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特許7272980人物分析システム、人物分析方法、及び人物分析プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】人物分析システム、人物分析方法、及び人物分析プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20230502BHJP
【FI】
G06Q10/06
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020034409
(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公開番号】P2021135979
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】306020818
【氏名又は名称】トヨタテクニカルディベロップメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】小田 紘之
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-107867(JP,A)
【文献】国際公開第2014/118861(WO,A1)
【文献】特開2015-132983(JP,A)
【文献】特開2014-232554(JP,A)
【文献】特開2019-191824(JP,A)
【文献】特開2013-025702(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0313948(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の文献に登場する複数の人物の相互間の関連性を分析する人物分析システムであって、
前記複数の文献に登場する少なくとも1名以上の人物の人物情報を含む文献の一覧を示す文献リストを取得する取得部と、
前記人物情報における個々の人物の相互間の関連性の分析に用いる関連性指標を算出する算出部と、
前記関連性指標に基づく前記複数の人物の相互間における当該人物の役割である分析結果を出力する出力表示処理部と、を備え、
前記算出部は、
前記関連性指標として、複数の人物各々の、当該人物を除く前記複数の人物に含まれる他の人物各々との間のネットワークの広さを示す第1指標を算出する第1指標算出部と、
前記関連性指標として、人物が関与した文献の数に基づいた第2指標を算出する第2指標算出部と、を有することを特徴とする人物分析システム。
【請求項2】
請求項1に記載の人物分析システムにおいて、
複数の文献に登場する複数の人物について、
前記人物の前記第1指標の値が高いほど、前記人物は、前記人物を除く前記複数の人物に含まれる他の人物各々との間のネットワークが広いと評価され、
前記人物の前記第2指標の値が高いほど、前記人物は、アイディアの創出能力が高いと評価され、
前記人物の前記第1指標と前記第2指標との両者が高いほど、前記人物は、イノベーションを生み出す能力が高いと評価されることを特徴とする人物分析システム。
【請求項3】
請求項に記載の人物分析システムにおいて、
前記出力表示処理部は、前記第1指標を第1軸とし前記第2指標を第2軸とする散布図に複数の人物各々の前記分析結果を反映した座標成分を描画して出力することを特徴とする人物分析システム。
【請求項4】
請求項に記載の人物分析システムにおいて、
前記散布図は前記役割に紐付けられた領域により分割され、
前記座標成分が描画された前記領域に基づき複数の人物各々の前記役割を特定することを特徴とする人物分析システム。
【請求項5】
請求項に記載の人物分析システムにおいて、
前記座標成分の位置と前記散布図の原点との距離に基づき、複数の人物各々のスコアを特定することを特徴とする人物分析システム。
【請求項6】
請求項に記載の人物分析システムにおいて、
前記第1指標における所定の閾値である第1閾値が設けられ、
前記出力表示処理部において、前記複数の人物の相互間における当該人物にかかる前記第1指標算出部の算出結果である第1算出結果が前記第1閾値以上か否かが判定されて、
当該人物の役割が特定されることを特徴とする人物分析システム。
【請求項7】
請求項に記載の人物分析システムにおいて、
前記第2指標における所定の閾値である第2閾値が設けられ、
前記出力表示処理部において、前記複数の人物の相互間における当該人物にかかる前記第2指標算出部の算出結果である第2算出結果が前記第2閾値以上か否かが判定されて、当該人物の役割が特定されることを特徴とする人物分析システム。
【請求項8】
請求項1に記載の人物分析システムにおいて、
前記複数の人物の相互間における当該人物にかかる前記第1指標算出部の算出結果である第1算出結果と、当該人物にかかる前記第2指標算出部の算出結果である第2算出結果と、のそれぞれの正規化された値の二乗値のそれぞれの和に基づいて、当該人物のスコアが特定されることを特徴とする人物分析システム。
【請求項9】
請求項に記載の人物分析システムであって、
