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特許7273118藻類プロテオグリカン抽出物含有組成物及びその使用
<図1>
  • 特許-藻類プロテオグリカン抽出物含有組成物及びその使用 図1
  • 特許-藻類プロテオグリカン抽出物含有組成物及びその使用 図2
  • 特許-藻類プロテオグリカン抽出物含有組成物及びその使用 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】藻類プロテオグリカン抽出物含有組成物及びその使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/748 20150101AFI20230502BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230502BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230502BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20230502BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20230502BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20230502BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20230502BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
A61K35/748
A61P29/00
A61P35/00
A61K9/08
A61K9/10
A61K9/14
A61K9/20
A61K9/48
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021145982
(22)【出願日】2021-09-08
(62)【分割の表示】P 2018557183の分割
【原出願日】2017-01-20
(65)【公開番号】P2022003035
(43)【公開日】2022-01-11
【審査請求日】2021-10-08
(31)【優先権主張番号】201610037244.6
(32)【優先日】2016-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518258386
【氏名又は名称】チ, チィン
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チ, チィン
(72)【発明者】
【氏名】ジアン, ディン
【審査官】柴原 直司
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-504410(JP,A)
【文献】Cardiovasc. Ther., (2010), 28, [4], p.e33-e45
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 35/748
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
藻類プロテオグリカン抽出物又は藻類プロテオグリカン抽出物含有組成物の、対象の炎症若しくは炎症性因子によって媒介される疾患を治療又は予防するための医薬の製造における使用であって、前記藻類プロテオグリカン抽出物が、
(a)藍藻粉末を5~20倍量の水に溶解して、細胞壁を破壊するステップと、
(b)ステップ(a)で得られた混合物を60~100℃で加熱して、冷却させた後、固液分離するステップと、
(c)ステップ(b)で得られた液体のpH値を7未満に調整して、再度固液分離するステップと、
(d)ステップ(c)で得られた液体を中性pHに調整して濃縮させ、必要に応じて乾燥させるステップと、を含む方法によって得られる、使用
【請求項2】
前記炎症が、腫瘍関連炎症である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記腫瘍が、原発性腫瘍又は転移性腫瘍である、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
前記腫瘍が、肉腫、リンパ腫、食道癌、膵臓癌、黒色腫、白血病、肺癌、肝癌、胃癌、乳癌、皮膚扁平上皮癌、結腸癌、又はそれらの転移性癌から選択される、請求項2又は3に記載の使用。
【請求項5】
前記炎症性因子が、ヒスタミン受容体H3、カリクレイン関連ペプチダーゼ3、カリクレイン関連ペプチダーゼ13、インスリン様成長因子2、腫瘍壊死因子、ロイコトリエンB4受容体2、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド4、コロニー刺激因子3(顆粒球)、ドーパミン受容体4、血小板由来成長因子βポリペプチド、カリクレイン関連ペプチダーゼ11、カリクレイン関連ペプチダーゼ15、ロイコトリエンB4受容体、ロイコトリエンC4シンターゼ、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド2、インターロイキン-6、インターロイキン-10、インターフェロン-α受容体2、血小板由来成長因子A、血小板由来成長因子C、血小板由来成長因子D、C反応性タンパク質、カリクレイン関連ペプチダーゼ14、ブラジキニン受容体B2、腫瘍壊死因子(リガンド)スーパーファミリーメンバー11、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド3、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド7、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド20、ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド2、インターフェロン(α、β及びΩ)受容体1、インターロイキン3、インターロイキン9、インターロイキン17B、インターロイキン20、増殖分化因子2、増殖分化因子3、マクロファージ遊走阻止因子(グリコシル化阻止因子)、増殖分化因子11、骨形成タンパク質2、骨形成タンパク質4、トロンボポエチン、カリクレイン関連ペプチダーゼ4、カリクレイン関連ペプチダーゼ5、ブラジキニン受容体B1及びインターフェロン-α6から選択される1種以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
前記藻類プロテオグリカン抽出物が、及び/又は前記藻類プロテオグリカン抽出物が薬学的に許容される担体とともに、薬学的に許容される剤形、好ましくは経口液剤、カプセル、粉剤、錠剤、顆粒剤、丸剤、シロップ、注射剤等に調製される、請求項1~5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
