(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】デジタル制御された基準光源を使用する雷直接効果(LDE)試験システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/67 20060101AFI20230502BHJP
B64F 5/60 20170101ALI20230502BHJP
G01W 1/16 20060101ALN20230502BHJP
【FI】
G01N21/67 A
B64F5/60
G01W1/16 F
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019165917
(22)【出願日】2019-09-12
【審査請求日】2022-09-08
(32)【優先日】2018-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】コスラバニ, シャハリアル
【審査官】横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-049025(JP,A)
【文献】特開2018-013470(JP,A)
【文献】特開2003-152247(JP,A)
【文献】特開2012-242307(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0258090(US,A1)
【文献】米国特許第9514917(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/62 - G01N 21/74
B64F 1/00 - B64F 5/60
G01W 1/00 - G01W 1/18
G01N 17/00 - G01N 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験チャンバ(14)、
前記試験チャンバ(14)内に配置された試験物(22)、
キャパシタ線(41)を介して前記試験物(22)に接続された少なくとも1つのキャパシタ(40)であって、前記試験物(22)上にスパーク(48)を生成するために、雷撃(70)をシミュレートする電流(38)を前記試験物(22)の中に注入するように動作可能であり、前記スパーク(48)がスパークスペクトル指標(50)を放出し、前記スパーク(48)がスパーク光強度(52)を有し、前記試験物(22)が前記電流(38)を接地(46)に消散させるアース線(44)に接続されている、少なくとも1つのキャパシタ(40)、
前記試験チャンバ(14)内に配置されたデジタル制御された基準光源(12)であって、試験される試験物(23)内の火花(66)の観察されたスパークスペクトル指標(56)をシミュレートする基準光源スペクトル指標(80)を放出するように動作可能であり、最小点火エネルギー(MIE)閾値(64a)に等しいエネルギー(62)を有する観察されたスパーク(54)の観察されたスパーク光強度(60)に等価な基準光源光強度(82)を有する、デジタル制御された基準光源(12)、
前記試験チャンバ(14)に位置決めされたカメラ(104)であって、前記試験物(22)及び前記デジタル制御された基準光源(12)に対面するカメラレンズ(105)を有し、前記スパーク(48)及び前記デジタル制御された基準光源(12)を検出するための視野(108)を有し、前記スパークスペクトル指標(50)、前記スパーク光強度(52)、前記基準光源スペクトル指標(80)、及び前記基準光源光強度(82)を含む、画像(110)をキャプチャするように動作可能なカメラ(104)、
前記デジタル制御された基準光源(12)をデジタル制御するように動作可能なコントローラ(120)を有するコントローラシステム(118)であって、電流センサプローブアセンブリ(128)を介して前記アース線(44)に接続された入力部(122)を有し、光ファイバーリンク(170)を介して前記デジタル制御された基準光源(12)に接続された出力部(124)を有するコントローラシステム(118)、並びに
前記カメラ(104)に接続されたコンピュータシステム(180)であって、前記画像(110)を受け取り、前記試験物(22)上の前記スパーク(48)の前記スパーク光強度(52)を測定し、それを前記デジタル制御された基準光源(12)の前記基準光源光強度(82)と比較することによって、前記試験物(22)向けの雷直接効果(LDE)試験基準(194)の合格結果(188)又は不合格結果(190)を判定するためのコンピュータシステム(180)を備える、雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
【請求項2】
前記試験チャンバ(14)内に配置された第1の鏡(112a)と第2の鏡(112b)であって、前記試験物(22)が前記第1の鏡(112a)と前記第2の鏡(112b)の間に位置決めされた状態で、それぞれ、互いに対向する角度付けされた位置(116)に位置決めされている、第1の鏡(112a)と第2の鏡(112b)を更に備える、請求項1に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
【請求項3】
前記試験物(22)が、重ね継ぎ手(22a)、パネル(22b)、及び航空機構造物(22c)のうちの1つを備え、各試験物(22)が、複合材料(24a)、金属材料(24b)、及び組み合わされた複合材料/金属材料(24c)のうちの1つを含む、試験物材料(24)から作製されている、請求項1又は2に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
【請求項4】
前記試験物(22)の中に注入された前記電流(38)が、雷直接効果(LDE)波形(38a)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
【請求項5】
前記デジタル制御された基準光源(12)が、前記観察されたスパーク(54)の観察されたRGB(赤、緑、青)光強度比(102)に等価なRGB(赤、緑、青)光強度比(100)を有するRGB LED(赤、緑、青の発光ダイオード)基準光源(88)を備えた、デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源(12a)を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
【請求項6】
前記RGB(赤、緑、青)光強度比(100)及び前記観察されたRGB(赤、緑、青)光強度比(102)が、1.0:0.3:0.1(R:G:B)の比(99)にある、赤(R)LED成分(94)、緑(G)LED成分(96)、及び青(B)LED成分(98)を含む、請求項5に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
【請求項7】
前記カメラ(104)が、デジタル一眼レフ(DSLR)カメラ(104b)を含むデジタルカメラ(104a)と、電荷結合素子(CCD)カメラ(104c)とのうちの一方を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
【請求項8】
前記コントローラ(120)が、マイクロコントローラ(120a)と、マイクロプロセッサ(120b)と、コンピュータコントローラ(120c)とのうちの1つを備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
【請求項9】
前記コントローラ(120)が、マイクロコントローラ(120a)を備え、放出される光(168)を生成するために、前記デジタル制御された基準光源(12)が、パルス持続時間変調(PDM)(158)前記マイクロコントローラ(120a)によって制御された、三色発光ダイオード(LED)基準光源(90)を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
【請求項10】
前記スパーク光強度(52)が、前記カメラ(104)によってキャプチャされた前記画像(110)内の前記基準光源光強度(82)未満である場合、前記試験物(22)が前記雷直接効果(LDE)試験基準(194)を通過し、前記スパーク光強度(52)が、前記カメラ(104)によってキャプチャされた前記画像(110)内の前記基準光源光強度(82)以上である場合、前記試験物(22)が前記雷直接効果(LDE)試験基準(194)を通過しない、請求項1から9のいずれか一項に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
【請求項11】
デジタル制御された基準光源(12)を使用する雷直接効果(LDE)試験システム(10)であって、
試験チャンバ(14)、
前記試験チャンバ(14)内に配置された試験物(22)、
キャパシタ線(41)を介して前記試験物(22)の第1の端部(28a)に接続された少なくとも1つのキャパシタ(40)であって、前記試験物(22)上にスパーク(48)を生成するために、雷撃(70)をシミュレートする電流(38)を前記試験物(22)の中に注入するように動作可能であり、前記スパーク(48)がスパークスペクトル指標(50)を放出し、前記スパーク(48)がスパーク光強度(52)を有する、少なくとも1つのキャパシタ(40)、
前記試験物(22)の第2の端部(28b)に接続されたアース線(44)であって、前記電流(38)を接地(46)に消散させるアース線(44)、
前記試験チャンバ(14)内に配置された第1の鏡(112a)と第2の鏡(112b)であって、前記試験物(22)が前記第1の鏡(112a)と前記第2の鏡(112b)の間に位置決めされた状態で、互いに対向する第1の鏡(112a)と第2の鏡(112b)、
前記試験物(22)の近傍の固定された座標位置(78a)で前記試験チャンバ(14)内に配置されたデジタル制御された基準光源(12)であって、試験される試験物(23)内で観察された火花(66)の観察されたスパークスペクトル指標(56)をシミュレートする基準光源スペクトル指標(80)を放出するように動作可能であり、最小点火エネルギー(MIE)閾値(64a)に等しいエネルギー(62)を有する観察されたスパーク(54)の観察されたスパーク光強度(60)に等価な基準光源光強度(82)を有する、デジタル制御された基準光源(12)、
前記試験チャンバ(14)に位置決めされたカメラ(104)であって、前記試験物(22)及び前記デジタル制御された基準光源(12)に対面するカメラレンズ(105)を有し、前記スパーク(48)及び前記デジタル制御された基準光源(12)を検出するための視野(108)を有し、前記スパークスペクトル指標(50)、前記スパーク光強度(52)、前記基準光源スペクトル指標(80)、及び前記基準光源光強度(82)を含む、画像(110)をキャプチャするように動作可能なカメラ(104)、
前記デジタル制御された基準光源(12)をデジタル制御するように動作可能なコントローラ(120)を有するコントローラシステム(118)、
前記アース線(44)と前記コントローラシステム(118)の間に接続された電流センサプローブアセンブリ(128)であって、電流センサプローブ(130)及びケーブル接続(132)を備えた、電流センサプローブアセンブリ(128)、
前記コントローラシステム(118)と前記デジタル制御された基準光源(12)の間に接続された光ファイバーリンク(170)、並びに
前記カメラ(104)に接続されたコンピュータシステム(180)であって、前記画像(110)を受け取り、前記試験物(22)上の前記スパーク(48)の前記スパーク光強度(52)を測定し、それを前記デジタル制御された基準光源(12)の前記基準光源光強度(82)と比較することによって、前記試験物(22)向けの雷直接効果(LDE)試験基準(194)の合格結果(188)又は不合格結果(190)を判定するためのコンピュータシステム(180)を備え、
前記スパーク光強度(52)が、前記カメラ(104)によってキャプチャされた前記画像(110)内の前記基準光源光強度(82)未満である場合、前記試験物(22)が前記雷直接効果(LDE)試験基準(194)を通過し、前記スパーク光強度(52)が、前記カメラ(104)によってキャプチャされた前記画像(110)内の前記基準光源光強度(82)以上である場合、前記試験物(22)が前記雷直接効果(LDE)試験基準(194)を通過しない、雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
【請求項12】
前記試験物(22)が、重ね継ぎ手(22a)、パネル(22b)、及び航空機構造物(22c)のうちの1つを備え、各試験物(22)が、複合材料(24a)、金属材料(24b)、及び組み合わされた複合材料/金属材料(24c)のうちの1つを含む、試験物材料(24)から作製されており、各試験物(22)が、少なくとも1つの金属製ファスナ(36a)を有する、請求項11に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
【請求項13】
前記デジタル制御された基準光源(12)が、前記観察されたスパーク(54)の観察されたRGB(赤、緑、青)光強度比(102)に等価なRGB(赤、緑、青)光強度比(100)を有するRGB LED(赤、緑、青の発光ダイオード)基準光源(88)を備えた、デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源(12a)を備える、請求項11又は12に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
【請求項14】
前記RGB(赤、緑、青)光強度比(100)及び前記観察されたRGB(赤、緑、青)光強度比(102)が、1.0:0.3:0.1(R:G:B)の比(99)にある、赤(R)LED成分(94)、緑(G)LED成分(96)、及び青(B)LED成分(98)を含む、請求項13に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
【請求項15】
雷直接効果(LDE)試験システム(10)を使用する雷直接効果(LDE)試験方法(220)であって、
試験チャンバ(14)、
前記試験チャンバ(14)内に配置された試験物(22)、
