(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】磁界発生システム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20230502BHJP
G01N 24/00 20060101ALI20230502BHJP
G01R 33/383 20060101ALI20230502BHJP
H01F 7/02 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
A61B5/055 331
G01N24/00 600P
G01R33/383
H01F7/02 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021072310
(22)【出願日】2021-04-22
(62)【分割の表示】P 2019568312の分割
【原出願日】2018-07-08
【審査請求日】2021-07-08
(32)【優先日】2017-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508135530
【氏名又は名称】アスペクト イメージング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】ラポポルト ウリ
(72)【発明者】
【氏名】コーエン ヨラム
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドファーブ ヤイール
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-326118(JP,A)
【文献】特開2007-165741(JP,A)
【文献】特表2008-545492(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105390229(CN,A)
【文献】特表2016-522412(JP,A)
【文献】特表2020-526243(JP,A)
【文献】国際公開第97/028544(WO,A1)
【文献】米国特許第08405479(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
G01N 24/00
G01R 33/383
H01F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望の磁界強度および所望の磁界方向を有する磁界を発生するシステムであって、
第1の磁化方向を有し、複数の第1の磁気セグメントを含む第1の磁石であって、
複数の第1の磁気セグメントの各々は、複数の第1の磁気セグメントの
うちの別の1つ
の第1の磁気セグメントに隣接して位置し、
複数の第1の磁気セグメントの各々は、
1つの磁化方向を有
し、
複数の第1の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの磁気セグメントの磁化方向は、複数の第1の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの他の磁気セグメントの磁化方向と異なる、
第1の磁石と、
第2の磁化方向を有し、前記第1の磁石に隣接しており、複数の第2の磁気セグメントを含む第2の磁石であって、
複数の第2の磁気セグメントの各々は、複数の第2の磁気セグメントの
うちの別の1つ
の第2の磁気セグメントに隣接して位置し、
複数の第2の磁気セグメントの各々は、
1つの磁化方向を有
し、
複数の第2の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの磁気セグメントの磁化方向は、複数の第2の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの他の磁気セグメントの磁化方向と異なる、
第2の磁石と、
前記第1の磁石に隣接する強磁性体エレメント
であって、
複数の強磁性セグメントを含み、
複数の強磁性セグメントの各々は、複数の強磁性セグメントのうちの少なくとも他の1つに隣接して位置する、
強磁性体エレメントと、
を含む、システム。
【請求項2】
複数の第1の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの磁気セグメントの磁化方向は、前記第1の磁石における前記少なくとも1つの磁気セグメントの位置に基づいて決定される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
複数の第2の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの磁気セグメントの磁化方向は、前記第2の磁石における前記少なくとも1つの磁気セグメントの位置に基づいて決定される、
請求項
1に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは
、磁気共鳴イメージングデバイ
スであり、
前記システムは、測定体積磁界強度および測定体積磁化方向を有する測定体積をさらに含み、
前記第1の磁石は、第1の磁界強度を有し、
前記第2の磁石は、第2の磁界強度を有し、
前記第1の磁界強度、前記第1の磁化方向、前記第2の磁界強度および前記第2の磁化方向は、前記測定体積磁界強度および前記測定体積磁化方向に基づいて決定される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
複数の第1の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの磁気セグメントは、複数の第1の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの他の磁気セグメントに隣接しており、
複数の第1の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの磁気セグメントの磁化方向は、複数の第1の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの他の磁気セグメントの磁化方向に基づいて決定される、
請求項
1に記載のシステム。
【請求項6】
複数の第2の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの磁気セグメントは、複数の第2の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの他の磁気セグメントに隣接しており、