前記藻類プロテオグリカン抽出物が、経口、皮下、筋肉内又は腹腔内投与され、好ましくは、経口投与される、請求項1~6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
前記藻類プロテオグリカン抽出物が、1日に5~500mg/kg体重、好ましくは20~150mg/kg体重、より好ましくは30~120mg/kg体重の投与量で投与される、請求項1~7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
前記藻類プロテオグリカン抽出物におけるプロテオグリカンの含有量が、約50重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、若しくは約75重量%よりも多い、請求項に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、藻類抽出物含有組成物及びその使用に関し、具体的には、藻類プロテオグリカン抽出物含有組成物、及びその腫瘍、疼痛、炎症若しくは炎症性因子によって媒介される疾患の治療又は予防における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
膵臓癌は、予後が極めて不良である高悪性度胃腸癌である。膵臓癌の診断と治療とのいずれも困難である。膵臓癌のほぼ90%は腺上皮由来の導管腺癌である。近年、膵臓癌の罹患率及び死亡率は著しく増加しており、5年生存率が1%未満で、最悪の予後を有する悪性腫瘍の1つである。膵臓癌は早期診断率が低く、手術死亡率が高く、治癒率が低い。近年、他の癌の罹患率及び死亡率でも継続的に増加している。
【0003】
癌、特に膵臓癌の治療の鍵としては、最近の研究の焦点にもなっている有効な抗腫瘍薬が求められている。
【0004】
1970年代以来、藻類、特に藍藻についての研究は注目されてきた。最初は、研究者は藻類の栄養価と毒性に焦点を当てている。1974年の国際連合食糧農業機関の会議では、スピルリナが将来の人間にとって優れた食糧資源と考えられていた。藻類生物の製薬学的用途は1980年代から認められて、研究は主に様々な藻類抽出物の性能に焦点を当てていた。このような研究の中、藍藻抽出物、特にスピルリナ抽出物の研究は特に顕著である。本発明の発明者らは、藻類から藻類プロテオグリカン抽出物を抽出した(中国特許CN1098707C参照)。本発明において、本発明者らは、癌、特に膵臓癌ならびに疼痛(腫瘍関連疼痛など)及び炎症(腫瘍関連炎症など)に対する藻類プロテオグリカン抽出物の治療効果を研究した。
【発明の概要】
【0005】
一態様によれば、本発明は、藻類プロテオグリカン抽出物又は藻類プロテオグリカン抽出物含有組成物の、対象(個体)の膵臓癌を治療又は予防する薬物の製造における使用を提供する。前記膵臓癌は原発性癌又は転移性癌である。
【0006】
さらに、本発明は藻類プロテオグリカン抽出物又は藻類プロテオグリカン抽出物含有組成物の、炎症又は疼痛を治療又は予防する薬物の製造における使用を提供する。ある特定の実施形態において、上記炎症は腫瘍関連炎症で、上記疼痛は腫瘍関連疼痛である。
【0007】
別の態様によれば、本発明は、前記対象に藻類プロテオグリカン抽出物又は前記藻類プロテオグリカン抽出物含有組成物を治療又は予防に有効な量で投与するステップを含む、対象の膵臓癌を治療又は予防する方法を提供する。さらに、本発明は前記対象に藻類プロテオグリカン抽出物又は前記藻類プロテオグリカン抽出物含有組成物を治療又は予防に有効な量で提供するステップを含む、対象の炎症又は疼痛を治療又は予防する方法を提供する。
【0008】
一態様によれば、本発明は、対象(個体)の膵臓癌、疼痛又は炎症を治療又は予防する藻類プロテオグリカン抽出物又は藻類プロテオグリカン抽出物含有医薬組成物を提供する。
【0009】
ある特定の実施形態において、前記藻類プロテオグリカン抽出物を単独及び/又は1種以上の薬学的に許容される担体とともに薬学的に許容される剤形、好ましくは経口液剤、錠剤、顆粒剤、カプセル、粉剤、丸剤、シロップ、注射剤等に調製する。
【0010】
ある特定の実施形態において、前記藻類プロテオグリカン抽出物は経口、皮下、筋肉内又は腹腔内投与される。好ましい実施形態において、前記藻類プロテオグリカン抽出物は経口投与される。
【0011】
ある特定の実施形態において、前記藻類プロテオグリカン抽出物の投与量は、1日に5~500mg/kg体重である。好ましい実施形態において、上記投与量は1日に10~150mg/kg体重である。より好ましい実施形態において、上記投与量は1日に20~120mg/kg体重である。
【0012】
さらなる態様によれば、本発明は、藻類プロテオグリカン抽出物又は前記藻類プロテオグリカン抽出物含有組成物の、炎症性因子によって媒介される関連疾患を治療又は予防する薬物の製造における使用を提供する。
【0013】
さらなる態様によれば、本発明は、藻類プロテオグリカン抽出物と1種以上のほかの抗腫瘍薬とを含む医薬組成物を提供する。
【0014】
いくつかの実施形態において、上記藻類プロテオグリカン抽出物と1種以上のほかの抗腫瘍薬とを含む医薬組成物は、対象(個体)の腫瘍の治療又は予防に用いられ、前記腫瘍は好ましくは膵臓癌、黒色腫又は肉腫である。前記藻類プロテオグリカン抽出物及び他の抗腫瘍薬は、腫瘍の治療に相乗効果を有し、腫瘍に対する治療効果を有意に改善する。
【0015】
さらなる態様によれば、さらに、本発明は藻類プロテオグリカン抽出物と1種以上のほかの抗腫瘍薬とを含む医薬組成物の、対象の腫瘍を治療又は予防する薬物の製造における使用を提供する。
【0016】
さらなる態様によれば、さらに、本発明は対象に藻類プロテオグリカン抽出物又は前記藻類プロテオグリカン抽出物と1種以上のほかの抗腫瘍薬とを含む医薬組成物を治療又は予防に有効な量で投与するステップを含む、対象の腫瘍を治療又は予防する方法を提供する。
【0017】
ある特定の実施形態において、前記腫瘍は原発性癌又は転移性腫瘍である。好ましい実施形態において、前記腫瘍は膵臓癌、黒色腫、肉腫、白血病、肺癌、食道癌、リンパ腫、胃癌、肝癌、乳癌、結腸癌、皮膚扁平上皮癌、又は上記腫瘍の転移性腫瘍から選ばれる。
【0018】
さらに、本発明は、藻類プロテオグリカン抽出物含有抗腫瘍組成物の抗腫瘍免疫における作用を提供する。
【0019】
上記藻類プロテオグリカン抽出物は、中国特許CN1098707Cに記載された方法に従って調製され、前記特許の全体が参照により本明細書に組み込まれる。具体的には、藻類プロテオグリカン抽出物の製造方法は、
藍藻粉末を5~20倍量の水に溶解して、細胞壁を破壊するステップaと、
得られた混合物を60~100℃で加熱して、冷却させた後、固液分離するステップbと、
得られた液体のpH値を7未満に調整して、再度固液分離するステップcと、
得られた液体を中性pHに調整して濃縮させ、必要に応じて乾燥させるステップdとを含む。
【0020】
製造された藻類プロテオグリカン抽出物におけるプロテオグリカンの含有量は約50重量%であり、例えば約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%より大きい。ある特定の実施形態において、藻類プロテオグリカン抽出物におけるプロテオグリカンの含有量は約70重量%~75重量%である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】PANC-1細胞系増殖をテストするMTSアッセイプロトコルを示す。