前記出力表示処理部は、前記散布図と複数の人物各々の前記スコアとを併記して前記分析結果を出力することを特徴とする人物分析システム。
【請求項10】
請求項1に記載の人物分析システムにおいて、
前記第1指標は、人物をノードとし、同一の文献に関与している複数の前記ノードのうちの二つの前記ノードの間の繋がりをエッジとしたネットワークグラフに基づいて算出される中心性、エフェクティブサイズ、若しくは拘束度であることを特徴とする人物分析システム。
【請求項11】
請求項1に記載の人物分析システムにおいて、
前記第2指標算出部は、同一の文献に関与する複数の人物の中で筆頭人物に対して重み付けを行い前記第2指標を算出することを特徴とする人物分析システム。
【請求項12】
請求項1に記載の人物分析システムにおいて、
前記文献は、特許関連公報であり、
前記人物情報は、発明者であることを特徴とする人物分析システム。
【請求項13】
請求項1に記載の人物分析システムにおいて、
前記文献は、学術論文であり、
前記人物情報は、著者であることを特徴とする人物分析システム。
【請求項14】
複数の文献に登場する複数の人物の相互間の関連性を分析する人物分析方法であって、
前記複数の文献に登場する少なくとも1名以上の人物の人物情報を含む文献の一覧を示す文献リストを取得する取得ステップと、
前記人物情報における個々の人物の相互間の関連性の分析に用いる関連性指標を算出する算出ステップと、
前記関連性指標に基づく前記複数の人物の相互間における当該人物の役割である分析結果を出力する出力表示処理ステップと、を備え、
前記算出ステップは、
前記関連性指標として、複数の人物各々の、当該人物を除く前記複数の人物に含まれる他の人物各々との間のネットワークの広さを示す第1指標を算出する第1指標算出ステップと、
前記関連性指標として、人物が関与した文献の数に基づいた第2指標を算出する第2指標算出ステップと、を有することを特徴とする人物分析方法。
【請求項15】
複数の文献に登場する複数の人物の相互間の関連性を分析する人物分析プログラムであって、
人物分析をするためのコンピュータに、
前記複数の文献に登場する少なくとも1名以上の人物の人物情報を含む文献の一覧を示す文献リストを取得する取得機能と、
前記人物情報における個々の人物の相互間の関連性の分析に用いる関連性指標を算出する算出機能と、
前記関連性指標に基づく前記複数の人物の相互間における当該人物の役割である分析結果を出力する出力表示処理機能と、を実現させ、
前記算出機能は、
前記関連性指標として、複数の人物各々の、当該人物を除く前記複数の人物に含まれる他の人物各々との間のネットワークの広さを示す第1指標を算出する第1指標算出機能と、
前記関連性指標として、人物が関与した文献の数に基づいた第2指標を算出する第2指標算出機能と、を有することを特徴とする人物分析プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人物分析システム、人物分析方法、及び人物分析プログラムに関し、特に複数の人物間の関係を分析する人物分析システム、人物分析方法、及び人物分析プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、情報技術の発展、中でもネットワーク分析技術の向上により、人間関係を分析する情報システムが知られるようになってきた。従来の人間関係を分析する情報システムは、例えば、集団の中での立ち位置を分析したり、まとめ役的な人物を評価したりする指標として、複数の人物各々が他者と共有するネットワークにおける、複数の人物各々に備わるネットワークの中心性を用いていた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-132983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の開示にかかる情報システムでは、人間関係を分析する指標としてネットワークの中心性のみを用いているため、単一の基準でしか人物を評価することができず、人間関係における人物の単一の役割についての分析にとどまっていた。
【0005】
そこで、本開示は、人間関係を多様な役割により分析することを可能にする人物分析システム、人物分析方法、及び人物分析プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、第1の態様は、複数の文献に登場する複数の人物の相互間の関連性を分析する人物分析システムであって、複数の文献に登場する少なくとも1名以上の人物の人物情報を含む文献の一覧を示す文献リストを取得する取得部と、人物情報における個々の人物の相互間の関連性の分析に用いる関連性指標を算出する算出部と、関連性指標に基づく分析結果を出力する出力表示処理部と、を備え、算出部は、関連性指標として、複数の人物各々の、人物を除く複数の人物に含まれる他の人物各々との間のネットワークの広さを示す第1指標を算出する第1指標算出部と、関連性指標として、人物が関与した文献の数に基づいた第2指標を算出する第2指標算出部と、を有することを特徴とする。
【0007】
第1の態様によれば、複数の人物各々の他の人物各々との間のネットワークの広さを示す第1指標だけでなく、人物が関与した文献の数に基づいた第2指標を用いることにより、多様な観点から人間関係を分析する人物分析システムを提供することができる。
