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▶ コベストロ、ドイチュラント、アクチエンゲゼルシャフトの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】混合シラン末端ポリマーを調製する方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/28 20060101AFI20230502BHJP
   C08G 18/22 20060101ALI20230502BHJP
   C08G 18/48 20060101ALI20230502BHJP
   C09D 175/04 20060101ALI20230502BHJP
   C09D 175/08 20060101ALI20230502BHJP
   C09J 175/04 20060101ALI20230502BHJP
   C09J 175/08 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
C08G18/28 090
C08G18/22
C08G18/48
C09D175/04
C09D175/08
C09J175/04
C09J175/08
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020533771
(86)(22)【出願日】2018-12-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2018086273
(87)【国際公開番号】W WO2019122174
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】17209988.9
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515266223
【氏名又は名称】コベストロ、ドイチュラント、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】COVESTRO DEUTSCHLAND AG
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【弁理士】
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】シュテンプフル,フロリアン・ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】シーブズ,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ナトク,ウテ
(72)【発明者】
【氏名】ラース,ハンス-ヨーゼフ
【審査官】岡谷 祐哉
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-200116(JP,A)
【文献】特開昭62-050319(JP,A)
【文献】特表2007-510766(JP,A)
【文献】特開2005-232373(JP,A)
【文献】特表2009-507087(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0280209(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/22
C08G 18/28
C08G 18/48
C09D 175/04
C09D 175/08
C09J 175/04
C09J 175/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1つの触媒D)の存在下で、ポリオール成分A)のヒドロキシル基を、少なくとも1つのジイソシアネートB)および少なくとも1つのイソシアナトシランC)と同時に反応させるステップと、
b)その後、ステップa)からの反応生成物の遊離NCO基を、アミノシランE)と反応させるステップと
によって、混合シラン末端ポリマーを調製する方法。
【請求項2】
前記イソシアナトシランC)が、式(II)の化合物
【化1】
(式中、
、RおよびRは、互いに独立に、最大18個の炭素原子を有し、酸素、硫黄、窒素の群の最大3個のヘテロ原子を含んでいてもよい、同一のまたは異なる、飽和または不飽和の、直鎖または分岐の、脂肪族または脂環式または置換されていてもよい芳香族もしくは芳香脂肪族基であり、
Xは、最大6個炭素原子を有する直鎖または分岐有機基である
である、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記アミノシランE)が、式(VIII)の化合物
【化2】
(式中、R、R、RおよびXは請求項に示される定義を有し、
10は、水素、最大18個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、直鎖または分岐の、脂肪族または脂環式または置換されていてもよい芳香族もしくは芳香脂肪族基であるか、あるいは式
【化3】
(式中、R、R、RおよびXは上に示される定義を有する)
の基である)
である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記アミノシランE)が、式(IX)の化合物
【化4】
(式中、
、R、およびRは請求項に示される定義を有し、
Xは、少なくとも2個の炭素原子を有する直鎖または分岐有機基であり、
11およびR12は、互いに独立に、1~18個の炭素原子を有し、置換されているもしくは非置換である、および/または鎖中にヘテロ原子を有する、飽和または不飽和の、直鎖または分岐の、脂肪族または脂環式または芳香族有機基である)
である、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ジイソシアネートB)および前記イソシアナトシランC)との反応が、Sn-、Ti-またはYb-含有触媒D)の存在下で行われる、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ーティング組成物、シーラントおよび接着剤におけるバインダーとしての、請求項1からのいずれかによって調製されたシラン末端ポリマーの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオールをジイソシアネート、イソシアナトシランおよびアミノシランと反応させることによる、低粘度を有する混合シラン末端ポリマーの調製に関する。
【背景技術】
【0002】
シラン末端ポリマーは、一般に、アルコキシシラン官能性ポリマー、特にアルコキシシラン官能性ポリウレタンを指す。この種のポリマーは、例えば、特に建設分野および自動車産業における、コーティング組成物、シーラントおよび接着剤における湿気硬化性一成分ポリウレタンとして使用される。
【0003】
シラン末端ポリマーを調製するための種々の合成経路が知られている。例えば、米国特許第3627722号明細書または米国特許第3632557号明細書によると、アミノ官能性アルコキシシランをNCO含有プレポリマーと反応させて尿素基を形成して、アルコキシ官能性ポリウレタンを得ることができる。このようなアルコキシシラン官能性ポリウレタンは、比較的急速に架橋し、硬化して、良好な強度および伸張性を有する非粘着性材料を与える。しかしながら、このようなポリマーは、調製中に形成される尿素基のために高粘度を有し、それにより、良好な加工性を有する組成物の配合が著しく困難になる。
【0004】
欧州特許第0070475号明細書および米国特許第5990257号明細書によると、代替合成経路は、シラン基をポリマーに結合してウレタン基を形成する、NCO含有アルコキシシランとヒドロキシ官能性プレポリマーとの反応にある。ここで使用され得るヒドロキシ官能性プレポリマーの例は、ジイソシアネートとジオールの反応によって得ることができるヒドロキシ官能性ポリウレタン、またはジイソシアネートとの反応を介して事前に伸長されていない長鎖ジオールである(欧州特許第0372561号明細書)。この合成経路の1つの欠点は、必要なNCO含有アルコキシシランが限られた貯蔵性しかなく、しばしば高価であるという点にある。
【0005】
これらの2つの合成経路の欠点は、両合成経路を組み合わせたハイブリッド法によって補うことができる。このような方法は、例えば、オーストラリア特許第2015100195号明細書および米国特許出願公開第2015/0266995号明細書に記載されている。この場合、多段階方法で、最初に、ポリエーテルポリオールのヒドロキシル基の一部をジイソシアネートと反応させる。第2のステップで、アミノシランを添加し、第1のステップで得られたポリマーの遊離NCO基と、反応混合物中に遊離NCO基が検出されなくなるまで反応させる。最後に、まだ遊離であるポリマーのヒドロキシル基を、NCO含有アルコキシシランと反応させる。この方法の1つの欠点は、再現性が不十分なことである。例えば、第1の反応ステップで、ジイソシアネートの遊離NCO基と過剰に存在するポリオールのヒドロキシル基の反応を、困難を伴ってしか制御できない。したがって、不完全な変換は、通常、それ自体は望まれるが、達成されず、ある状況では、2つのジオールが1つのジイソシアネート分子と反応して長鎖ポリマーを生成するという望ましくない予備伸長がある。これにより、シラン末端ポリマーの分子量分布がより高い平均分子量に向かって広がり、それにより粘度の望ましくない増加がもたらされる。さらに、記載される方法では、アミノシランがポリマーの遊離ヒドロキシル基の存在下で存在する。結果として、同様に、シラン縮合を介した分子量の望ましくない増加が生じる可能性があり、これもまた、得られる最終生成物の粘度に悪影響を及ぼす。そのため、コーティング組成物、シーラントおよび接着剤として使用するために必要な低粘度を達成するために、この場合、可塑剤の添加が必要である。
