(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】間仕切り
(51)【国際特許分類】
E05C 17/60 20060101AFI20230502BHJP
E05D 15/00 20060101ALI20230502BHJP
E05F 1/02 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
E05C17/60 Z
E05D15/00 G
E05F1/02 B
(21)【出願番号】P 2021171383
(22)【出願日】2021-10-20
(62)【分割の表示】P 2017096553の分割
【原出願日】2017-05-15
【審査請求日】2021-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】津崎 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】駒木 俊朗
【審査官】素川 慎司
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-296363(JP,A)
【文献】特開2000-337018(JP,A)
【文献】特開2016-217076(JP,A)
【文献】特開2014-177829(JP,A)
【文献】特開2012-102595(JP,A)
【文献】特開2002-121950(JP,A)
【文献】特開平11-336408(JP,A)
【文献】特開平10-159436(JP,A)
【文献】特開2001-323711(JP,A)
【文献】特開2014-031620(JP,A)
【文献】特開2016-030929(JP,A)
【文献】特開2016-056626(JP,A)
【文献】実開昭64-036481(JP,U)
【文献】韓国登録特許第10-0919233(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/00 - 13/04
E05F 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールに沿って移動するランナによってパネルを開閉方向に移動可能とし、かつ、自閉機構によって前記パネルを自動的に閉方向に移動させる間仕切りにおいて、
前記パネルが前記閉方向に移動を開始すると、前記パネルを停止させ、さらに前記パネルを前記閉方向に移動させると停止を解除可能なストッパを備え、
前記ストッパは、前記レールに対する前記ランナの移動を可能とする解放位置と、前記レールの一部と接触し前記ランナの移動を停止する停止位置との間を変位する第1接触部材と、
前記第1接触部材と対とな
り、前記第1接触部材と共に前記解放位置と前記停止位置との間を変位する第2接触部材と、
前記パネルが前記閉方向に移動するときに、前記第1接触部材
および前記第2接触部材を
共に前記解放位置から前記停止位置に変位させて、前記ランナの移動を停止させる制御部材と、を備え、
前記レールは、長手方向に延び、前記ランナから延び前記パネルを吊り下げ支持する支軸が挿通されるレール開口部と、
前記レール開口部が延びる長手方向であって、前記レール開口部の両側に位置する支持片と、を備え、
前記第1接触部材は、前記支持片を押圧する第1押圧部を備え、前記第2接触部材は、前記支持片を押圧する第2押圧部を備え、前記第1押圧部および前記第2押圧部は、前記第1接触部材
および前記第2接触部材が前記停止位置のとき、前記支持片を挟持し、
前記第1接触部材
および前記第2接触部材は、前記パネルが前記閉方向に移動するときに、前記解放位置から前記停止位置に変位
し前記ランナの移動を停止する
間仕切り。
【請求項2】
前記制御部材は、前記ランナに連結されており、前記第1接触部材および前記第2接触部材に対して、前記ランナの移動方向と同方向に移動することで、前記第1接触部材および前記第2接触部材を変位させる
請求項
1に記載の間仕切り。
【請求項3】
前記解放位置は、前記第1接触部材が前記レールに対して非接触である
請求項1
または2に記載の間仕切り。
【請求項4】
前記制御部材は、前記第1接触部材および前記第2接触部材の間に位置し、前記第1接触部材および前記第2接触部材を変位させる制御突起を備え、
前記第1接触部材および前記第2接触部材の間隔が前記制御突起より狭い状態から前記制御突起が前記間隔を広げたとき、前記第1接触部材および前記第2接触部材は、前記解放位置から前記停止位置に変位する
