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特許7273113情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230502BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20230502BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06T19/00 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021117463
(22)【出願日】2021-07-15
(65)【公開番号】P2023013348
(43)【公開日】2023-01-26
【審査請求日】2021-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】505300841
【氏名又は名称】株式会社ZOZO
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】玉村 雄大
(72)【発明者】
【氏名】木下 郁英
(72)【発明者】
【氏名】安藤 文紀
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-170394(JP,A)
【文献】特開2001-147959(JP,A)
【文献】特開2020-095543(JP,A)
【文献】特開2003-221718(JP,A)
【文献】特開2015-181314(JP,A)
【文献】国際公開第2009/119146(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの体型に関する体型情報と、重ね着の候補である被服に関する被服情報とを取得する取得部と、
前記取得部により取得された体型情報に基づいて、前記ユーザの体型を模して仮想上で表示する対象となる表示対象を生成する生成部と、
前記取得部により取得された体型情報と被服情報とに基づいて、前記生成部により生成された表示対象に前記被服を試着させた際の、前記候補である被服同士の属性の組み合わせに応じた重ね着の着心地を推定する推定部と、
前記推定部による推定結果に応じた情報を提供する提供部と、
を有し、
前記推定部は、
第1被服を試着した前記表示対象に対して第2被服を試着させたことにより生じる接地面積に対応する張力であって当該第1被服と当該第2被服との属性の組み合わせに基づき重み付けされた張力に応じて前記着心地を推定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部は、
第1被服を試着した前記表示対象に対して、当該第1被服に重ねて試着する第2被服を試着させた際の、当該第1被服及び当該第2被服の被服同士の属性の組み合わせに応じた前記着心地を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、
前記第1被服の属性に対して、前記第2被服の属性が所定の条件を満たすほど、肯定的な前記着心地を推定する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、
前記第1被服を試着した前記表示対象に対して、前記第2被服を試着させたことにより生じる、前記第1被服と前記第2被服との接地面積に基づいて、前記着心地を推定する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、
前記接地面積に対応する前記第2被服の張力に応じて、接地面積ごとに、前記着心地を推定する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提供部は、
前記推定部により推定された着心地を示す情報を、前記第1被服を試着した前記表示対象に重畳して表示させるための情報を提供する
ことを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記推定部は、
予め設定された重ね着の試着順に基づいて前記被服を試着させた際の、前記着心地を推定する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記推定部は、
前記被服の属性に基づいて設定された重ね着の試着順に基づいて前記被服を試着させた際の、前記着心地を推定する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザの体型に関する体型情報と、重ね着の候補である被服に関する被服情報とを取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された体型情報に基づいて、前記ユーザの体型を模して仮想上で表示する対象となる表示対象を生成する生成工程と、
前記取得工程により取得された体型情報と被服情報とに基づいて、前記生成工程により生成された表示対象に前記被服を試着させた際の、前記候補である被服同士の属性の組み合わせに応じた重ね着の着心地を推定する推定工程と、
前記推定工程による推定結果に応じた情報を提供する提供工程と、
を含み、
前記推定工程は、
第1被服を試着した前記表示対象に対して第2被服を試着させたことにより生じる接地面積に対応する張力であって当該第1被服と当該第2被服との属性の組み合わせに基づき重み付けされた張力に応じて前記着心地を推定する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
ユーザの体型に関する体型情報と、重ね着の候補である被服に関する被服情報とを取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された体型情報に基づいて、前記ユーザの体型を模して仮想上で表示する対象となる表示対象を生成する生成手順と、
前記取得手順により取得された体型情報と被服情報とに基づいて、前記生成手順により生成された表示対象に前記被服を試着させた際の、前記候補である被服同士の属性の組み合わせに応じた重ね着の着心地を推定する推定手順と、
前記推定手順による推定結果に応じた情報を提供する提供手順と、
をコンピュータに実行させ
前記推定手順は、