【0008】
第2の態様は、第1の態様にかかる人物分析システムにおいて、複数の文献に登場する複数の人物について、人物の第1指標の値が高いほど、人物は、人物を除く複数の人物に含まれる他の人物各々との間のネットワークが広いと評価され、人物の第2指標の値が高いほど、人物は、アイディアの創出能力が高いと評価され、人物の第1指標と第2指標との両者が高いほど、人物は、イノベーションを生み出す能力が高いと評価されることとしてもよい。
【0009】
第2の態様によれば、第1指標及び第2指標を用いることにより、多様な観点から複数の文献に登場する複数の人物について多様な観点から評価をすることが可能になる。
【0010】
第3の態様は、第1の態様に係る人物分析システムにおいて、分析結果は、複数の人物の相互間における当該人物の役割であることとしてもよい。
【0011】
第3の態様によれば、第1の態様に係る人物分析システムにおいて、多様な役割の観点から人間関係を分析することができる。
【0012】
第4の態様は、第3の態様に係る人物分析システムにおいて、出力表示処理部は、第1指標を第1軸とし第2指標を第2軸とする散布図に複数の人物各々の分析結果を反映した座標成分を描画して出力することとしてもよい。
【0013】
第4の態様によれば、第3の態様に係る人物分析システムにおいて、分析結果を可視化することにより、人間関係の分析結果の視認性が向上する。
【0014】
第5の態様は、第4の態様に係る人物分析システムにおいて、散布図は役割に紐付けられた領域により分割され、座標成分が描画された領域に基づき複数の人物各々の役割を特定することとしてもよい。
【0015】
第5の態様によれば、第4の態様に係る人物分析システムにおいて、分析結果が描画された散布図の領域に基づき、即座に人物各々の役割を特定することが可能となる。
【0016】
第6の態様は、第4の態様に係る人物分析システムにおいて、座標成分の位置と散布図の原点との距離に基づき、複数の人物各々のスコアを特定することとしてもよい。
【0017】
第6の態様によれば、第4の態様に係る人物分析システムにおいて、第1指標及び第2指標を統合した一つの評価基準、即ち、原点からの距離(スコア)を評価のパラメータとすることで容易に人物を評価することができる。
【0018】
第7の態様は、第3の態様に係る人物分析システムにおいて、第1指標における所定の閾値である第1閾値が設けられ、出力表示処理部において、複数の人物の相互間における当該人物にかかる第1指標算出部の算出結果である第1算出結果が第1閾値以上か否かが判定されて、当該人物の役割が特定されることとしてもよい。
【0019】
第7の態様によれば、第3の態様に係る人物分析システムにおいて、第1指標に基づき当該人物の役割を特定することが可能となる。
【0020】
第8の態様は、第3の態様に係る人物分析システムにおいて、第2指標における所定の閾値である第2閾値が設けられ、出力表示処理部において、複数の人物の相互間における当該人物にかかる第2指標算出部の算出結果である第2算出結果が第2閾値以上か否かが判定されて、当該人物の役割が特定されることとしてもよい。
【0021】
第8の態様によれば、第3の態様に係る人物分析システムにおいて、第2指標に基づき当該人物の役割を特定することが可能となる。
【0022】
第9の態様は、第1の態様に係る人物分析システムにおいて、複数の人物の相互間における当該人物にかかる第1指標算出部の算出結果である第1算出結果と、当該人物にかかる第2指標算出部の算出結果である第2算出結果と、のそれぞれの正規化された値の二乗値のそれぞれの和に基づいて、当該人物のスコアが特定されることとしてもよい。
【0023】
第9の態様によれば、第1の態様に係る人物分析システムにおいて、第1指標及び第2指標を統合した一つの評価基準に基づき容易に人物を評価することができる。
【0024】
第10の態様は、第6の態様に係る人物分析システムであって、出力表示処理部は、散布図と複数の人物各々のスコアとを併記して分析結果を出力することとしてもよい。
【0025】
第10の態様によれば、散布図とスコアとを併記することにより、役割の分析と人物の評価とを同時に行うことができる。
【0026】
第11の態様は、第1の態様に係る人物分析システムにおいて、第1指標は、人物をノードとし、同一の文献に関与している複数のノードのうちの二つのノードの間の繋がりをエッジとしたネットワークグラフに基づいて算出される中心性、エフェクティブサイズ、若しくは拘束度であることとしてもよい。
【0027】
第11の態様によれば、中心性、エフェクティブサイズ、若しくは拘束度を用いることにより、ネットワークの広さを定量的に評価することができる。
【0028】
第12の態様は、第1の態様に係る人物分析システムにおいて、第2指標算出部は、同一の文献に関与する複数の人物の中で筆頭人物に対して重み付けを行い第2指標を算出することとしてもよい。
【0029】
第12の態様によれば、アイディア創出の大部分を担う筆頭人物に対して重み付けを行うことにより、アイディア創出力の評価精度が向上する。
【0030】
