(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】機械応力センサ及び製造方法
(51)【国際特許分類】
G01L 1/16 20060101AFI20230502BHJP
【FI】
G01L1/16 B
(21)【出願番号】P 2020546352
(86)(22)【出願日】2019-03-06
(86)【国際出願番号】 IB2019051805
(87)【国際公開番号】W WO2019171289
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2022-02-28
(31)【優先権主張番号】102018000003387
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518314084
【氏名又は名称】エルテック・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】ELTEK S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・ピッツィ
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ・アッレーラ
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特許第4139434(JP,B2)
【文献】特許第4773659(JP,B2)
【文献】特許第5441877(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L、H01L、G01P
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持構造(4)と、前記支持構造(4)上の少なくとも1つの第1の圧電トランスデューサ(10)と、を備え、変位または変形を検知するように構成された機械応力センサであって、
前記第1の圧電トランスデューサ(10)は、せん断応力を示す第1の電気信号を生成する
ように構成され、
前記第1の圧電トランスデューサ(10)は、
長手方向(L)に延在し、
互いに対向する第1の主面(11a)と第2の主面(11b)とを有する圧電材料の第1の層(11)であって、前記圧電材料の第1の層(11)は、前記長手方向(L)を横断する方向
(W)に延在する少なくとも1つの分極軸(
PA)を有する、圧電材料の第1の層(11)と、
少なくとも1つの第1の電極(E1)と1つの第2の電極(E2)であって、それぞれ、前記圧電材料の第1の層(11)の前記第1及び前記第2の主面(11a,11b)において
前記長手方向(L)に延在する、複数の部分または指部(F1,F2)をそれぞれ有する、少なくとも1つの第1の電極(E1)と1つの第2の電極(E2)と、を備え、
前記第1の圧電トランスデューサ(10)は、少なくとも1つの第3の電極(E3)及び1つの第4の電極(E4)を備え、
前記少なくとも1つの第3の電極(E3)及び
前記1つの第4の電極(E4)は、それぞれ、前記圧電材料の第1の層(11)の前記第1
の主面(11a)及び前記第2の主面(
11b)において
前記長手方向(L)に延在する、複数の部分または指部(F3,F4)をそれぞれ有し、
前記第3の電極(E3)の前記部分または指部(F3)は、前記第1の電極(E1)の前記部分または指部(F1)と互いにかみ合うまたは交互に並び、
前記第4の電極(E4)の前記部分または指部(F4)は、前記第2の電極(E2)の前記部分または指部(F2)と互いにかみ合うまたは交互に並
び、
前記第1および前記第3の電極(E1,E3)の前記部分または指部(F1,F3)は、前記横断する方向(W)に互いに実質的に第1の距離(D
1
)をあけた状態で少なくとも前記長手方向(L)に延在し、前記第1の電極(E1)の前記部分または指部(F1)は、実質的に第1の距離(D
1
)の2倍以上、好ましくは実質的に第1の距離(D
1
)の2倍に等しい相互距離(D
2
)にあり、第3の電極(E3)の前記部分または指部(F3)は、実質的に第1の距離(D
1
)の2倍以上、好ましくは実質的に第1の距離(D
1
)の2倍に等しい相互距離(D
2
)にあり、
前記第2および前記第4の電極(E2,E4)の前記部分または指部(F2,F4)は、前記横断する方向(W)に互いに実質的に前記第1の距離(D
1
)をあけた状態で少なくとも前記長手方向(L)に延在し、前記第2の電極(E2)の前記部分または指部(F2)は、実質的に第1の距離(D
1
)の2倍以上、好ましくは実質的に第1の距離(D
1
)の2倍に等しい相互距離(D
2
)にあり、前記第4の電極(E4)の前記部分または指部(F4)は、実質的に第1の距離(D
1
)の2倍以上、好ましくは実質的に第1の距離(D
1
)の2倍に等しい相互距離(D
2
)にあり、
前記第1の電極(E1)のそれぞれの前記部分または指部(F1)は、前記第3の電極(E2)のそれぞれ1つの前記部分または指部(F2)と実質的に重なるまたは揃えられる位置にあり、
前記第3の電極(E3)のそれぞれの前記部分または指部(F3)は、前記第4の電極(E4)のそれぞれ1つの前記部分または指部(F4)と実質的に重なるまたは揃えられる位置にある、
ことを特徴とする機械応力センサ(1)。
【請求項2】
前記第1、前記第2、前記第3及び前記第4の電極(E1-E4)は、実質的に櫛状電極である、請求項1に記載の機械応力センサ。
【請求項3】
前記第1の電極(E1)、前記第2の電極(E2)、前記第3の電極(E3)、及び前記第4の電極(E4)、の中から少なくともいくつかは、前記圧電材料の第1の層(11)の分極のための電極である、または前記圧電材料の第1の層(11)の分極のための電極及び前記圧電材料の第1の層(11)によって発生される信号を測定するための電極の両方である、請求項1または2に記載の機械応力センサ。
【請求項4】
支持構造(4)と、前記支持構造(4)上の少なくとも1つの第1の圧電トランスデューサ(10)と、を備え、変位または変形を検知するように構成された機械応力センサであって、
前記第1の圧電トランスデューサ(10)は、せん断応力を示す第1の電気信号を生成するように構成され、
前記第1の圧電トランスデューサ(10)は、
長手方向(L)に延在し、互いに対向する第1の主面(11a)と第2の主面(11b)とを有する圧電材料の第1の層(11)であって、前記圧電材料の第1の層(11)は、前記長手方向(L)を横断する方向(W)に延在する少なくとも1つの分極軸(PA)を有する、圧電材料の第1の層(11)と、
少なくとも1つの第1の電極(E1)と1つの第2の電極(E2)であって、それぞれ、前記圧電材料の第1の層(11)の前記第1及び前記第2の主面(11a,11b)において前記長手方向(L)に延在する、複数の部分または指部(F1,F2)をそれぞれ有する、少なくとも1つの第1の電極(E1)と1つの第2の電極(E2)と、を備え、
前記第1の圧電トランスデューサ(10)は、少なくとも1つの第3の電極(E3)及び1つの第4の電極(E4)を備え、
前記少なくとも1つの第3の電極(E3)及び前記1つの第4の電極(E4)は、それぞれ、前記圧電材料の第1の層(11)の前記第1の主面(11a)及び前記第2の主面(11b)において前記長手方向(L)に延在する、複数の部分または指部(F3,F4)をそれぞれ有し、
前記第3の電極(E3)の前記部分または指部(F3)は、前記第1の電極(E1)の前記部分または指部(F1)と互いにかみ合うまたは交互に並び、
前記第4の電極(E4)の前記部分または指部(F4)は、前記第2の電極(E2)の前記部分または指部(F2)と互いにかみ合うまたは交互に並び、
前記第1及び前記第3の電極(E1,E3)の前記部分または指部(F1,F3)は、前記横断する方向(W)に互いに第1の距離(D
1
)をあけた状態で前記長手方向(L)に延在し、前記第1の電極(E1)の前記部分または指部(F1)は、第1の距離(D
1
,D
3
)の2倍より大きい第2の相互距離(D
2
)にあり、第3の電極(E3)の前記部分または指部(F3)は、実質的に互いから第2の距離(D
2
)にあり、
前記第2及び前記第4の電極(E2,E4)の前記部分または指部(F2,F4)は、前記横断する方向(W)に互いに前記第2の距離(D
1
)をあけた状態で前記長手方向(L)に延在し、前記第2の電極(E2)の前記部分または指部(F2)は、実質的に第2の相互距離(D
2
)にあり、第4の電極(E4)の部分または指部(F4)は、実質的に第2の相互距離(D
2
)にあり、
前記第1の電極(E1)のそれぞれの前記部分または指部(F1)は、前記第2の電極(E2)のそれぞれ1つの前記部分または指部(F2)に重なるまたは揃えられる位置にあり、
前記第3の電極(E3)のそれぞれの前記部分または指部(F3)は、前記第4の電極(E4)のそれぞれ1つの前記部分または指部(F4)に実質的に重なるまたは揃えられる位置にあり、
前記第1及び前記第3の電極(E1,E3)、またはそれぞれ前記部分または指部(F1,F3)は、電気的に一緒に接続され(+)、
前記第2及び前記第4の電極(E2,E4)、またはそれぞれ前記部分または指部(F2,F4)は、電気的に一緒に接続され(-)及び前記第1及び前記第3の電極(E1,E3)から電気的に絶縁され、
前記長手方向(L)を横断する方向(W)に圧電材料の第1の層(11)に加えられるせん断応力(SS)は、一方で前記第1及び前記第3の電極(E1,E3)と、他方で前記第2及び第4の電極(E2,E4)の間に、前記せん断応力に比例する値を有する電位差を発生する、または、
前記第1の電極(E1)及び前記第3の電極(E3)の1つのそれぞれ前記部分または指部(F1)は、前記第2の電極(E2)及び前記第4の電極(E4)の1つのそれぞれ1つの前記部分または指部(F2)と実質的に重なるまたは揃えられる位置にあり、
前記第1の電極(E1)及び前記第3の電極(E3)の他の1つのそれぞれ前記部分または指部(F3)は、前記第2の電極(E2)及び前記第4の電極(E4)の他の1つのそれぞれ1つの前記部分または指部(F4)に対して実質的に交互にずらした位置にあり、
前記第1及び前記第3の電極(E1,E3)、またはそれぞれ前記部分または指部(F1,F3)は、互いに電気的に絶縁され、
前記第3及び前記4の電極(E3,E4)、またはそれぞれ前記部分または指部(F3,F4)は、互いから及び前記第1及び第3の電極(E1,E3)から電気的に絶縁され、