キャパシタ線(41)を介して前記試験物(22)の第1の端部(28a)に接続された少なくとも1つのキャパシタ(40)、
前記試験物(22)の第2の端部(28b)に接続されたアース線(44)、
前記試験物(22)の近傍の固定された座標位置(78a)で前記試験チャンバ(14)内に配置されたデジタル制御された基準光源(12)、
前記試験チャンバ(14)に位置決めされたカメラ(104)であって、前記試験物(22)及び前記デジタル制御された基準光源(12)に対面するカメラレンズ(105)を有するカメラ(104)、
電流センサプローブアセンブリ(128)を介して前記アース線(44)に接続された入力部(122)を有するコントローラシステム(118)であって、光ファイバーリンク(170)を介して前記デジタル制御された基準光源(12)に接続された出力部(124)を有するコントローラシステム(118)、及び
前記カメラ(104)に接続されたコンピュータシステム(180)を備える、前記雷直接効果(LDE)システム(10)を組み立てるステップ(222)、
前記試験物(22)上にスパーク(48)を生成するために、雷撃(70)をシミュレートする電流(38)を、前記少なくとも1つのキャパシタ(40)から前記試験物(22)の中に注入するステップ(224)であって、前記電流(38)を前記アース線(44)を介して接地(46)に消散させ、前記スパーク(48)がスパークスペクトル指標(50)を放出し、前記スパーク(48)がスパーク光強度(52)を有する、ステップ(224)、
前記電流(38)を検知し、電流検出信号(140)を前記コントローラシステム(118)に送信するために、前記電流センサプローブアセンブリ(128)を使用するステップ(226)、
前記デジタル制御された基準光源(12)をデジタル制御し、放出される光(168)を生成するために、パルス持続時間変調(PDM)(158)コントローラ(120)を有する前記コントローラシステム(118)を使用するステップ(228)、
前記光ファイバーリンク(170)を介して、前記放出される光(168)を前記コントローラシステム(118)から前記デジタル制御された基準光源(12)に転送するステップ(230)、
前記デジタル制御された基準光源(12)を用いて、試験される試験物(23)内で観察された火花(66)の観察されたスパークスペクトル指標(56)をシミュレートする基準光源スペクトル指標(80)を放出するステップ(232)であって、前記デジタル制御された基準光源(12)が、最小点火エネルギー(MIE)閾値(64a)に等しいエネルギー(62)を有する観察されたスパーク(54)の観察されたスパーク光強度(60)に等価な基準光源光強度(82)を有する、ステップ(232)、
前記カメラ(104)を用いて、前記スパークスペクトル指標(50)、前記スパーク光強度(52)、前記基準光源スペクトル指標(80)、及び前記基準光源光強度(82)を含む、画像(110)をキャプチャするステップ(234)、
前記画像(110)を前記カメラ(104)から前記コンピュータシステム(180)に転送するステップ(236)、並びに
前記コンピュータシステム(180)を用いて、前記試験物(22)上の前記スパーク(48)の前記スパーク光強度(52)を測定し、それを前記デジタル制御された基準光源(12)の前記基準光源光強度(82)と比較することによって、前記試験物(22)向けの雷直接効果(LDE)試験基準(194)の合格結果(188)又は不合格結果(190)を判定するステップ(238)を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、雷撃試験システム及び方法に関し、特に、航空機構造物用の試験物を試験するための雷直接効果(LDE)試験システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
胴体、主翼、尾部、外板、及び他の構造物を含む、航空機の様々な構造物を製造するために、複合材料が使用される。金属構造物と比較して、複合材構造物を使用することの課題は、雷の影響を受け易いことである。複合材料は、金属材料より導電性が低く、複合材料から作製された構造物は、金属材料から作製された構造物と比較して、素早く効率的に雷撃からの電荷又は電気エネルギーを消散させることが難しいという課題を有するだろう。航空機への雷撃は、蒸気を出す燃料混合物を点火するのに十分な電気アーク又は加熱をもたらすことがあるので懸念されている。
【0003】
航空機の製造業者たちは、雷撃保護用に航空機を設計し、継続的に試験している。雷撃又はアークの付着点において生じる航空機への物理的損傷、及びより一般的に構造物の中への電流の伝導によってもたらされる損傷は、通常、「雷直接効果(LDE)」と呼ばれる。雷撃又は雷イベントに対する保護向けの適用規制当局要件を有するコンプライアンスは、認可のために雷直接効果(LDE)試験を要求する。LDE試験システム及び方法は、通常、航空機構造物のモデル又は構成要素の形態を採り得る試験物を使用し、雷撃又はアークをシミュレート及び/又は生成するエネルギー放電に試験物を晒す。例えば、LDE試験システム及び方法は、雷撃シミュレータを使用してよい。
【0004】
良く知られているLDE試験システム及び方法には、通常、複合材試験物などの試験物で観察される火花又は高温粒子放出の光学指標と、連邦航空局(FAA)によるコンプライアンス用の適用基準である200μJ(マイクロジュール)以上の最小点火エネルギー(MIE)を放出するように調整された基準スパーカーの光学指標とを、比較することに基づいて合格するか又は不合格になる試験基準が含まれる。しかし、基準スパーカーが放出した光がスペクトルの上端、すなわち、青紫色にある一方で、複合材試験物で観察される火花又は高温粒子放出は、それらのイベントのスペクトル指標が、可視スペクトルの下端、すなわち、赤黄色に向かっていることを繰り返し示す。これは、これらの2つのシステムにおける光生成の性質の違いによるものである。更に、そのような良く知られているLDE試験システム及び方法の基準スパーカーは、相対湿度、周囲温度、宇宙線、及び他の環境要因などの、環境要因に依存することがある。
【0005】
更に、良く知られているLDE試験システム及び方法は、通常、試験物上のスパーク位置での光強度を決定するために、雷直接効果(LDE)試験中に撮像されたデジタル写真画像のユーザによる主観的な判断を含む。しかし、そのような主観的な判断は、エラーを起こし易く、不正確な結果が存在する場合、更なるLDE試験が必要とされ得るので、試験に遅れが生じることになる。
【0006】
更に、そのような良く知られているLDE試験システム及び方法は、基準スパーカーの画像を撮像するために使用されるカメラの較正に基づく場合があり、基準スパーカー及び観察される火花又は高温粒子放出の画像を撮像するために使用されるカメラの頻繁な較正が必要とされ得る。そのような良く知られているLDE試験システム及び方法の課題は、基準スパーカーの画像を生成することにおけるばらつき並びに頻繁なカメラの較正及び設定から生じる。更に、そのような良く知られているLDE試験システム及び方法を使用する、再現可能且つ信頼可能な基準スパーカーを取得することも困難であろう。
【0007】
したがって、再現可能で、正確で、自動化された、プログラム可能な、信頼できる、速い、設定及び使用方法が単純で、スパーク及び基準光源の画像を撮像するために使用されるカメラの頻繁なカメラ較正を必要としない、良く知られているシステム及び方法より優れた利点を有する、改良された雷直接効果(LDE)試験システム、及び改良された雷直接効果(LDE)試験方法が、当該技術分野で必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本開示の例示的な実施態様は、航空機構造物用の試験物などの試験物を試験するための改良された雷直接効果(LDE)試験システム及び改良された雷直接効果(LDE)試験方法を提供する。以下の詳細な説明で記載されるように、LDE試験システム及びLDE試験方法のバージョンは、良く知られているシステム及び方法より優れた重要な利点を提供することができる。
【0009】
1つのバージョンでは、雷直接効果(LDE)試験システムが提供される。LDE試験システムは、試験チャンバを備える。LDE試験システムは、試験チャンバ内に配置された試験物を更に備える。LDE試験システムは、試験物に接続された少なくとも1つのキャパシタを更に備える。少なくとも1つのキャパシタは、雷撃をシミュレートする電流を試験物の中に注入し、試験物上でスパークを生成するように動作可能である。スパークは、スパークスペクトル指標を放出し、スパークは、スパーク光強度を有する。試験物は、接地(ground)に電流を消散させるアース線に接続されている。
【0010】
LDE試験システムは、試験チャンバ内に配置されたデジタル制御された基準光源を更に備える。デジタル制御された基準光源は、試験される試験物内の火花の観察されたスパークスペクトル指標をシミュレートする、基準光源スペクトル指標を放出するように動作可能である。デジタル制御された基準光源は、最小点火エネルギー(MIE)閾値に等しいエネルギーを有する観察されたスパークの観察されたスパーク光強度に等価な基準光源光強度を有する。
【0011】
LDE試験システムは、試験チャンバに位置決めされたカメラを更に備える。カメラは、試験物及びデジタル制御された基準光源に対面するカメラレンズ、並びにスパーク及びデジタル制御された基準光源を検出するための視野を有する。カメラは、スパークスペクトル指標、スパーク光強度、基準光源スペクトル指標、及び基準光源光強度を含む、画像をキャプチャするように動作可能である。
【0012】
LDE試験システムは、デジタル制御された基準光源をデジタル制御するように動作可能なコントローラを有する、コントローラシステムを更に備える。コントローラシステムは、電流センサプローブアセンブリを介して、アース線に接続された入力部を有する。コントローラシステムは、光ファイバーリンクを介して、デジタル制御された基準光源に接続された出力部を有する。
【0013】
LDE試験システムは、カメラに接続されたコンピュータシステムを更に備える。該コンピュータシステムは、画像を受け取り、試験物上のスパークのスパーク光強度を測定し、それをデジタル制御された基準光源の基準光源光強度と比較することによって、試験物向けの雷直接効果(LDE)試験基準の合格結果又は不合格結果を判定するようになっている。
【0014】
別の1つのバージョンでは、デジタル制御された基準光源を使用する雷直接効果(LDE)試験システムが提供される。雷直接効果(LDE)試験システムは、試験チャンバを備える。
【0015】
LDE試験システムは、試験チャンバ内に配置された試験物を更に備える。LDE試験システムは、キャパシタ線を介して、試験物の第1の端部に接続された少なくとも1つのキャパシタを更に備える。少なくとも1つのキャパシタは、雷撃をシミュレートする電流を試験物の中に注入し、試験物上でスパークを生成するように動作可能である。スパークは、スパークスペクトル指標を放出し、スパークは、スパーク光強度を有する。
【0016】
LDE試験システムは、試験物の第2の端部に接続されたアース線を更に備える。アース線は、電流を接地に消散させる。LDE試験システムは、試験チャンバ内に配置された第1の鏡と第2の鏡であって、試験物が第1の鏡と第2の鏡の間に位置決めされた状態で、互いに対向する第1の鏡と第2の鏡を更に備える。
【0017】
LDE試験システムは、試験物の近傍の固定された座標位置で試験チャンバ内に配置された、デジタル制御された基準光源を更に備える。デジタル制御された基準光源は、試験される試験物内で観察された火花の観察されたスパークスペクトル指標をシミュレートする、基準光源スペクトル指標を放出するように動作可能である。デジタル制御された基準光源は、最小点火エネルギー(MIE)閾値に等しいエネルギーを有する観察されたスパークの観察されたスパーク光強度に等価な基準光源光強度を有する。
【0018】
LDE試験システムは、試験チャンバに位置決めされたカメラを更に備える。カメラは、試験物及びデジタル制御された基準光源に対面するカメラレンズを有する。カメラは、スパーク及びデジタル制御された基準光源を検出するための視野を有する。カメラは、スパークスペクトル指標、スパーク光強度、基準光源スペクトル指標、及び基準光源光強度を含む、画像をキャプチャするように動作可能である。
【0019】
LDE試験システムは、デジタル制御された基準光源をデジタル制御するように動作可能なコントローラを有する、コントローラシステムを更に備える。LDE試験システムは、アース線とコントローラシステムの間に接続された電流センサプローブアセンブリを更に備える。電流センサプローブアセンブリは、電流センサプローブ及びケーブル接続を備える。LDE試験システムは、コントローラシステムとデジタル制御された基準光源との間に接続された光ファイバーリンクを更に備える。
【0020】
LDE試験システムは、カメラに接続されたコンピュータシステムを更に備える。該コンピュータシステムは、画像を受け取り、試験物上のスパークのスパーク光強度を測定し、それをデジタル制御された基準光源の基準光源光強度と比較することによって、試験物向けの雷直接効果(LDE)試験基準の合格結果又は不合格結果を判定するようになっている。スパークのスパーク光強度が、カメラによってキャプチャされた画像内の基準光源光強度未満である場合、試験物はLDE試験基準を通過(合格)する。スパークのスパーク光強度が、カメラによってキャプチャされた画像内の基準光源光強度以上である場合、試験物はLED試験基準を通過しない(不合格である)。
【0021】
別の1つのバージョンでは、雷直接効果(LDE)試験システムを使用する雷直接効果(LDE)試験方法が提供される。雷直接効果(LDE)試験方法は、LDE試験システムを組み立てるステップを含む。LDE試験システムは、試験チャンバ、試験チャンバ内に配置された試験物、キャパシタ線を介して試験物(22)の第1の端部に接続された少なくとも1つのキャパシタ、試験物の第2の端部に接続されたアース線、及び試験物の近傍の固定された座標位置で試験チャンバ内に配置されたデジタル制御された基準光源を備える。
【0022】
