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特許7273096決済管理システム、決済管理方法及びコンピュータープログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】決済管理システム、決済管理方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/00 20120101AFI20230502BHJP
   G06Q 40/12 20230101ALI20230502BHJP
【FI】
G06Q20/00
G06Q40/12 420
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021083205
(22)【出願日】2021-05-17
(65)【公開番号】P2022176664
(43)【公開日】2022-11-30
【審査請求日】2021-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【弁理士】
【氏名又は名称】春田 洋孝
(72)【発明者】
【氏名】清水 快
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-004143(JP,A)
【文献】特開2019-185540(JP,A)
【文献】特開2017-037594(JP,A)
【文献】特許第4006652(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済媒体を用いた決済の加盟店の従業員に対する給与の前払いの要求を受けると、前記従業員に対する電子バリューでの前記給与の前払いを実行するための処理を行い、前記給与の前払いに関する情報を記憶装置に記録する前払い制御部と、
所定の期間において前記加盟店において前記決済媒体を用いて行われた支払いの総額と、前記所定の期間に関連する期間において前記前払い制御部によって行われた前記加盟店の従業員に対する給与の支払いの総額と、に基づいて、前記加盟店に対して支払われる金額を判定する加盟店処理制御部と、
を備える決済管理システム。
【請求項2】
コンピューターが、決済媒体を用いた決済の加盟店の従業員に対する給与の前払いの要求を受けると、前記従業員に対する電子バリューでの前記給与の前払いを実行するための処理を行い、前記給与の前払いに関する情報を記憶装置に記録する前払い制御ステップと、
コンピューターが、所定の期間において前記加盟店において前記決済媒体を用いて行われた支払いの総額と、前記所定の期間に関連する期間において前記前払い制御ステップで行われた前記加盟店の従業員に対する給与の支払いの総額と、に基づいて、前記加盟店に対して支払われる金額を判定する加盟店処理制御ステップと、
を有する決済管理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の決済管理システムとしてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子バリューを用いた給与の支払いの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従業員に対する福利厚生の一環として給与の前払いが注目されている。給与の前払いとは、予め定められている給与の支払日よりも前のタイミングであっても、従業員の申請に応じて、それまでに働いた分に応じた給与の中から一部又は全部の金額が先に従業員に対して支払われる仕組みである。このような給与の前払いを実現する仕組みとして様々なシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-185540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような給与の前払いという仕組みは、雇用主にとってはキャッシュフローの観点から負担となる等、利便性が十分とはいえなかった。
上記事情に鑑み、本発明は、給与の前払いの利便性を向上させることができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、決済媒体を用いた決済の加盟店の従業員に対する給与の前払いの要求を受けると、前記従業員に対する電子バリューでの前記給与の前払いを実行するための処理を行い、前記給与の前払いに関する情報を記憶装置に記録する前払い制御部と、所定の期間において前記加盟店において前記決済媒体を用いて行われた支払いの総額と、前記所定の期間に関連する期間において前記前払い制御部によって行われた前記加盟店の従業員に対する給与の支払いの総額と、に基づいて、前記加盟店に対して支払われる金額を判定する加盟店処理制御部と、を備える決済管理システムである。
【0006】
本発明の一態様は、決済媒体を用いた決済の加盟店の従業員に対する給与の前払いの要求を受けると、前記従業員に対する電子バリューでの前記給与の前払いを実行するための処理を行い、前記給与の前払いに関する情報を記憶装置に記録する前払い制御ステップと、所定の期間において前記加盟店において前記決済媒体を用いて行われた支払いの総額と、前記所定の期間に関連する期間において前記前払い制御ステップで行われた前記加盟店の従業員に対する給与の支払いの総額と、に基づいて、前記加盟店に対して支払われる金額を判定する加盟店処理制御ステップと、を有する決済管理方法である。
【0007】