【0006】
米国特許出願公開第2015/0266995号明細書によると、ポリエーテルポリオールのヒドロキシル基の一部を、ジイソシアネートを添加する前にNCO含有アルコキシシランと反応させてもよい。この文書に記載されているポリマーは、尿素基を介してポリマー骨格に結合しているシラン基と、ウレタン基を介してポリマー骨格に結合しているシラン基の両方を含んでいるため、実際には混合シラン末端ポリマーとも呼ばれる。しかしながら、この刊行物には、技術活動に関する具体的な教示がない、すなわち、この手順の正確な構成に関する明確な指示も少なくとも示唆もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第3627722号明細書
【文献】米国特許第3632557号明細書
【文献】欧州特許第0070475号明細書
【文献】米国特許第5990257号明細書
【文献】欧州特許第0372561号明細書
【文献】オーストラリア特許第2015100195号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0266995号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
不十分な再現性に加えて、ハイブリッド法のさらなる欠点は、これが方法のコストを押し上げる多数の反応ステップから構成されることにある。この背景に対して、狭い分子量分布および低粘度を有するポリマーを確実におよび再現可能に提供する混合シラン末端ポリマーを調製するための単純化された方法を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、以下により詳細に記載される方法の提供によって達成された。
【0010】
本発明は、先行技術の方法によって得られるものよりも低い粘度を特徴とする混合シラン末端ポリマーを、ポリオールとジイソシアネートおよびイソシアナトシランの同時反応およびその後の得られたイソシアネート官能性中間体とアミノシランの反応を介して極めて単純に得ることができるという驚くべき所見に基づく。これらのシラン末端ポリマーは、尿素基を介してポリマー骨格に結合しているシラン基と、ウレタン基を介してポリマー骨格に結合しているシラン基の両方を含んでいるため、「混合」シラン末端ポリオールと呼ばれる。
【0011】
したがって、本発明は、
a)少なくとも1つの触媒D)の存在下で、ポリオール成分A)のヒドロキシル基を、少なくとも1つのジイソシアネートB)および少なくとも1つのイソシアナトシランC)と同時に反応させるステップと、
b)その後、ステップa)からの反応生成物の遊離NCO基を、アミノシランE)と反応させるステップと
によって混合シラン末端ポリマーを調製する方法を提供する。
【0012】
本発明はまた、この方法によって得られる混合シラン末端ポリマー、およびコーティング組成物、特にコーティング材料、シーラントまたは接着剤原料におけるバインダーとしてのその使用も提供する。
【0013】
有利な発展は従属請求項に明記される。文脈から明らかに反対でない限り、これらを自由に組み合わせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明による方法に使用されるポリオール成分A)は、任意の所望のポリオール、例えば、ポリウレタン化学から知られているポリマーポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオールおよび/またはポリアクリレートポリオールである。これらは一般に、1.8~6、好ましくは1.8~4、特に好ましくは1.9~2.2の平均官能価を有する。これらのポリオール、好ましくはポリエーテルポリオールの数平均分子量(DIN 55672-1:2016-03に準拠して決定)は、一般に3000~24000g/mol、好ましくは5000~16000g/mol、特に好ましくは7000~12000g/molである。このようなポリオールの任意の所望の混合物を使用することも可能である。
【0015】
典型的には、ポリオール成分A)は、少なくとも4.5mg KOH/mgの、DIN 53240に準拠して決定されるOH価を有する。OH価は、好ましくは8~30mg KOH/g、特に好ましくは8~20mg KOH/g、最も好ましくは9~18mg KOH/gの範囲である。
【0016】
本発明による方法のための好ましいポリオール成分A)は、ポリエーテルポリオール、例えば、ドイツ特許第2622951号明細書、6段65行~7段26行、欧州特許第0978523号明細書、4頁45行~5頁14行、または国際公開第2011/069966号、4頁20行~5頁23行で指定される種類のものであり、但し、これらは官能性および分子量に関する上記の仕様を満たす。ポリオール成分A)として特に好ましいポリエーテルポリオールは、プロパン-1,2-ジオール、プロパン-1,3-ジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミンおよび/またはペンタエリスリトールへのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物、あるいは例えばAngew.Chem.72,927(1960)に従って、テトラヒドロフランを重合することによって得られる、上で特定される分子量範囲のポリテトラメチレンエーテルグリコールである。
【0017】
極めて特に好ましいポリオール成分A)は、例えばCovestro Deutschland AGからAcclaim(登録商標)の商品名、例えばAcclaim(登録商標)8200Nで市販されているような、ポリプロピレンオキシドをベースとするポリエーテルポリオールである。
【0018】
本発明による方法に使用されるジイソシアネートB)は、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および/または芳香族結合イソシアネート基を有する任意の所望のジイソシアネートであり、任意の所望の方法、例えばホスゲン化またはホスゲンフリーの経路、例えばウレタン開裂によって調製することができる。
【0019】
好ましいジイソシアネートB)は、一般式(I)
【化1】
【0020】
(式中、Yは、4~18個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の脂肪族もしくは脂環式基であるか、または6~18個の炭素原子を有する置換されていてもよい芳香族もしくは芳香脂肪族基である)のものである。
【0021】
適切な例は、例えば、1,4-ジイソシアナトブタン、1,6-ジイソシアナトヘキサン(HDI)、1,5-ジイソシアナト-2,2-ジメチルペンタン、2,2,4-または2,4,4-トリメチル-1,6-ジイソシアナトヘキサン、1,10-ジイソシアナトデカン、1,3-および1,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、1,4-ジイソシアナト-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,3-ジイソシアナト-2-メチルシクロヘキサン、1,3-ジイソシアナト-4-メチルシクロヘキサン、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート;IPDI)、ヘキサヒドロトリレン2,4-および/または2,6-ジイソシアネート(H6-TDI)、1-イソシアナト-1-メチル-4(3)-イソシアナトメチルシクロヘキサン、2,4’-および4,4’-ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12-MDI)、1,3-および1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、4,4’-ジイソシアナト-3,3’-ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’-ジイソシアナト-3,3’,5,5’-テトラメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’-ジイソシアナト-1,1’-ビ(シクロヘキシル)、4,4’-ジイソシアナト-3,3’-ジメチル-1,1’-ビ(シクロヘキシル)、4,4’-ジイソシアナト-2,2’,5,5’-テトラメチル-1,1’-ビ(シクロヘキシル)、1,8-ジイソシアナト-p-メンタン、1,3-ジイソシアナトアダマンタン、1,3-ジメチル-5,7-ジイソシアナトアダマンタン、1,3-および1,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(XDI)、1,3-および1,4-ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ベンゼン(TMXDI)、ビス(4-(1-イソシアナト-1-メチルエチル)フェニル)カーボネート、フェニレン1,3-および1,4-ジイソシアネート、トリレン2,4-および2,6-ジイソシアネート(TDI)およびこれらの異性体の任意の所望の混合物、ジフェニルメタン2,4’-および/または4,4’-ジイソシアネート(MDI)およびナフチレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、ならびに、このようなジイソシアネートの任意の所望の混合物である。
