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特許7272954沖合構造物の壁要素に接して設置可能な環状の封止部材
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】沖合構造物の壁要素に接して設置可能な環状の封止部材
(51)【国際特許分類】
   H02G 9/02 20060101AFI20230502BHJP
   H02G 1/10 20060101ALI20230502BHJP
   F16L 5/02 20060101ALI20230502BHJP
   F16L 1/12 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
H02G9/02
H02G1/10
F16L5/02 N
F16L1/12 H
F16L5/02 A
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2019537899
(86)(22)【出願日】2017-09-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-07
(86)【国際出願番号】 GB2017052901
(87)【国際公開番号】W WO2018060707
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-09-23
(31)【優先権主張番号】1616488.1
(32)【優先日】2016-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1619657.8
(32)【優先日】2016-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519108811
【氏名又は名称】シー-リング・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・ヴァン・ヒンスバーグ
【審査官】神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101351665(CN,A)
【文献】特開2004-040940(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0255102(US,A1)
【文献】特開2014-180139(JP,A)
【文献】特開平02-097771(JP,A)
【文献】実公昭57-013696(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 9/02
H02G 1/10
F16L 5/02
F16L 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の封止部材であって、
沖合構造物の壁要素に接して設置可能な設置部分と、内面と、外面と、開口部を通る長尺要素を受け入れるための前記封止部材の開口部を画定するリップ部分とを備える封止本体を備え、
前記封止本体は、前記封止本体の前記外面に作用する静圧が前記封止本体の前記内面に作用する静圧を上回るとき、正味の正圧が前記外面に加えられ、前記外面が少なくとも部分的に内向きに変形し、前記封止本体の一部分を前記長尺要素の外面に対して封止させるように、前記壁要素に接して設置可能であり、
前記設置部分はフランジ部分を備え、前記フランジ部分は、周方向に延在する少なくとも1つの溝を備え、前記溝は周方向に延在する凹領域を備え、前記溝の周方向に延在する壁に少なくとも1つの開口が設けられている、環状の封止部材。
【請求項2】
前記長尺要素はアンビリカルケーブルまたは電力ケーブルを備える、請求項1に記載の封止部材。
【請求項3】
前記長尺要素は柔軟である、請求項1または2に記載の封止部材。
【請求項4】
前記封止本体は、前記正味の正圧の下で変形する弾性材料を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の封止部材。
【請求項5】
前記凹領域は親水性材料を含む、請求項1に記載の封止部材。
【請求項6】
前記親水性材料は、親水性物質で修飾されたゴムを含む、請求項5に記載の封止部材。
【請求項7】
前記ゴムはポリクロロプレンを含む、請求項6に記載の封止部材。
【請求項8】
前記親水性物質はベントナイトを含む、請求項6または7に記載の封止部材。
【請求項9】
前記フランジ部分は、前記フランジ部分を前記壁要素に固定するための少なくとも1つの磁気要素を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の封止部材。
【請求項10】
前記封止本体は、前記設置部分から前記リップ部分への方向で延在する中間部分を備え、前記外面の少なくとも一部分と前記内面の少なくとも一部分とは前記中間部分に設けられ、前記中間部分は前記リップ部分に向けて収束する、請求項1から9のいずれか一項に記載の封止部材。
【請求項11】
前記中間部分は円錐台状である、請求項10に記載の封止部材。
【請求項12】
前記中間部分は、前記長尺要素を受け入れるための室を画定し、前記室はその内部において前記長尺要素によって占められる空間より大きい、請求項10または11に記載の封止部材。
【請求項13】
前記リップ部分は、前記リップ部分の内面の周りで周方向に延在する少なくとも1つのリップ凹領域を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の封止部材。
【請求項14】
前記リップ凹領域は親水性材料を含む、請求項13に記載の封止部材。
【請求項15】
前記親水性材料は、親水性物質で修飾されたゴムを含む、請求項14に記載の封止部材。
【請求項16】
前記ゴムはポリクロロプレンを含む、請求項15に記載の封止部材。
【請求項17】
前記親水性物質はベントナイトを含む、請求項15に記載の封止部材。
【請求項18】
前記封止本体は弾性材料を含み、少なくとも1つの分割部が、前記封止本体が長尺要素の挿入のために前記分割部に沿って開けることができるように、前記封止本体の長さに沿って設けられる、請求項1から17のいずれか一項に記載の封止部材。
【請求項19】
前記封止本体は、前記分割部に隣接する前記封止本体の第1の部分における第1の締結部分と、前記分割部の反対側に隣接する前記封止本体の第2の部分における第2の締結部分とを備え、前記締結部分同士は一体に固定されるように配置される、請求項18に記載の封止部材。
【請求項20】
前記封止本体は、前記リップ部分と、前記壁要素に接して設置可能である前記封止本体の一部分との間で、前記封止本体の領域に沿って延在する柔軟な管状要素を備える、請求項1から19のいずれか一項に記載の封止部材。
【請求項21】
前記柔軟な管状要素は、長さにおいて少なくとも1m、少なくとも5m、少なくとも10m、少なくとも20m、または少なくとも30mである、請求項20に記載の封止部材。
【請求項22】
前記封止本体は、受け入れられるときに前記長尺要素が通って延在する室を画定し、前記室は、環状の親水性封止要素を受け入れるように構成され、前記封止本体は、少なくとも1つの方向における前記室の内部での前記親水性封止要素の膨張を抑制するように構成される、請求項1から21のいずれか一項に記載の封止部材。
【請求項23】
前記室の少なくとも一部分は前記室の一端に向けて収束する、請求項22に記載の封止部材。
【請求項24】
前記封止本体は、前記室に受け入れられるときに前記長尺要素が前記室を通って延在する方向に対して直交する方向において、前記室の内部での前記親水性封止要素の膨張を抑制するように構成される、請求項22または23に記載の封止部材。
【請求項25】
前記溝が、環状の溝、或いは、周方向に離隔されたウェブによって離された複数の周方向の溝を備える、請求項1に記載の封止部材。
【請求項26】
室を画定する壁要素と、
前記壁要素の下方部分において前記壁要素を通る少なくとも1つの開口と、
前記壁要素におけるそれぞれの開口を通って各々延在する少なくとも1つの柔軟な長尺要素と、
前記壁要素とそれぞれの長尺要素との間のそれぞれの境界面領域に各々設置される封止本体を含む少なくとも1つの環状の封止部材