請求項
1または2に記載の間仕切り。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルを自動的に閉方向に移動させる間仕切りに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内空間を適宜に区画する間仕切りは、複数枚のパネルが下部レールと上部レールとの間で移動可能に支持され、さらに、パネルを自動的に閉方向に移動させる自閉機構を備えたものがある。自閉機構を備えた間仕切りでは、開方向に移動させたパネルから手を離すと、自閉機構が作用して、当該パネルが自動的に閉方向に移動してしまう。そこで、特許文献1,2に示すように、自閉機構を備えた間仕切りの中には、パネルを開いた状態に一時的に維持するストッパを備えたものがある。これにより、利用者は、パネルの開いている状態で、荷物の移動などを行うことができる。そして、荷物の移動が終了したときに、再度パネルを閉方向に移動させる操作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公平06-040835号公報
【文献】特開2000-337018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自閉機構と共に備えられるストッパでは、閉方向に移動するパネルを停止させた後に、簡単な操作で、閉方向への移動が再開できるようにすることが望まれる。
本発明は、閉方向へ移動するパネルが停止した後に、簡単な操作で、再度パネルを閉方向に移動させることを可能とした間仕切りを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する間仕切りは、レールに沿って移動するランナによってパネルを開閉方向に移動可能とし、かつ、自閉機構によって前記パネルを自動的に閉方向に移動させる間仕切りにおいて、前記パネルが前記閉方向に移動を開始すると、前記パネルを停止させ、さらに前記パネルを前記閉方向に移動させると停止を解除可能なストッパを備え、前記ストッパは、前記パネルの移動に従い回転する回転ユニットを備え、前記回転ユニットは、前記レールの第1接触面に接触される弾性部と、前記第1接触面と対向する第2接触面に当接する受け部とを備える。
【0006】
上記間仕切りにおいて、前記ストッパは、前記レール内を、前記ランナに接続され、前記ランナとともに移動するベースを備えることが好ましい。
上記間仕切りにおいて、前記回転ユニットは、前記受け部を備え、前記ベースに対して、前記パネルの移動に従い回転する回転ベースと、前記弾性部を備え、前記弾性部を前記回転ベースに対して前記第1接触面の方向に移動する移動ベースとを備えることが好ましい。
【0007】
上記間仕切りにおいて、前記回転ユニットは、前記弾性部を前記第1接触面の方向に押圧する付勢部材を備え、前記受け部は、前記付勢部材の反力を受けることが好ましい。
上記間仕切りにおいて、前記ストッパは、前記パネルの移動に従い回転した前記回転ユニットを中間位置に戻る方向に付勢する回転付勢部材を備えることが好ましい。
【0008】
上記間仕切りにおいて、前記弾性部は、第1円弧面を備え、前記受け部は、第2円弧面を備え、前記第2円弧面の方が前記第1円弧面より緩やかな円弧面で構成されていることが好ましい。
【0009】
上記間仕切りにおいて、前記第1接触面および前記第2接触面は、前記レールにおいて、前記パネルの吊り下げ方向に延びる一対の側面であることが好ましい。
上記間仕切りにおいて、前記パネルの開方向の縦辺に縦枠を備え、前記自閉機構は、前記レールおよび前記縦枠内に延在され、一端部が前記閉方向に位置する固定部に固定される線状部材と、前記縦枠内に上下方向に移動可能に配置され、前記一端部とは反対側の前記線状部材に直接または間接的に接続される重錘とを備えることが好ましい。
【0010】
上記間仕切りにおいて、前記ストッパは、前記ランナに対して前記開方向に位置していることが好ましい。
上記間仕切りにおいて、前記ストッパは、前記開方向の端部に、前記重錘の方向に垂下される前記線状部材を支持する支持部を備えることが好ましい。
【0011】
上記間仕切りにおいて、前記ストッパは、前記線状部材を案内する案内部を備えることが好ましい。
