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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】レシーバを備える装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 19/00 20060101AFI20230502BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20230502BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20230502BHJP
   F16J 15/06 20060101ALI20230502BHJP
   C12M 1/00 20060101ALN20230502BHJP
【FI】
B01J19/00 321
G01N37/00 101
C12M1/34 Z
F16J15/06 P
C12M1/00 A
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021116648
(22)【出願日】2021-07-14
(62)【分割の表示】P 2018566888の分割
【原出願日】2017-12-21
(65)【公開番号】P2021191574
(43)【公開日】2021-12-16
【審査請求日】2021-08-06
(31)【優先権主張番号】62/441,927
(32)【優先日】2017-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】1704769.7
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】15/841,109
(32)【優先日】2017-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514202402
【氏名又は名称】イラミーナ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100185225
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 恭一
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド エリオット カプラン
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー ジョン デ ルイター
(72)【発明者】
【氏名】リチャード アラン ケリー
(72)【発明者】
【氏名】アシシュ クメール
【審査官】長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/172724(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3187946(JP,U)
【文献】特表2012-519857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 19/00-19/32
C12M 1/00- 3/00
G01N 37/00
G01N 35/00
F16J 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ流体プレートを引きつけてその上に収容するチャックと、
第1流体ポートを備える第1流体ポートブロックであって、前記第1流体ポートブロックは、前記チャックに対して縦方向又は横方向の少なくとも一方に浮動し、フローセルカートリッジの1又はそれ以上の対応する第1流体ポートインデキシング形体を収容するための1又はそれ以上の第1整列孔を備える前記第1流体ポートブロックと、
前記マイクロ流体プレートを収容するための前記チャックの表面の平面に平行な第1の軸線の周りで回転可能な第1の回転可能クランプアームと、
前記チャックから横方向にオフセットされ、前記チャックの表面の平面に対して上方に延びる第1の横方向インデキシングピンと、及び、
前記チャックから縦方向にオフセットされ、前記チャックの表面の平面に対して上方に延び、前記チャックに対して縦方向に移動可能である、第1の縦方向インデキシングピンと、
を備えるレシーバを備える、装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
前記チャックは前記マイクロ流体プレートを真空で引き付ける、装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、
前記第1流体ポートブロックは少なくとも2つの第1整列孔を備え、
前記少なくとも2つの第1整列孔の1つは、前記マイクロ流体プレートを収容するための前記チャックの表面の平面に直交する軸線に沿って見たとき、円形の断面を有し、
前記少なくとも2つの第1整列孔の別のものは、前記マイクロ流体プレートを収容するための前記チャックの表面の平面に直交する前記軸線に沿って見たとき、非円形の断面を有する、装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置において、
前記第1整列孔は面取りされたエッジを有する、装置。
【請求項5】
請求項1記載の装置において、
さらに、第2の縦方向インデキシングピンを備え、前記第2の縦方向インデキシングピンは前記チャックに対して固定されている、装置。
【請求項6】
請求項1記載の装置において、
さらに、第2流体ポートを備える第2流体ポートブロックを備え、前記第2流体ポートブロックは、前記第1流体ポートブロックに対して前記チャックの縦方向反対側に配置され、前記第2流体ポートブロックは前記チャックに対して縦方向又は横方向の少なくとも一方に移動可能であり、前記第2流体ポートブロックは、前記フローセルカートリッジの1又はそれ以上の対応する第2流体ポートインデキシング形体を収容するための1又はそれ以上の第2整列孔を備える、装置。
【請求項7】
請求項6記載の装置において、
さらに、前記チャックに対して縦方向又は横方向の少なくとも一方に移動可能な付加的第1流体ポートブロックであって、前記フローセルカートリッジの1又はそれ以上の対応する付加的第1流体ポートインデキシング形体を収容するための1又はそれ以上の付加的第1整列孔を備える付加的第1流体ポートブロックと、
前記チャックに対して縦方向又は横方向の少なくとも一方に移動可能な付加的第2流体ポートブロックであって、前記フローセルカートリッジの1又はそれ以上の対応する付加的第2流体ポートインデキシング形体を収容するための1又はそれ以上の付加的第2整列孔を備える付加的第2流体ポートブロックと、を備え、
前記付加的第1流体ポートブロックは、前記第1流体ポートブロックに隣接して配置され、
前記付加的第2流体ポートブロックは、前記第2流体ポートブロックに隣接して配置され、
前記付加的第1流体ポートブロックは、前記第1流体ポートブロックに対して移動可能であり、
前記付加的第2流体ポートブロックは、前記第2流体ポートブロックに対して移動可能である、装置。
【請求項8】
請求項1記載の装置において、
前記第1流体ポートブロックは、前記チャックに対して縦方向と横方向に浮動する、装置。
【請求項9】
請求項1記載の装置において、
前記縦方向インデキシングピンは、前記チャックに向かってばねでバイアスされている、装置。
【請求項10】
請求項1記載の装置において、
前記第1の回転可能クランプアームは、前記第1の回転可能クランプアームが回転するにつれて前記第1の軸線に沿って横方向に移動する、装置。
【請求項11】
請求項10記載の装置において、
さらに、前記チャックから横方向にオフセットし、前記チャックの表面の前記平面に対して上方に延びる第2の横方向インデキシングピンを備え、前記第1の横方向インデキシングピンと前記第2の横方向インデキシングピンは横方向平面を規定し、前記回転可能クランプアームは、前記回転可能クランプアームが第1の方向に回転するにつれて前記横方向平面に向かう方向に横方向移動する、装置。