前記長手方向(L)を横断する方向(W)に前記圧電材料の第1の層(11)に加えられるせん断応力(SS)は、一方で前記第1の電極(E1)及び前記第3の電極(E3)の1つと、他方で前記第2の電極(E2)及び前記第4の電極(E4)の1つの間で、前記せん断応力(SS)に比例する値を有する電位差を発生し、前記第1の電極(E1)及び前記第3の電極(E3)の1つと前記第2の電極(E2)及び前記第4の電極(E4)の1つは、前記部分または指部が実質的に重なるまたは揃えられる位置である電極であることが好ましい、
機械応力センサ。
【請求項5】
少なくとも1つの第5の電極(E5)と1つの第6の電極(E6)であって、前記第5の電極(E5)と前記第6の電極(E6)は、櫛状電極であることが好ましく、それぞれ前記圧電材料の第1の層のそれぞれ前記第1及び前記第2の主面(11a,11b)において前記長手方向(L)に延在する複数の部分または指部(F5,F6)を有する、第5の電極(E5)と第6の電極(E6)を備え、
特に、前記第5の電極(E5)の部分または指部(F5)は、前記第1及び前記第3の電極(E1,E3)の前記部分または指部(F1,F3)と互いにかみ合うまたは交互に並び、
前記第6の電極(E6)の部分または指部(F6)は、前記第2及び前記第4の電極(E2,E4)の前記部分または指部(F2,F4)と互いにかみ合うまたは交互に並ぶ、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の機械応力センサ。
【請求項6】
前記第1、前記第3及び前記第5の電極(E1,E3,E5)の前記部分または指部(F1,F3,F5)は、少なくとも長手方向(L)に、互いから実質的に第1の距離(D
1
)において延在し、
前記第1の電極(E1)の前記部分または指部(F1)は、実質的に第1の距離(D
1
)の3倍以上、好ましくは実質的に第1の距離(D
1
)の3倍に等しい相互距離(D
2
)にあり、
前記第3の電極(E3)の前記部分または指部(F3)は、実質的に第1の距離(D
1
)の3倍以上、好ましくは実質的に第1の距離(D
1
)の3倍に等しい相互距離(D
2
)にあり、
前記第5の電極(E5)の前記部分または指部(F5)は、実質的に第1の距離(D
1
)の3倍以上、好ましくは実質的に第1の距離(D
1
)の3倍に等しい相互距離(D
2
)にあり、
前記第2、前記第4及び前記第6の電極(E2,E4,E6)の前記部分または指部(F2,F4,F6)は、少なくとも長手方向(L)に、互いから実質的に第1の距離(D
1
)において延在し、
前記第2の電極(E2)の前記部分または指部(F2)は、実質的に第1の距離(D
1
)の3倍以上、好ましくは実質的に第1の距離(D
1
)の3倍に等しい相互距離(D
2
)にあり、
前記第4の電極(E4)の前記部分または指部(F4)は、実質的に第1の距離(D
1
)の3倍以上、好ましくは実質的に第1の距離(D
1
)の3倍に等しい相互距離(D
2
)にあり、
前記第6の電極(E6)の前記部分または指部(F6)は、実質的に第1の距離(D
1
)の3倍以上、好ましくは実質的に第1の距離(D
1
)の3倍に等しい相互距離(D
2
)にあり、
好ましくは、前記第1の電極(E1)のそれぞれの前記部分または指部(F1)は、前記第2の電極(E2)の対応する1つの前記部分または指部(F2の実質的に上、または揃えられる位置にあり、
前記第3の電極(E3)のそれぞれの前記部分または指部(F3)は、前記第4の電極(E4)の対応する1つの前記部分または指部(F4)の実質的に上、または揃えられる位置にあり、
前記第5の電極(E5)のそれぞれの前記部分または指部(F5)は、前記第6の電極(E6)の対応する1つの前記部分または指部(F6)の実質的に上、または揃えられる位置にある、請求項5に記載の機械応力センサ。
【請求項7】
前記第1、前記第3及び前記第5の電極(E1,E3,E5)、またはそれぞれの前記部分または指部(F1,F3,F5)は、互いに電気的に絶縁され、
前記第2、前記第4及び前記第6の電極(E2,E4,E6)、またはそれぞれの前記部分または指部(F2,F4,F6)は、互いに及び前記第1、前記第3及び前記第5の電極(E1,E3,E5)から電気的に絶縁され、
前記長手方向(L)を横断する方向(W)に前記圧電材料の第1の層(11)に加えられるせん断応力(SS)は、前記第1の電極(E1)と前記第2の電極(E2)の間、または前記第2の電極(E2)と前記第4の電極(E4)の間、または前記第5の電極(E5)と前記第6の電極(E6)の間で、前記せん断応力(SS)に比例する値を有する電位差を発生する、請求項6に記載の機械応力センサ。
【請求項8】
さらに通常の応力を表す第2の電気信号を発生することができる、第2の圧電トランスデューサ(20)が、支持構造(4)に関連付けられ、
前記第2の圧電トランスデューサ(20)は、2つのそれぞれの電極(E22,E23)の間に配置された圧電材料の第2の層(21)を備え、
前記圧電材料の第2の層(21)は、圧電材料の第2の層(21)によって特定される平面を横断する方向(H)に延在する少なくとも1つの分極軸(B)を有する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の機械応力センサ。
【請求項9】
前記支持構造(4)は、前記第1の圧電トランスデューサ(10)及び前記第2の圧電トランスデューサ(20)が関連する基板(4)を備え、
前記第1の圧電トランスデューサ(10)及び前記第2の圧電トランスデューサ(20)は、前記基板(4)の全く同一の主面(4a)と関連することが好ましい、請求項8に記載の機械応力センサ。
【請求項10】
少なくとも前記第1の圧電トランスデューサ(10)は、圧電材料の堆積層(11)及び/または前記圧電材料の堆積層(11)の2つの対向する主面(11a,11b)において、導電材料の堆積電極(E1-E6)を備える、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の機械応力センサ。
【請求項11】
i)前記圧電材料の第1の層(11)の前記第1の主面(11a)の少なくとも一部に、前記第1の電極(E1)、少なくとも1つの前記第3の電極(E3,E5)、またはそれぞれの前記部分または指部を備えて、
前記圧電材料の第1の層(11)の前記第2の主面(11b)の少なくとも一部に、前記第2の電極(E2)及び少なくとも1つの第4の電極(E4,E6)、またはそれぞれの前記部分または指部を備えて、
前記第1の圧電トランスデューサ(10)を形成するステップと、
ii)一方において、前記第1の電極(E1)の少なくとも1つ及び少なくとも1つの前記第3の電極(E3,E5)、またはそれぞれの前記部分または指部と、
他方において、前記第2の電極(E2)の少なくとも1つ及び少なくとも1つの前記第4の電極(E4,E6)、またはそれぞれの前記部分または指部と、の間に電位差を加えることによって、前記圧電材料の第1の層(11)の分極を実行するステップと、を備え、
前記ステップii)は、前記第1の圧電トランスデューサ(10)がせん断応力を検知するために次に使用されるとき、用いられる前記電極またはそれぞれの前記部分または指部の電気接続の第2の形態と異なる、電極またはそれぞれの前記部分または指部の電気接続の第1の形態で実行され、
前記電気接続の第1の形態において、前記第1の電極(E1)の前記少なくとも1つ及び前記少なくとも1つの第3の電極、またはそれぞれの前記部分又は指部と、前記第2の電極(E4,E6)の前記少なくとも1つ及び前記少なくとも1つの第4の電極(E4,E6)又はそれぞれの前記部分又は指部は、前記圧電材料(11)の第1の層(11)のために使用され、
前記電気接続の第2の形態において、前記第1の電極(E1)の前記少なくとも1つ及び前記少なくとも1つの第3の電極(E3,E5)、またはそれぞれの前記部分又は指部は、前記圧電材料(11)の第1の層によって生成される信号を測定するために使用される、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の機械応力センサを製造する方法。
【請求項12】
-請求項1に記載のまたは請求項6に記載の機械応力センサを生産するために、ステップii)の進行において、
前記第1及び前記第2の電極(E1,E2)は、電気的に一緒に接続され(-)、
前記第3及び前記第4の電極(E3,E4)は、電気的に一緒に接続され(+)、前記第1及び前記第2の電極(E1,E2)から電気的に絶縁され、
電位差は、一方で前記第1の電極と前記第3の電極(E1,E3)と、他方で前記第2の電極と前記第4の電極(E2,E4)の間で加えられる、または、
-請求項6に記載の機械応力センサを生産するために、ステップii)の進行において、
前記第1、前記第2、前記第3及び前記第4の電極(E1-E4)は、互いに電気的に絶縁され、電位差は、一方で前記第1の電極と前記第3の電極(E1,E3)の1つと他方で前記第2の電極と前記第4の電極(E2,E4)の1つの間で加えられ、前記第2の電極と前記第4の電極(E2,E4)の1つは、前記部分または指部が、前記第1及び前記第3の電極(E1,E3)の1つの前記部分または指部に対して交互にずらした位置にある電極である、または、
-請求項7に記載の機械応力センサを作り出すために、ステップii)の進行において、
-前記第1及び前記第2の電極(E1,E2)、前記第3及び前記第4の電極(E3,E4)並びに前記第5及び第6の電極(E5,E6)の中から選択された第1の対の電極(E1,E2)の電極は、互いに及び他の電極(E3-E6)から電気的に絶縁され、
-前記第1及び前記第2の電極(E1,E2)、前記第3及び前記第4の電極(E3,E4)並びに前記第5及び第6の電極(E5,E6)の中から選択された第2の対の電極(E3,E4)の電極は、電気的に一緒に接続され(-)及び他の電極(E1,E2,E5,E6)から電気的に絶縁され、
-前記第1及び前記第2の電極(E1,E2)、前記第3及び前記第4の電極(E3,E4)並びに前記第5及び第6の電極(E5,E6)の中から選択された第3の対の電極(E5,E6)の電極は、電気的に一緒に接続され(+)及び他の電極(E1-E4)から電気的に絶縁され、
-電位差は、一方で前記第2の対の電極(E2,E4)と他方で前記第3の対の電極(E5,E6)の間に加えられる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の圧電トランスデューサ(10)、または対応する前記圧電材料の第1の層(11)及び/またはその対向する主面(11a,11b)における電極(E1-E6)は、互いの上部に異なる材料層を堆積する、特にスクリーン印刷によって少なくとも一部得られる、請求項11または12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機械応力センサに関し、圧電タイプの応力センサ及びその製造の様式を特に参照して開発された。