複数の第2の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの磁気セグメントの磁化方向は、複数の第2の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの他の磁気セグメントの磁化方向に基づいて決定される、
請求項
1に記載のシステム。
【請求項7】
複数の第1の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの磁気セグメントは、複数の第2の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの磁気セグメントに隣接しており、
複数の第1の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの磁気セグメントの磁化方向は、複数の第2の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの隣接する磁気セグメントの磁化方向に基づいて決定される、
請求項
1に記載のシステム。
【請求項8】
複数の第2の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの磁気セグメントは、複数の第1の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの磁気セグメントに隣接しており、
複数の第2の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの磁気セグメントの磁化方向は、複数の第1の磁気セグメントのうちの少なくとも1つの隣接する磁気セグメントの磁化方向に基づいて決定される、
請求項
1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の
磁化方向は、前記第2の
磁化方向と異なる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の
磁化方向は、前記第2の
磁化方向に実質的に直交している、請求項
9に記載のシステム。
【請求項11】
複数の第1の磁気セグメントの各々は、2つの平行な面、2つの対向するコーナー、および2つの対向するエッジを有する実質的に同じである形状を有し、複数の第1の磁気セグメントの各々の磁化方向は、
前記2つの平行な面間を通過する軸、
前記2つの対向するコーナー間を通過する軸、および
前記2つの対向するエッジ間を通過する軸、
のうちの1つに沿っている、請求項
1に記載のシステム。
【請求項12】
複数の第2の磁気セグメントの各々は、2つの平行な面、2つの対向するコーナー、および2つの対向するエッジを有する実質的に同じである形状を有し、複数の第2の磁気セグメントの各々の磁化方向は、
前記2つの平行な面間を通過する軸、
前記2つの対向するコーナー間を通過する軸、および
前記2つの対向するエッジ間を通過する軸、
のうちの1つに沿っている、請求項
1に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の磁石は、複数の第1の磁気セグメントのうちの少なくとも1つに隣接して配置される少なくとも1つの流体充填セグメントをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
複数の第1の磁気セグメントの各々は、実質的に
同じである形状およびサイズを有し、
前記少なくとも1つの流体充填セグメントは、形状およびサイズを有し、
前記少なくとも1つの流体充填セグメントの形状は、複数の第1の磁気セグメントの各々の形状と実質的に
同じであり、
前記少なくとも1つの流体充填セグメントのサイズは、複数の第1の磁気セグメントの各々のサイズと実質的に
同じである、
請求項
13に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの流体充填セグメントは、複数の第1の磁気セグメントの少なくとも1つの隣接する第1の磁気セグメントをサポートするフレームを有する、請求項
13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、この発明は、磁気デバイスに関する。特に、この発明は、磁界を発生するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、磁気共鳴に基づいたデバイスは、例えば、少なくとも患者の一部を撮像して試料の磁気共鳴分光法を実行するために利用することができる。典型的に、磁気共鳴に基づくデバイスは、デバイスの測定量内に実質的に高い、安定した、および/または均一な磁界の発生を必要とする可能性がある。
【0003】
いくつかの磁気共鳴に基づくデバイスは、磁界を発生するために、永久磁石を含むことができる。磁気共鳴分光法に十分な(例えば、実質的に安定している、および/または均一である)永久磁石(複数の場合もある)を用いる測定量内で、磁界を発生すること、および/または磁気イメージングの1つの困難さは、永久磁石(複数の場合もある)により産出された磁界が非同質(non-homogeneous)であり得、従って、典型的に測定量内に、非同質の磁界を生じる。
【0004】
永久磁石を用いて、測定量内に同質、および/または安定した磁界を作るための、いくつかの現在の解法は、例えば、さらなるエレメント磁気共鳴に基づくデバイス(例えば、コイル)に追加する、および/または永久磁石のサイズを大きくすることを含み得る。現在の解法を用いた1つの困難性は、例えば、磁気共鳴ベースのデバイスにおけるエレメントの数が増大し、および/または磁気共鳴ベースデバイス内の永久磁石の形状、および/または重量が増大し、デバイス全体の重量、および/またはサイズが増大し、それゆえ、例えば、製造コスト、配送コスト、および/または据付コストが増大する可能性があることである。
【0005】
他の例において、工業環境における磁気共鳴ベースデバイスの場合(例えば、石油生産施設における掘削泥、および/または流体の特性を測定する核磁気測定(NMR)デバイス)、重くて、および/または大きなデバイスは、プロセスの中の種々のロケーションで、人間が流体/泥を測定することを妨げる可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