図2】1日目(D1)、2日目(D2)、3日目(D3)、4日目(D4)及び6日目(D6)に異なる濃度の藻類プロテオグリカン抽出物で処理した後の、対照に対するPANC-1細胞の増殖百分率を示す。
図3】藻類プロテオグリカン抽出物を3ヶ月服用した進行性膵臓癌患者の膵臓のCT画像変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、藻類プロテオグリカン抽出物又は藻類プロテオグリカン抽出物含有医薬組成物の、対象の腫瘍例えば膵臓癌、炎症、疼痛又は炎症性因子によって媒介される関連疾患を治療又は予防する薬物の製造における使用を提供する。
【0023】
本発明の前記「薬学的に許容される担体」とは、医薬分野で一般に使用されるものを含む活性成分の生物活性を妨害しない担体を指す。本発明の薬学的に許容される担体は固体であっても、液体であってもよく、薬学的に許容される賦形剤、緩衝剤、乳化剤、安定剤、防腐剤、希釈剤、封入剤、充填剤などを含む。例えば、薬学的に許容される緩衝剤は、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、ホウ酸塩及び炭酸塩などをさらに含む。
【0024】
本発明に係る医薬組成物は、単位用量の形態で提供することができ、医薬分野で周知の任意の方法によって調製することができる。このような方法は、すべて本発明の活性成分と1種以上の薬学的に許容される担体とを組み合わせるステップを含む。一般には、活性成分と、液体担体、固体担体又はこの両方の組み合わせとの組成物を調製し、次に必要に応じて得られた生成物を成形する。
【0025】
ある特定の実施形態において、本発明の前記藻類プロテオグリカン抽出物を、単独及び/又は薬学的に許容される担体とともに、例えば経口液剤、カプセル、粉剤、錠剤、顆粒剤、丸剤、シロップ、注射剤、座剤等の薬学的に許容される剤形に調製する。
【0026】
本発明の前記藻類プロテオグリカン抽出物は、中国特許CN1098707Cに記載の方法に従って調製され、前記特許の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
ある特定の実施形態において、本発明の藻類プロテオグリカン抽出物の投与量は、1日に5~500mg/kg体重で、好ましくは1日に20~150mg/kg体重で、より好ましくは1日に20~120mg/kg体重であり、例えば1日に20mg/kg体重、30mg/kg体重、60mg/kg体重、120mg/kg体重等である。
【0028】
別の態様によれば、対象に藻類プロテオグリカン抽出物又は前記藻類プロテオグリカン抽出物含有組成物を治療又は予防に有効な量で投与するステップを含む、対象の腫瘍、例えば膵臓癌、炎症、疼痛又は炎症性因子によって媒介される関連疾患を治療又は予防する方法を提供する。
【0029】
さらなる態様によれば、治療又は予防上有効量の藻類プロテオグリカン抽出物又は前記藻類プロテオグリカン抽出物含有組成物の、対象の癌、炎症又は疼痛又は炎症性因子によって媒介される関連疾患の治療又は予防における使用を提供する。
【0030】
本明細書に使用される用語「治療」は、癌、疼痛(腫瘍関連疼痛など)又は炎症(腫瘍関連炎症など)又は炎症性因子によって媒介される疾患を抑制、治癒、軽減又は緩和させることと、ならびに原発癌の転移を予防又は遅延させることとを含む。
【0031】
ある特定の実施形態において、前記癌は原発性癌であってもよく、転移性癌であってもよい。いくつかの実施形態において、前記癌は膵臓癌、肝癌、結腸癌、胃癌、黒色腫、肉腫、白血病、肺癌、乳癌、皮膚扁平上皮癌、食道癌、リンパ腫等であってもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、上記炎症性因子は、ヒスタミン受容体H3、カリクレイン関連ペプチダーゼ3、カリクレイン関連ペプチダーゼ13、インスリン様成長因子2、腫瘍壊死因子、ロイコトリエンB4受容体2、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド4、コロニー刺激因子3(顆粒球)、ドーパミン受容体4、血小板由来成長因子βポリペプチド、カリクレイン関連ペプチダーゼ11、カリクレイン関連ペプチダーゼ15、ロイコトリエンB4受容体、ロイコトリエンC4シンターゼ、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド2、インターロイキン-6、インターロイキン-10、インターフェロン-α受容体2、血小板由来成長因子A、血小板由来成長因子C、血小板由来成長因子D、C反応性タンパク質、カリクレイン関連ペプチダーゼ14、ブラジキニン受容体B2、腫瘍壊死因子(リガンド)スーパーファミリーメンバー11、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド3、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド7、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド20、ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド2、血小板由来成長因子βポリペプチド、インターフェロン(α、β及びΩ)受容体1、インターロイキン3、インターロイキン9、インターロイキン17B、インターロイキン20、増殖分化因子2、増殖分化因子3、マクロファージ遊走阻止因子(グリコシル化阻止因子)、増殖分化因子11、骨形成タンパク質2、骨形成タンパク質4、トロンボポエチン、カリクレイン関連ペプチダーゼ4、カリクレイン関連ペプチダーゼ5、ブラジキニン受容体B1及びインターフェロン-α6などを含むが、それらに制限されない。
【0033】
いくつかの実施形態において、前記炎症性因子によって媒介される疾患又は障害は、慢性膀胱炎症、尿道炎、前庭眩暈、アナフィラキシー、喘息(気管支喘息、小児喘息)、肝癌(ヒト肝細胞癌、原発性肝癌等)、前立腺癌、卵巣癌、子宮頸癌、乳癌、精巣癌、結腸直腸癌、変形性関節症、原発性高血圧、心筋梗塞、心筋梗塞を伴うパーキンソン病、アルツハイマー病、遺伝性血管浮腫、血管腫(幼児)、心血管疾患、大腸癌、化膿性髄膜炎、子宮内膜癌、自然流産、膀胱癌、神経膠腫、肝線維症、脳出血、非小細胞肺癌、急性骨髄性白血病、脳梗塞、咽頭扁桃肥大、C型肝炎、多発性骨髄腫、全身性紅斑性狼瘡、肺炎(気管支肺炎、小児肺炎、地域性肺炎)、潰瘍性大腸炎、慢性閉塞性肺疾患、肺結核、パーキンソン病、非アルコール性脂肪肝疾患、高血圧(肥満関連高血圧、原発性高血圧)、自己免疫性肝炎、硬化性胆管炎、正常体重肥満症候群、糖尿病性網膜症、炎症性腸疾患、過眠症、ベーチェット病、巨細胞性動脈炎、扁平上皮癌、基底細胞癌、皮膚粘膜リンパ節症候群、結腸炎、アレルギー疾患、膵臓癌、卵巣癌、胃癌、中風(脳卒中、虚血性脳卒中)、薬剤誘発性急性肝障害、慢性好中球性白血病、統合失調症、