本発明の一態様は、上記の決済管理システムとしてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、給与の前払いの利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】管理システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
図2】給与管理装置10の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図3】従業員情報テーブルの具体例を示す図である。
図4】給与関連情報テーブルの具体例を示す図である。
図5】前払い情報テーブルの具体例を示す図である。
図6】決済管理装置20の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図7】決済情報テーブルの具体例を示す図である。
図8】個体識別情報テーブルの具体例を示す図である。
図9】前払い情報テーブルの具体例を示す図である。
図10】電子バリュー管理装置30の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図11】ユーザー情報テーブルの具体例の一つを示す図である。
図12】支払い履歴情報テーブルの具体例の一つを示す図である。
図13】残高増額履歴情報テーブルの具体例の一つを示す図である。
図14】残高情報テーブルの具体例の一つを示す図である。
図15】ユーザー端末40の機能構成の概略を示す概略ブロック図である。
図16】管理システム100における前払いの動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、管理システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。管理システム100は、給与管理装置10、決済管理装置20、電子バリュー管理装置30及びユーザー端末40を備える。管理システム100では、特定の決済のプロトコル(以下「特定決済プロトコル」という。)を用いた決済が実現される。特定決済プロトコルでは、所定の電子バリューをユーザーが増額させ、増額された電子バリューが示す金額の範囲内での支払いが可能となる。電子バリューとは、現金に代わって料金の支払いに利用できる電子的な情報である。ユーザーによって既に増額された電子バリューの金額(以下「電子バリュー残高」という。)は、電子バリュー管理装置30によって管理される。電子バリューを増額させる処理を、本実施形態では残高増額処理という。残高増額処理は、いわゆる“チャージ”に相当してもよい。ユーザー端末40は、ユーザーが特定決済プロトコルに基づいた支払いを行う際に使用する媒体であるユーザー媒体の一具体例である。
【0011】
給与管理装置10、決済管理装置20、電子バリュー管理装置30及びユーザー端末40は、いずれもネットワーク60を介して通信可能である。ネットワーク60は、例えばインターネット等の広域通信網である。ネットワーク60は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク60は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。なお、ネットワーク60は、各装置の通信を実現するためのネットワークの具体例にすぎず、各装置の通信を実現するためのネットワークとして他の構成が採用されてもよい。例えば、特定の装置間の通信が他の装置間の通信に用いられるネットワークとは異なるネットワークを用いて実現されてもよい。具体的には、決済管理装置20と電子バリュー管理装置30との間の通信は、給与管理装置10及びユーザー端末40との間で行われる通信とは異なるネットワークで実現されてもよい。
【0012】
まず、管理システム100の概略について説明する。給与管理装置10は、特定の雇用主(自然人又は法人)によって従業員に対して支払われる給与を管理する。給与管理装置10によって管理される給与の支払い元である雇用主は、決済管理装置20を運営する決済管理会社が提供する決済媒体を用いた決済の加盟店である。このような決済媒体の具体例としてクレジットカードがある。給与管理装置10に関連する雇用主と、決済管理装置20を運営する決済管理会社との間には、所定の周期(例えば月に1回)で、所定期間における決済媒体の利用に応じた決済処理が発生する。例えば、雇用主である加盟店において所定期間内に1又は複数の決済媒体利用者によって総額100万円分の支払いが行われていた場合には、100万円から手数料等を減算した金額が、所定のタイミングで決済管理会社から加盟店に支払われる。すなわち、雇用主である加盟店は、決済媒体を用いた支払いの総額に応じた売上債権を決済管理会社に対して有している。
【0013】
管理システム100では、ユーザー端末40を使用する従業員に対し、電子バリュー管理装置30によって管理される電子バリューを用いて給与の前払いが行われる。この際に、決済管理装置20の指示に応じて、電子バリュー管理装置30は電子バリューを用いた給与の前払い(具体的には、後述する残高増額処理)を行う。予め前払いの電子バリューに紐づけられる識別情報(後述する個体識別情報)が管理システム100において用意されて登録されている。このような電子バリューの一態様として、予め任意の金額の電子バリューを特定の記録媒体にチャージしておくプリペイド方式がある。ただし、本実施形態における電子バリューは、必ずしもプリペイド方式に限定される必要は無い。
【0014】