【0022】
特に好ましい出発成分B)は、Yが6~13個の炭素原子を有する直鎖または分岐の、脂肪族または脂環式基の一般式(I)のジイソシアネートである。
【0023】
本発明による方法のための特に好ましいジイソシアネートB)は、1,6-ジイソシアナトヘキサン、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン、ヘキサヒドロトリレン2,4-および2,6-ジイソシアネートならびにトリレン2,4-および2,6-ジイソシアネート、またはこれらの混合物である。
【0024】
極めて特に好ましい実施形態では、使用されるジイソシアネートB)は、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)である。
【0025】
本発明による方法に使用されるイソシアナトシランC)は、少なくとも1つの、好ましくは正確に1つのイソシアネート基および少なくとも1つの、好ましくは正確に1つの、少なくとも1つのアルコキシ置換基を有するシラン基が互いに並んで同時に存在する任意の所望の化合物である。イソシアナトシランC)は、以下で、アルコキシシラン官能性イソシアネートC)またはイソシアナトアルコキシシランC)とも呼ばれる。
【0026】
適切なイソシアナトアルコキシシランC)の例は、例えば、対応するカルバメートまたは尿素の熱開裂によってホスゲンフリーの経路を介して、米国特許第3494951号明細書、欧州特許第0649850号明細書、国際公開第2014/063895号および国際公開第2016/010900号に記載されている方法によって得られる、イソシアナトアルキルアルコキシシランである。
【0027】
さらに好ましい実施形態では、使用されるアルコキシシラン官能性イソシアネート(イソシアナトシラン)C)は、少なくとも1つの一般式(II)の化合物
【化2】
【0028】
(式中、
、RおよびRは、互いに独立に、最大18個の炭素原子を有し、酸素、硫黄、窒素の群の最大3個のヘテロ原子を含んでいてもよい同一のまたは異なる飽和または不飽和の直鎖または分岐の脂肪族または脂環式または置換されていてもよい芳香族もしくは芳香脂肪族基であり、好ましくは、各場合で最大6個の炭素原子を有するアルキル基および/または最大6個の炭素原子を有し、最大3個の酸素原子を含み得るアルコキシ基であり、特に好ましくは、各場合でメチル、メトキシおよび/またはエトキシであり、但し、基R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、酸素原子を介してケイ素原子に結合しており、
Xは、最大6個、好ましくは1~4個の炭素原子を有する直鎖または分岐有機基であり、特に好ましくはプロピレン基(-CH-CH-CH-)である)
である。
【0029】
このようなイソシアナトアルコキシシランの例としては、イソシアナトメチルトリメトキシシラン、(イソシアナトメチル)メチルジメトキシシラン、イソシアナトメチルトリエトキシシラン、(イソシアナトメチル)メチルジエトキシシラン、イソシアナトメチルトリイソプロポキシシラン、2-イソシアナトエチルトリメトキシシラン、2-イソシアナトエチルトリエトキシシラン、2-イソシアナトエチルトリイソプロポキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルジメチルエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルジイソプロピルエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリプロポキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリイソプロポキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリブトキシシラン、3-イソシアナトプロピルメチルジブトキシシラン、3-イソシアナトプロピルフェニルジメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルフェニルジエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、2-イソシアナトイソプロピルトリメトキシシラン、4-イソシアナトブチルトリメトキシシラン、4-イソシアナトブチルトリエトキシシラン、4-イソシアナトブチルトリイソプロポキシシラン、4-イソシアナトブチルメチルジメトキシシラン、4-イソシアナトブチルメチルジエトキシシラン、4-イソシアナトブチルエチルジメトキシシラン、4-イソシアナトブチルエチルジエトキシシラン、4-イソシアナトブチルジメチルメトキシシラン、4-イソシアナトブチルフェニルジメトキシシラン、4-イソシアナトブチルフェニルジエトキシシラン、4-イソシアナト(3-メチルブチル)トリメトキシシラン、4-イソシアナト(3-メチルブチル)トリエトキシシラン、4-イソシアナト(3-メチルブチル)メチルジメトキシシラン、4-イソシアナト(3-メチルブチル)メチルジエトキシシランおよび11-イソシアナトウンデシルトリメトキシシラン、またはこのようなイソシアナトアルコキシシランの任意の所望の混合物を含む。
【0030】
好ましいイソシアナトシランC)は、特に、イソシアナトメチルトリメトキシシラン、イソシアナトメチルトリエトキシシラン、(イソシアナトメチル)メチルジメトキシシラン、(イソシアナトメチル)メチルジエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシランおよび3-イソシアナトプロピルメチルジエトキシシランである。3-イソシアナトプロピルトリメトキシシランの使用が特に好ましい。
【0031】
本発明による方法に使用されるジイソシアネートB)およびイソシアナトシランC)のモル量は、ポリオール成分A)のヒドロキシル基のモル量およびイソシアナトシランC)とジイソシアネートB)の所望の比によって導かれる。イソシアネートシランC)およびジイソシアネートB)の総モル量は、好ましくは、ポリオールのヒドロキシル基がウレタン基に完全に変換され、そして、イソシアネート-およびシラン-官能性ポリマーが形成されるように選択される。
【0032】
本発明による方法を可能な限り費用対効果の高いものにするために、イソシアナトシランC)の割合を最小限にすることが有利である。したがって、好ましくは、使用されるイソシアナトシランC)のモル量は、ポリオール成分A)のヒドロキシル基の数に基づいて最大50mol%である。一般に、本発明による方法に使用されるイソシアナトシランC)のモル量は、各場合でポリオールA)のヒドロキシル基の数に基づいて、1~50mol%の範囲、好ましくは5~28mol%の範囲、特に好ましくは10~28mol%の範囲、極めて特に好ましくは10~25mol%の範囲である。
【0033】
イソシアナトシランC)の選択されたモル量に応じて、ジイソシアネートB)は、一般的に、各場合でポリオールA)のヒドロキシル基の数に基づいて、50~99mol%、好ましくは72~95mol%、特に好ましくは72~90mol%、極めて特に好ましくは75~90mol%のモル量で本発明による方法に使用される。
【0034】
ポリオール成分A)とジイソシアネートB)およびイソシアナトシランC)の反応は、触媒D)の存在下、本発明による方法のステップa)で行われる。
【0035】
