(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】蒸気発生器を備えた調理器
(51)【国際特許分類】
F24C 3/02 20210101AFI20230502BHJP
A47J 27/16 20060101ALI20230502BHJP
F24C 7/04 20210101ALI20230502BHJP
H05B 6/12 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
F24C3/02 H
A47J27/16 A
F24C7/04 B
H05B6/12 314
(21)【出願番号】P 2019566798
(86)(22)【出願日】2018-05-22
(86)【国際出願番号】 EP2018063315
(87)【国際公開番号】W WO2018219709
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2021-03-26
(31)【優先権主張番号】201710398020.2
(32)【優先日】2017-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519426221
【氏名又は名称】エレクトロラックス アプライアンシス アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】トン クン
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-267018(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0024164(US,A1)
【文献】実開昭53-060589(JP,U)
【文献】実開平06-048530(JP,U)
【文献】米国特許第04922079(US,A)
【文献】実開平05-026014(JP,U)
【文献】特開昭55-141220(JP,A)
【文献】特開2001-012751(JP,A)
【文献】特開2006-329510(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/02
A47J 27/16
F24C 7/04
H05B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底枠及び前記底枠に取り付けられた天板を含む筐体と、
前記天板上に配置された少なくとも1つの加熱アセンブリと、
前記少なくとも1つの加熱アセンブリの加熱力を調節するために、前記少なくとも1つの加熱アセンブリを制御するように構成された少なくとも1つの第1の制御デバイスとを含む調理器であって、
前記調理器は、
前記天板上に配置され、水蒸気を発生するように構成された蒸気発生アセンブリと、
前記蒸気発生アセンブリの加熱力を調節するために、前記蒸気発生アセンブリを制御するように構成された第2の制御デバイスとを更に含み、
前記少なくとも1つの加熱アセンブリは1つのガス加熱アセンブリ及び1つの電気加熱アセンブリを含み、前記蒸気発生アセンブリは前記1つのガス加熱アセンブリと前記1つの電気加熱アセンブリとの間に位置するように配置され、前記蒸気発生アセンブリは、該蒸気発生アセンブリの中心が前記1つのガス加熱アセンブリ及び前記1つの電気加熱アセンブリの中心線から前記調理器の前後方向にずれ、該調理器の左右方向で前記1つの電気加熱アセンブリにより接近するように配置され、又は、
前記少なくとも1つの加熱アセンブリは2つの電気加熱アセンブリを含み、前記蒸気発生アセンブリは前記2つの電気加熱アセンブリの間に位置するように配置され、前記蒸気発生アセンブリは、該前記蒸気発生アセンブリの中心が前記2つの電気加熱アセンブリの中心線から前記調理器の前後方向にずれ、該調理器の左右方向で前記2つの電気加熱アセンブリのより小さい加熱力を有する方により接近するように配置される、ことを特徴とする、調理器。
【請求項2】
前記少なくとも1つの加熱アセンブリは、ガス加熱アセンブリ及び/又は電気加熱アセンブリを含む、請求項1に記載の調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在ガス調理器及び電気調理器は家庭用台所器具として広く使用されており、人々の日常生活に大きな利便性をもたらしてきた。
【0003】
人々の生活の質が向上し続けている中で、日常の食事は様々な異なる風味の食品を含むことが望まれている。例えば朝食は、目玉焼き、焼きベーコン、炒め物、ポリッジ、蒸しパン、蒸し卵、その他を含むことが望まれ、これは異なる材料を扱うために少なくとも焼くこと、炒めること、茹でること、蒸すこと及び他の異なる調理方法を使用する必要がある。しかし一般に使用する家庭用調理器は、典型的には1つ又は2つの加熱アセンブリしか含まない。例えば一般に使用する家庭用ガスコンロは典型的には1つ又は2つのガスバーナーアセンブリしか含まず、一般に使用する家庭用電磁調理器は典型的には1つ又は2つの電磁調理器ホットプレートしか含まない。従って3つ以上の異なる調理方法により異なる食品を調理する必要があるときは、一般に使用する家庭用調理器は時として需要を満たすことができない。特に健康的な生活様式を追求して、人々は食品を「蒸すこと」によって調理することを益々必要としている。しかし「蒸すこと」とは食品を加熱するために水蒸気の加熱力を使用することであるので、ガスバーナーアセンブリ又は電磁調理器ホットプレートを長時間占有する必要があることが多く、これも長時間掛ける必要がある「茹でること」は、他方のガスバーナーアセンブリ又は電磁調理器ホットプレートを「焼くこと」「炒めること」「揚げること」などの調理方法と共有しなければならず、従って調理時間が長引く。人々の生活の速度が益々速くなっているので、時間がない場合に調理時間が長引くことは使用者を非常に困らせることが間違いなく、使用者は調理時間を長く掛ける必要がある健康な栄養のある蒸し料理さえ諦めなければならず、健康な生活を追求する道で停滞したままでいることを強いる。
【0004】