LDE試験システムは、試験チャンバに位置決めされたカメラを更に備える。カメラは、試験物及びデジタル制御された基準光源に対面するカメラレンズを有する。LDE試験システムは、電流センサプローブアセンブリを介して、アース線に接続された入力部を有するコントローラシステムを更に備える。コントローラシステムは、光ファイバーリンクを介して、デジタル制御された基準光源に接続された出力部を有する。LDE試験システムは、カメラに接続されたコンピュータシステムを更に備える。
【0023】
LDE試験方法は、雷撃をシミュレートする電流を少なくとも1つのキャパシタから試験物の中に注入して、試験物上でスパークを生成し、アース線を介して接地に電流を消散させるステップを更に含む。スパークは、スパークスペクトル指標を放出し、スパークは、スパーク光強度を有する。
【0024】
LDE試験方法は、電流センサプローブアセンブリを使用して、電流を検知し、電流検出信号をコントローラシステムに送信するステップを更に含む。LDE試験方法は、パルス持続時間変調(PDM)コントローラを有するコントローラシステムを使用して、デジタル制御された基準光源をデジタル制御し、放出される光を生成するステップを更に含む。
【0025】
LDE試験方法は、光ファイバーリンクを介して、コントローラシステムから、放出される光をデジタル制御された基準光源に転送するステップを更に含む。LDE試験方法は、デジタル制御された基準光源を用いて、試験される試験物内で観察された火花の観察されたスパークスペクトル指標をシミュレートする、基準光源スペクトル指標を放出するステップを更に含む。デジタル制御された基準光源は、最小点火エネルギー(MIE)閾値に等しいエネルギーを有する観察されたスパークの観察されたスパーク光強度に等価な基準光源光強度を有する。
【0026】
LDE試験方法は、カメラを用いて、スパークスペクトル指標、スパーク光強度、基準光源スペクトル指標、及び基準光源光強度を含む、画像をキャプチャするステップを更に含む。LDE試験方法は、カメラからコンピュータシステムに画像を転送するステップを更に含む。LDE試験方法は、コンピュータシステムを用いて、試験物上のスパークのスパーク光強度を測定し、それをデジタル制御された基準光源の基準光源光強度と比較することによって、試験物向けの雷直接効果(LDE)試験基準の合格結果又は不合格結果を判定するステップを更に含む。
【0027】
前述の特徴、機能、及び利点は、本開示の様々なバージョンにおいて個別に実現可能であるか、又は、下記の説明及び図面を参照して更なる詳細が理解され得る更に別のバージョンにおいて組み合わされ得る。
【0028】
本開示は、好適且つ例示的な実施形態又はバージョンを示す添付図面と併せて、以下の詳細な説明を参照することでより良く理解されるが、これらの図面は必ずしも正確な縮尺で描かれているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本開示の雷直接効果(LDE)試験システムの1つのバージョンの機能ブロック図である。
【
図2A】本開示の雷直接効果(LDE)試験システムの1つのバージョンの切り取り上面図を示す例示的な概略図である。
【
図2B】
図2Aで示されるような雷直接効果(LDE)試験システム内で使用され得る入力トリガ及びRGB LED出力の例示的な拡大概略図である。
【
図3A】本開示の雷直接効果(LDE)試験システムの1つのバージョンを使用する、第1の雷直接効果(LDE)試験からの合格結果の画像の前面図を示す例示的な概略図である。
【
図3B】本開示の雷直接効果(LDE)試験システムの1つのバージョンを使用する、第2の雷直接効果(LDE)試験からの不合格結果の画像の前面図を示す例示的な概略図である。
【
図4】本開示の雷直接効果(LDE)試験方法の1つのバージョンを示す例示的なフロー図である。
【
図5】本開示の雷直接効果(LDE)試験システム及び雷直接効果(LDE)試験方法を使用して試験され得る、構造物を組み込んだ航空機の例示的な斜視図である。
【
図6】航空機の製造及び保守方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示で示される各図は、提示されているバージョン又は実施形態の一態様の一変形例を示しており、以下では相違のみを詳細に記述する。
【0031】
これ以降、本明細書において、添付図面を参照しながら開示されるバージョン又は実施形態が更に詳細に説明されるが、添付図面には、開示されるバージョン又は実施形態の全てが示されているわけではない。実際には、幾つかの異なるバージョンが提供されることがあり、これらは本明細書に明記されているバージョンに限定されると解釈すべきではない。これらのバージョンはむしろ、この開示が包括的なものになり、且つ、本開示の範囲が当業者に十分に伝わるように提供されている。
【0032】
次に、図面を参照すると、
図1は、本開示の雷直接効果(LDE)試験システム10の1つのバージョンの例示的な機能ブロック図であり、それは、デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源12aなどの形態を採る、デジタル制御された基準光源12を使用する。
図2Aは、本開示の雷直接効果(LDE)試験システム10の1つのバージョンの切り取り上面図を示している例示的な概略図である。
【0033】
図1及び
図2Aで示されているように、LDE試験システム10は、試験チャンバ14、例えば閉じたエリア又は空間を備え又は含む。
図2Aで示されているように、1つの例示的なバージョンでは、試験チャンバ14が、内装16及び複数の壁18を有する閉じた試験チャンバ14aを備える。
図2Aで更に示されているように、試験チャンバ14は、様々な接続要素及び試験で使用される要素又はデバイスを挿入又は位置決めするための第1の開口部20a、第2の開口部20b、及び第3の開口部20cを含む、1以上の開口部20を有してよい。試験チャンバ14は、使用される試験チャンバ14の種類に依存する更なる開口部20を有してよい。
【0034】
図1及び
図2Aで示されているように、LDE試験システム10は、試験物22又は試験片を更に備え又は含む。試験物22は、好適には、重ね継ぎ手(lap joint)22a、パネル22b、航空機構造物22c、又は別の適切な構造物若しくは部品のうちの1つを備えてよい。例えば、試験物22は、航空機構造物22cのモデル、又は航空機構造物22cの構成要素部分であってよい。試験物22は、これらの構造物、及び他の試験物22、又は試験片に限定されるものではなく、LDE試験システム10において使用されてよい。
【0035】
図1で示されているように、試験物22又は試験片は、好適には、複合材料24a、金属材料24b、又は組み合わされた複合材料/金属材料24cを含む、試験物材料24から作製される。試験物22は、これらの材料から成ることに限定されず、他の試験物材料24が使用されてよい。
【0036】
図2Aで示されているように、試験物22又は試験片は、試験チャンバ14の内装16内の位置26に配置され又は位置決めされている。位置26は、単に例示的なものであり、試験物22は、試験チャンバ14の内装16内又はその範囲内の別の適切な位置に配置され又は位置決めされてよい。
【0037】
図2Aで示されているように、試験物22は、第1の端部28a、第2の端部28b、前端30a、及び後端30bを備える。試験物22(
図2A、
図3A~
図3B参照)は、第1の側部32a(
図2A、
図3A~
図3B参照)すなわち上側などの、及び第2の側部32b(
図3A~
図3B参照)すなわち底側などの、側部32(
図2A、
図3A~
図3B参照)を更に備える。試験物22(
図2A、
図3A~
図3B参照)が、重ね継ぎ手22a(
図2A、
図3A~
図3B参照)の形態を採る場合、重ね継ぎ手22aは、第1の部分33a(
図2A、
図3A~
図3B参照)及び第2の部分33b(
図2A、
図3A~
図3B参照)を備えてよい。第1の部分33aと第2の部分33bは、1以上の金属ファスナ36a(
図2A参照)などの1以上のファスナ36(
図2A参照)又は別の適切な導電性材料から作製された1以上のファスナ36を用いて共に接合されて、第1の部分33aと第2の部分33bの接合部において、試験物22のインターフェース34(
図2A、
図3A~
図3B参照)を生成してよい。
【0038】
図1及び
図2Aで示されているように、LDE試験システム10は、少なくとも1つのキャパシタ40を更に備え又は含む。好適には、少なくとも1つのキャパシタ40(
図2A参照)が、キャパシタ線42(
図2A参照)を介して、試験物22(
図2A参照)に接続されている。キャパシタ線42(
図2A参照)は、第1の端部43a(
図2A参照)及び第2の端部43b(
図2A参照)を有する。1つのバージョンでは、
図2Aで示されているように、キャパシタ線42の第1の端部43aが、キャパシタ40に取り付けられ、キャパシタ線42の第2の端部43bが、試験物22の第1の端部28aに取り付けられている。キャパシタ線42は、試験チャンバ14(
図2A参照)の第1の開口部20a(
図2A参照)などの開口部20(
図2A参照)を通して挿入されてよい。キャパシタ線42は、好適には、導電性金属材料や別の適切な導電性材料などの導電性材料から作製されている。
【0039】
少なくとも1つのキャパシタ40(
図1、
図2A参照)は、雷直接効果(LDE)波形38a(
図1、
図2A参照)などの形態を採る電流38(
図1、
図2A参照)を試験物22の中に注入又は放出するように動作可能であり、注入又は放出して、試験物22上に又は試験物22においてスパーク48(
図1、2A参照)を生成する。キャパシタ40は、好適には、雷撃70(
図1参照)又は雷アークをシミュレートするエネルギー放電に試験物22を晒す。電流38(
図1、
図2A参照)は、好適には、高い電圧を有する電流38b(
図1、
図2A参照)である。
図1で示されているように、雷撃70は、雷撃スペクトル指標72、雷撃色74、及び雷撃光強度76を有する。
【0040】
図2Aで示されているように、1つのバージョンでは、スパーク48が、重ね継ぎ手22aなどの形態を採る試験物22のインターフェース34において、金属ファスナ36aなどのファスナ36の近くで生成する。スパーク48(
図1、
図2A参照)は、スパークスペクトル指標50(
図1、
図2A参照)を放出し、スパーク48は、スパーク色51(
図1参照)及びスパーク光強度52(
図1、
図2A参照)を有する。スパークスペクトル指標50(
図1参照)は、記録されたスパークスペクトル指標50a(
図1参照)を取得するために、写真を撮られ又は記録されてよい。
【0041】
少なくとも1つのキャパシタ40は、1つのキャパシタ40、又は互いに並列に位置決めされた複数の又は一揃いのキャパシタ40を備えてよい。キャパシタ40又は一揃いのキャパシタ40は、電源39(
図1参照)からの電流38bなどの電流38で帯電し、キャパシタ40又は一揃いのキャパシタ40は、電流38bを電気エネルギーとして保存する。キャパシタ40又は一揃いのキャパシタ40は、それぞれ、誘電材料、例えば、セラミック、ガラス、又は別の絶縁材料などの、絶縁材料によって分離された、導電性材料のプレート又は表面などの形態を採る2つ以上の導体を有してよい。キャパシタ40又は一揃いのキャパシタ40は、雷撃シミュレータを含んでよい。雷撃シミュレータは、実際の雷撃の危険を伴わずに、試験物22上の雷の直接効果を見るために使用される。雷撃シミュレータは、異なる種類の雷撃70(
図1参照)を模倣してよい。例えば、飛行中の航空機のどこに雷が付着するかを模倣する高電圧(メガボルト)発電機、及び、例えば、航空機の外板又は表面上への雷撃をシミュレートするために、電流のアンペアを出力することができる、高電流(キロボルト)システムである。
【0042】
図1及び
図2Aで示されているように、LDE試験システム10は、アース線44を更に備え又は含む。アース線44(
図2A参照)は、第1の端部45a(
図2A参照)及び第2の端部45b(
図2A参照)を有する。1つのバージョンでは、
図2Aで示されているように、アース線44の第1の端部45aが、試験物22の第2の端部28bに取り付けられ、アース線44の第2の端部45bが、接地46に取り付けられている。アース線44は、試験チャンバ14(
図2A参照)の第2の開口部20b(
図2A参照)などの開口部20(
図2A参照)を通して挿入されてよい。アース線44は、電流38を接地46に消散させるか又は放電する。アース線44は、好適には、導電性金属、例えば銅、若しくは別の適切な金属材料、又は適切な導電性材料などの、導電性材料から作製されている。
【0043】
図1及び
図2Aで示されているように、LDE試験システム10は、デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源12aなどのデジタル制御された基準光源12を更に備え又は含む。本明細書で使用される際に、「フルスペクトル」は、赤外線から近紫外線までの電磁スペクトルをカバーする光を意味する。
【0044】
図2Aで示されているように、デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源12aなどのデジタル制御された基準光源12は、試験チャンバ14の内装16内で、試験チャンバ14の内装16の同じ端又は同じ側で、試験物22の近傍で試験物22の側部の近傍の、固定された座標位置78aなどの位置78に配置又は位置決めされている。固定された座標位置78aなどの位置78が、
図2Aで示されており、座標(x
0、y
0、z
0)を有する軸によって描かれており、デジタル制御された基準光源12の位置又は場所が、雷直接効果(LDE)試験システム10を用いて実行される各試験向けに、試験チャンバ14内で固定された同じ位置になるように計算され得ることを示している。
【0045】
デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源12aなどのデジタル制御された基準光源12は、以前に且つ繰り返し試験された試験される試験物23などの試験される試験物23(
図1参照)内で観察された、火花66(
図1参照)又は高温粒子放出の観察されたスパークスペクトル指標56(
図1参照)をシミュレートする基準光源スペクトル指標80(
図1、
図2A、
図3A~
図3B参照)を放出するように、動作可能であり、設定され、プログラム可能である。したがって、基準光源スペクトル指標80(
図1、
図2A、
図3A~
図3B参照)は、複合材構造物270(
図5参照)などの構造物268(
図5参照)内の火花66(