したがって、この発明のいくつかの実施形態に従って、所望の磁界強度と所望の磁界方向を有する磁界を発生するための磁石が提供される。この磁石は、複数の磁気セグメントを含み、各磁気セグメントは、複数の磁気セグメントの少なくとも1つに隣接して位置し、各磁気セグメントは、磁化方向を有し、この磁化方向は、所望の磁界強度および所望の磁界方向に基づく。いくつかの実施形態において、各磁気セグメントの磁界方向は、さらに、それぞれの隣接する磁気セグメントの、磁化方向に基づく。いくつかの実施形態において、複数の磁気セグメントの各々は、同一の形状を有する。いくつかの実施形態において、複数の磁気セグメントの各々は、同一の磁化方向を有する。いくつかの実施形態において、所望の磁界強度と所望の磁界方向は、磁石のアプリケーションに基づく。いくつかの実施形態において、複数の磁気セグメントの各々は、永久磁石である。いくつかの実施形態において、複数の磁気セグメントの各々は、同一のサイズを有する。いくつかの実施形態において、複数の磁気セグメントの各々は、立法体、超長方形、平行六面体、球体、円柱から構成されたグループから選択された形状を有する。
【0007】
したがって、この発明のいくつかの実施形態に従って、所望の磁界方向を有する磁界を発生するための、強磁性体素子が提供される。強磁性体素子は、複数の強磁性体セグメントを含み、各強磁性体セグメントは、複数の強磁性体セグメントの少なくとも1つに隣接して位置し、前記複数の強磁性体は、所望の磁界方向を有する強磁性体素子を形成する。
【0008】
いくつかの実施形態において、複数の強磁性体セグメントの各々は、同一のサイズを有する。いくつかの実施形態において、複数の強磁性体セグメントの各々は、同一の形状を有する。
【0009】
従って、この発明のいくつかの実施形態によれば、所望の磁界強度と所望の磁界方向を有する磁界を発生するシステムが提供される。このシステムは、各々が、複数の磁気セグメントの少なくとも1つに隣接して位置し、各磁気セグメントは、磁化方向を有する複数の磁気セグメントと、各強磁性体セグメントが複数の磁気セグメントの少なくとも1つに隣接して位置する複数の強磁性体セグメントを含み、磁化方向は、所望の磁界強度と所望の磁界方向に基づく。
【0010】
いくつかの実施形態において、各磁気セグメントの磁化方向は、さらに、それぞれの隣接磁気セグメントの磁化方向に基づく。いくつかの実施形態において、システムはさらに、流体が充填された複数のセグメントを含み、複数の流体充填セグメントの各々は、複数の磁気セグメントの少なくとも1つに隣接して位置し、流体充填セグメントの少なくとも1つは、空気を備える。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの流体充填セグメントの形状とサイズは、少なくとも1つの磁気セグメントと強磁性体セグメントの少なくとも1つの形状とサイズに相当する。いくつかの実施形態において、磁気セグメントと強磁性体セグメントの少なくとも1つは、立方体、超長方形、平行六面体、および円柱から構成されるグループから選択された形状を有する。
【0011】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの磁気セグメントの磁化方向は、その磁気セグメントの2つの平行な面間を通過する軸に沿っている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの磁気セグメントの磁化方向は、その磁気セグメントの2つの対向するコーナー間を通過する軸に沿っている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの磁気セグメントの磁化方向は、そのセグメントの対向するエッジ間を通過する軸に沿っている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの磁気セグメントの形状は、少なくとも1つの強磁性体セグメントの形状に対応する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの磁気セグメントのサイズは、少なくとも1つの強磁性体セグメントのサイズに対応する。
【0012】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの磁気セグメントの磁化方向は、システム内のそのセグメントの位置決め(positioning)に対応する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの磁気セグメントの位置決めの変化は、発生された磁界の変化に対応する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの磁気セグメントの磁化方向における変化は、発生された磁界における変化に対応する。いくつかの実施形態において、システムはさらに、複数のセグメントの各々を、所望の位置に配置するように構成された、あらかじめ定義されたメッシュ(mesh)を含む。この発明としてみなされる主題は、特に明細書の終結部分に指摘され、明示的に請求される。しかしながら、この発明は、動作の組織と方法に関して、目的、特徴および利点と共に、添付した図面とともに、以下の詳細な説明を参照することにより理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】
図1Aはこの発明のいくつかの実施形態に従う、磁界を発生する磁石を概略的に説明する。
【
図1B】
図1Bは、この発明のいくつかの実施形態に従う、第1の磁気セグメントの種々の磁化方向を概略的に説明する。
【
図1C】
図1Cは、この発明のいくつかの実施形態に従う、第1の磁気セグメントの種々の磁化方向を概略的に説明する。
【
図1D】
図1Dは、この発明のいくつかの実施形態に従う、第1の磁気セグメントの種々の磁化方向を概略的に説明する。
【
図2】
図2は、この発明のいくつかの実施形態に従う、強磁性体素子を概略的に説明する。
【
図3】
図3は、この発明のいくつかの実施形態に従う、異なる数の磁気ブロックおよび/またはセグメントを含む磁界を発生するシステムの、種々の構成を概略的に説明する。
【
図4】
図4は、この発明のいくつかの実施形態に従う、異なる数の磁気ブロックおよび/またはセグメントを含む磁界を発生するシステムの、種々の構成を概略的に説明する。
【
図5】
図5は、この発明のいくつかの実施形態に従う、異なる数の磁気ブロックおよび/またはセグメントを含む磁界を発生するシステムの、種々の構成を概略的に説明する。
【0014】
説明の簡単かつ明瞭さのために、図に示される素子は、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが理解されるであろう。例えば、いくつかの素子の寸法は、明瞭さのために他の素子に比べて誇張されている可能性がある。さらに、適切に考慮すると、参照符号は、対応するまたは類似するエレメントを示すための図中で、反復することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な記述において、この発明を完全に理解するために、多数の特定の詳細が記載されている。しかしながら、当業者には、この発明がこれらの特定の詳細なしに、実施可能であることを理解されるであろう。他のインスタンスにおいて、良く知られた方法、手続およびコンポーネントは、この発明を曖昧にしないように、詳細に記載されていない。