加えて蒸すことにより食品を調理することは、追加の鍋の準備を必要とし、これは追加の設置空間を必要とする。台所空間が限られている場合、鍋の保管も使用者を更に悩ませる。加えてコンロから降ろした熱い蒸し鍋は使用者を火傷させる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って現在一般に使用する家庭用調理器をそれらの機能性に関して更に改善する余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の1つ又は複数の問題を解決するために、本出願は開発された。本出願は調理器に関する。調理器は、底枠及び底枠に取り付けられた天板を含む筐体と、天板上に配置された少なくとも1つの加熱アセンブリと、少なくとも1つの加熱アセンブリの加熱力を調節するために、少なくとも1つの加熱アセンブリを制御するように構成された少なくとも1つの第1の制御デバイスとを含んでもよい。調理器は天板上に配置され、水蒸気を発生するように構成された蒸気発生アセンブリと、蒸気発生アセンブリの加熱力を調節するために、蒸気発生アセンブリを制御するように構成された第2の制御デバイスとを更に含んでもよい。
【0007】
本出願による実施形態では、少なくとも1つの加熱アセンブリは、ガス加熱アセンブリ及び/又は電気加熱アセンブリを含んでもよい。
【0008】
一部の実施形態では、少なくとも1つの加熱アセンブリは2つのガス加熱アセンブリ又は2つの電気加熱アセンブリを含んでもよく、蒸気発生アセンブリは2つのガス加熱アセンブリの間又は2つの電気加熱アセンブリの間に位置するように配置されてもよく、蒸気発生アセンブリは、蒸気発生アセンブリの中心が2つのガス加熱アセンブリの中心線又は2つの電気加熱アセンブリの中心線から調理器の前後方向にずれるように配置されてもよい。
【0009】
一部の実施形態では、蒸気発生アセンブリは、蒸気発生アセンブリの中心の、2つのガス加熱アセンブリの中心線上への投影位置が、2つのガス加熱アセンブリの中心線の中点位置と一致する、若しくは2つのガス加熱アセンブリの中心線の中点位置から調理器の左右方向にずれるように配置されてもよく、又は蒸気発生アセンブリは、蒸気発生アセンブリの中心の、2つの電気加熱アセンブリの中心線上への投影位置が、2つの電気加熱アセンブリの中心線の中点位置と一致する、若しくは2つの電気加熱アセンブリの中心線の中点位置から調理器の左右方向にずれるように配置されてもよい。
【0010】
一部の実施形態では、少なくとも1つの加熱アセンブリは2つのガス加熱アセンブリ又は2つの電気加熱アセンブリを含んでもよい。蒸気発生アセンブリは、2つのガス加熱アセンブリの一方の中心が蒸気発生アセンブリ及び2つのガス加熱アセンブリの他方のガス加熱アセンブリの中心線から調理器の前後方向にずれることができる、又は2つの電気加熱アセンブリの一方の中心が蒸気発生アセンブリ及び2つの電気加熱アセンブリの他方の電気加熱アセンブリの中心線から調理器の前後方向にずれることができるように、調理器上で調理器の左側又は右側に配置されてもよい。
【0011】
一部の実施形態では、2つのガス加熱アセンブリの一方は、一方のガス加熱アセンブリの中心の、蒸気発生アセンブリ及び2つのガス加熱アセンブリの他方の中心線上への投影位置が、蒸気発生アセンブリ及び他方のガス加熱アセンブリの中心線の中点位置と一致する、若しくは蒸気発生アセンブリ及び他方のガス加熱アセンブリの中心線の中点位置から調理器の左右方向にずれるように配置されてもよく、又は2つの電気加熱アセンブリの一方は、一方の電気加熱アセンブリの中心の、蒸気発生アセンブリ及び2つの電気加熱アセンブリの他方の中心線上への投影位置が、蒸気発生アセンブリ及び他方の電気加熱アセンブリの中心線の中点位置と一致する、若しくは蒸気発生アセンブリ及び他方の電気加熱アセンブリの中心線の中点位置から調理器の左右方向にずれるように配置されてもよい。
【0012】
一部の実施形態では、少なくとも1つの加熱アセンブリは、1つのガス加熱アセンブリ及び1つの電気加熱アセンブリを含んでもよく、蒸気発生アセンブリは、1つのガス加熱アセンブリと1つの電気加熱アセンブリとの間に位置するように配置され、蒸気発生アセンブリは、蒸気発生アセンブリの中心が1つのガス加熱アセンブリ及び1つの電気加熱アセンブリの中心線から加熱器の前後方向にずれ、調理器の左右方向に1つの電気加熱アセンブリにより接近するように配置される。
【0013】
一部の実施形態では、少なくとも1つの加熱アセンブリは、2つの電気加熱アセンブリを含んでもよく、蒸気発生アセンブリは、2つの電気加熱アセンブリの間に位置するように配置され、蒸気発生アセンブリは、蒸気発生アセンブリの中心が2つの電気加熱アセンブリの中心線から調理器の前後方向にずれ、調理器の左右方向に2つの電気加熱アセンブリのより小さい加熱力を有する方により接近するように配置される。
【0014】
一部の実施形態では、蒸気発生アセンブリは、容器及び容器を加熱するように構成された加熱デバイスを含んでもよく、加熱デバイスは水蒸気を発生するために容器内に含有された水を加熱するように構成される。
【0015】
一部の実施形態では、蒸気発生アセンブリの加熱デバイスは、抵抗加熱デバイス、誘導加熱デバイス及び遠赤外線放射加熱デバイスの1つであってもよく、加熱デバイスは容器と一体形成するように構成されてもよい。
【0016】
一部の実施形態では、蒸気発生アセンブリの加熱デバイスは、抵抗加熱デバイス、誘導加熱デバイス及び遠赤外線放射加熱デバイスの1つであってもよく、加熱デバイスは容器から分離して形成され、蒸気発生アセンブリの容器は調理器に分離可能に取り付けるように構成される。
【0017】
一部の実施形態では、蒸気発生アセンブリの容器は、底壁、容器の高さ方向において底壁の外周縁部から底壁に対して傾斜して延在する外周壁、及び外周壁の底壁が置かれた端部の反対側の端部において外周縁部から半径方向外方に延在するフランジを含んでもよい。
【0018】
一部の実施形態では、蒸気発生アセンブリの容器のフランジは、容器の高さ方向において容器の底壁からフランジの外縁部の距離が、底壁からフランジの外周壁に連結した内縁部の距離より大きいように構成されてもよい。
【0019】
一部の実施形態では、蒸気発生アセンブリは、容器のフランジにより調理器の天板に取り付けられる。
【0020】
一部の実施形態では、封止部材は蒸気発生アセンブリの容器のフランジと調理器の天板との間に提供されてもよい。
【0021】
一部の実施形態では、容器のフランジと調理器の天板との間に配置された封止部材は、耐熱材料から作成される。
【0022】
一部の実施形態では、容器の底壁、外周壁及びフランジは、それぞれがその内側を特殊材料の被覆で塗布される。
【0023】