乳頭状甲状腺癌、髄膜腫、糖尿病(1型糖尿病、2型糖尿病)、肺血栓塞栓症、甲状腺炎、多発性骨髄腫骨疾患、慢性リンパ球性白血病、軟骨肉腫、口腔白板症及び扁平上皮癌、アレルギー性鼻炎、慢性鼻副鼻腔炎、リステリア菌感染症、心筋炎、多発性硬化症、多発性骨髄腫、喉頭癌、IgA腎症、ウイルス性心筋炎、結腸直腸癌、乾癬、椎間板形成腰痛、B型肝炎、肺癌、歯髄炎、ハシモト甲状腺炎、乳頭状甲状腺癌、肺結核、白血病、川崎病、再生不良性貧血、多発性筋炎、ホジキン病、骨髄性白血病、強直性脊椎炎、鼻ポリープを伴う慢性鼻副鼻腔炎、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、アトピー性皮膚炎、高所肺高血圧症、関節炎(変形性関節症、関節リウマチ、若年性特発性関節炎、脊椎関節炎)、非小細胞肺癌、アレルギー性鼻炎、扁平苔癬、不安定狭心症、急性冠動脈症候群、歯周炎、冠状動脈性心疾患、アテローム性動脈硬化症、奇形癌、胎児性癌、アトピー性皮膚炎、子宮内膜癌、急性膵炎、子宮頸部扁平上皮癌、口腔扁平上皮癌、鼻咽頭癌、食道扁平上皮癌、骨髄異形成症候群、脳神経膠腫、原発性シェーグレン症候群、貧血(小児再生不良性貧血、再生不良性貧血)、脳性麻痺、新生児低酸素性虚血性脳症、気道炎症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、痛風、扁桃腺炎、急性呼吸窮迫症候群、強迫性障害、非アルコール性脂肪肝疾患、代謝症候群、新生児敗血症、手足口病、皮膚筋炎、敗血症、脳炎、子癇、胆道癌(肺門胆管癌、糖尿病性大血管合併症胆道癌)、全身性硬化症、大腸癌、多嚢胞性卵巣症候群、Netherton症候群、セリアック病、糖尿病性腎症等を含むが、それらに制限されない。
【0034】
本明細書に使用される「治療上有効量」又は「予防上有効量」は、具体的な状況、例えば患者の体重、年齢及び状態に応じて決定することができ、実際に必要とされる投薬量に応じて当業者が容易に把握できる。抽出物に含まれる成分の全てが無毒であるので、抽出物自体は、組成物に薬学的に許容される担体を含まない場合には、必要に応じて直接投与できる。組成物が薬学的に許容される担体を含む場合、抽出物及び担体は、医薬分野における従来の方法によって混合されて所望の薬剤を製造できる。
【0035】
ある特定の実施形態において、藻類プロテオグリカン抽出物又は前記藻類プロテオグリカン抽出物含有組成物は経口、皮下、筋肉内又は腹腔内投与される。好ましい実施形態において、藻類プロテオグリカン抽出物又は前記藻類プロテオグリカン抽出物含有組成物は経口投与される。
【0036】
さらに、本発明は藻類プロテオグリカン抽出物と1種以上のほかの抗腫瘍薬とを含む医薬組成物を提供する。
【0037】
上記抗腫瘍薬は、腫瘍を治療するために臨床的に使用される薬物を含み、例えば、ヌクレオチド合成阻害剤(例えば5-フルオロウラシル(5-FU))、抗腫瘍抗生物質(例えばアドリアマイシン(ADM))、白金化合物(例えばカルボプラチン)、アルキル化剤(例えばシクロホスファミド及びニトロソウレア、例えばカルムスチン)、DNAポリメラーゼ阻害剤(例えばゲムシタビン)、タンパク質合成を妨害する薬物(例えばエトポシド(VP-16))などを含む。
【0038】
藻類プロテオグリカン抽出物と1種以上の他の抗腫瘍剤とを組み合わせて投与する場合、抗腫瘍効果が著しく増強され、相乗効果が示される。併用療法(例えば、藻類プロテオグリカン抽出物と1種又は複数種の他の抗腫瘍剤との組み合わせ)の相乗効果は、特定の障害(例えば、癌又はその関連症状)に罹患している対象に単剤療法よりも低用量で投与し、及び/又は前記治療法の投与頻度を減少させることを可能にする。
【0039】
本明細書に記載の用語「対象(個体)」は、霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、及び齧歯類(ラットやマウスなど)を含むが、これらに限定されない哺乳類を意味する。
【0040】
本明細書及び特許請求の範囲では、「含む」、「含んでいる」、「含有する」、「挙げられる」(comprise/comprises/comprising)用語は、「…含む/挙げられるがこれに限定されない」を意味し、ほかの部分、添加剤、成分又はステップ(工程)を排除することを意図しない。
【0041】
なお、特に断らない限り、本発明の特定の態様、実施形態又は実施例に説明される特徴、特性、組成又はステップは、本明細書に記載された他のいずれかの態様、実施形態又は実施例に適用できる。
【0042】
上記開示は一般的に本発明を説明し、以下の実施例ではさらに本発明を説明する。これらの記載された実施例は説明するためのものに過ぎず、本発明を制限するものではない。特定の用語及び値が本明細書で使用されるが、また、これらの用語及び値も例示的なものと解釈されるべきであり、本発明の範囲を限定するものではない。別に断らない限り、本明細書の実験方法及び技術は、当業者に周知の方法及び技術である。
【0043】
実施例
実施例1 藻類プロテオグリカン抽出物による膵臓癌への阻害作用
実施例1.1 藻類プロテオグリカン抽出物によるPANC-1膵臓癌細胞の増殖抑制
【0044】
細胞系及び細胞培養
本研究では、膵臓癌細胞系PANC-1を使用した。該細胞系はAnyGenes(登録商標)社で培養したものである。細胞の活力を確保するために、異なる試験(MTSテストとSignArrays(登録商標)分析)を行うのに必要な細胞量に達するまで複数回継代した。次表に本発明に使用されているPANC-1の関連情報は示されている。
【表1】
【0045】
PANC-1細胞を、10%FBS(ウシ胎仔血清、Gibco(登録商標)、Life technologiesTM製)、1%L-グルタミン(200mM;Gibco(登録商標)、Life technologiesTM製)、1%ピルビン酸ナトリウム(100mM;Gibco(登録商標)、Life technologiesTM製)、及び1%ストレプトマイシン-ペニシリン(ペニシリン10,000U/mL、及びストレプトマイシン10,000μg/mL。Gibco(登録商標)、Life technologiesTM製)を添加したDMEM培地(Gibco(登録商標)、Life technologiesTM製))で培養して、37℃、5% COでインキュベートした。トリパンブルー排除アッセイにより細胞活力を測定した。
【0046】
藻類プロテオグリカン抽出物の製造
スピルリナ粉末3kgを水3Lで洗浄して、吸引濾過を行い、濾滓に水30Lを加えて撹拌し、88℃で1時間加熱して、冷却後、減圧下で濾過して分離し、濾液を塩酸でpH3.8に調整して、一晩放置し、遠心分離を行って、上澄み液をNaCO溶液でpH7に調整した後、噴霧乾燥させて、藻類プロテオグリカン抽出物0.599kgを得て、測定したところ、抽出物におけるプロテオグリカンの含有量は72.3%であった。
【0047】
藻類プロテオグリカン抽出物を無菌条件下で秤重して50mg/mLのPBSに溶解してストック溶液を得た。次に2500gを30分間遠心分離した後、上澄み液を0.2μmフィルタで濾過した。MTSアッセイにおいて、該溶液を培地に希釈して細胞を処理した。以下、藻類プロテオグリカン抽出物は「抽出物K」とも呼ばれる。