【0016】
図1Aを参照すると、この発明のいくつかの実施形態に従う、磁界を発生する第1の磁石100を、概略的に説明する。磁石100(例えば、第1の磁石)は、複数の第1の磁界セグメント110の(例えば、第1の磁気セグメント)を含むことができる。各第1の磁気セグメント110は、複数の第1の磁気セグメント110の、他の第1の磁気セグメント110に隣接して、位置することができる。各第1の磁気セグメント110は、磁化方向112(
図1Aにおいて破線矢印により示される)を有することができる。いくつかの実施形態において、第1の磁気セグメント110は、永久磁石である。
【0017】
第1の磁石100は、所望の磁界強度および/または所望の磁界方向を有する磁界を、発生するために、第1の磁界セグメント110(例えば、配置、磁気セグメントの数、および/または方位)の構成を、含むことができる。種々の実施形態において、所望の強度、および/または第1の磁石100により発生された磁界の所望の強度、および/または方向は、磁石のアプリケーションに基づいて、事前に決定される。例えば、第1の磁石100は、患者の少なくとも一部を撮像することができるデバイスに使用することができ(例えば、1テスラレンジにおける磁界強度)、および/または試料の磁気共鳴分光法を実行することができるデバイスに使用することができる(例えば、0.1-2テスラレンジの磁界強度)。
【0018】
第1の磁気セグメント110の各々の磁化方向112は、第1の磁石100により発生された磁界の所望の強度、および/または方向に基づいて事前に決定することができる。いくつかの実施形態において、第1の磁石100内の第1の磁気セグメント110は、例えば、
図1Aに示すように、同一の磁化方向112を有する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第1の磁気セグメント110の磁化方向112は、他の第1の磁気セグメント110に比べて異なる。いくつかの実施形態において、第1の磁石100における第1の磁気セグメント100の各々の磁化方向112は、それぞれの隣接する第1の磁気セグメント110の磁化方向112に基づいて、事前決定される。例えば、第1の磁気セグメント110aの磁化方向112は、隣接する第1の磁気セグメント110bの磁化方向112、および/または隣接する第1の磁気セグメント110c(例えば、
図1Aに示すように)の磁化方向112に基づいて、事前決定することができる。
【0019】
種々の実施形態において、第1の磁石100内の第1の磁気セグメント110の各々は、同一の形状(例えば、
図1Aに示す立方体)を有し、および/または第1の磁気セグメント110の少なくとも一部は、異なる形状を有する。第1の磁気セグメント110の形状は、例えば、立方体、超長方形、平行六面体、球体および/または円柱を含むことができる。
【0020】
種々の実施形態において、第1の磁石100内の第1の磁気セグメント110は、(例えば、
図1Aに示すように)同一のサイズおよび/または形状を有し、および/または第1の磁気セグメント110の少なくとも一部は、異なるサイズおよび/または形状を有する。例えば、第1の磁気セグメント110の各々は、立方体の形状を有することができ、および/または7-900mmの範囲のエッジ長を有することができる。種々の実施形態において、第1の磁石100は、少なくとも1つの流体充填セグメント170を含むことができる。流体充填セグメント170は、例えば、
図1Aに示すように、第1の磁気セグメント110に隣接して位置することができる。いくつかの実施形態において、流体充填セグメント170は、他の第1の磁気セグメント110との間のエアーギャップとして空気を含む。種々の実施形態において、少なくとも1つの流体充填セグメント170の形状、および/またはサイズは、少なくとも1つの第1の磁気セグメント110の形状、および/またはサイズに対応する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの流体充填セグメント170の構造は、少なくとも1つの隣接した、第1の磁気セグメント110をサポートするフレームを有する。
【0021】
図1B-1Dを参照すると、この発明のいくつかの実施形態に従う、第1の磁気セグメント110の種々の磁化方向112を、概略的に説明する。第1の磁気セグメントの磁化方向112は、セグメントの平行な面、例えば、
図1Bに示す面114a、114b間を通過する軸に沿って、位置合わせすることができる。第1の磁気セグメント110の磁化方向112は、セグメントの対向するコーナー、例えば
図1Cに示すコーナー115a、115b間を通過する軸に沿って、位置合わせすることができる。第1の磁気セグメント110の磁化方向112は、セグメントの対向するエッジ、例えば、
図1Dに示すエッジ116a、116b間を通過する軸に沿って、位置合わせすることができる。
【0022】
図2を参照すると、この発明のいくつかの実施形態に従う、強磁性体素子200を概略的に説明する。強磁性体素子200(例えば、第1の強磁性体素子)、例えばMRIデバイスに関する磁極片(pole piece)は、複数の強磁性体セグメント210(例えば、第1の強磁性体セグメント)を含むことができる。第1の強磁性体セグメント210の各々は、少なくとも1つの他の第1の強磁性体セグメント210に隣接して、位置することができる。
【0023】
種々の実施形態において、第1の強磁性体エレメント200内の、第1の強磁性体セグメント210の各々は、同一の形状(例えば、
図2に示す立方体)を有し、および/または第1の強磁性体セグメントの少なくとも一部は、異なる形状を有する。種々の実施形態において、第1の強磁性体エレメントの、第1の強磁性体セグメント210は、同一のサイズ(例えば、
図2に示すように)を有し、および/または第1の強磁性体セグメント210の少なくとも一部は、異なるサイズを有する。いくつかの実施形態において、第1の強磁性体セグメント210は、所望の磁界方向を有した、第1の強磁性体エレメント200を形成する。
【0024】
第1の磁界エレメント200は、少なくとも一つの流体充填セグメント270を含むことができる。流体充填セグメント270は、例えば、
図2に示すように、強磁性体セグメント210に隣接して、および/またはその間に位置することができる。いくつかの実施形態において、流体充填セグメント270は、他の強磁性体セグメント210の間のエアーギャップとして、空気を含む。種々の実施形態において、少なくとも1つの流体充填セグメント270の形状および/またはサイズは、少なくとも1つの強磁性体セグメント210の形状および/またはサイズに相当する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの流体充填セグメント270の構造は、少なくとも1つの隣接する第1の強磁性体セグメント210をサポートするための、フレームを有する。