一部の実施形態では、調理器は少なくとも1つの蒸し器トレーを更に含んでもよく、少なくとも1つの蒸し器トレーの下端は蒸気発生アセンブリの容器のフランジと確実に係合するように構成されてもよい。
【0024】
一部の実施形態では、蒸気発生アセンブリは、自動電源切断デバイスを更に含んでもよい。
【0025】
一部の実施形態では、蒸気発生アセンブリは、自動警報デバイスを更に含んでもよい。
【0026】
一部の実施形態では、蒸気発生アセンブリは、水位表示デバイスを更に含んでもよい。
【0027】
一部の実施形態では、調理器の電気加熱アセンブリは、誘導電気加熱アセンブリ、遠赤外線放射電気加熱アセンブリ及び抵抗電気加熱アセンブリの少なくとも1つを含んでもよい。
【0028】
一部の実施形態では、蒸気発生アセンブリの容器の底壁は平らであってもよい。
【0029】
一部の実施形態では、容器の底壁は、加熱デバイスを収容するように構成された容器の開口に向かって突出する突出部、及び突出部を包囲するように配置された溝を提供されてもよい。
【0030】
上記の構成によれば、調理器上に蒸気発生アセンブリを提供することにより、長時間掛かる蒸し工程は、調理器の従来の加熱機能に影響を及ぼすことなく個別に実行することができ、従って調理器の機能の拡大が達成され、又調理時間も大幅に短縮でき調理器の効果を向上することができる。加えて本出願による調理器は専用蒸し鍋なしで済み、従って蒸し鍋を置くために必要な空間なしで済み、台所空間を節約することができ、過剰な加熱した鍋を配置することによりあり得る使用者が火傷する危険を低減することができる。
【0031】
本出願の例示的実施形態並びに技術的重要性及び産業的重要性の特徴並びに利点は、図面を参照に以下に説明され、図面内で同じ参照番号は同じ要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本出願の例示的実施形態による調理器の概略斜視図を示す。
【
図4】
図2における断面A-Aに沿って切り取った調理器の断面図を示す。
【
図6】本出願の第1の例示的実施形態による調理器の内部構造の小領域の概略図を示す。
【
図7】本出願による蒸気発生アセンブリの例示的実施形態の平面図を示す。
【
図8】
図7に示された蒸気発生アセンブリの側面図を示す。
【
図9】
図7の断面C-Cに沿って切り取った蒸気発生アセンブリの断面図を示す。
【
図10】本出願の別の例示的実施形態による調理器の概略平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本出願の例示的実施形態は図面を参照に以下に説明される。
【0034】
図1は、本出願の例示的実施形態による調理器の概略斜視図を示す。
図2は、
図1に示された調理器の平面図を示す。
図3は、
図1に示された調理器の正面図を示す。
図4は、
図2における断面A-Aに沿って切り取った調理器の断面図を示す。
【0035】
図1に示された例示的実施形態では、調理器1は筐体を含み、筐体は底枠12及び底枠12に取り付けられた天板11を含む。
【0036】
本出願による調理器1は1つ又は複数の加熱アセンブリを含んでもよい。
【0037】
本出願による加熱アセンブリは、ガス加熱アセンブリ又は電気加熱アセンブリであってもよい。本出願では、「ガス加熱アセンブリ」は化学エネルギーを可燃ガスの燃焼を通して加熱エネルギーに変換することにより物体を加熱する加熱アセンブリを指し、「電気加熱アセンブリ」は電気エネルギーを加熱エネルギーに変換することにより物体を加熱する加熱アセンブリを指す。
【0038】
図1に示された例示的実施形態では、調理器1はガス加熱アセンブリの例として2つのガスバーナーアセンブリ13、14を含む。示された例示的ガスバーナーアセンブリ13、14は、当技術分野で公知の構成を有し、当技術分野で公知の手法で調理器に連結することができる。例えば
図3を参照すると、ガスバーナーアセンブリ13、14は調理器ブラケット131、141及びガスバーナー132、142を含んでもよく、天板11上に配置されてもよい。本出願によるガス加熱アセンブリは示されたような特定の構成を有するガスバーナーアセンブリ13、14に限定されるのではなく、当技術分野で公知のあらゆる構成を有し、調理器と連結するために対応する連結手段に適合したガスバーナーアセンブリであってもよいと理解してもよい。本出願のガス加熱アセンブリの例としてガスバーナーアセンブリの具体的な構造の説明はここでは割愛する。
【0039】
又
図1に示された調理器1は、ガスバーナーアセンブリ13の加熱力を調節するためにガスバーナーアセンブリ13を制御するように構成された制御デバイス21、及びガスバーナーアセンブリ14の加熱力を調節するためにガスバーナーアセンブリ14を制御するように構成された制御デバイス23も含む。
【0040】
制御デバイス21、23は本出願の第1の制御デバイスに対応する。
図1に示された例示的実施形態では、制御デバイス21、23はノブ式制御装置である。制御デバイス21は制御モジュール211、操作軸212、及び操作ノブ213を含む。制御モジュール211は底枠12に取り付けられ、調理器1の筐体内に置かれる(
図6参照)。操作軸212は制御モジュール211に結合され、天板11を超えて延在する。操作ノブ213は操作軸212の上端に配置され、天板11の上に置かれる。制御デバイス23は制御モジュール231、操作軸232、及び操作ノブ233を含む。制御モジュール231は底枠12に取り付けられ、調理器1の筐体内に置かれる(
図6参照)。操作軸232は制御モジュール231に結合され、天板11を超えて延在する。操作ノブ233は操作軸232の上端に提供され、天板11の上に置かれる。
【0041】
本出願による第1の制御デバイスは示されたような特定の構造を有する制御デバイス21、23に限定されるのではなく、対応するガスバーナーアセンブリを制御するために当技術分野で公知のあらゆる構成の制御デバイスであってもよいと理解してもよい。例えば第1の制御デバイスは押しボタン式又は接触誘導式制御デバイスであってもよい。従って本出願の第1の制御デバイスとしての制御デバイスの具体的構造の説明は割愛する。
【0042】
本出願に記載された場所の用語「頂部」、「底部」、「正面」、「背面」、「左」、「右」、「上」、「下」、「前後方向」、及び「左右方向」は、正常使用で調理器1によって適合された配向に対して画定されることに留意されたい。
【0043】