決済管理会社は、前払いに伴って、前払いされた給与の金額分(給与の肩代わり分)の債権を、加盟店である雇用主に対して有することになる。決済管理会社は、所定のタイミングで行われる加盟店(雇用主)に対する支払いの際に、売上債権の一部と前払いされた給与の金額分の債権とを相殺させる。例えば、雇用主である加盟店において所定期間内に1又は複数の決済媒体利用者によって総額100万円分の支払いが行われており、且つ、雇用主の従業員が20万円の前払いを受けていた場合には、100万円から前払い分の20万円と手数料等とを減算した金額が、所定のタイミングで決済管理会社から加盟店に支払われる。このような処理により、加盟店のキャッシュフローを悪化させることなく、加盟店において従業員に対する給与の前払いを実現させることが可能となる。
【0015】
電子バリューの利用においては、ユーザー媒体又はユーザーを識別するための情報(以下「個体識別情報」という。)が用いられる。個体識別情報は、ユーザー媒体を一意に識別可能な情報であってもよいし、ユーザー媒体を使用するユーザーを一意に識別可能な情報であってもよい。個体識別情報は、例えばユーザー端末40に予め搭載されているROM(Read Only Memory)に記録されている識別情報であってもよい。個体識別情報は、例えばユーザー端末40にインストールされたアプリケーションに対して所定の機関から個別に付与された識別情報であってもよい。ユーザー媒体としては、例えば上述したようにユーザー端末40が用いられてもよいし、カード型の記録媒体が用いられてもよい。また、腕時計、指輪等のアクセサリー、携帯電話機のケース、等がユーザー媒体として用いられてもよい。
【0016】
なお、本実施形態では、決済管理装置20を用いることによって加盟店に決済サービスを提供する決済管理会社と、電子バリュー管理装置30を用いることによってユーザーに対して電子バリューを用いた支払いの仕組みを提供する電子バリュー管理会社と、は同じ法人である。しかしながら、本発明はこのような状況に限定される必要は無い。例えば、決済管理装置20を用いることによって加盟店に決済サービスを提供する決済管理会社と、電子バリュー管理装置30を用いることによってユーザーに対して電子バリューを用いた支払いの仕組みを提供する電子バリュー管理会社と、が異なる法人であってもよい。例えば、両者は、資本関係のある法人であってもよいし、資本関係のない法人であってもよい。以下、管理システム100に用いられる各装置の詳細について説明する。
【0017】
図2は、給与管理装置10の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。給与管理装置10は、例えばパーソナルコンピューターやサーバー装置などの情報処理装置を用いて構成される。給与管理装置10は、通信部11、記憶部12及び制御部13を備える。
【0018】
通信部11は、通信機器である。通信部11は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部11は、制御部13の制御に応じて、ネットワーク60を介して他の装置とデータ通信する。通信部11は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0019】
記憶部12は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部12は、制御部13によって使用されるデータを記憶する。記憶部12は、例えば従業員情報記憶部121、給与関連情報記憶部122及び前払い情報記憶部123として機能してもよい。
【0020】
従業員情報記憶部121は、給与管理装置10によって給与が管理される各従業員に関する情報(以下「従業員情報」という。)を含むテーブル(以下「従業員情報テーブル」という。)を記憶する。図3は、従業員情報テーブルの具体例を示す図である。従業員情報テーブルは、例えば複数の従業員情報レコードを有してもよい。図3に示される例では、各従業員情報レコードは、従業員識別情報及び属性情報の各値を有する。従業員識別情報は、各従業員を一意に示す識別情報である。従業員識別情報には、例えば社員番号が用いられてもよいし、他の情報が用いられてもよい。属性情報は、各従業員の属性を示す情報である。属性情報には、例えば氏名、年齢、住所、雇用形態、所属部署、役職などを示す情報が含まれてもよい。
【0021】
給与関連情報記憶部122は、給与管理装置10によって給与が管理される各従業員の給与に関連する情報(以下「給与関連情報」という。)を含むテーブル(以下「給与関連情報テーブル」という。)を記憶する。図4は、給与関連情報テーブルの具体例を示す図である。給与関連情報テーブルは、例えば複数の給与関連情報レコードを有してもよい。図4に示される例では、各給与関連情報レコードは、従業員識別情報及び給与関連情報の各値を有する。従業員識別情報は上述したとおりである。給与関連情報は、各従業員の給与に関連する情報であれば、どのような情報を含んでもよい。例えば、1時間当たりの労働に対する給与(いわゆる時給)に関する情報や、各月のその時点までの労働時間を示す情報が給与関連情報に含まれてもよい。例えば、各従業員の日給や週給や月給を示す情報であってもよい。
【0022】
前払い情報記憶部123は、給与管理装置10によって給与が管理される各従業員に対して行われた前払いに関する情報(以下「前払い情報」という。)を含むテーブル(以下「前払い情報テーブル」という。)を記憶する。図5は、前払い情報テーブルの具体例を示す図である。前払い情報テーブルは、例えば複数の前払い情報レコードを有してもよい。図5に示される例では、各前払い情報レコードは、従業員識別情報及び前払い情報の各値を有する。従業員識別情報は上述したとおりである。前払い情報は、各従業員に対してその給与の支払い対象期間(例えばその月)において既に前払いされた給与に関する情報を示す。前払い情報は、例えば金額を示す情報であってもよいし、後述する電子バリューの単位で表された値を示す情報であってもよいし、前払いされた金額に相当する労働時間を示す情報であってもよい。