【請求項12】
請求項1記載の装置において、
さらに、前記マイクロ流体プレートを収容するための前記チャックの表面の前記平面に平行な第2の軸線の周りで回転可能な第2の回転可能クランプアームを備え、前記マイクロ流体プレートを収容するための前記チャックの表面は、前記第1の軸線と前記第2の軸線との間に介挿される、装置。
【請求項13】
請求項1記載の装置において、
前記第1の回転可能クランプアームは、前記マイクロ流体プレートを収容するための前記チャックの表面の前記平面に直交する軸線に沿って見たとき、前記第1流体ポートブロックと重なる位置で回転可能である、装置。
【請求項14】
請求項1記載の装置において、
前記第1流体ポートブロックは、垂直方向にも移動可能である、装置。
【請求項15】
レシーバのチャックの表面の平面に平行な平面内の軸線の周りにクランプアームを回転させる工程であって、回転するクランプアームは、前記レシーバの前記チャックの上に配置されたフローセルカートリッジのマイクロ流体プレートの表面に接触し、前記マイクロ流体プレートは、前記フローセルカートリッジのガスケットアセンブリのガスケット流体ポートに整合する流体ポートを備え、前記マイクロ流体プレートは、前記フローセルカートリッジのフレームに対して所定の移動範囲内で縦方向及び横方向に移動可能である、工程と、
前記チャックから縦方向にオフセットする縦方向インデキシングピンを前記マイクロ流体プレートの第2端縁に接触するように移動させる工程であって、移動する縦方向インデキシングピンは、前記マイクロ流体プレートの反対側の端縁が第2の縦方向インデキシングピンに接触するようにマイクロ流体プレートを移動させる、工程と、
前記フローセルカートリッジの流体ポートインデキシング形体を前記レシーバの流体ポートブロックの整列孔と係合させる工程であって、前記流体ポートブロックは前記レシーバの前記チャックに対して縦方向又は横方向の少なくとも一方に移動可能であり、前記流体ポートブロックはレシーバ流体ポートを備え、前記フローセルカートリッジの前記ガスケットアセンブリの前記ガスケット流体ポートと整合された前記レシーバ流体ポートは、前記フローセルカートリッジの前記流体ポートインデキシング形体が前記流体ポートブロックの前記整列孔に挿入されることに反応する、工程と、
を備える、方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法において、
回転可能クランプアームは、前記回転可能クランプアームが回転するにつれて、前記チャックの表面の前記平面に平行な平面内の前記軸線に沿って横方向に移動する、方法。
【請求項17】
請求項16記載の方法において、
前記回転可能クランプアームは、前記レシーバの前記チャックに対して前記マイクロ流体プレートを横方向に移動する、方法。
【請求項18】
請求項15記載の方法において、
前記ガスケットアセンブリは、前記ガスケット流体ポートからオフセットされた支持フットを備える、方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法において、
前記支持フットは、前記ガスケット流体ポートに対して縦方向にオフセットしている、方法。
【請求項20】
請求項15記載の方法において、
ローセルカートリッジアセンブリは、第1のガスケットアセンブリと、第1インデキシング形体と、第2インデキシング形体とを備える第1支持ブラケットを備え、前記第1のガスケットアセンブリの前記ガスケット流体ポートが前記マイクロ流体プレートの前記流体ポートと整合するとき、前記第1インデキシング形体は第1端縁で前記マイクロ流体プレートに接するとともに、前記第2インデキシング形体は第2端縁で前記マイクロ流体プレートに接し、前記第1支持ブラケットは、前記マイクロ流体プレートと前記フローセルカートリッジの前記フレームに対して浮動する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年1月3日出願の米国特許出願第62/441,927号の優先権による恩典を請求している2017年12月13日出願の米国特許出願第15/841,109号の優先権による恩典を請求し、またさらに、米国特許出願第62/441,927号の優先権による恩恵を請求している2017年3月24日出願の英国特許出願第1704769.7号の優先権による恩典も請求し、これら先行出願のすべては、参照により全体が本明細書に組み入れられるものとする。
本発明は浮動封止ブラケットを有するフローセルカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
シークエンサー、例えば、DNAシークエンサー又はRNAシークエンサーのようなゲノムシークエンサー、及び他の生物学的又は化学的解析システムは、時々マイクロ流体フローセルを利用することがあり、このようなフローセルは、例えば、マイクロ流体チャンネルをエッチング処理したガラスプレートによって設けることができる。このようなフローセルは、1つ又はそれ以上の層にフローチャンネルをエッチングした1つ又はそれ以上の層による積層スタックとして作成することができる。多くのフローセルにおいて、フローセル内のフローチャンネルへのアクセスは、内部のフローチャンネルに達するよう一方又は双方の最外側層に貫通する開口によって行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
サンプルをフローセル内に流し込んだ後にはフローセルを除染するのは困難であるため、特定サンプルを解析する前にフローセルを交換するのが一般的である。したがって、フ
ローセルの容易な交換を促進するよう、フローセルはカートリッジをベースとする手法を用いて実現するのが一般的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書記載の要旨における1つ又はそれ以上の実施形態の詳細は、添付図面及び以下の説明で記載する。他の特徴、態様及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかであろう。以下の図面における相対的寸法は、特別に縮尺図面であると表記しない限り、縮尺には描かれていない場合があり得ることに留意されたい。
【0005】
幾つかの実施形態において、フレームと、第1側面(第1側の面)に1つ又はそれ以上の第1流体ポートを有するマイクロ流体プレートと、及び前記フレームに取り付けられる第1支持ブラケットであって、前記マイクロ流体プレートは前記第1支持ブラケットと前記フレームとの間に介挿され、第1支持ブラケットは前記マイクロ流体プレート及び前記フレームに対して浮動し、前記マイクロ流体プレート及び前記フレームは相互に相対浮動し、また前記第1支持ブラケットの第1側面が前記マイクロ流体プレートに対面するものである、該第1支持ブラケットとを備える、装置を提供する。このような実施形態において、前記第1支持ブラケットは、前記第1支持ブラケットの前記第1側面から突出し、かつ前記マイクロ流体プレートの第1端縁に近接している第1インデキシング形体を有することができ、また前記第1支持ブラケットは、前記第1支持ブラケットの前記第1側面から突出し、かつ前記マイクロ流体プレートの第2端縁に近接している第2インデキシング形体を有することができる。前記第1支持ブラケットは、前記第1支持ブラケットの前記第1側面から盛り上がる少なくとも1つのシールが設けられ、かつ前記マイクロ流体プレートの前記第1側面に当接するよう位置決めされる第1ガスケットを有することができ、また前記第1支持ブラケットの第1インデキシング形体及び前記第1支持ブラケットの第2インデキシング形体は、前記第1ガスケットの前記少なくとも1つのシールが前記1つ又はそれ以上の第1流体ポートにおける対応する少なくとも1つの第1流体ポートに整列するとき、前記マイクロ流体プレートの前記第1端縁及び前記第2端縁にそれぞれ接触することができる。
【0006】