MTSアッセイ
CellTiter 96(登録商標)AQueous非放射性細胞増殖アッセイキット(MTS,Promega)を用いて細胞増殖試験を行い、比色法により生存した増殖細胞の数を決定した。
【0048】
該アッセイキットは、テトラゾリウム塩(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム)、MTS)及びMTS化学的安定性を向上させる電子結合剤(フェナジンメトサルフェート、PMS)から構成される。MTSは、代謝活性を有する細胞におけるデヒドロゲナーゼで還元して培地に可溶な有色生成物ホルマザン(formazan)としてされた。37℃で2時間インキュベートした後、ホルマザン生成物の量を測定し、490nmでの吸光度で示し、該数値は培地における活細胞数に比例する。最後、実験モデルPANC-1細胞において藻類プロテオグリカン抽出物の半数阻害濃度(IC50)を測定した。すべての細胞培養条件は3回繰り返した。
【0049】
1日目に、細胞を96ウェル培養板(Microtest 96(R)、Falcon)に接種して、1ウェルの100μL培地に1500個の細胞とし、次に所定濃度範囲に基づいて細胞を処理した。具体的に、藻類プロテオグリカン抽出物について10個の異なる濃度を設置して、濃度ごとに3つのウェルを設置した。藻類プロテオグリカン抽出物を添加しない無細胞ウェルを対照ウェルとした。
【0050】
MTS溶液を添加する直前に、MTSアッセイの藻類プロテオグリカン抽出物に対する干渉を避けるために、処理の有無にかかわらず細胞培養培地を取り除いた。各ウェルに100μLの培地を添加し、次に、各ウェルに20μLのMTS溶液を添加し、37℃、5%COで4時間インキュベートした後、490nmでの吸光度を測定した。藻類プロテオグリカン抽出物を含む又は含まない細胞培地を2日目及び4日目に交換した。図1に示すように、6×96ウェルプレートの全体分析(1日に1回)に対応した結果、0日目、1日目(D1)、2日目(D2)、3日目(D3)、4日目(D4)及び6日目(D6)に、490nmでのOD値(吸光度値)を測定した。
【0051】
PANC-1細胞系に対する細胞増殖測定の結果
D0でのMTS結果
前日の細胞播種が適切な方式で行われたか否か、かつ適用したプロトコールが該細胞系に対して機能するか否かをテストするために、D0でのOD値を測定した。以下の表2は、D0でのOD値を示した。各群のOD値の間に有意な統計的差異がないことを観察でき、細胞播種が適切であること、及び結果が再現可能であることを示した。
【表2】
【0052】
藻類プロテオグリカン抽出物によるPANC-1細胞系への抗増殖作用
異なる濃度の藻類プロテオグリカン抽出物に対応したOD値を表3に示す。
【表3】
【0053】
対照(藻類プロテオグリカン抽出物を含まない)に対する増殖細胞の百分率を計算した。毎日異なる濃度の藻類プロテオグリカン抽出物で処理した後、対照に対するPANC-1細胞の増殖百分率を表4及び図2に示した。表5は藻類プロテオグリカン抽出物によるPANC-1細胞増殖への阻害百分率を示す。抽出物Kで処理した細胞の生存量と、処理していない場合の細胞生存量とを比較して抑制率を計算した。
【表4】
【表5】
【0054】
表5から明らかなように、1.75mg/mL、2.5mg/mL、3.5mg/mL及び5mg/mLの抽出物Kで処理した場合、1日目、2日目、3日目、4日目及び6日目のいずれにも、PANC-1細胞への有意的な抗増殖効果が観察された。例えば、1日目には、2.5mg/mLの抽出物Kは38.15%の抑制率、5mg/mLの抽出物Kは37.06%の抑制率、2日目には、2.5mg/mLの抽出物Kは75.64%の抑制率、5mg/mLの抽出物Kは88.29%の抑制率であり、4日目には、1.75mg/mL、2.5mg/mL、3.5mg/mL及び5mg/mLの抽出物KはいずれもPANC-1細胞に対する増殖抑制率が90%を上回った。
【0055】
藻類プロテオグリカン抽出物は、1日目のIC50が5mg/mLより大きく、2日目のIC50が1mg/mLと1.75mg/mLの間にあった。
以上の結果から明らかなように、本発明に係る藻類プロテオグリカン抽出物は、PANC-1膵臓癌細胞に対して顕著な阻害作用を有する。
【0056】
実施例1.2 藻類プロテオグリカン抽出物で進行膵臓癌患者を治療する臨床例
患者の状況:1927年に生まれた男性、急性心筋梗塞の治療のために1996年に冠状動脈ステント留置術を受けた。徐脈の治療のために2003年に心臓ペースメーカ移植術を受け、発熱症状のために、超音波検査によって2013年12月3日に膵頭部腫瘤が発見された。2013年12月26日に膵頭部腫瘤に対する超音波ガイド下コア針生検により低分化型進行膵臓癌と診断された。2014年1月14日に、PTCD+胆管ステント留置術を行った。実施例1.1で調製された藻類プロテオグリカン抽出物を、2013年12月15日に1,350mg/dで20日間投与した後、20日間後に2025mg/dに増加した。それ以外、患者は他の治療を受けなかった。
【0057】
臨床的有効性の観察:部分寛解(PR)後に患者の状態が安定し、全生存期間は20ヶ月であった。
図3は、本発明の藻類プロテオグリカン抽出物を3ヶ月間投与した後の患者の膵臓におけるCT画像変化を示した。動脈相画像は、3ヶ月後に腫瘍が46×51mmから35×46mmに縮小したことを示した。静脈相画像は、腫瘍の中心壊死部の密度が有意に減少したことを示した。これは、さらに本発明に係る藻類プロテオグリカン抽出物が膵臓癌の治療に使用することができ、進行膵臓癌に対しても有意な抑制効果を有することがさらに確認された。
【0058】
膵臓癌は高悪性度の消化管癌であり、膵臓癌の患者の生存期は、任意の処置を受けない場合、約4ヶ月、切除手術を受けた場合、16ヶ月であったが、早期膵臓癌は、その診断率が低いため、ほとんどの場合、発見された時にずでに外科的治療に適していない段階まで発展してきた。既存の薬物療法は、効果的に患者の生存期間を延長することはできない。本発明者らにより従来の文献で報告されている薬物療法の効果(表6)の要約から分かるように、複数種の薬物を用いた併用療法でも、全生存期間は9ヶ月だけである。驚くべきことに、該実施例では、進行膵臓癌患者は、藻類プロテオグリカン抽出物を服用することで、20ヶ月の全生存期間を実現した。このことから、本発明における藻類プロテオグリカン抽出物は、膵臓患者に対する治療効果が既存の薬物療法よりも著しく優れていることを証明し、この効果は予想外であった。
【表6】
【0059】
実施例2 藻類プロテオグリカン抽出物による肝癌への治療効果
本実施例では、本発明の藻類プロテオグリカン抽出物による11例の肝細胞癌患者の生存期間中央値への影響を研究した。
【0060】