第13の態様は、第1の態様に係る人物分析システムにおいて、文献は、特許関連公報であり、人物情報は、発明者であることとしてもよい。
【0031】
第13の態様によれば、公開情報である特許関連公報に基づいて分析を行うことにより、他社の特許に関する発明者について分析することができる。
【0032】
第14の態様は、第1の態様に係る人物分析システムにおいて、文献は、学術論文であり、人物情報は、著者であることとしてもよい。
【0033】
第14の態様によれば、公開情報である学術論文に基づいて分析を行うことにより、他社が発表した学術論文の著者について分析することができる。
【0034】
第15の態様は、複数の文献に登場する複数の人物の相互間の関連性を分析する人物分析方法であって、複数の文献に登場する少なくとも1名以上の人物の人物情報を含む文献の一覧を示す文献リストを取得する取得ステップと、人物情報における個々の人物の相互間の関連性の分析に用いる関連性指標を算出する算出ステップと、関連性指標に基づく分析結果を出力する出力表示処理ステップと、を備え、算出ステップは、関連性指標として、複数の人物各々の、人物を除く複数の人物に含まれる他の人物各々との間のネットワークの広さを示す第1指標を算出する第1指標算出ステップと、関連性指標として、人物が関与した文献の数に基づいた第2指標を算出する第2指標算出ステップと、を有することを特徴とする。
【0035】
第15の態様によれば、複数の人物各々の他の人物各々との間のネットワークの広さを示す第1指標だけでなく、人物が関与した文献の数に基づいた第2指標を用いることにより、多様な観点から人間関係を分析する人物分析方法を提供することができる。
【0036】
第16の態様は、複数の文献に登場する複数の人物の相互間の関連性を分析する人物分析プログラムであって、人物分析をするためのコンピュータに、複数の文献に登場する少なくとも1名以上の人物の人物情報を含む文献の一覧を示す文献リストを取得する取得機能と、人物情報における個々の人物の相互間の関連性の分析に用いる関連性指標を算出する算出機能と、関連性指標に基づく分析結果を出力する出力表示処理機能と、を実現させ、算出機能は、関連性指標として、複数の人物各々の、当該人物を除く複数の人物に含まれる他の人物各々との間のネットワークの広さを示す第1指標を算出する第1指標算出機能と、関連性指標として、人物が関与した文献の数に基づいた第2指標を算出する第2指標算出機能と、を有することを特徴とする。
【0037】
第16の態様によれば、複数の人物各々の他の人物各々との間のネットワークの広さを示す第1指標だけでなく、人物が関与した文献の数に基づいた第2指標を用いることにより、多様な観点から人間関係を分析する人物分析プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】人物分析システムの構成図。
図2】文献リストを示す図。
図3】人物リストを示す図。
図4】分析結果を示す図。
図5】分析結果の散布図を示す図。
図6】分析結果の散布図を示す図。
図7】表示部の表示を示す図。
図8】人物分析プログラムを示すフローチャート。
図9】算出ステップのフローチャート。
図10】出力表示処理ステップのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に本開示に係る人物分析システム10の実施の形態について、図1図7を参照して説明する。図1を参照して本開示に係る人物分析システム10の構成について説明する。人物分析システム10は、CPU20、入力部30、出力部40、記憶部50、及び表示部60を備える。
【0040】
CPU20は、後述する人物分析プログラムを実行する演算処理を行う。CPU20には、人物分析システム10に備わるそれぞれの機能を実現するために、文献リスト取得部70、人物抽出部80、第1指標算出部90、第2指標算出部100、及び出力表示処理部105を備える。
【0041】
入力部30は、人物分析システム10のI/Oインターフェイスであり、外部装置などからのデータ等を取り込む。この入力部30で取り込まれたデータ等は記憶部50に保存され、人物分析プログラムを実行する上で必要となる初期条件、前提条件、境界条件等の設定に用いられる。
【0042】
出力部40は、テキストデータや画像データを表示可能な表示部(ディスプレイ)60を備える。出力部40は、人物分析システム10のI/Oインターフェイスであり、人物分析システム10に接続された表示部60にCPU20の演算結果を出力し、演算結果を操作者が認識しやすいように視覚化し表示する。また、出力部40は音声データを出力可能な図示しない音声出力部(スピーカ)を備え、演算結果を音声により操作者に報知してもよい。更に、出力部40は図示しない端末側通信部を備え、CPU20の演算結果をインターネットを介して外部に送信してもよい。
【0043】
記憶部50は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の公知の記憶装置である。記憶部50には、人物分析システム10が分析の対象とする文献リスト、及び人物分析システム10による文献リストの分析結果などが記録される。文献リストは、人物分析システム10の操作者などによって予め記憶部50に記録される。