を備え、
各々の封止本体は、沖合構造物の壁要素に接して設置可能な設置部分と、内面と、外面と、開口部を通る長尺要素を受け入れるための前記封止部材の開口部を画定するリップ部分とを備え、
前記封止本体は、前記室の内部に配置され、周囲の水位よりも高い前記室の内部の水位が、前記封止本体の内面に作用する静圧を上回る前記封止本体の外面に作用する静圧を提供し、正味の正圧が前記外面に加えられ、前記外面が少なくとも部分的に内向きに変形し、前記長尺要素の外面に対して封止するように前記封止本体の一部分を提供して、それぞれの境界面領域を封止し、
周囲の水位に対する前記室の内部のそれぞれの水位が、所望の水位で維持される、沖合構造物。
【請求項27】
前記室の内部のそれぞれの水位を周囲の水位に対して維持することによって、前記封止本体に封止圧力が提供されて、それぞれの境界面領域を封止する、請求項26に記載の沖合構造物。
【請求項28】
それぞれの境界面領域を封止することで、封止された空間への海水の侵入を防止する、請求項26又は27に記載の沖合構造物。
【請求項29】
前記壁要素は円筒形である、請求項26~28のいずれか一項に記載の沖合構造物。
【請求項30】
各々の封止本体は、前記周囲の水位より高い前記室の内部の水位が前記封止本体において封止圧力を提供するように配置される、請求項26~29のいずれか一項に記載の沖合構造物。
【請求項31】
各々の封止本体は、前記周囲の水位より低い前記室の内部の水位が前記封止本体を通じて水を前記室へと流すように配置される、請求項26~30のいずれか一項に記載の沖合構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状の封止体と支持構造とに関する。
【背景技術】
【0002】
風力タービンなどの沖合構造物は、ほとんどが海水によって腐食される標準的な沖合用の鋼種から構築されるため、腐食に対処する必要がある。
【0003】
構造物の表面は、船舶業界により使用されるものを含め、様々な種類の塗料で被覆され得る。しかしながら、塗料は損なわれ、そのため定期的な保守を必要とする。
【0004】
沖合の風力タービンは、タービンによって発生された電力を、電力ケーブルを介して回収する必要があるという別の課題に直面する。典型的には、ケーブルは、風力タービンを支持するモノパイルへと下向きに延在し、海面の下でモノパイルに設けられた円形のポートを通って出て行く。海水がモノパイルに入り内部を腐食するのを防止するために、封止体がケーブルの周囲に設けられる。
【0005】
しかしながら、多くの既存の封止体は、新鮮な酸素を含む海水がモノパイルに入って腐食を加速させるように、緩んでしまうかまたは不具合を起こす傾向があることが示されている。封止体が破壊されると、モノパイル内の海水の水位が変動し、それによってモノパイルの内部を高いレベルの酸素および海水に曝し、それによって腐食を悪化させてしまうことが、さらに示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の問題を少なくとも部分的に軽減することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、環状の封止部材であって、沖合構造物の壁要素に接して設置可能な設置部分と、内面と、外面と、開口部を通る長尺要素を受け入れるための封止部材の開口部を画定するリップ部分とを備える封止本体を備え、封止本体は、封止本体の外面に作用する静圧が封止本体の内面に作用する静圧を上回るとき、正味の正圧が外面に加えられ、外面が少なくとも部分的に内向きに変形し、封止本体の一部分を長尺要素の外面に対して封止させるように、壁要素に接して設置可能である、環状の封止部材が提供される。
【0008】
長尺要素はアンビリカルケーブルまたは電力ケーブルなどを備え得る。
【0009】
長尺要素は柔軟であり得る。
【0010】
封止本体は、正味の正圧の下で変形する弾性材料を含み得る。
【0011】
設置部分はフランジ部分を備え得る。
【0012】
フランジ部分は、フランジの周りで周方向に延在する少なくとも1つの凹領域を備え得る。凹領域は親水性材料を含み得る。親水性材料は、ベントナイトを含み得る親水性物質で修飾された、ポリクロロプレンを含み得るゴムを含み得る。
【0013】
本発明の脈絡における親水性材料は、抑制されないときに水の吸収において膨張する材料である。膨張可能な親水性材料と呼ぶこともできる。膨張可能な親水性材料は、例えば、元の体積の200%より大きい、元の体積の500%より大きい、または元の体積の1000%より大きいといった、元の(つまり、乾燥した)体積の100%より大きい体積における増加を呈する親水性材料であり得る。親水性材料は、水で飽和されたとき、その元の体積の少なくとも500%、少なくとも800%、または少なくとも1000%で膨張できる。親水性材料は、例えば、水で飽和されたときにその元の体積のせいぜい1300%といった、せいぜい1500%で膨張できる。
【0014】
ベントナイトで修飾されたポリクロロプレンを含む親水性材料は、具体的には、例えば少なくとも3.5%の塩分濃度を有する海水といった、少なくとも2%の塩分濃度を有する水である塩水における親水性材料として、特に有効である。そのため、このような親水性材料は、沖合風力タービンのためのモノパイルおよびケーブル配置など、海洋環境における水中構造物を封止するのに特に適している。
【0015】
フランジ部分は、フランジ部分を壁要素に固定するための少なくとも1つの磁気要素を備え得る。
【0016】
封止本体は、設置部分からリップ部分への方向で延在する中間部分を備えてもよく、外面の少なくとも一部分と内面の少なくとも一部分とは中間部分に設けられ、中間部分はリップ部分に向けて収束する。
【0017】
中間部分は実質的に円錐台状であり得る。
【0018】
中間部分は、長尺要素を受け入れるための室を画定し得る。前記室はその内部において長尺要素によって占められる空間より大きい。
【0019】
リップ部分は、リップ部分の内面の周りで周方向に延在する少なくとも1つのリップ凹領域を備え得る。リップ凹領域は親水性材料を含み得る。親水性材料は、ベントナイトを含む親水性物質で修飾された、ポリクロロプレンを含み得るゴムを含み得る。
【0020】
封止本体は弾性材料を含み得る。少なくとも1つの分割部が、封止本体が長尺要素の挿入のために分割部に沿って開けることができるように封止本体の長さに沿って設けられ得る。
【0021】
封止本体は、分割部に隣接する封止本体の第1の部分における第1の締結部分と、分割部の反対側に隣接する封止本体の第2の部分における第2の締結部分とを備えることができ、締結部分同士は一体に固定されるように配置される。第1および第2の締結部分は、締結部分の間の封止を支援するためにそれらの間に配置される、先に記載した親水性材料などの親水性材料を有し得る。
【0022】
封止本体は、リップ部分と、壁要素に接して設置可能である封止本体の一部分との間で、封止本体の領域に沿って延在する柔軟な管状要素を備え得る。
【0023】
柔軟な管状要素は、長さにおいて少なくとも1m、少なくとも5m、少なくとも10m、少なくとも20m、または少なくとも30mであり得る。
【0024】
封止本体は、受け入れられるときに長尺要素が通って延在する室を画定することができ、室は、環状の親水性封止要素を受け入れるように構成される。封止本体は、少なくとも1つの方向における室の内部での親水性封止要素の膨張を抑制するように構成され得る。室は円筒形とでき、封止本体は、径方向において親水性封止要素を抑制するように構成される。封止本体は、軸方向における室の内部での封止要素の膨張を許容するように構成されてもよい。封止本体は、例えば元の体積の少なくとも10%といった、元の(つまり、乾燥した)体積の少なくとも5%で封止要素の膨張を許容するように構成され得る。封止本体は、例えば元の体積におけるせいぜい20%の増加といった、元の体積におけるせいぜい50%の増加まで、封止要素の膨張を制限するように構成され得る。
【0025】
室の少なくとも一部分は室の一端に向けて収束し得る。室は、室の両端において収束してもよい。
【0026】
封止本体は、室に受け入れられるときにケーブルが室を通って延在する方向に対して直交する方向において、室の内部での親水性封止要素の膨張を抑制するように構成され得る。