このような実施形態のうち幾つかにおいて、前記マイクロ流体プレートは前記第1側面とは反対側の第2側面(第2側の面)を有することができ、前記フレームは、前記マイクロ流体プレートの主表面に直交する方向に見て、前記マイクロ流体プレートの前記第2端縁を含む第1部分にオーバーラップする第1オーバーラップ部分を有することができ、前記第1オーバーラップ部分は、前記マイクロ流体プレートの前記第2側面に近接することができ、前記第1オーバーラップ部分は、前記第2端縁に平行な方向に第1溝孔幅を持つ第1クランプアーム溝孔を有することができ、前記マイクロ流体プレートの前記第2側面は、前記第1クランプアーム溝孔から、例えば肉眼で見ることができ、前記装置は解析デバイスのレシーバーと適合すべきものである、又は適合するよう構成し、前記レシーバーは、第1クランプアームであって、前記第1クランプアームは、前記マイクロ流体プレートの第2側面に圧着せずかつ前記第1クランプアーム溝孔に係合しない非クランプ位置から、前記マイクロ流体プレートの第2側面に圧着しかつ前記第1クランプアーム溝孔に係合するクランプ位置に移動可能である、該第1クランプアームを有し、また前記第1溝孔幅は、前記第1クランプアームにおける前記第2端縁に平行な方向の幅よりも大きくすることができ、また前記第1クランプアームは前記クランプ位置にあるとき前記第1クランプアーム溝孔内に配置され得る。
【0007】
装置のこのような実施形態のうち幾つかにおいて、前記マイクロ流体プレートは、前記第1端縁側とは反対側の第3端縁及び第2端縁側とは反対側の第4端縁を有することができ、前記フレームは、前記マイクロ流体プレートの主表面に直交する方向に沿って見るとき、前記マイクロ流体プレートにおける前記第4端縁を含む第2部分にオーバーラップする第2オーバーラップ部分を有することができ、前記第2オーバーラップ部分は前記マイ
クロ流体プレートの第2側面に近接することができ、かつ前記第2オーバーラップ部分は前記第4端縁に平行な方向に第2溝孔幅を持つ第2クランプアーム溝孔を有することができ、前記マイクロ流体プレートの第2側面は前記第2クランプアーム溝孔から見ることができ、前記装置が適合すべき前記解析デバイスのレシーバーは、第2クランプアームであって、前記第2クランプアームは、前記マイクロ流体プレートの第2側面に圧着せずかつ前記第2クランプアーム溝孔に係合しない非クランプ位置から、前記マイクロ流体プレートの第2側面に圧着しかつ前記第2クランプアーム溝孔に係合するクランプ位置に移動可能である、該第2クランプアームを有することができ、また前記第2溝孔幅は、前記第2クランプアームにおける前記第4端縁に平行な方向の幅よりも大きくすることができ、また前記第2クランプアームは前記クランプ位置にあるとき前記第2クランプアーム溝孔内に配置され得る。
【0008】
装置の幾つかの実施形態において、前記マイクロ流体プレートに2つの第1流体ポートが存在することができ、また前記第1ガスケットは2つのシールを有し、各シールは、前記第1支持ブラケットに貫通する貫通孔であって、前記第1支持ブラケットの第1インデキシング形体及び第1支持ブラケットの第2インデキシング形体が、前記マイクロ流体プレートの前記第1端縁及び第2端縁にそれぞれ接触するとき、前記第1流体ポートにおける異なる1つの第1流体ポートに整列する、該貫通孔を持つことができる。
【0009】
幾つかのこのような実施形態において、前記第1ガスケットは、前記第1支持ブラケットの前記第1側面から盛り上がっており、かつ前記マイクロ流体プレートに当接するよう位置決めされる、支持フットを有することができ、前記第1ガスケットにおける前記2つのシールの中心点間に第1軸線を画定することができ、前記第1ガスケットの前記支持フットは、前記第1軸線に直交しかつ前記マイクロ流体プレートに平行な第2軸線に沿って前記第1軸線から第1の量だけオフセットすることができ、また前記第1ガスケットの前記支持フットは、前記マイクロ流体プレートに接触する上面であって、前記第1ガスケットの前記2つのシールにおける前記マイクロ流体プレートに同様に接触する上面と同一表面にある、該上面を有することができる。さらに幾つかのこのような実施形態において、前記第1ガスケットの前記支持フットはシールとして作用しないものとし得る。
【0010】
装置の幾つかの実施形態において、前記第1ガスケットは前記第1支持ブラケット内に同時成形することができる。
【0011】
装置の幾つかの実施形態において、前記第1支持ブラケットは、前記第1支持ブラケットの前記第1側面とは背反する側に面する第2側面を有することができ、また少なくとも2つの第1流体ポートインデキシング形体が前記第1支持ブラケットの前記第2側面から突出することができ、前記第1流体ポートインデキシング形体各々は、前記装置を収容する、又は収容するよう構成することができる解析デバイスの第1流体ポートブロックにおける対応する流体ポートインデキシング孔に係合すべきもの、又は係合するよう構成することができる。
【0012】
装置の幾つかの実施形態において、前記フレームは、互いに対面する対向表面を持つ互いに対向する2つの第1保持クリップを有することができ、前記第1支持ブラケットは前記互いに対向する2つの第1保持クリップ間に位置決めされることができ、前記第1保持クリップの前記対向表面は、第1距離だけ互いに離間することができ、また前記第1支持ブラケットの前記第1保持クリップにおける前記対向表面間の部分は、前記第1保持クリップにおける前記対向表面間を差し渡す方向に第1幅を有し、該第1幅は前記第1距離よりも小さいものであり得る。
【0013】
装置の幾つかの実施形態において、前記第1支持ブラケットは、前記第1支持ブラケットの前記第1側面から突出する第3インデキシング形体であって、前記マイクロ流体プレートの前記第1端縁とは反対側にある前記マイクロ流体プレートの第3端縁に近接する、該第3インデキシング形体を有することができ、また前記マイクロ流体プレートは、前記第1支持ブラケットの第1インデキシング形体と、前記第1支持ブラケットの前記第3インデキシング形体との間に介挿することができる。
【0014】
装置の幾つかの実施形態において、前記マイクロ流体プレートは長方形とすることができ、また前記マイクロ流体プレートの前記第1端縁は前記マイクロ流体プレートの前記第2端縁に直交し、また前記マイクロ流体プレートの前記第2端縁は前記マイクロ流体プレートの前記第3端縁に直交することができる。
【0015】
装置の幾つかの実施形態において、前記フレームはほぼ長方形の開口を有することができ、前記マイクロ流体プレートは前記ほぼ長方形の開口内に着座することができ、前記ほぼ長方形の開口は互いに対面する対向側壁を有することができ、前記第1支持ブラケットの前記第1インデキシング形体は、前記ほぼ長方形の開口における一方の前記対向側壁と前記マイクロ流体プレートの第1端縁との間に介挿することができ、また前記第1支持ブラケットの前記第3インデキシング形体は、前記ほぼ長方形の開口における他方の前記対向側壁と前記マイクロ流体プレートの前記第3端縁との間に介挿することができる。
【0016】
装置の幾つかの実施形態において、前記ほぼ長方形の開口は前記第2端縁に平行な方向の開口幅を有することができ、第1インデキシング形体の幅は、前記ほぼ長方形の開口の前記対向側壁に対面する、前記第1支持ブラケットの前記第1インデキシング形体及び第1支持ブラケットの前記第3インデキシング形体における表面の最も離間する部分間に存在することができ、また前記開口幅から前記第1インデキシング形体の幅を差し引いた値は、前記第1距離から前記第1幅を差し引いた値よりも小さいものとすることができる。
【0017】