【背景技術】
【0002】
圧電応力センサの使用は、横断する(せん断)応力または通常または軸(圧縮)応力を検知するために広く知られている。そのようなセンサは、例えば加速度センサ、圧力センサ、振動センサ、変形センサなどを提供するために用いられる。言及されるセンサの使用の特定の用途及び工業分野は、非常に異なり、自動車分野(例えば衝撃センサまたはエンジンのノッキングを検知するセンサを提供するため)、家電分野(例えばタッチ入力装置またはプリンタカートリッジによるインクの消費を測定する装置を提供するため)、医療分野(例えば心血管センサを提供するため)、建築分野(例えば、コンクリート構造に応力センサを提供するため)などを含む。
【0003】
それらの幅広い拡散にもかかわらず、いくつかの圧電センサ、特にせん断応力を検知するそれらは、例えばその製造様式につながる、さらにいくつかの欠点を提示する。
【発明の概要】
【0004】
その一般的な用語において、本発明は、製造が単純で、高価でないが、動作の高信頼性によって区別される、圧電タイプの機械応力センサを提供する目的を基本的に有する。
この及び他の目的は、以後さらに明確に現れるが、さらに、添付された請求項に言及される特性を提示する機械応力センサによって及び対応する製造方法によって、本発明にしたがって達成される。請求項は、本発明に関して以後提供される技術教示の不可欠な部分を形成する。
【0005】
本発明のさらなる目的、特性、及び利点は、説明的な及び非限定の例によって、完全に提供される、添付された図面を参照しながら、その後の詳細な説明から明確に現れる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の第1の可能な実施形態による応力センサの概略斜視図である。
【
図2】本発明の第1の可能な実施形態による応力センサの概略分解図である。
【
図3】本発明の第1の可能な実施形態による応力センサの圧電トランスデューサの平面の概略描写である。
【
図4】本発明の第1の可能な実施形態による応力センサの圧電トランスデューサの下からの概略描写である。
【
図5】本発明の第1の可能な実施形態による応力センサの第1の部分の概略斜視図である。
【
図6】本発明の第1の可能な実施形態による応力センサの第2の部分の概略斜視図である。
【
図7】
図6のセンサの部分の第1の断面斜視図である。
【
図8】
図7のセンサの部分の拡大における詳細図である。
【
図9】
図6のセンサの部分の第2の断面斜視図である。
【
図11】電気接続の2つの異なる形態における、本発明の第1の可能な実施形態による応力センサの圧電トランスデューサの正面図の概略描写である。
【
図12】電気接続の2つの異なる形態における、本発明の第1の可能な実施形態による応力センサの圧電トランスデューサの正面図の概略描写である。
【
図13】本発明の第1の可能な実施形態による応力センサの圧電トランスデューサの動作原理を例示する目的の概略斜視図である。
【
図14】本発明の第2の可能な実施形態による応力センサを表す、
図1のそれと同様の図である。
【
図15】本発明の第2の可能な実施形態による応力センサを表す、
図2のそれと同様の図である。
【
図16】本発明の第2の可能な実施形態による応力センサを表す、
図6のそれと同様の図である。
【
図17】本発明の第2の可能な実施形態による応力センサを表す、
図7のそれと同様の図である。
【
図18】本発明の第2の可能な実施形態による応力センサを表す、
図8のそれと同様の図である。
【
図19】本発明の第2の可能な実施形態による応力センサを表す、
図9のそれと同様の図である。
【
図20】本発明の第2の可能な実施形態による応力センサを表す、
図10のそれと同様の図である。
【
図21】本発明の第2の可能な実施形態による応力センサを表す、
図11のそれと同様の図である。
【
図22】本発明の第2の可能な実施形態による応力センサを表す、
図12のそれと同様の図である。
【
図23】本発明の第2の可能な実施形態による応力センサの圧電トランスデューサの動作原理を例示する目的の
図22のそれと同様の図である。
【
図24】本発明の第3の可能な実施形態による応力センサを表す、
図14のそれと同様の図である。
【
図25】本発明の第3の可能な実施形態による応力センサを表す、
図15のそれと同様の図である。
【
図26】本発明の第3の可能な実施形態による応力センサを表す、
図17のそれと同様の図である。
【
図27】本発明の第3の可能な実施形態による応力センサを表す、
図18のそれと同様の図である。
【
図28】本発明の第3の可能な実施形態による応力センサを表す、
図19のそれと同様の図である。
【
図29】本発明の第3の可能な実施形態による応力センサを表す、
図20のそれと同様の図である。
【
図30】本発明の第3の可能な実施形態による応力センサを表す、
図21のそれと同様の図である。
【
図31】本発明の第3の可能な実施形態による応力センサを表す、
図22のそれと同様の図である。
【
図32】本発明の第3の可能な実施形態による応力センサを表す、
図23のそれと同様の図である。
【
図33】本発明の第4の実施形態による応力センサを表す、
図1のそれと同様の図である。
【
図34】本発明の第4の実施形態による応力センサを表す、
図2のそれと同様の図である。
【
図35】本発明の第4の実施形態による応力センサを表す、
図6のそれと同様の図である。
【
図38】本発明の第4の可能な実施形態による応力センサの圧電トランスデューサの基板の部分の部分断面概略斜視図である。
【
図40】本発明の第4の実施形態による応力センサを表す
図7のそれと同様な図である。
【
図41】本発明の第4の実施形態による応力センサを表す
図8のそれと同様な図である。
【
図42】本発明の第4の可能な実施形態による応力センサを表す
図21のそれと同様な図である。
【
図43】本発明の第4の可能な実施形態による応力センサを表す
図22のそれと同様な図である。
【
図44】本発明の第4の可能な実施形態による応力センサを表す
図23のそれと同様な図である。
【
図45】本発明の可能な実施形態による応力センサを一体化するセンサ装置の概略斜視図である。
【
図46】本発明の可能な実施形態による応力センサを一体化するセンサ装置の正面図である。
【
図47】本発明の可能な実施形態による応力センサを一体化するセンサ装置の側面図である。
【
図48】本発明の可能な実施形態による応力センサを一体化するセンサ装置の異なる角度からの分解概略図である。
【
図49】本発明の可能な実施形態による応力センサを一体化するセンサ装置の異なる角度からの分解概略図である。
【
図50】本発明の可能な実施形態による応力センサを一体化するセンサ装置の断面概略斜視図である。
【
図51】本発明の可能な実施形態による応力センサを一体化するセンサ装置の断面概略斜視図である。
【
図52】可能な変形実施形態を表す
図3のそれと同様の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本記載の構成において、「1つの実施形態」(an embodiment)、「1つの実施形態」(one embodiment)、「様々な実施形態」(various embodiment)などの言及は、実施形態に関して記載された少なくとも1つの特定の形態、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを示す意図がある。この理由で、この記載の様々な点で存在する、例えば「1つの実施形態において」(in an embodiment)、「1つの実施形態において」(in one embodiment)、「様々な実施形態において」(in various embodiment)などの語句は、必ずしも全く同一の実施形態を指さないが、代わりに異なる実施形態を指すことがある。さらに、本記載の構成において定義される特定の形態、構造、または特性は、示されるものと異なる1またはそれ以上の実施形態に任意の適切な方法で組み合わせることができる。特に図の例を参照しながら本明細書で提供される符号及び空間参照(例えば、「上部」(top)、「下部」(bottom)、「上に」(up)、「下に」(down)、「前」(front)、「後」(back)、「垂直の」(vertical)など)は、単に便宜上用いられ、この理由で保護の領域または実施形態の範囲を定義しない。本記載において及び添付された請求項において、一般的な用語「材料」(material)は、混合物、組成物、または多くの異なる材料の組み合わせを含むとして理解されるべきである。図において同じ符号は、お互いに同様なまたは技術的に等価である要素を指定するために用いられる。
【0008】
最初に
図1を参照しながら、本発明の可能な実施形態による機械応力センサは、FSによって全体に指定される。センサFSは、例えば固定位置に固定されるように設計される支持構造を有し、以後記載されるように、少なくとも1つの圧電トランスデューサが支持構造に関連する。様々な実施形態において、支持構造は、支持部または基板4を備え、
図1のそれぞれL、W、Hによって示される方向に延在する長さ、幅、厚さを有する実質的に平面形状であることが必須ではないが好ましい。これらの方向L、W及びHは、また基板4の平面に対してそれぞれ、長手方向、横断方向、及び軸方向を以後指す。
【0009】
基板4は、絶縁材料または絶縁材料で少なくとも一部が被覆された導電材料で作られる。例えば、誘電材料(例えばポリマまたは金属酸化物または酸化物の混合物)の層で被覆された金属または金属合金(例えば鋼)で作られてもよく、またはセラミック材料またはセラミック酸化物またはセラミック酸化物の混合物(例えばアルミナまたはアルミナ及びジルコニアの混合物、半導体材料の混合物(例えばシリコン)または酸化ケイ素またはシリカ(例えばガラス)を備える材料またはポリマまたは少なくとも1つのポリマを備える材料の混合物(基板がポリマ基板であるまたはポリマを含み、トランスデューサが連続層の堆積によって得られる場合において、プロセス温度の適合性の理由により例えばPVDFなどのポリマ圧電材料を用いることも好ましい)で作られてもよい。しかしながら、目的に適切な他の材料または既知の技術による他の材料の使用は、本発明の範囲から除外されない。特にせん断応力、すなわち長手方向L及び/または横断方向Wの少なくとも1つの成分を有する力による応力を検知するように構成された、10によって全体に指定される少なくとも1つの第1の圧電トランスデューサが、基板4の主面4a(ここで、便宜上「上面」としても定義される)において提供される。様々な実施形態において、トランスデューサ10は、要素に機械的に関連するように設計され、その変位または変形は、検知され、そのような変位または変形によって決定されるせん断応力を表す電気信号を発生することができる。