【0044】
表示部60は、液晶ディスプレイなどの電子ディスプレイを用いて構成されている。表示部60は、人物分析システム10の分析結果を後述する散布図190図5図6等参照)などにより描画して表示する。
【0045】
次に、図1図6を参照して、人物分析システム10の構成について詳細に説明する。文献リスト取得部70は、記憶部50に記録されている文献リスト110を取得する。文献リスト110は、分析対象となる文献の情報である文献番号の一覧、及び各文献に含まれる人物の人物情報などが含まれる。本実施形態では、文献を特許関連公報とし、人物を発明者としている。
【0046】
なお、文献リスト110を、特定企業の特許出願に限定すれば、その企業に在籍する人物を評価することができ、自社の特許出願に限定すれば、自社に在籍する人物を評価することができる。なお、特許関連公報とは、例えば日本国の公開特許公報、特許公報、公表特許公報、再公表特許、登録実用新案公報などを含む。さらに、国際機関又は外国政府が発行する特許関連公報を含みうる。また、発明者とは、実用新案の考案者を含むものとする。
【0047】
さらに、文献リスト110を、直近の数年の特許出願に限定すれば、発明の創出に現在関与している人物を評価することができ、過去の特定期間の特許出願に限定すれば、対象とする期間内に発明の創出に関与した人物を評価することがきる。
【0048】
また、文献リスト110を、特定の技術分野の特許出願に限定すれば、その技術分野の開発に取り組む人物の評価をすることができる。さらに、特定の技術分野の特許出願に限定された文献リスト110について、複数の企業、若しくは複数の国について用意すれば、特定の技術分野において、各企業若しくは各国のキーパーソンとなる人物を特定することが可能となる。
【0049】
文献リスト110を特定の技術分野の特許出願に限定するにあたっては、特許データベースにおいて特許分類検索、キーワード検索、若しくは文章の類似度検索等を活用することができる。加えて、特定の発明者を分析するとの観点で文献リスト110を作成する場合、人物分析システム10のユーザが分析の対象としたい発明者を指定すれば、その発明者が関与した特許出願に使われている特許分類若しくはキーワードを分析して、それらと類似度が高い特許出願を機械的に抽出することで文献リスト110を作成することが可能である。
【0050】
人物分析システム10のユーザが分析の対象として自分自身を指定すれば、自分自身が取り組んでいる技術分野の文献リスト110を作成することができる。この文献リスト110を自社内の特許出願に限定すれば、自分自身が取り組む技術分野に携わる優秀な人物を自社内で探すことができ、この文献リスト110を他社の特許出願に限定すれば、自分自身が取り組む技術分野に携わる優秀な人物を他社の中から探すことができる。
【0051】
図2を参照して、文献リスト110について説明する。文献リスト110は、第1列に文献欄120、第2列に文献番号欄130、第3列に人物欄140を備えている。文献欄120は、文献毎に1から順に番号が割り振られ、文献毎の識別性を高める目的で設けられている。文献番号欄130は、文献毎の特許関連公報の公報番号が記載されている。人物欄140には、文献の人物情報として、文献毎に特許関連公報に掲載されている発明者が全て記載されている。
【0052】
人物抽出部80は、文献リスト取得部70で取得した文献リスト110の文献番号欄130の公報番号に基づいて、文献リスト110に記載されている文献の、その文献に関与した発明者を抽出する。文献リスト110に記載されている文献のなかで人物欄140にその文献の人物情報としての発明者が記載されていない場合は、人物抽出部80が文献番号欄130の公報番号に基づいてその文献に関与した発明者を抽出し、人物欄140に発明者が記載されるようにしてもよい。
【0053】
図3を参照して、人物リスト150について説明する。人物リスト150は、第1列に人物欄160、第2列に第1指標欄170、第3列に第2指標欄180を備える。人物欄160には、人物抽出部80で抽出した人物が記載される。第1指標欄170には、後述する第1指標算出部90で算出された人物毎の算出結果が記載される。第2指標欄180には、後述する第2指標算出部100で算出された人物毎の算出結果が記載される。
【0054】
第1指標算出部90は、人物を評価(分析)するための第1の指標値を算出する。第1指標算出部90は、人物を評価するための第1の指標値として、社会的ネットワークの中心性を用いる。本件の発明者は、人物抽出部80により抽出された複数の人物について、その人物のそれぞれをノードとし、同一の文献に関与(共著)している複数のノードのうちの二つのノードの間の繋がり(関係性)をエッジ(枝)とするグラフ理論の観点から、社会的ネットワークと見立てた。さらに、本件の発明者は、文献リストの中の重要な人物を抽出する指標として中心性を用いることを提案し、複数の人物各々が備える中心性に基づき優劣を付与することとした。
【0055】
本発明における、複数の文献に登場する複数の人物の相互間の関連性とは、同一の文献に関与(共著)している複数のノードのうちの二つのノードの間の繋がりのことをいう。即ち、共著という個々の繋がりにより形成されている社会的ネットワークを構成する人物は、関与した文献の数のみならず、共著の相手が備える中心性に影響を受け得る。