【0027】
本発明の第6の態様によれば、少なくとも一部分が螺旋である、親水性材料を含む封止要素が提供される。封止要素は、自由端と、螺旋配置によって形成された隣接するコイルとの間に長尺要素を挿入し、次に、封止要素が長尺要素の周りに巻き付けられるように長尺要素が他方の自由端との間から出て行くまで長尺要素をコイル間で移動させることで、長尺要素に取り付けられ得るように、自由端を有し得る。
【0028】
親水性材料は、親水性物質で修飾されたゴムを含み得る。ゴムはポリクロロプレンを含み得る。親水性物質はベントナイトを含み得る。
【0029】
封止要素は、少なくとも2つのコイル、少なくとも3つのコイル、または少なくとも4つのコイルを備え得る。
【0030】
本発明の第2の態様によれば、室を画定する壁要素と、壁要素の下方部分において壁要素を通る少なくとも1つの開口と、壁要素におけるそれぞれの開口を通って各々延在する少なくとも1つの柔軟な長尺要素と、壁要素とそれぞれの長尺要素との間のそれぞれの境界面領域に各々設置される少なくとも1つの封止本体とを備え、各々の封止本体は、周囲の水位に対する室の内部のそれぞれの水位が、それぞれの境界面領域を封止して、封止された空間への海水の進入を防止するために、封止本体において封止圧力を提供するように所望の水位で維持されるように、配置される、沖合構造物が提供される。
【0031】
壁要素は実質的に円筒形であり得る。
【0032】
各々の封止本体は室の内部に配置され得る。
【0033】
各々の封止本体は、周囲の水位より高い室の内部の水位が封止本体において封止圧力を提供するように配置され得る。
【0034】
各々の封止本体は、周囲の水位より低い室の内部の水位が封止本体を通じて水を室へと流すように配置され得る。
【0035】
本発明の第3の態様によれば、管状部材と、一端における環状封止部材とを備え、環状封止部材は、沖合構造物の壁要素に接して設置可能な設置部分と、内面と、外面とを備える封止本体を有し、設置部分は、設置部分が壁要素に接して設置されるときに壁要素に当接する封止部分を備え、封止本体は、封止本体の外面に作用する静圧が封止本体の内面に作用する静圧を上回り、封止部分を壁要素と封止係合させる正味の正圧が外面に加えられるように設置可能である、封止配置が提供される。
【0036】
封止部分はフランジ部分であり得る。フランジ部分は概して環状の構成を有し得る。管状部材はフラットホースの構造であり得る。「フラットホース」は、平坦な構成で巻けるパイプを言い表すための技術的に用いられる用語である。例として、OROFLEX 80として市販されているOroflex(商標)レイフラットホースがある。
【0037】
本発明の第4の態様によれば、J管またはI管などの管状部材と、本発明の第3の態様による封止配置とを備えるケーブル保護システムが提供される。
【0038】
本発明の第5の態様によれば、J管またはI管などの管状部材と、本発明の第1の態様による封止配置とを備えるケーブル保護システムが提供される。
【0039】
ここで、本発明の実施形態が、添付の図面を参照し、単に例として、以後において記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】海底に設置された沖合構造物のための支持組立体の概略図である。
図2】環状の封止体を備える、図1に示した支持組立体の一部の概略図である。
図3】分離されている図2で描写した環状の封止体の斜視図である。
図4】支持構造の組立体を描写している概略図である。
図5】環状の封止体の代替の実施形態の斜視図である。
図6】J管の配置を示す図である。
図7】モノパイルの配置を示す図である。
図8A】モノパイルの配置を示す図である。
図8B図8Aで示したモノパイルの配置の一部分を示す図である。
図9図8Aで示した配置に対応するモノパイルの配置の斜視図である。
図10図9で示したモノパイルの配置の部分的な断面図である。
図11図9および図10で示したモノパイルの配置の部分的な断面図である。
図12A図9図11に示した配置の一部を示す図である。
図12B】締結具を示す図である。
図13】J管を備える配置の概略図である。
図14図13で示した配置の一部分を示す図である。
図15】第1の構成におけるJ管連結器を備える配置を示す図である。
図16】第2の構成において図15で示した配置を示す図である。
図17】補強要素を有する封止本体を示す図である。
図18】ケーブルの一部分を示す図である。
図19】J管を備える配置を示す図である。
図20図18に示した配置の一部分を示す図である。
図21】環状の封止体の実施形態を示す図である。
図22図21で示した環状の封止体の代替の図である。
図23】使用中における図21で示した環状の封止体の断面図である。
図24A図23で示した配置の一部分を、説明を助けるために異なる状態で示す図である。
図24B図23で示した配置の一部分を、説明を助けるために異なる状態で示す図である。
図24C図23で示した配置の一部分を、説明を助けるために異なる状態で示す図である。
図25】環状の封止体の実施形態の斜視図である。
図26】異なる斜視からの、図25で示した環状の封止体の斜視図である。
図27】ケーブル配置の一部分と共に、図25で示した環状の封止体を示す図である。
図28A】第1の状態にあるときの、使用中における図26で示した配置の断面図である。
図28B】第2の状態にあるときの、図28Aで示した断面図に対応する図である。
図29】環状の封止体の実施形態の斜視図である。
図30】異なる斜視からの、図29で示した環状の封止体の斜視図である。
図31】使用中における図29で示した環状の封止体を示す図である。
図32】封止要素の斜視図である。
図33図32で示した封止要素の側面図である。
図34図32で示した封止要素の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、風力タービンなどの沖合構造物のための支持組立体2の概略図を示している。
【0042】
支持組立体2はモノパイル4の形態での基礎を備え、モノパイル4は、海底6における穴においてモノパイル4の下方端を固定することで、海底6へと固定されている。
【0043】
モノパイル4は、管状であり、25mm以上200mm以下である壁厚を有する円筒形の外壁5を備える。モノパイル4の直径は、基礎においておおよそ6000mmである。モノパイル4は、少なくとも一部で、鋼などの金属から製作されている。モノパイル4は、モノパイル4の内部で上向きに延在する内部室7を画定する。内部室7は、モノパイル4が設置される海底によって、または、モノパイル4が浸透性の堆積物において設置される場合に使用され得る、室7の下方端における追加のライナによってのいずれかで、底において封止されている。内部室7は、水が貯蔵され得る容器を形成する。
【0044】
モノパイル4は、5つの環境的な帯域、すなわち、埋込帯域8と、洗掘帯域10と、水中帯域12と、飛沫/潮汐範囲帯域14と、大気帯域16とにわたって及ぶように、海底から上向きに延在する。
【0045】
最下帯域は、モノパイル4が海底において埋め込まれる埋込帯域8である。そのすぐ上は、モノパイルが海底からの研磨粒子に曝される洗掘帯域10である。洗掘帯域10のすぐ上は、モノパイル4が常に水に沈められたままである水中帯域12である。水中帯域12の上には、潮汐、大気圧の変化、および波によって引き起こされる水位の変動のため、モノパイルが周期的に水に沈められたり大気に曝されたりする飛沫/潮汐範囲帯域である。最も高い帯域は、200年の期間にわたって予期され得る最大の波の高さなど、風力タービンの耐用期間にわたって到達すると合理的に予想され得る周囲の水の最も高い水位の典型的には上である大気帯域である。そのため、大気帯域におけるモノパイル4の一部分は、あったとしてもめったに水に沈められない。
【0046】
アクセスポート18が、水中帯域を占める領域において円筒形の外壁5に設けられている。示した実施形態では、アクセスポート18は、円形であり、おおよそ450mmの直径を有する。アクセスポートは卵形または任意の他の適切な形であり得る。
【0047】