幾つかの実施形態において、前記マイクロ流体プレートは、さらに、第1側面上に1つ又はそれ以上の第2流体ポートを有することができ、前記装置は、さらに、前記フレームに取り付けられる第2支持ブラケットであって、前記マイクロ流体プレートは前記第2支持ブラケットと前記フレームとの間に介挿され、第2支持ブラケットは前記マイクロ流体プレート及び前記フレームに対して浮動し、前記マイクロ流体プレート及び前記フレームは相互に相対浮動し、また前記第2支持ブラケットの第1側面が前記マイクロ流体プレートに対面するものである、該第2支持ブラケットと、を備えることができる。このような実施形態において、前記第2支持ブラケットは、前記第2支持ブラケットの前記第1側面から突出し、かつ前記マイクロ流体プレートの第1端縁に近接している第1インデキシング形体を有することができ、前記第2支持ブラケットは、前記第2支持ブラケットの前記第1側面から突出し、かつ前記マイクロ流体プレートの第2端縁側とは反対側の第4端縁に近接している第2インデキシング形体を有することができ、前記マイクロ流体プレートは、前記第1支持ブラケットの第2インデキシング形体と前記第2支持ブラケットの第2インデキシング形体との間に介挿することができ、前記第2支持ブラケットは、前記第2支持ブラケットの前記第1側面から盛り上がる少なくとも1つのシールが設けられ、かつ前記マイクロ流体プレートに当接するよう位置決めされる第2ガスケットを有することができ、また前記第2支持ブラケットの第1インデキシング形体及び前記第2支持ブラケットの第2インデキシング形体は、前記第2ガスケットの前記少なくとも1つのシールが前記1つ又はそれ以上の第2流体ポートにおける対応する少なくとも1つの第2流体ポートに整列するとき、前記マイクロ流体プレートの前記第1端縁及び前記第4端縁にそれぞれ接触することができる。
【0018】
幾つかのこのような実施形態において、前記フレームは、互いに対面する対向表面を持つ互いに対向する2つの第2保持クリップを有することができ、前記第2支持ブラケットは前記互いに対向する2つの第2保持クリップ間に位置決めすることができ、前記第2保持クリップの前記対向表面は、第2距離だけ互いに離間することができ、また前記第2支
持ブラケットの前記第2保持クリップにおける前記対向表面間の部分は、前記第2保持クリップにおける前記対向表面間を差し渡す方向に第2幅を有することができ、該第2幅は前記第2距離よりも小さいものとすることができる。
【0019】
さらに、幾つかのこのような実施形態において、前記第2支持ブラケットは、前記第2支持ブラケットの前記第1側面から突出する第3インデキシング形体であって、前記マイクロ流体プレートの前記第3端縁に近接する、該第3インデキシング形体を有することができ、また前記マイクロ流体プレートは、前記第2支持ブラケットの第1インデキシング形体と、前記第2支持ブラケットの前記第3インデキシング形体との間に介挿することができる。
【0020】
さらに、幾つかのこのような実施形態において、前記フレームはほぼ長方形の開口を有することができ、前記マイクロ流体プレートは前記第1端縁とは反対側の第3端縁を有し、
前記マイクロ流体プレートは前記ほぼ長方形の開口内に着座し、
前記ほぼ長方形の開口は互いに対面し、かつ前記第2端縁に平行な方向の開口幅を画定する対向側壁を有することができ、前記第2支持ブラケットの前記第1インデキシング形体は、前記ほぼ長方形の開口における一方の前記対向側壁と前記マイクロ流体プレートの第1端縁との間に介挿することができ、また前記第2支持ブラケットの前記第3インデキシング形体は、前記ほぼ長方形の開口における他方の前記対向側壁と前記マイクロ流体プレートの前記第3端縁との間に介挿することができ、前記マイクロ流体プレートは、前記第2支持ブラケットの前記第1インデキシング形体と前記第2支持ブラケットの前記第3インデキシング形体との間を差し渡す方向のプレート幅を有することができ、第2インデキシング形体の幅は、前記ほぼ長方形の開口の前記対向側壁に対面する、前記第2支持ブラケットの前記第1インデキシング形体及び第2支持ブラケットの前記第3インデキシング形体における表面の最も離間する部分間に存在することができ、また前記開口幅から前記第2インデキシング形体の幅を差し引いた値は、前記第2距離から前記第2幅を差し引いた値よりも小さいものとすることができる。
【0021】
幾つかの実施形態において、前記マイクロ流体プレートに2つの第2流体ポートが存在することができ、また前記第2ガスケットは2つのシールを有し、各シールは、前記第2支持ブラケットに貫通する貫通孔であって、前記第2支持ブラケットの第1インデキシング形体及び第2支持ブラケットの第2インデキシング形体が、前記マイクロ流体プレートの前記第1端縁及び第4端縁にそれぞれ接触するとき、前記第2流体ポートにおける異なる1つの第1流体ポートに整列する、該貫通孔を持つことができる。
【0022】
幾つかの実施形態において、前記第2ガスケットは、前記第2支持ブラケットの前記第1側面から盛り上がっており、かつ前記マイクロ流体プレートに当接するよう位置決めされる、支持フットを有することができ、前記第2ガスケットにおける前記2つのシールの中心点間に第3軸線を画定することができ、前記第2ガスケットの前記支持フットは、前記第3軸線に直交しかつ前記マイクロ流体プレートに平行な第4軸線に沿って前記第3軸線から第2の量だけオフセットでき、また前記第2ガスケットの前記支持フットは、前記マイクロ流体プレートに接触する上面であり、前記第2ガスケットの前記2つのシールにおける前記マイクロ流体プレートに同様に接触する上面と同一表面にある、該上面を有することができる。幾つかのこのような実施形態において、前記第2ガスケットの前記支持フットはシールとして作用しないものとすることができる。幾つかの代案的又は付加的なこのような実施形態において、前記第2ガスケットは前記第2支持ブラケット内に同時成形することができる。
【0023】
幾つかの実施形態において、前記第2支持ブラケットは、前記第2支持ブラケットの前記第1側面とは背反する側に面する第2側面を有することができ、また少なくとも2つの第2流体ポートインデキシング形体が前記第1支持ブラケットの前記第2側面から突出することができ、前記第1流体ポートインデキシング形体各々は、前記装置を収容する又は収容するよう構成される解析デバイスの第1流体ポートブロックにおける対応する流体ポートインデキシング孔に係合する又は係合するよう構成される。
【0024】
これら及び他の実施形態を図及び以下の詳細な説明につきさらに詳細に説明する。他の特徴、態様、及び利点は、本明細書、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。以下の図面の相対寸法は縮尺通りには描いていないことに留意されたい。
【0025】
本明細書で開示される様々な実施形態は、例として、また限定することなく添付図面の図において説明され、図における同様の参照符号は同様の素子に言及するものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】例示的フローセルカートリッジの分解等角投影図を示す。
図2図1の例示的フローセルカートリッジを下側から見た分解等角投影図を示す。
図3図1の例示的フローセルカートリッジにおける分解しない状態を正面から見た等角投影図を示す。
図4図1の例示的フローセルカートリッジにおける分解しない状態を後面から見た等角投影図を示す。
図5】表面間にシールが介在している該表面相互が横方向に並進移動するとき、どのようにシールが転動するかを示す説明図である。
図6】表面間にシールが介在している該表面相互が横方向に並進移動するとき、どのようにシールが転動するかを示す説明図である。
図7】支持フットがどのようにして図5及び6に示す転動挙動を防止することができるかを示す説明図である。
図8】支持フットがどのようにして図5及び6に示す転動挙動を防止することができるかを示す説明図である。
図9図1の例示的フローセルカートリッジにおける浮動支持ブラケットの等角投影図である。
図10図1の例示的フローセルカートリッジにおける浮動支持ブラケットを下側から見た等角投影図である。
図11図1の例示的フローセルカートリッジにおける例示的レシーバー(受器)の等角投影図である。
図12図11の例示的レシーバー及び図1の例示的フローセルカートリッジの分解等角投影図を示す。
図13図1の例示的フローセルカートリッジの平面図を示す。
図14】例示的フローセルカートリッジをクランプする間に生じ得るコンポーネント整列する種々の段階のうちの1つを示す。
図15】例示的フローセルカートリッジをクランプする間に生じ得るコンポーネント整列する種々の段階のうちの1つを示す。