【0056】
第1指標にネットワークの中心性を用いることにより、人物抽出部80で抽出された複数の人物により構築された社会的ネットワークの中で複数の人物各々がどの程度に中心的であり重要であるかを評価する。社会的ネットワークの中心性には、媒介中心性、次数中心性、近接中心性、固有ベクトル中心性などがあり、これらを第1指標として用いることができる。本実施形態においては第1指標として媒介中心性を用いている。
【0057】
媒介中心性(Betweenness centrality)は、ノードとノードとを結ぶ経路上にあるノードを高く評価する指標であり、あるノードが他のノード間を接続する最短経路上にある度合いを示す。媒介中心性は、ある社会的ネットワークにおいて異なる領域を繋ぐ要衝、又は異なる集団同士を繋ぐキーパーソンになりうるノードを高く評価する。即ち、媒介中心性は、社会的ネットワークの中のまとめ役的な人物を推定する指標として優れていると考えられている。
【0058】
次数中心性(Degree centrality)は、社会的ネットワーク内でより多くのエッジ(=他のノードとの関係性)を持つノードを高く評価する指標である。即ち、他の人物との共著の数が多い人物ほど高く評価される。次数とは、あるノードが隣接する他のノードの数のことをいう。隣接とは、あるノードと他のノードの間にさらに他のノードが存在しないことをいい、距離とは無関係である。
【0059】
近接中心性(Closeness centrality)とは、あるネットワーク内のそれぞれのノードについて、あるノードの当該ネットワークの中の他の全てのノードへの最短経路長の合計に着目した指標であり、この合計が小さいほど、あるノードの中心性の度合いが高いと評価される。
【0060】
固有ベクトル中心性(Eigenvector centrality)とは、あるノードの中心性にそのノードと関連を持つ他のノードの中心性を反映させる指標である。つまり、あるノードの固有ベクトル中心性は、当該ノードにエッジを伸ばすノードの中心性の合計値である。即ち、他の人物との共著が多い人物との共著が多い人物は固有ベクトル中心性が高く、ネットワークの中心性の度合いが高いと評価される。
【0061】
なお、第1指標として、ネットワークの中心性の代わりに、ネットワークのエフェクティブサイズ、若しくは拘束度を用いても良い。エフェクティブサイズとは、ネットワークの冗長性の概念に基づいている。あるネットワーク内のノードuのエフェクティブサイズe(u)は、次の式(1)により表される。
【0062】
【数1】
【0063】
ここで、N(u)はノードuの近傍にあるノードの集合である。puwは、ノードuおよびノードwについての、ノードuおよびノードwに結合するエッジの正規化された相互重みである。また、mvwは、ノードvとノードwの相互重みを、その近隣のいずれかとの最大相互重みvで割ったものである。
【0064】
拘束度とは、あるノードがそのネットワークにおいて他のノードに拘束される程度を表す指標であり、ネットワークに参画している者の行動に制限がかけられている状態を示す指標であるということができる。なお、「拘束度」は公知であり、この「拘束度」の説明および数式の定義については、「実践ネットワーク分析・関係を解く理論と技法」(安田雪、新曜社、p108-109)を参照されたい。
【0065】
第2指標算出部100は、人物抽出部80で文献リスト110から抽出された人物ごとに関与した文献の数をカウントする。特許のアイディア創出の大部分を担うのは筆頭発明者であると考えられるため、1つの文献に関与した人物が複数いる場合は、筆頭の発明者のみが文献に関与したとしてカウントするのが好ましい。本実施形態では、筆頭の発明者にのみ1文献に付き1点を付与することとする。
【0066】
特許のアイディア創出について共同発明者も少なからずそのアイディア創出の手助けをしていると考えることもできる。筆頭発明者であるか否かを考慮しない場合は、文献に関与した人物の全てに1文献につき均一に得点、例えば1点ずつ付与するものとする。
【0067】
反対に、筆頭発明者に対して重み付けを行う場合は、例えば、1文献につき筆頭発明者に対して1点が付与され、筆頭発明者を除く共同発明者に対して0.5点が付与されるといった構成を用いることも可能である。
【0068】
また、1文献に付き割り当てられる得点が1点であるとして、この文献に関与した共同発明者に均等に分配されるとする算出方法、若しくは、筆頭発明者に対して重みを付けて分配される算出方法を用いてもよい。
【0069】
出力表示処理部105は、分析結果を人物分析システム10のユーザに対して表示するための処理を行う。具体的には、出力表示処理部105は、第1指標算出部90及び第2指標算出部100により算出された算出結果を出力部40に表示するための処理を行う。図3に示す人物リスト150の第1指標欄170には、第1指標算出部90により算出された算出結果が、人物欄160の人物に対応するように掲載される。同じく、第2指標欄180には、第2指標算出部100により算出された算出結果が、人物欄160の人物に対応するように掲載される。
【0070】