適切な触媒D)は、シラン縮合を同様に促進しない限り、イソシアネート化学で慣用的な任意の所望のウレタン化触媒である。例としては、三級アミン、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、ピリジン、メチルピリジン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルジアミノジエチルエーテル、ビス(ジメチルアミノプロピル)尿素、N-メチルまたはN-エチルモルホリン、N-ココモルホリン、N-シクロヘキシルモルホリン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,3-ブタンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,6-ヘキサンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N-メチルピペリジン、N-ジメチルアミノエチルピペリジン、N,N’-ジメチルピペラジン、N-メチル-N’-ジメチルアミノピペラジン、1,2-ジメチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、N,N-ジメチルイミダゾール-β-フェニルエチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)およびビス(N,N-ジメチルアミノエチル)アジペート、アミジン、例えば1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン(DBN)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)および2,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリミジン、アルカノールアミン化合物、例えばトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールおよび2-(N,N-ジメチルアミノエトキシ)エタノール、N、N’、N’’-トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロトリアジン、例えばN,N’,N’’-トリス(ジメチルアミノプロピル)-s-ヘキサヒドロトリアジン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルおよび金属塩、例えば金属の慣用的な酸化状態の鉄、鉛、ビスマス、亜鉛および/またはスズの無機および/または有機化合物、例えば塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、ビスマス(III)ビスマス(III)2-エチルヘキサノエート、ビスマス(III)オクトエート、ビスマス(III)ネオデカノエート、塩化イッテルビウム(III)、塩化亜鉛、亜鉛2-エチルカプロエート、酢酸スズ(II)、スズ(II)エチルカプロエート、スズ(II)ラウレート、スズ(II)オクトエート、スズ(II)パルミテート、ジブチルスズ(IV)ジラウレート(DBTL)、ジブチルスズ(IV)ジアセテート、ジブチルスズ(IV)ジクロリドまたは鉛オクトエートを含む。
【0036】
さらに適切な触媒の例には、有機チタネート、ならびに、遷移金属スカンジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムのβ-ジケトネート化合物である。
【0037】
本発明による方法に使用される触媒D)は、好ましくはSn-、Ti-またはYb-含有化合物である。
【0038】
特に適切なスズ含有触媒D)は、例として、有機カルボン酸のSn(II)塩および有機カルボン酸のジアルキル-Sn(IV)塩であり、有機カルボン酸のジアルキル-Sn(IV)塩が極めて特に好ましい。適切な有機カルボン酸は、特に、2~16個の炭素原子、好ましくは2~12個の炭素原子を有する直鎖または分岐の、脂肪族モノまたはジカルボン酸である。適切なジアルキル-Sn(IV)化合物は、好ましくは、各場合で1~12個の炭素原子、特に好ましくは4~8個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基を含む。
【0039】
極めて特に好ましい実施形態では、Sn含有触媒は、酢酸スズ(II)、スズ(II)エチルカプロエート、スズ(II)ラウレート、スズ(II)オクトエート、スズ(II)パルミテート、ジブチルスズ(IV)ジラウレート(DBTL)、ジブチルスズ(IV)ジアセテート、ジブチルスズ(IV)ジクロリド、またはこれらの混合物から選択される。
【0040】
特に適切なチタン含有触媒D)は、例えば有機チタネートである。本明細書では、有機チタネートという用語は、酸素原子を介してチタンに結合した少なくとも1つの配位子を有する化合物を指す。適切な有機チタネートは、アルコキシ基、スルホネート基、カルボキシレート基、ジアルキルホスフェート基、ジアルキルピロホスフェート基およびアセチルアセトネート基からなる群から選択される配位子を有し、全ての配位子は互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0041】
特に式(III)のネオアルコキシ置換基として知られているものが、特に、特別に適切なアルコキシ基であることが証明されている。
【化3】
【0042】
特に、芳香族系がアルキル基によって置換されている芳香族スルホン酸が、特に適切なスルホン酸であることが証明されている。好ましいスルホン酸は、式(IV)の基である。
【化4】
【0043】
特に、脂肪酸のカルボキシレートが、特に適切なカルボキシレート基であることが証明されている。好ましいカルボキシレートは、デカノエート、ステアレートおよびイソステアレートである。
【0044】
特に、触媒は、キレート配位子とも呼ばれる少なくとも1つの多座配位子(polydentate ligand)を有する。多座配位子は、特に二座配位子である。
【0045】
二座配位子は、好ましくは式(V)の配位子
【化5】
である。
【0046】
ここで、基Rは、水素原子、または1~8個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル基、特にメチル基である。基Rは、水素原子、または1~8個の炭素原子を有し、ヘテロ原子を有していてもよい直鎖もしくは分岐アルキル基、特に水素原子である。
【0047】
基Rは、水素原子、または1~8個、特に1~3個の炭素原子を有するアルキル基、または1~8個、特に1~3個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ基である。
【0048】
チタン含有触媒D)は、好ましくは有機チタネート、特に式(VI)の有機チタネートである。
【化6】
【0049】
基R、RおよびRは、既に上に記載されている。基Rは、2~20個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基、特にイソブチルまたはイソプロピル基である。nは、1または2、特に2の値である。
【0050】
基Rがメチル基であり、基Rが水素原子であり、基Rがメチル基またはメトキシ基またはエトキシ基であり、そして、基Rがイソブチルまたはイソプロピル基である、式(VI)の有機チタネートが好ましい。
【0051】
適切な有機チタネートは、例えば、Tyzor(登録商標)AA、GBA、GBO、AA-75、AA-65、AA-105、DC、BEAT、IBAYの商品名でDuPont、米国から、またはTytan(商標)PBT、TET、X85、TAA、ET、S2、S4もしくはS6の商品名でTensoChema AG、スイスから市販されている。
【0052】
代替実施形態では、使用される触媒D)は、遷移金属スカンジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムまたはルテチウムのβ-ジケトネート化合物である。このβ-ジケトネート化合物は、好ましくはその主な酸化状態+IIIまたは+IVの上記金属をベースとする。Yb(III)をベースとするβ-ジケトネート化合物が特に好ましい。
【0053】
上に定義される金属のβ-ジケトネート化合物は、アニオン形成、好ましくは脱プロトン化によりβ-ジケトンから誘導され、結果として1以上の式(VII)の構造単位を有する少なくとも1つの配位子または置換基を有するこれらの金属の全ての化合物であると理解される。
【化7】
【0054】
ここで、R、Rは、互いに独立に、同一または異なって、各場合で1~20個、特に好ましくは1~10個の炭素原子を有する、ヘテロ原子を含有していてもよい有機基である。
【0055】
使用されるβ-ジケトネート化合物は、好ましくは、独占的にβ-ジケトネート型の配位子/置換基を有する。
【0056】
特に好ましいβ-ジケトネートの1つは、アセチルアセトン(「acac」)である。ここでは、触媒としてのYb(acac)の使用が極めて特に好ましい。
【0057】
さらに、本発明による触媒D)が結晶水を含有することも可能である。
【0058】
上記の型のチタン-またはイッテルビウム-含有触媒が特に好ましい。
【0059】
本発明による方法では、触媒D)が、個別にまたは互いの任意の所望の混合物の形態で使用することができ、この場合、共反応物A)、B)およびC)の総重量に基づいて使用される触媒の総重量として計算される、0.001重量%~1重量%、好ましくは0.01重量%~0.5重量%の量で使用される。
【0060】
本発明による方法では、ステップa)で得られたイソシアネート-およびシラン-官能性ポリマーのイソシアネート基を、第2のステップb)でアミノシランE)と反応させる。
【0061】
この目的に適したアミノシランE)の例は、一般式(VIII)のアミノシラン
【化8】
【0062】
(式中、R、R、RおよびXは式(II)に示される定義を有し、
10は、水素、最大18個の炭素原子を有する飽和または不飽和の直鎖または分岐の、脂肪族または脂環式または置換されていてもよい芳香族もしくは芳香脂肪族基であるか、あるいは、式
【化9】