【0010】
様々な実施形態において、好ましくは基板4の同じ面4aにおいて、少なくとも1つのさらなるトランスデューサは、20によって全体に指定されて提供され、特に通常応力、すなわち軸方向Hの少なくとも1つの成分を有する力による応力を検知するように構成され、圧電タイプを有することが好ましい。
【0011】
上述のように、及び以後さらに明確に現れるように、様々な実施形態において、トランスデューサ10の上部へ、すなわち基板4に対向する部分へ、ここで基板4によって表される支持構造に対して、動作を実行するまたは変形を受けることができる、-以後簡単にするために「検知要素」としても定義される-一般的な本体または要素を関連し、機械的に接続される必要がある。言い換えると、当該検知要素に、トランスデューサ10によって強度が測定されることが望ましい方向L及び/またはWの少なくとも1つの成分を有する力が加えられる。検知要素は、例えばセンサFSが加速度計で用いられるとき、大きな塊であってもよく、または最小ではあるが可能な変位または振動または変形、及びこのためオブジェクトまたはエンティティに作用する力を検知することが望まれる全ての一般的なオブジェクトまたはエンティティであってもよい。
【0012】
トランスデューサ10の下部が基板4に対して固定位置にあり(固定部にあると推定される)、トランスデューサ10の上部が、当該検知要素に関連され、または固定される(例えば接着される)とすれば、方向W及び/または方向Lに検知要素に加えられる力は、トランスデューサ10に応力を引き起こし、-圧電効果によって-加えられるせん断応力の強度に比例する電位差を対応する電極間に発生する。
【0013】
同じ検知要素は、少なくとも1つの成分を有する軸力が方向Hに検知要素に加えられたとき、他の圧電トランスデューサ20の上部に関連付けられることもできる。このため、この軸力は、トランスデューサ20に対応する応力を引き起こし、圧電効果によって、加えられる通常応力の強度を表す電位差を対応する電極間に発生する。
【0014】
もちろん、トランスデューサ10に関連付けられるものと異なる、第2の検知要素をトランスデューサ20に関連付けることもできる。同様に当該検知要素は、トランスデューサ20に固定されることが必須ではないが、簡単にその上部に配置されることができる。他方で、問題の2つの部分がお互いの上部にあるように配置されるまたはお互いに接着されるまたは拘束される場合に、または方向L及び/または方向Wの検知要素の動作または変形がトランスデューサ10上の対応する応力を決定することを保証するような方法で関連付けられる場合にあるならば、検知要素がトランスデューサ10に固定されることはさらに厳密に必須でない。
【0015】
様々な実施形態において、トランスデューサ10、またはそれぞれのトランスデューサ10,20は、少なくとも1つの圧電材料の要素または層(以後簡単にするために「圧電層」という)及び少なくとも2つの電極を備え、電極のそれぞれは、圧電層の主面に関連する。電極は、導電材料の軌道によって定義され(以後簡単にするために「導電トラック」という)、これらのトラックは、場合によっては例えばパッドの形態で、-対応する電極と対向するそれらの端部において-端子接続部を画定する。例えば
図1を参照しながら、トランスデューサ10とトランスデューサ20の圧電層は、それぞれ11及び21によって指定され、文字T、E及びP(対応する符号が続く)は、それぞれ当該導電ドラック、対応する電極のいくつか、及び対応する端子接続部またはパッドを識別する。電極E及びトラックTは、一体に形成されることが必須ではないことに留意すべきである。例えば、プレートまたは薄板の形態で自立した本体として圧電層11または21を形成し、その後、対応する圧電層11または21の対向する主面に電極Eを形成し、その後、基板4の上面4aに対応するパッドを備えるトラックTを形成し、最後に基板4の面4aに電極Eを運ぶ層11または21を固定し、電極Eと対応するトラックTの間の必須の接続を提供することができる。
【0016】
圧電層11及び/または21、トラックT及び電極Eは、実質的に平面であり、実質的にお互いに及び基板4の上面4aの表面に平行に重なることが好ましい。
【0017】
様々な実施形態において、トランスデューサ10及び/または20、すなわち圧電層11及び/または21は、例えばスクリーン印刷またはスピンコーティングによって基板4上に及び/または低い電極上の少なくとも一部に材料を堆積することによって形成される。
【0018】
また、電極E、または導電トラックTは、例えば、スクリーン印刷技術、またはスパッタリング技術、または熱蒸発の技術、または分配技術または、さらに一般的な対応する基板に導電材料を堆積するために設計された任意の既知の技術を用いる、堆積技術を用いて形成される。
【0019】
しかしながら、対応するパッドPを備える電極E及び/または導電トラックTは、好ましくはシート金属から成形され、打ち抜かれた、例えば導電材料要素などの個別の要素として少なくとも一部に形成され、それぞれの圧電層11及び/または21及び/または基板4に固定されるように設計される。
【0020】
様々な優先的な実施形態において、全トランスデューサ10及び/または20は、基板4上に異なる材料の連続層の堆積によって、すなわち、層11及び/または21の下面における少なくとも一部であるべき導電層を第1に堆積し、その後、圧電層11及び/または21を堆積し、最後に層11及び/または21の上面において少なくとも一部にあるべき導電層を堆積することによって得られる。
【0021】
積層の堆積は、例えば、スクリーン印刷技術を用いてなされ、その場合、圧電層11及び/または21は、20から300μm、好ましくは約100μmの厚さを有し、電極E及びトラックTは、代わりに8から25μm、好ましくは約15μmの厚さを有する。代わりに、圧電層(及び電極E及び/またはトラックT)は、薄膜技術(例えばゾルゲル、スパッタリング、または化学蒸着など)を用いて堆積され、その場合、層は50から2000nm、好ましくは500から800nmに含まれる厚さを有してもよい(トラック/電極は、50から200nm、好ましくは80から120nmに含まれる厚さを有し、スパッタリング、熱蒸発、または有機金属インクによるスクリーン印刷によって堆積されてもよい)。
【0022】
層11、またはそれぞれの層11及び/または21は、圧電セラミックベースのペーストを用いて堆積されることができる一方で、電極Eは、金属、好ましくは貴金属のベースを有するペースト(例えばプラチナベースのペースト、または銀ベースのペースト、または銀パラジウムベースのペースト、または銀プラチナベースのペースト)で得られる。
【0023】
圧電層11、またはそれぞれの圧電層11及び/または21は、上記例示されたもの以外の及び/または必ずしも基板上の材料の堆積または成長によることのない技術で得られることができる。例えば、圧電層は、粉体の圧縮及び続くその焼結によって得られる圧電セラミックで作られる本体として構成され、その2つの主面において、電極Eは、次に堆積されまたは塗布され、及びその後対応するトラックTに接続され、その代わりに基板4の上面4aに提供される。
【0024】
図2において、センサSFは、分解図で概略的に表される。わかるように、様々な実施形態において、圧電層11は、長手方向Lに延在し、それぞれ第1の電極E1及び第2の電極E2が配置される2つの対向する主面11a及び11bを有する。基板4の面4a上の少なくとも一部に堆積されるまたは得られる場合において、対応する導電トラックT1及びT2は、それぞれの電極E1及びE2に関連付けられ、それぞれ接続パッドP1及びP2を画定することが好ましい。例において、第2のトランスデューサの圧電層21は、円形状を有し、また円形であることが好ましいそれぞれの電極E22及びE23は、その対向する主面(図示せず)と関連付けられる。また、基板4の面4aの少なくとも一部で得られる対応する導電トラックT22及びT23は、それぞれの電極E22及びE23に関連付けられ、それぞれ接続パッドP22及びP23を画定する。しかしながら好ましくは、圧電層21及び対応する電極E22、E23の円形状は、必須ではないことに留意すべきである。
【0025】
言われたように、例えばスクリーン印刷によってなど、
図1のトランスデューサ10及び20の両方のために上記で例示されたタイプのお互いの上部に積み重ねられた層の堆積を仮定すると、基板4の面4a上に、対応するパッドP2及びP23を備える電極E1及びE23を画定するトラックT2及びT23が第1に堆積され、その後基板4の面4a上に、電極E2及びE23を画定するトラックT2及びT23の部分に圧電層11及び21が堆積され、最後に、トラックT1及びT22が基板4の面4a上に延在する(パッドP1及びP22を備える)その一部を備え、その代わりにそれぞれ圧電層11及び21の上面上に延在する電極E1及びE22を画定するその一部を備えて、堆積される。
【0026】
言われたように、いずれにせよ、電極E1、E2及びE22、E23は、前に焼結によってまたはいくつかの他の方法で得られる層11及び/または21の対向する主面上に形成される個々の部分として構成され、その代わりにトラックT1、T2及びT22、T23が得られる基板4上のトランスデューサ10及び20の組み立ての間、電気的に接続される
【0027】
生産の様式に関係なく、電極E1及びE2は、櫛状電極、すなわち圧電層が延在する方向、ここでは長手方向Lに、圧電層11のそれぞれ2つの対向する主面11a及び11bにおいて延在する少なくとも複数の部分、または歯部、または指部(以後単に「指部」という)をそれぞれ有する電極であることが好ましい。
【0028】
本発明の1つの態様によると、特に
図2を参照しながら、圧電トランスデューサは、また櫛状電極である、またはいずれにせよ圧電層11のそれぞれ2つの対向する主面11a及び11bにおいて長手方向Lに延在する複数の指部を有する、少なくとも1つの第3の電極E3及び少なくとも1つの第4の電極E4を備える。もう一度本発明によって、第3の電極E3の指部は、第1の電極E1の指部と互いにかみ合わされ交互になり、第4の電極E4の指部は、第2の電極E2の指部F2と互いにかみ合わされ交互になる。