支持組立体2は、モノパイル4の上部において吊り下げクランプ22から内部室7の内部で下向きに延在する、単一の管から成るケーブル保護システムなど、長尺のケーブル配置20をさらに備える。ケーブル配置20は、内部室7からアクセスポート18を通って、電力網へと接続される場所まで延在する。ケーブル配置20は、風力タービンによって発生される電力を送るための主電力ケーブルを、引込ケーブルと共に備える。電力ケーブルおよび引込ケーブルは、ケーブル保護システムとして一般的に言及される管状のスリーブによって保護されている。アクセスポート18の直径は、容易な据付を可能とするために、および、ケーブル配置20の柔軟性を許容するために、ケーブル配置20の直径より大きい。
【0048】
支持組立体2は、内面24aと外面24bとを有する環状の封止体24をさらに備え、環状の封止体24は、アクセスポート18とケーブル配置20とを包囲する。
【0049】
図2は、環状の封止体24の領域における、図1に示した支持組立体2の一部分の概略図を示している。環状の封止体24は、フランジ部分26と、円錐部分28と、管状部分30とを有する封止本体を備える。フランジ部分26は、モノパイル4の外壁5に当接する環状の封止体24の基礎を形成している。円錐部分28は、フランジ部分26に結合するより大きい直径の端と、管状部分30に結合するより小さい直径の端とを有する。円錐部分28は、フランジ部分26から離れる方向において収束し、フランジ部分26から管状部分30へと収束する室29を画定する。代替で、円錐部分28は、封止体24の連結を向上させるために、蛇腹配置を備えてもよい。管状部分30は、ケーブル配置20の外面と接触しているケーブル配置20にわたってスリーブを形成するように、ケーブル配置20の外径に対応する内径を有する。管状部分30の直径は、円錐部分28の細い端の直径に対応している。円錐部分28の他方の太い端は、ケーブル配置20の直径より大きい直径を有する。管状部分30は、環状の封止体24の開口部を形成するリップ部を画定する。一部の実施形態では、管状部分30は、ケーブル配置に結合または機械的に固定され得る。
【0050】
外壁5に当接するフランジ部分26の表面は、周方向に延在する径方向内側の溝32と外側の溝34とを有する。図3は、分離されている環状の封止体24を示している。周方向の溝32、34は、周方向に離間されたウェブ36によって離されている。周方向に離間された開口38、40が、それぞれ溝32、34の壁に設けられている。開口38、40は、周方向の溝32、34の各々の間と、内側の溝と円錐部分28によって画定された内側の室29との間とにおいて、流体連通を提供する。
【0051】
環状の封止体24が水に沈められると膨張するように、親水性要素が溝32、34内に配置されてもよい。親水性要素は外壁5に対する封止を向上させる。
【0052】
環状の封止体24は、フランジ部分26を外壁5の内面の形に一致させることができるエラストマまたはゴムなどのコンプライアント材料から形成されている。材料は、好ましくは、環状の封止体24がケーブル配置20とモノパイル4の外壁5との間の移動を受け入れることができるように十分に柔軟であり、管状部分30およびケーブル配置20との封止係合を維持するように十分に弾性であるべきである。環状の封止体24は、周方向の溝32、34およびウェブ36が一体に形成されている型成形された構成部品である。
【0053】
図2に示した環体の形態での機械的な固定具42が、フランジ部分26をモノパイル4の外壁5に固定する。環状の封止体24が、接着剤、フランジ部分26を受け入れるために外壁5に設けられた保持スロット、締結構成、または磁気締結具など、他の手段によって外壁5に固定されてもよい。フランジ部分26は、フランジ部分26にわたって作用する圧力差がフランジ部分26の形をゆがませるのを防止するために、例えば鋼/複合材料の環体によって、補強されてもよい。
【0054】
環状の封止体24の管状部分30には、環状の封止体24がケーブル配置20に沿って滑るのを止めるために、周方向のリブが設けられてもよい。
【0055】
環状の封止体24の材料は、張力としてのモーメント力に反応するために、上部および下部において、アラミド繊維などの繊維で補強されてもよい。
【0056】
支持組立体2は、環状の封止体24のフランジ部分26をモノパイル4の外壁5の内面に付着させることで組み立てられる。そのため、モノパイル4の基礎は海底(または、任意の適切な水中構造物)において所定位置で固定される。ケーブル配置20の一端は、アクセスポート18と、アクセスポート18を包囲する環状の封止体24とを通って、モノパイル4の内部室7へと引っ張られる。そのため、ケーブル配置20は内部室7を通じて吊り上げられ、モノパイル4の上部において吊り下げクランプ22に連結される。
【0057】
設置されるとき、内部室7は、飛沫帯域の上部の高さ以上である水位まで水(室7の内部において斜線によって描写されている)で満たされる。内部室7は、水を内部室7へと直接汲み上げることで満たされ得る。代替で、支持組立体2が設置されると、モノパイル4の外側における水位(モノパイルの外部領域において斜線によって描写されている)は、例えば上昇する潮汐によって、自然に上昇するように許容され得る。水位の増加によって引き起こされるモノパイル4の外側における圧力の増加は、アクセスポート18を介して包囲する水に曝される環状の封止体24の円錐部分28の内面に作用する。円錐部分28に対する圧力の増加は、管状部分30をケーブル配置20の外面との接触から解放させ、水が内部室7へと流れるのを許容する。室7の内部の水位が周囲の水と同じ水位に到達すると、管状部分30はケーブル配置20の外面と接触して内部室7を封止するように戻る。
【0058】
例えば潮汐が引いたためといった周囲の水位が低下したため、または、内部室7が周囲の水の水位の上方で満たされたため(図1に示している)、環状の封止体の円錐部分28および管状部分30によって形成された外面へと、内部室7の内部の水によって加えられる圧力は、円錐部分28および管状部分30において径方向内向きの力を加えて、管状部分30をケーブル配置20との封止係合で保持する。そのため、環状の封止体24は、水が内部室7から逃げるのを防止する一方向弁として作用する。
【0059】
さらに、周囲の水の高さを室の内部の水の高さの上まで一時的に増加させる各々の連続する潮汐周期、大気圧変化、または波は、環状の封止体24を通じて内部室7へと水を流させ、そのため室7における水位の高さを漸進的に増加させる。そのため、配置は、水が最初に満たされた水位以上において、室7の内部の水の水位を維持する自己制御となっている。結果として、不完全な封止が環状の封止体24とケーブル配置20との間に形成される場合であっても、ポンプの追加または周囲の水位における周期的な増加によって、室7の内部での水位が大きく変動しないことを確保する。環状の封止体24とケーブル配置20またはモノパイル4の外壁5との間の小さい隙間も、支持組立体2が設置されると、堆積物によって満たされ、それによって内部室7からの漏れを低減させると考えられる。
【0060】
内部室7の内部の水の水位が周囲の水の水位より大きくなると、円錐部分28およびフランジ部分26の外面に作用する正圧は、フランジ部分26を、モノパイル4の外壁5の内面に押し当てて係合させたままにする。そのため、フランジ部分26は外壁5の内面の形に一致し、フランジ部分26と外壁5との間の封止が向上される。外壁5に対するフランジ部分26の封止は、開口38、40を介して円錐部分28によって画定された室29と流体連通している周方向の溝32、34によってさらに向上され、そのため室29および周囲の海水と同じ圧力にある。内部室7における水に曝されるフランジ部分26の上面と、周方向の溝32、34との間の正圧の差は、封止をさらに向上させる。
【0061】
モノパイル4の内部室7の内部の水の実質的に一定の水位を維持することは、酸素を枯渇させ、これはモノパイル4内の腐食の速さを低下させる。内部室7の内部の水は時間と共に停滞することにもなり、添加剤が腐食を抑制するために加えられ得る。
【0062】
代替の実施形態では、環状の封止体は、内部室7の内部の水位が周囲の水の水位より低く保たれるように、モノパイル4の外壁5の外面に設置され得ることは、理解されるものである。しかしながら、環状の封止体24が内部室7の内部で設置される前述の実施形態は、封止体が室7の内部で保護され、そのためより損傷されにくくなるため、有益である。