第1被服を試着した前記表示対象に対して第2被服を試着させたことにより生じる接地面積に対応する張力であって当該第1被服と当該第2被服との属性の組み合わせに基づき重み付けされた張力に応じて前記着心地を推定する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、仮想的にユーザの試着を手助けする技術が知られている。例えば、互いに重ねて仮想的に試着させる試着順を決定し、重ね着の際のユーザの試着状態を把握させる技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-049674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、重ね着の際のユーザの着心地を考慮した提案を行うことができないため、重ね着の際の更なるユーザビリティの向上を促進するための余地があった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、重ね着の際の更なるユーザビリティの向上を促進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、ユーザの体型に関する体型情報と、重ね着の候補である被服に関する被服情報とを取得する取得部と、前記取得部により取得された体型情報に基づいて、前記ユーザの体型を模して仮想上で表示する対象となる表示対象を生成する生成部と、前記取得部により取得された体型情報と被服情報とに基づいて、前記生成部により生成された表示対象に前記被服を試着させた際の、前記候補である被服同士の属性の組み合わせに応じた重ね着の着心地を推定する推定部と、前記推定部による推定結果に応じた情報を提供する提供部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、重ね着の際の更なるユーザビリティの向上を促進することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図3A図3Aは、実施形態に係るUI画面の一例を示す図である。
図3B図3Bは、実施形態に係るUI画面の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る体型情報記憶部の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る被服情報記憶部の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1.情報処理システムの構成〕
図1に示す情報処理システム1について説明する。図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置10と、情報処理装置100とが含まれる。端末装置10と、情報処理装置100とは所定の通信網(ネットワークN)を介して、有線または無線により通信可能に接続される。図1は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。なお、図1に示した情報処理システム1には、複数台の端末装置10や、複数台の情報処理装置100が含まれてもよい。
【0011】
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、実施形態における処理を実現可能であれば、どのような装置であってもよい。また、端末装置10は、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等の装置であってもよい。図2に示す例においては、端末装置10がスマートフォンである場合を示す。
【0012】
端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、3G(Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。また、端末装置10は、液晶ディスプレイ等の画面であって、タッチパネルの機能を有する画面を有し、ユーザから指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、コンテンツ等の表示データに対する各種の操作を受付けてもよい。
【0013】
図2では、端末装置10はユーザU11によって利用される。以下では、端末装置10をユーザU11と表記する場合がある。すなわち、以下では、ユーザU11を端末装置10と読み替えることもできる。
【0014】
情報処理装置100は、重ね着の際のユーザの着心地を考慮した提案を行うための情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、情報処理装置100は、重ね着の候補である被服に関する被服情報に基づいて、被服同士の属性(例えば、サイズ、素材、厚さなど)の組み合わせに応じた重ね着の着心地を推定し、推定結果に応じた情報を提供する機能を有する。
【0015】
なお、図1では、端末装置10と情報処理装置100とが、別装置である場合を示すが、端末装置10と情報処理装置100とが一体であってもよい。
【0016】
〔2.情報処理の一例〕
以下実施形態では、説明の便宜上、ユーザの体型を模して仮想上で表示する対象となる表示対象の一例として、アバター(Avatar)を例に挙げて説明するが、この例に限られないものとする。ユーザの体型を仮想上で疑似的に表現可能なものであれば、アバターといった単語で表現されるものに限らず、どのようなものであってもよい。なお、アバターが3Dであるものとして説明する。また、以下実施形態では、試着とは、ユーザの体型を模して仮想上で表示する表示対象に対する試着であるものとして説明する。例えば、ユーザの試着とは、ユーザの体型を仮想上で疑似的に反映させたアバターに対する試着と読み替えることもできるものとする。また、以下実施形態では、重ね着とは、被服を試着した表示対象に対する被服の試着であるものとして説明する。なお、以下適宜、表示対象が試着している前者の被服を「第1被服」とし、表示対象に重ね着させる後者の被服を「第2被服」とする。なお、第1被服及び第2被服はそれぞれ、単数であってもよいし複数であってもよいものとする。
【0017】
図2は、実施形態に係る情報処理システム1の情報処理の一例を示す図である。図2では、端末装置10を介してユーザU11に提案を行うものとする。