図1に示された例示的実施形態では、調理器1は蒸気発生アセンブリ15を更に含む。蒸気発生アセンブリ15は調理器1の天板11に取り付けられる。蒸気発生アセンブリ15は、食品を蒸す機能を達成するために水蒸気を発生するように構成される。蒸気発生アセンブリ15の具体的構造は、以下に詳細に説明される。
【0044】
又
図1に示された調理器1は、蒸気発生アセンブリ15の加熱力を調節するために蒸気発生アセンブリ15を制御するように構成された制御デバイス22も含む。制御デバイス22は本出願の第2の制御デバイスに対応する。
【0045】
図1に示された例示的実施形態では、制御デバイス22はノブ式制御装置である。
図4に示されたように、制御デバイス22は制御モジュール221、操作軸222及び操作ノブ223を含む。制御モジュール221は底枠12に取り付けるように示されている。操作軸222は制御モジュール221に結合され、天板11を超えて延在する。操作ノブ223は操作軸222の上端に配置され、天板11の上に置かれる。使用中に、使用者は、蒸気発生アセンブリ15の加熱力を調節するために操作ノブ223を回転することにより蒸気発生アセンブリ15を制御する。本出願の第2の制御デバイスは制御デバイス22の示された特定の構成に限定されるのではなく、押しボタン式又は接触誘導式制御デバイスであってもよいと理解してもよい。
【0046】
図1に示された例示的実施形態では、第1の制御デバイス21、23及び第2の制御デバイス22は分離して提供されている。従って第1の制御デバイス及び第2の制御デバイスは加熱アセンブリ及び蒸気発生アセンブリを独立して制御することができ、それによって調理器の使用の柔軟性が更に高まる。
【0047】
図1に示された例示的実施形態では、蒸気発生アセンブリ15は、2つのガスバーナーアセンブリ13と14との間に配置され、
図2に示されたように、蒸気発生アセンブリ15は、蒸気発生アセンブリ15の中心O
15がガスバーナーアセンブリ13及びガスバーナーアセンブリ14の中心線O
13-O
14から調理器1の前後方向に距離wだけずれるように配置される。好ましくは蒸気発生アセンブリ15全体が中心線O
13-O
14の上側、すなわち制御デバイス22が置かれた側と反対側に置かれる。蒸気発生アセンブリ15の外形は、できる限り大きい寸法を有する蒸気発生アセンブリ15を提供するために、ガスバーナーアセンブリ13と14との間の空間をできる限り多く使用するように中心線O
13-O
14に接してもよいことが更に好ましい。
【0048】
本出願では、用語「中心」は、調理器1の上の位置から見て関連したアセンブリの調理器1の平面図に表された外輪郭の幾何中心を指す。用語「中心線」は2つのアセンブリの「中心」を連結する仮想線を指す。
【0049】
図1に示された調理器1の上述した例示的構成によれば、蒸気発生アセンブリ15の中心をガスバーナーアセンブリ13、14の中心線O
13-O
14から距離wだけずらすことにより、蒸気発生アセンブリ15はガスバーナーアセンブリ13とガスバーナーアセンブリ14との間に配置されるが、ガスバーナーアセンブリ13及びガスバーナーアセンブリ14と並んで配置されない。示された実施形態は本出願の好ましい例示的実施形態であることが理解されよう。又蒸気発生アセンブリ15は、ガスバーナーアセンブリ13及びガスバーナーアセンブリ14と並んで配置されてもよい。
【0050】
図6は、本出願の例示的実施形態による調理器1の底枠12の内部構造の小領域を概略的に示す。
図6に示されたように、蒸気発生アセンブリ15は、ガスバーナーアセンブリ13及びガスバーナーアセンブリ14が配置されていない調理器1の小領域125内に配置され、制御デバイスを装着するための小領域122、ガスバーナーアセンブリ13を装着するための小領域123、並びにガスバーナーアセンブリ14を装着するための小領域124を占めない。
【0051】
蒸気発生アセンブリ15のこの配置は、調理器の大きさを増加することなく調理器の機能性を拡大することを実現するように、調理器の構造空間を十分に使用することができる。加えてガスバーナーアセンブリ13、14及び蒸気発生アセンブリ15などの様々な熱源は、調理器具の相互干渉を避ける一方で、調理器全体の小型化に貢献するように合理的に配置することができる。具体的には、既存の調理器を過剰に修正する必要なしに蒸気発生アセンブリを追加することが可能である。
【0052】
図10は、本出願の別の例示的実施形態による調理器1’を示す。この実施形態では、同じ構成要素は同じ参照番号によって示されている。類似の又は対応する構成要素は、右上付きの「’」を加えた同じ参照番号によって示されている。
【0053】
図10に示された例示的実施形態では、調理器1’は2つの電気加熱アセンブリ13’、14’及び1つの蒸気発生アセンブリ15を含む。
【0054】
本出願の実施形態によれば、電気加熱アセンブリ13’、14’は、それぞれが誘導電気加熱アセンブリ(例えば誘導調理台)、遠赤外線電気加熱アセンブリ(例えば遠赤外線電気調理台)及び抵抗電気加熱アセンブリの1つであってもよい。例えば調理器1’は2つの誘導電気加熱アセンブリ、又は2つの遠赤外線放射電気加熱アセンブリ、又は1つの誘導電気加熱アセンブリ及び1つの遠赤外線放射電気加熱アセンブリ、又は1つの誘導電気加熱アセンブリ及び1つの抵抗電気加熱アセンブリなどを含んでもよい。誘導電気加熱アセンブリ、遠赤外線放射電気加熱アセンブリ、及び抵抗電気加熱アセンブリは、それぞれが当技術分野で公知の構成を有し、当技術分野で公知の手法で調理器に連結することができ、従ってそれらの具体的な構造の説明はここでは割愛する。
【0055】
上述の構成によれば、蒸気発生アセンブリは誘導電気加熱アセンブリ、遠赤外線放射電気加熱アセンブリ及び抵抗電気加熱アセンブリの少なくとも1つと組み合わせて使用され、それによって機能性が拡大し、使用柔軟性を備えた調理器を提供する技術解決策が提供される。
【0056】
図10に示された調理器1’は、電気加熱アセンブリ13’及び14’それぞれの加熱力を調節するために電気加熱アセンブリ13’及び14’それぞれを制御するように構成された制御デバイス21’及び制御デバイス23’、並びに蒸気発生アセンブリ15の加熱力を調節するために蒸気発生アセンブリ15を制御するように構成された制御デバイス22’を更に含む。制御デバイス21’及び23’は本出願の第1の制御デバイスに対応する。制御デバイス22’は本出願の第2の制御デバイスに対応する。
【0057】