【0023】
制御部13は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部13は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、労働時間管理部131、給与管理部132及び前払い制御部133として機能する。なお、制御部13の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0024】
労働時間管理部131は、各従業員の労働時間を管理する。例えば、労働時間管理部131は、不図示のタイムレコーダー等の外部装置から、各従業員の労務開始時刻や労務終了時刻を受信すると、受信された時刻を給与関連情報として給与関連情報記憶部122に記録する。
【0025】
給与管理部132は、給与の支払いタイミングに応じて、各従業員に対して支払われる給与に関する処理を行う。例えば、給与管理部132は、月に1回所定の日付に、各従業員において指定されている支払い方法(第一支払方法)で、給与に相当する金額を支払うための処理を実行する。第一支払方法は、例えば所定の金融機関の口座への振り込みであってもよいし、所定の資金移動業者の口座への振り込み(チャージ)であってもよいし、現金の手渡しの支払であってもよいし、株や他の物による支給であってもよい。給与管理部132は、第一支払方法で支払われる給与として、その給与の支払い対象期間の労務に対して支払われるべき給与の値から、既にその従業員に対してその支払い対象期間に前払いされた給与の値を減算することで値を得る。
【0026】
前払い制御部133は、各従業員からの要求に応じて前払いの処理を実行する。例えば、各従業員が使用するユーザー端末40から前払いの要求を示す情報が受信されると、要求された前払いの金額が所定の条件(例えば前払いのために予め定められた条件)を満たすか否か判定する。所定の条件が満たされない場合には、前払い制御部133は、要求元であるユーザー端末40に対してエラーを返す。所定の条件が満たされる場合には、前払い制御部133は、要求された金額の前払いを実行することを決済管理装置20に要求する。そして、前払い制御部133は、前払いが完了したことを決済管理装置20から通知されると、実行された前払いに関する情報を前払い情報記憶部123に記録する。
【0027】
図6は、決済管理装置20の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。決済管理装置20は、例えばパーソナルコンピューターやサーバー装置などの情報処理装置を用いて構成される。決済管理装置20は、通信部21、記憶部22及び制御部23を備える。
【0028】
通信部21は、通信機器である。通信部21は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部21は、制御部23の制御に応じて、ネットワーク60を介して他の装置とデータ通信する。通信部21は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0029】
記憶部22は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部22は、制御部23によって使用されるデータを記憶する。記憶部22は、例えば決済情報記憶部221、個体識別情報記憶部222及び前払い情報記憶部223として機能してもよい。
【0030】
決済情報記憶部221は、決済媒体を用いて加盟店において行われた支払いに関する情報を記憶する。決済情報記憶部221は、例えば決済情報テーブルを記憶する。図7は、決済情報テーブルの具体例を示す図である。決済情報テーブルは、例えば複数の決済情報レコードを有してもよい。図7に示される例では、各決済情報レコードは、日時、加盟店識別情報、決済媒体識別情報及び金額情報の各値を有する。日時は、その決済情報レコードが示す支払いが行われた日時を示す。加盟店識別情報は、その決済情報レコードが示す支払いが行われた加盟店の識別情報を示す。決済媒体識別情報は、その決済情報レコードが示す支払いで用いられた決済媒体の識別情報を示す。金額情報は、その決済情報レコードが示す支払いでの金額を示す。
【0031】
個体識別情報記憶部222は、個体識別情報テーブルを記憶する。図8は、個体識別情報テーブルの具体例を示す図である。個体識別情報テーブルは、例えば複数の個体識別情報レコードを有してもよい。図8に示される例では、各個体識別情報レコードは、従業員識別情報及び個体識別情報の各値を有する。従業員識別情報は上述したとおりである。個体識別情報は、各従業員において指定されている支払い方法である第二支払い方法において使用される個体識別情報である。すなわち、前払いが行われる際には、電子バリュー管理装置30において管理されているこの個体識別情報に対応付けられた電子バリューの値が、前払いの金額に応じて増額される。なお、第一支払い方法と第二支払い方法とが同じであってもよい。ただし、第二支払い方法は、上述したように電子バリューを用いて行われる。そのため、もし第一支払い方法と第二支払い方法とが同じである場合には、第一支払い方法も電子バリューを用いて行われる必要がある。
【0032】