上記課題を解決する間仕切りは、レールに沿って移動するランナによってパネルを開閉方向に移動可能とし、かつ、自閉機構によって前記パネルを自動的に閉方向に移動させる間仕切りにおいて、前記パネルが前記閉方向に移動を開始すると、前記パネルを停止させ、さらに前記パネルを前記閉方向に移動させると停止を解除可能なストッパを備え、前記ストッパは、前記パネルの移動に従い回転する回転ユニットを備え、前記回転ユニットは、前記レールの上下方向に延びる側面に接触される弾性部と、前記弾性部を前記側面の方向に押圧する付勢部材と、前記パネルの移動に従い回転した前記回転ユニットを中間位置に戻る方向に付勢する回転付勢部材とを備える。
【0012】
上記課題を解決する間仕切りは、レールに沿って移動するランナによってパネルを開閉方向に移動可能とし、かつ、自閉機構によって前記パネルを自動的に閉方向に移動させる間仕切りにおいて、前記パネルが前記閉方向に移動を開始すると、前記パネルを停止させ、さらに前記パネルを前記閉方向に移動させると停止を解除可能なストッパを備え、前記ストッパは、前記レールに対する前記ランナの移動を可能とする解放位置と、前記レールの一部と接触し前記ランナの移動を停止する停止位置との間を変位する接触部材と、前記パネルが前記閉方向に移動するときに、前記接触部材を前記解放位置から前記停止位置に変位させて、前記ランナの移動を停止させる制御部材とを備える。
【0013】
上記間仕切りにおいて、前記レールは、長手方向に延び、前記ランナから延び前記パネルを吊り下げ支持する支軸が挿通されるレール開口部と、前記レール開口部が延びる長手方向であって、前記レール開口部の両側に位置する支持片とを備え、前記接触部材は、第1接触部材であり、前記ストッパは、前記第1接触部材と対となり、前記第1接触部材と共に前記解放位置と前記停止位置との間を変位する第2接触部材をさらに備え、前記第1接触部材は、前記支持片を押圧する第1押圧部を備え、前記第2接触部材は、前記支持片を押圧する第2押圧部を備え、前記第1押圧部および前記第2押圧部は、前記停止位置のとき、前記支持片を挟持し、前記第1接触部材および前記第2接触部材は、前記パネルが前記閉方向に移動するときに、前記解放位置から前記停止位置に変位し前記ランナの移動を停止することが好ましい。
【0014】
上記間仕切りにおいて、前記制御部材は、前記ランナに連結されており、前記第1接触部材および前記第2接触部材に対して、前記ランナの移動方向と同方向に移動することで、前記第1接触部材および前記第2接触部材を変位させることが好ましい。
【0015】
上記間仕切りにおいて、前記解放位置は、前記接触部材が前記レールに対して非接触であることが好ましい。
上記間仕切りにおいて、前記制御部材は、前記第1接触部材および前記第2接触部材の間に位置し、前記第1接触部材および前記第2接触部材を変位させる制御突起を備え、前記第1接触部材および前記第2接触部材の間隔が前記制御突起より狭い状態から前記制御突起が前記間隔を広げたとき、前記第1接触部材および前記第2接触部材は、前記解放位置から前記停止位置に変位する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、閉方向へ移動するパネルが停止した後に、簡単な操作で、再度パネルを閉方向に移動させることを可能とした間仕切りを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】(a)は、第1実施形態における間仕切りの正面図、(b)は、第1実施形態における間仕切りの上面図、(c)は、第1実施形態における間仕切りの側面図。
【
図2】第1実施形態における上部ランナ、ストッパ、および、自閉機構の要部斜視図。
【
図3】第1実施形態における上部ランナ、ストッパ、および、自閉機構の要部断面図。
【
図4】第1実施形態における自閉機構を備えた縦框および移動体の断面図。
【
図5】第1実施形態における自閉機構を構成する移動体の分解斜視図。
【
図6】第1実施形態におけるストッパの分解斜視図。
【
図7】第1実施形態における回転ベースおよび移動ベースを裏側から見た斜視図。
【
図8】第1実施形態において上部ランナが開方向に移動するときの要部上面図。
【
図9】第1実施形態において上部ランナが閉方向への移動を再開し移動し始めたときの要部上面図。
【
図10】第1実施形態において上部ランナが閉方向への移動しているときの要部上面図。
【
図11】第1実施形態においてパネルが開いた状態を示す間仕切りの正面図。
【
図12】第2実施形態における上部ランナとストッパと自閉機構を示す図であって、パネルが開方向に移動しているときの要部断面図。
【
図13】第2実施形態における上部ランナ、および、ストッパの分解斜視図。
【