次に、図4を参照して分析結果リスト200について説明する。分析結果リスト200は、第1列に人物欄210、第2列に第1指標欄220、第3列に第2指標欄230、第4列にスコア欄240、第5列に役割欄250を備えている。人物欄210には、人物抽出部80において文献リスト取得部70により抽出された人物が1行毎に一人ずつ掲載される。
【0071】
第2列の第1指標欄220には、第1指標算出部90において算出された算出結果について最大値100、最小値0とする正規化された値が人物毎に掲載される。第3列の第2指標欄230には、第2指標算出部100において算出された算出結果について最大値100、最小値0とする正規化された値が人物毎に掲載される。
【0072】
正規化については、最大値1、最小値0としてもよいし、偏差値を用いてもよい。正規化に用いる最大値、最小値、及び偏差値を求めるにあたっては、分析の対象となる特定期間に発行された特許関連公報に基づいて算出してもよいし、過去に発行された全ての特許関連公報に基づいて計算してもよい。
【0073】
第1指標算出部90及び第2指標算出部100の算出結果を正規化する目的は、第1指標算出部90の算出結果と第2指標算出部100の算出結果とを同じ尺度にすることで、第1指標算出部90及び第2指標算出部100の算出結果に基づいて算出されるスコアの算出結果の精度が落ちるのを防止するためである。
【0074】
図5図6に、第1指標算出部90及び第2指標算出部100の算出結果を描画した散布図190を示す。散布図190において、横軸、縦軸は、それぞれ、正規化された第1指標(媒介中心性)、正規化された第2指標(出願件数(筆頭))である。第1指標算出部90及び第2指標算出部100の算出結果を散布図190に描画することで、第1指標算出部90及び第2指標算出部100の算出結果が視覚化され、社会的ネットワークにおける各人物の位置づけの視認性を向上させることができる。
【0075】
第4列のスコア欄240には、第1指標算出部90及び第2指標算出部100の正規化された算出結果に基づいて算出されたスコアが人物毎に掲載される。スコアとは、散布図190における、描画された人物毎の算出結果と原点との距離である。スコアを評価対象とすることで第1指標と第2指標との両方を考慮した成績の良い人を選ぶことができる。
【0076】
図4における人物Aのスコアの値(131.00)は、第1指標の値(100.00)の二乗値と第2指標の値(84.62)の二乗値との和の値について平方根をとった値である。
スコアが良い人物に対して、ソーシャル・ネットワーキング・サービスを経由して転職情報、転職オファー情報など、目的に合わせた情報を配信するといったサービスを提供することができる。
【0077】
図6を用いて、人物抽出部80において抽出された人物毎に社会的ネットワークにおける役割を特定する方法について説明する。第1指標における閾値(以下、第1閾値という)及び第2指標における閾値(以下、第2閾値という)を設ける。
【0078】
図6において、第1指標が第1閾値以上であり第2指標が第2閾値以上の場合を領域Iとし、第1指標が第1閾値未満であり第2指標が第2閾値以上の場合を領域IIとし、第1指標が第1閾値以上であり第2指標が第2閾値未満の場合を領域IIIとする。
【0079】
領域Iは、社会的ネットワークにおける中心性の度合いが高く、更に、筆頭発明者としての出願件数が多い人物がプロットされる。散布図190において領域Iにプロットされた人物は社会的ネットワークにおいてイノベーターとしての役割を担うとされる。アイディアを沢山創出し、かつ多くのメンバーと協力して製品化・ビジネス化に取り組んでおり、企業を牽引する立場にいる可能性が大きいからである。
【0080】
領域IIは、社会的ネットワークにおける中心性の度合いは高くないが、筆頭発明者としての出願件数が多い人物がプロットされる。散布図190において領域IIにプロットされた人物は社会的ネットワークにおいてアイディアマンとしての役割を担うとされる。アイディアを沢山創出しているが、社会的ネットワークにおける中心性が低いため、閉じたネットワークの中で単一の要素技術の開発に長年携わってきた可能性が大きいからである。
【0081】
領域IIIは、筆頭発明者としての出願件数は多くないが、社会的ネットワークにおける中心性の度合いが高い人物がプロットされる。散布図190において領域IIIにプロットされた人物は社会的ネットワークにおいてコーディネーターとしての役割を担うとされる。社会的ネットワークにおける中心性が高いため、複数の技術を絡めた製品化・ビジネス化に携わっていて、企業内でマネージャー又はプロジェクト・リーダーなどの役職にいる可能性が高いからである。
【0082】
図4に示す分析結果リスト200の役割欄250には、上記のように特定された役割が人物毎に掲載される。第1指標と第2指標の2種類の指標を用いて社会的ネットワークにおける人物の分析を行うことで、3種類(イノベーター、アイディアマン、コーディネーター)の役割について分析することが可能になる。
【0083】
そして、分析結果リスト200において、スコア欄240と役割欄250とを併記することで、同じ役割に特定された複数の人物の中でも優劣を付けることができるので、詳細で精度の高い人物の分析をすることができる。