図10に示された例示的実施形態では、制御デバイス21’、22’、23’は接触誘導制御装置である。本出願の第1の制御デバイスとしての制御デバイス21’、23’及び本出願の第2の制御デバイスとしての制御デバイス22’は、それらの加熱力を調節するようにそれぞれの構成要素を制御するために当技術分野で公知のあらゆる構成のデバイスを制御してもよいと理解してもよい。例えば制御デバイス21’、22’、23’はノブ式又は押しボタン式制御デバイスであってもよい。従って制御デバイスの具体的構造の説明はここでは割愛する。
【0058】
図2に示された例示的実施形態と同様に、
図10に示された例示的実施形態では、蒸気発生アセンブリ15は2つの電気加熱アセンブリ13’と14’との間に配置され、蒸気発生アセンブリ15は、蒸気発生アセンブリ15の中心O
15が電気加熱アセンブリ13’及び電気加熱アセンブリ14’の中心線O
13’-O
14’から距離w’だけずれるように配置される。この手法で、蒸気発生アセンブリ15は電気加熱アセンブリ13’と電気加熱アセンブリ14’との間に配置されるが、電気加熱アセンブリ13’及び電気加熱アセンブリ14’と並ばない。好ましくは蒸気発生アセンブリ15全体が中心線O
13’-O
14’の上側、すなわち制御デバイス22’が置かれた側と反対側に置かれる。
図2に示されたような例と同様に、蒸気発生アセンブリ15の外形は、できる限り大きい寸法を有する蒸気発生アセンブリ15を提供するために、電気加熱アセンブリ13’と電気加熱アセンブリ14’との間の空間をできる限り多く使用するように中心線O
13’-O
14’に接してもよいことが更に好ましい。
【0059】
又本出願の例示的実施形態によれば、蒸気発生アセンブリ15は、蒸気発生アセンブリ15の中心O
15の、電気加熱アセンブリ13’及び電気加熱アセンブリ14’の中心線O
13’-O
14’上への投影位置Pが中心線O
13’-O
14’の中点位置Mに一致する、又は蒸気発生アセンブリ15の中心O
15の、電気加熱アセンブリ13’及び電気加熱アセンブリ14’の中心線O
13’-O
14’上への投影位置Pが
図10に示されたように中心線O
13’-O
14’の中点位置Mから距離lだけずれるように配置されてもよい。
【0060】
「蒸気発生アセンブリ15の中心O15の、電気加熱アセンブリ13’及び電気加熱アセンブリ14’の中心線O13’-O14’上への投影位置」は、調理器の平面図に見られるように、蒸気発生アセンブリ15の中心O15から電気加熱アセンブリ13’及び電気加熱アセンブリ14’の中心線O13’-O14’に伸びる垂直線と中心線O13’-O14’との間の交点位置を指すことに留意されたい。
【0061】
蒸気発生アセンブリ15の中心O
15の、電気加熱アセンブリ13’及び電気加熱アセンブリ14’の中心線O
13’-O
14’上への投影位置Pが、中心線O
13’-O
14’の中点位置Mに一致するように設定することにより、蒸気発生アセンブリ15は2つの電気加熱アセンブリから実質的に等しい距離を有するように配置されてもよい。蒸気発生アセンブリ15の中心O
15の、電気加熱アセンブリ13’及び電気加熱アセンブリ14’の中心線O
13’-O
14’上への投影位置Pが、中心線O
13’-O
14’の中点位置Mから一定距離だけずれるように設定することにより、蒸気発生アセンブリ15は電気加熱アセンブリの一方からの距離が他方の電気加熱アセンブリからの距離より大きいように配置されてもよい。
図10に示された例示的実施形態では、蒸気発生アセンブリ15は電気加熱アセンブリ13’からの距離が電気加熱アセンブリ14’からの距離より大きいように配置される。換言すると、調理器の左右方向において蒸気発生アセンブリ15の中心O
15は、電気加熱アセンブリ13’の中心O
13’又は電気加熱アセンブリ14’の中心O
14’により近く配置されてもよい。具体的には電気加熱アセンブリ13’の加熱力が電気加熱アセンブリ14’の加熱力より大きい場合、蒸気発生アセンブリ15の中心O
15は、電気加熱アセンブリ14’の中心O
14’に調理器の左右方向により近く配置されてもよく、それによって調理器の空間利用を更に最適化する。
【0062】
図2に示されたように2つのガス加熱アセンブリを備えた調理器1では、蒸気発生アセンブリ15の中心O
15の、2つのガス加熱アセンブリの中心線O
13-O
14上への投影位置も、中心線O
13-O
14の中点位置に一致してもよく、又は蒸気発生アセンブリ15の中心O
15の、2つのガス加熱アセンブリの中心線O
13-O
14上への投影位置は、中心線O
13-O
14の中点位置からずれ、それによって蒸気発生アセンブリ15はガス加熱アセンブリの一方からの距離が他方のガス加熱アセンブリからの距離より大きいように配置されてもよいと理解してもよい。
【0063】
上述の例示的構成によれば、蒸気発生アセンブリ15は、ガス加熱アセンブリ及び電気加熱アセンブリを含むより高い加熱力を有する加熱アセンブリから離れて配置することができるので、この加熱アセンブリによって蒸気発生アセンブリにもたらされる不均一の加熱効果を避けられる。
【0064】
示された実施形態では、蒸気発生アセンブリ15は2つの加熱アセンブリ(例えば2つのガスバーナーアセンブリ13及び14、又は2つの加熱アセンブリ13’及び14’)の間に位置するように配置されているが、示されていない実施形態では、蒸気発生アセンブリ15は、2つのガス加熱アセンブリ13及び14の一方(例えばガス加熱アセンブリ13)の中心が蒸気発生アセンブリ15及び他方のガス加熱アセンブリ(例えばガス加熱アセンブリ14)の中心線から調理器1の前後方向にずれることができるように、及び/又は一方のガス加熱アセンブリ(例えばガス加熱アセンブリ13)の中心の、蒸気発生アセンブリ15及び他方のガス加熱アセンブリ(例えばガス加熱アセンブリ14)の中心線上への投影位置が、蒸気発生アセンブリ15及び他方のガス加熱アセンブリ(例えばガス加熱アセンブリ14)の中心線の中点位置と一致する、若しくは蒸気発生アセンブリ15及び他方のガス加熱アセンブリ(例えばガス加熱アセンブリ14)の中心線の中点位置から調理器1の左右方向にずれることができるように、調理器1上で調理器1の左側若しくは右側に配置されてもよいと理解してもよい。加えて示されていない実施形態では、蒸気発生アセンブリ15は、2つの電気加熱アセンブリ13’及び14’の一方(例えば電気加熱アセンブリ13’)の中心が蒸気発生アセンブリ15及び他方の電気加熱アセンブリ(例えば電気加熱アセンブリ14’)の中心線から調理器1’の前後方向にずれることができるように、及び/又は一方の電気加熱アセンブリ(例えば電気加熱アセンブリ13’)の中心の、蒸気発生アセンブリ15及び他方の電気加熱アセンブリ(例えば電気加熱アセンブリ14’)の中心線上への投影位置が、蒸気発生アセンブリ15及び他方の電気加熱アセンブリ(例えば電気加熱アセンブリ14’)の中心線の中点位置と一致する、若しくは蒸気発生アセンブリ15及び他方の電気加熱アセンブリ(例えば電気加熱アセンブリ14’)の中心線の中点位置から調理器1’の左右方向にずれることができるように、調理器1’上で調理器1’の左側若しくは右側に配置されてもよいと理解してもよい。