【0018】
情報処理装置100は、ユーザU11の体型に関する体型情報を取得する(ステップS101)。例えば、情報処理装置100は、端末装置10に表示されたUI画面に入力された入力情報に基づいて、ユーザU11の体型情報を取得する。この場合、情報処理装置100は、ユーザU11により入力された体型情報を、ユーザU11の体型情報として取得する。なお、情報処理装置100は、ユーザU11の体型情報をどのように取得してもよい。例えば、情報処理装置100は、ユーザU11の体型情報を、試着することにより体型情報の詳細が計測可能な体型情報計測手段を介して取得してもよい。
【0019】
情報処理装置100は、ユーザU11のアバターに試着させる重ね着の候補である被服に関する被服情報を取得する(ステップS102)。具体的には、情報処理装置100は、重ね着の候補である第1被服と第2被服とに関する被服情報それぞれを取得する。例えば、情報処理装置100は、第1被服に関する被服情報を取得し、第1被服の被服情報に基づいて、第1被服を試着したアバターに試着させる第2被服に関する被服情報を取得する。なお、情報処理装置100は、第1被服及び第2被服の被服情報を、例えば、ユーザU11の体型情報を管理するサーバ装置から取得してもよい。この場合、第1被服及び第2被服は、ユーザU11の体型情報を管理するサーバ装置が提供する所定の電子商店街で購入可能な被服であってもよい。以下、第1被服及び第2被服について更に説明する。
【0020】
第1被服及び第2被服は、どのように設定されてもよいものとする。例えば、ユーザU11が第1被服を設定した上で第2被服を設定してもよいし、ユーザU11が選択した複数の被服の被服情報に基づいて、情報処理装置100が、第1被服及び第2被服を設定してもよい。後者の場合、情報処理装置100は、例えば、ユーザU11が選択した複数の被服の被服情報に基づく相対的な比較に基づいて、第1被服となり得る適正が高い被服を第1被服に設定し、第2被服となる得る適正が高い被服を第2被服に設定してもよい。なお、この場合、情報処理装置100は、第1被服となり得る適正が最も高い被服を第1被服に設定し、第1被服以外の他の被服をまとめて第2被服に設定してもよい。このように、第1被服及び第2被服は、重ね着の候補である被服の相対的な関係性に基づいて設定される。このため、第1被服は、重ね着の際にユーザU11の肌に最も接する被服に限られず、ユーザU11は、第1被服の下に、他の被服を試着していてもよいものとする。
【0021】
ここで、第1被服及び第2被服の設定の具体的な例を挙げる。例えば、重ね着の候補である被服が、スーツ、シャツ、ネクタイ、ベストである場合には、情報処理装置100は、シャツを第1被服に設定し、スーツを第2被服に設定してもよいし、シャツを第1被服に設定し、スーツ、ネクタイ、ベストをまとめて第2被服に設定してもよい。また、例えば、情報処理装置100は、シャツ、ネクタイをまとめて第1被服に設定し、スーツ、ベストをまとめて第2被服に設定してもよい。このように、第1被服及び第2被服の設定の組み合わせは特に限定されないものとする。なお、重ね着の試着順はどのように設定されてもよく、例えば、ユーザU11により予め自由に設定されてもよいし、被服同士の属性の組み合わせに基づいて設定されてもよいものとする。後者の場合、例えば、被服同士の属性の組み合わせが、ベストとスーツである場合には、ベストの下にスーツを試着する可能性は低いため、ベストが第1被服に設定され、スーツが第2被服に設定される。また、例えば、被服同士の属性の組み合わせが、シャツとベストである場合には、シャツの下にベストを試着する可能性は低いため、シャツが第1被服に設定され、ベストが第2被服に設定される。
【0022】
以下、ユーザU11が第1被服を設定した上で第2被服を設定する場合の処理を例に挙げて後述の処理を説明する。
【0023】
情報処理装置100は、取得された体型情報に基づいて、ユーザU11の体型を仮想上で疑似的に表現したアバターを生成する(ステップS103)。なお、情報処理装置100は、ユーザU11のアバターをユーザU11に提示するための情報を端末装置10に送信してもよい。この場合、端末装置10は、ユーザU11のアバターを表示させる。これにより、ユーザU11は、アバターの体型が自身の体型と合っているか否かを適切に把握することができる。
【0024】
図3Aは、ユーザU11にアバターを提示するUI画面の一例を示す図である。画面UI11には、ユーザU11のアバターAV11が表示される。なお、アバターAV11の状態(ポーズ)は、任意に変更可能なものとする。また、画面UI11は、アバターAV11を、自身のアバターとして決定する操作項目SK11を含む。ユーザU11が、操作項目SK11を操作すると、操作項目SK11が操作された情報が、情報処理装置100に送信される。
【0025】
ここで、情報処理装置100は、第1被服を試着したアバターAV11を生成してもよい。そして、情報処理装置100は、第1被服を試着したアバターAV11をユーザU11に提示するための情報を端末装置10に送信してもよい。この場合、端末装置10は、第1被服を試着したアバターAV11を表示させる。これにより、ユーザU11は、第1被服を試着した際の試着状態が、自身の体型と合っているか否かを適切に把握することができる。
【0026】
図3Bは、ユーザU11に第2被服を設定させるUI画面の一例を示す図である。画面UI12には、ユーザU11が設定した第1被服を試着したモデルMO11が表示される。なお、モデルMO11は、アバターAV11とは異なり、ユーザU11の体型を反映させた表示対象ではなく、予め定められた表示対象である。例えば、モデルMO11は、所定の電子商店街を管理するサーバ装置から提供された情報に基づいて表示される。なお、モデルMO11の状態は、任意に変更可能なものとする。
【0027】