【0029】
電極E3及びE4は、電極E1及びE2を形成するために用いられるものと同じ技術を用いて形成されることが好ましく、同じ生産ステップで得られる。したがって、スクリーン印刷技術を用いて積層を堆積する前述の例をもう一度参照しながら、電極E4を備えるトラックT4は、電極E2を備えるトラックT2が基板4上で得られるのと同じ堆積ステップで形成される一方、電極E3を備えるトラックT3は、電極E1を備えるトラックT1が圧電層11上の一部で及び基板4上の一部で得られるのと同じ堆積ステップで形成されるであろう。
【0030】
図3及び4は、層11の上面11aにおいて電極E1及びE3の、層11の下面11bにおいて電極E2及びE4の可能な形状を概略的に例示する。
【0031】
理解されるように、非限定の例において、当該電極E1-E4は、櫛状電極であり、この理由で、お互いに平行に、ここで層11の長手方向Lに実質的に延在することが好ましい、及び/またはそれぞれのブスバまたは分配部分から始まり等しく間隔を空けられることが好ましい(すなわち、それらは実質的に一定の離れた距離である)一連の部分、または歯部または指部を備える。
【0032】
例えば、
図3及び4を参照しながら、対応する電極を識別する数が続く文字「D」及び「F」は、それぞれ電極Eの当該分配部及び対応する指部を正確に指す。言われたように、層11の全く同一の面にある電極Eの指部Fは、互いにかみ合わされる。優先的な形態において、それぞれの櫛状電極Eの指部Fは、実質的に直線的であるが、-しかしながら好ましくは-本質的な特性を構成せず、指部が例えばさらに異なる展開部を有することが可能である。
【0033】
例において、層11の全く同一の面にある2つの電極Eの分配部分Dは、お互いに実質的に平行であるが、この特性でさえ必須であると見なされないべきである。
【0034】
言われたように、上部電極E22と下部電極E23とその間に配置された対応する圧電層21と備えるトランスデューサ20が配置される基板4の部分が、
図5に見える。好ましくは、トランスデューサ20が基板4の連続層の堆積によって得られるとき、層21が、お互いに実質的に同じであることが好ましい電極E22及びE23の周囲寸法より大きい周辺寸法(ここでは周囲)を有することが好ましい。電極E22及び電極E23の周辺寸法と比較して層21の周辺寸法が大きいことにより、例えばスクリーン印刷による、堆積プロセスの間、材料の様々な層の積み重ねを単純化する。トランスデューサ20は、基本的に圧力センサとして動作する。すなわち、層21は、層21が圧縮されたとき、すなわち上部電極E22が下部電極E23に向かって押されたとき、電圧(または電位差)を生じる。
【0035】
その代わりに、言われたように互いにかみ合わされるまたは交互になる少なくとも2つの下櫛状電極(ここでは見えない)と、互いにかみ合わされるまたは交互になる少なくとも2つの上櫛状電極E1及びE3を備える圧電層11を備える、トランスデューサ10が配置された基板4の部分が
図6に見える。例えば、1から600mm
2、好ましくは、2から100mm
2に含まれる層11の領域は、下電極E2、E4、または指部F2及びF4の少なくとも一般的な部分を覆うようなものである。
【0036】
図7-10の断面図から、様々な実施形態において、様々な電極Eの指部Fは、実質的に対称であり、相互に面するまたは対向した位置にあることがわかる。特に、上電極E1のそれぞれの指部F1は、下電極E2のそれぞれの指部F2に実質的に重なりまたは揃えられる位置にあり、下電極E2の指部F2と実質的に等しい形状と大きさを有することが好ましい。同様に、上電極E3のそれぞれの指部F3は、下電極E4のそれぞれの指部F4と実質的に重なりまたは揃えられる位置にあり、下電極E4の指部F4と実質的に等しい形状と大きさを有することが好ましい。
【0037】
例えば、
図11を参照しながら、このタイプの実施形態において、それぞれの上電極E1及びE3の隣接する指部F1及びF3は、実質的にお互いから第1の距離D
1において延在する一方で、全く同一の電極E1の2つの連続した指部F1の間、及び同様に全く同一の電極E3の2つの連続した指部F3の間の距離D
2は、実質的に第1の距離D
1の2倍以下であり、実質的に距離D
1の2倍に等しいことが好ましい。他方で、またそれぞれの下電極E2及びE4の隣接する指部F2及びF4は、実質的にお互いから当該第1の距離D
1において延在し、全く同一の電極E2の2つの連続する指部F2の間、及び同様に全く同一の電極E4の2つの連続する指部F4の間の距離D
2は、また実質的に第1の距離D
1以下であり、実質的に距離D
1の2倍に等しいことが好ましい。
【0038】
圧電層11は、特に次の機械励起の配向とは異なる配向を備える圧電材料の分極を得ることが必須であるとき、前に分極プロセスを受けなければならない、例えばPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)などセラミック材料で作られることが好ましい。この目的のために、一方で下電極E2及びE4の少なくとも1つ、及び他方で上電極E1及びE3の少なくとも1つの間に、単一の方向に層11の内部の電気双極子を配向するように、電場(表示的に1から5kV/mmに含まれる)を加えられる(この操作は、また一般に「ポーリング」(poling)として知られている)。わかるように、分極ステップを実行するために、トランスデューサ10-すなわち層11-は、通常、いかなる場合においても選択される圧電材料の関数としての変数である、キュリー点より低い、例えば120℃から140℃に含まれる、所定の温度に通常加熱される(ここで約350℃のキュリー点を備える圧電セラミックの場合が推定される)。この温度に達した後、電圧は、ある時間、例えば1から50分、好ましくは10分から20分加えられ、この電圧は、その後加熱停止として、材料の次の冷却の間も維持される。
【0039】
圧電効果(すなわち、機械的負荷を受けるまたは変形を受けるとき、電場にさらされるならば、電位差を供給する材料の容量)は、本質的にその結晶格子のゆがみに基づく。例えばPZTなど、非常に一般的なタイプの圧電セラミックは、キュリー点より高い温度であるとき、面心立方格子によって区別され、面の頂点に、金属(例えば鉛)の原子があり、面の中心に、酸素原子があり、格子の中心に、酸素より重い原子(例えばチタンまたはジルコニウム)がある。キュリー点より低い格子は、チタンとジルコニウムの対応するパーセンテージの関数として、正方または菱面体である。50%に近い濃度が通常用いられ、両方の層は同時に存在する。例えば約60%のチタンと40%のジルコニウムなど、高いキュリー点を有するチタンを優先して不均衡なPZTの組成物を用いることは利点がある。200℃の領域の温度を超えない場合において、いずれにせよ45%から55%相対濃度、好ましくは52%のチタンの相対濃度が含まれる結晶境界領域の近くに留まることが望ましい。圧電センサの反応を改善するために、例えばニオブなど、ドーパントを用いる(好ましくは1重量%未満の濃度)ことが有利である。
【0040】
最も重い中心原子は、非対称な安定位置を推定し、電荷の不均衡を引き起こし、電気双極子の形成をもたらす。この理由で、圧電材料は、通常加熱によって支持される、非常に強い電場によってバイアスをかけられ、望まれるようにその双極子を配向し、集団分極を引き起こし、機械的に、熱的に、または電気的に材料の応力の限界で安定する。分極プロセスの終わりに、材料は、その格子でゆがめられ、質量及び電荷の変位と同じ機構で、機械的または電気的応力に反応し、その表面に電荷の変化を発生する。材料がバイアスをかけられなくても、現象は発生するが、様々な領域がランダムに配置されるので、様々な効果が取り消される。
【0041】
分極は、正電位(+)における分極電極と負電位(-)における分極電極の間で交互になる方向を備える圧電層11の平面にある。最近、どのように分極ステップにより負電位分極の極に向かって酸素空孔の移動を引き起こすかが示された(例えば、G.Holzlechnerら、「電場影響下のPbZrxTil-xO3(PZT)酸素空孔再分配」、Solid State Ionics 262:625-629,2014参照)。さらに、どのように高濃度の酸素空孔により、圧電セラミックの分極の減少を引き起こすかが示された(例えば、A. B. Joshiら、「結晶化に対する酸素空孔の影響及びPZTの圧電性能」、Ferroelectrics Vol. 494,117-122,2016)。
【0042】
本明細書で考慮される特定の場合において、この理由で、分極ステップにおいて正電位において配置される電極の近くの層11の圧電材料の品質が高いであろう。「材料の品質」は、この場合において低濃度の酸素空孔により結晶格子のさらなる整然とした構造、または逆に例えばPZTの結晶である最も一般的な場合において、鉛(Pb=A)、ジルコニウムまたはチタン(B=ZrまたはB=Ti)に対応するABO3タイプの結晶の形態で利用可能な全ての酸素部位を占める、理想の場合の高濃度の酸素イオンを意味する。この理由で材料の分極は、正電位に接続される電極の近くでさらに非常に強く、(負)酸素イオンは、移動し、負電位に接続される電極の近くで(正)酸素空孔を残す。
【0043】
本発明の1つの態様によると、圧電層11の分極は、圧電トランスデューサ10がせん断応力を検知するために用いられるとき、その後選択される同じ電極の電気接続の形態と異なる様々な上及び下櫛状電極の電気接続の形態で実行される。
【0044】
言い換えると、層11は、圧電材料の第1の層の分極の目的及び層11自身で発生される電気信号のその後の測定または検知の目的の両方の少なくとも一部に役立つ電極を備える。
【0045】
図11は、この目的のためにトランスデューサ10、すなわち圧電層11を分極する可能なステップを概略的に表し、電極E1及びE2は、負電位(-)に一緒に接続される一方で、電極E3及びE4は、正電位(+)に一緒に接続され、電極E1及びE2とは電気的に絶縁される。この理由で、酸素イオンは、指部F3及びF4の間に含まれる領域の近く、電極の下に重なる領域の一部、及び正に帯電された指部F3-F4の最も近い領域の一対の指部F3-F4とF1-F2の間の電極のない領域の一部、で集中される傾向がある一方で、酸素空孔は、指部F1及びF2の間に含まれる領域の近く、電極の下に重なる領域の一部、及び負に帯電された指部F1-F2の最も近い領域の一対の指部F3-F4とF1-F2の間の電極のない領域の一部で集中される傾向がある。