【0065】
示された例示的実施形態では、調理器1、1’はそれぞれが2つのガス加熱アセンブリ及び2つの電気加熱アセンブリを含むが、本出願による調理器は又ガス加熱アセンブリ及び電気加熱アセンブリの両方を含み、且つこれらの加熱力をそれぞれ調節するためにガス加熱アセンブリ及び電気加熱アセンブリのそれぞれを制御するための制御デバイス(ここでは説明しない)を含むように構成されてもよいと理解してもよい。具体的には、蒸気発生アセンブリ15は、調理器がガス加熱アセンブリ及び電気加熱アセンブリの両方を含む場合に、好ましくは(例えば左右方向及び/又は前後方向に)電気加熱アセンブリのより近くに提供される。
【0066】
次に蒸気発生アセンブリの構造について
図7~9を参照に説明する。
図7は、本出願による蒸気発生アセンブリの例示的実施形態の平面図を示す。
図8は
図7に示された蒸気発生アセンブリの側面図を示す。
図9は
図7における断面C-Cに沿って切り取った蒸気発生アセンブリの断面図を示す。
【0067】
示された例示的実施形態では、蒸気発生アセンブリ15は、容器151及び容器151の底部に取り付けられた加熱デバイス152を含む。加熱デバイス152は水蒸気を発生するために容器151内に含有した水を加熱するように構成される。
【0068】
本出願の例示的実施形態によれば、蒸気発生アセンブリ15の加熱デバイス152は抵抗加熱デバイス又は誘導加熱デバイスであってもよい。
【0069】
示された例示的実施形態では、蒸気発生アセンブリ15の加熱デバイス152は平坦な上部表面を有する加熱ディスクである。蒸気発生アセンブリ15の容器151は実質的に円筒部材である。容器151の底部では、凹部1516は容器151の内側に向かって凹んで形成される。加熱デバイス152は容器151の底部で凹部1516内に収容され、加熱デバイス152の平坦な上部表面は、加熱デバイス152が水蒸気を生成するために熱を発生すると、熱伝導により容器151内に含有された水を加熱するために凹部1516の底部に置かれた平坦な表面と係合する。好ましくは蒸気発生アセンブリ15の容器151は、ステンレス鋼などの良好な熱伝導率を有する金属材料から作成される。
【0070】
本出願の例示的実施形態によれば、蒸気発生アセンブリ15の加熱デバイス152は、容器151と一緒に溶接して一体部品にされてもよく、又は加熱デバイス152は容器151の底部に取り外し可能に取り付けられて容器151と一緒に一体部品に形成されてもよい。
【0071】
蒸気発生アセンブリ15のモジュラー管理は、蒸気発生アセンブリ15の加熱デバイス152及び容器151を一体部品に形成することによって実現することができる。蒸気発生アセンブリ15が保全又は交換に起因して調理器1、1’から取り除く必要がある時に、蒸気発生アセンブリ15は調理器1から蒸気発生アセンブリ15の複数の別個の部品を取り除く必要なしに、単一行為によって取り除くことができる。同様に蒸気発生アセンブリ15が調理器1、1’に組み立てられる時、蒸気発生アセンブリ15は単一行為によって置いて位置付けることができる。従って蒸気発生アセンブリ15の設置及び組立が簡単になる。
【0072】
図7及び9を参照すると、示された例示的実施形態では、蒸気発生アセンブリ15の容器151は、底壁1511、底壁1511の外周縁部から底壁1511に対して容器151の高さ方向において傾斜して延在する外周壁1512、及び外周縁部から外周壁1512の底壁1511が置かれている端部と反対側の端部において半径方向外方に延在するフランジ1513を含む。外周壁1512の底壁1511が置かれている端部と反対側の端部における外周縁部は、フランジ1513の内縁部1515を形成する。
【0073】
示された例示的実施形態では、容器151の外周壁1512は、容器151がその底部から開口に次第に大きくなる裾が広がった形状に形成されるように、底壁1511の外周縁部から上方に半径方向外方に底壁1511に対して傾斜して延在する。
【0074】
このやり方で加熱デバイス152の大きさは低減する一方でより大きい蒸気出口が得られ、それによって効果的な食品を蒸す機能を達成する一方でエネルギーを節約する。加えて容器151の底部に向かって先細の構成も、容器の内側の洗浄及び保全を促進する。
【0075】
本出願による実施形態では、容器151の底壁1511、外周壁1512及びフランジ1513は、容器151の内側の洗浄及び保全を促進するためにそれぞれがその内側を特殊材料の被覆(例えばポリテトラフルオロエチレン被覆)で塗布される。
【0076】
示された例示的実施形態では、蒸気発生アセンブリ15の容器151のフランジ1513は、容器151の高さ方向において容器151の底壁1511からフランジ1513の外縁部1514の距離h1が、底壁1511からフランジ1513の内縁部1515の距離h2より大きい(h1>h2)ように構成される。
【0077】
上記の構成によれば、底壁1511に対して、容器151のフランジ1513の外縁部1514は、フランジ1513の内縁部1515より容器151の高さ方向において高い。このやり方で容器151のフランジ1513の上に流れる水を容器151の中に自然に戻るように促すために、容器151内の水が加熱されて沸騰したときに容器151から漏れるのを防ぐことができる。
【0078】
図4及び5を参照すると、示された例示的実施形態では、蒸気発生アセンブリ15は容器151のフランジ1513によって調理器1の天板に取り付けられる。
【0079】
本出願の実施形態によれば、封止部材(図示せず)は蒸気発生アセンブリ15の容器151のフランジ1513と調理器1の天板11との間に提供されてもよい。本出願による実施形態では、容器151のフランジ1513と調理器1の天板11との間に提供された封止部材は耐熱材料から作成される。
【0080】