【0063】
前述した環状の封止体は、ケーブル配置が支持組立体におけるアクセスポートを通じて出て行く既存の風力タービンに組み込むことができるというさらなる便益を有する。先ず、ケーブル配置が風力タービン内で接続解除される。次に、フランジ部分が外壁と接触されるように、環状の封止体がケーブル配置においてケーブル配置に沿って滑らされる。そして、フランジ部分は、例えば、フランジ部分に結合された磁気要素、または、フランジ材料もしくは結合剤の内部の磁化フェライト要素などの磁気要素によって、所定位置で保持され、ケーブルが再接続され得る。次に、内部室は、例えばポンプを使用して、手作業の充填で、または自然に潮汐の変化を用いて(前述したように)、充填される。内部室の内部の水の水位が周囲の水位を上回ると、第1の実施形態に関して記載したように、封止は自己封止となる。
【0064】
図5は、外壁5と接触するフランジ部分26の表面が外壁5の輪郭に追従するように湾曲される環状の封止体24の代替の実施形態を示している。例えば、フランジ部分26の面の曲率半径は、外壁の内面の曲率半径と実質的に同じであり得る。配置は封止をさらに向上させる。
【0065】
図6は、海洋産業界で一般的に使用されているJ管配置を示している。J管は、前述した環状の封止体と共通する少なくとも一部の特徴を有する環状の封止体によって封止可能であるベルマウスを有する。環状の封止体は、J管と異なり、本来の場所にあるときに真っ直ぐ下を向くベルマウスを有するI管への進入を取り扱うために使用されてもよい。
【0066】
図7は、ケーブルが鉛直に対しておおよそ45度の角度でモノパイルの基礎に進入する、風力タービンのためのモノパイルなど、沖合構造物の典型的な配置を示している。図1および図4で示した支持組立体が鉛直に対して90度でモノパイルに進入するケーブルを示しているが、概略図が説明を助けるように意図されていることと、図7において示しているように、ケーブルの進入が鉛直に対して45度の角度であるべきことを提案する産業界の基準に合わせて設計された進入孔をモノパイルが有することとは、理解されるものである。このような配置では、アクセスポートは通常楕円形を有する。
【0067】
ここで、既存の封止が不具合を起こした、モノパイルなどの沖合構造物のために封止部材を組み付けることと、モノパイルなどの中空構造物を備える新たな沖合設置のための封止解決策を提供することと、沖合構造物の技術において知られている用語であるJ管またはI管のための封止解決策を提供することとに関連して、図8A図20を参照してさらなる配置が説明される。
【0068】
図8Aは、沖合構造物の支持組立体102の概略図を示している。支持組立体102は、図1に示した支持組立体2と同様である。
【0069】
支持組立体102は、ケーブル配置120と、前述した環状の封止体24と同様であり、封止管125に接続される、蛇腹の形態での環状の封止体124とを備える。封止管125は、環状の封止体124から移行部品(図示せず)まで上向きに延在する。移行部品へと進む管は、剛体のポリマパイプ(ポリウレタン、ポリエチレン、またはニトリルゴムなど)、または、沖合へとケーブル保護システムに出荷、輸送、および組み込むためであるフラットホースの構造のいずれかであり得る。
【0070】
環状の封止体124と封止管125とは、例えば一体に形成された構成部品として、一体に型成形され得るか、または、一体に留め付けられ得る。環状の封止体124は、例えば、封止管125が留め付けられる補強環体を備え得る。
【0071】
管125は90℃までの温度で機能できる。管125は、コイル状にもでき、海洋産業界で使用される典型的な60mの硬いポリマパイプと異なり、風力タービン発電機移行部品まで容易に輸送できる。
【0072】
取り付けるために、取付者は、電力ケーブルを接続箱から接続解除し、管125(例えば、フラットホース)が蛇腹124に所定位置ですでに結合されている状態で、蛇腹124をケーブルにおいて滑り落とす必要がある。蛇腹124がモノパイルの内壁と接触するとき、システムの形状、重力、および追加の案内ロープは、システムを、ケーブルおよびケーブル保護システムのためのモノパイル進入開口を覆う正しい位置において、大まかに設置させることができる。先に記載したように、永久磁石などの磁気要素が、モノパイルとの封止境界面において最初の封止力を提供するために、蛇腹124に結合または固定され得る。取り付けられた配置は図9に示されている。
【0073】
蛇腹からの管125が移行部品において上側に固定されているとき、モノパイルの内側は水で充填でき、封止における差圧を上昇させる。堆積物が浸透性である場合、構造物の底において単純なライナを置くことが必要であり得る。ここでも、内部の水位が外部の高さを上回ると、封止を堆積物および内部の壁構造に対して移動させて水密な封止を作り出す差圧があることになる。充填されたモノパイルは図10および図11において示されている。
【0074】
蛇腹124の連結面は、モノパイルまたは構造物の内径に合う輪郭とされる(例えば、モノパイルの内面に当接する表面は、例えば5mのモノパイル直径に対応する、モノパイルの内面の曲率半径に対応する曲率半径を有する)。進入の角度は、洗掘保護のないモノパイルについて典型的には45度であり、洗掘保護(岩の層)のあるモノパイルについては典型的に15度である。
【0075】
図12Aに示した蛇腹構造は、強いアラミドまたはダイニーマの種類の繊維マットにオーバーモールドするゴムまたはポリウレタンなどのポリマである。これは、柔軟な蛇腹/錐体の各々の側における差圧による対応する力に反応するために、構造的な剛性を提供するものである。
【0076】
補強された環体は、蛇腹製造過程の間に環体を結合することで環体に直接接続された管を有し得るか、または、図12Bに示したようなポリマバンド式の封止体(HCL締結具-スマートバンド)が、引っ張られると水密な封止を提供するために使用され得る。蛇腹における補強された環体がポリマ管へと取り付けられる場合、表面が適切な構造(清潔で滑らかで円形で柔軟である)のものであるという仮定で、差圧は水密な封止を作り出す。
【0077】
図13は、沖合構造物(図示せず)に接続されたケーブルを保護するためのケーブル配置230に接続されたJ管配置202の一部を示している。円で囲まれた部分は図14に示されている。J管には、ケーブルが引き込まれるのに通る封止管が取り付けられている。室が、封止管とJ管の外壁との間に形成されている。保持具が、フランジに対する封止係合において封止管の端を保持するために、J管の端において内向きに方向付けられたフランジに対して封止管を保持している。
【0078】
図8図14における各々の実施形態において、蛇腹は、モノパイルの内径またはJ管/I管の内径もしくは端面であり得る構造体に封止を行う。また、配置は、水密な封止のための境界面として使用できない「糸」の外側スリーブ(典型的には、海底ケーブルの技術において「サービング」として言及される)をケーブルが有する場合、モノパイルおよびJ管を封止することになる。
【0079】
図15は、円錐の封止体の内面がケーブルの外径と接触し、外部の正しく向いた封止面が、J管の構造の一部として所定位置で溶接される塗装された鋼の平坦面と接触するJ管の配置の一部を示している。図15は、設置の前の配置を示している。図16は、環状の封止体の封止面がケーブルの外面に対して封止する設置の後の同じ配置を示している。
【0080】
図17は、内部補強(破線で示されている)を有する、ポリマ封止体であり得る環状の封止体を示している。
【0081】
記載した配置は、2つの漏れ経路、すなわち、封止外径と支持構造との間の一方と、封止内径とケーブル(例えば、図18に示したようなポリエチレンまたはポリウレタンといった、滑らかな水密の外側サービングを有していなければならない)との間の他方とを有する単純な前もって作られた封止体を提供する。
【0082】
代替の繰り返し(alternative iteration)は、図19および図20に示したように、硬いポリマパイプをずっと管へと置くことである。これは、前述したモノパイルの解決策と同様である。これは、ケーブルが糸の種類の構造のものであり、水の種類の封止が可能でない場合に、解決策を提供する。
【0083】
適切な場合、J管のための封止配置は、I管と併せて使用され得る。