【0063】
(式中、R、R、RおよびXは上に示される定義を有する)
の基である)
である。
【0064】
一般式(VIII)の適切なアミノシランは、例えば、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-アミノプロピルエチルジエトキシシラン、3-アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3-アミノプロピルジイソプロピルエトキシシラン、3-アミノプロピルトリプロポキシシラン、3-アミノプロピルトリブトキシシラン、3-アミノプロピルフェニルジエトキシシラン、3-アミノプロピルフェニルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、2-アミノイソプロピルトリメトキシシラン、4-アミノブチルトリメトキシシラン、4-アミノブチルトリエトキシシラン、4-アミノブチルメチルジメトキシシラン、4-アミノブチルメチルジエトキシシラン、4-アミノブチルエチルジメトキシシラン、4-アミノブチルエチルジエトキシシラン、4-アミノブチルジメチルメトキシシラン、4-アミノブチルフェニルジメトキシシラン、4-アミノブチルフェニルジエトキシシラン、4-アミノ(3-メチルブチル)メチルジメトキシシラン、4-アミノ(3-メチルブチル)メチルジエトキシシラン、4-アミノ(3-メチルブチル)トリメトキシシラン、3-アミノプロピルフェニルメチル-n-プロポキシシラン、3-アミノプロピルメチルジブトキシシラン、3-アミノプロピルジエチルメチルシラン、3-アミノプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、11-アミノウンデシルトリメトキシシラン、N-メチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(n-ブチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(n-ブチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノイソブチルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリス(2-エチルヘキソキシ)シラン、N-(6-アミノヘキシル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-ベンジル-N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N-ビニルベンジル-N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルポリシロキサン、N-ビニルベンジル-N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルポリシロキサン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-(m-アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、m-および/またはp-アミノフェニルトリメトキシシラン、3-(3-アミノプロポキシ)-3,3-ジメチル-1-プロペニルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、3-アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、3-アミノプロピルペンタメチルジシロキサンあるいはこのようなアミノシランの任意の所望の混合物である。
【0065】
一般式(VIII)の好ましいアミノシランは、
、RおよびRが、それぞれ最大6個の炭素原子を有するアルキル基、および/または最大3個の酸素原子を含むアルコキシ基であり、但し、基R、RおよびRのうちの少なくとも1つがこの種類のアルコキシ基であり、
Xが、3個または4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキレン基であり、そして
10が、最大6個の炭素原子を有する飽和の直鎖もしくは分岐の脂肪族もしくは脂環式基であるか、または式
【化10】
【0066】
(式中、R、R、RおよびXは上に示される定義を有する)の基である、
ものである。
【0067】
一般式(VIII)の特に好ましいアミノシランは、
、RおよびRが、それぞれメチル、メトキシおよび/またはエトキシであり、但し、基R、RおよびRのうちの少なくとも1つがメトキシまたはエトキシ基であり、
Xが、プロピレン基(-CH-CH-CH-)であり、そして
10が、最大4個の炭素原子を有する直鎖アルキル基であるか、または、式
【化11】
【0068】
(式中、R、R、RおよびXは上に示される定義を有する)の基である、
ものである。
【0069】
一般式(VIII)の極めて特に好ましいアミノシランは、N-メチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-メチル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(n-ブチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(n-ブチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)アミンおよび/またはビス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミンである。
【0070】
適切なアミノシランE)はまた、例えば、一般式(IX)
【化12】
【0071】
(式中、
、R、およびRは式(II)について示される定義を有し、
Xは、少なくとも2個の炭素原子を有する直鎖または分岐有機基であり、
11およびR12は、互いに独立に、1~18個の炭素原子を有する飽和または不飽和の直鎖または分岐の脂肪族または脂環式または芳香族有機基であり、そして、置換されもしくは非置換であり、および/または鎖中にヘテロ原子を有する)
のものである。
【0072】
一般式(IX)のこれらのアミノシランは、欧州特許第0596360号明細書の教示に従って、第一級アミノ基を有するアミノシランをフマル酸エステルおよび/またはマレイン酸エステルと反応させることによって得ることができるシラン官能性アスパラギン酸エステルである。
【0073】
したがって、一般式(IX)のアミノシランの調製に適した出発化合物は、原則として、一般式(X)の任意のアミノシラン
【化13】
【0074】
(式中、R、R、RおよびXは式(II)について示される定義を有し、R13は水素である)
である。
【0075】
これらを、一般式(XI)のフマル酸ジエステルおよび/またはマレイン酸ジエステル
【化14】
【0076】
(式中、基R14およびR15は、同一のまたは異なる基であり、1~18個、好ましくは1~9個、特に好ましくは1~4個の炭素原子を有する有機基である)
と反応させる。
【0077】
一般式(IX)の好ましいアミノシランは、一般式(VIII)のアミノシラン
(式中、R、RおよびRは、それぞれメチル、メトキシおよび/またはエトキシであり、但し、基R、RおよびRのうちの少なくとも1つはメトキシまたはエトキシ基であり、
Xは、プロピレン基(-CH-CH-CH-)であり、そして
10は、水素である)、

一般式(XI)のフマル酸ジエステルおよび/またはマレイン酸ジエステル(式中、基R14およびR15は、同一のまたは異なる基であり、メチル、エチル、n-ブチルまたは2-エチルヘキシル基である)
の反応生成物である。
【0078】
一般式(IX)の特に好ましいアミノシランは、3-アミノプロピルトリメトキシシランおよび/または3-アミノプロピルトリエトキシシランとマレイン酸ジエチルの反応生成物である。
【0079】
適切なアミノシランE)はまた、例えば、一般式(XII)
【化15】
【0080】
(式中、R、RおよびRは式(II)について示される定義を有し、
Xは、少なくとも2個の炭素原子を有する直鎖または分岐有機基であり、そして
16は、1~8個の炭素原子を有する飽和の直鎖または分岐の脂肪族または脂環式有機基である)
のものである。
【0081】
一般式(XII)のこれらのアミノシランは、例えば、米国特許第4788310号明細書および米国特許第4826915号明細書に開示される方法により、第一級アミノ基を有するアミノシランを、アルコールを除去してアルキルアルキルカルボキシレートと反応させることによって得られる既知のシラン官能性アルキルアミドである。
【0082】
したがって、一般式(XII)のアミノシランの調製に適した出発化合物は、原則として、一般式(XIII)の任意のアミノシラン
【化16】
【0083】
(式中、R、R、RおよびXは式(II)について示される定義を有し、R17は水素である)
である。
【0084】
これらを、一般式(XIV)のアルキルアルキルカルボキシレート
【化17】
【0085】
(式中、
18は、水素、または1~8個の炭素原子を有する飽和の直鎖もしくは分岐の脂肪族もしくは脂環式有機基であり、そして、