画面UI12は、第2被服を選択させる入力項目NK11及びNK12を含む。ユーザU11が入力項目NK11及びNK12を操作することにより、第2被服が選択可能なものとする。例えば、ユーザU11が入力項目NK11及びNK12を操作すると、第2被服が選択可能なUI画面に遷移する。そして、ユーザU11が入力項目NK11及びNK12を介して被服を選択すると、第1被服の上に選択された被服を試着したモデルMO11が表示される。また、画面UI12は、選択された被服を、第1被服を試着したアバターAV11に試着させる第2被服として決定する操作項目SK12を含む。具体的には、操作項目SK12は、第1被服の上に重ね着させる第2被服を決定する操作項目である。ユーザU11が、操作項目SK12を操作すると、操作項目SK12が操作された情報が、情報処理装置100に送信される。なお、図3Bでは、画面UI12が有する入力項目の数が2つである場合を示すが、入力項目の数は特に限定されないものとする。
【0028】
ユーザU11が、入力項目NK11及びNK12を介して被服を選択し、操作項目SK12を操作すると、入力項目NK11及びNK12を介して選択された情報が、情報処理装置100に送信される。そして、情報処理装置100は、入力項目NK11及びNK12で選択された情報に基づいて、第1被服を試着したアバターAV11に試着させる第2被服の被服情報を取得する。
【0029】
情報処理装置100は、ユーザU11の体型情報と、第1被服及び第2被服の被服情報とに基づいて、重ね着の着心地を推定する(ステップS104)。具体的には、情報処理装置100は、第1被服を試着したアバターAV11と第2被服との接地面積を特定し、特定された接地面積に対応する部分の第2被服の張力に基づいて、接地面積ごとに、重ね着の着心地を推定する。なお、例えば第1被服のサイズや素材や厚さ等で第2被服を重ね着した際の第2被服の張力が変化するため、第1被服及び第2被服の被服同士の属性の組み合わせに応じて重ね着の着心地も変化する。このため、情報処理装置100は、第1被服及び第2被服の被服同士の属性の組み合わせに基づいて、第1被服及び第2被服の被服同士の属性の組み合わせに応じた重ね着の着心地を推定する。
【0030】
ここで、重ね着の着心地について更に説明する。重ね着の着心地とは、第1被服の上に第2被服を重ね着した際に感じる、例えば、きつい、緩い、適切であるといったサイズ感に基づく着心地である。例えば、ユーザU11のウエストが80cmであり、第1被服のウエスト部分の厚さが1cmである場合、第1被服を試着した際のユーザU11のウエストは81cmと推定される。そして、例えば、第1被服を試着した際のユーザU11のウエストが81cmであり、第2被服の推奨ウエストが80cmである場合、第1被服を試着しなければ適切であると感じると推定される場合でも、第1被服を試着することでウエスト部分が第2被服の推奨ウエストに対して1cmオーバーするため、ユーザU11は、ウエスト部分がきついと感じると推定される。
【0031】
同様に、例えば、第1被服を試着した際のユーザU11のウエストが81cmであり、第2被服の推奨ウエストが85cmである場合、第1被服を試着してもウエスト部分が第2被服の推奨ウエストに対してオーバーしないため、ユーザU11は、ウエスト部分が適切であると感じると推定される。なお、第2被服の推奨ウエストに対する差分が所定の閾値以上であると判定された場合には、ユーザU11は、ウエスト部分が緩いと感じると推定されてもよい。このように、情報処理装置100は、第1被服を試着した際のユーザU11のウエストに対して、第2被服の推奨ウエストが適切であるほど、重ね着の着心地がよいと推定する。
【0032】
重ね着の着心地は、きつい、緩い、適切であるといったこれらの例に限定されず、サイズ感に基づく着心地であれば、どのようなものであってもよい。また、サイズ感を示す表現は、様々であり、解釈も様々である。例えば、きつくない及び緩いなど、サイズ感を示す表現が同義である場合がある。この場合には、同義であるサイズ感を示す表現を同一の表現として扱ってもよいものとする。また、被服には、例えば、補正下着等、体型の補正を目的とするものがある。重ね着の着心地とは、第1被服の上に第2被服を重ね着した際に、第1被服を試着したユーザに対する第2被服の補正の適切度に基づく着心地であってもよい。
【0033】
情報処理装置100は、推定結果に基づいて、推定結果に応じた情報を提供する(ステップS105)。例えば、情報処理装置100は、重ね着の着心地がきつい、緩いと感じると推定された場合には、重ね着の着心地がよくない旨のアラートを通知してもよい。なお、この場合、情報処理装置100は、例えば、重ね着の着心地がよくないと推定された第2被服と類似する被服を所定の電子商店街の中から特定し、新たな第2被服として再度重ね着の試着を提案するための処理を行ってもよい。また、例えば、情報処理装置100は、重ね着の着心地が適切であると感じると推定された場合には、第1被服及び第2被服の購入を提案する旨の情報を提供してもよい。
【0034】
なお、上記実施形態において、情報処理装置100は、第2被服を試着したアバターAV11を生成してもよい。具体的には、情報処理装置100は、第1被服の上に第2被服を重ね着したアバターAV11を生成してもよい。そして、情報処理装置100は、第1被服の上に第2被服を重ね着したアバターAV11をユーザU11に提示するための情報を端末装置10に送信してもよい。この場合、端末装置10は、第1被服の上に第2被服を重ね着したアバターAV11を表示させる。これにより、ユーザU11は、第1被服に対して第2被服を重ね着した際の試着状態が、自身の体型と合っているか否かを適切に把握することができる。例えば、ユーザU11は、第1被服に対して第2被服を重ね着した際の自身の試着状態に基づいて、第2被服からどれだけ中の第1被服が見えるか、といった試着状態を適切に把握することができる。
【0035】
このように、情報処理装置100は、第2被服として設定された被服を、第1被服を試着したアバターAV11が重ね着したように表示させるための情報を端末装置10に送信してもよい。なお、アバターAV11の試着を示す表示態様は、3Dに基づく試着に限らず、ユーザU11が設定した被服を、第1被服を試着したアバターAV11に重畳して表示させるといった2Dに基づく試着を示す表示態様を含んでもよい。また、情報処理装置100は、ユーザU11が設定した被服を、第1被服を試着したアバターAV11が重ね着したように表示させるための情報とともに、第1被服の上に第2被服を重ね着したことによる重ね着の着心地を示す情報を重畳して表示させるための情報を端末装置10に送信してもよい。以下、重ね着の着心地を示す情報について更に説明する。
【0036】