【0084】
なお、第1閾値及び第2閾値は、人物分析システム10の分析結果を考慮しながらその値を決定する。例えば、文献リスト110から抽出される人物の上位3%が領域Iに入るようにするために第1閾値及び第2閾値の値を決定することができる。
【0085】
図7に表示部60の表示を示す。出力表示処理部105により生成された散布図190及び分析結果リスト200は、図7に示すように並列に並べられて表示部60に表示される。操作者は散布図190と分析結果リスト200とを同時に確認することができるので、発明者の媒介中心性、出願件数、及びスコアを数値情報として認識するとともに、当該発明者の社会的ネットワークにおける立ち位置を視覚で確認することができる。
【0086】
続いて、図8の人物分析プログラムを示すフローチャートを用い、本発明の人物分析方法を人物分析プログラムとともに説明する。本発明の人物分析方法は、人物分析プログラムに基づいて、人物分析システム10のCPU20により実行される。
【0087】
人物分析プログラムは、図1のCPU20に対して、文献リスト取得機能、人物抽出機能、算出機能、出力表示処理機能等の各種機能を実行させる。これらの機能は図示の順に実行される。なお、各機能は前述の人物分析システム10の説明と重複するため、詳細は省略する。
【0088】
文献リスト取得機能は、複数の文献に登場する少なくとも1名以上の人物の人物情報を含む文献の一覧を示す文献リストを取得する(文献リスト取得ステップS10)。人物抽出機能は、文献リスト取得機能により取得した文献リストから、文献リストに含まれる全ての人物を抽出する(人物抽出ステップS20)。
【0089】
算出機能は、文献リストに含まれる人物情報における個々の人物の相互間の関連性の分析に用いる関連性指標を算出する(算出ステップS30)。算出機能は、第1指標算出機能と第2指標算出機能とを備える。算出ステップ(S30)は図9に示すサブルーチンを備える。
【0090】
第1指標算出機能は、関連性指標として、複数の人物各々の、人物を除く複数の人物に含まれる他の人物各々との間のネットワークの広さを示す第1指標を算出する(第1指標算出ステップS31)。第2指標算出機能は、関連性指標として、人物が関与した文献の数に基づいた第2指標を算出する(第2指標算出ステップS32)。
【0091】
出力表示処理機能は、関連性指標に基づく分析結果を出力する(出力表示処理ステップS40)。出力表示処理ステップ(S40)は、図10に示すサブルーチンを備える。出力表示処理部105は、分析結果取得ステップS41において、第1指標算出部90及び第2指標算出部100の算出結果を取得する。
【0092】
ステップS42において、ある人物(以下、人物Aとする)の第1指標が第1閾値以上か否か判定を行い、YESの場合はステップS43に移行し、NOの場合はステップS44に移行する。ステップS43において、人物Aの第2指標が第2閾値以上か否か判定を行い、YESの場合は人物Aの役割はイノベーターに特定され(S45)、NOの場合は人物Aの役割はコーディネーターに特定される(S46)。
【0093】
ステップS44において、人物Aの第2指標が第2閾値以上か否か判定を行い、YESの場合は人物Aの役割はアイディアマンに特定され(S47)、NOの場合は人物Aの役割はなしとされる(S48)。
【0094】
ステップS42からステップS48までの処理を、ステップS41において取得された全ての人物について行い、人物ごとに3種類(イノベーター、アイディアマン、コーディネーター)の役割について分析することが可能になる。
【0095】
なお、上記した実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。上記した実施形態では、文献を特許関連公報、人物を発明者としたがこれに限定されるものではなく、例えば、文献を学術論文、人物をその著者としてもよい。さらに、文献を意匠公報、人物をその創作者としてもよいし、文献を書籍、人物をその作者としてもよい。
【0096】
上記した実施形態のように、公開された特許関連公報又は学術論文を用いて人物分析を行うことで、既に一般に公開された情報に基づいて他社に在籍する人物の評価が可能となり、重要人物を推定することが可能となる。一方で、分析対象とする文献リスト110に、自社の公開された特許関連公報に自社の未公開の特許関連公報を加えることで、自社の人物評価をよりタイムリーなものとすることが可能となり社内の適正な人事評価に繋げることができる。
【符号の説明】
【0097】
10 人物分析システム
20 CPU
30 入力部
40 出力部
50 記憶部
60 表示部
70 文献リスト取得部
80 人物抽出部
90 第1指標算出部
100 第2指標算出部
105 出力表示処理部
110 文献リスト
120 文献欄
130 文献番号欄
140 人物欄
150 人物リスト
160 人物欄
170 第1指標欄
180 第2指標欄
190 散布図
200 分析結果リスト
210 人物欄
220 第1指標欄
230 第2指標欄
240 スコア欄
250 役割欄
I 領域
II 領域
III 領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10