11例の肝細胞癌患者は、本発明の実施例1.1で調製された藻類プロテオグリカン抽出物(1,080mg/d)を、死亡又は経口投与の実行不可能になるまで服用した。すべての症例の生存期間は2~43ヶ月であり、11例の肝細胞癌患者の生存期間中央値は15.2ヶ月であった。追跡調査された患者のうち、最も長い生存期間は43ヶ月、4名の患者の生存期間は20ヶ月以上、8名の患者の生存期間は11ヶ月以上、9名の患者の生存期間は6ヶ月以上、1名の患者の生存期間は3ヶ月未満であった。これらの症例のうち、中国・安徽省慈善総会により推薦した安徽病院からの特別な患者ZBFUは、2005年8月2日にT2N0M0 II期の原発性肝癌と診断され、肝臓の右葉に3.0×3.7cmの占拠性病変があった。脾腫、肝硬変、出血を伴った左腎結石のために、他の治療は行われなかった。この患者は、2005年9月24日に試験に入り、実施例1.1で調製された藻類プロテオグリカン抽出物を服用し始めた。ZBFUは2009年4月6日に死亡した。該患者は藻類プロテオグリカン抽出物を連続的に服用して、43ヶ月間生存した。
【0061】
肝癌患者の生存期間は、肝癌の治療において最も困難な問題であった。手術不可能な患者の場合、様々な化学療法は、生存期間中央値を1~2ヶ月だけ延長できる。現在、肝がんの標準治療薬はソラフェニブ(Sorafenib、商品名:NEXAVAR(ネクサバール))であり、治療群及びプラセボ対照群では、それぞれ10.7ヶ月及び7.9ヶ月の中央生存期間を実現した。本実施例では、藻類プロテオグリカン抽出物を服用したところ、肝癌患者の生存期間中央値は15.2ヶ月になった。このことから、本発明に開示される藻類プロテオグリカン抽出物は、肝癌に対する治療効果が既存の薬剤よりも著しく優れていることが確認された。
【0062】
実施例3 藻類プロテオグリカン抽出物による結腸癌への治療効果
本実施例では、本発明に係る藻類プロテオグリカン抽出物による8例の結腸癌患者への治療效果を研究した。
8例の結腸癌患者のうち、男性2名、女性6名、年齢範囲:38~68歳、年齢中央値:60.5歳、全身状態評価:70~90であった。臨床病期III期の結腸癌患者は2例、臨床病期IV期の結腸癌患者は6例あり、すなわち、全ての症例は、臨床病期III期又はIV期の腫瘍であり、8例は病理学的に診断された(8例は手術を受けた)。
【0063】
【0064】
8例の結腸癌患者のうち、実施例1.1で調製された藻類プロテオグリカン抽出物を1080mg/dで56日間服用したところ、1例は部分寛解(PR)、3例は病勢安定化(SD)、4例は病勢進行(PD)を示した。8例の結腸癌患者の治療に対する有効率(CR+PR/症例総数)は12.5%であり、疾患制御率(CR+PR+SD/症例総数)は50%であった。
【0065】
実施例4 藻類プロテオグリカン抽出物による胃癌への治療効果
本発明の藻類プロテオグリカン抽出物による胃癌患者への治療効果は、さらに研究された。
3例の胃癌患者はすべて57歳から67歳の男性で年齢中央値が65歳であった。3例はすべて進行期にあり、そのうちの2例は臨床病期III期腫瘍、1例は臨床病期IV期腫瘍であり、すべての症例の組織型は腺癌であった。3例は病理学的に診断された(そのうちの1例は生検、2例は手術を受けた)。
【0066】
3例の胃癌患者が実施例1.1で調製された藻類プロテオグリカン抽出物を1080mg/dで56日間服用したところ、2例は病勢安定化(SD)、1例は病勢進行(PD)を示し、疾患制御率は66.7%であった。
【0067】
実施例5 藻類プロテオグリカン抽出物によるリンパ腫への治療効果
本実施例では、本発明の藻類プロテオグリカン抽出物によるリンパ腫患者への治療效果を研究した。
患者の状況:非ホジキンリンパ腫NHL(びまん性大B)、IVB期(末期腫瘍患者)と診断された62歳の女性。CHOP化学療法6コース、IMVP-16化学療法8コース、HDAra-c+VP-16化学療法2コースを受けたことがある。上記処置後、左顎下部に3×2cmの塊が見られた。
【0068】
2003年3月2日以降、化学療法で複数回実施した後に再発した当該非ホジキンびまん性大型Bリンパ腫の患者は、実施例1.1で調製された藻類プロテオグリカン抽出物を、2,700mg/dで1日に3回分けて経口投与し始めた。2003年3月31日に、病変サイズは従来より小さくなり1.5×1.8cmまで縮小された。臨床的有効性は、部分寛解(PR)と評価された。
【0069】
化学療法で複数回実施した後に再発した上記非ホジキンびまん性大型Bリンパ腫の患者については、藻類プロテオグリカン抽出物を28日間投与したところ、部分寛解効果を達成したことから、本発明の藻類プロテオグリカン抽出物がリンパ腫に対して有意な治療効果を有することが明らかにされた。
【0070】
実施例6 藻類プロテオグリカン抽出物による食道癌への治療効果
本実施例では、本発明の藻類プロテオグリカン抽出物による食道癌患者への治療效果を研究した。
試験に参加した2例の食道癌患者は、全身状態評価が80点で、2例とも遠隔転移を伴う進行期(III期及びIV期)であった。上記患者が実施例1.1で調製された藻類プロテオグリカン抽出物を服用したところ、そのうちの1例は部分寛解(PR)、1例は病勢安定化(SD)を示した。次の表に示される。
【0071】
【0072】
次に、2例の患者の具体的な病状を説明した。
患者SXFA、男性、1941年3月19日生まれ、彼の病状及び治療は以下の通りであった。
患者は2005年11月10日に組織生検で食道のIV期低分化型腺癌と診断された。
2005年11月8日のCTの結果、切歯列(incisors line)より40mmの位置における粘膜に6cm長さの出血性びらんを伴う結節性隆起を示した。
【0073】
2006年8月13日から2006年11月15日まで、該患者は、実施例1.1で調製された藻類プロテオグリカン抽出物を連続的に1,080mg/dで服用し、藻類プロテオグリカン抽出物の投与前及び投与中に他の治療を受けることがなかった。
2006年10月13日のCTの結果、下部食道の5cm不規則な陰影欠損が認められ、病変高さは5mmであった。治療有効性は、病勢安定化(SD)と評価された。
患者ZSCA、男性、1957年7月17日生まれ、彼の病状及び治療は以下の通りであった。
2006年5月15日に穿刺及びスメアによりIV期食道扁平上皮癌と診断された。
2006年5月17日のCTの結果、右鎖骨に5.5×5cmのリンパ節を示した。
2006年5月17日から2006年11月1日まで、患者は、実施例1.1で調製された藻類プロテオグリカン抽出物を連続的に1,080mg/dで服用し、藻類プロテオグリカン抽出物の投与前及び投与中に他の治療を受けることがなかった。
2006年11月1日のCTの結果、右鎖骨に2.5×2cmのリンパ節を示した。治療有効性は、部分寛解(PR)と評価された。
上記データでは、本発明の藻類プロテオグリカン抽出物は食道癌に対しても治療効果を有することが明らかにされた。
【0074】
実施例7 藻類プロテオグリカン抽出物による腫瘍関連疼痛の緩和
実施例7.1 藻類プロテオグリカン抽出物による肝癌疼痛への治療効果
疼痛は進行肝癌の一般的な臨床症状であり、患者の生活の質に重大な影響を及ぼし、疼痛を抑制するために、強力な鎮痛薬が慣習的に使用されなければならない。本実施例では、18例の肝細胞癌患者について、藻類プロテオグリカン抽出物の疼痛に対する抑制又は予防効果を研究した。
【0075】