図10に示された例示的実施形態では、蒸気発生アセンブリ15は同様の手法で容器151のフランジ1513により調理器1’の天板11’に取り付けられてもよいと理解してもよい。
【0081】
上記の構成によれば、蒸気発生アセンブリ15の容器フランジ1513と調理器1、1’の天板11、11’との間に封止部材を提供することにより、調理器1、1’の天板11、11’上の水、例えば水を蒸気発生アセンブリ15の容器151の中に注入している間に天板11、11’上に溢れた水は、調理器1、1’の内側に漏れるのを防がれ、従って調理器の内側に配置された電子素子の正常動作に悪影響を及ぼすのを防ぎ得る。
【0082】
本出願の実施形態によれば、調理器1、1’は少なくとも1つの蒸し器トレー(図示せず)を更に含んでもよい。蒸し器トレーの下端部は蒸気発生アセンブリ15の容器151のフランジ1513と確実に係合するように構成される。
【0083】
本出願の例示的実施形態によれば、段付部1517は蒸気発生アセンブリ15の容器151のフランジ1513の外縁部1514付近の位置に提供される。
図9に示されたように、段付部1517の外縁部1514に隣接した一端は、段付部1517の内縁部1515に隣接した一端より容器151の高さ方向において高い。
【0084】
このやり方で段付部1517は蒸し器トレーの下端部と確実に係合した係合部と共に形成されてもよい。加えて段付部1517は蒸し器トレーの動きを制限するための停止部として機能することもできる。
【0085】
上記の構成によれば、調理器1、1’の機能は、調理器1、1’用の少なくとも1つの蒸し器トレーを提供することによってさらに拡大する。蒸気発生アセンブリの熱効率を確保し、蒸し器トレーの下端部を蒸気発生アセンブリ15の容器151のフランジ1513と確実に係合するように構成することにより、蒸し器トレーの側壁から流れる蒸留水が容器の中に自然に戻ることを確保することが可能である。
【0086】
上記の実施形態では、蒸気発生アセンブリ15、具体的には容器151は調理器内に固定して配置されているが、蒸気発生アセンブリ15、具体的には容器151は洗浄を促進するために調理器内に容易に取り外し可能に配置されてもよいことが当業者には予想できる。例えば蒸気発生アセンブリ15の加熱デバイス152は調理器の枠12又は板11に固定して連結されてもよく、容器151は加熱デバイス152から独立し、洗浄のために調理器から容易に取り外されるように設計されてもよい。
【0087】
蒸気発生アセンブリ15は示された具体的な構成に限定されるのではなく、様々な構成を有してもよいことが理解されよう。例えば示された実施形態では蒸気発生アセンブリ15の容器151は実質的に平坦な底壁を有するが、蒸気発生アセンブリ15の容器の底壁は容器の開口に向かって突出し、加熱デバイスを収容するように構成された突出部、及び蒸気の発生を促進するように突出部を包囲するように配置された水を保管するための溝も備えてもよいことと理解してもよい。
【0088】
本出願の実施形態によれば、蒸気発生アセンブリ15は、蒸気発生アセンブリ15が作動状態の場合に容器151内の水不足が起きたとき、加熱デバイス152の電源を切るように構成された自動電源切断デバイス(図示せず)を更に含んでもよい。
【0089】
本出願による調理器1、1’の実施形態では、蒸気発生アセンブリ15の自動電源切断デバイスは、加熱デバイス152の特定の型(抵抗加熱デバイス又は誘導加熱デバイス)に従って適切に選択することができると理解してもよい。このような自動電源切断デバイスの構造はそれ自体が公知であり、ここでは説明しない。
【0090】
本出願による一部の実施形態では、蒸気発生アセンブリ15は自動電源切断デバイスと共に使用し、又は独立して使用し、蒸気発生アセンブリ15が作動状態の場合に容器151内の水不足が起きたとき、使用者に警告するように構成された自動警報デバイスを更に備えてもよい。このような自動警報デバイスの構造はそれ自体が公知であり、ここでは説明しない。
【0091】
本出願による一部の実施形態では、蒸気発生アセンブリ15は、容器151に必要な水の注入を決定する際に使用者を支援するために、蒸気発生アセンブリ15の容器151内の現在の水位の情報を表示するように構成された水位表示デバイス(図示せず)を更に含んでもよい。
【0092】
蒸気発生ユニット15に自動電源切断デバイス、自動警報デバイス及び/又は水位表示デバイスを提供することにより、容器151内に水がない場合に蒸気発生モジュール15が過熱するのを防ぐことができ、従って調理器1、1’の安全な使用を確実にする。
【0093】
本出願の上記の構成によれば、調理器上の従来の加熱アセンブリに依存しない自立型蒸気発生アセンブリを提供することにより、調理器は食品を蒸す独立機能を有することができ、従って調理器の機能を拡大することを達成する。調理器に依存しない食品を蒸す機能を提供することは、人々が追求する健康的な栄養の蒸した食品と益々速くなる生活の速度に由来する時間不足との間の矛盾を解決する。時間が掛かる蒸し工程は他の従来の調理方法と同時に行うことができるので、本出願の調理器は実質的に同じ調理時間内により多くの調理方法でより多くの型の食品を調理するために利用することができ、従って日常生活の質を向上するために人々の需要を満たすことができる。
【0094】
加えて本出願による調理器は専用蒸し鍋なしで済み、それによって蒸し鍋を置くための設置空間なしで済み、台所空間を節約し、過剰な加熱した鍋を配置することにより起こり得る使用者が火傷する危険を低減する。
【0095】
本出願は実施形態の説明を通して図面を参照して本明細書に説明されており、本出願は上記の実施形態に限定されない。修正形態及び変形形態は本出願の技術的発想から逸脱することなく作成でき、又全てのこれらの修正形態及び変形形態は本出願の範囲内に含まれるように意図されていることが当業者には理解されよう。
なお、本発明の参考態様として、以下に示すものがある。
[態様1]
底枠及び前記底枠に取り付けられた天板を含む筐体と、
前記天板上に配置された少なくとも1つの加熱アセンブリと、
前記少なくとも1つの加熱アセンブリの加熱力を調節するために、前記少なくとも1つの加熱アセンブリを制御するように構成された少なくとも1つの第1の制御デバイスとを含む調理器であって、
前記調理器は、
前記天板上に配置され、水蒸気を発生するように構成された蒸気発生アセンブリと、
前記蒸気発生アセンブリの加熱力を調節するために、前記蒸気発生アセンブリを制御するように構成された第2の制御デバイスとを更に含むことを特徴とする、調理器。