前払い情報記憶部223は、電子バリュー管理装置30において行われた第二支払い方法による前払いの実施に関する情報を記憶する。前払い情報記憶部223は、例えば、前払い情報テーブルを記憶する。図9は、前払い情報テーブルの具体例を示す図である。前払い情報テーブルは、例えば複数の前払い情報レコードを有してもよい。図9に示される例では、各前払い情報レコードは、日時、加盟店識別情報、個体識別情報及び金額情報の各値を有する。日時は、その前払い情報レコードが示す前払い(残高増額)が行われた日時を示す。加盟店識別情報は、その前払い情報レコードが示す前払いが行われた雇用主である加盟店を示す。個体識別情報は、その前払い情報レコードが示す前払いが行われた対象となる個体識別情報を示す。金額情報は、その前払い情報レコードが示す前払いの金額を示す。
【0033】
制御部23は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部23は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、決済制御部231、前払い制御部232及び加盟店処理制御部233として機能する。なお、制御部23の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0034】
決済制御部231は、決済媒体を用いた加盟店における支払いとその決済に関する処理を行う。例えば、加盟店に設置されている端末装置から決済媒体を用いた支払いに関する情報を受信すると、決済制御部231は、その支払いを認めるか否かを判定する。決済制御部231は、支払いが認められる場合には、受信された支払いに関する情報を決済情報記憶部221に記録し、加盟店の端末装置に対して支払いを認める旨の通知を行う。決済制御部231は、支払いが認められない場合には、加盟店の端末装置に対して支払いを認めない旨の通知を行う。
【0035】
前払い制御部232は、給与管理装置10から前払いについて要求を受けると、その要求に応じて電子バリューによる前払いを行うことを電子バリュー管理装置30に指示する。その際には、前払い制御部232は、給与管理装置10から受信される前払いの前払いに含まれる従業員識別情報に対応付けられた個体識別情報を取得し、取得された個体識別情報への電子バリューの増額処理を指示する。
【0036】
加盟店処理制御部233は、所定のタイミングで、加盟店に対する決済処理を行う。この際の決済処理では、加盟店において決済媒体を用いて行われた支払いの総額から、その加盟店の従業員によって行われた前払いの総額を減算して決済が行われる。以下に、その決済処理の具体例を示す。
【0037】
加盟店処理制御部233は、雇用主である加盟店において所定期間内に決済媒体を用いて行われた支払いの総額を、決済情報記憶部221に記憶された情報に基づいて算出する。加盟店処理制御部233は、雇用主である加盟店において所定期間内に電子バリューを用いて行われた前払いの総額を、前払い情報記憶部223に記憶された情報に基づいて算出する。加盟店処理制御部233は、算出された支払いの総額から前払いの総額を減算し、必要に応じて手数料などの費用をさらに減算することで、加盟店に対して支払われる金額を算出する。そして、加盟店処理制御部233は、算出された金額に応じて、支払いのための処理を行う。この処理は、例えば予め定められた加盟店の口座に対して振り込みを行う処理であってもよいし、振り込みを行うことを担当者に指示するためのメールを送信する処理や、書面を印刷する処理であってもよい。
【0038】
図10は、電子バリュー管理装置30の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。電子バリュー管理装置30は、例えばパーソナルコンピューターやサーバー装置などの情報処理装置を用いて構成される。電子バリュー管理装置30は、通信部31、記憶部32及び制御部33を備える。
【0039】
通信部31は、通信機器である。通信部31は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部31は、制御部33の制御に応じて、ネットワーク60を介して他の装置とデータ通信する。通信部31は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0040】
記憶部32は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部32は、制御部33によって使用されるデータを記憶する。記憶部32は、例えばユーザー情報記憶部321、支払い履歴情報記憶部322、残高増額履歴情報記憶部323及び残高情報記憶部324として機能してもよい。
【0041】
ユーザー情報記憶部321は、ユーザー情報テーブルを記憶する。図11は、ユーザー情報テーブルの具体例の一つを示す図である。ユーザー情報テーブルは、複数のユーザー情報レコードを有する。ユーザー情報レコードは、個体識別情報及びユーザー情報の各値を有する。ユーザー情報は、電子バリューを用いて支払いを行うユーザーとして予め登録されているユーザーに関する情報である。ユーザー情報に対応付けられている個体識別情報は、電子バリューを用いて支払いを行うユーザーによって使用される個体識別情報である。ユーザー情報は、例えば、ユーザーの属性に関する情報(例えば、氏名、住所、性別、年齢など)を有する。ユーザー情報はさらに、残高増額において使用される金融機関などの口座を示す情報を含んでもよい。ユーザー情報はさらに、前払いによる残高増額を許可するか否かの情報を含んでもよい。ユーザー情報はさらに、前払いによる残高増額を許可する場合には、その雇用主を示す情報や、前払いの上限金額(例えば1回の前払いでの上限金額や、所定期間(例えば1カ月)における総額の上限金額)などを含んでもよい。