図14】第2実施形態における第1接触部材および第2接触部材と制御突起との位置関係を示す図であって、制御突起が第1係合片および第2係合片に係合した状態を示す正面図。
【
図15】第2実施形態において上部ランナが閉方向への移動を停止したときの状態を正面側から見た要部断面図。
【
図16】第2実施形態において制御突起が第1突出部および第2突出部を押圧している状態を示す正面図。
【
図17】第2実施形態においてパネルが閉方向に移動しているときの状態を正面側から見た要部断面図。
【
図18】第2実施形態において制御突起が第1係合突起および第2係合突起に係合した状態を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、
図1~
図18を参照して、本発明に係る間仕切りの一実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1(a)~(c)に示すように、間仕切り1は、引戸であって、パネル2a~2cが天井面に設けられる互いに平行な上部レール3a~3cに沿って支持されている。すなわち、パネル2aは、上部レール3aによって吊り下げ支持され、パネル2bは、上部レール3bに吊り下げ支持され、パネル2cは、上部レール3cに吊り下げ支持されている。上部レール3a~3cは、互いに平行で、かつ、近接して天井面に設けられ、各上部レール3a~3cに引き違い操作可能に吊り下げ支持されている。
図1の例では、パネル2aが手前側でかつ全閉状態で最右に配置され、パネル2cが奥側でかつ全閉状態で最左に配置され、パネル2bは、前後方向および移動方向において、パネル2aとパネル2cの間の真ん中に配置されている。
【0019】
図1(a)~(c)において、矢印D1方向がパネル2a~2cが開いた開状態にする開方向であり、矢印D2方向がパネル2a~2cが閉じた閉状態とする閉方向である。同図では、パネル2a~2cの全閉状態を示している。
【0020】
パネル2aには、パネル2bと対向するパネル面であって矢印D2方向の縦框12bにおける上端部または下端部に、ドアストッパとしての押圧突部9が設けられている。押圧突部9は、パネル2cにパネル2bとパネル2aが重なった全開状態となったときに引き残し部分を設ける。また、パネル2aとパネル2b、および、パネル2bとパネル2cとは、パネル同士を繋ぎ連動させる連動部材としてのパネルガイド7によって接続されている。先頭のパネル2aが開方向(矢印D1方向)に移動されたときには、パネル2aがパネル2bに重なると、次いで、連動部材として押圧突部9がパネル2bを押して、同方向に移動されることになる。また、パネル2aを矢印D2方向に移動するとき、パネル2aは、パネルガイド7を介してパネル2bを引き連れて移動する。
【0021】
また、床には、全閉状態においてパネル2a,2cの揺れを抑制する固定金具としての床付けマグネット8が設置されている。一例として、床付けマグネット8は、
図1(a)中最右に位置しているパネル2aの矢印D2方向の下端部に対向する床に設置されており、上部にパネル2aが来ると、パネル2aの下端部に配置されたマグネットなどで金具が吸引されて引き上げられ、パネル2aに係合される。同様に、床付けマグネット8は、最左に位置しているパネル2cの矢印D1方向の下端部に対向する床にも設置されている。
【0022】
縦框12a,12bは、ゴム材などのクッション19が設けられている(
図4参照)。具体的に、パネル2a~2cのうちでパネル2aの矢印D2方向の縦框12b、および、パネル2cの矢印D1方向の縦框12bは、壁部31b,66と突き当たる縦框であり、それ以外の縦框12a,12bは、壁部31b,66と突き当たらない縦框である。一例として、壁部31b,66と突き当たらない縦框12a,12bに配置されるクッション19は、壁部31b,66の当たりを和らげるクッション部19aと、隣接するパネル2との隙間を塞ぐ弾性片19bとを備えている。クッション部19aは、内部が中空構造であり、弾性片19bは、クッション部19aと一体に形成されている。なお、壁部31b,66と突き当たる縦框12bのクッション19は、一例として、クッション部19aだけを備えており、弾性片19bを備えていない。
【0023】
なお、以下、単にパネル2a~2cをパネル2ともいう。また、上部レール3a~3cを上部レール3ともいう。