【0025】
図3-5を参照すると、この発明のいくつかの実施形態に従う、異なる数の磁気ブロックおよび/またはセグメントを含む磁界を発生するための、システムの種々の構成を概略的に説明する。
図3は、例えば、1つの第1の磁気ブロック310、1つの第2の磁気ブロック320、および/または1つの第3の磁気ブロック330を含むことができる、磁界を発生するためのシステム300を説明する。
図3は、システム全体300の一部(例えば、1/8)を概略的に説明する。いくつかの実施形態において、第1の磁気ブロック310、第2の磁気ブロックおよび/または第3の磁気ブロック330の少なくとも1つは、永久磁石である。第1の磁気ブロック310、第2の磁気ブロック320、および/または第3の磁気ブロック330の各々は、他の磁気ブロックの少なくとも1つに隣接して、位置することができる。例えば、第1の磁気ブロック310は、(例えば、
図3に示すように)それぞれ第2および/または第3の磁気ブロック320、330に隣接して位置することができる。第1の磁気ブロック、第2の磁気ブロックおよび/または第3の磁気ブロック330は、システム300内の所望の強度、および/または方向を持った磁界を生成することができる。種々の実施形態において、第1の磁気ブロック310、第の2磁気ブロック320および/または第3の磁気ブロック330は、立方体、超長方形(hyper-rectangle)、平行六面体および/または円柱から構成されるグループから選択された形状を有する。たとえば、第1の磁気ブロック310、第2の磁気ブロック320、および/または第3の磁気ブロック330の各々は、(例えば、
図3に示すように)、超長方形形状、および/または180mmの長さ、および/または90mmの幅を有することができる。
【0026】
システム300は、第1の磁気ブロック310、第2の磁気ブロック320、および/または第3の磁気ブロック330の少なくとも1つに隣接して位置することができる。第1の磁気ブロック310、第2の磁気ブロック320、および/または第3の磁気ブロックの各々は、所定の磁化方向を有することができる。例えば、第1の磁気ブロック310の磁化方向は、Z軸に沿って配列することができ、第2の磁気ブロック320の磁化方向は、X軸に沿って配列することができ、および/または第3の磁気ブロック330の磁化方向は、(例えば、
図3の破線矢印で示すように)Y軸に沿って配列することができる。当業者には明らかなように、
図3は、第1の磁気ブロック310、第2の磁気ブロック320、および/または第3の磁気ブロック330を磁化方向がそれぞれ、Z、X、Y軸に平行であることを説明するけれども、第1の磁気ブロック310、第2の磁気ブロック320、および第3の磁気ブロック330の各々は、種々の方向に磁化を有することができる。システム300は、外枠構造(shell)380を含むことができる。
【0027】
外枠構造380は、第1の磁気ブロック310、第2の磁気ブロック320、第3の磁気ブロック330および/または少なくとも1つの強磁性体ブロック360を、少なくとも部分的に取り囲むことができる。外枠構造380は、金属合金、および/または外枠構造外部にある、磁気フリンジを実質的に減らすことができる。種々の実施形態において、第1の磁気ブロック310、第2の磁気ブロック320、第3の磁気ブロック330、および/または強磁性体ブロック380は、外枠構造380内に構成された測定体積(measurement volume)を形成する。外枠構造380は、また、測定体積390へのアクセスを提供するために(図示しない)開口部を含むことができる。いくつかの実施形態において、測定体積390は、空気を含む。
【0028】
図4は、複数の磁気セグメント、例えば、第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、および/または第4の磁気セグメント432を含むことができる、磁界を発生するシステム400を説明する。
図4は、システム全体400の一部(例えば、1/8)を概略的に説明する。いくつかの実施形態において、第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、第4の磁気セグメント432の少なくとも一部は、永久磁石である。第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422および/または第4の磁気セグメント432は、所望の強度および/または方向を有した磁界をシステム400内に発生することができる。種々の実施形態において、第2の磁気セグメント412は、第1の磁石410を作り、第3の磁気セグメント422は、第3の磁石420を作り、および/または第4の磁気セグメント432は、第4の磁石430を作る。第2の磁石410、第3の磁石420、および/または第4の磁石430の少なくとも1つは、第1の磁石100と同一であり得る。第2の磁気セグメント、第3の磁気セグメント422、および/または第4の磁気セグメント432は、
図1Aに関して上述したように、第1の磁気セグメント110と同一であり得る。
【0029】
第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、および/または第4の磁気セグメント432の各々は、複数の磁気セグメントとの少なくとも1つに隣接して、位置することができる。例えば、第2の磁気セグメント412の各々は、少なくとも1つの第2の磁気セグメント412に隣接して、位置することができ、および/または少なくとも1つの第2の磁気セグメントは、第3の磁気セグメント(例えば、
図4に示すように)422に隣接して、位置することができる。
【0030】
システム400は、複数の第2の強磁性体セグメント462を含むことができる。各第2の強磁性体セグメント462は、複数の第2の強磁性体セグメント462の少なくとも1つに隣接して、位置することができ、および/または第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422および/または第4の磁気セグメント432の少なくとも1つに隣接して位置することができる。第2の強磁性体セグメント462は、所望の磁界、および/または所望の強度方向を有した、少なくとも1つの第2の強磁性体素子460を形成することができる。