図16】例示的フローセルカートリッジをクランプする間に生じ得るコンポーネント整列する種々の段階のうちの1つを示す。
図17】例示的フローセルカートリッジをクランプする間に生じ得るコンポーネント整列する種々の段階のうちの1つを示す。
【0027】
図1~4及び9~13は、各図面内で縮尺通りに描出しているが、図示の実施形態の縮尺が図面毎に変化し得る。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明者らは、ガラスプレート構体内に収容したマイクロ流体構造を利用する化学的及び生物学的解析システムに使用されるようなフローセルカートリッジの新規な設計を着想
した。これらの概念を以下に添付図面につき詳述するが、当然のことながら、これら概念は図示の特別な実施形態以外のカートリッジ設計で実現することができ、またそのような他の実施形態も依然として潜在的に特許請求の範囲に含まれるものである。
【0029】
図1は例示的フローセルカートリッジの分解等角投影図を示す。図1において、フローセルカートリッジ100は、例えば、成形プラスチック又は他の耐久性のある材料で形成することができるフレーム102を有する。このフレームは、ガラスプレート(又は他の材料、例えばアクリル若しくは他のプラスチックのプレート)、例えば、マイクロ流体構造を収容するガラスプレート114を支持する支持構体を提供することができ、このプレートは、マイクロ流体プレートとも称することができる。この実施形態において、第1端縁122、第2端縁124、第3端縁126及び第4端縁128を有するガラスプレートは、ガラスプレートの長手方向軸線に平行な方向に沿って、例えば、第1端縁122及び/又は第3端縁126に沿って延在する互いに平行な複数のマイクロ流体チャンネルのセットを4セット有する。適用可能な限りにおいて、本明細書における用語「第1」、「第2」、「第3」等(又は他の序数表記)は、単にこれら用語で記述される対象それぞれを個別の構成要素として示すのに採用するものであり、また本明細書でそれ以外を明記しない限り、経時的順序の意義を含意することは意味しない。第1端縁122及び第3端縁126は、幾つかの実施形態において、第2端縁124及び第4端縁128に対してほぼ直交することができるが、他の実施形態においては、他の向きとすることができる。図1の例示的フローセルカートリッジを下側から見た分解等角投影図を示す図2で分かるように、マイクロ流体構造の各セットは、1つ又はそれ以上の第1流体ポート118及び1つ又はそれ以上の第2ポート120で終端することができる。第1及び第2の流体ポート118、120はガラスプレート114の第1側面116に位置することができるが、他の実施形態において、第1側面116には第1流体ポート118又は第2流体ポート120のいずれか一方のみ設けることができる。フレーム102はほぼ長方形の開口(又は他の形状の形状)104を有することができ、この開口はガラスプレート114を収容するサイズとし、この長方形の開口104は、カートリッジを完全に組み付けたとき、ガラスプレート114の第1端縁122及び第3端縁126に密接する互いに対向する側壁106を有することができる。本明細書で使用する用語「ほぼ長方形(substantially rectangular)」は、全体的に見て長方形の形状を有する開口に言及するのに使用するが、全体的形状に様々な形体又は不連続性が存在することができ、例えば、図示の長方形開口の一方の側壁に沿う半円形の切欠き、又は長方形開口104の短い方の端縁に沿うクランプアーム溝孔が存在し得る。互いに対向する側壁106は開口幅195によって離間し、第1支持ブラケット132及び第2支持ブラケット160、並びにひいてはガラスプレート114が、長方形開口104内で少なくとも幾らかの移動範囲例えば、1mm~約2mm以下にわたり浮動することができる。
【0030】
ガラスプレート114は、第1支持ブラケット132及び第2支持ブラケット160のような1つ又はそれ以上の支持ブラケットを用いてカートリッジ100内の所定位置に保持することができる。本明細書において、第1支持ブラケット132の特徴のみを詳細に説明するが、第1支持ブラケット132と同一又は同一でない場合があり得る第2支持ブラケット160は、少なくとも構造的には第1支持ブラケット132と類似しており、また同様に作動することができる。
【0031】
第1支持ブラケット132は、第1側面134(図1参照)及び第2側面136(図2参照)を有することができる。第1側面134は、ガラスプレート114に対面し、また第1側面134から突出する第1インデキシング形体138、例えば、成形したピン又はポストを有することができ、この第1インデキシング形体138は、カートリッジを完全に組み付けたとき、少なくとも第1インデキシング形体138のガラスプレート114に対面する側面がガラスプレート114に接触し得るほど十分長いものである。第1インデキシング形体138は、第1支持ブラケット132上で位置決めし、この位置決めは、カートリッジを完全に組み付けたとき、第1インデキシング形体138がガラスプレート114の第1端縁122に近接する又は接触するよう行うことができる。第1支持ブラケット132は、さらに、1つ又はそれ以上の第2インデキシング形体140(付加的な第2インデキシング形体140′も図1に示す)を有することができ、この第2インデキシング形体140は、ガラスプレート114の第2端縁124に近接又は物理的に接触するよう各第2インデキシング形体140が第1支持ブラケット132上で位置決めされ得る点を除いて、第1インデキシング形体138に類似する。第1支持ブラケット132は、さらに第3インデキシング形体142も有することができ、この第3インデキシング形体142は第1支持ブラケット132における第1インデキシング形体138側とは反対側の端部に位置決めすることができる。第1インデキシング形体138及び第3インデキシング形体142は、使用するならば、第1浮動ギャップ156だけ互いに離間し、この第1浮動ギャップ156は、プレート幅130よりも僅かに大きい寸法にして、ガラスプレート114が第1インデキシング形体138及び第3インデキシング形体142の制約内で「浮動(float)する」できるようにする。第1インデキシング形体138及び第3インデキシング形体142の最も離間する表面は、同様に第1インデキシング形体幅157を画定することができる。開口幅195は第1インデキシング形体幅157よりも広く、これにより第1支持ブラケット132が長方形開口104の互いに対向する側壁106間で横方向に浮動できるようになる。
【0032】
第1支持ブラケットは、さらに、1つ又はそれ以上の第1ガスケット144を有することができ、この第1ガスケット144は1つ又はそれ以上のシール146を有することができる(この実施形態において、各第1ガスケット144は、それぞれが異なる第1流体ポート118と整合するよう位置決めされる2個のシール146を有する)。第1ガスケット144は、例えば、第1支持ブラケット132内に挿入可能とすることができる、又は幾つかの実施形態においては、第1支持ブラケット132と同時成形することができる(この後者ケースでは、第1ガスケット144及び第1支持ブラケット132は、実質的には単一コンポーネントとして処理される)。シールは、第1支持ブラケットの第1側面134から、及び随意的に第2側面136から盛り上がっており、これによりガラスプレート114、及び以下に詳細に説明するように流体ポートブロックそれぞれを圧迫することができる。幾つかの実施形態において、例えば、カートリッジを解析デバイスに設置するとき第2側面136に対面する流体ポートブロックがシールと係合することができる隆起したボスを有する場合、シールは第1支持ブラケットの第2側面136からは盛り上がらないことがあり得る。
【0033】