間仕切り1は、パネルを自動的に閉方向に移動させる自閉機構4を備えている。したがって、開いた状態においてパネル2aから手を離したとき、パネル2aは、閉方向(矢印D2方向)に移動を開始する。また、先頭のパネル2aは、パネル2aが矢印D2方向に移動を開始したときに同方向への移動を停止状態としその後停止状態を解除するストッパ5を備えている。したがって、パネル2aが矢印D2方向への移動を開始したとき、パネル2aは、停止して開状態を維持し、利用者によってパネル2aを矢印D2方向への移動する操作が再度されたときに、矢印D2方向への移動を再開する。
【0024】
各パネル2は、上端部に2つの上部ランナ6a,6bを備えている。ストッパ5は、矢印D1方向に位置する上部ランナ6aに備えられており、さらに具体的に、上部ランナ6aにおいて、矢印D1方向の端部に連結されている。すなわち、ストッパ5の配置位置は、上部ランナ6a,6bの中で、自閉機構4の移動体32や重錘35に対して最も近い位置に配置される。以下、上部ランナ6a,6bを上部ランナ6ともいう。
【0025】
各パネル2は、パネル部11と、縦枠としての縦框12a,12bと、横枠としての横框13a,13bとを備えている。パネル部11は、矩形形状を有しており、各面は、種々の装飾が施されている。一例として、パネル部11は、遮光性を有していてもよいし、透光性を有していてもよい。また、一部が透光性を有し、残りが遮光性であってもよい。パネル2aの矢印D1方向の縦框12aには、後述の自閉機構4の主たる構成部品が配設される。そして、パネル2a~2cにおける自閉機構4の主たる構成部品が配設されていない縦框を縦框12bで示している。また、パネル部11の上辺には、横框13aが配置され、パネル部11の下辺には、横框13bが配置される。パネル部11は、4辺が縦框12a,12bおよび横框13a,13bに、接ぎ目部分の小さなすき間を埋めるゴム材などのグレチャン11a(
図2参照)を介して挟持される。そして、横框13aには、上部ランナ6a,6bが連結されている。
【0026】
パネル2aには、引手14が縦框12bの上下方向の中程に配置されている。引手14は、パネル2に対して、開閉の妨げとならないように、パネル2の厚さ方向に突出しない凹部によって構成されている。引手14は、パネル2aの縦框12bの高さ方向中程に配置されている。引手14は、手前に位置するパネル2aの縦框12bの手前の面に配置されている。
【0027】
なお、パネル2aとパネル2bは、下端部において、パネルガイド7によって接続されている。パネルガイド7は、一例として、全体がL字形状を有し、固定片と案内片とを備えた金具であって、固定片が一方のパネル2bの下端部に固定され、案内片の案内突起が相手のパネル2aの下端部(例えば横框13b)に形成された案内溝に係合される。パネル2bとパネル2cも、パネルガイド7によって接続されている。パネルガイド7は、固定片が一方のパネル2cの下端部に固定され、案内片の案内突起が相手のパネル2bの下端部に形成された案内溝に係合される。これにより、パネルガイド7は、2枚のパネル2を連結することで、パネル2の揺れを抑制する。また、案内突起が案内溝の端部に至ったとき、案内突起を備えたパネルは、他方のパネルを引き連れて移動する。これにより、パネル2aとパネル2bとは連動して移動し、さらに、パネル2bとパネル2cも連動して移動可能となる。
【0028】
図2は、全開に近い状態におけるパネル2aの上部ランナ6a、ストッパ5、および、自閉機構4の要部斜視図である。上部ランナ6は、ランナ本体16を備えている。ランナ本体16には、4個の車輪17が回転可能に支持されている。各車輪17は、一例として、ボールベアリング付きの車輪であって、上部レール3内をほぼ上下動不能な状態で転動する。ランナ本体16には、支軸18の上端が固定され、その支軸18は、横框13a内に配置された軸保持部材18aに挿通されている。軸保持部材18aは、パネル2の横框13aにネジなどの固定部材で固定されている。また、ランナ本体16は、ストッパ5と連結するための第1連結部16aを備えている。
【0029】
上部ランナ6が配置される上部レール3は、前壁21と、前壁21と対向する後壁22と、前壁21と後壁22とを繋ぐ上壁23とを備える。さらに、上部レール3の下面は、長手方向に沿って、支軸18が挿通されるレール開口部24を備え、レール開口部24を挟んだ両側に、支持片25を備えている。上部ランナ6は、上部レール3の内部に、長手方向に沿って移動可能に配置される。支持片25は、上部ランナ6の車輪17が転動するレールとなる。
【0030】