図2に関して上述したように、少なくとも1つの第2の強磁性体素子460は、第1の強磁性体素子200と同一であり得、および/または第2の強磁性体素子462の各々は、少なくとも1つの第1の強磁性体セグメント210と同一であり得る。少なくとも1つの第2の強磁性体素子460は、システム400の、第2の磁石410、第3の磁石420、および/または第4の磁石の少なくとも1つに隣接して、位置することができる。
【0031】
システム400は、複数の流体充填セグメント470を含むことができる。流体充填セグメント470は、少なくとも1つの第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、および/または第4の磁気セグメント432(例えば、
図4に示すように)に隣接して位置することができ、および/または第2の強磁性体セグメント462の少なくとも1つに隣接して位置することができる。いくつかの実施形態において、流体充填セグメント470は、空気を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの流体充填セグメント470の構造は、隣接する第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、第4の磁気セグメント432および/または第2の強磁性体セグメント462の少なくとも1つをサポートするためのフレームを有する。
【0032】
種々の実施形態において、少なくとも1つの流体充填セグメント470の形状、および/またはサイズは、隣接する第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、第4の磁気セグメント332、および/または第2の強磁性体セグメント362の少なくとも1つの形状、および/またはサイズに、相当する。種々の実施形態において、少なくとも1つの第2の磁気セグメント312、第3の磁気セグメント322、第4の磁気セグメント432、および/または第2の強磁性体セグメント462の少なくとも1つは、立方体、超長方形、平行六面体、および/または円柱から構成されるグループから選択された形状を有する。種々の実施形態において、少なくとも1つの第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、および/または第4の磁気セグメントの形状、および/またはサイズは、少なくとも1つの第2の強磁性体セグメント462の形状、および/またはサイズに相当する。例えば、第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、第4の磁気セグメント432、および/または第2の強磁性体セグメント462の各々は、立方体形状、および/またはエッジ長30mm(例えば、
図4に示すように)を有することができる。システム400は、外枠構造480を含むことができる。外枠構造480は、少なくとも部分的に、第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、第4の磁気セグメント432、第2の強磁性体セグメント462、および/または流体充填セグメント470を部分的に取り囲むことができる。いくつかの実施形態において、外枠構造480は、
図3に関して上述したように、外枠構造380と同一である。外枠構造480は、金属合金を含むことができ、および/または実質的に外枠構造外部の磁気フリンジを、実質的に減らすことができる。種々の実施形態において、第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、第4の磁気セグメント332、強磁性体セグメント462および/または流体充填セグメント470は、外枠構造480内に配列され、測定体積490を形成する。外枠構造480は、また、測定体積490へのアクセスを提供するために(図示しない)開口部を含むことができる。いくつかの実施形態において、測定体積490は、空気を含む。いくつかの実施形態において、測定体積490は、
図3に関して説明したように、測定体積390と同一である。
【0033】
第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、および/または第4の磁気セグメント432の各々は、所定の磁化方向を有することができる。(例えば、
図4の破線で示したように)たとえば、第2の磁気セグメント412の磁化方向は、Z軸に沿って配列することができ、第3の磁気セグメント422の磁化方向は、X軸に沿って配列することができ、および/または第4の磁気セグメント432の磁化方向は、Y軸に沿って配列することができる。
【0034】
当業者には明らかなように、
図4は、第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、第4の磁気セグメント432の磁化方向がそれぞれ、Z、X、Y軸に平行であるように説明するけれども、第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422および第4の磁気セグメント432は、種々の方向に磁化を有することができる。例えば、第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、および/または第4の磁気セグメント432の少なくとも一部の磁化方向は、(例えば、
図1A、1Bおよび3に示すように)その磁気セグメントの2つの平行な面の間を通過する軸に沿うことができ、(例えば、
図1Cに示すように)その磁気セグメントの2つの対向するコーナーの間を通過する軸に沿うことができ、および/または(
図1Dに示すように)その磁気セグメントの2つの対向するエッジの間を通過する軸に沿うことができる。
【0035】
種々の実施形態において、第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、および/または第4の磁気セグメント432の各々の磁化方向は、システム400によって発生された磁界の所望の強度、および/または方向に基づくことができる。第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、および/または第4の磁気セグメント432の各磁化方向は、また、それぞれの隣接する磁気セグメントの磁化方向に、基づくことができる。たとえば、第2の磁気セグメント412aの磁化方向は、隣接する第2の磁気セグメント412の磁化方向に基づくことができ、および/または(例えば、
図4に示すように)それぞれ、第3および/または第4の磁気セグメント422a、432aの磁化方向に基づくことができる。
【0036】