図1参照)又は高温粒子放出の実際の観察されたスパークスペクトル指標56(
図1参照)を表す。これは、多くの雷直接効果(LED)試験にわたり繰り返し観察され且つ定量化された。基準光源スペクトル指標80(
図1参照)は、記録された基準光源スペクトル指標80a(
図1参照)を取得するために、写真を撮られ又は記録されてよい。
【0046】
観察されたスパークスペクトル指標56(
図1参照)は、観察されたスパーク54(
図1参照)によって放出される。観察されたスパーク54は、観察されたスパーク色58(
図1参照)及び観察されたスパーク光強度60(
図1参照)を有する。観察されたスパークスペクトル指標56(
図1参照)は、記録された又は写真を撮られた記録された観察されたスパークスペクトル指標56a(
図1参照)を含んでよい。「スペクトル指標」は、波長に対する材料の反射率又はエミッタンス(すなわち、波長の関数としての反射率/エミッタンス)のばらつきを意味する。
【0047】
デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源12aなどのデジタル制御された基準光源12は、好適には、最小点火エネルギー(MIE)閾値64a(
図1参照)に等しいエネルギー62(
図1参照)を有する、観察されたスパーク54(
図1参照)の観察されたスパーク光強度60(
図1参照)に等価な、基準光源光強度82(
図1、
図2A、
図3A~
図3B参照)を有する。更に、デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源12aなどのデジタル制御された基準光源12は、基準光源色84(
図1参照)を有する。最小点火エネルギー(MIE)64(
図1参照)は、燃料蒸気を点火するのに必要とされるエネルギーの最小量を意味し、連邦航空局(FAA)によって設定された最小点火エネルギー(MIE)閾値64aは、200μJ(二百マイクロジュール)以上のMIE閾値64aである。実際に試験される試験物23(
図1参照)からの観察されたスパーク54(
図1参照)の正確な観察されたスパークスペクトル指標56(
図1参照)が再現されるときに、デジタル制御された基準光源12(
図1参照)は、最小点火エネルギー(MIE)強度レベル64b(
図1参照)に調整されて(下げられて)よい。
【0048】
図1で示されているように、デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源12aの形態を採るデジタル制御された基準光源12は、好適には、発光ダイオード(LED)基準光源86を備える。LED基準光源86(
図1参照)は、三色LED(発光ダイオード)基準光源90(
図1参照)、例えば、観察されたスパーク54(
図1参照)の観察されたRGB(赤、緑、青)光強度比102(
図1参照)に等価なRGB(赤、緑、青)光強度比100(
図1参照)を有する、RGB LED(赤、緑、青の発光ダイオード)基準光源88(
図1参照)を備えてよい。RGB LED基準光源88(
図1参照)は、記録されたRGB LED基準光源88a(
図1参照)を取得するために、写真を撮られ又は記録されてよい。RGB(赤、緑、青)光強度比100(
図1参照)及び観察されたRGB(赤、緑、青)光強度比102(
図1参照)は、以下で更に詳細に説明される、1.0:0.3:0.1(R:G:B)の比99(
図1参照)における、赤(R)LED成分94(
図2A~
図2B参照)、緑(G)LED成分96(
図2A~
図2B参照)、及び青(B)LED成分98(
図2A~
図2B参照)を含んでよい。1.0:0.3:0.1(R:G:B)の検出された比99に基づいて、LDE試験において生成されたスパーク48(
図1参照)のスパーク色51(
図1参照)は、青紫色の観察されたスパーク54又は標準スパーカーの観察されたスパーク色58(
図1参照)とは異なり、赤オレンジ色である。
【0049】
図1及び
図2Aで示されているように、LDE試験システム10は、カメラ104を備え又は含む。カメラ104は、好適には、デジタル一眼レフ(DSLR)カメラ104b(
図1参照)を含むデジタルカメラ104a(
図1、
図2A参照)、電荷結合素子(CCD)カメラ104c(
図1参照)、又は別の適切なカメラ104のうちの1つを備える。
図2Aで示されているように、デジタルカメラ104aなどのカメラ104は、好適には、試験物22及びデジタル制御されたフルスペクトルの基準光源12aなどのデジタル制御された基準光源12に対向するように位置決めされ得るカメラレンズ105を有する。しかし、カメラ104は、試験チャンバ14において別の適切な位置又は場所に位置決めされてよい。カメラ104(
図1参照)は、雷直接効果(LDE)試験で生じるスパーク、火花、又は高温粒子放出を含む、速く移動する物体を記録するために使用される高速カメラを備えてよい。高速カメラは、1/1,000秒未満の露出又は秒当たり250フレームを超えるフレーム速度で、移動する画像をキャプチャすることができるものであってよい。
【0050】
図2Aで示されているように、デジタルカメラ104aなどの形態を採るカメラ104は、試験チャンバ14の又は試験チャンバ14内の位置106において配置又は位置決めされている。
図2Aで示されているように、カメラレンズ105は、試験チャンバ14の第3の開口部20cなどの開口部20を通して挿入される。デジタルカメラ104aなどのカメラ104は、スパーク48(
図1、
図2A参照)及びデジタル制御されたフルスペクトルの基準光源12a(
図1、
図2A参照)などのデジタル制御された基準光源12(
図1、
図2A参照)を検出し且つ観察するための視野108(
図1参照)を有する。デジタルカメラ104aなどのカメラ104は、スパークスペクトル指標50(
図1、
図2A参照)、スパーク光強度52(
図1参照)、基準光源スペクトル指標80(
図1、
図2A参照)、及び基準光源光強度82(
図1参照)を含む、画像110(
図1、
図3A~
図3B参照)をキャプチャし又は撮像するように動作可能であり、キャプチャし又は撮像する。
【0051】
LDE試験システム10(
図1参照)は、2つ以上の鏡112(
図1参照)を更に備えてよい。好適には、LDE試験システム10が、試験チャンバ14(
図2A参照)の内装16(
図2A参照)内に配置又は位置決めされた第1の鏡112a(
図3A~
図3B参照)と第2の鏡112b(
図3A~
図3B参照)を備えた2つの鏡112を有する。各鏡112は、好適には、互いに対向する角度付けされた位置116(
図1、
図3A~
図3B参照)で、且つ、試験物22(
図1、
図2A、
図3A~
図3B参照)が、第1の鏡112aと第2の鏡112bの間に位置決めされた状態で、位置決めされている。
【0052】
図1及び
図2Aで示されているように、LDE試験システム10は、コントローラシステム118を更に備え又は含む。コントローラシステム118(
図2A参照)は、デジタル制御された基準光源を生成するコントローラシステム118a(
図2A参照)の形態を採ってよい。
図1及び
図2Aで示されているように、コントローラシステム118は、デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源12aなどのデジタル制御された基準光源12をデジタル制御するように動作可能であり、デジタル制御しているコントローラ120を備える。コントローラ120(
図1、
図2A参照)は、好適には、マイクロコントローラ120a(
図1、
図2A参照)、マイクロプロセッサ120b(
図1参照)、コンピュータコントローラ120c(
図1参照)、又は別の適切なコントローラ120のうちの1つを備える。例えば、コントローラ120は、カリフォルニア州サンホセのAtmel社から取得されるATMELマイクロコントローラなどのマイクロコントローラ120aを備えてよい。(ATMELは、カリフォルニア州サンホセのAtmel社の登録商標である。)しかし、他の適切なマイクロコントローラ120aも使用されてよい。
【0053】
マイクロコントローラ120a(
図2A参照)などのコントローラ120(
図2A参照)は、好適には、各パルス156(
図1参照)の時間160(
図1参照)又は各パルス156の持続時間162(
図1参照)を刻むために、水晶振動子によって調節された電子発振器を有するクウォーツ時計を使用し、したがって、1以上のパルス156の時間160は、好適には、非常に正確である。水晶振動子によって調節される電子発振器は、非常に精密な周波数を有する信号を生成する。したがって、クウォーツ時計は、少なくとも機械時計より正確な程度のものである。マイクロコントローラ120a(
図1、
図2A参照)の1以上のパルス156は、例えば、ATMELマイクロコントローラに対して16MHz(十六メガヘルツ)で動作する時計の周波数に依存して、数マイクロ秒まで正確且つ再現可能であってよい。パルス156の持続時間162(
図1参照)又は幅は、マイクロ秒まで制御されて(下げられて)よい。
【0054】
1つのバージョンでは、コントローラ120(
図1、
図2A参照)は、マイクロコントローラ120a(
図1、
図2A参照)を備え、デジタル制御された基準光源12は、パルス化されたプログラム可能な色164(
図1参照)又はパルス化されたプログラム可能な色相を生成するために、パルス持続時間変調(PDM)158(
図1参照)又はパルス幅変調(PWM)159(
図1参照)マイクロコントローラ120aによって制御された、三色発光ダイオード(LED)基準光源90(
図1参照)を備える。本明細書で使用される際に、「パルス幅変調(PWM)」とも称される「パルス持続時間変調(PDM)」は、メッセージ又は電流をパルス化信号に符号化する、すなわち、送信用の情報を符号化するために使用される変調技術を意味し、それは、電気デバイスに供給される電力の制御を可能にする技術である。
【0055】
図1及び
図2Aで示されているように、コントローラシステム118は、筐体126内にコントローラ120を封入又は収容するための、金属製の筐体126a又は箱などの筐体126を更に備える。コントローラシステム118は、筐体126を通して形成された入力部122(
図2A参照)及び出力部124(
図2A参照)を更に備える。金属製の筐体126aなどの筐体126は、電磁場をブロックするためのファラデーケージとして本質的に機能する、金属製126aの筐体内に電子部品及び結合された回路を封入することによって、LDE EMP(雷直接効果電磁パルス)からマイクロコントローラ120a又は他の適切なコントローラ120などのコントローラ120及び結合された回路を保護する。
【0056】
図1及び
図2Aで示されているように、LDE試験システム10は、電流センサプローブアセンブリ128を更に備え又は含む。電流センサプローブアセンブリ128は、コントローラシステム118の入力部122(
図2A参照)、及びアース線44(
図1、
図2A参照)、並びに/又は接地46(
図1、
図2A参照)の間に接続されている。したがって、コントローラシステム118の入力部122は、電流センサプローブアセンブリ128を介して、アース線44及び/又は接地46に接続されている。
【0057】
図2Aで示されているように、電流センサプローブアセンブリ128は、好適には、電流センサプローブ130及びシールドされたケーブル接続134などのケーブル接続132を備える。ケーブル接続132(
図2A参照)は、第1の端部136(
図2A参照)及び第2の端部138(
図2A参照)を有する。
図2Aで示されているように、電流センサプローブ130は、アース線44及び/又は接地46に接続されており、電流センサプローブ130は、ケーブル接続132の第1の端部136に接続されている。
図2Aで更に示されているように、ケーブル接続132の第2の端部138は、コントローラシステム118の入力部122に接続されている。電流センサプローブアセンブリ128(
図2A参照)の電流センサプローブ130は、アース線44を通して接地46に消散又は放電される電流38(
図1、
図2A参照)を検知し、電流センサプローブアセンブリ128の電流センサプローブ130及びケーブル接続132は、電気信号142(
図1、
図2A参照)などの電流検出信号140(
図1、
図2A参照)を、コントローラシステム118の入力部122に送信する。電気信号142(
図1、
図2A参照)などの電流検出信号140(
図1、
図2A参照)は、マイクロコントローラ120aなどのコントローラ120(
図1、
図2A参照)に対する入力トリガ144(
図1、
図2A参照)になる。電気信号142(
図1、
図2A参照)などの電流検出信号140(
図1、
図2A参照)は、マイクロコントローラ120a(
図1、
図2A参照)などのコントローラ120(
図1、
図2A参照)の中への入力であり、マイクロコントローラ120a(
図1、
図2A参照)などのコントローラ120(
図1、
図2A参照)は、電気出力145(
図1、
図2A参照)を処理及び放出する。
【0058】
図2Aは、マイクロコントローラ120aなどのコントローラ120に接続された電圧148を有するバッテリ146を更に示している。RGB LED電流152(
図1参照)などの電流及び電流の分布の電気出力145(
図1、
図2A参照)は、第1の抵抗要素(R1)150a(
図2A参照)、第2の抵抗要素(R2)150b(
図2A参照)、及び第3の抵抗要素(R3)150c(
図2A参照)を含む、複数の抵抗要素150(
図2A参照)によってバランス又は調整されてよい。
【0059】
図2Aは、赤ダイオード(D1)154a、緑ダイオード(D2)154b、及び青ダイオード(D3)154cを含む、複数のダイオード154を更に示している。上述されたように、RGB(赤、緑、青)光強度比100(
図1参照)及び観察されたRGB(赤、緑、青)光強度比102(
図1参照)は、1.0:0.3:0.1(R:G:B)の比99(
図1参照)又は別の適切な比における、赤(R)LED成分94(
図2A~
図2B参照)、緑(G)LED成分96(
図2A~
図2B参照)、及び青(B)LED成分98(
図2A~
図2B参照)を含んでよい。
【0060】