【0084】
図21および図22は、図2および図3に示したものと同様のフランジ部分326と、円錐部分328(図22において特定されている)と、管状部分330とを有する封止本体を備える環状の封止体324の実施形態を示している。
【0085】
フランジ部分326は、フランジ部分326の周囲の周りで周方向に延在する第1のリップ部332と、周方向に延在し、第1のリップ部332から径方向内向きに離間されている第1の環状のリブ334とを有し、したがって、第1のリップ部332と第1のリブ334との間でフランジ部分326の下側に第1の環状の溝336を画定する。複数の第1の通路338が第1のリブ334に沿って径方向で延在している。第1の通路338同士は周方向において互いから離間されている。図示した実施形態では、第1のリブ334の周りで等しく離間された12個の通路338がある。しかしながら、より少ない通路338またはより多くの通路338が設けられ得ることは、理解されるものである。通路338の数がより多くなると、または、各々の通路338がより大きな断面積になると、第1の溝336への液体の拡散がより良好になるが、フランジ部分326の上面に対して加えられる力の下で通路338が圧縮されるのを防止するための第1のリブ334の支持がより小さくなる。そのため、2つの要件が、通路338の数および大きさを設定するときに検討されなければならない。例えば、第1のリブ334には、一部の周囲において少なくとも1つの通路が設けられてもよい。しかしながら、少なくとも2つの通路または少なくとも3つの通路が許容可能な性能を提供することと、ほとんどの状況において、少なくとも4つの通路が望ましいこととが、予期される。
【0086】
管状部分330は、管状部分330の開放端(つまり、円錐部分328から離間されている管状部分330の端)の周りで周方向に延在する第2のリップ部340と、周方向に延在し、第2のリップ部340から軸方向で(管状部分330の長手方向軸に対して)離間されている第2の環状のリブ342とを有し、したがって、管状部分330の内面において第2の環状の溝344を画定する。複数の第2の通路346が、管状部分330の長手方向軸に対して軸方向で延在している。図示した実施形態では、第2のリブ342の周りで等しく離間された12個の通路346がある。しかしながら、より少ない通路346またはより多くの通路346が設けられ得ることは、理解されるものである。通路346の数がより多くなると、または、各々の通路346がより大きな断面積になると、第2の溝344への液体の拡散がより良好になるが、環状部分330の外面に加えられる力の下で通路346が圧縮されるのを防止するための第2のリブ342の支持がより小さくなる。そのため、2つの要件が、通路346の数および大きさを設定するときに検討されなければならない。例えば、第2のリブ342には、一部の周囲において少なくとも1つの通路が設けられてもよい。しかしながら、少なくとも2つの通路または少なくとも3つの通路が許容可能な性能を提供することと、ほとんどの状況において、少なくとも4つの通路が望ましいこととが、予期される。
【0087】
図23は、沖合構造物のための支持組立体などの構造物の壁348を、壁348に設けられたアクセスポート352を通って延在する長尺のケーブル配置などの柔軟な長尺要素350に対して封止するために、使用中で配置されている環状の封止体324を示している。柔軟な長尺要素350は、隙間がポート352の縁/側部と柔軟な長尺要素350との間に設けられるように、アクセスポート352の直径未満である直径を有している。
【0088】
第1の封止要素354が第1の環状の溝336の中に配置されている。第1の封止要素354は、環状であり、封止要素354が第1の溝336の容積の少なくとも80%を初期に占め、図示した実施形態では、第1の溝336の実質的にすべてを初期に占めるように、第1の溝336の断面輪郭に対応する断面輪郭を有する。第1の封止要素354は、水で飽和されたときに膨張する親水性材料を含む。封止要素354は、封止要素354の膨張を容易にして封止の向上を助けるために、環状のリブ356の形態において隆起した特徴を有する。
【0089】
親水性材料は、ベントナイトなどの親水性剤で修飾された、ポリクロロプレンなどのゴムを含み得る。海中の用途について、親水性材料は、例えば3.5%以上といった、典型的には2%以上の塩分濃度を有する海水に曝されるときに効果的な封止を提供するために、膨張しなければならない。
【0090】
適切な親水性材料の例は、Tph Bausysteme GmbH(http://www.tph-bausysteme.com/en/systeme-zur-fugenabdichtung/water-swelling-sealing/を参照)と呼ばれる会社により、日本では、C.I.Takiron(http://www.cik.co.jp/eng/products/construction/hydrotite/を参照)と呼ばれる会社による、Hydrotite(商標)の名称で供給される材料である。
【0091】
Hydrotite(商標)についての技術的なデータシートは、http://www.tph-bausysteme.com/fileadmin/templates/images/datenblaetter-englisch/TDS%20HYDROTITE.pdfにおいて見出すことができる。
【0092】
拘束されていない場合、適切な親水性材料は、少なくとも3.5%などの少なくとも2.5%の塩分濃度を有する水で飽和されたとき、その元の(つまり、乾燥した)体積の1000%から1300%の間まで膨張する。
【0093】
これらの参照物の内容は、本明細書において参照により組み込まれている。
【0094】
第2の封止要素358が第2の環状の溝344の中に配置されている。第2の封止要素358は、環状であり、封止要素が第2の溝344の容積の少なくとも80%を初期に占め、図示した実施形態では、第2の溝344の実質的にすべてを占めるように、第2の溝344の断面輪郭に対応する断面輪郭を有する。第2の封止要素358は、海水で飽和されたときに膨張する親水性材料を含む。第2の封止要素358は、封止要素358の膨張を容易にするために、環状のリブ360の形態において隆起した特徴を有する。
【0095】
環状の封止体324、壁348、および柔軟な長尺要素350は、アクセスポート352、第1の通路338、および第2の溝346の各々と流体連通にある空所362を画定する。図23では、配置は、第1の封止要素354および第2の封止要素358が、両方とも飽和され、それぞれの第1の環状の溝336および第2の環状の溝344の各々の内部で利用可能な容積へと結果的に膨張され、そのため壁348および柔軟な長尺要素350に対して封止するように、水に曝されている構成で示されている。設置過程は、図23を参照して、および、具体的には図24A図24Cも参照して、説明される。
【0096】
環状の封止体324は、柔軟な長尺要素350へと捩じ込まれ、図23に示したように、壁348の内面と当接して係合される。この構成において、第1のリップ部332は壁348の内面に対して封止し、第2のリップ部340は柔軟な長尺要素350の外面に対して封止する。水位が構造物の内部で(つまり、図23に示しているように、壁348の左手側において)環状の封止体324の高さの上方へ上昇するとき(先の実施形態に関して記載したように)、増加した圧力が、フランジ部分326に作用して第1のリップ部332を壁348の内面に対して押し付け、環状部分330に対して作用して第2のリップ部340を柔軟な長尺要素350の外面に対して押し付ける。そのため、第1のリップ部332および第2のリップ部340は、ポート352の周辺の周りで壁348に対して柔軟な長尺要素350を封止するために予備的な封止を作り出す。同時に、または、続いて、水の水位が構造物の外側において(つまり、図23に示しているように、壁348の右手側において)ポート352の上へと上昇する。そのため、海水が、ポート352の縁と柔軟な長尺要素350との間の隙間を通じて空所362へと流れる。海水は、複数の第1の通路338および第2の通路346の各々に沿って、空所362から第1の環状の溝336および第2の環状の溝344のそれぞれへと流れ、第1の封止要素354および第2の封止要素358と接触する。