図3に示すように、自閉機構4は、線状部材としてのコード31と、縦框12a内に配置される移動体32と、移動体32に備えられる動滑車33と、動滑車33に取り付けられるダンパ34と、重錘35とを備えている。すなわち、自閉機構4は、パネル2aの縦框12a内に、移動体32と、動滑車33と、ダンパ34と、重錘35とが配置される。
【0031】
コード31は、駆動力伝達部材として機能するものであり、パネル2を移動できる程度の強度を有するとともに可撓性を有した紐状部材である。コード31としては、丸紐、平紐などを代替して使用することができる。このようなコード31は、一端部と他端部とを備えている。一端部は、矢印D2方向に位置する壁部31bに近い上面に配置された固定部としての固定具31aに固定される第1固定端30aである。第1固定端30aは、結び玉を備え、この上面に取り付けられた固定具31aに係止される。また、コード31の他端部は、矢印D1方向に位置する縦框12aの上端部に動滑車33を介して固定される第2固定端30bである。第2固定端30bは、縦框12aの上端部を閉塞するキャップ12に固定される。
【0032】
図4に示すように、移動体32は、縦框12a内において、上下方向(矢印D3方向および矢印D4方向)に移動可能に取り付けられる部材であって、本体部32aと、本体部32aが備える案内部としての案内片32bとを備える。案内片32bは、矢印D3方向および矢印D4方向に延びており、縦框12aの内面に対して突き当てられ線接触している。これにより、移動体32は、縦框12a内をがたつくことなく、円滑に上下方向に移動することができる。
【0033】
図5に示すように、本体部32aは、第1半体36aと第2半体36bとを備えている。第1半体36aと第2半体36bとの間には、動滑車33とダンパ34とが配置される。第1半体36aは、動滑車33の回転軸33aを軸支する軸孔36cを一側面に備えている。軸孔36cには、スリーブ36gが取り付けられ、回転軸33aは、スリーブ36gに挿通された状態でEリングなどの抜け止め部材36fにより抜け止めがされて配置される。また、第1半体36aは、上端部に、動滑車33に巻回されたコード31が導出される挿通孔36dを2つ備えている。さらに、第1半体36aは、下端部に、重錘35を取り付けるための取付部36eを備えている。取付部36eには、紐35aを介して重錘35が吊り下げられる。
【0034】
動滑車33は、コード31が下側から巻回され、コード31は、動滑車33を挟んだ両側の部分が挿通孔36dから導出される。動滑車33の他方の回転軸には、ダンパ34が接続され、第2半体36bには、ダンパ34を取り付ける取付孔37が設けられている。ダンパ34は、一例として、オイルダンパである。ダンパ34は、本体部34aと接続軸34bとを備え、接続軸34bが動滑車33に接続される。また、本体部34aには、側面に取付凸部34cを備えている。取付凸部34cは、取付孔37の内周面に形成された取付凹部37aに係合される。移動体32は、移動体32及び重錘35の重さによって落下距離が長くなるほど加速する。オイルダンパは、動滑車33の回転を減速して、パネル2aの移動速度を遅くし、パネル2が静かに停止するようにする。また、オイルダンパは、移動速度を一定にし、同じ速度でパネル2が移動できるようにする。なお、第1半体36aと第2半体36bとは、ビスなどの固定部材38により結合される。
【0035】
図3に示すように、動滑車33を備えた移動体32は、パネル2が全閉状態のとき、相対的に、縦框12aの下方の最下位置に位置し、矢印D1方向にパネル2が移動するに連れて順次矢印D3方向に上昇する。また、重錘35および移動体32の重さによって、移動体32は、矢印D4方向に下降し、下降するときに発生する駆動力をコード31でパネル2に伝達し、パネル2aを矢印D2方向に移動する。自閉機構4は、縦框12a内において、動滑車33にコード31を下側から巻回し、移動体32に重錘35を接続する構成、すなわち間接的にコード31と接続する構成としたことで、パネル2aの自閉機能が作用する移動範囲を広くしている。
【0036】
ストッパ5は、上部ランナ6aに対して、矢印D1方向側に連結されている。
図6に示すように、ストッパ5は、上部レール3内を移動するベース41と、ベース41に対して回転する回転ベース42と、回転ベース42に対して移動する移動ベース43と、移動ベース43を付勢する付勢部材44と、回転ベース42を回転状態から中立位置に戻す方向に付勢する回転付勢部材45と、カバー46とを備えている。回転ベース42と移動ベース43とは組み合わされることで、ベース41に対して回転する回転ユニットを構成する。