19は、1~4個の炭素原子を有する飽和脂肪族有機基である)
と反応させる。
【0086】
一般式(XII)の好ましいアミノシランは、一般式(VIII)のアミノシラン
(式中、R、RおよびRは、それぞれメチル、メトキシおよび/またはエトキシであり、但し、基R、RおよびRのうちの少なくとも1つはメトキシまたはエトキシ基であり、
Xは、プロピレン基(-CH-CH-CH-)であり、そして、
は、水素である)、

一般式(XIV)のギ酸アルキル
(式中、R18は、水素であり、
19は、1~4個の炭素原子を有する飽和脂肪族有機基である)
の反応生成物である。
【0087】
一般式(IV)の特に好ましいアミノシランE)は、3-アミノプロピルトリメトキシシランおよび/または3-アミノプロピルトリエトキシシランとギ酸メチルおよび/またはギ酸エチルの反応生成物である。
【0088】
アミノシランE)の量は、極めて特に好ましくは、イソシアネート基を含まない生成物が方法ステップb)で形成されるように選択される。この目的のために、本発明による方法を実際に実施する場合、アミノシランE)の量は、一般的に、方法ステップa)で形成されたイソシアネート-およびシラン-官能性ポリマーの各イソシアネート基に対して0.8~1.2、好ましくは0.9~1.1、特に好ましくは0.95~1.05のアミノ基が存在するように選択される。
【0089】
本発明による方法を実施するために、第1のステップa)で、ポリオール成分A)を、ジイソシアネートB)およびイソシアナトシランC)と同時に反応させる。
【0090】
1つの可能な実施形態では、本発明による方法で、ポリオール成分A)を、場合により例えば窒素などの不活性ガス下で、20~100℃の温度で最初に装入する。その後、ジイソシアネートB)およびイソシアナトシランC)を、上に指定される量で並行して同時に添加し、反応混合物の温度を、適切な措置(加熱または冷却)によって、30℃~120℃、好ましくは50℃~100℃に調節する。本発明による方法の別の実施形態では、ジイソシアネートB)およびイソシアナトシランC)を前のステップでブレンドして、均質なイソシアネート成分を形成し、上に示される条件下で混合物としてポリオール成分A)に計量添加する。
【0091】
これとは関係なく、一緒に使用される触媒D)を、実際の反応の開始前に、共反応物であるポリオール成分A)、ジイソシアネートB)および/またはイソシアナトシランC)の1以上と、あるいは成分B)とC)の混合物と、上に指定される量で既に混和してもよい。しかしながら、触媒D)は、計量添加中またはその後の任意の所望の時点で反応混合物に添加することもできる。
【0092】
反応の進行は、例えば滴定手段によってNCO含量を測定することによって監視することができる。
【0093】
ポリオール成分A)のヒドロキシル基の完全な反応後、第2の反応ステップb)で、アミノシランE)を計量供給する。遊離イソシアネート基との反応は、30℃~120℃、好ましくは50℃~100℃の反応混合物の温度で行われ、適切な措置(加熱または冷却)によって設定してもよい。
【0094】
使用される出発化合物A)~E)の性質および量に関係なく、得られた本発明による方法の生成物は、一般に120APHA未満、好ましくは80APHA未満、特に好ましくは60APHA未満の色数を有する、透明で実質的に無色の混合シラン末端ポリマーであり、そして、コーティング材料、シーラントまたは接着剤原料のためのバインダーとして著しく適している。
【0095】
本発明による方法で調製された混合シラン末端ポリマーは、並外れた長期安定性および良好な加工性を有する湿分硬化接着剤として特に適している。これらは、低粘度のために、余計な可塑剤の添加を不要にする。シラン末端ポリマーは、特に多孔質基板上の接着剤として使用することができる。
【0096】
[実施例]
全ての報告される百分率は、特に明記しない限り、重量基準である。
【0097】
NCO含量は、DIN EN ISO 11909に準拠した滴定法によって決定した。
【0098】
OH価はDIN 53240 T.2に準拠した滴定法によって決定した。
【0099】
全ての粘度測定は、DIN EN ISO 3219により、Anton Paar Germany GmbH(ドイツ)製のPhysica MCR 51レオメーターを用いて行った。
【0100】
ハーゼン色数は、Lange、ドイツ製のLICO 400分光光度計を用いて、DIN EN ISO 6271-2:2004に準拠した分光光度法によって測定した。
【0101】
報告される分子量は、各場合で、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定することができる数平均分子量(Mn)である。
【0102】
以下の実施例の実用性能について、それぞれの反応に関連する基の使用される物質中の含有量(例えば、アミノシランのアミン含有量)は、特定の決定方法(例えば、滴定)によって決定されており、実際の使用量は、各場合で、100%の含有量を基準に計算されていることに留意すべきである。
【0103】
[実施例1](比較実施例)
蓋、スターラー、温度計および窒素流を備えた2lスルホン化フラスコ内で、OH価13.4のプロピレングリコール1367.7g(0.16mol)(Covestro Deutschland AG;Leverkusen、ドイツ製のAcclaim(登録商標)Polyol 8200 N)を、Valikat(登録商標)Bi 2810(ビスマス(III)ネオデカノエート)160ppm(Umicore Specialty Materials、Bruges、ベルギー)を添加して、IRスペクトルでイソシアネートバンドを観測できなくなるまで3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン35.3g(0.16mol)(Wacker Chemie AG;Munich、ドイツ製のGeniosil(登録商標)GF 40)と60℃で攪拌した。その後、イソホロンジイソシアネート36.3g(0.16mol)を迅速に滴加し、理論上のNCO含有量0.47%に達するまで予備重合を行った。ジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アスパルテート56.2g(0.16mol)(欧州特許第596360号明細書、実施例5に従って調製)を添加した後、IRスペクトルでイソシアネートバンドが観察できなくなるまで混合物を攪拌した。このようにして得られたアルコキシシリル末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、粘度18600mPasおよび色数28APHAを有していた。
【0104】
[実施例2](本発明による)
蓋、スターラー、温度計および窒素流を備えた2lスルホン化フラスコ内で、OH価13.4のプロピレングリコール1367.7g(0.16mol)(Covestro Deutschland AG;Leverkusen、ドイツ製のAcclaim(登録商標)Polyol 8200 N)を、Valikat(登録商標)Bi 2810(ビスマス(III)ネオデカノエート)160ppm(Umicore Specialty Materials、Bruges、ベルギー)を添加して、理論上のNCO含有量0.47%に達するまでイソホロンジイソシアネート36.3g(0.16mol)および3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン35.3g(0.16mol)(Wacker Chemie AG;Munich、ドイツ製のGeniosil(登録商標)GF 40)と60℃で予備重合した。その後、ジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アスパルテート56.2g(0.16mol)(欧州特許第596360号明細書、実施例5に従って調製)を迅速に滴加し、IRスペクトルでイソシアネートバンドが観察できなくなるまで混合物を攪拌した。得られたアルコキシシリル末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、粘度30900mPasおよび色数26APHAを有していた。
【0105】
[実施例3](比較実施例)
蓋、スターラー、温度計および窒素流を備えた2lスルホン化フラスコ内で、OH価13.2のプロピレングリコール1369.3g(0.16mol)(Covestro Deutschland AG;Leverkusen、ドイツ製のAcclaim(登録商標)Polyol 8200 N)を、ジブチルスズジラウレート40ppmを添加して、IRスペクトルでイソシアネートバンドを観測できなくなるまで3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン34.2g(0.16mol)(Wacker Chemie AG;Munich、ドイツ製のGeniosil(登録商標)GF 40)と60℃で攪拌した。その後、イソホロンジイソシアネート35.8g(0.16mol)を迅速に滴加し、理論上のNCO含有量0.47%に達するまで予備重合を行った。ジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アスパルテート56.2g(0.16mol)(欧州特許第596360号明細書、実施例5に従って調製)を添加した後、IRスペクトルでイソシアネートバンドが観察できなくなるまで混合物を攪拌した。得られたアルコキシシリル末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、粘度13600mPasおよび色数18APHAを有していた。