情報処理装置100は、重ね着の着心地がよいほど青色で表示し、重ね着の着心地がよくないほど赤色で表示するといったヒートマップ情報に基づいて、重ね着の着心地を示す情報を重畳して表示させるための情報を送信してもよい。このように、情報処理装置100は、張力が大きいほど、特定の色を濃くした色情報で表示するヒートマップ情報に基づいて、重ね着の着心地を示す情報を重畳して表示させるための情報を送信してもよい。また、情報処理装置100は、接地面積が特定された部分のみ重ね着の着心地がよいほど青色で表示し、接地面積が特定された部分以外は、一律に赤色で表示するといったヒートマップ情報を用いてもよい。なお、ヒートマップ情報は、重ね着の着心地を示す情報の表示態様の一例であり、この例に限定されないものとする。情報処理装置100は、重ね着の着心地を示す情報を表現可能な表示態様であれば、ヒートマップ情報に限らず、どのような表示態様に基づいて、重ね着の着心地を示す情報を重畳して表示させるための情報を送信してもよい。
【0037】
なお、上記実施形態では、情報処理装置100が、第1被服を試着したアバターAV11と第2被服との接地面積ごとに、重ね着の着心地を示す情報を重畳して表示させるための情報を送信する場合を示した。ここで、2つの方法が想定され得る。2つの方法とは、接地面積の所定の単位ごと(例えば、マス目やセルごと)に重ね着の着心地を示す情報を重畳して表示させる方法と、第1被服や第2被服の部分ごとに予め紐づけられた所定の領域全体で重ね着の着心地を示す情報を重畳して表示させる方法である。前者の場合、情報処理装置100は、所定の単位ごとに接地面積を特定し、所定の単位ごとに、重ね着の着心地を示す情報を重畳して表示させるための情報を送信してもよい。この場合、所定の単位ごとに張力が推定されるため、ヒートマップ情報はまだらになると想定され得る。
【0038】
後者の場合、情報処理装置100は、第1被服や第2被服の部分ごとに予め紐づけられた所定の領域中で、張力が所定の閾値以上と判定された領域の割合を特定し、特定された割合が所定の閾値以上か否かを判定してもよい。そして、情報処理装置100は、特定された割合が所定の閾値以上と判定された場合、所定の領域全体で、張力が所定の閾値以上と推定して、重ね着の着心地を示す情報を重畳して表示させるための情報を送信してもよい。例えば、被服の胸周りの領域が予め定められており、胸周りの領域中で、多数が重ね着の着心地がよくないと判定された場合には、胸周りの領域全体が赤く表示されてもよい。なお、後者の場合、情報処理装置100は、張力が所定の閾値以上と判定された領域の割合に基づいて判定する場合に限らず、例えば、第1被服や第2被服の部分ごとに予め紐づけられた所定の領域中の張力の平均値や他の統計処理に基づく値を、所定の領域全体の張力と推定して判定を行ってもよい。
【0039】
なお、上記実施形態において、情報処理装置100は、サイズや素材や厚さ等の被服同士の属性の組み合わせに応じて、張力を重み付けしてもよい。例えば、情報処理装置100は、第1被服が固い素材のTシャツであり、第2被服が固い素材のスーツである場合には、第1被服が柔らかい素材のTシャツであり、第2被服が柔らかい素材のスーツである場合と比較して、重ね着の着心地がよくないと想定され得るため、張力の重みを大きくしてもよい。また、情報処理装置100は、接地面積に対応する部分の第1被服及び第2被服の属性を特定し、特定された接地面積に対応する部分の第1被服及び第2被服の被服同士の属性の組み合わせに応じて、張力を重み付けしてもよい。そして、情報処理装置100は、重み付けされた張力に基づいて、重ね着の着心地を示す情報を重畳して表示させるための情報を送信してもよい。例えば、情報処理装置100は、張力と重みとを掛け合わせることで算出された張力に基づいて、重ね着の着心地を示す情報を重畳して表示させるための情報を送信してもよい。なお、属性は、サイズや素材や厚さに限らず、例えば、平織りや綾織り等、編み方に関するものであってもよい。
【0040】
なお、上記実施形態では、情報処理装置100が、第1被服を試着したアバターAV11と第2被服との接地面積を特定し、接地面積に対する張力に基づいて、重ね着の着心地を推定する場合を示した。ここで、情報処理装置100は、第1被服を試着した際の、第1被服を含むユーザU11の体型の体積(容積)と、第2被服の体積との比較に基づいて、重ね着の着心地を推定してもよい。前者は、具体的には、ユーザU11が第1被服を試着した際に推定される第1被服の体積である。後者は、具体的には、予め定められた被服情報に基づいて推定される第2被服の推奨体型のユーザが、第2被服を試着した際に推定される第2被服の体積である。なお、後者は、第2被服を試着した際の、第2被服を含む第2被服の推奨体型のユーザの体型の体積と読み替えることもできる。また、情報処理装置100は、画像情報から、第1被服を試着した際のユーザU11の体積や、第2被服の体積を特定してもよい。
【0041】
なお、上記実施形態において、情報処理装置100は、補正下着等の体型の補正を目的とする第2被服に対しては、例えば接地面積に対する張力に基づいて、補正の適切度を推定し、推定された補正の適切度に基づいて、重ね着の着心地を推定してもよい。そして、情報処理装置100は、補正の適切度に基づく重ね着の着心地を示す情報を重畳して表示させるための情報を送信してもよい。例えば、情報処理装置100は、補正が適切なほど赤色で表示し、補正が適切でないほど青色で表示するといったヒートマップ情報に基づいて、補正の適切度に基づく重ね着の着心地を示す情報を重畳して表示させるための情報を送信してもよい。
【0042】
〔3.端末装置の構成〕
次に、図4を用いて、実施形態に係る端末装置10の構成について説明する。図4は、実施形態に係る端末装置10の構成例を示す図である。図4に示すように、端末装置10は、通信部11と、入力部12と、出力部13と、制御部14とを有する。
【0043】
(通信部11)
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部11は、所定のネットワークNと有線又は無線で接続され、所定のネットワークNを介して、情報処理装置100等との間で情報の送受信を行う。
【0044】
(入力部12)