【0037】
ベース41は、回転ベース42が配置される部品配置部51と、上部ランナ6aと連結するための第2連結部52と、車輪53と、コード31を支持する支持部としての滑車54とを備えている。第2連結部52は、上部ランナ6aの側の端部に突出して設けられており、上部ランナ6aの第1連結部16aとねじなどの固定部材によって連結される。車輪53は、一例として、ボールベアリング付きの車輪であって、第2連結部52とは反対側の端部に配置され、ベース41が上部ランナ6aに連結されたときに、上部ランナ6aの車輪17と協働してベース41を支持する。
【0038】
部品配置部51は、回転ベース42が回転可能に配置される領域であって、平坦面に、軸部51aが配置されている。軸部51aには、中心部に軸孔としての中心孔51bが形成され、中心孔51bには、回転ベース42の回転中心軸56が挿通される。軸部51aには、一例としてねじりコイルばねで構成された回転付勢部材45が配置される。回転付勢部材45は、コイル部45aと、コイル部45aから延出した第1アーム部45bおよび第2アーム部45cとを備えている。軸部51aには、コイル部45aが嵌められる。部品配置部51は、突起部51cが配置されている。突起部51cの両側には、回転付勢部材45の第1アーム部45bおよび第2アーム部45cが配置される。突起部51cは、回転ベース42の回転に合わせて、第1アーム部45bおよび第2アーム部45cが選択的に係合される。
【0039】
図7に示すように、回転ベース42は、基台部55を備え、基台部55は、表面側と裏面側に突出した回転中心軸56を備えている。回転中心軸56の裏面側の端部は、中心孔51bに挿通され、部品配置部51において、回転中心軸56を中心に回転可能に取り付けられる。なお、回転中心軸56の表面側の端部は、ベース41に配置された回転ベース42および移動ベース43を覆うように配置されるカバー46に形成された支持孔46aに係合される(
図6参照)。回転ベース42は、表面の中央部に、一例としてコイルバネで構成された付勢部材44が配置される第1凹部47aが設けられている。第1凹部47aの両側には、一対の案内軸57が配置される。案内軸57は、各端部が片57aに支持されている。案内軸57は、移動ベース43の移動を案内する。さらに、基台部55の裏面には、駆動突起部58を備えている。駆動突起部58は、回転ベース42の回転に合わせて、第1アーム部45bおよび第2アーム部45cが選択的に係合される。そして、駆動突起部58は、突起部51cに対して回転方向に移動することで、突起部51cとの間隔を広げ、先端部が互いに近接する方向に付勢されている第1アーム部45bおよび第2アーム部45cを、互いに離間する方向に開く。また、基台部55には、移動ベース43が取り付けられる側とは反対側の端部に、押圧力を受ける受け部59を備えている。受け部59は、上部レール3の後壁22の内面に当接される。
【0040】
移動ベース43は、基台部61と、弾性部62と、案内部63とを備える。基台部61には、付勢部材44が配置される第2凹部47bを備えている。案内部63は、基台部61に設けられており、案内軸57が挿通される案内孔を備えている。案内部63は、一対の片57aの間に配置された後に、案内軸57が挿通される。これにより、移動ベース43は、案内軸57に案内されて直線的に移動可能となる。第1凹部47aおよび第2凹部47bには、付勢部材44が配置される。
【0041】
さらに、基台部61には、上部レール3の前壁21の内面に圧接される圧接部ともなる弾性部62が配置されている。弾性部62は、ゴムといった弾性体で構成されている。弾性部62は、円弧面と平坦面とで構成された半円形状を備え、円弧面が前壁21の内面に対する摺接面とされ、平坦面が基台部61に対する取付面とされる。基台部61には、取付突起が突設されており、取付面に穿設された取付孔に係合され、さらに接着剤などの固定手段で固定される。弾性部62は、受け部59に対して高摩擦部である。なお、上部レール3の前壁21の内面は、弾性部62が接触する第1側面であり、第1接触面である(
図8参照)。弾性部62の位置と受け部59とは、回転ベース42の回転中心軸56を挟んだ対極に位置する。弾性部62は、常時、付勢部材44の付勢力によって、前壁21の内面に圧接されており、受け部59は、常時、後壁22の内面に当接されることにより、付勢部材44の付勢力に伴う反力を受ける。なお、上部レール3の後壁22の内面は、受け部59が接触する第2側面であり、第2接触面である(