18例の肝細胞癌患者は、実施例1.1で調製された藻類プロテオグリカン抽出物を1080mg/dで、死亡又は経口投与の実行不可能になるまで服用した。研究中に他の鎮痛薬を服用させず、その中でも、14例の患者の疼痛が疼痛スケールで測定された。これらの14例のうち、2例は始終疼痛を示さなかった他、7例は疼痛緩和を示し、5例は1~2度の軽度の疼痛を変わらずに維持していた。典型的な症例は以下の患者を含む。
【0076】
1例の患者は研究に入る際に強力なモルヒネ鎮痛薬を服用する必要があり、藻類プロテオグリカン抽出物の投与後、短時間内に鎮痛薬は必要とされていなかった。他の患者は画像検査で検出された巨大腫瘍(8×8.5cm)を有していたが、藻類プロテオグリカン抽出物の投与後、患者に疼痛症状は現れなかった。
【0077】
上記のデータでは、本発明の藻類プロテオグリカン抽出物は、疼痛に対して有意な抑制効果及び改善効果を有することが示された。
本明細書に記載の疼痛評価スケールは以下の通りである。
【0078】
【0079】
実施例7.2 藻類プロテオグリカン抽出物による膵臓癌疼痛への治療効果
膵臓癌及び疼痛症状を有する24例の患者の疼痛症状について、藻類プロテオグリカン抽出物による疼痛抑制効果も研究された。試験に登録された膵臓癌患者24例は、実施例1.1で調製された藻類プロテオグリカン抽出物を、患者が死亡又は経口投与の実行不可能になるまで、2,025mg/dで服用した。疼痛評価スケールで測定したところ、24例の患者の疼痛症状はいずれも有意に緩和された。
【0080】
実施例8 藻類プロテオグリカン抽出物による炎症への抑制作用
腫瘍促進性炎症は、癌の特徴の1つであると考えられている。慢性炎症性疾患は、特定の癌に罹患するリスクを向上させる可能性があり、多くの疫学的証拠から、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、特にアスピリンが強力な化学予防剤であることが示唆される。腫瘍微小環境には多くの異なる炎症細胞が存在し、遺伝性、可移植性及び誘導性のマウス癌モデルにおいてこれらの因子を標的とすることは、腫瘍疾患の発症、進展及び広がりを有意に減少できる。したがって、この複雑な炎症ネットワークは、悪性疾患の予防及び治療の標的を提供する。本実施例は、藻類プロテオグリカン抽出物による癌細胞における炎症性メディエーターの発現に及ぼす影響を調べた。
【0081】
8.1 膵臓癌モデルにおける炎症性メディエーター発現に対する藻類プロテオグリカン抽出物の調節効果
実施例1に記載のプロトコルに従って、藻類プロテオグリカン抽出物を調製し、PANC-1膵臓癌細胞系を培養した。
1日目に、100mmの培養皿(Corning(登録商標))(各培養皿の培地16mLに250,000個の細胞を含有させる)に細胞を接種して、2日目に、PANC-1細胞を5mg/mL藻類プロテオグリカン抽出物又はPBS含有培地(対照)で処理した。細胞を3群(対照群、3時間処理群、及び18時間処理群)に分けて、群毎に2回繰り返した。
【0082】
AnyGenes(登録商標)社製のSignArrays(登録商標)システムを用いて、血管新生、炎症、インターフェロン・免疫系、サイトカイン、酸化ストレス及びHLA系を含む6種類のqPCRシグナル伝達経路(SignArrays(登録商標))に関連する因子の発現を研究した。次表7には、測定された76種類の炎症性メディエーターのうち、対照サンプルに比べて発現が有意に下方制御された(少なくとも1倍以上)因子の数を示した。表8には、対照に比べて一部の例示的な因子が下方制御された倍数を示す。
【表7】
【表8】
【0083】
上記結果から明らかなように、本発明の藻類プロテオグリカン抽出物はPANC-1膵臓癌細胞における複数種の炎症性メディエーターとサイトカインの発現を調節でき、複数種の炎症性因子の発現に対して顕著な抑制作用を有する。
【0084】
8.2 肝癌及び肺癌モデルにおける炎症メディエーター発現に対する藻類プロテオグリカン抽出物の調節効果
本研究では、HuH7肝癌細胞系とA549肺腺癌細胞系を使用した。この2種の細胞系はAnyGenes(登録商標)社で培養されたものである。
HuH7細胞をDMEM培地で培養して、10%FBS(ウシ胎仔血清、Gibco(登録商標)、Life technologiesTM製)、1%のL-グルタミン(200mM、Gibco(登録商標)、Life technologiesTM製)、1%ピルビン酸ナトリウム(100mM、Gibco(登録商標)、Life technologiesTM製)、及び1%のストレプトマイシン-ペニシリン(10,000U/mLペニシリン及び10,000μg/mLストレプトマイシン、Gibco(登録商標)、Life technologiesTM製)を添加して、37℃、5%COでインキュベートした。トリパンブルー排除アッセイにより細胞活力を測定した。
【0085】
A549細胞を、10%FBS(ウシ胎仔血清、Gibco(登録商標)、Life technologiesTM製)、1%のL-グルタミン(200mM、Gibco(登録商標)、Life technologiesTM製)、1%のピルビン酸ナトリウム(100mM;Gibco(登録商標)、Life technologiesTM製)、及び1%のストレプトマイシン-ペニシリン(10,000U/mLペニシリン及び10,000μg/mLストレプトマイシン、Gibco(登録商標)、Life technologiesTM製)を添加したRPMI培地で培養して、37℃、5%COでインキュベートした。トリパンブルー排除アッセイにより細胞活力を測定した。
【0086】
藻類プロテオグリカン抽出物を実施例1に記載のプロトコルに従って調製した。関連因子の発現を実施例3.1に記載の方法に従って検出した。表9には、A549細胞及びHuH7細胞において検出された炎症性メディエーター、サイトカインの数、並びに6時間又は12時間後に対照サンプルに比べて発現が有意に下方制御された(少なくとも2倍以上)因子の数を示した。表10には、対照に比べて下方制御されたいくつかの例示的因子の倍率をも示した。
【表9】
【表10】
【0087】
実施例8.1及び8.2の結果から明らかなように、本発明における藻類プロテオグリカン抽出物は、種々の癌モデルにおける炎症性メディエーター及びサイトカインの発現を調節するための主要なモジュレータであり、種々の炎症性サイトカインの発現を有意に抑制し得、このことは、本発明における藻類プロテオグリカン抽出物は、炎症、特に腫瘍関連炎症の発生及び進行を抑制できることを示した。
【0088】
さらに、次表11は、炎症性因子とその因子によって媒介される疾患との対応関係を示し、表11から、本発明の藻類プロテオグリカン抽出物によって調節される炎症性メディエーター及びサイトカインは様々な疾患の発症及び進展を媒介し得ることがわかる。したがって、これらの炎症性因子を下方制御できる藻類プロテオグリカン抽出物は、表11に記載の疾患又は障害を含むがこれらに限定されない炎症性因子に関連する種々の疾患及び障害を治療又は予防するために用いることができる。
【表11】
【0089】
実施例9 藻類プロテオグリカン抽出物と化学療法剤との併用による癌治療における相乗効果
本研究に使用された実験動物は、中国科学院上海実験動物センターによって提供された雌C57マウス(18~22g)又は雌KMマウス(18~22g)であった(証明書番号:005)。