入力部12は、ユーザからの各種操作を受け付ける。図2に示す例では、ユーザU11からの各種操作を受け付ける。例えば、入力部12は、タッチパネル機能により表示面を介してユーザからの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部12は、端末装置10に設けられたボタンや、端末装置10に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0045】
(出力部13)
出力部13は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、出力部13は、情報処理装置100から送信された情報を表示する。
【0046】
(制御部14)
制御部14は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、端末装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM(Random Access Memory)を作業領域として実行されることにより実現される。例えば、この各種プログラムには、端末装置10にインストールされたアプリケーションのプログラムが含まれる。例えば、この各種プログラムには、情報処理装置100から送信された情報を表示させるアプリケーションのプログラムが含まれる。また、制御部14は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0047】
図4に示すように、制御部14は、受信部141と、送信部142とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。
【0048】
(受信部141)
受信部141は、各種情報を受信する。受信部141は、外部の情報処理装置から各種情報を受信する。受信部141は、情報処理装置100等の他の情報処理装置から各種情報を受信する。例えば、受信部141は、重ね着の着心地の推定結果に関する情報を受信する。また、例えば、受信部141は、第1被服を試着したアバターが、第2被服を重ね着したように表示させるための情報を受信する。
【0049】
(送信部142)
送信部142は、外部の情報処理装置へ各種情報を送信する。送信部142は、情報処理装置100等の他の情報処理装置へ各種情報を送信する。例えば、送信部142は、ユーザの体型情報や被服情報を送信する。
【0050】
〔4.情報処理装置の構成〕
次に、図5を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図5は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。図5に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、情報処理装置100は、情報処理装置100の管理者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0051】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、端末装置10等との間で情報の送受信を行う。
【0052】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図5に示すように、記憶部120は、体型情報記憶部121と、被服情報記憶部122とを有する。
【0053】
体型情報記憶部121は、ユーザの体型情報を記憶する。ここで、図6に、実施形態に係る体型情報記憶部121の一例を示す。図6に示すように、体型情報記憶部121は、「ユーザID」、「時期」、「体型情報」といった項目を有する。
【0054】
「ユーザID」は、ユーザを識別するための識別情報を示す。「時期」は、体型情報を受け付けた時期を示す。「体型情報」は、体型情報を示す。図6に示す例では、「体型情報」に「体型情報#11」や「体型情報#12」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、「身長:170cm、ウエスト:80cm」などの情報が格納される。
【0055】
すなわち、図6では、ユーザID「U11」によって識別されるユーザの体型情報を受け付けた時期が「2021年5月19日」であり、体型情報が「体型情報#11」である例を示す。
【0056】
被服情報記憶部122は、被服情報を記憶する。ここで、図7に、実施形態に係る被服情報記憶部122の一例を示す。図7に示すように、被服情報記憶部122は、「被服ID」、「種別」、「被服情報」といった項目を有する。
【0057】
「被服ID」は、被服を識別するための識別情報を示す。「種別」は、被服の種別(カテゴリ)を示す。「被服情報」は、属性などの被服情報を示す。図7に示す例では、「被服情報」に「被服情報#11」や「被服情報#12」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、「サイズ:M、厚さ:1cm、素材:固いスーツ素材」などの情報が格納される。なお、被服の部分ごとの被服情報が格納されてもよい。
【0058】
すなわち、図7では、被服ID「IT11」によって識別される被服の種別が「スーツ」であり、被服情報が「被服情報#11」である例を示す。
【0059】
(制御部130)
制御部130は、コントローラであり、例えば、CPUやMPU等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0060】
図5に示すように、制御部130は、取得部131と、生成部132と、特定部133と、算出部134と、判定部135と、推定部136と、提供部137とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0061】
(取得部131)
取得部131は、各種情報を取得する。取得部131は、外部の情報処理装置から各種情報を取得する。取得部131は、端末装置10等の他の情報処理装置から各種情報を取得する。
【0062】
取得部131は、記憶部120から各種情報を取得する。取得部131は、体型情報記憶部121や被服情報記憶部122から各種情報を取得する。また、取得部131は、取得した各種情報を記憶部120に格納する。取得部131は、体型情報記憶部121や被服情報記憶部122に各種情報を格納する。
