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  • 特許-水平搬送台車 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】水平搬送台車
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/24 20060101AFI20230502BHJP
   B61B 13/00 20060101ALI20230502BHJP
   B61D 47/00 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
B66F9/24 P
B61B13/00 A
B61D47/00 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019143390
(22)【出願日】2019-08-02
(65)【公開番号】P2021024688
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木下 優司
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 俊介
(72)【発明者】
【氏名】谷 卓
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-32227(JP,A)
【文献】特開平11-021098(JP,A)
【文献】特開2001-253699(JP,A)
【文献】特開平09-175798(JP,A)
【文献】実開平02-119500(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0015537(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/24
B61B 13/00
B61D 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被搬送物を水平搬送するための水平搬送台車であって、
荷取りした前記被搬送物を預けるための台座部を有し、駆動輪および操舵輪を備えた台車本体と、
前記台車本体に取り付けられ、前記被搬送物を外部から前記台座部に荷取り/荷下ろしするためのフォークリフト部と、
前記フォークリフト部を前後方向に伸縮する伸縮機構と、
前記フォークリフト部を上下方向に昇降する昇降機構と、
前記駆動輪、前記伸縮機構及び前記昇降機構を制御する制御部と、
を備え、
前記フォークリフト部は、フォークの基部に前記被搬送物に対する前記フォークの異なるフォーク差込量を検出する複数の差込量検出センサが配置され、
前記制御部は、前記被搬送物に対応した1つの前記差込量検出センサの検出結果をもとに、前記伸縮機構を制御して前記フォークの差込量を制御することを特徴とする水平搬送台車。
【請求項2】
前記差込量検出センサは、ストライカー付きの近接センサであり、前記フォークの基部側に並列配置されることを特徴とする請求項1に記載の水平搬送台車。
【請求項3】
前記制御部は、外部の管理サーバから送られる前記被搬送物に対するフォーク差込量を含む制御情報をもとに、1つの前記差込量検出センサを選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の水平搬送台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設現場などにおいて資機材などの被搬送物を水平搬送する水平搬送台車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設業において労働者不足を補うために作業の自動化が求められており、中でも多くの人工がかかっている資材搬送はその筆頭である。資材搬送を自動化する上で自走台車を用いるケースは多く、特に現場条件に適した自走台車が採用される傾向にある。こうした自走台車として、例えば特許文献1に示すような台車が知られている。
【0003】
上述した特許文献1の台車等は、フォークリフト部のフォークを被搬送物に差し込む際、フォークの根元部分に近接センサあるいはリミットスイッチに繋がったストライカーを設け、被搬送物のストライカーへの接触を検知することによってフォーク差込量を制御していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平06-32227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、被対象物によっては、フォーク差込量を変えたい場合がある。例えば、一般に、スイッチ付きストライカーは、様々な高さを有する被対象物の検出を可能にするため、低い位置に配置される。ここで、被対象物の形状が、フォーク差込側上部が底部に比して突出している場合、フォーク差込側上部がフォークリフト部の根元部分の立設部に当接しているにもかかわらず、スイッチ付きストライカーが検知しないため、フォークの差込動作が続けられてしまう。また、被対象物の重心位置によっても、フォーク差込量を変えたい場合もある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、被対象物に対するフォークの差込量を可変に設定することができる水平搬送台車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る水平搬送台車は、被搬送物を水平搬送するための水平搬送台車であって、荷取りした前記被搬送物を預けるための台座部を有し、駆動輪および操舵輪を備えた台車本体と、前記台車本体に取り付けられ、前記被搬送物を外部から前記台座部に荷取り/荷下ろしするためのフォークリフト部と、前記フォークリフト部を前後方向に伸縮する伸縮機構と、前記フォークリフト部を上下方向に昇降する昇降機構と、前記駆動輪、前記伸縮機構及び前記昇降機構を制御する制御部と、を備え、前記フォークリフト部は、フォークの基部に前記被搬送物に対する前記フォークの異なるフォーク差込量を検出する複数の差込量検出センサが配置され、前記制御部は、前記被搬送物に対応した1つの前記差込量検出センサの検出結果をもとに、前記伸縮機構を制御して前記フォークの差込量を制御することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る他の水平搬送台車は、上記の発明において、前記差込量検出センサは、ストライカー付きの近接センサであり、前記フォークの基部側に並列配置されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る他の水平搬送台車は、上記の発明において、前記制御部は、外部の管理サーバから送られる前記被搬送物に対するフォーク差込量を含む制御情報をもとに、1つの前記差込量検出センサを選択することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、被対象物に対するフォークの差込量を可変に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施の形態である水平搬送台車の概略構成を示す正面図である。