B-16黒色腫及びS-180肉腫を含む腫瘍は、中国科学院上海薬物研究所より提供された。
【0090】
カルボプラチンは山東斉魯製薬廠、アドリアマイシンは中国浙江海門製薬廠、エトポシドは上海医薬工業研究院亜東薬業公司浦東製薬廠、5-フルオロウラシルは上海旭東海普薬業有限公司、シクロホスファミドは上海華聨製薬有限公司、残りの化学療法剤は北京可瑞生物工程有限責任公司から購入された。
【0091】
実施例9.1 藻類プロテオグリカン抽出物と化学療法剤との併用による黒色腫における治療効果
実験スキーム
18~22gの雌C57マウス及びよく成長した7~11日のB-16黒色腫を用いた。腫瘍組織を細胞懸濁液に調製して、マウスの右腋窩皮下に、約4.5~5×10細胞/匹で接種した。接種24時間後、マウスをランダムに群分けして異なるケージ(n=6)に入れた。藻類プロテオグリカンを経口(p.o.)投与、カルボプラチン、アドリアマイシン又はCTXを1日に1回腹腔内(i.p.)投与し、異なる投与量(用量)で2日目から連続的に7日間投与した。空白対照群に生理食塩水(NS)を投与した。休薬24時間後、動物を屠殺して体重を秤量した。腫瘍を摘出し、腫瘍重量を測定した。各群について平均腫瘍重量を計算した。下式により腫瘍抑制率を算出して、T検定を行った。
腫瘍抑制率=[(A-B)/A]×100%
Aは空白対照群の平均腫瘍重量(g)であり、Bは治療群の平均腫瘍重量(g)である。
【0092】
投与量
予備実験の結果によれば、藻類プロテオグリカン抽出物(以下、藻類プロテオグリカンと略称する)の投与量を30mg/kg及び60mg/kgとし、カルボプラチンの投与量を4mg/kg及び8mg/kgとし、ドキソルビシンの投与量を1mg/kgとし、CTXの投与量を7.5mg/kgとした。
【0093】
実験結果
【表12】
【表13】
【表14】
【0094】
以上の結果から明らかなように、単剤療法に比べて、カルボプラチン又はドキソルビシンと併用した藻類プロテオグリカンの抗腫瘍効果は有意に向上するが、マウスに対する毒性は増加しなかった。例えば、藻類プロテオグリカンを30mg/kgの用量で投与する場合、藻類プロテオグリカンそのものは黒色腫増殖を効果的に阻害しなかったが(P値>0.05)、他の抗腫瘍薬の効果を有意に高めることができる。例えば、藻類プロテオグリカン(30mg/kg)をカルボプラチンと併用した場合場合、カルボプラチンの単剤療法に比べて、腫瘍抑制率は有意に向上させ、38.9%(P値<0.01)に達した。藻類プロテオグリカン(30mg/kg)をドキソルビシンと併用した場合、ドキソルビシンの腫瘍抑制率も13.1%と有意に向上させた。カルボプラチンを藻類プロテオグリカン(60mg/kg)と併用した場合、カルボプラチンの単剤療法に比べて、腫瘍抑制率は26.6%と有意に向上させた。
【0095】
以上の結果から、本発明の藻類プロテオグリカン抽出物は、カルボプラチンやドキソルビシンなどの化学療法剤のマウスにおけるB16黒色腫移植腫瘍に対する治療効果を高めることができ、このことから、藻類プロテオグリカン抽出物と一般的に使用されている化学療法剤とが黒色腫の治療において相乗効果を有することは明らかにされた。
【0096】
実施例9.2 藻類プロテオグリカン抽出物と他の化学療法剤との併用によるマウスS-180肉腫への治療効果
実験スキーム
18~22gの雌KMマウス及びよく成長した7~11日のS-180黒色腫を用いた。腫瘍組織を細胞懸濁液に調製して、マウスの右腋窩皮下に、約4.5~5×10細胞/匹で接種した。接種24時間後、マウスをランダムに群分けて異なるケージ(n=6)に入れた。藻類プロテオグリカン抽出物(以下、藻類プロテオグリカンと略称する)を経口(p.o.)投与し、シクロホスファミド、カルボプラチン、5-フルオロウラシル及びエトポシドを、1日に1回腹腔内(i.p.)投与し、異なる投与量(用量)で2日目から連続的に7日間投与した。空白対照群に生理食塩水(NS)を投与した。休薬24時間後、動物を屠殺して体重(g)を秤量した。腫瘍を摘出し、腫瘍重量(g)を測定した。各群について平均腫瘍重量を計算した。下式により腫瘍抑制率を算出して、T検定を行った。
腫瘍抑制率=[(A-B)/A]×100%
Aは空白対照群の平均腫瘍重量(g)であり、Bは治療群の平均腫瘍重量(g)である。
【0097】
実験結果
【表15】
【表16】
【0098】
【表17】
【表18】
【0099】
表15~18に記載のデータから明らかなように、藻類プロテオグリカンは、20~30mg/kgの用量ではS-180肉腫(P値>0.05)に対して増殖抑制がなく、60mg/kgの用量ではS-180肉腫に対して35.4%の増殖抑制率を有し、マウス肉腫の増殖に対して一定の抑制効果を示した。
【0100】
カルボプラチンは、4mg/kgの用量で単独で使用した場合、マウスS-180肉腫の移植腫瘍の増殖に対して抑制効果(P値>0.05)がなく、20mg/kgの藻類プロテオグリカンと併用した場合、抑制率が33%であった。藻類プロテオグリカン60mg/kgとシクロホスファミド7.5mg/kgとを併用した場合、S-180肉腫の増殖に対して、シクロホスファミド単独での抑制率よりも10%高い52.6%の抑制率が達成された。
【0101】
エトポシドは、3mg/kgで単独投与した場合、マウスS-180肉腫の移植腫瘍の増殖に対する抑制効果が26.9%(P値>0.05)であり、20及び30mg/kgの藻類プロテオグリカンとを併用した場合、抗腫瘍効果がいずれも単独投与した場合より高まり、抑制率がそれぞれ33.5%(P値<0.05)及び35.7%(P値<0.01)であった。
【0102】
5-フルオロウラシルは、15mg/kgで単独投与した場合、マウスS-180肉腫の移植腫瘍に対して増殖抑制効果が比較的低く、藻類プロテオグリカンと併用した場合、抗腫瘍効果が有意に増加し、67.5%の抑制率に達し、それは、2つの薬剤の併用により相乗効果をもたらしたことが明らかにされた。
【0103】
上記のデータから明らかなように、本発明の藻類プロテオグリカン抽出物と、5-フルオロウラシル、エトポシド、カルボプラチン及びシクロホスファミドなどの化学療法剤との併用は、マウスS-180肉腫に対するこれらの化学療法剤の治療効果を向上させることができ、その中でも、5-フルオロウラシルと藻類プロテオグリカンとの併用による相乗効果は、最も顕著である。
【0104】
また、本出願人らは、膵臓癌ヌードマウスにおける生体内腫瘍に対する、藻類プロテオグリカン抽出物単独、及び該抽出物とゲムシタビンとの併用の抑制効果、ならびに患者由来異種移植片モデル(PDX)において膵臓癌に対する抑制効果についても検討した。その結果、本発明の藻類プロテオグリカン抽出物とゲムシタビンとの併用は、膵臓癌の治療に対しても相乗効果を有することが示された。
【0105】
なお、以上のように、本発明は、上記の具体的な形態により関連発明を説明したが、本発明はこれらの具体的な形態で説明される特定の詳細に限定されていない。本明細書に記載の本発明の精神から逸脱することなく、関連発明に含まれる技術的特徴に対する様々な均等な変更を行うことができ、そのような変更はすべて本発明の範囲内であることは、当業者にとって自明なことである。
図1
図2
図3