【0106】
[実施例4](比較実施例)
蓋、スターラー、温度計および窒素流を備えた2lスルホン化フラスコ内で、OH価13.2のプロピレングリコール1369.3g(0.16mol)(Covestro Deutschland AG;Leverkusen、ドイツ製のAcclaim(登録商標)Polyol 8200 N)を、ジブチルスズジラウレート40ppmを添加して、理論上のNCO含有量0.47%に達するまでイソホロンジイソシアネート35.8g(0.16mol)と60℃で予備重合した。ジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アスパルテート56.2g(0.16mol)(欧州特許第596360号明細書、実施例5に従って調製)を添加した後、IRスペクトルでイソシアネートバンドが観察できなくなるまで混合物を攪拌した。その後、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン34.2g(0.16mol)(Wacker Chemie AG;Munich、ドイツ製のGeniosil(登録商標)GF 40)を迅速に滴加し、IRスペクトルでイソシアネートバンドが観察できなくなるまで混合物を再び攪拌した。得られたアルコキシシリル末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、粘度13000mPasおよび色数20APHAを有していた。
【0107】
[実施例5](本発明による)
蓋、スターラー、温度計および窒素流を備えた2lスルホン化フラスコ内で、OH価13.2のプロピレングリコール1369.3g(0.16mol)(Covestro Deutschland AG;Leverkusen、ドイツ製のAcclaim(登録商標)Polyol 8200 N)を、ジブチルスズジラウレート40ppmを添加して、理論上のNCO含有量0.47%に達するまでイソホロンジイソシアネート35.8g(0.16mol)および3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン34.2g(0.16mol)(Wacker Chemie AG;Munich、ドイツ製のGeniosil(登録商標)GF 40)と60℃で予備重合した。その後、ジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アスパルテート56.2g(0.16mol)(欧州特許第596360号明細書、実施例5に従って調製)を迅速に滴加し、IRスペクトルでイソシアネートバンドが観察できなくなるまで混合物を攪拌した。得られたアルコキシシリル末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、粘度12900mPasおよび色数16APHAを有していた。
【0108】
これらの実施例は、低粘度を有するシラン末端ポリマーを実施例5のように本発明による単純化された方法によって得ることができることを示している。驚くべきことに、本発明により調製されたポリマーは、その粘度の点で先行技術から知られている方法によって調製されたもの(実施例3および4)と実質的に異ならない。よって、本発明による方法によって、ポリマーの粘度が損なわれず、すなわち上昇することなく、2つの反応ステップのみでシラン末端ポリマーを調製することが可能であることが示された。
【0109】
[実施例6](比較実施例)
蓋、スターラー、温度計および窒素流を備えた2lスルホン化フラスコ内で、OH価13.3のプロピレングリコール1349.7g(0.16mol)(Covestro Deutschland AG;Leverkusen、ドイツ製のAcclaim(登録商標)Polyol 8200 N)を、ジブチルスズジラウレート40ppmを添加して、IRスペクトルでイソシアネートバンドを観測できなくなるまで3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン18.9g(0.089mol)(Wacker Chemie AG;Munich、ドイツ製のGeniosil(登録商標)GF 40)と60℃で攪拌した。その後、イソホロンジイソシアネート51.3g(0.231mol)を迅速に滴加し、理論上のNCO含有量0.68%に達するまで予備重合を行った。ジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アスパルテート81.2g(0.231mol)(欧州特許第596360号明細書、実施例5に従って調製)を添加した後、IRスペクトルでイソシアネートバンドが観察できなくなるまで混合物を攪拌した。得られたアルコキシシリル末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、粘度21200mPasおよび色数22APHAを有していた。
【0110】
[実施例7](本発明による)
蓋、スターラー、温度計および窒素流を備えた2lスルホン化フラスコ内で、OH価13.3のプロピレングリコール1349.7g(0.16mol)(Covestro Deutschland AG;Leverkusen、ドイツ製のAcclaim(登録商標)Polyol 8200 N)を、ジブチルスズジラウレート40ppmを添加して、理論上のNCO含有量0.68%に達するまでイソホロンジイソシアネート51.3g(0.231mol)および3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン18.9g(0.089mol)(Wacker Chemie AG;Munich、ドイツ製のGeniosil(登録商標)GF 40)と60℃で予備重合した。その後、ジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アスパルテート81.2g(0.231mol)(欧州特許第596360号明細書、実施例5に従って調製)を迅速に滴加し、IRスペクトルでイソシアネートバンドが観察できなくなるまで混合物を攪拌した。得られたアルコキシシリル末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、粘度20200mPasおよび色数18APHAを有していた。
【0111】
[実施例8](比較実施例)
蓋、スターラー、温度計および窒素流を備えた2lスルホン化フラスコ内で、OH価13.3のプロピレングリコール1349.7g(0.16mol)(Covestro Deutschland AG;Leverkusen、ドイツ製のAcclaim(登録商標)Polyol 8200 N)を、ジブチルスズジラウレート40ppmを添加して、IRスペクトルでイソシアネートバンドを観測できなくなるまで3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン18.0g(0.08mol)(Wacker Chemie AG;Munich、ドイツ製のGeniosil(登録商標)GF 40)と60℃で攪拌した。その後、イソホロンジイソシアネート53.3g(0.24mol)を迅速に滴加し、理論上のNCO含有量0.68%に達するまで予備重合を行った。ジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アスパルテート84.3g(0.24mol)(欧州特許第596360号明細書、実施例5に従って調製)を添加した後、IRスペクトルでイソシアネートバンドが観察できなくなるまで混合物を攪拌した。得られたアルコキシシリル末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、粘度23500mPasおよび色数28APHAを有していた。
【0112】
[実施例9](本発明による)
蓋、スターラー、温度計および窒素流を備えた2lスルホン化フラスコ内で、OH価13.3のプロピレングリコール1349.7g(0.16mol)(Covestro Deutschland AG;Leverkusen、ドイツ製のAcclaim(登録商標)Polyol 8200 N)を、ジブチルスズジラウレート40ppmを添加して、理論上のNCO含有量0.68%に達するまでイソホロンジイソシアネート53.3g(0.24mol)および3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン18.0g(0.08mol)(Wacker Chemie AG;Munich、ドイツ製のGeniosil(登録商標)GF 40)と60℃で予備重合した。その後、ジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アスパルテート84.3g(0.24mol)(欧州特許第596360号明細書、実施例5に従って調製)を迅速に滴加し、IRスペクトルでイソシアネートバンドが観察できなくなるまで混合物を攪拌した。得られるアルコキシシリル末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、粘度20900mPasおよび色数24APHAを有する。