【0063】
取得部131は、ユーザの体型情報を取得する。例えば、取得部131は、端末装置10に表示されたUI画面で入力された体型情報を取得する。
【0064】
取得部131は、重ね着の候補である第1被服及び第2被服の被服情報を取得する。例えば、取得部131は、所定の電子商店街で購入可能な被服である第1被服及び第2被服の被服情報を取得する。
【0065】
(生成部132)
生成部132は、取得部131により取得された体型情報に基づいて、ユーザの体型を疑似的に表現したアバターを生成する。例えば、身長、胸囲、ウエストが、それぞれ、170cm、80cm、80cmである場合には、身長、胸囲、ウエストが、それぞれ、170cm、80cm、80cmのアバターを生成する。
【0066】
生成部132は、取得部131により取得された体型情報と被服情報とに基づいて、第1被服を試着したアバターを生成してもよい。例えば、身長、胸囲、ウエストが、それぞれ、170cm、80cm、80cmであり、第1被服の胸囲部分、ウエスト部分の厚さが、それぞれ、1cm、2cmである場合には、身長、胸囲、ウエストが、それぞれ、170cm、81cm、82cmのアバターを生成してもよい。
【0067】
生成部132は、取得部131により取得された体型情報と被服情報とに基づいて、第1被服の上に第2被服を重ね着したアバターを生成してもよい。例えば、身長、胸囲、ウエストが、それぞれ、170cm、80cm、80cmであり、第1被服の胸囲部分、ウエスト部分の厚さが、それぞれ、1cm、2cmであり、第2被服の胸囲部分、ウエスト部分の厚さが、それぞれ、2cm、3cmである場合には、身長、胸囲、ウエストが、それぞれ、170cm、83cm、85cmのアバターを生成してもよい。
【0068】
(特定部133)
特定部133は、第1被服を試着したアバターと第2被服との接地面積を特定する。この接地面積は、第1被服を試着したアバターに対して第2被服を重ね着させた場合に生じると推定される第1被服と第2被服との接地面積である。
【0069】
(算出部134)
算出部134は、特定部133により特定された接地面積に対応する第2被服の張力を算出する。また、算出部134は、第2被服の推奨体型に対して、第1被服を試着したユーザの体型がオーバーなほど、オーバーな部分の接地面積に対応する第2被服の張力を大きく算出する。
【0070】
算出部134は、第1被服及び第2被服の部分ごとに予め紐づけられた所定の領域中で、張力が所定の閾値以上となる領域の割合を算出してもよい。また、算出部134は、所定の領域中の張力の平均値や他の統計処理に基づく値を算出してもよい。
【0071】
(判定部135)
判定部135は、算出部134により算出された張力が所定の閾値以上か否かを判定する。この際、判定部135は、接地面積の所定の単位ごとに張力を判定してもよいし、予め紐づけられた所定の領域全体で張力を判定してもよい。前者の場合、重ね着の着心地を示す情報として付与されるヒートマップ情報がまだらになり、後者の場合、例えば腕周りや首回りであれば、ヒートマップ情報がリング状になると想定され得る。
【0072】
(推定部136)
推定部136は、算出部134により算出された第2被服の張力に基づいて、第1被服及び第2被服の被服同士の属性の組み合わせに応じた重ね着の着心地を推定する。
【0073】
推定部136は、第1被服の属性に対して、第2被服の属性が所定の条件を満たすほど、重ね着の着心地を肯定的に推定する。例えば、推定部136は、第1被服を試着した際のユーザの体型に対して、第2被服の推奨体型が適切であるほど、重ね着の着心地がよいと推定する。例えば、推定部136は、第1被服を試着した際のユーザの体型に対して、第2被服の推奨体型が小さ過ぎる場合や大き過ぎる場合には、重ね着の着心地がよくないと推定する。
【0074】
(提供部137)
提供部137は、推定部136により推定された推定結果に応じた情報を送信する。例えば、提供部137は、重ね着の着心地がきつい、緩いと感じると推定された場合には、重ね着の着心地がよくない旨のアラートを通知する。
【0075】
提供部137は、第1被服を試着したアバターを表示させるための情報を送信してもよい。また、提供部137は、第1被服を試着したアバターが第2被服を重ね着したように表示させるための情報を送信してもよい。また、提供部137は、第1被服の上に第2被服を重ね着したことによる重ね着の着心地を示す情報を重畳して表示させるための情報を送信してもよい。
【0076】
〔5.情報処理のフロー〕
次に、図8を用いて、実施形態に係る情報処理システム1による情報処理の手順について説明する。図8は、実施形態に係る情報処理システム1による情報処理の手順を示すフローチャートである。
【0077】
図8に示すように、情報処理装置100は、ユーザの体型情報を取得する(ステップS201)。
【0078】
情報処理装置100は、重ね着の候補である第1被服及び第2被服の被服情報それぞれを取得する(ステップS202)。
【0079】
情報処理装置100は、取得された体型情報に基づいて、ユーザの体型を疑似的に表現したアバターを生成する(ステップS203)。
【0080】
情報処理装置100は、第1被服を試着したアバターに第2被服を試着させた際の第1被服と第2被服との接地面積を特定する(ステップS204)。
【0081】
情報処理装置100は、特定された接地面積に対応する第2被服の張力を算出する(ステップS205)。
【0082】
情報処理装置100は、算出された張力に基づいて、重ね着の着心地を推定する(ステップS206)。
【0083】
情報処理装置100は、推定結果に応じた情報を提供する(ステップS207)。
【0084】
〔6.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置100は、取得部131と、生成部132と、推定部136と、提供部137とを有する。取得部131は、ユーザの体型に関する体型情報と、重ね着の候補である被服に関する被服情報とを取得する。生成部132は、取得部131により取得された体型情報に基づいて、ユーザの体型を模して仮想上で表示する対象となる表示対象を生成する。推定部136は、取得部131により取得された体型情報と被服情報とに基づいて、生成部132により生成された表示対象に被服を試着させた際の、被服同士の属性の組み合わせに応じた重ね着の着心地を推定する。提供部137は、推定部136による推定結果に応じた情報を提供する。