【0097】
最初に、第1の封止要素354の各々は、図24A(90度にわたって時計回りに回転された図23に示したフランジ部分326の領域における部分図を示している)に示しているように、非膨張状態にある。封止要素354の環状のリブ356が壁348の外面から若干離間されている。他の実施形態では、封止要素354が、非膨張状態にあるとき、封止することになる表面と接触していてもよいことは、理解されるものである。
【0098】
水が第1の通路338を通じて第1の環状の溝336へと流れ、第1の封止要素354と接触するとき、第1の封止要素354は膨張する。封止要素が壁348によって抑制されない場合、図24Bに示しているように拡大し始める(図24Bは、説明を助けるために、および、第1の封止要素354の膨張特性を論証するために、提供されている)。しかしながら、第1の封止要素354の膨張は壁348によって抑制され、そのためリブ356は壁348の内面に対して圧縮される。図示した実施形態では、溝336は、第1の封止要素の膨張が抑制され、そのため体積において20%を超えて膨張しないように構成されている。他の実施形態では、膨張はせいぜい10%に抑制され得る。そのため、第1の封止要素354は壁348に対して力を加え、リブ356は、リブ356間に形成された通路を充填するために圧縮および平坦化される。そのため、第1の封止要素354は、膨張されると、フランジ部分326と構造物の壁348との間に流体密封の封止を作り出す。
【0099】
第1の封止要素354の膨張は、海水が材料に浸透する速さによって決められる。記載した用途では、封止材料は、ポリクロロプレンを主成分とした海水で膨張可能なゴムである。このような材料は、抑制されないとき、例えば、その乾燥した体積の1300%まで、および、一部の状況では、その乾燥した体積の1500%までといった、その乾燥した体積の1000%以上である体積まで膨張することが知られている。典型的には、封止は、海水に曝されるとすぐに膨張し始め、典型的には、その完全に膨張した状態まで膨張するのに20~40日間掛かる。封止要素354の初期の膨張は、海水が所定の時間の期間にわたって親水性材料に到達するのを抑制または防止する1つもしくは複数の保護層または化学処理で露出面を覆っていることで、遅らされ得る。例えば、少なくとも1日間または少なくとも1週間で、2週間までで初期の膨張を遅らせる保護層または化学処理が、適用され得る。
【0100】
示した実施形態では、第1の封止要素は、完全に膨張されると、少なくとも5barまで水密であるOリングのように作用し、例えば、適切な封止材料の選択によって、または、第1の環状の溝336の形状に対して封止要素の形状を構成することで、400barまで水密となるように構成され得る。
【0101】
封止は、例えば20mの水の深さといった、典型的な水深において水密であるように構成され得る。封止が水密となり得る対応する正味の圧力は、例えば0.5bar以上、例えば1bar以上、例えば2bar以上といった、0.2bar以上となる。
【0102】
第2の封止要素358は、第1の封止要素354の特性と同様である特性を呈するが、膨張および形状の必要な大きさ、度合いに従って構成される。
【0103】
一部の実施形態では、リップ部332、340による封止は適切となる。しかしながら、例えば、生物付着、堆積物/岩屑、または腐食の結果として存在し得る洗掘されたケーブルまたは汚れたケーブルの外面といった、不均一な表面に対して封止するとき、親水性材料は特に有利になると考えられる。また、親水性材料が、封止の移動と、例えば腐食の結果としての、封止する表面における変化とを受け入れるために、膨張/修正することになる。他の用途では、リップ部は、適切な封止を提供すると考えることができ、特定の表面仕上げに対する封止を提供するために適切に柔軟性であるように構成され得る。
【0104】
図25および図26は、先に記載した環状の封止体と同様である環状の封止体424の基礎構成部品424aを示している。基礎構成部品424aは、フランジ部分426と円錐部分428とを有する第1の封止本体を備える。フランジ部分426は、設置および封止を助けるための、先の実施形態に関連して記載された磁気要素が設けられ得る。
【0105】
図27は、環状の封止体424を形成するために基礎構成部品424aの上端に固定されたキャップ424bと組み立てられた基礎構成部品424aを備える配置を示している。キャップ424bは、ケーブル配置432が通って延在する第1の開口430を有する。図示した実施形態では、ケーブルは、例えば100mmといった90mmから180mmの間である直径を有する。
【0106】
図28Aは、構造物の壁434に固定されるときの、図27で示した配置の断面図を示している。基礎構成部品424aは、基礎構成部品の上部に設けられた第1の空所436を有し、第1の開口430と一列にされ、ケーブル配置432がやはり通って延在する第2の開口438を有する。
【0107】
キャップ424bは、概して円筒形の室436、440を画定するために第1の空所436と一列になる第2の空所440を有する。室を画定する基礎構成部品424aおよびキャップ424bの内部側壁のそれぞれの端部分441a、441bは、室が各々の端に向かって細くなるように室の軸に沿って収束している。親水性材料を備える封止要素442が室の内部に配置されている。封止要素は円筒形であり、その長さに沿って一定の直径を有している。封止要素442は、その長さに沿って、ケーブル配置432が沿って延在する孔を有する。封止要素442の長さは室の長さ未満である。
【0108】
基礎構成部品424aおよびキャップ424bによって画定された室は水密ではなく、そのため、構造物の内側が水で充填されたとき、先の実施形態との関連で記載したように、室は水で溢れる。封止要素442は正反対の方向において室に沿って軸方向で膨張し、そのため封止要素442の端は、室のテーパ状の端へと膨張する。室の中間部分における室の円筒形の側壁と、各々の端におけるテーパ状の側壁とは、封止要素442が径方向に膨張するのを防ぎ、そのため、封止要素442は、ケーブル配置432に対して封止する力を加える。テーパ状の端領域は、封止要素が軸方向の膨張の結果としてテーパ状の領域へと押し込まれるため、径方向における封止要素442の端への圧縮力を効果的に増加させる。そのため封止効果が増加される。
【0109】
図29は、先に記載した環状の封止体と同様である環状の封止体524を示している。環状の封止体524は、フランジ部分526と、中心部分528と、締結部分530とを有する封止本体を備える。環状の封止体524は、環状の封止体524の長さに沿って延在する一方の側部を通る長さ方向分割部532を有する。図示した実施形態では、分割部532は、設置を助けるために、環状の封止体524の最短部分に沿って設けられている。分割部532は、封止体524を通ってケーブル配置を捩じ込む必要なく、封止体524をケーブル配置にわたって通過させるために、環状の封止体524をその側部に沿って開くことができる。締結部分534a、534bは、分割部532によって形成されたそれぞれの縁に沿って延在する。各々の締結部分534a、534bは、環状の封止体524の長手方向軸に対して垂直に延在するフランジ状の突起を形成している。孔のそれぞれのセット536a、536bが各々の締結部分534a、534bに設けられている。孔のセット536a、536bは、各々のセット536a、536bの孔が、ボルトまたはリベットなどの締結具を受け入れるために互いと一列にされるように配置される。図示した実施形態では、孔の各々のセット536a、536bは5つの孔を備える。締結部分534aは、封止を支援するために留め付け部分間に設置される、先に記載した親水性材料などの親水性材料を有し得る。
【0110】
中心部分528は、環状の封止体524が所定位置へと降下される必要があるとき、環状の封止体524の自然な浮力(水に沈められた構造物に設置されるとき)、または、設置装置における引き摺り/制約に打ち勝つことで設置を助けるために、錘の取り付けのために下方領域に取付部538を備える。
【0111】
本実施形態では、環状の封止体524は、環状の封止体524をケーブル配置の挿入のために分割部532に沿って分離させることができる弾力を有する材料から形成されている。