第1ガスケット144は、さらに支持フット148を有することができ、この支持フット148は、シール146がガラスプレート114に接触している間に第1支持ブラケット132がガラスプレート114の主表面に平行な方向に並進移動するとき、シール146の中心を通過する軸線周りに第1ガスケット144が「転動する(rolling)」のを防止又は軽減するために設けることができる。この目的のために、支持フット148は、このような転動挙動に抵抗するモーメントアームをなすよう、第1ガスケット144のシール146の中心間を跨る第1軸線150から、この第1軸線150に直交する第2軸線152に沿って幾分の距離だけオフセットさせることができる。支持フット148及びシール146は、すべてガラスプレート114が第1ガスケット144に接触させられるとき一斉にガラスプレート114に接触する接触面を有するよう設計することができる。これら接触面はすべて互いに平行となるようにすることができ、支持フット148の接触面がガラスプレート114に接触しているとき、シール146の接触面も、良好に、すなわち、いかなる誤整列ギャップもなく、ガラスプレート114に接触するのを確実にする。図示の例示的カートリッジにおいて、各支持ブラケットは2個の第1ガスケットを有することができるが、必要であれば混同を回避するため、第2ガスケット、第3ガスケット等と称することができる。支持フット148はシール146に類似の外観を有するが、実際上何ら「封止(sealing)」特性をもたらさず、単に「転動」を防止又は軽減する目的のた
めに存在していることも理解されたい。
【0034】
図5及び6は、表面間にシールが介在している該表面相互が横方向に並進移動するとき、どのようにシールが転動するかを示す説明図である。図5において、ガラスプレート514は流体ポートブロック564からオフセットしており、またガスケット544を有する支持ブラケット532はガラスプレートと流体ポートブロックとの間に介在する。ガスケット544は、流体ポートブロック564における流体ポート518′に整列するが、ガラスプレート514における流体ポート518とは幾分不整列状態である。図6で分かるように、ガラスプレート514が横方向に摺動し、これにより流体ポート518がシール546に整列するとき、シール546とガラスプレート514/流体ポートブロック564との間の摩擦がシール546を同量距離の摺動をさせず、この結果、ガスケット544及び支持ブラケット532は僅かに傾動又は転動することができ、これによりシール546とガラスプレート514/流体ポートブロック564との間にギャップ594を生ずることになる。このことは、勿論漏洩を生ずることになるため望ましくない。
【0035】
図7及び8は、支持フットがどのようにして図5及び6に示す転動挙動を防止することができるかを示す説明図である。図から分かるように、ガスケット544は右方に延長しており、また支持フット748がガスケット544に追加されている。ガラスプレート514が左方に摺動するとき、図6に示すように、支持フット748は、シール546とガラスプレート514/流体ポートブロック564との間の摩擦によって生ずるいかなる潜在的転動モーメントに対しても対抗モーメントを生ずる。このことは、ギャップ594の形成を防止し、またシール546を封止する表面に対して良好に接触する状態を維持する。
【0036】
第1支持ブラケット132は、互いに対向する2つの第1保持クリップ108内にスナップ嵌合することができる(図2には一方のみが見えており、これは他方がフレーム102の他の形体によって遮られているからであり、しかし、フレーム102の反対側からは見える対応の第2保持クリップが存在し、この第2保持クリップは同様に構成されるものの場所が異なるだけである)。第1保持クリップ108は、第1距離112だけ互いに離間する対向表面110を有することができる。この第1距離は、第1支持ブラケット132の第1幅158よりも大きく、したがって、第1支持ブラケット132は、第1保持クリップ108内にスナップ嵌合されるとき僅かな量の距離だけ横方向に浮動することができる。幾つかの実施形態において、第1支持ブラケット132と対向する側壁106との間における浮動量、すなわち開口幅195から第1インデキシング形体幅157を差し引いた量は、第1支持ブラケット132と保持クリップ108との間の浮動量、すなわち第1距離112から第1幅158を差し引いた量よりも小さくすることができる。同様の関係性は第2支持ブラケット160についても存在し得る。
【0037】
図3は、図1の例示的フローセルカートリッジにおける分解していない/組み付け状態を正面から見た等角投影図を示す。図4は、図1の例示的フローセルカートリッジにおける分解していない/組み付け状態を後面から見た等角投影図を示す。図から分かるように、ガラスプレート114は、第1支持ブラケット132及び第2支持ブラケット160によってフレーム102内の所定位置に保持され、これら第1及び第2の支持ブラケットはそれぞれ第1保持クリップ108及び第2保持クリップによって所定位置に保持される。フレームは、ガラスプレート114における互いに対応する第1部分197及び第2部分197′(図1参照)にオーバーラップする第1オーバーラップ部分196及び第2オーバーラップ部分196′(図2参照)を有することができる。第1部分197は第2端縁124を含み、また第2部分197′は第4端縁128を含むことができる。オーバーラップ部分196/196′は、ガラスプレート114がフレーム102の前面から脱落するのを防止することができ、例えば、ガラスプレート114はオーバーラップ部分196
/196′と第1/第2支持ブラケット132/160との間に挟持することができる。ガラスプレート114は、しかし、依然としてフレーム内で或る程度自由に浮動することができる。
【0038】
図9は、図1の例示的フローセルカートリッジ100における第1支持ブラケット132の等角投影図である。図10は、図1の例示的フローセルカートリッジ100における第1支持ブラケット132を下側から見た等角投影図である。第1インデキシング形体138、第2インデキシング形体140、及びあり得る第3インデキシング形体142に加えて、第1支持ブラケット132は、さらに、この第1支持ブラケット132の第2側面136に第1流体ポートインデキシング形体154を有することができる(第2支持ブラケット160も対応する第2流体ポートインデキシング形体を有することができる)。図から分かるように、第1支持ブラケットは、第1幅158を越えて突出する部分、すなわち、第1支持ブラケット132の4つの最外側コーナーに位置する小さい「歯」を有する。これら歯は、第1保持クリップ108と係合することができ、また第1支持ブラケット132が幾分制限された量だけ第1端縁122に平行な軸線に沿って浮動できるようにする。
【0039】
この例示的カートリッジにおいて、ガラスプレート114は、支持ブラケット132及び160に対して浮動することができ、またこれら支持ブラケット132及び160はフレーム102に対して浮動することができる。したがって、この例示的カートリッジにおいては、2階層の浮動コンポーネントが存在する。これら異なる階層の浮動コンポーネント、並びに種々のインデキシング形体の組合せを設けることによって、ガラスプレート114及びシール146は、互いに、またカートリッジ100を収容する機器に配置される浮動マニホールドブロックにおけるポートに対して適切に整列することができるようになる。
【0040】