図2図2は、本発明の実施の形態である水平搬送台車の概略構成を示す平面図である。
図3図3は、フォークの差込量を大きくした場合の差込動作の一例を示す説明図である。
図4図4は、フォークの差込量を小さくした場合の差込動作の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照して、本発明に係る水平搬送台車の実施の形態について詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
図1及び図2に示すように、本発明に係る水平搬送台車10は、資機材などの荷(被搬送物)を水平搬送するための台車であって、台車本体11と、フォークリフト部12とを有する。
【0014】
台車本体11は、荷取りした被搬送物を預けるための台座部11bを有し、操舵輪13及び駆動輪14を有する。台座部11bの左右(X方向)両側の表面11aには、被搬送物が載置される。
【0015】
操舵輪13及び駆動輪14は、台車本体11の下面の四隅側に設けられる。操舵輪13は、台車本体11の下面の前側左右に位置し、電動で、水平搬送台車10を自在に移動させるためのものである。駆動輪14は、台車本体11の下面の後側左右に位置し、電動で、水平搬送台車10と水平搬送台車10に積載された荷の荷重を支えながら水平搬送台車10を自在に移動させるためのものである。この操舵輪13も、水平搬送台車10と水平搬送台車10に積載された荷の荷重を支える。水平搬送台車10の自在な動きを実現するために、操舵輪13と駆動輪14は互いに独立して操舵される。
【0016】
フォークリフト部12は、図示しないヤードから荷(被搬送物)を水平搬送台車10に荷取り/荷下ろしするためのものであり、伸縮機構15及び昇降機構16を介して台車本体11に取り付けられる。このフォークリフト部12は、前後方向(Y方向)に平行に配置され、前後方向に延びる2本の長尺箱状のフォーク12aと、フォーク12aの基端(=Y方向側端部)に立壁部とを有する。また、フォークリフト部12は、台車本体11の中央部に配置される。
【0017】
制御部17は、被搬送物の荷取りを行う場合、フォークリフト部12のフォーク12a側を、伸縮機構15によって被搬送物側(Y方向)に移動させて被搬送物の下側にフォーク12aを差し込む。その後、制御部17は、昇降機構16によってフォークリフト部12を上昇して被搬送物をフォーク12aで取り上げる。その後、制御部17は、伸縮機構15によって、被搬送物が載置されたフォークリフト部12を後方(-Y方向)に引き、その後、昇降機構16によってフォークリフト部12を下降し、被搬送物を台座部11bの表面11a上に載置し、さらに下降してデフォルト位置に戻る。
【0018】
なお、制御部17は、被搬送物の荷下ろしを行う場合、荷取りの逆順にフォークリフト部12を駆動する。
【0019】
(差込量検出センサ)
図1及び図2に示すように、フォーク12aの基部側の立壁部に複数のストライカー21,22が左右方向(X方向)に並列配置される。各ストライカー21,22は、軸23を介した一端の検知板21a,22aを介してそれぞれ近接センサ21b,22bに結合している。ストライカー21の前方向(Y方向)端は、ストライカー22の前方向端よりも前方向に位置する。したがって、フォーク12aを被搬送物側に差し込む際、最初にストライカー21が被搬送物に接触し、その後、ストライカー22が被搬送物に接触する。すなわち、ストライカー21が検知するフォーク12aの差込量は、ストライカー22が検知するフォーク12aの差込量よりも小さい。なお、ストライカー21、軸23、検知板21a、近接センサ21bは、1つの差込量検出センサとして機能し、ストライカー22、軸23、検知板22a、近接センサ22bは、1つの差込量検出センサとして機能する。また、各差込量検出センサは、ストライカー付き近接センサである。
【0020】
制御部17は、外部の管理サーバ100から送られる被搬送物に対するフォーク差込量を含む制御情報をもとに、1つの差込量検出センサを選択して荷取りを行わせる。すなわち、制御部17は、選択した1つの差込量検出センサの検出結果のみを有効としてフォーク12aの差込量を制御する。
【0021】
(差込量を大きくする場合)
図3は、フォーク12aの差込量を大きくした場合の差込動作の一例を示す説明図である。図3(a)に示すように、まずフォークリフト部12は、台車本体11とともに、荷101に近接する。その後、図3(b)に示すように、フォークリフト部12を前方(Y方向)に伸ばしてフォーク12aを荷101の下側に差し込む。この際、ストライカー22を含む差込量検出センサが選択されている。最初にストライカー21が荷101に接触して、近接センサ21bが検知状態となるが、ストライカー21の検知は無視される。その後、ストライカー22が荷101に接触して、近接センサ22bが検知状態となるため、フォーク12aの差込動作が停止する。
【0022】
(差込量を小さくする場合)
図4は、フォーク12aの差込量を小さくした場合の差込動作の一例を示す説明図である。図4(a)に示すように、まずフォークリフト部12は、台車本体11とともに、荷102に近接する。その後、図4(b)に示すように、フォークリフト部12を前方(Y方向)に伸ばしてフォーク12aを荷102の下側に差し込む。この際、ストライカー21を含む差込量検出センサが選択されている。最初にストライカー21が荷102に接触して、近接センサ21bが検知状態となるため、フォーク12aの差込動作が停止する。なお、その後、ストライカー22が荷102に接触して、近接センサ22bが検知状態となるが、この検知状態は無視される。
【0023】
なお、上記の実施の形態では、2つの差込量を設定するために2つの差込量検出センサを設けたが、差込量が異なる3以上の差込量検出センサを並列配置してもよい。
【0024】
本実施の形態では、差込量の検知が異なる複数の差込量検出センサを並列配置しているので、被対象物の形状あるいは重心に応じたフォーク差込量を簡易な構成で可変にすることができる。
【符号の説明】
【0025】
10 水平搬送台車
11 台車本体
11a 表面
11b 台座部
12a フォーク
12 フォークリフト部
13 操舵輪
14 駆動輪
15 伸縮機構
16 昇降機構
17 制御部
21,22 ストライカー
21b,22b 近接センサ
21a,22a 検知板
23 軸
100 管理サーバ
101,102 荷
図1
図2
図3
図4