【0112】
図31は、ケーブル542およびケーブル保護システム544を備えるケーブル配置540と、風力タービンのためのモノパイルなどの構造物のための壁546との間に封止を形成するために使用されている図29に示した環状の封止体524を示している。
【0113】
ケーブル保護システム544は、シース547と、構造物の壁546に連結器を固定する保持特徴部550を有する機械的連結器548と、設置および続いての動作の間、連結器548の近傍におけるケーブル542の過剰な曲げに抗するためにケーブル542の一部分に沿って連結器548から延在する曲げ硬化部552とを備える。
【0114】
柔軟な管554が環状の封止体524の締結部分530に固定される。柔軟な管554は、締結部分530からケーブル542に沿って曲げ硬化部552の自由端にわたって延在している。封止要素556は、締結部分530に接続されない柔軟な管554の端に固定される。封止要素556は、図28Aおよび図28Bに示した配置と同様に、筐体によって画定された室によって収容された親水性材料を備え得る。柔軟な管554は、分割部532に対応する分割部を有するフラットホースとでき、ケーブル配置540を接続解除する必要なく、ケーブル配置540の設置の後に、ケーブル配置540の周りで環状の封止体524と一体にファスナ留め/ボルト留めされ得る。柔軟な管554の長さは要件に応じて設定され得る。例えば、図示した実施形態では、柔軟な管554の長さは、封止要素556が曲げ硬化部552ではなくケーブル542に対して封止するのに十分である。他の実施形態では、柔軟な管554の長さは、封止要素556が、例えば、モノパイルの内部の吊り下げ位置に近いケーブル542の部分といった、ケーブル542の比較的清潔な部分に対して封止するのに十分である。他の実施形態では、柔軟な管554の長さは、柔軟な管554がケーブル542に対して直接的に封止すると言うよりは吊り下げ位置に直接的に接続され得るように、十分である。柔軟な管554の長さは、少なくとも1m、少なくとも5m、少なくとも10m、少なくとも20m、または少なくとも30mであり得る。使用中、柔軟な管554は、柔軟な管554の内部の圧力が柔軟な管554に作用する外部圧力より小さいとき、ケーブル542および/または曲げ硬化部552に対して押し付けられ得、これも封止を向上させると考えられる。空所558が、例えば損傷された構成部品といった、破片の保持のために連結具548の周りで環状の封止体524によって画定される。フランジ部分526は、設置および封止を助けるための、先の実施形態に関連して記載された磁気要素が設けられ得る。
【0115】
図32図34は、具体的には図25図28Bおよび図29図31に示した配置における使用に適している封止要素602を示している。
【0116】
封止要素602は、先の実施形態に関して記載したような親水性材料から形成されている。封止要素は、型成形されてから所望の形へと切断され得る一体構造を形成する単一の材料の品物である。封止要素602は、螺旋であり、第1の端604と第2の端606とを有する。図示した実施形態の封止要素602は、第1の端604と第2の端606との間に6つのコイル608a、608b、608c、608d、608e、608fを有する。より少ないコイルまたはより多くのコイルが設けられ得ることは、理解されるものである。例えば、封止要素602は、例えば少なくとも3つのコイル、または少なくとも4つのコイルといった、少なくとも2つのコイルを備え得る。
【0117】
封止要素602は弾性であり、そのため、端604、606と隣接するコイルとの間にケーブルを挿入してから、封止要素602が他方の端604、606において解放するまで封止要素602をケーブルに「巻き付ける」ことで、本来の場所にあるケーブルに設置できる。水に曝されたとき、コイル608a、608b、608c、608d、608e、608fは、ケーブルおよび互いに対して封止するために、軸方向と径方向との両方で膨張する。螺旋配置によって画定された複雑な漏れ経路は、封止要素602を通じた漏れを防止するための良好な封止を提供する。
【0118】
図面では、同様の符号は同様の部品に言及している。
【0119】
本明細書の記載および請求を通じて、「備える」および「含む」といった言葉や、それらの変化形は、「限定されることなく含む」ことを意味し、他の部分、追加物、構成部品、整数、またはステップを排除するように意図されていない(および、排除しない)。本明細書の記載および請求を通じて、文脈がそうでないことを要求しない場合、単数は複数を包含している。具体的には、不定の冠詞が使用される場合、明細書は、文脈がそうでないことを要求しない場合、複数と共に単数を検討しているとして理解されるものである。
【0120】
本発明の特定の態様、実施形態、または例との関連で記載された特徴、整数、特性、または群は、両立しないのでなければ、本明細書に記載した任意の他の態様、実施形態、または例に適用可能であると理解されるものである。本明細書で開示された特徴のすべて(添付の請求項、要約、および図面を含む)、および/または、そのように開示された方法のステップまたは過程のすべてが、その特徴および/またはステップの少なくとも一部が相互に排他的である場合の組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせられ得る。本発明は、任意の前述の実施形態の詳細に限定されていない。本発明は、本明細書で開示された特徴のうちの任意の新規のものかもしくは新規の組み合わせにまで及び(添付の請求項、要約、および図面を含む)、または、そのように開示された任意の方法もしくは過程のステップのうちの任意の新規のものかもしくは新規の組み合わせにまで及ぶ。
【0121】
読者の関心は、本出願との関連において、本明細書と同時または本明細書の前に出願され、本明細書と共に公衆の閲覧に開放されているすべての文書および文献に向けられ、すべてのこのような文書および文献の内容は、参照により本明細書において組み込まれている。
【符号の説明】
【0122】
2 支持組立体
4 モノパイル
5 外壁
6 海底
7 内部室
8 埋込帯域
10 洗掘帯域
12 水中帯域
14 飛沫/潮汐範囲帯域
16 大気帯域
18 アクセスポート
20 ケーブル配置
22 吊り下げクランプ
24 環状の封止体
24a 内面
24b 外面
26 フランジ部分
28 円錐部分
29 室
30 管状部分
32、34 溝
36 ウェブ
38、40 開口
42 固定具
102 支持組立体
120 ケーブル配置
124 環状の封止体、蛇腹
125 封止管
202 J管配置
230 ケーブル配置
324 環状の封止体
326 フランジ部分
328 円錐部分
330 管状部分
332 第1のリップ部
334 第1の環状のリブ
336 第1の環状の溝
338 第1の通路
340 第2のリップ部
342 第2の環状のリブ
344 第2の環状の溝
346 第2の通路
348 壁
350 長尺要素
352 アクセスポート
354 第1の封止要素
356 環状のリブ
358 第2の封止要素
360 環状のリブ
362 空所
424 環状の封止体
424a 基礎構成部品
424b キャップ
426 フランジ部分
428 円錐部分
430 第1の開口
432 ケーブル配置
434 壁
436 第1の空所、室
438 第2の開口
440 第2の空所、室
441a、441b 端部分
442 封止要素
524 環状の封止体
526 フランジ部分
528 中心部分
530 締結部分
532 分割部
534a、534b 締結部分
536a、536b 孔のセット
538 取付部
540 ケーブル配置
542 ケーブル
544 ケーブル保護システム
546 壁
547 シース
548 機械的連結器
550 保持特徴部
552 曲げ硬化部
554 柔軟な管
556 封止要素
558 空所
602 封止要素
604 第1の端
606 第2の端
608a、608b、608c、608d、608e、608f コイル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24A
図24B
図24C
図25
図26
図27
図28A
図28B
図29
図30
図31
図32
図33
図34