【0113】
[実施例10](比較実施例)
蓋、スターラー、温度計および窒素流を備えた2lスルホン化フラスコ内で、OH価13.3のプロピレングリコール1349.7g(0.16mol)(Covestro Deutschland AG;Leverkusen、ドイツ製のAcclaim(登録商標)Polyol 8200 N)を、ジブチルスズジラウレート40ppmを添加して、IRスペクトルでイソシアネートバンドを観測できなくなるまで3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン6.7g(0.03mol)(Wacker Chemie AG;Munich、ドイツ製のGeniosil(登録商標)GF 40)と60℃で攪拌した。その後、イソホロンジイソシアネート63.0g(0.28mol)を迅速に滴加し、理論上のNCO含有量0.85%に達するまで予備重合を行った。ジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アスパルテート98.4g(0.28mol)(欧州特許第596360号明細書、実施例5に従って調製)を添加した後、IRスペクトルでイソシアネートバンドが観察できなくなるまで混合物を攪拌した。得られたアルコキシシリル末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、粘度34900mPasおよび色数18APHAを有していた。
【0114】
[実施例11](本発明による)
蓋、スターラー、温度計および窒素流を備えた2lスルホン化フラスコ内で、OH価13.3のプロピレングリコール1349.7g(0.16mol)(Covestro Deutschland AG;Leverkusen、ドイツ製のAcclaim(登録商標)Polyol 8200 N)を、ジブチルスズジラウレート40ppmを添加して、理論上のNCO含有量0.85%に達するまでイソホロンジイソシアネート63.0g(0.28mol)および3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン6.7g(0.03mol)(Wacker Chemie AG;Munich、ドイツ製のGeniosil(登録商標)GF 40)と60℃で予備重合した。その後、ジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アスパルテート98.4g(0.28mol)(欧州特許第596360号明細書、実施例5に従って調製)を迅速に滴加し、IRスペクトルでイソシアネートバンドが観察できなくなるまで混合物を攪拌した。得られたアルコキシシリル末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、粘度29200mPasおよび色数14APHAを有していた。
【0115】
[実施例12](比較実施例)
蓋、スターラー、温度計および窒素流を備えた2lスルホン化フラスコ内で、OH価13.2のプロピレングリコール1369.6g(0.16mol)(Covestro Deutschland AG;Leverkusen、ドイツ製のAcclaim(登録商標)Polyol 8200 N)を、Tyzor(登録商標)IBAYチタン触媒120ppm(abcr GmbH、Karlsruhe、ドイツ)を添加して、IRスペクトルでイソシアネートバンドを観測できなくなるまで3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン34.2g(0.16mol)(Wacker Chemie AG;Munich、ドイツ製のGeniosil(登録商標)GF 40)と60℃で攪拌した。その後、イソホロンジイソシアネート35.9g(0.16mol)を迅速に滴加し、理論上のNCO含有量0.47%に達するまで予備重合を行った。ジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アスパルテート56.2g(0.16mol)(欧州特許第596360号明細書、実施例5に従って調製)を添加した後、IRスペクトルでイソシアネートバンドが観察できなくなるまで混合物を攪拌した。得られるアルコキシシリル末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、粘度15050mPasおよび色数36APHAを有する。
【0116】
[実施例13](本発明による)
蓋、スターラー、温度計および窒素流を備えた2lスルホン化フラスコ内で、OH価13.2のプロピレングリコール1369.6g(0.16mol)(Covestro Deutschland AG;Leverkusen、ドイツ製のAcclaim(登録商標)Polyol 8200 N)を、Tyzor(登録商標)IBAYチタン触媒120ppm(abcr GmbH、Karlsruhe、ドイツ)を添加して、理論上のNCO含有量0.47%に達するまでイソホロンジイソシアネート35.9g(0.16mol)および3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン34.2g(0.16mol)(Wacker Chemie AG;Munich、ドイツ製のGeniosil(登録商標)GF 40)と60℃で予備重合した。その後、ジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アスパルテート56.2g(0.16mol)(欧州特許第596360号明細書、実施例5に従って調製)を迅速に滴加し、IRスペクトルでイソシアネートバンドが観察できなくなるまで混合物を攪拌した。得られたアルコキシシリル末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、粘度13700mPasおよび色数30APHAを有していた。
【0117】
[実施例14](比較実施例)
蓋、スターラー、温度計および窒素流を備えた2lスルホン化フラスコ内で、OH価13.2のプロピレングリコール1369.6g(0.16mol)(Covestro Deutschland AG;Leverkusen、ドイツ製のAcclaim(登録商標)Polyol 8200 N)を、Yb(acac)120ppm(abcr GmbH、Karlsruhe、ドイツ)を添加して、IRスペクトルでイソシアネートバンドを観測できなくなるまで3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン34.2g(0.16mol)(Wacker Chemie AG;Munich、ドイツ製のGeniosil(登録商標)GF 40)と60℃で攪拌した。その後、イソホロンジイソシアネート35.9g(0.16mol)を迅速に滴加し、理論上のNCO含有量0.47%に達するまで予備重合を行った。ジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アスパルテート56.2g(0.16mol)(欧州特許第596360号明細書、実施例5に従って調製)を添加した後、IRスペクトルでイソシアネートバンドが観察できなくなるまで混合物を攪拌した。得られたアルコキシシリル末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、粘度16500mPasおよび色数16APHAを有していた。
【0118】
[実施例15](本発明による)
蓋、スターラー、温度計および窒素流を備えた2lスルホン化フラスコ内で、OH価13.2のプロピレングリコール1369.6g(0.16mol)(Covestro Deutschland AG;Leverkusen、ドイツ製のAcclaim(登録商標)Polyol 8200 N)を、Yb(acac)120ppm(abcr GmbH、Karlsruhe、ドイツ)を添加して、理論上のNCO含有量0.47%に達するまでイソホロンジイソシアネート35.9g(0.16mol)および3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン34.2g(0.16mol)(Wacker Chemie AG;Munich、ドイツ製のGeniosil(登録商標)GF 40)と60℃で予備重合した。その後、ジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アスパルテート56.2g(0.16mol)(欧州特許第596360号明細書、実施例5に従って調製)を迅速に滴加し、IRスペクトルでイソシアネートバンドが観察できなくなるまで混合物を攪拌した。得られたアルコキシシリル末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、粘度16000mPasおよび色数14APHAを有していた。