RGB LED成分94、96、98は、高い量子効率、すなわち、電子の数当たりの光子の数を有する、電気光学成分である。発光RGB LED成分94、96、98は、それらの直接的なバンドギャップ遷移から光を生成するので、それらは、良く知られている又は標準的な黒体放射指標から独立している。良く知られている又は標準的な黒体放射指標の熱力学的な制限から独立しているので、発光RGB LED成分94、96、98は、速い光通信用の高速なパルス化光源として使用することができる。
【0061】
RGB LED基準光源88(
図1参照)は、3つのRGB LED成分94、96、98を有し、且つ、MIE(最小点火エネルギー)閾値64a(
図1参照)近くの観察されたスパーク54(
図1参照)又は高温粒子放出としての適切な等量比を有する、複合光又は三色LED基準光源90(
図1参照)を作るために、マイクロコントローラ120aや別の適切なコントローラ120などのコントローラ120によって使用され且つデジタル制御されてよい。これは、好適には、三つのRGB LED成分94、96、98(
図2A参照)に対する、パルス持続時間変調(PDM)158(
図1参照)又はパルス幅変調(PWM)159(
図1参照)によって実現される。
図2Aは、RGB LED成分94、96、98を有するRGB LED出力92を示している。RGB LED出力92(
図1、
図2A参照)は、RGB LED電流152(
図1参照)を有する。
【0062】
図2Aで示されているように、コントローラシステム118は、RGB LED出力92の3つのRGB LED成分94、96、98を、放出される光168を生成する集束したRGB(赤、緑、青)光166aなどの集束した光166の中へ集束させるように構成され、集束させているレンズ165を更に備える。LDE試験システム10(
図1参照)は、デジタル制御された基準光源12(
図1参照)をデジタル制御するために、且つ、放出される光168(
図1参照)を生成するために、パルス持続時間変調(PDM)158(
図1参照)又はパルス幅変調(PWM)159(
図1参照)コントローラ120(
図1参照)を有するコントローラシステム118を使用する。
【0063】
図2Aで示されているように、コントローラシステム118は、必要に応じて任意の電流を消散させるために、接地169を更に備える。
図2Aで更に示されているように、コントローラシステム118は、出力部124を備える。
【0064】
図1及び
図2Aで示されているように、LDE試験システム10は、コントローラシステム118の出力部124をデジタル制御された基準光源12に接続する、光ファイバーリンク170を更に備え又は含む。放出される光168(
図2A参照)は、光ファイバーリンク170(
図2A参照)を経由して、コントローラシステム118(
図1、
図2A参照)から、デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源12a(
図1、
図2A参照)などのデジタル制御された基準光源12(
図1、
図2A参照)に転送される。
【0065】
図2Aで示されているように、光ファイバーリンク170は、第1の端部172a及び第2の端部172bを有する。
図2Aで更に示されているように、光ファイバーリンク170の第1の端部172aは、コントローラシステム118の出力部124の近くに又は出力部124に接続されており、光ファイバーリンク170の第2の端部172bは、デジタル制御された基準光源12に接続されている。光ファイバーリンク170(
図2A参照)は、試験チャンバ14内に位置付けられた球面端部ビーズ174(
図2A参照)を備えてよい。球面端部ビーズ174は、球面均一放出178(
図1、
図2A参照)を放出する、固定された座標の基準光源球面176(
図1参照)を有する。
【0066】
図1及び
図2Aで示されているように、LDE試験システム10は、コンピュータ接続181(
図2A参照)を経由してデジタルカメラ104aなどのカメラ104に接続されたコンピュータシステム180を更に備え又は含む。コンピュータ接続181(
図2A参照)は、有線若しくは無線接続又は別の適切な接続要素を備えてよい。
図1及び
図2Aで更に示されているように、コンピュータシステム180は、少なくとも1つのコンピュータ182を備えてよい。コンピュータシステム180(
図1、
図2A参照)は、少なくとも1つのコンピュータ182(
図1、
図2A参照)を実装するために使用されてよい。
図1及び
図2Aで示されているように、コンピュータシステム180は、コンピュータソフトウェア184及びコンピュータプロセッサ186を更に備える。少なくとも1つのコンピュータ182は、コントローラシステム118に接続されてよく、又は、適用可能な場合若しくは必要に応じて、個別のコンピュータが、コントローラシステム118に接続されてよい。
【0067】
少なくとも1つのコンピュータ182は、コンピュータ182がアクセス可能なコンピュータメモリに記憶された、コンピュータソフトウェア184(
図1、
図2A参照)などのコンピュータプログラム指示命令を介して、コンピュータシステム180のうちの1以上の要素の1以上の計算機能を制御するように構成されてよい。コンピュータソフトウェア184(
図1、
図2A参照)は、アルゴリズム、プログラムコード、コンピュータファームウェア、又は別の適切なシステム論理を含んでよい。コンピュータソフトウェア184は、コンピュータ182、コンピュータプロセッサ186、又は別のプログラム可能なデバイスの中にロードされて、コンピュータ182、コンピュータプロセッサ186、又は別のプログラム可能なデバイスが、コンピュータ182、コンピュータプロセッサ186、又は別のプログラム可能なデバイスで又はそれらによって実行される動作を実行し、特定のやり方で機能するように構成し且つ指示してよい。コンピュータメモリは、ダイナミック及び/若しくはスタティックRAM、オンチップ若しくはオフチップのキャッシュメモリ、又は別の適切なコンピュータメモリを含む、ランダムアクセスメモリ(RAM)のうちの1以上を備えてよい。
【0068】
コンピュータシステム180(
図1、
図2A参照)は、カメラ104によってキャプチャ又は撮像された、1以上の雷直接効果(LDE)試験における、スパークスペクトル指標50、スパーク光強度52、基準光源スペクトル指標80、及び基準光源光強度82のうちの1以上の画像110を受け取り、又は受け取るように動作可能である。コンピュータシステム180のコンピュータ182、コンピュータソフトウェア184、及びコンピュータプロセッサ186は、試験物22上又は試験物22におけるスパーク48(
図1、
図2A、
図3A~
図3B参照)のスパーク光強度52(
図1、
図2A、
図3A~
図3B参照)を測定し、それをデジタル制御されたフルスペクトルの基準光源12a(
図1、
図2A、
図3A~
図3B参照)などのデジタル制御された基準光源12(
図1、
図2A、
図3A~
図3B参照)の基準光源光強度82(
図1、
図2A、
図3A~
図3B参照)と比較することによって、試験物22(
図1、
図3A~
図3B参照)向けの雷直接効果(LDE)試験基準194(
図1参照)の、合格結果188(
図1、
図3A参照)又は不合格結果190(
図1、
図3B参照)を判定し、又は判定するように動作可能である。
【0069】
スパーク48(
図1、
図3A参照)のスパーク光強度52(
図1、
図3A参照)が、カメラ104(
図1参照)によってキャプチャされた画像110(
図1、
図3A参照)内の基準光源光強度82(
図1、
図3A参照)未満である、すなわち、それより暗い場合、試験物22(
図1、
図3A参照)はLDE試験基準194(
図1参照)を通過する(に合格する)。スパーク48(
図1、
図3A参照)のスパーク光強度52(
図1、
図3A参照)が、カメラ104(
図1参照)によってキャプチャされた画像110(
図1、
図3A参照)内の基準光源光強度82(
図1、
図3A参照)以上である、すなわち、それより明るい場合、試験物22(
図1、
図3A参照)はLDE試験基準194(
図1参照)を通過しない(に不合格である)。LDE試験システム10(
図1、
図2A参照)は、試験物22(
図1、
図2A参照)向けの合格/不合格評価プロセス192(
図1参照)を自動化する。
【0070】
したがって、LDE試験システム10(
図1、
図2A参照)は、良く知られているLDE試験システム及び方法と比較して、自動化され、プログラム可能であり、再現可能である。LDE試験システム10(
図1、
図2A参照)は、良く知られているLDE試験システム及び方法と比較して、向上した再現性196(
図1参照)、良く知られているLDE試験システム及び方法と比較して、向上した精度198(
図1参照)、及びカメラ104(
図1参照)の較正頻度低減200(
図1参照)を有する。LDE試験システム10(
図1、
図2A参照)は、頻繁なカメラの較正に対する必要性を除去すること、観察されたスパーク54(
図1参照)又は基準スパーカーからの画像110(
図1参照)内の任意のばらつきを除去すること、及び合格/不合格評価プロセス192を自動化する際の任意の難題を除去することによってLDE試験を簡略化する、固定された座標位置78a(
図2A参照)に位置決めされた、再現可能で正確なデジタル制御された基準光源12(
図1、
図2A参照)を提供する。LDE試験基準194(
図1参照)及び合格/不合格評価プロセス192(
図1参照)において唯一観察されるパラメータは、カメラ104(
図1参照)を用いてキャプチャされた、単純な記録されたRGB(赤、緑、青)指標89(
図1参照)である。
【0071】
次に、
図2Bを参照すると、
図2Bは、
図2Aなどで示されるような、雷直接効果(LDE)試験システム10内で使用され得る、入力トリガ144及びRGB LED(赤、緑、青の発光ダイオード)出力92の例示的な拡大概略図である。
図2Bで示されているように、入力トリガ140は、時間160の第1の持続時間162aなどの持続時間162又は幅を有する、第1のパルス156aなどのパルス156を有する。
図2Bで更に示されているように、電気出力145などの形態を採るRGB LED出力92は、赤(R)LED(発光ダイオード)成分94、緑(G)LED成分96、及び青(B)LED成分98を含む。
図2Bで示されているように、赤(R)LED成分94の電気出力145は、第2のパルス156bなどのパルス156を有し、時間160の第2の持続時間162bなどの持続時間162又は幅を有する。
図2Bで示されているように、緑(G)LED成分96の電気出力145は、第3のパルス156cなどのパルス156を有し、時間160の第3の持続時間162cなどの持続時間162又は幅を有する。
図2Bで示されているように、青(B)LED成分98の電気出力145は、第4のパルス156dなどのパルス156を有し、時間160の第4の持続時間162dなどの持続時間162又は幅を有する。
【0072】
RGB LED出力92(
図2B参照)のこのバージョンでは、赤(R)LED成分94(
図2B参照)の第2のパルス156b(
図2B参照)などのパルス156(
図2B参照)が、緑(G)LED成分96の第3のパルス156c(
図2B参照)などのパルス156より長い持続時間162(
図2B参照)又は幅を有し、緑(G)LED成分96の第3のパルス156cなどのパルス156が、青(B)LED成分98(
図2B参照)の第4のパルス156d(
図2B参照)などのパルス156より長い持続時間162又は幅を有する。上述されたように、赤(R)LED成分94(
図2B参照)、緑(G)LED成分96(
図2B参照)、及び青(B)LED成分98(
図2B参照)の比99(
図1参照)は、1.0:0.3:0.1(R:G:B)であってよい。
【0073】
図2Bは、赤(R)LED成分94の第2のパルス156bなどのパルス156の開始の、入力トリガ144の第1のパルス156aなどのパルス156の開始からの時間160の遅延163を更に示している。パルス156(
図2B参照)の持続時間162(
図2B参照)又は幅は、ミリ秒であってよく、パルス持続時間変調(PDM)158(
図1参照)又はパルス幅変調(PWM)159(
図1参照)を使用する、マイクロコントローラ120a(
図2A参照)などのコントローラ120(
図2A参照)を用いて制御されてよく、これを使用して、デジタル制御された基準光源12(
図2A参照)をデジタル制御し、放出される光168(
図2A参照)を生成することができる。
【0074】
次に、
図3A~
図3Bを参照すると、
図3Aは、本開示の雷直接効果(LDE)試験システム10(
図1、
図2A参照)の1つのバージョンを使用する、第1の雷直接効果(LDE)試験202からの合格結果188のカメラ104(
図1、
図2A参照)によってキャプチャされた第1の画像110aなどの画像110の前面図を示している例示的な概略図である。
図3Bは、本開示の雷直接効果(LDE)試験システム10(
図1、
図2A参照)の1つのバージョンを使用する、第2の雷直接効果(LDE)試験204からの不合格結果190のカメラ104(
図1、
図2A参照)によってキャプチャされた第2の画像110bなどの画像110の前面図を示している例示的な概略図である。
【0075】
図3Aで示されているように、合格結果188のカメラ104(
図1、
図2A参照)によってキャプチャ又は記録された第1の画像110aは、重ね継ぎ手22aなどの試験物22のインターフェース34における第1のスパーク48aなどのスパーク48を示している。
図3Aで更に示されているように、第1のスパーク48aなどのスパーク48は、スパークスペクトル指標50、例えば、記録されたスパークスペクトル指標50aを有し、且つ、スパーク光強度52、例えば、記録されたスパーク光強度52aを有する。
図3Aで更に示されているように、デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源12aなどのデジタル制御された基準光源12は、試験物22の近傍の固定された座標位置78aに位置決めされている。デジタル制御された基準光源12は、基準光源スペクトル指標80、例えば、記録された基準光源スペクトル指標80a、及び、基準光源光強度82、例えば、記録された基準光源光強度82aを有する。
【0076】
図3Aで示されている第1のスパーク48aのスパーク光強度52を、デジタル制御された基準光源12の基準光源光強度82と比較すると、スパーク光強度52は、カメラ104によってキャプチャされた第1の画像110a内の基準光源光強度82未満なので、試験物22は、合格結果188で、雷直接効果(LDE)試験基準194(