【0042】
支払い履歴情報記憶部322は、支払い履歴情報テーブルを記憶する。図12は、支払い履歴情報テーブルの具体例の一つを示す図である。支払い履歴情報テーブルは、複数の支払い履歴情報レコードを有する。支払い履歴情報レコードは、支払い識別情報、支払い情報及び金額の各値を有する。支払い識別情報は、ユーザーによって行われた電子バリューを用いた支払いの手続を一意に識別するための識別情報である。支払い情報は、電子バリューを用いた支払いの内容を示す情報である。支払い情報は、例えば支払いが行われた日時、支払いが行われた加盟店の加盟店識別情報、支払いの対象となった商品、支払いを行ったユーザーの個体識別情報、を含む。金額は、電子バリューを用いた支払いの対象となった金額を示す。
【0043】
残高増額履歴情報記憶部323は、残高増額履歴情報テーブルを記憶する。図13は、残高増額履歴情報テーブルの具体例の一つを示す図である。残高増額履歴情報テーブルは、複数の残高増額履歴情報レコードを有する。残高増額履歴情報レコードは、個体識別情報、残高増額情報及び金額の各値を有する。個体識別情報は、電子バリューの残高増額処理が行われた対象となる個体識別情報を示す。残高増額情報は、残高増額の内容を示す情報である。残高増額情報は、例えば残高増額が行われた日時、残高増額の操作が行われた装置を示す情報、を含む。金額は、残高増額の対象となった金額を示す。残高増額履歴情報レコードは、例えば通常の残高増額処理(例えばユーザーによるチャージ)が行われた場合や、従業員による前払いに伴う残高増額処理が行われた場合に記録される。
【0044】
残高情報記憶部324は、残高情報テーブルを記憶する。図14は、残高情報テーブルの具体例の一つを示す図である。残高情報テーブルは、複数の残高情報レコードを有する。残高情報レコードは、個体識別情報及び残高情報の各値を有する。残高情報レコードは、個体識別情報が示すユーザー又はユーザー媒体において使用可能な電子バリューの残高金額を示す。
【0045】
制御部33は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部33は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、支払い制御部331、残高増額処理制御部332及び決済管理部333として機能する。なお、制御部33の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0046】
支払い制御部331は、電子バリューを用いた支払いとその決済に関する処理を行う。例えば、電子バリューを利用可能な店舗に設置されている端末装置から電子バリューを用いた支払いに関する情報を受信すると、支払い制御部331は、その支払いを認めるか否かを判定する。支払い制御部331は、支払いが認められる場合には、受信された支払いに関する情報を支払い履歴情報記憶部322に記録し、端末装置に対して支払いを認める旨の通知を行う。支払い制御部331は、支払いが認められない場合には、端末装置に対して支払いを認めない旨の通知を行う。電子バリューを用いた支払いは、店舗での支払いに限らず、ネットワークを用いた支払いとして行われてもよい。
【0047】
残高増額処理制御部332は、ユーザー端末40やその他の装置において電子バリューの残高増額処理の要求を受けると、要求に応じて残高増額の処理を行う。例えば、ユーザー情報に定義されている金融機関の口座から支払いを受けることで、残高増額処理制御部332は、その支払いに応じた金額の電子バリューを残高として増額させる。残高増額処理制御部332は、決済管理装置20から指示された前払いに伴う残高増額処理の指示に応じて電子バリューを増額させてもよい。残高増額処理制御部332は、実行された残高増額処理に関する情報を残高増額履歴情報記憶部323に記録する。また、残高増額処理制御部332は、実行された残高増額処理の結果に基づいて、残高情報記憶部324に記録されている情報を更新する。
【0048】
決済管理部333は、支払い履歴情報記憶部322に記憶されている支払い履歴情報レコードに基づいて、各加盟店識別情報が示す加盟店等に対して所定のタイミングで決済処理を実行する。決済管理部333は、決済処理の実行を所定の装置や人物に対して指示するように構成されてもよい。
【0049】
図15は、ユーザー端末40の機能構成の概略を示す概略ブロック図である。ユーザー端末40は、スマートフォンやタブレット端末や携帯電話機やスマートウォッチや携帯ゲーム機等の可搬性のある情報処理装置を用いて構成される。ユーザー端末40には、特定決済プロトコルを実現するための機能が実装されていてもよい。特定決済プロトコルの機能は、ハードウェアによってユーザー端末40に実装されてもよいし、ソフトウェアのインストールによって実装されてもよい。ユーザー端末40は、通信部41、入力部42、表示部43、記憶部44及び制御部45を備える。
【0050】
通信部41は、通信機器である。通信部41は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部41は、制御部45の制御に応じて、ネットワーク60を介して他の装置とデータ通信する。通信部41は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0051】