図11は、図1の例示的フローセルカートリッジにおける例示的レシーバー(受器)の等角投影図である。図11から分かるように、レシーバー162を設けることができ、このレシーバーは、カートリッジ100を利用する大型解析デバイスのサブコンポーネントとすることができる。レシーバー162は、解析作業中にガラスプレート114を例えば真空によって引き付けるチャック176を有することができる。レシーバー162は、この実施形態において、1対の第1流体ポートブロック164及び反対側の1対の第2流体ポートブロック166を有することができる。第1流体ポートブロック164及び第2流体ポートブロック166は、少なくともチャック176の上面に平行な方向に(またできればチャック176の上面に対して直交する方向にも)僅かに浮動するよう構成することができる。レシーバー162の端部には、例えば、ガラスプレート114をチャック176に対してクランプするよう作用し得るクランプ機構を設けることができる。このようなクランプ機構は、例えば、クランプアーム172を有することができ、このクランプアーム172は、カートリッジ100を設置するとき、下方に回転してカートリッジ100のガラスプレート114における上面に接触することができる。レシーバー162は、さらに、インデキシング形体も有することができ、このインデキシング形体は、カートリッジ100を設置するとき、カートリッジ100の支持ブラケット及びガラスプレート114に係合するよう位置付ける。例えば、横方向インデキシングピン168を配置することができ、これによりガラスプレート114をチャック176の短軸線に沿って横方向に並進移動するときガラスプレート114が横方向インデキシングピン168に接触できるようにし、また縦方向インデキシングピン170は、例えば、一方の縦方向インデキシングピン170が他方の縦方向インデキシングピン170に向って移動するとき、カートリッジ100の支持ブラケットに接触するよう位置決めすることができる。この実施形態において、左側の縦方向インデキシングピン170は間隙を介してレシーバー162に対して固定するとともに、他方の縦方向インデキシングピン170はチャック176の長軸線に平行な軸線に沿って摺動するよう構成する。摺動する縦方向インデキシングピン170は他方の縦方向インデキシングピン170に向かって押圧偏移されるようばね負荷することができる。種々のインデキシング形体の相互作用を以下に図12につきより詳細に説明する。
【0041】
図12は、図11の例示的レシーバー及び図1の例示的フローセルカートリッジの分解等角投影図を示す。この実施形態において、カートリッジ100は分解した状態で示しているが、カートリッジを形成する種々のコンポーネントは、カートリッジ100をレシーバー162に配置する前には図3に示すように完全に組み付けられる。
【0042】
カートリッジ100をレシーバー162の頂部に載置するとき、クランプアーム172は下方に回転し、またガラスプレート114の頂部側面に係合することができる。クランプアーム172は、さらに、回動するにつれてその回転軸線に沿い横方向インデキシングピン168に向って並進移動することができ、したがって、クランプアーム172の側面が矩形の切欠き又はクランプアーム溝孔198の側面に係合し、これによりフレーム102全体も同様に同一軸線に沿って並進移動させることができる。例えば、クランプアーム溝孔198は、第2端縁124に平行な方向におけるクランプアーム幅173が同一方向におけるクランプアーム溝孔198の幅よりも小さいサイズにすることができ、これによりクランプアーム172はクランプアーム溝孔198内に揺動し、かつクランプアーム172の横方向並進移動中に、クランプアーム溝孔198の横方向インデキシングピン168に対して背反する側に面する側面に圧着し、これによってフレーム102を横方向インデキシングピン168に押し付けることができる。この横方向摺動中に、フレーム102は(このような状態に未だ至っていない場合)、互いに対向する側壁106のうち一方に沿って配置したインデキシング形体接触ポイントで第1支持ブラケット132における第1インデキシング形体138(及び第2支持ブラケット160における対応の第2インデキシング形体)に接触することになる。フレーム102が横方向インデキシングピン168に向かう並進移動を継続するにつれて、ガラスプレート114は、最終的に横方向インデキシングピン168及び第1インデキシング形体138の双方に接触することになる(横方向インデキシングピン接触ポイント184及びガラスプレート114の第1端縁122に沿うインデキシング形体接触ポイント182参照)。最終的に、第1インデキシング形体138はフレーム102とガラスプレート114(横方向インデキシングピン168に圧着される)との間に挟持され、これによって第1支持ブラケット132及び第2支持ブラケット160を、横方向、すなわち、チャック176の長軸に直交する方向に間隙を介してしっかりと配置する。このことは、第1支持ブラケット132及び第2支持ブラケット160におけるシールを、それぞれガラスプレート114における対応の第1流体ポート118及び対応の第2流体ポート120に整列させる。
【0043】
横方向インデキシングピン168に向かうフレームの並進移動に続いて、移動後又は移動と同時に、縦方向インデキシングピン170を互いに接近する方向に移動させ(一方又は双方を移動させることができる)、これによって第1支持ブラケット132及び第2支持ブラケット160における対向端縁に接触し、また第1支持ブラケット##32及び第2支持ブラケット160を互いに接近する方向に押圧する。第1支持ブラケット132及び第2支持ブラケット160が互いに接近する方向に移動するとき、ガラスプレート114は、第1支持ブラケット132及び第2支持ブラケット160における第2インデキシング形体140(及び存在する場合には140′)に接触するようになる。このようにして、第1支持ブラケット132及び第2支持ブラケット160はガラスプレート114に整列し、またひいては第1流体ポート118及び第2流体ポート120に整列することになる。
【0044】
このようなプレート整列後又は整列中に、流体ポートブロック164、166は上昇し、これにより第1流体ポートインデキシング形体154(及び第2支持ブラケット160における対応の第2流体ポートインデキシング形体)が第1流体ポートブロック164及び第2流体ポートブロック166における対応の整列孔188内に挿入され得る。流体ポートブロックが上昇するとき、第1流体ポートインデキシング形体154及び第2流体ポートインデキシング形体は対応の整列孔188内に係合することができ、また第1流体ポートブロック164及び第2流体ポートブロック166をそれぞれ強制的に第1支持ブラケット132及び第2支持ブラケット160に整列させる。このことは、ひいては支持ブラケット132、160それぞれにおける対応のシール146を、それぞれ第1流体ポートブロック164及び第2流体ポートブロック166における流体ポートに整列させる。
【0045】
このようにして、カートリッジ100における及びレシーバー162に配置されたインデキシング形体/ピンによる異なるセットに係合し、また流体ポート、シール、及びポートブロック部分を一列に揃わせる精密に整列した位置に移動する多段レベルの浮動コンポーネントを有することができ、この精密整列位置では、例えば、幾つかの実施形態において、流体ポート、シール、及びポートブロック部分の中心線が互いに約0.05mm未満の相対位置にあり、これによって高品質の流体密封止を確保する。同時に、カートリッジの幾つかの実施形態は、浮動ブラケットにおける追加形体、例えば、シールの転動を防止し得る支持フットに特徴があり、これによっていかなる封止した接続部の完全性を確保することができる。幾つかの浮動コンポーネント、例えば支持ブラケットは、他の浮動コンポーネント、例えばガラスプレートを保持する作用も行うことができ、この場合、ガラスプレートとカートリッジフレームとの間における熱膨張による不整合に起因するガラスプレートに対する応力印加、カートリッジフレームの僅かな撓み、等を防止するよう保持する。
【0046】