図1参照)を通過する。
図3Aの誇張された概略図では、第1のスパーク48aなどのスパーク48が、デジタル制御された基準光源12より小さいサイズで描かれており、これは、基準光源光強度82未満の又はそれより暗いスパーク光強度52を表していることを意味する。
【0077】
図3Aで更に示されているように、カメラ104(
図1、
図2A参照)によってキャプチャ又は記録された第1の画像110aは、試験物の第1の側の反射22d、ファスナ反射36b、及び第1のスパーク反射49aを含む、第1の画像の第1の鏡反射206aを示している。
図3Aで更に示されているように、カメラ104(
図1、
図2A参照)によってキャプチャ又は記録された第1の画像110aは、試験物の第2の側の反射22e及びファスナの反射36bを含む、第1の画像の第2の鏡反射208aを示している。
【0078】
図3Bで示されているように、不合格結果190のカメラ104(
図1、
図2A参照)によってキャプチャ又は記録された第2の画像110bは、重ね継ぎ手22aなどの試験物22のインターフェース34における第2のスパーク48bなどのスパーク48を示している。
図3Bで更に示されているように、第2のスパーク48bなどのスパーク48は、スパークスペクトル指標50、例えば、記録されたスパークスペクトル指標50bを有し、且つ、スパーク光強度52、例えば、記録されたスパーク光強度52bを有する。
図3Bで更に示されているように、デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源12aなどのデジタル制御された基準光源12は、試験物22の近傍の固定された座標位置78aに位置決めされている。デジタル制御された基準光源12は、基準光源スペクトル指標80、例えば、記録された基準光源スペクトル指標80b、及び、基準光源光強度82、例えば、記録された基準光源光強度82bを有する。
【0079】
図3Bで示されている第2のスパーク48bのスパーク光強度52を、デジタル制御された基準光源12の基準光源光強度82と比較すると、スパーク光強度52は、カメラ104によってキャプチャされた第2の画像110b内の基準光源光強度82以上なので、試験物22は、不合格結果190で、雷直接効果(LDE)試験基準194(
図1参照)を通過できない。
図3Bの誇張された概略図では、第2のスパーク48bなどのスパーク48が、デジタル制御された基準光源12より大きいサイズで描かれており、これは、基準光源光強度82より大きい又はそれより明るいスパーク光強度52を表していることを意味する。
【0080】
図3Bで更に示されているように、カメラ104(
図1、
図2A参照)によってキャプチャ又は記録された第2の画像110bは、試験物の第1の側の反射22d、ファスナ反射36b、及び第2のスパーク反射49bを含む、第2の画像の第1の鏡反射206bを示している。
図3Bで更に示されているように、カメラ104(
図1、
図2A参照)によってキャプチャ又は記録された第2の画像110bは、試験物の第2の側の反射22e及びファスナの反射36bを含む、第2の画像の第2の鏡反射208bを示している。
【0081】
図3A~
図3Bで示されているように、重ね継ぎ手22aなどの試験物22は、第1の鏡112aと第2の鏡112bなどの2つの鏡112の間に位置決めされている。
図3A~
図3Bは、重ね継ぎ手22aなどの試験物22の、第1の端部28a、第2の端部28b、前端30a、並びに、第1の側部32aすなわち上側及び第2の側部32bすなわち底側などの側部32を示している。
図3A~
図3Bは、金属ファスナ36a(
図2A参照)などの1以上のファスナ36(
図2A参照)を用いて、インターフェース34において重ね継ぎ手22aの第2の部分33bに接合された重ね継ぎ手22aの第1の部分33aを更に示している。
図3A~
図3Bは、第1の開口部20aを通して挿入され且つ試験物22の第1の端部28aに取り付けられたキャパシタ線42を更に示し、第2の開口部20bを通して挿入され且つ試験物22の第2の端部28bに取り付けられたアース線44を更に示している。
図3A~
図3Bは、第1の鏡112aなどの鏡112内の試験物の第1の側の反射22dを更に示し、第2の鏡112bなどの鏡112内の試験物の第2の側の反射22eを更に示している。
図3A~
図3Bは、第1の鏡112aと第2の鏡112bなどの鏡112内で反射したファスナ36(
図2A参照)のファスナ反射36bを更に示している。
【0082】
図3A~
図3Bで更に示されているように、1つのバージョンでは、第1の鏡112aなどの鏡112が、試験物22の第1の側部32aすなわち上側の近く又は近傍に位置決めされてよく、第2の鏡112bなどの鏡112が、第1の鏡112aに対向する且つ試験物22の第2の側部32bすなわち底側の近く又は近傍に位置決めされてよい。代替的に、鏡112及び試験物22は、試験物22におけるスパーク48の様々な図をキャプチャするために、鏡112が互いに対向し且つ試験物22が鏡112の間にある状態で、別の適切な配置に位置決めされてよい。各鏡112(
図3A~
図3B参照)は、クランプ、ファスナ、ホルダ、又は他の適切な固定要素114などの形態を採る、1以上の固定要素114(
図1、
図3A~
図3B参照)を用いて、試験物22の各側の位置に固定されてよい。
【0083】
図3A及び
図3Bで更に示されているように、第1の鏡112aと第2の鏡112bなどの鏡112は、好適には、試験物22の両側32の角度付けされた位置116に位置決めされている。第1の鏡112a(
図3A~
図3B参照)は、第1の角度付けされた位置116a(
図3A~
図3B参照)などの角度付けされた位置116(
図3A~
図3B参照)に位置決めされている。第2の鏡112b(
図3A~
図3B参照)は、第2の角度付けされた位置116b(
図3A~
図3B参照)などの角度付けされた位置116(
図3A~
図3B参照)に位置決めされている。第1の鏡112aと第2の鏡112bなどの鏡112は、好適には、試験物22に対して角度付けされた位置116、例えば、四十五度(45°)の角度付けされた位置にあってよい。代替的に、鏡112は、試験物22に対して、他の適切な角度測定値の角度付けされた位置116に角度付けされてよい。
【0084】
次に、
図4を参照すると、別の1つのバージョンでは、雷直接効果(LDE)試験システム10(
図1、
図2A参照)を使用する、雷直接効果(LDE)試験方法220が提供される。
図4は、本開示のLDE試験方法220の1つのバージョンを示す例示的なフロー図である。
【0085】
図4で示されているように、LDE試験方法220は、雷直接効果(LDE)試験システム10(
図1、
図2A参照)を組み立てるステップ222を含む。上で詳細に説明されたように、LDE試験システム10は、試験チャンバ14(
図1、
図2A参照)又は閉じたエリア若しくは空間、試験チャンバ14内に配置された試験物22(
図1、
図2A参照)又は試験片、キャパシタ線41(
図2A参照)を介して試験物22(
図2A参照)の第1の端部28a(
図2A参照)に接続された少なくとも1つのキャパシタ40(
図1、
図2A参照)、及び試験物22の第2の端部28b(
図2A参照)に接続されたアース線44(
図1、
図2A参照)を備える。
【0086】
上述されたように、LDE試験システム10(
図1、
図2A参照)は、試験物22(
図2A参照)の近傍の固定された座標位置78a(
図2A参照)で試験チャンバ14内に配置された、デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源12a(
図1、
図2A参照)などの形態を採る、デジタル制御された基準光源12(
図1、
図2A参照)を更に備える。LDE試験システム10(
図1、
図2A参照)を組み立てるステップ222(
図4参照)は、観察されたスパーク54(
図1参照)の観察されたRGB(赤、緑、青)光強度比102(
図1参照)に等価なRGB(赤、緑、青)光強度比100(
図1参照)を有するRGB LED(赤、緑、青の発光ダイオード)基準光源88(
図1参照)を備えた、デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源12a(
図1、
図2A参照)の形態を採る、デジタル制御された基準光源12(
図1、
図2Aを参照)を使用することを含んでよい。LDE試験システム10(
図1、
図2A参照)を組み立てるステップ222は、RGB LED(赤、緑、青の発光ダイオード)基準光源88を備えたデジタル制御された基準光源12を使用することであって、RGB(赤、緑、青)光強度比100及び観察されたRGB(赤、緑、青)光強度比102が、1.0:0.3:0.1(R:G:B)の比99(
図1参照)にある、赤(R)LED成分94(
図2A参照)、緑(G)LED成分96(
図2A参照)、及び青(B)LED成分98(
図2A参照)を含む、デジタル制御された基準光源12を使用することを更に含んでよい。
【0087】
上述されたように、LDE試験システム10(
図1、
図2A参照)は、試験チャンバ14(
図1、
図2A参照)に位置決めされたカメラ104(
図1、
図2A参照)を更に備える。カメラ104(
図1、
図2A参照)は、試験物22及びデジタル制御された基準光源12に対面するカメラレンズ105(
図2A参照)を備える。
【0088】
上述されたように、LDE試験システム10(
図1、
図2A参照)は、デジタル制御された基準光源を生成するコントローラシステム118a(
図2A参照)などの、コントローラシステム118(
図1、
図2A参照)を更に備える。コントローラシステム118(
図2A参照)は、電流センサプローブアセンブリ128(
図1、
図2A参照)を介して、アース線44(
図1、
図2A参照)及び/又は接地46(
図1、
図2A参照)に接続された、入力部122(
図2A参照)を有する。コントローラシステム118は、光ファイバーリンク170(
図2A参照)を介して、デジタル制御された基準光源12(
図2A参照)に接続された、出力部124(
図2A参照)を更に有する。
【0089】
上述されたように、LDE試験システム10(
図1、
図2A参照)は、カメラ104(
図1、
図2A参照)に接続されたコンピュータシステム180(
図1、
図2A参照)を更に備える。コンピュータシステム180(
図1、
図2A参照)は、好適には、必要に応じて、コンピュータ182(
図1、
図2A参照)、コンピュータソフトウェア184(
図1、
図2A参照)、コンピュータプロセッサ186(
図1、
図2A参照)、及び他の適切なコンピュータシステムの構成要素を備える。
【0090】
LDE試験システム10(
図1、
図2A参照)を組み立てるステップ222(
図4参照)は、試験チャンバ14(
図1参照)内で第1の鏡112a(
図3A~
図3B参照)と第2の鏡112b(
図3A~
図3B参照)との間に試験物22(
図1、
図3A~
図3B参照)を位置決めすることを更に含んでよい。第1の鏡112a(
図3A~
図3B参照)と第2の鏡112b(
図3A~
図3B参照)は、好適には、第1の鏡112aと第2の鏡112bの間に試験物22がある状態で、それぞれ、互いに対向する角度付けされた位置116(
図1、
図3A~
図3B参照)に位置決めされている。
【0091】
図4で示されているように、LDE試験方法220は、試験物22上にスパーク48(
図1、
図2A参照)を生成するために、雷撃70(
図1参照)をシミュレートする雷直接効果(LDE)波形38a(
図1、
図2A参照)などの電流38(
図1、
図2A参照)を、少なくとも1つのキャパシタ40(
図1、
図2A参照)から試験物22(
図1、
図2A参照)の中に注入するステップ224を更に含む。スパーク48は、スパークスペクトル指標50(
図1参照)を放出し、スパーク48は、スパーク光強度52(
図1参照)を有する。ステップ224(
図4参照)は、アース線44(
図1、
図2A参照)を介して、接地46(
図1、
図2A参照)に電流38(
図1、
図2A参照)を消散させることを更に含む。
【0092】
図4で示されているように、LDE試験方法220は、電流38b(
図1参照)などの電流38を検知し、電気信号142(
図1、
図2A参照)などの電流検出信号140(
図1、
図2A参照)を、コントローラシステム118(
図1、
図2A参照)に送信するために、電流センサプローブアセンブリ128(
図1、
図2A参照)を使用するステップ226を更に含む。
【0093】
図4で示されているように、LDE試験方法220は、デジタル制御された基準光源12(
図1、
図2A参照)をデジタル制御し、放出される光168(
図1、
図2A参照)を生成するために、パルス持続時間変調(PDM)158(
図1参照)コントローラ120(
図1、
図2A参照)を有するコントローラシステム118(
図1、
図2A参照)を使用するステップ228を更に含む。コントローラシステム118(
図1、
図2A参照)を使用するステップ228は、マイクロコントローラ120a(
図1、
図2A参照)、マイクロプロセッサ120b(
図1参照)、コンピュータコントローラ120c(
図1参照)、又は別の適切なコントローラ120のうちの1つを備えた、コントローラ120(
図1、
図2A参照)を有するコントローラシステム118(
図1、
図2A参照)を使用することを更に含んでよい。
【0094】
図4で示されているように、LDE試験方法220は、光ファイバーリンク170(
図1、
図2A参照)を介して、コントローラシステム118(
図1、
図2A参照)からデジタル制御された基準光源12(
図1、
図2A参照)に、放出される光168(
図1、
図2A参照)を転送するステップ230を更に含む。
【0095】
図4で示されているように、LDE試験方法220は、試験される試験物23(
図1参照)内で観察された火花66(
図1参照)の観察されたスパークスペクトル指標56(
図1参照)をシミュレートする基準光源スペクトル指標80(
図1参照)を、デジタル制御された基準光源12を用いて、放出するステップ232を更に含む。デジタル制御された基準光源12(
図1、
図2A参照)は、最小点火エネルギー(MIE)閾値64a(
図1参照)に等しいエネルギー62(
図1参照)を有する、観察されたスパーク54(
図1参照)の観察されたスパーク光強度60(
