメモリ1の固有識別情報(例えば製造番号等のID)である。
【0083】
サーバ3は、記憶装置情報に基づいて、USBメモリ1の本体認証を行う。この場合、サーバ3は、記憶装置情報に含まれる、USBメモリ1のIDに基づいてPCとの指定情報の入出力を許可するか否かを判定する。
【0084】
PC2a及びPC2bは、サーバ3と通信する。この例では、PC2bは、専用のアプリケーションプログラムを用いてサーバ3から判定結果を受信する。
【0085】
なお、サーバ3は、USBメモリ1の記憶装置情報だけでなく、通信日時、通信したPC、通信したPCの設置場所、又は通信したPCを使用しているユーザ名などの情報をPCから受信してもよい。この場合サーバ3は、これらの情報に基づいて本体認証を行ってもよい。
【0086】
図13では、USBメモリ1がPC2aとの接続を解除した後に、PC2bに接続する際の動作について説明する。なお、図13で示される例は、一例であって、これに限定されない。
【0087】
USBメモリ1は、インタフェース13がPC2aとの接続を解除してから、設定時間が経過するまでの間にPC2bに接続した場合、USBメモリ1に関する記憶装置情報を出力する(S41)。PC2bは、USBメモリ1から取得した記憶装置情報をサーバ3に送信する(S42)。
【0088】
サーバ3は、PC2bから記憶装置情報を受信する。サーバ3は、受信した記憶装置情報に基づいてUSBメモリ1の本体認証を行う(S43)。すなわち、サーバ3は、USBメモリ1に対して、PC2bとの指定情報の入出力を許可するか否か判定する。サーバ3は、判定結果をPC2bに送信する(S44)。USBメモリ1は、PC2bから判定結果を受け取る(S45)。USBメモリ1は、判定結果に基づいて、PC2bとの指定情報の入出力が許可されたかどうか判定する(S46)。USBメモリ1は、サーバ3によってPC2bとの指定情報の入出力が許可されていれば(S46:Yes)、PC2bとの指定情報の入出力を許可する(S47)。
【0089】
一方、USBメモリ1は、PC2bとの指定情報の入出力が許可されていなければ(S46:No)、PC2bとの指定情報の入出力を許可しない。
【0090】
変形例6の情報処理システム100Aでは、サーバ3がUSBメモリ1の本体認証を行う。
【0091】
なお、上述の実施形態及び変形例のUSBメモリ1、USBメモリ1A、又はUSBメモリ1Bは、指定情報の入出力の許可条件に関する情報(条件設定情報)を記憶していてもよい。この場合、PCは、条件設定情報をUSBメモリから取得する。PCは、条件設定情報に基づいて、USBメモリに指定情報の入出力を許可させる。
【符号の説明】
【0092】
1、1A、1B…USBメモリ(記憶装置)
2a、2b…PC(情報処理装置)
3…サーバ(管理装置)
10…制御部
12…RAM(記憶部)
13…インタフェース(接続端子)
16…延長キー受付部(ユーザインタフェース部)
17…LED(発光素子)
23…I/F部(接続部)
100、100A…情報処理システム
161…延長キー(操作子)
図1
図2
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図10
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図12
図13