[態様2]
前記少なくとも1つの加熱アセンブリは、ガス加熱アセンブリ及び/又は電気加熱アセンブリを含む、態様1に記載の調理器。
[態様3]
前記少なくとも1つの加熱アセンブリは2つのガス加熱アセンブリ又は2つの電気加熱アセンブリを含み、前記蒸気発生アセンブリは前記2つのガス加熱アセンブリの間又は前記2つの電気加熱アセンブリの間に位置するように配置され、前記蒸気発生アセンブリは、前記蒸気発生アセンブリの中心が前記2つのガス加熱アセンブリの中心線又は前記2つの電気加熱アセンブリの中心線から前記調理器の前後方向にずれるように配置される、態様1に記載の調理器。
[態様4]
前記蒸気発生アセンブリは、前記蒸気発生アセンブリの中心の、前記2つのガス加熱アセンブリの前記中心線上への投影位置が、前記2つのガス加熱アセンブリの前記中心線の中点位置と一致する、若しくは前記2つのガス加熱アセンブリの前記中心線の前記中点位置から前記調理器の左右方向にずれるように配置され、又は前記蒸気発生アセンブリは、前記蒸気発生アセンブリの中心の、前記2つの電気加熱アセンブリの前記中心線上への投影位置が、前記2つの電気加熱アセンブリの前記中心線の中点位置と一致する、若しくは前記2つの電気加熱アセンブリの前記中心線の前記中点位置から前記調理器の左右方向にずれるように配置される、態様3に記載の調理器。
[態様5]
前記少なくとも1つの加熱アセンブリは2つのガス加熱アセンブリ又は2つの電気加熱アセンブリを含み、前記蒸気発生アセンブリは、前記2つのガス加熱アセンブリの一方の中心が前記蒸気発生アセンブリ及び前記2つのガス加熱アセンブリの他方の中心線から前記調理器の前後方向にずれることができるように、又は前記2つの電気加熱アセンブリの一方の中心が前記蒸気発生アセンブリ及び前記2つの電気加熱アセンブリの他方の中心線から前記調理器の前後方向にずれることができるように、前記調理器上で前記調理器の左側又は右側に配置される、態様1に記載の調理器。
[態様6]
前記一方のガス加熱アセンブリは、前記一方のガス加熱アセンブリの中心の、前記蒸気発生アセンブリ及び前記他方のガス加熱アセンブリの前記中心線上への投影位置が、前記蒸気発生アセンブリ及び前記他方のガス加熱アセンブリの前記中心線の中点位置と一致し、若しくは前記蒸気発生アセンブリ及び前記他方のガス加熱アセンブリの前記中心線の前記中点位置から前記調理器の左右方向にずれるように配置され、又は前記一方の電気加熱アセンブリは、前記一方の電気加熱アセンブリの中心の、前記蒸気発生アセンブリ及び前記他方の電気加熱アセンブリの前記中心線上への投影位置が、前記蒸気発生アセンブリ及び前記他方の電気加熱アセンブリの前記中心線の中点位置と一致し、若しくは前記蒸気発生アセンブリ及び前記他方の電気加熱アセンブリの前記中心線の前記中点位置から前記調理器の左右方向にずれるように配置される、態様5に記載の調理器。
[態様7]
前記少なくとも1つの加熱アセンブリは、1つのガス加熱アセンブリ及び1つの電気加熱アセンブリを含み、前記蒸気発生アセンブリは、前記1つのガス加熱アセンブリと前記1つの電気加熱アセンブリとの間に位置するように配置され、前記蒸気発生アセンブリは、前記蒸気発生アセンブリの中心が前記1つのガス加熱アセンブリ及び前記1つの電気加熱アセンブリの中心線から前記調理器の前後方向にずれ、前記調理器の左右方向に前記1つの電気加熱アセンブリにより接近するように配置され、又は、
前記少なくとも1つの加熱アセンブリは、2つの電気加熱アセンブリを含み、前記蒸気発生アセンブリは、前記2つの電気加熱アセンブリの間に位置するように配置され、前記蒸気発生アセンブリは、前記蒸気発生アセンブリの中心が前記2つの電気加熱アセンブリの中心線から前記調理器の前後方向にずれ、前記調理器の左右方向に前記2つの電気加熱アセンブリのより小さい加熱力を有する方により接近するように配置される、態様1に記載の調理器。
[態様8]
前記蒸気発生アセンブリは、容器及び前記容器を加熱するように構成された加熱デバイスを含む、態様1~7のいずれか一つに記載の調理器。
[態様9]
前記加熱デバイスは、抵抗加熱デバイス、誘導加熱デバイス及び遠赤外線放射加熱デバイスの1つであり、前記加熱デバイスは前記容器と共に一体部品に形成されるように構成される、態様8に記載の調理器。
[態様10]
前記容器は、底壁、前記容器の高さ方向において前記底壁の外周縁部から前記底壁に対して傾斜して延在する外周壁、及び前記外周壁の、前記底壁が置かれた端部の反対側の端部において外周縁部から半径方向外方に延在するフランジを含む、態様8に記載の調理器。
[態様11]
前記フランジは、前記容器の高さ方向において、前記底壁から前記フランジの外縁部の距離が前記底壁から前記フランジの前記外周壁に連結した内縁部の距離より大きいように構成される、態様10に記載の調理器。
[態様12]
前記蒸気発生アセンブリは、前記容器の前記フランジにより前記天板に取り付けられる、態様10に記載の調理器。
[態様13]
封止部材は前記容器の前記フランジと前記調理器の前記天板との間に提供される、態様12に記載の調理器。
[態様14]
前記封止部材は耐熱材料から作成される、態様13に記載の調理器。
[態様15]
前記容器の前記底壁、前記外周壁及び前記フランジは、それぞれがその内側を特殊材料の被覆で塗布される、態様10に記載の調理器。
[態様16]
前記調理器は少なくとも1つの蒸し器トレーを更に含み、前記少なくとも1つの蒸し器トレーの下端は前記容器の前記フランジと確実に係合するように構成される、態様10に記載の調理器。
[態様17]
前記蒸気発生アセンブリは、自動電源切断デバイス、自動警報デバイス及び水位表示デバイスの少なくとも1つを更に含む、態様1~7のいずれか一つに記載の調理器。
[態様18]
前記電気加熱アセンブリは、誘導電気加熱アセンブリ、遠赤外線放射電気加熱アセンブリ及び抵抗電気加熱アセンブリの少なくとも1つを含む、態様2~7のいずれか一つに記載の調理器。
[態様19]
前記加熱デバイスは、抵抗加熱デバイス、誘導加熱デバイス及び遠赤外線放射加熱アセンブリの1つであり、前記加熱デバイスは前記容器から分離して形成され、前記容器は前記調理器に取り外し可能に取り付けるように構成される、態様8に記載の調理器。
[態様20]
前記調理器の前記底壁は平坦であり、又は前記容器の前記底壁は前記容器の開口に向かって突出し、前記加熱デバイスを収容するように構成された突出部、及び前記突出部を包囲するように配置された溝を備える、態様10に記載の調理器。