図1参照)に等価な、基準光源光強度82(
図1参照)を有する。
【0096】
【0097】
図4で示されているように、LDE試験方法220は、カメラ104(
図1、
図2A参照)からコンピュータシステム180(
図1、
図2A参照)に画像110(
図1、
図3A~
図3B参照)を転送するステップ236を更に含む。
【0098】
【0099】
合格結果188(
図3A参照)又は不合格結果190(
図3B参照)を判定するステップ238(
図4参照)は、スパーク光強度52(
図1、
図3A参照)が、カメラ104(
図1、
図2A参照)によってキャプチャされた第1の画像110a(
図3A参照)などの画像110(
図1、
図3A参照)内の基準光源光強度82(
図1、
図3A参照)未満である場合、試験物22(
図3A参照)が雷直接効果(LDE)試験基準194(
図1参照)を通過(合格)したと判定することを更に含み、スパーク光強度52(
図1、
図3B参照)が、カメラ104によってキャプチャされた第2の画像110b(
図3B参照)などの画像110(
図3B参照)内の基準光源光強度82(
図1、
図3B参照)以上である場合、試験物22(
図3B参照)がLDE試験基準194(
図1参照)を通過しなかった(不合格であった)と判定することを更に含む。
【0100】
次に
図5を参照すると、
図5は、複合材構造物270、例えば、本開示のLDE試験システム10(
図1、
図2A参照)及びLDE試験方法220(
図4参照)を使用して試験され得る航空機の主翼のパネルなどの、構造物268を組み込んだ航空機250aなどの、航空輸送体250の例示的な斜視図である。
図5で示されているように、航空機250aなどの航空輸送体250は、胴体252、ノーズ254、操縦室256、一対の主翼258及びエンジン260、並びに水平安定板264及び垂直安定板266を備えた尾部262を備える。
【0101】
次に、
図6及び
図7を参照すると、
図6は、航空機製造及び保守方法300の例示的なフロー図であり、
図7は、航空機316の例示的なブロック図である。
図6及び
図7を参照すると、本開示のバージョンが、
図6に示す航空機の製造及び保守方法300並びに
図7に示す航空機316に照らして説明され得る。
【0102】
製造前の段階では、航空機の製造及び保守方法300は、航空機316の仕様及び設計302並びに材料の調達304を含み得る。製造段階では、航空機316の構成要素及びサブアセンブリの製造306並びにシステムインテグレーション308が行われる。その後、航空機316は、認可及び納品310を経て運航312に供され得る。顧客により運航312される間に、航空機316は定期的な整備及び保守314(改造、再構成、改修、及び他の適切な保守も含み得る)を受ける。
【0103】
航空機の製造及び保守方法300の各プロセスは、システムインテグレーター、第三者、及び/又はオペレーター(例えば顧客)によって実施又は実行され得る。この明細書において、システムインテグレーターは、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請け業者を含みうるが、それらに限定されるわけではない。第三者は、任意の数の供給業者、下請け業者、及びサプライヤを含みうるが、それらに限定されるわけではない。オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関、及び他の好適なオペレータを含みうる。
【0104】
図7に示すように、航空機の製造及び保守方法300によって製造された航空機316は、複数のシステム320及び内装322を有する機体318を含み得る。複数のシステム320の例には、推進システム324、電気システム326、油圧システム328、及び環境システム330のうちの1以上が含まれ得る。任意の数の他のシステムが含まれることもある。航空宇宙産業の例を示しているが、本開示の原理は、他の産業(自動車産業など)にも適用され得る。
【0105】
本明細書に具現化された方法とシステムは、航空機の製造及び保守方法300の1以上の任意の段階で採用することができる。例えば、構成要素及びサブアセンブリの製造306に対応する構成要素又はサブアセンブリは、航空機316の運航312中に製造される構成要素又はサブアセンブリと同様の方法で製作又は製造され得る。また、1以上の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせは、例えば、航空機316の組み立てを実質的に効率化するか、又は航空機316のコストを削減することにより、構成要素及びサブアセンブリの製造306並びにシステムインテグレーション308の段階で利用することができる。同様に、装置の実施形態、方法の実施形態、或いはそれらの組み合わせのうちの1以上を、航空機316の運航312中に、例えば、限定しないが、保守及び整備314に利用することができる。
【0106】
雷直接効果(LDE)試験システム10(
図1、
図2A参照)及び雷直接効果(LDE)試験方法220(
図4参照)の開示されたバージョンは、試験チャンバ14(
図2A参照)内の固定された座標位置78a(
図2A参照)に位置決めされた、デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源12a(
図1参照)などのデジタル制御された基準光源12(
図1参照)を使用する、試験物22(
図1参照)の雷直接効果(LDE)試験用の主観的であるよりもむしろ客観的なシステム及び方法を提供する。デジタル制御された基準光源12は、好適には、観察されたスパーク54(
図1参照)の観察されたRGB(赤、緑、青)光強度比102(
図1参照)に等価なRGB(赤、緑、青)光強度比100(
図1参照)を有する、RGB LED(赤、緑、青の発光ダイオード)基準光源88を備える。デジタル制御された基準光源12の基準光源光強度82(
図1参照)は、観察されたスパーク54(
図1参照)の観察されたスパーク光強度60(
図1参照)をシミュレートするように構成されており、試験チャンバ14(
図1参照)内で生成したスパーク48(
図1参照)のスパーク光強度52(
図1参照)と比較される。LDE試験システム10及びLDE試験方法220は、好適には、適用可能なMIE(最小点火エネルギー)閾値64a(
図1参照)を模倣するように設定又はプログラムされ得るパルス化されたプログラム可能色164(又は色相)強度光源を生成するために、パルス持続時間変調(PDM)158(
図1参照)又はパルス幅変調(PWM)159(
図1参照)を使用する、マイクロコントローラ120aなどのコントローラ120を有する、コントローラシステム118によってデジタル制御された、三色LED基準光源90(
図1参照)を使用する。カメラ104(
図1参照)は、雷直接効果(LDE)試験中に、スパークスペクトル指標50(
図1参照)、スパーク光強度52(
図1参照)、基準光源スペクトル指標80(
図1参照)、及び基準光源光強度82(
図1参照)の画像110(
図1参照)をキャプチャし、キャプチャするように動作可能である。LDE試験システム10及びLDE試験方法220は、自動化され、自動化された試験物22(
図1参照)向けの合格/不合格評価プロセス192(
図1参照)を提供する。
【0107】
更に、LDE試験システム10(
図1、
図2A参照)及びLDE試験方法220(
図4参照)の開示されたバージョンは、良く知られているLDE試験システム及び方法と比較して、向上した再現性196(
図1参照)、良く知られているLDE試験システム及び方法と比較して、向上した精度198、及びカメラ104(
図1参照)の較正頻度低減200(
図1参照)を提供する。LDE試験システム10(
図1、
図2A参照)は、頻繁なカメラの較正に対する必要性を除去すること、観察されたスパーク54(
図1参照)又は基準スパーカーからの画像110(
図1参照)内の任意のばらつきを除去すること、及び合格/不合格評価プロセス192を自動化する際の任意の難題を除去することによってLDE試験を簡略化する、固定された座標位置78a(
図2A参照)に位置決めされた、再現可能で正確なデジタル制御された基準光源12(
図1、
図2A参照)を提供する。
【0108】
更に、LDE試験システム10(
図1、
図2A参照)及びLDE試験方法220(
図4参照)の開示されたバージョンは、雷保護において、航空機構造物用の重ね継ぎ手22a(
図1参照)などの試験物22(
図1参照)を試験する速度を高める、自動化されたLDE試験を可能にする。更に、LDE試験システム10(
図1、
図2A参照)及びLDE試験方法220(
図4参照)の開示されたバージョンは、LDE試験用の基準光源撮像の任意の較正の課題を解決する。更に、LDE試験システム10(
図1、
図2A参照)及びLDE試験方法220(
図4参照)の開示されたバージョンは、試験の複雑さを低減し、デジタル制御された基準光源12を用いて再現性を高め、カメラ104の較正の必要性を除去する。
【0109】
更に、LDE試験システム10(
図1、
図2A参照)及びLDE試験方法220(
図4参照)の開示されたバージョンは、良く知られているLDE試験システム及び方法と比較して、デジタル制御された基準光源12(
図1参照)並びに基準光源スペクトル指標80(
図1参照)及び基準光源光強度82(
図1参照)の優れたプログラム性および制御を提供する。マイクロコントローラ120aや他の適切なコントローラ120などのコントローラ120を有するコントローラシステム118を用いてデジタル制御される、デジタル制御された基準光源12は、標準的なスパーカーと比較して正確で再現可能な信頼できるものであり、相対湿度、周囲温度、宇宙線、及び他の環境パラメータ若しくは要因などの、環境パラメータに依存しない。
【0110】
更に本発明は、以下の条項による実施形態を含む。
条項1.
試験チャンバ(14)、
前記試験チャンバ(14)内に配置された試験物(22)、
キャパシタ線(41)を介して前記試験物(22)に接続された少なくとも1つのキャパシタ(40)であって、前記試験物(22)上にスパーク(48)を生成するために、雷撃(70)をシミュレートする電流(38)を前記試験物(22)の中に注入するように動作可能であり、前記スパーク(48)がスパークスペクトル指標(50)を放出し、前記スパーク(48)がスパーク光強度(52)を有し、前記試験物(22)が前記電流(38)を接地(46)に消散させるアース線(44)に接続されている、少なくとも1つのキャパシタ(40)、
前記試験チャンバ(14)内に配置されたデジタル制御された基準光源(12)であって、試験される試験物(23)内の火花(66)の観察されたスパークスペクトル指標(56)をシミュレートする基準光源スペクトル指標(80)を放出するように動作可能であり、最小点火エネルギー(MIE)閾値(64a)に等しいエネルギー(62)を有する観察されたスパーク(54)の観察されたスパーク光強度(60)に等価な基準光源光強度(82)を有する、デジタル制御された基準光源(12)、
前記試験チャンバ(14)に位置決めされたカメラ(104)であって、前記試験物(22)及び前記デジタル制御された基準光源(12)に対面するカメラレンズ(105)を有し、前記スパーク(48)及び前記デジタル制御された基準光源(12)を検出するための視野(108)を有し、前記スパークスペクトル指標(50)、前記スパーク光強度(52)、前記基準光源スペクトル指標(80)、及び前記基準光源光強度(82)を含む、画像(110)をキャプチャするように動作可能なカメラ(104)、
前記デジタル制御された基準光源(12)をデジタル制御するように動作可能なコントローラ(120)を有するコントローラシステム(118)であって、電流センサプローブアセンブリ(128)を介して前記アース線(44)に接続された入力部(122)を有し、光ファイバーリンク(170)を介して前記デジタル制御された基準光源(12)に接続された出力部(124)を有するコントローラシステム(118)、並びに
前記カメラ(104)に接続されたコンピュータシステム(180)であって、前記画像(110)を受け取り、前記試験物(22)上の前記スパーク(48)の前記スパーク光強度(52)を測定し、それを前記デジタル制御された基準光源(12)の前記基準光源光強度(82)と比較することによって、前記試験物(22)向けの雷直接効果(LDE)試験基準(194)の合格結果(188)又は不合格結果(190)を判定するためのコンピュータシステム(180)を備える、雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
条項2.
前記試験チャンバ(14)内に配置された第1の鏡(112a)と第2の鏡(112b)であって、前記試験物(22)が前記第1の鏡(112a)と前記第2の鏡(112b)の間に位置決めされた状態で、それぞれ、互いに対向する角度付けされた位置(116)に位置決めされている、第1の鏡(112a)と第2の鏡(112b)を更に備える、条項1に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
条項3.
前記試験物(22)が、重ね継ぎ手(22a)、パネル(22b)、及び航空機構造物(22c)のうちの1つを備え、各試験物(22)が、複合材料(24a)、金属材料(24b)、及び組み合わされた複合材料/金属材料(24c)のうちの1つを含む、試験物材料(24)から作製されている、条項1又は2に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
条項4.
前記試験物(22)の中に注入された前記電流(38)が、雷直接効果(LDE)波形(38a)を含む、条項1から3のいずれか一項に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
条項5.
前記デジタル制御された基準光源(12)が、前記観察されたスパーク(54)の観察されたRGB(赤、緑、青)光強度比(102)に等価なRGB(赤、緑、青)光強度比(100)を有するRGB LED(赤、緑、青の発光ダイオード)基準光源(88)を備えた、デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源(12a)を備える、条項1から4のいずれか一項に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
条項6.