第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、および/または第4の磁気セグメント432の各々の磁化方向は、システム400内のそのセグメントの位置決めに対応することができる。例えば、システム400内の第2の磁気セグメントの位置は、あらかじめ決めることができ、および/または第2の磁気セグメント412aの磁化方向は、それにより第2の磁気セグメント412aの所定の位置に基づくことができる。
【0037】
種々の実施形態において、第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、および/または第4の磁気セグメント432の少なくとも1つの磁化方向、および/またはポジショニングにおける変化は、システム400により発生された磁界における変化に、対応することができる。たとえば、第2の磁気セグメント412aの所定の位置、および/または所定の磁化方向における変化は、システム400により発生された磁界の方向、および/または強度を変更することができる。
【0038】
システム400は、あらかじめ定義したメッシュ(mesh)を含むことができる。メッシュは、第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、第4の磁気セグメント432、および/または第2の強磁性体セグメント462の各々を、所定の位置に配置するように構成することができる。メッシュは、非磁性体、および/または常磁性体、例えば、チタニウムから形成することができる。
【0039】
図5は、複数の磁気セグメント、例えば、第5の磁気セグメント512、第6の磁気セグメント522、および/または第7の磁気セグメント532を含むことができる磁界を発生するためのシステム500を説明する。
図5は、概略的にシステム500全体の一部(例えば、1/8)を概略的に説明する。いくつかの実施形態において、第5の磁気セグメント512、第6の磁気セグメント522、および第7の磁気セグメント532の少なくとも一部は、永久磁石である。第5の磁気セグメント512、第6の磁気セグメント522、および/または第7の磁気セグメント532は、システム500内に所望の強度、および/または方向で磁界を発生することができる。
【0040】
種々の実施形態において、第5の磁気セグメント512は、第5の磁石510を形成し、第6の磁気セグメント522は、第6の磁石520を形成し、および/または第7の磁気セグメント532は、第7の磁石530を形成する。第5の磁石、第6の磁石520、および/または第7の磁石430は、第1の磁石(例えば、
図1Aに関して上述したように)、第2の磁石410、第3の磁石420、および/または第4の磁石440(例えば、
図4に関して上述したように)と同一であり得る。第5の磁気セグメント512、第6の磁気セグメント522、および/または第7の磁気セグメント532の少なくとも1つは、(例えば、
図1Aに関して上述したように)第1の磁気セグメント110、第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422および/または第4の磁気セグメント432(例えば
図4に関して上述したように)と同一であり得る。第5の磁気セグメント512、第6の磁気セグメント522、および/または第7の磁気セグメント532の各々は、(
図4に関して上述したように)複数の磁気セグメントの少なくとも1つに隣接して位置することができる。
【0041】
システム500は、所望の磁界、および/または所望の強度方向を有した、少なくとも1つの第3の強磁性体素子560を形成することができる、複数の第3の強磁性体セグメント562を含むことができる。少なくとも1つの第2の強磁性体素子560は、(例えば、
図2に関して上述したように)第1の強磁性体素子200と同一であり、および/または(
図4に関して上述したように)第2の強磁性体素子460と同一であり得る。第3の強磁性体素子562の各々は、(
図2に関して上述したように)少なくとも1つの第1の強磁性体セグメント210と同一であり得、および/または(
図4に関して上述したように)第2の強磁性体セグメント462と同一であり得る。少なくとも1つの第3の強磁性体素子560は、(例えば、
図4に関して上述したように)第5の磁石510、第6の磁石520、および/または第7の磁石530の少なくとも1つに隣接して位置することができる。システム500は、空気を含むことができる複数の流体充填セグメント570を含むことができる。流体充填セグメント570は、第5の磁気セグメント512、第6の磁気セグメント522、および/または第7の磁気セグメント532の少なくとも1つに隣接して位置することができ、および/または第3の強磁性体セグメント562(例えば、
図5に示すように)の少なくとも1つに隣接して位置することができる。
【0042】
システム500は、外枠構造580、および/または測定体積590を含むことができる。種々の実施形態において、
図3に関して上述したように、外枠構造580は、外枠構造380と同一であり、および/または
図4に関して上述したように、外枠構造480と同一である。種々の実施形態において、測定体積590は、
図3に関して上述したように測定体積390と同一であり、および/または
図4に関して上述したように、測定体積490と同一である。種々の実施形態において、第5の磁気セグメント512、第6の磁気セグメント522、第7の磁気セグメント532、および/または第3の強磁性体セグメント562は、立方体、超長方形、平行六面体、および円柱から構成されるグループから選択された形状を有する。例えば、第5の磁気セグメント512、第6の磁気セグメント522、第7の磁気セグメント532、および/または第3の強磁性体セグメント562は、(例えば、
図5に示すように)立方体形状および/または7.5mmのエッジ長を有することができる。
【0043】
種々の実施形態において、第5の磁気セグメント512、第6の磁気セグメント522,第7の磁気セグメント532、第3の強磁性体セグメント562、および/または流体充填セグメント570の各々の形状および/またはサイズは、例えば、(例えば、
図4に関して上述したように)システム500により発生された磁界の強度、および/または方向に基づいて事前に決定される。
【0044】
種々の実施形態において、第5の磁気セグメント512、第6の磁気セグメント522、および/または第7の磁気セグメント532の各々の磁化方向は、(例えば、
図4に関して上述したように)第5の磁気セグメント512、第6の磁気セグメント522、および/または第7の磁気セグメント532の各々の磁化方向は、(例えば、
図4に関して上述しように)例えば、システム500により発生された磁界の強度、および/または方向に基づいてあらかじめ決定される。たとえば、(例えば、