【0046】
図11において、層11の中心において小さい矢印VPは、一方で電極E1及びE3、他方で電極E2及びE4の間の電位差の適用によって決定される分極ベクトルを表す。理解されるように、PAによって指定される分極軸は、方向Wに延在し、すなわち長手方向Lを横断する。お互いの上に重なるそれぞれ一対の指部F1-F2とF3-F4の間に軸方向(方向H)に延在する圧電材料の領域は、当該一対の指部の間の横断する方向(方向W)に延在する材料の領域より分極されない。これは、基本的に薄く長くされる傾向がある当該一対の指部の間に配置された分極領域の変形による。
【0047】
その代わりに、
図12は、は、検知の目的のためのトランスデューサ10の後の使用において、どのように電極E1-E4が、層11の分極の間用いられる電気接続と異なる電気接続の形態で利用されるかを描く。
【0048】
特に、上電極E1及びE3は、電気的に一緒に接続される(ここで純粋に例として正電位+へ)一方で、下電極E2及びE4は、電気的に一緒に接続され(ここで純粋に例として、負電位-へ)及び他の2つの電極E1及びE3から電気的に絶縁される。この方法において、長手方向Lの少なくとも1つの成分を有する圧電層11に加えられるせん断応力は、一方で電極E1及びE3と他方でE2及びE4の間で電位差を発生し、その値は、加えられたせん断応力に実質的に比例する。
【0049】
図13は、この目的のために分極ベクトルVPの挙動を概略的に強調する意図があり、そのまさに2つは、拡大して概略的に表される。層11が指部Fの伸長の方向の(ここで実質的に長手方向Lの)、及びこの理由で実質的に分極軸を横断するまたは垂直な方向の少なくとも1つの成分を有するせん断応力SSを受けるとき、ベクトルVPの異方性の回転は、もたらされ、上電極E1及びE3と下電極E3及びE4の間で電荷の発現を引き起こす。
【0050】
-上電極E1及びE3の指部が下電極E2及びE4の指部と面するまたはそれに重なる、上電極E1及びE3の指部F1及びF3と下電極E2及びE4の指部F2及びF4の間の対称配置によって区別される-
図11-13を参照して記載される実施形態は、長手方向Lに起きる(または少なくとも1つの成分を有する)層11の変形の検知を可能にする。このタイプの動作は、前に言われた酸素空孔の移動のために得られる非対称の分極に基づくが、指部Fの間の異なる相対位置決め及び/または分極と使用の間の電極Eの電気接続の異なる形態で、異なるモードの動作が得られるので、本発明の本質的な特性を構成しない。
【0051】
例えば、
図14-23は、上電極E1,E3及び下電極E2,E4、すなわち対応する指部の間で非対称配置によって区別される実施形態に言及する。
図14及び15から、どのようにセンサFSの一般構造が前に既に記載されたものと実質的に同様であり、同様に例えばスクリーン印刷による積層の堆積の技術を使用して、用いられる製造の様式が類似していることがわかる。
図16-20から、その代わりに2つの区別される電極の隣接する指部の間の距離が全く同一の電極の2つの連続した指部の距離未満である、電極Eの指部Fの異なる配置が理解される。
【0052】
特にまた
図21を参照しながら、このタイプの様々な実施形態において、それぞれの上電極E1及びE3に属するお互いに近い隣接する指部F1及びF3は、実質的にお互いから第1の距離D
1において(ここで長手方向Lに)延在する一方で、全く同一の電極E1の2つの連続した指部F1の間の離れた距離D
2は、距離D
1の2倍より大きい(例において、約距離D
1の3倍)。また全く同一の電極E3の連続した指部F3は、実質的にお互いから距離D
2である。またそれぞれの上電極E1及びE3に属するお互いにあまり近くない隣接する指部F1及びF3は、距離D
2未満である離れた距離D
3だけ離れて延在する(例において、距離D
1の約2倍)ことに留意すべきである。
【0053】
他方で、それぞれ下電極E2及びE4に属するお互いに近い隣接する指部F2及びF4は、実質的にお互いから当該第1の距離D1において(ここで長手方向Lに)延在し、全く同一の電極E2の連続した指部F2、同様に全く同一の電極E4の連続した指部F4は、実質的に前記距離D2にある。またそれぞれ下電極E2及びE4に属するお互いにあまり近くない隣接する指部F2及びF4は、実質的にお互いから距離D3において延在する。
【0054】
図21から及び
図18及び20の詳細図から、さらにどのように電極E1のそれぞれの指部F1が、電極E2のそれぞれの指部F2に実質的に重なりまたは揃えられる位置にあるか及びどのように電極E3のそれぞれの指部F3は、電極E4のそれぞれの指部F4に実質的に重なりまたは揃えられる位置にあるかわかる。
【0055】
また、この場合において、圧電層11の分極は、圧電トランスデューサ10がせん断応力を検知しなければならないとき用いられる電気接続の形態と異なる様々な電極の電気接続の形態で実行される。
【0056】
図21は、この目的のためにトランスデューサ10、すなわち圧電層11の分極の可能なステップを概略的に表し、その過程で電極E1及びE2は、負電位(-)に電気的に一緒に接続され、電極E3及びE4は、正電位(+)に電気的に一緒に接続され、他の2つの電極E1及びE2から電気的に絶縁される。また、この場合において、層11の中心における矢印VPは、分極ベクトルを表し、一方で電極E1及びE2と他方で電極E3及びE4の間の電位差の適用によって決定される。
【0057】
その代わりに、
図22は、どのようにせん断応力の検知の目的のためのトランスデューサ10の効果的な使用において、電極E1-E4の電気接続の形態が層11の分極の間、使用される電気接続と異なるかを描く。特に、上電極E1及びE3は、電気的に一緒に接続され(ここで純粋に例として、正電位に+)、下電極E2及びE4は、電気的に一緒に接続され(ここで純粋に例として、負電位に-)、他の2つの電極E1及びE3から電気的に絶縁される。
【0058】
この方法において、
図23で例示したように、長手方向Lを横断する方向に層11に加えられるせん断応力SSは、一方で電極E1及びE3と他方で電極E2及びE4の間で、せん断応力SSに比例する値を有する電位差を発生する。電極に電荷を発生する分極ベクトルの変化は、せん断応力によって引き起こされる分極ベクトルの回転と見なされる。また、読み取りは、例えば電極E1及びE2など、対向する面の一対の電極のみを接続することによってなされる。
【0059】
図24-32は、上電極E1,E3及び下電極E2,E4の間、すなわち対応する指部Fの間に非対称な配置、特に上電極E1,E3の少なくとも1つの指部が方向Wにおいて下電極E2,E4の少なくとも1つの指部に対して交互に配列された配置によって区別される他の実施形態に言及する。
【0060】
図24及び25から、どのようにセンサFSの一般構造が
図14-23(当該交互に配列された配置と離れて)を参照して描かれたたものと実質的に同様か、同様に例えばスクリーン印刷によって積層の堆積の技術を使用して、用いられる製造の様式が類似しているかが理解される。
【0061】
図26-29から、その代わりに、電極Eの指部Fの異なる配置が理解される。またこの場合において、2つの区別される電極の隣接する指部の間の距離は、全く同一の電極の2つの連続した指部の間の距離未満であるが、上電極の指部Fは、少なくとも部分的に下電極の指部に対して交互に配列された位置にある。
【0062】
また、特に
図30を参照しながら、
図18-19及び21-22の場合と同様な方法で、このタイプの様々な実施形態において、それぞれの上電極E1及びE3に属するお互いに近い隣接する指部F1及びF3は、実質的にお互いから第1の距離D
1において(ここで、長手方向Lに)延在する一方で、全く同一の電極E1の2つの連続した指部F1の間の距離D
2は、距離D
1の2倍より大きい(例において、距離D
1の約3倍である)。また、全く同一の電極E3の連続した指部F3は、実質的に距離D
2離れている。また、それぞれの上電極E1及びE3に属するお互いからあまり近くない隣接する指部F1及びF3は、距離D
2未満であるお互いから距離D
3において延在する(例において、距離D
1の約2倍)ことに留意すべきである。他方で、それぞれの下電極E2及びE4に属するお互いから近い隣接する指部F2及びF4は、実質的にお互いから距離D
1において(ここで長手方向Lに)延在し、全く同一の電極E2の連続した指部F2、同様に全く同一の電極E4の連続した指部F4は、実質的に距離D
2にある。また、それぞれの下電極E2及びE4に属するお互いにあまり近くない隣接する指部F2及びF4は、実質的にお互いから距離D
3において延在する。
【0063】
図27、28及び30の配置は、上電極E3のそれぞれの指部F3が下電極E4のそれぞれの指部F4に対して交互に配列された位置にあり、上電極E1のそれぞれの指部F1が下電極E2のそれぞれの指部F2に対して交互に配列された位置にあり、好ましくは、上電極E1のそれぞれの指部F1が、下電極E4のそれぞれの指部F4に実質的に重なるまたは揃えられる位置にある、
図18-19及び21-22の配置と異なる。さらに一般に、2つの上電極E1及びE3の1つのそれぞれの指部Fは、2つの下電極E2及びE4の1つのそれぞれの指部Fに実質的に重なるまたは揃えられる位置にある一方で2つの上電極E1及びE3の他の1つのそれぞれの指部Fは、2つの下電極E2及びE4の他の1つのそれぞれの指部Fに対して実質的に交互に配列された位置にある。言われたように、描かれた例において、上電極E1の指部F1は、下電極E4の指部F4に重なるまたは揃えられる位置にある一方で、上電極E3の指部F3は、下電極E2の指部F2に対して交互に配列された位置にある。
【0064】
また、この場合において、圧電層11の分極は、圧電トランスデューサ10がせん断応力を検知するために使用されるとき用いられる形態と異なる様々な電極の電気接続の形態で実行される。
【0065】
図30は、この目的のためにトランスデューサ10、すなわち圧電層11を分極するためのステップを概略的に表し、その進行において、4つの電極E1,E2,E3及びE4は、お互いに電気的に絶縁され、電位差は、2つの上電極の1つ、ここで正電位(+)に設定される電極E3と2つの下電極の1つ、ここで負電位に設定される電極E2の間に加えられ、電位差が加えられる2つの電極は、指部Fが相互に交互に配置された位置にある(ここで電極E2及びE3の指部F3及びF2)1つであることが好ましい。もう一度、層11の中心における矢印VPは、分極ベクトルを表し、電極E3とE2の間の電位差の適用によって決定される。せん断応力に対応する信号は、また電極E1とE4の間の分極を実行することによって得られ、その後、電極E3及びE2を用いて変形を測定するが、その代わりに一般に切り離されるべき通常圧縮からの信号に大きな効果がある。