【0085】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、重ね着の際のユーザの着心地を考慮した提案を行うことができるため、重ね着の際の更なるユーザビリティの向上を促進することができる。
【0086】
また、推定部136は、第1被服を試着した表示対象に対して、第1被服に重ねて試着する第2被服を試着させた際の、第1被服及び第2被服の被服同士の属性の組み合わせに応じた着心地を推定する。
【0087】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、第1被服及び第2被服の被服同士の属性の組み合わせに応じて重ね着の際のユーザの着心地を推定することができるため、重ね着の際の更なるユーザビリティの向上を促進することができる。
【0088】
また、推定部136は、第1被服の属性に対して、第2被服の属性が所定の条件を満たすほど、肯定的な着心地を推定する。
【0089】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、第1被服及び第2被服の被服同士の属性に基づいて、肯定的な重ね着の着心地を適切に推定することができる。
【0090】
また、推定部136は、第1被服を試着した表示対象に対して、第2被服を試着させたことにより生じる、第1被服と第2被服との接地面積に基づいて、着心地を推定する。
【0091】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、第1被服と第2被服との接地面積ごとに、重ね着の着心地を推定することができるため、重ね着の際のユーザの着心地をより詳細に把握させることができる。
【0092】
また、推定部136は、接地面積に対応する第2被服の張力に応じて、接地面積ごとに、着心地を推定する。
【0093】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、第1被服と第2被服との接地面積ごとに、重ね着の着心地をより適切に推定することができるため、重ね着の際の更なるユーザビリティの向上を促進することができる。
【0094】
また、提供部137は、推定部136により推定された着心地を示す情報を、第1被服を試着した表示対象に重畳して表示させるための情報を提供する。
【0095】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、重ね着の着心地を示す情報を容易に把握させることができる。
【0096】
また、推定部136は、予め設定された重ね着の試着順に基づいて被服を試着させた際の、着心地を推定する。
【0097】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、例えばユーザが自由に重ね着の試着順を設定することができるため、重ね着の際の更なるユーザビリティの向上を促進することができる。
【0098】
また、推定部136は、被服の属性に基づいて設定された重ね着の試着順に基づいて被服を試着させた際の、着心地を推定する。
【0099】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、重ね着の試着順を設定するユーザの手間を省くことができるため、重ね着の際の更なるユーザビリティの向上を促進することができる。
【0100】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る端末装置10及び情報処理装置100は、例えば、図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図9は、端末装置10及び情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0101】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0102】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0103】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0104】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0105】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る端末装置10及び情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部14及び130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0106】
〔8.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0107】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0108】
また、上述してきた実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0109】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0110】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0111】
1 情報処理システム
10 端末装置
11 通信部
12 入力部
13 出力部
14 制御部
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 体型情報記憶部
122 被服情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 生成部
133 特定部
134 算出部
135 判定部
136 推定部
137 提供部
141 受信部
142 送信部
N ネットワーク
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9