前記RGB(赤、緑、青)光強度比(100)及び前記観察されたRGB(赤、緑、青)光強度比(102)が、1.0:0.3:0.1(R:G:B)の比(99)にある、赤(R)LED成分(94)、緑(G)LED成分(96)、及び青(B)LED成分(98)を含む、条項5に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
条項7.
前記カメラ(104)が、デジタル一眼レフ(DSLR)カメラ(104b)を含むデジタルカメラ(104a)と、電荷結合素子(CCD)カメラ(104c)とのうちの一方を備える、条項1から6のいずれか一項に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
条項8.
前記コントローラ(120)が、マイクロコントローラ(120a)と、マイクロプロセッサ(120b)と、コンピュータコントローラ(120c)とのうちの1つを備える、条項1から7のいずれか一項に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
条項9.
前記コントローラ(120)が、マイクロコントローラ(120a)を備え、放出される光(168)を生成するために、前記デジタル制御された基準光源(12)が、パルス持続時間変調(PDM)(158)前記マイクロコントローラ(120a)によって制御された、三色発光ダイオード(LED)基準光源(90)を備える、条項1から8のいずれか一項に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
条項10.
前記スパーク光強度(52)が、前記カメラ(104)によってキャプチャされた前記画像(110)内の前記基準光源光強度(82)未満である場合、前記試験物(22)が前記雷直接効果(LDE)試験基準(194)を通過し、前記スパーク光強度(52)が、前記カメラ(104)によってキャプチャされた前記画像(110)内の前記基準光源光強度(82)以上である場合、前記試験物(22)が前記雷直接効果(LDE)試験基準(194)を通過しない、条項1から9のいずれか一項に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
条項11.
デジタル制御された基準光源(12)を使用する雷直接効果(LDE)試験システム(10)であって、
試験チャンバ(14)、
前記試験チャンバ(14)内に配置された試験物(22)、
キャパシタ線(41)を介して前記試験物(22)の第1の端部(28a)に接続された少なくとも1つのキャパシタ(40)であって、前記試験物(22)上にスパーク(48)を生成するために、雷撃(70)をシミュレートする電流(38)を前記試験物(22)の中に注入するように動作可能であり、前記スパーク(48)がスパークスペクトル指標(50)を放出し、前記スパーク(48)がスパーク光強度(52)を有する、少なくとも1つのキャパシタ(40)、
前記試験物(22)の第2の端部(28b)に接続されたアース線(44)であって、前記電流(38)を接地(46)に消散させるアース線(44)、
前記試験チャンバ(14)内に配置された第1の鏡(112a)と第2の鏡(112b)であって、前記試験物(22)が前記第1の鏡(112a)と前記第2の鏡(112b)の間に位置決めされた状態で、互いに対向する第1の鏡(112a)と第2の鏡(112b)、
前記試験物(22)の近傍の固定された座標位置(78a)で前記試験チャンバ(14)内に配置されたデジタル制御された基準光源(12)であって、試験される試験物(23)内で観察された火花(66)の観察されたスパークスペクトル指標(56)をシミュレートする基準光源スペクトル指標(80)を放出するように動作可能であり、最小点火エネルギー(MIE)閾値(64a)に等しいエネルギー(62)を有する観察されたスパーク(54)の観察されたスパーク光強度(60)に等価な基準光源光強度(82)を有する、デジタル制御された基準光源(12)、
前記試験チャンバ(14)に位置決めされたカメラ(104)であって、前記試験物(22)及び前記デジタル制御された基準光源(12)に対面するカメラレンズ(105)を有し、前記スパーク(48)及び前記デジタル制御された基準光源(12)を検出するための視野(108)を有し、前記スパークスペクトル指標(50)、前記スパーク光強度(52)、前記基準光源スペクトル指標(80)、及び前記基準光源光強度(82)を含む、画像(110)をキャプチャするように動作可能なカメラ(104)、
前記デジタル制御された基準光源(12)をデジタル制御するように動作可能なコントローラ(120)を有するコントローラシステム(118)、
前記アース線(44)と前記コントローラシステム(118)の間に接続された電流センサプローブアセンブリ(128)であって、電流センサプローブ(130)及びケーブル接続(132)を備えた、電流センサプローブアセンブリ(128)、
前記コントローラシステム(118)と前記デジタル制御された基準光源(12)の間に接続された光ファイバーリンク(170)、並びに
前記カメラ(104)に接続されたコンピュータシステム(180)であって、前記画像(110)を受け取り、前記試験物(22)上の前記スパーク(48)の前記スパーク光強度(52)を測定し、それを前記デジタル制御された基準光源(12)の前記基準光源光強度(82)と比較することによって、前記試験物(22)向けの雷直接効果(LDE)試験基準(194)の合格結果(188)又は不合格結果(190)を判定するためのコンピュータシステム(180)を備え、
前記スパーク光強度(52)が、前記カメラ(104)によってキャプチャされた前記画像(110)内の前記基準光源光強度(82)未満である場合、前記試験物(22)が前記雷直接効果(LDE)試験基準(194)を通過し、前記スパーク光強度(52)が、前記カメラ(104)によってキャプチャされた前記画像(110)内の前記基準光源光強度(82)以上である場合、前記試験物(22)が前記雷直接効果(LDE)試験基準(194)を通過しない、雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
条項12.
前記試験物(22)が、重ね継ぎ手(22a)、パネル(22b)、及び航空機構造物(22c)のうちの1つを備え、各試験物(22)が、複合材料(24a)、金属材料(24b)、及び組み合わされた複合材料/金属材料(24c)のうちの1つを含む、試験物材料(24)から作製されており、各試験物(22)が、少なくとも1つの金属製ファスナ(36a)を有する、条項11に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
条項13.
前記デジタル制御された基準光源(12)が、前記観察されたスパーク(54)の観察されたRGB(赤、緑、青)光強度比(102)に等価なRGB(赤、緑、青)光強度比(100)を有するRGB LED(赤、緑、青の発光ダイオード)基準光源(88)を備えた、デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源(12a)を備える、条項11又は12に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
条項14.
前記RGB(赤、緑、青)光強度比(100)及び前記観察されたRGB(赤、緑、青)光強度比(102)が、1.0:0.3:0.1(R:G:B)の比(99)にある、赤(R)LED成分(94)、緑(G)LED成分(96)、及び青(B)LED成分(98)を含む、条項13に記載の雷直接効果(LDE)試験システム(10)。
条項15.
雷直接効果(LDE)試験システム(10)を使用する雷直接効果(LDE)試験方法(220)であって、
試験チャンバ(14)、
前記試験チャンバ(14)内に配置された試験物(22)、
キャパシタ線(41)を介して前記試験物(22)の第1の端部(28a)に接続された少なくとも1つのキャパシタ(40)、
前記試験物(22)の第2の端部(28b)に接続されたアース線(44)、
前記試験物(22)の近傍の固定された座標位置(78a)で前記試験チャンバ(14)内に配置されたデジタル制御された基準光源(12)、
前記試験チャンバ(14)に位置決めされたカメラ(104)であって、前記試験物(22)及び前記デジタル制御された基準光源(12)に対面するカメラレンズ(105)を有するカメラ(104)、
電流センサプローブアセンブリ(128)を介して前記アース線(44)に接続された入力部(122)を有するコントローラシステム(118)であって、光ファイバーリンク(170)を介して前記デジタル制御された基準光源(12)に接続された出力部(124)を有するコントローラシステム(118)、及び
前記カメラ(104)に接続されたコンピュータシステム(180)を備える、前記雷直接効果(LDE)システム(10)を組み立てるステップ(222)、
前記試験物(22)上にスパーク(48)を生成するために、雷撃(70)をシミュレートする電流(38)を、前記少なくとも1つのキャパシタ(40)から前記試験物(22)の中に注入するステップ(224)であって、前記電流(38)を前記アース線(44)を介して接地(46)に消散させ、前記スパーク(48)がスパークスペクトル指標(50)を放出し、前記スパーク(48)がスパーク光強度(52)を有する、ステップ(224)、
前記電流(38)を検知し、電流検出信号(140)を前記コントローラシステム(118)に送信するために、前記電流センサプローブアセンブリ(128)を使用するステップ(226)、
前記デジタル制御された基準光源(12)をデジタル制御し、放出される光(168)を生成するために、パルス持続時間変調(PDM)(158)コントローラ(120)を有する前記コントローラシステム(118)を使用するステップ(228)、
前記光ファイバーリンク(170)を介して、前記放出される光(168)を前記コントローラシステム(118)から前記デジタル制御された基準光源(12)に転送するステップ(230)、
前記デジタル制御された基準光源(12)を用いて、試験される試験物(23)内で観察された火花(66)の観察されたスパークスペクトル指標(56)をシミュレートする基準光源スペクトル指標(80)を放出するステップ(232)であって、前記デジタル制御された基準光源(12)が、最小点火エネルギー(MIE)閾値(64a)に等しいエネルギー(62)を有する観察されたスパーク(54)の観察されたスパーク光強度(60)に等価な基準光源光強度(82)を有する、ステップ(232)、
前記カメラ(104)を用いて、前記スパークスペクトル指標(50)、前記スパーク光強度(52)、前記基準光源スペクトル指標(80)、及び前記基準光源光強度(82)を含む、画像(110)をキャプチャするステップ(234)、
前記画像(110)を前記カメラ(104)から前記コンピュータシステム(180)に転送するステップ(236)、並びに
前記コンピュータシステム(180)を用いて、前記試験物(22)上の前記スパーク(48)の前記スパーク光強度(52)を測定し、それを前記デジタル制御された基準光源(12)の前記基準光源光強度(82)と比較することによって、前記試験物(22)向けの雷直接効果(LDE)試験基準(194)の合格結果(188)又は不合格結果(190)を判定するステップ(238)を含む、方法。
条項16.
前記LDE試験システム(10)を組み立てるステップ(222)が、前記試験チャンバ(14)内で第1の鏡(112a)と第2の鏡(112b)の間に前記試験物(22)を位置決めすることであって、前記第1の鏡(112a)と前記第2の鏡(112b)が、それぞれ、互いに対向する角度付けされた位置(116)に位置決めされている、前記試験物(22)を位置決めすることを更に含む、条項15に記載の雷直接効果(LDE)試験方法(220)。
条項17.
前記LDE試験システム(10)を組み立てるステップ(222)が、前記観察されたスパーク(54)の観察されたRGB(赤、緑、青)光強度比(102)に等価なRGB(赤、緑、青)光強度比(100)を有するRGB LED(赤、緑、青の発光ダイオード)基準光源(88)を備えた、デジタル制御されたフルスペクトルの基準光源(12a)を備える、前記デジタル制御された基準光源(12)を使用することを含む、条項15又は16に記載の雷直接効果(LDE)試験方法(220)。
条項18.
前記デジタル制御された基準光源(12)を使用して、前記LDE試験システム(10)を組み立てるステップ(222)が、前記RGB LED(赤、緑、青の発光ダイオード)基準光源(88)であって、前記RGB(赤、緑、青)光強度比(100)及び前記観察されたRGB(赤、緑、青)光強度比(102)が、1.0:0.3:0.1(R:G:B)の比(99)にある、赤(R)LED成分(94)、緑(G)LED成分(96)、及び青(B)LED成分(98)を含む、前記RGB LED(赤、緑、青の発光ダイオード)基準光源(88)を備える、条項17に記載の雷直接効果(LDE)試験方法(220)。
条項19.
前記コントローラシステム(118)を使用するステップ(226)が、マイクロコントローラ(120a)と、マイクロプロセッサ(120b)と、コンピュータコントローラ(120c)とのうちの1つを備えた、前記コントローラ(120)を有する、前記コントローラシステム(118)を使用すること(226)を含む、条項15から18のいずれか一項に記載の雷直接効果(LDE)試験方法(220)。
条項20.
前記合格結果(188)又は前記不合格結果(190)を判定するステップ(238)が、前記スパーク光強度(52)が、前記カメラ(104)によってキャプチャされた前記画像(110)内の前記基準光源光強度(82)未満である場合、前記試験物(22)が前記雷直接効果(LDE)試験基準(194)を通過したと判定することを含み、前記スパーク光強度(52)が、前記カメラ(104)によってキャプチャされた前記画像(110)内の前記基準光源光強度(82)以上である場合、前記試験物(22)が前記雷直接効果(LDE)試験基準(194)を通過しないと判定することを更に含む、条項15から19のいずれか一項に記載の雷直接効果(LDE)試験方法(220)。
【0111】
上述の説明及び関連する図面に示した教示の利点を有する本開示に関係する当業者であれば、本開示の多くの変形例及び他のバージョン又は実施形態が想起されよう。本明細書に記載したバージョン又は実施形態は、例示することを意図したものであって、限定的又は網羅的であることを意図していない。本明細書では特定の用語が用いられているが、それらは、一般的且つ解説的な意味でのみ使用されており、限定を目的とするものではない。