【0066】
分極ベクトルVPは、正電位(+)に設定された電極E3の指部F3と負電位(-)に設定された下電極E2のそれぞれの指部F2の間の異なる距離を与えられる、異なる値を有する。層11は、異なる分極を備える領域を有する。
【0067】
その代わりに、
図31は、トランスデューサ10の効果的な使用において、どのように電極E1-E4が層11の分極の間に用いられる形態と異なる形態で電気的に接続されるかが描かれる。特に、4つの電極E1,E2,E3及びE4は、もう一度お互いから電気的に絶縁され、電極E1とE4の間で、せん断応力の結果として生じる層11に誘起された電位差が検知される(描かれた非限定の例において、電極E1が負電位-を検知し、電極E4が正電位+を検知する)。そのためせん断応力を検知する目的のために用いられる電極Eは、指部がお互いに実質的に重なる、または揃えられる位置にある電極であることがこのましいことが理解されるであろう。
【0068】
この方法において、
図32で例示されたように、長手方向Lを横断する方向に層11に加えられるせん断応力SSは、電極E1とE4の間に当該せん断応力SSに比例する値を有する電位差を発生する。電極に電荷を発生する分極ベクトルの変化は、せん断応力によって引き起こされる分極の回転と見なされる。
【0069】
前に記載された実施形態の例において、2つの上櫛状電極E1及びE3並びに2つの下櫛状電極E2及びE4は、圧電層11と関連する。しかしながら、他の実施形態において、櫛状電極の数は、より多く、及び/または上電極及び/または上指部の数は、下電極及び/または下指部の数と異なることができる。例えば、
図33-44は、電極E1-E4に加えて、また少なくとも2つのさらなる電極、及び圧電層11の2つの対向する面11a及び11bにおいて長手方向Lに延在する、好ましくは等しく離れた距離間隔を空けられる、複数の指部F5及びF6をそれぞれ有する、特にさらなる櫛状上電極E5及びさらなる櫛状下電極E6を予測する実施形態に言及する。また、電極E5の指部F5は、他の2つの上電極の指部F1及びF3と互いにかみ合うまたは交互に並び、電極E6の指部F6は、他の2つの下電極の指部F2及びF4と互いにかみ合うまたは交互に並ぶ。
【0070】
図33及び34から、どのようにセンサFSの一般構造は、実質的に前に記載されたものと同様であり、同様に例えばスクリーン印刷による積層の堆積の技術を使用して用いられる製造の様式と類似していることが理解される。電極E5及びE6は、一方で電極E1及びE3並びに他方で電極E2及びE4を形成するために用いられるものと同じ技術を用いて、同じ生産ステップで形成されることが好ましい。
【0071】
層11のそれぞれの主面における3つの電極の存在を与えられる、この場合において、また電気的に絶縁材料の層は、提供されることが好ましいことに留意すべきである。これらの電気的に絶縁層の存在は、また層11及び/または電極EまたはトラックTにおいて用いられるそれら(明らかに電気的に絶縁材料を用いて)と同じ堆積プロセスを用いて堆積されることができ、電極及びそれらの堆積の設計を単純化することができ、電極Eの堆積部分Dの間の短絡のリスクを排除する。
【0072】
例えば、
図34を参照しながら、絶縁層は7によって指定され、電極E5とE1の電気接触を防ぐために、電極E1の分配部分D1の少なくとも一部上に重なるように設計される。同様に、8によって指定される絶縁層は、電極E6とE2の電気接触をふせぐために、電極E2の分配部分D2の少なくとも一部上に重なるように設計される。
【0073】
特に、
図36及び37から、層7の位置及びどのように層7が電極E1の部分D1の少なくとも一部、及び場合によっては、圧電層11の上面11aに配置される対応する指部F1の小さな最初の伸長部を覆うかわかる。同じ図から、どのように電極E5の分配部分D5が基板4の面4aに配置されることが好ましく、どのようにこの分配部分D5から、対応する指部F5の電気接続のために実質的に絶縁層7をまたがる導電トラックB5の部分が離れるかがわかる。
【0074】
その代わりに、
図38及び39は、絶縁層8の位置を強調する。これらの図は、圧電層11の堆積に先んじる状態においていくつかのトラックTといくつかの電極Eを備える基板を描くことがわかる。理解されるように、特に
図39から絶縁層8は、電極E2の分配部分D2の少なくとも一部、及び場合によっては基板4の主面4aに配置される対応する指部F2の小さな最初の伸長部を覆う。また、電極E6の分配部分D6は、基板4の面4aに配置されることが好ましく、この分配部分D6から、対応する指部F6に接続するために実質的に絶縁層8をまたがる導電トラックB6のそれぞれの部分が離れる。
【0075】
図40-41から、その代わりに、2つの区別される電極の隣接する指部の間の距離が全く同一の電極の2つの連続した指部の間の距離未満であり、上電極E1,E3,E5の指部Fは、実質的にそれぞれ下電極E2,E4,E6の指部F2,F4,F6に重なるまたは揃えられる、6つの電極Eの指部Fの配置が理解される。
【0076】
特に、また
図42を参照しながら、それぞれの上電極E1,E3及びE5の隣接する指部F1,F3及びF5は、実質的にお互いから第1の距離D
1において、すなわち実質的に一定ピッチで(ここで長手方向Lに)延在する。全く同一の電極E1の連続した指部F1の間、同様に全く同一の電極E3の連続した指部F3の間、及び全く同一の電極E5の連続した指部F5の間の距離D
2は、実質的に距離D
1の3倍以上であり、好ましくは距離D
1の約3倍である。
【0077】
上電極Eの指部Fの少なくともいくつかの間の距離は、お互いと少なくとも一部が異なることができ、下電極Eの指部Fの少なくともいくつかの間の距離は、お互いと少なくとも一部が異なることができる。
【0078】
下電極E2,E4及びE6の指部Fの形状と配置は、実質的に上電極F1,F3及びF5の指部のそれと鏡面反射である。したがって、またそれぞれの下電極E2,E4及びE6の隣接する指部F2,F4及びF6は、実質的にお互いから距離D
1であり、全く同一の電極E2の連続した指部F2の間、同様に全く同一の電極E4の連続した指部F4の間、及び全く同一の電極E6の連続した指部F6の間の距離D
2は、実質的に距離D
1の3倍以上であり、好ましくは距離D
1の約3倍である。もう一度、
図41及び42からどのように上電極E1,E3及びE5のそれぞれの指部F1,F3及びF5が、下電極E2,E4及びE6のそれぞれの対応する指部F2,F4及びF6に実質的に重なるまたは揃えられる位置にあるかがわかる。
【0079】
また、この場合において、圧電層11の分極は、圧電トランスデューサ10がせん断応力を検知するために使用されるとき、用いられる電気接続の形態と異なる様々な電極E1-E6の電気接続の形態で実行される。
【0080】
図42は、この目的のために次の間のトランスデューサ10の分極、すなわち圧電層11の分極のステップを概略的に表す。
-指部がお互いに重なり(及びこの理由で、電極E1及びE2、または電極E3及びE4、または電極E5及びE6)、他の電極から電気的に絶縁される第1の一対の電極であって、第1の一対の2つ電極は、またお互いに電気的に絶縁される、第1の一対の電極、
-指部がお互いに重なり、他の電極から電気的に絶縁される第2の一対の(第1の対とは異なる)電極であって、第2の一対の2つ電極は、一緒に電気的に接続される、第2の一対の電極、
-指部がお互いに重なり、他の電極から電気的に絶縁される残りの第3の一対の(第1及び第2の対と異なる)電極であって、第3の一対の2つ電極は、一緒に電気的に接続される、第3の一対の電極、
-分極のために必要な電位差は、一方で第2の一対の電極と他方で第3の一対の電極の間に加えられる。
【0081】
図42の具体的な例において、当該第1の対は、電極E1及びE2によって形成され、第2の対は、電極E3及びE4によって形成され、負電位(-)に接続され、第3の対は、電極E5及びE6によって形成され、正電位(+)に接続される。また、この場合において、層11の中心の矢印VPは、分極ベクトルを表し、一方で電極E3-E4と他方で電極E5-E6の間の電位差の適用によって決定される。
【0082】
その代わりに、
図43は、トランスデューサ10の効果的利用の間、どのように電極E1-E6の電気接続の形態が、層11の分極の間用いられるものと異なるかを描く。特に全ての6つの電極E1-E6は、お互いに電気的に絶縁され、長手方向Lを横断する方向に圧電層11に加えられるせん断応力SSは、-指部Fがお互いに重なる2つの電極の間で-せん断応力SSに比例する値を有する電位差を生成する。
図43におけるように、せん断応力SSの強度を検知するために用いられる電極は、分極の間用いられない電極であることが好ましく、すなわち、当該第1の対のそれらである(描かれる例において、電極E1及びE2、または対応する指部F1及びF2)。
【0083】
この方法において、
図44に例示されるように、長手方向Lを横断する方向の層11に加えられるせん断応力SSは、電極E1及びE2の間に当該せん断応力SSに比例する値を有する電位差を発生する。電極に電荷を発生する分極ベクトルの変化は、せん断によって引き起こされる分極ベクトルの回転と見なされる。
【0084】
もちろん、またトランスデューサ20の圧電層21は、前に分極を受ける。圧電層21の場合において、
図5に示されるように、対応する分極軸は、層21によって識別される平面を横断する方向(H)に延在する。この場合において、読み取りの間、用いられる電極は、分極の間用いられる電極と同じである。
【0085】
様々な応用において、前に記載された機械応力センサFSは、独自のケースを備える。
【0086】
例えば
図45-47を参照しながら、前に記載された可能な実施形態による機械応力センサFSを一体化するセンサ装置が1によって全体として指定される。センサ装置1は、様々な実施形態において、固定位置に固定されるように構成された支持構造を有する。様々な実施形態において、例えば例示されるものとして、支持構造は、容器またはケースを形成するためにお互いに連結されることができる、例えば熱可塑性または金属材料で作られた、少なくとも2つの部品2及び3を備える。
【0087】
また