図5に示すように)第5の磁気セグメント512の磁化方向は、Z軸に沿って整列させることができ、第6の磁気セグメントの磁化方向は、X軸に沿って整列させることができ、および/または第4の磁気セグメント532の磁化方向は、Y軸に沿って配列させることができる。
【0045】
図3乃至5に戻って参照する。実施形態において、磁界を発生するシステムにおいて、磁気セグメント、および/またはブロック、強磁性体セグメント、および/またはブロック、および/または流体充填セグメントのサイズ、形状、ポジショニング、および/または数、並びに磁気セグメント、および/またはブロックの磁化方向は、例えば、システムの予め決められたパラメータに基づいて、および/またはシステムの所望のアプリケーションに基づいて、予め決定される。システムの所望のアプリケーションは、例えば、患者の少なくとも一部の磁気共鳴イメージング(magnetic resonance imaging)、および/または試料の磁気共鳴分光法を実行することを含むことができる。システムの所定の要件は、例えば、所望の磁界強度、磁界の方向、および/または均一性、フリンジ磁界(magnetic fringe field)の所望の消去、および/またはシステムの合計重量を含むことができる。
【0046】
種々の実施形態において、いくつかの磁気セグメント、および/またはブロックは、例えば、他の磁気セグメント、および/またはブロックに比べて、より均一な磁界を有することができる。種々の実施形態において、いくつかの磁気セグメント、および/またはブロックは、他の磁気セグメント、および/またはブロックに比べて、より小さな寸法を有することができる。したがって、複数の小さな磁気セグメント、および/またはブロックを用いて磁界を発生するシステムを組み立てることは、例えば、より大きな寸法を有する、より少ない数の磁気セグメント、および/またはブロックを用いて組み立てられたシステムに比べて、使用される磁気マテリアルの合計重量を低減しながら、例えば、発生された磁界の強度を増加し、発生された磁界の均一性を増加するようにシミング(shimming)を改善し、および/または発生されたフリンジ磁界を実質的に低減することができる。(例えば、
図4に示すように)30mmのエッジ長を有する複数の立方体の、第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、および/または第4の磁気セグメント432を含むことができるシステム400は、(例えば、
図3に示すように)180mmの長さおよび90mmの幅を有する超長方形の第1の磁気ブロック310、第2の磁気ブロック320および/または第3の磁気ブロックを含むことができるシステム300により発生された磁界に比べて、6.2%だけ、より強い磁界(例えば、測定体積の中心で測定した磁界)を発生することができる。同様に、立方体の磁気セグメント(例えば、立方体の第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、および/または第4の磁気セグメント432)のエッジ長を、例えば、15mm(図示せず)および7.5mm(例えば、
図5に示すシステム500において)に縮減することは、システム300に比べて、それぞれ7.1%および7.4%だけ発生された磁界の強度を増強することができる。
【0047】
他の例において、(例えば、
図4に示すように)30mmのエッジ長を有する複数の立方体の、第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、および/または第4の磁気セグメント432を含むことができるシステム400により発生された磁界の均一性(例えば、{max(B)-min(B)}/B0により決定される。ただし、Bは、測定体積の中心に対して30mmの半径における視野における磁界であり、B0は、その測定体積の中心における磁界である)は、(例えば、
図3に示すように)180mmの長さと、90mmの幅を有する、超長方形の第1の超長方形の磁気ブロック310、第2の磁気ブロック320、および/または第3の磁気ブロック330を含むことができる、システム300により発生された磁界の均一性に比べて、14%だけ改善することができる。同様に、立方体の磁気セグメント(例えば、立方体の第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、および/または第4の磁気セグメント432)のエッジ長を、例えば、15mm(図示せず)に縮減することはシステム300に比べて、磁界の均一性を、24%だけ改善することができる。
【0048】
他の例において、(例えば、
図4に示すように)30mmのエッジ長を有する、複数の立方体の第2の磁気セグメント412、第3の磁気セグメント422、および/または第4の磁気セグメント432を含むことのできるシステム400により発生された、フリンジ磁界(例えば、測定体積の中心から250mmの所定の距離で測定した磁界)は、(例えば、
図3に示すように)180mmの長さと90mmの幅を有する、超長方形の第1の超長方形の、第1の磁気ブロック310、第2の磁気ブロック320、および/または第3の磁気ブロック330を含むことのできるシステム300により発生されたフリンジ磁界に比べて、36.2%だけ小さくすることができる。複数の磁気セグメントを用いて磁界を発生するシステム(例えば、それぞれ
図4、5に示すシステム400、500)を組み立てることは、これに限定されないが、例えば、立方体、超長方形、平行六面体、および円柱に関する種々の形状を含むことができる磁石(例えば、
図4に示すように、第2の磁石410、第3の磁石420、および/または第4の磁石430)を形成することができる。実施形態において、磁界を発生するシステム(例えば、それぞれ、
図3、4、5に示すシステム200、400、500)における磁気セグメント、強磁性体セグメント、および/または流体充填セグメントは、例えば、(少なくとも、患者の一部における磁気共鳴撮像を行う、および/または試料の磁気共鳴分光法を行う)システムの所望のアプリケーションに基づいて、サイズをスケーリングして、所望の強度を有する磁界を発生し、および/または所望の寸法の測定体積(例えば、それぞれ
図3、4、5に示す測定体積390、490、590)を提供することができる。
【0049】
明示的に述べない限り、ここに記載した方法の実施形態は、時間的に特定の順番、または年代順のシーケンス(chronological sequence)に制約されない。さらに、記載した方法エレメントのいくつかは、(方法の動作期間中)スキップすることができるか、またはそれらは反復することができる。種々の実施形態を提示した。これらの実施形態の各々は、もちろん提示した他の実施形態からの特徴を含むことができ、特に記載していない実施形態は、ここに記載した種々の特徴を含むことができる。