入力部42は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部42は、ユーザーの指示をユーザー端末40に入力する際にユーザーによって操作される。入力部42は、入力装置をユーザー端末40に接続するためのインターフェースであってもよい。この場合、入力部42は、入力装置においてユーザーの入力に応じ生成された入力信号をユーザー端末40に入力する。
【0052】
表示部43は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、電子泳動方式ディスプレイ等の画像表示装置である。表示部43は、制御部45の制御に応じて画像を表示する。表示部43は、画像表示装置をユーザー端末40に接続するためのインターフェースであってもよい。この場合、表示部43は、制御部45の制御に応じた画像を表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力する。
【0053】
記憶部44は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部44は、制御部45によって使用されるデータを記憶する。記憶部44は、例えばユーザー情報記憶部441として機能してもよい。ユーザー情報記憶部441は、ユーザー端末40のユーザーに関する情報を記憶する。ユーザー情報記憶部441は、例えばユーザーの従業員識別情報や、第二支払い方法で用いられる個体識別情報を記憶する。
【0054】
制御部45は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部45は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、増額制御部451及び前払い制御部452として機能する。なお、制御部45の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0055】
増額制御部451は、ユーザーの操作に応じて、第二支払い方法で用いられる個体識別情報に対する残高の増額処理を実行する。この場合、増額制御部451は、電子バリュー管理装置30又はこれと連携する装置に対して、電子バリューの増額の要求を行う。
【0056】
前払い制御部452は、ユーザーの操作に応じて、前払いの要求を行う。この場合、前払い制御部452は、給与管理装置10に対して、前払いの要求を行う。例えば、前払い制御部452は、ユーザー情報記憶部441に記憶されている従業員識別情報と、前払いされる給与を示す情報(例えば金額、労働時間を示す情報、月給に対する割合など)と、を給与管理装置10に送信してもよい。
【0057】
図16は、管理システム100における前払いの動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。まず、前払いを希望する従業員は、ユーザー端末40を操作して、必要な情報をユーザー端末40に入力する(ステップS101)。例えば、ユーザー端末40には、前払いされることを希望する給与の金額に関する情報が入力される。ユーザー端末40は、入力された情報に基づいて前払いを要求することを示す情報(前払い要求情報)を生成し、給与管理装置10に前払い要求情報を送信する(ステップS102)。
【0058】
給与管理装置10は、前払い要求情報を受信すると、受信された前払い要求情報に基づいて前払い処理を実行する。例えば、受信された前払い要求情報が正当な従業員から送信された情報であるか否かを判定する認証処理や、要求された前払いの金額が所定の条件を満たしているか否かの判定を実行する。認められる前払いの要求である場合には、給与管理装置10は、前払いを要求することを示す情報(前払い要求情報)を生成し、決済管理装置20へ前払い要求情報を送信する(ステップS103)。
【0059】
決済管理装置20は、前払い要求情報を受信すると、受信された前払い要求情報に基づいて前払い処理を実行する。例えば、受信された前払い要求情報が正当な加盟店の装置から送信された情報であるか否かを判定する認証処理を実行する。認められる前払いの要求である場合には、決済管理装置20は、前払いに応じた個体識別情報への残高増額を指示することを示す情報(残高増額指示情報)を生成し、電子バリュー管理装置30へ残高増額指示情報を送信する(ステップS104)。
【0060】
電子バリュー管理装置30は、残高増額指示情報を受信すると、受信された残高増額指示情報に基づいて残高増額処理を実行する。例えば、受信された残高増額指示情報が正当な個体識別情報への増額指示であるかを判定する認証処理を実行する。認められる残高増額の指示である場合には、電子バリュー管理装置30は、個体識別情報に対する残高増額を実行し、個体識別情報に対応付けられて残高情報記憶部324に記憶される残高情報の値を更新する(ステップS105)。電子バリュー管理装置30は、前払い(残高増額)に関する情報を残高増額履歴情報記憶部323に記録する(ステップS106)。そして、電子バリュー管理装置30は、残高増額の処理が完了したことを決済管理装置20に対して通知する(ステップS107)。
【0061】
決済管理装置20は、残高増額の処理が完了したことを通知されると、実行された前払いに関する情報を前払い情報記憶部223に記録する(ステップS108)。そして、決済管理装置20は、前払いの処理が完了したことを給与管理装置10に対して通知する(ステップS109)。
【0062】