図48-49を参照しながら、様々な実施形態において、ケース部品2は、前に記載された平面基板4と関連し、取り付けられたベースを提供する。代わりに、基板4は、装置1の支持基板2または3の部品を一体化するまたは形成することができ、例えばスクリーン印刷による堆積によってまたは部品2及び/または3の少なくとも1つに電極の少なくともいくつか及び/または少なくとも1つの圧電層を取り付けることによって得られる。
【0088】
基板4は、ケース部品2上の固定位置に取り付けられることが好ましい。この目的のために、様々な実施形態において、部品2は、場合によって基板4の係合または固定レリーフまたは要素及び/または位置決め要素を備える、基板4の少なくとも一部を受け入れるように構成される、台座2aを画定する。
【0089】
基板4は、台座2a内の位置に固定される(例えば接着、溶接、係合、ねじによる固定など)、または基板4のプロファイルは、実質的に台座2aのプロファイルと相補的である、またはいずれにせよ基板は台座に、その相対的な位置決め及び/または固定のために、遊びなく、場合によってはわずかに干渉して受け入れられるように構成される。
【0090】
ケース部品3は、部品3が部品2の上部に設置された後、台座2aが、例えば台座2a内に基板4を固定及び/または位置決めするために少なくともその周辺領域において閉じられることができる、それぞれの壁3aに実質的に蓋を提供する。
【0091】
様々な優先的な実施形態において、センサ1は、5によって全体として指定される検知部品を備え、ここで部品2,3及び基板4を備える支持構造に対して動作を実行するまたは変形を受けることができる。部品5の変位または変形の能力は、トランスデューサ10によって、機械的応力、すなわちせん断応力及び場合によっては通常応力を検知する目的がある。この目的のために、様々な実施形態において、部品5は、装置1に一体化されるセンサFSのトランスデューサ10、及び場合によっては、想定される場合またトランスデューサ20に機械的に関連する。例えば、センサ装置1が加速度計であることを想定すると、その部品5は、大きな塊であると推定される。
【0092】
特に
図48及び49で見られるように、様々な実施形態において、部品3の壁3aは、検知部品5が取り付けられるスルー開口3bを定義する。開口3bは、例えば、壁3aから上がる実質的に管状形態によって周辺に区切られる。非限定の例において、部品5は、開口3bの対応する周辺プロファイルまたは端部3b’に連結するための形状にされる周辺プロファイル5a’を有する壁5aを備え、好ましくは、要素5は、小さな横変位すなわち、少なくとも方向L及び/またはWの可能性、場合によっては方向Hの最小軸変位の可能性であるがその可能性と共に、開口3b内に保留される。
【0093】
例えば、もう一度描かれる非限定の例を参照しながら、プロファイル5a’は、壁5aの周辺端部に沿って形成される段差を備える一方、開口3bは、プロファイル3b’を提供し、当該段差と係合するために設計されるそれぞれの突出端部を有する。例えば、
図50及び51のJによって指定される詳細図から理解されるように、例示された配置は、要素5がケース部品3の開口3bを通って下から挿入され、ケース部品3が、下に重なるケース部品2に固定された後、要素5それ自身が、上から滑り出さないようにされる。
【0094】
様々な実施形態において、検知部品5の壁5aは、好ましくは上に突き出るそれぞれ上部5b
1、下に突き出る少なくとも1つの下部5b
2及び/または5b
3(特に
図49を参照)を有する中心要素5bを備える。当該中心要素5b、またはその部分5b
1-5b
3は、壁5aである、または壁5aと一体に形成される、またはそれに適用される部品として構成されることができる。
【0095】
前に見られるように、様々な実施形態において、装置1に一体化されるセンサFSは、2つの異なる圧電トランスデューサを含み、すなわち
図50-51でも10及び20によって指定されるそれらは、区別できる要素として表されるが、例えばまた異なって分極された領域を備える、電極部品または単一の圧電層など、共通のいくつかの要素または部品も有する。この目的のために、描かれた例において、中心要素5bは、それぞれトランスデューサ10及びトランスデューサ20と協働するべきである、2つの異なる下部5b
2及び5b
3を備える。理解されるように、下部5b
2は、トランスデューサ10上にあるように設計される一方で、下部5b
3は、トランスデューサ20上にあるように設計される。部分5b
2は、トランスデューサ10に機械的に拘束される(例えばそこに接着される)、またはいずれにせよ検知部品5の横断する方向の変位がトランスデューサ10に移されるようにそこにあるそれの上に横たわるまたはそこに接着するまたは拘束されることが好ましい。他方で、トランスデューサ20は、圧力トランスデューサであることが好ましく、当該部分5b
3の下方への変位がトランスデューサ20の圧縮を引き起こすために実際に十分であるので、下部5b
3がトランスデューサ20に拘束されることは厳密に必要ない。言うまでもなく、下部5b
2及び5b
3は、トランスデューサ10及び21の両方の上に重なる単一の下部によって置換される。
【0096】
様々な実施形態において、中心要素5bの上部5b1は、一般オブジェクトに関連するように設計され、その変位は、検知されるが、当該上部は、例示されたものとは異なる形態を有し、またはさらに例えば検知部品の壁5aに直接当該オブジェクトを拘束することによって除外されることができる。検知部品5は、さらに問題のオブジェクト少なくともトランスデューサ10に直接関連する場合、なくてもよい。同様に、また、中心要素5bのそれぞれの下部5b2及び/または5b3は、描かれるまたはさらに除外されるものと異なった形状にされることができる。述べられたように、部品5(中心要素5bを備えるまたは備えない)は、それ自身検知要素を構成することができる(例えば部品5が加速度計の大きな塊を提供するとき)
【0097】
最後に、装置1は、外部システムと電気接続するための、コネクタ6を備える。コネクタ6は、それぞれのコネクタ本体を有し、ケース部品2及び3(例において、部品3)の少なくとも1つと関連するまたは例えば電気コネクタ6の少なくとも一部を提供するような形状にされた本体部品3など、当該ケース部品に一体化される。電気端子(そのいくつかは
図49-50で6aによって指定される)は、コネクタ本体内に配置され、それぞれは、基板4に提供されるそれぞれのパッドPと電気接続して配置されるように設計される内側端部を有する。
図49は、6つの端子6aの場合を例として挙げるが、
図33-44によるセンサFSを一体化する装置の場合において、明白に、端子6aは、8つであろう(トランスデューサ10のために6つ及びトランスデューサ20のために2つ)。層11及び/または20の分極に必要とされる層11の処理温度に耐えることができるケース本体の場合において、コネクタ6は、前に記載されたものによる電気接続の第1の形態で、分極を実行するために用いられる生産装備に接続するために第1に利用されることができる。その後、装置1の設置時に、同じコネクタ6は、前に記載されたものによる電気接続の第2の形態で、行われた検知を使用する外部システムへトランスデューサ10及び/または20を電気接続するために利用されることができる。
【0098】
記載されたものから、どのくらい本発明による応力センサの生産と動作が単純で信頼できるかが理解される。
【0099】
記載される応力センサの実質的な利点は、電気接続の第1の形態で、材料を分極するために生産ステージ及び次にまた電気接続の第2の形態で、検知の目的のためにセンサの最終使用の間の両方で利用される、電極の所定の構造を開始から最初からまさに提供できる事実によって表される。この方法において、分極電極を製造する第1のステージと検知電極を製造する次のステップに提供しなければならないという問題は、取り除かれる。すなわち、現状のまま、従来技術の典型的であるように、複雑な組み立て及び電極の交換に頼る必要はない(例えばMarcelo Areias Trindadeら、「厚させん断圧電マクロ繊維複合材料の効果的材料特性の評価」COBEM 2011,機械技術者の第21回国際会議の議事録,2011年10月24-28日,ナタール,RN,ブラジル)。この理由で、また本発明は、装置及び/または生産プロセスの単純化ができる。
【0100】
後続の請求項によって定義されるように発明の範囲から逸脱することなく、例によって記載されるセンサ及び方法に対して多くの変形が、当業者によってなされることが明確である。同様に、上記実施形態を参照して記載される個々の特性は、他の実施形態にお互いに組み合わされることが明確である。
【0101】
5によって前に指定された部品は、センサFSのケースの部品と一体に提供されることができる。例えば、ケース部品3自身の一部を構成することができる。この種類の不可欠な部分は、例えば、方向L及び/またはW及び/またはHの最小の動作であっても伝えるように設計される弾性材料で作られる(好ましくはケース部品3の、堅い本体にオーバモールドされる)。
【0102】
言及されたように、しかしながら好ましくは、指部Fの実質的に長方形の形状は、本質的な特性を構成しない。実際に指部は、例えばS字形状またはジグザク形状の電極など、長手方向Lに対して曲げられ及び/または角度を付けられた伸長によって区別される展開部を有する。そのような場合は、電極E1及びE3を示す、
図52に例示される。この場合において、対応する下部(図示せず)は、同様の長手方向の展開部を有するであろう。
【0103】
例えば距離D1及び/またはD2及び/またはD3など、前に提供される例で言及される距離は、優先的であるが限定されるものではないと理解されなければならず、すなわち、電極の指部の間の距離及び/または対応する配置または互い違いは、例で示されたものと異なることができる。提供される非限定の例において、分極とせん断応力の検知は、全く同一の方向(ここでは長手方向L)に延在する指部Fを参照して記載される。しかしながら、また電極Eの他の部分は、例えば指部Fを接合する電極の部分Dなど、検知に貢献し、特にせん断応力の場合において、指部の伸長の方向に少なくとも1つの成分を有する(
図13の場合におけるように)。さらに一般的に、様々な実施形態において、電極Eは、第1の方向(ここで長手方向L)に延在する第1の部分Fと当該第1の部分Fを横断する方向(ここで幅Wの方向)に延在する第2の部分Dの両方を予測し、電極Eの当該部分D及びFは、分極及び/または測定に関与する。
【0104】
電極は、圧電材料11の層の長手方向L及び幅Wの方向の少なくとも1つの代わりに、当該長手方向及び幅の方向に対して角度が付けられたまたは斜めの方向に延在するような形状であることができる。