カートリッジ100における種々のコンポーネントの浮動挙動は、図13を参照するとよりよく理解でき、この図13は、図1の例示的フローセルカートリッジの平面図を示す。参照目的のため、横方向インデキシングピン168は点線円として示し、またクランプアーム172の外形は点線丸み付き長方形として示すが、図示のコンポーネントの残りの部分はカートリッジ100の一部である。クランプアーム172は、クランプアーム溝孔198の側面に係合しかつ押し付けられている「係合」位置(黒色ラインフォント)及び横方向並進移動前の位置であり得る非係合位置(灰色ラインフォント)の双方で示す。ガラスプレート114は、フレーム102に対して、第1及び第2のインデキシング形体138及び142によって制限される量だけ横方向に移動することができる。第1及び第2の支持ブラケットは、ブラケット浮動包絡線180で示すようにより少ない量だけ横方向(並びに縦方向)に移動することができる。例えば、第1及び第2の支持ブラケットは、フレームに対してXの距離だけ横方向に浮動することができ、このXは、開口幅195から第1インデキシング形体幅157を差し引いた値とすることができ、またガラスプレート114は、第1及び第2の支持ブラケット132及び160に対してYの距離だけ横方向に浮動することができ、このYは、第1浮動ギャップ156からプレート幅130を差し引いた値とすることができる。幾つかのこのような実施形態において、Yは、Xよりも小さいものとすることができるが、ガラスプレート114は、依然としてフレーム102に対して第1及び第2の支持ブラケット132及び160よりも大きい量だけ浮動することができ、これはすなわち、ガラスプレート114がフレーム102に対してX+Yの合計した総浮動量を有するからである。このことは、ガラスプレートの位置決めにおける相当な量の調整を可能にし得る。
【0047】
例示的整列シーケンスを図14~17に示し、これら図14~17は、例示的フローセルカートリッジをクランプする間に生じ得るコンポーネント整列する種々の段階を示す。図14において、フローセルカートリッジのフレーム1402(実線で示す)は、2つの浮動流体ポートブロック1464(破線で示す)を有するレシーバー上に落とし込む。図から分かるように、流体ポートブロック1464は、双方ともに「浮動している(floating)」という事実に起因して、僅かに傾いている。図14では、支持ブラケット1432(点線)及びガラスプレート1414(一点鎖線)の外形も見ることができる。ガラスプレート1414にわたり4個の流体ポート1418が存在する。図から分かるように、各流体ポート1418において、支持ブラケットに属する対応の形体(点線円)及び流体ポートブロック(破線)が存在する。これらは、例えば、シール146における孔に、また流体ポートブロック1464におけるポートに対応する。明らかなことだが、各場所にお
いてこれら3つの個別流体フローにおける形体間で幾分の整列が存在するが、この整列は理想的なものからは程遠く、この結果、各場所で異なる形態の開孔となり、このことは流体フローに不均衡を生ずるおそれがある。
【0048】
図15において、支持ブラケット1432は流体ポートブロック1464に完全に係合しており、これにより流体ポートインデキシング形体1454(図14参照)が整列孔1488(やはり図14参照)内に完全に挿入される。整列孔1488は、例えば皿孔状(面取りされたエッジ)に形成することができ、また流体ポートインデキシング形体1454は円錐状又は丸み付きの先端部を有することができ、これにより幾分の誤整列がある場合でも互いに係合できるようになる。流体ポートインデキシング形体1454が整列孔1488により完全に係合するとき、皿孔状部分は幅が狭くなり、流体ポートインデキシング形体1454を強制的に整列孔1488の中心に向けて移動させることができる。図から分かるように、或る流体ポートブロック1464用の整列孔1488のうち1つの整列孔は円形とし、これによりX及びY双方の位置制約をもたらすことができるとともに、他方の整列孔は、単一制約、例えば、他方の整列孔1488周りの回転を阻止する一実施形態で必要とされるような、Y軸に沿ってのみの制約をもたらすよう非円形とすることができる。整列孔1488及び流体ポートインデキシング形体1454は交換することもでき、すなわち、整列孔1488を支持ブラケット1432に配置し、また流体ポートインデキシング形体1454を流体ポートブロック1464に配置できることを理解されたい。
【0049】
図15に戻って説明すると、カートリッジの流体ポートブロック1464に対する相互作用によれば、流体ポートブロック1464同士を互いに整列させるとともに、支持ブラケット1432に対しても整列させる。この結果、流体ポートブロック1464におけるポートは、孔、例えば、支持ブラケット1432におけるシールに対して精密に整列するようになる。しかし、支持ブラケット1432における孔/シールは、未だガラスプレートの流体ポート1418には整列しない。
【0050】
図16において、ガラスプレート1414は支持ブラケット1432における第2インデキシング形体1440に接触するよう上方に移動しており、ガラスプレート1414のこの接触及び上方移動によれば、支持ブラケット1432が縦方向インデキシングピン1470に接触するまでこの支持ブラケット1432を上方に移動させ、したがって、この支持ブラケット1432を垂直方向(図の向きに関してのものであり、実際にはより正確に言うと縦(長手)方向である)の所定位置に強固にロックする。このことにより、ガラスプレート1414の流体ポート1418を支持ブラケット1432の孔/シールに対して垂直方向に整列させる。
【0051】
最後に、図17において、フレーム1402を横方向インデキシングピン1468に向けて押圧することができる。このことにより、フレーム1402の内側端縁を第1インデキシング形体1438に接触させ、このことは支持ブラケット1432を横方向インデキシングピン1468に向けて移動させ、最終的に第1インデキシング形体1438もガラスプレート1414に接触し、またガラスプレート1414の反対側の側辺を横方向インデキシングピン1468に接触するよう押圧する。図から分かるように、第1流体ポート1418及びそれに対応するシール孔及び流体ポートブロックの孔が完全に整列し、これによって一貫したサイズのフロー開孔及び適正シール整列を確保する。
【0052】
特許請求の範囲を含めて本明細書全体にわたり用いる用語「約(about)」は、加工処理における変動に起因するような僅かなゆらぎを記述及び考慮して使用される。例えば、本明細書において特別な文脈で他に明示しない限り、特定値又は特定関係性に等価な値の±5%未満又は±5%に等しい、例えば、±2%未満又は±2%に等しい、±1%未満又は±1%に等しい、±0.5%未満又は±0.5%に等しい、±0.2%未満又は±0.2%
に等しい、±0.1%未満又は±0.1%に等しい、±0.05%未満又は±0.05%に等しいものを意味することができる。
【0053】
上述したように、例えば、(a)、(b)、(c)…等の、本明細書及び特許請求の範囲における順序表記のいかなる使用も、このような順序又はシーケンスが明確に指示される場合を除いて、いかなる特定順序又はシーケンスをも意味しないと理解されたい。例えば、(i)、(ii)及び(iii)と付記された3つのステップがある場合、これらステップは、他に明記しない限り、これらステップを任意な順序で(又は他に禁忌しない場合には、同時であっても)実施ことができると理解されたい。例えば、ステップ(ii)がステップ(i)で生じた要素の取扱いを含む場合には、ステップ(ii)はステップ(i)後の何らかの時点で起こるものと見ることができる。同様に、ステップ(i)がステップ(ii)で生じた要素の取扱いを含む場合には、その逆であると理解すべきである。
【0054】
「~すべき(to)」、例えば「装置は解析デバイスのレシーバーと適合すべきである(the apparatus is to be interfaced with a receiver of an analysis device)」は、「~するよう構成される(configured to)」、例えば「装置は解析デバイスのレシーバーと適合するよう構成される(the apparatus is configured to be interfaced with a receiver of an analysis device)」等のような表現と置換可能であり得る。
【0055】
当然のことながら、上述の概念のすべての組合せ(このような概念が互いに一貫性がないものであると仮定して)は本明細書に開示された発明要旨の一部であると考えられる。とくに、特許請求の範囲の要旨のすべての組合せは本明細書に開示された発明要旨の一部であると考えられる。説明を簡潔にするため、それら順列及び組合せの多くは本明細書で個別に詳述及び/又は説明しない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17