給与管理装置10は、前払いの処理が完了したことを通知されると、実行された前払いに関する情報を前払い情報記憶部123に記録する(ステップS110)。そして、給与管理装置10は、前払いの処理が完了したことをユーザー端末40に対して通知する(ステップS111)。ユーザー端末40は、前払いの処理が完了したことを通知されると、前払いの処理が完了したことを画面に表示する(ステップS112)。
【0063】
このように構成された管理システム100では、加盟店の従業員の給与の前払いが、決済管理会社から電子バリューにて従業員に支払われる。そして、加盟店としての雇用主に対して決済管理会社から支払われるべき金額から、加盟店の従業員において前払いが行われた給与分の金額が減算されて支払われる。そのため、加盟店のキャッシュフローを悪化させることなく、加盟店において従業員に対する給与の前払いを実現させることが可能となる。
【0064】
また、前払いが電子バリューを用いて支払われるため、前払いとして支払われた金額を従業員が海外へ送金する際に要する費用を低く抑えることが可能となり、手続きも容易となる。また、電子バリューが付与される個体識別情報のユーザー媒体が、海外の現地のプリペイドカードやクレジットカードである場合には、送金そのものが不要となる。
【0065】
(変形例)
ユーザー端末40の制御部45は、必ずしも増額制御部451として機能しなくてもよい。
【0066】
給与管理装置10は、複数の情報処理装置を用いて給与管理システムとして実装されてもよい。例えば、労働時間管理部131として機能する制御部13と、給与管理部132として機能する制御部13と、前払い制御部133として機能する制御部13とがそれぞれ異なる情報処理装置に実装されてもよい。また、従業員情報記憶部121と、給与関連情報記憶部122と、前払い情報記憶部123とが、それぞれ異なる記憶装置に実装されてもよいし、一部が異なる記憶装置に実装されてもよい。
【0067】
決済管理装置20は、複数の情報処理装置を用いて決済管理システムとして実装されてもよい。例えば、決済制御部231として機能する制御部23と、前払い制御部232として機能する制御部23と、加盟店処理制御部233として機能する制御部23とがそれぞれ異なる情報処理装置に実装されてもよい。また、決済情報記憶部221と、個体識別情報記憶部222と、前払い情報記憶部223とが、それぞれ異なる記憶装置に実装されてもよいし、一部が異なる記憶装置に実装されてもよい。
【0068】
電子バリュー管理装置30は、複数の情報処理装置を用いて電子バリュー管理システムとして実装されてもよい。例えば、支払い制御部331として機能する制御部33と、残高増額処理制御部332として機能する制御部33と、決済管理部333として機能する制御部33とがそれぞれ異なる情報処理装置に実装されてもよい。また、ユーザー情報記憶部321と、支払い履歴情報記憶部322と、残高増額履歴情報記憶部323と、残高情報記憶部324とが、それぞれ異なる記憶装置に実装されてもよいし、一部が異なる記憶装置に実装されてもよい。
【0069】
従業員識別情報と個体識別情報との対応付けは、上述した説明では決済管理装置20において行われている。しかしながら、この対応付けは、給与管理装置10で行われてもよいし、電子バリュー管理装置30で行われてもよい。給与管理装置10で行われる場合には、図8に示されるテーブルは、給与管理装置10において記憶される。そして、給与管理装置10の制御部13が、ユーザー端末40から要求された前払いの情報に含まれる従業員識別情報に応じた個体識別情報を取得し、取得された個体識別情報への前払いを決済管理装置20に要求する。電子バリュー管理装置30で行われる場合には、図8に示されるテーブルは、電子バリュー管理装置30において記憶される。この場合、決済管理装置20は従業員識別情報を用いて電子バリュー管理装置30に残高増額の指示を行う。電子バリュー管理装置30の制御部33は、決済管理装置20から指示された残高増額の情報に含まれる従業員識別情報に応じた個体識別情報を取得し、取得された個体識別情報への残高増額の処理を行う。
【0070】
第二支払い方法において使用される個体識別情報は、従業員本人の名義の個体識別情報であってもよいし、他の者(例えば、従業員の親族や知人など)の名義の個体識別情報であってもよい。また、第二支払い方法において使用される個体識別情報は、従業員本人の住所や所在地とは異なる国において使用される個体識別情報であってもよい。
【0071】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0072】
100…管理システム, 10…給与管理装置, 11…通信部, 12…記憶部, 121…従業員情報記憶部, 122…給与関連情報記憶部, 123…前払い情報記憶部, 13…制御部, 131…労働時間管理部, 132…給与管理部, 133…前払い制御部, 20…決済管理装置, 21…通信部, 22…記憶部, 221…決済情報記憶部, 222…個体識別情報記憶部, 223…前払い情報記憶部, 23…制御部, 231…決済制御部, 232…前払い制御部, 233…加盟店処理制御部, 30…電子バリュー管理装置, 31…通信部, 32…記憶部, 321…ユーザー情報記憶部, 322…支払い履歴情報記憶部, 323…残高増額履歴情報記憶部, 324…残高情報記憶部, 33…制御部, 331…支払い制御部, 332…残高増額処理制御部, 333…決済管理部, 40…ユーザー端末, 41…通信部, 42…入力部,43…表示部, 44…記憶部, 441…ユーザー情報記憶部, 45…制御部, 451…増額制御部, 452…前払い制御部,
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16