図8参照)。そして、弾性部62は第1円弧面を備え、受け部59は第2円弧面を備え、共に、前壁21の内面および後壁22の内面と当接する面が円弧面で構成され、内面に対して摺動し易い形状を有している。ただし、受け部59の第2円弧面の方が第1円弧面より半径の大きい緩やかな円弧面で構成されている。また、受け部59の第2円弧面の方が第1円弧面より滑らかな低摩擦面で構成されている。このように、受け部59は、後壁22の内面に対して滑りやすく構成されている。
【0042】
間仕切り1は、自閉機構4が備えられているため、パネル2を全開状態に維持するロック機構を備えている(
図6参照)。具体的に、ロック機構は、ベース41に設けられるロック部64と、ロック部64が係合されるロック受け部65とを備えている。ロック部64は、ベース41の車輪53側の端部に突設されている。ロック受け部65は、パネル2aに対応する上部レール3aにおける矢印D1方向に位置する壁部66に近い位置に設けられており、互いに近接離間する方向に変位する一対の弾性片65aによってロック部64を挟持する。これにより、自動的に矢印D2方向に移動しようとするパネル2を全開状態に維持することができる。
【0043】
カバー46は、ベース41上に、ベース41に配置された回転ベース42および移動ベース43を覆うように配置される。カバー46の表面には、長手方向に沿って、コード31を案内する案内部としての案内溝67を備えている。カバー46は、ベース41に対してねじなどの固定部材68によって固定される。さらに、ベース41には、パネル2の縦框12aの方向に延びるコード31が係合される滑車54が配置される。滑車54は、車輪53の近くで、縦框12aの方向に延びるコード31が係合されて、重錘35の荷重を受ける支持部である。滑車54の軸54aは、ベース41の軸受54bに回転可能に支持される。
【0044】
滑車54は、ベース41ではなく、縦框12aに設けることも可能である。この場合、ストッパ5の構成の簡素化を図ることができる。ところで、支軸18は、上部ランナ6にパネル2を吊り下げる部材であり、支軸18に対して軸保持部材18aの位置を上下に移動させることで、パネル2の上下位置が調整される(
図2および
図3参照)。したがって、縦框12aに滑車54を設けたときには、パネル2の上下位置が調整されると、パネル2の上下位置の変動に合わせて、滑車54の位置も上下に変動することになる。
【0045】
次に、以上のように構成された間仕切りの作用について説明する。
手前のパネル2aを移動させて空間を仕切っている全閉状態から全開状態にするには、先ず、全閉状態において、最も矢印D2方向に位置するパネル2aの引手14に手をかけて、パネル2aを開方向である矢印D1方向に移動する(
図1参照)。すると、先ずパネル2aが同方向に移動し、パネル2aとパネル2bとが重なり(
図11参照)、次いで、パネル2aの押圧突部9がパネル2bを押してパネル2bが同方向に移動する。全開状態のときには、パネル2aがパネル2bの矢印D1方向の縦框12b分矢印D2方向にずれた状態で重なる。
図8に示すように、このとき、上部ランナ6aと共にストッパ5も同方向に上部レール3a内を移動する。移動ベース43の弾性部62が付勢部材44の付勢力によって上部レール3aの前壁21の内面に圧接されていることで、回転ベース42は、回転付勢部材45の付勢力に抗してストッパ5の矢印D1方向への移動に従って回転中心軸56を中心に第1回転方向である矢印D5方向に回転する。そして、弾性部62は、前壁21の内面に対して摺接しながら移動する。なお、
図11はパネル2aとパネル2cとが重なった全開状態と全閉状態の中間状態を示している。
【0046】
自閉機構4の移動体32は、パネル2aが全閉状態にあるとき、縦框12a内において重錘35および移動体32が最下位置にあり、パネル2aが矢印D1方向に移動されることで、重錘35および移動体32の重さに抗して順次、重錘35および移動体32が矢印D3方向に上昇する。全開状態に移動するとき、パネル2aおよびパネル2bがパネル2cと重なる位置まで矢印D1方向に移動される。そして、全開状態のとき、移動体32は、縦框12a内において最上位置となる。パネル2aは、全開状態にまで移動されると、ロック受け部65にロック部64が係合することで、全開状態が維持される。すなわち、ロック機構によって、パネル2aは、自閉機構4を備えているが、自動的に閉方向である矢印D2方向に移動してしまうことが抑制される。
【0047】
パネルを全開状態から全閉状態とするときは、ロック部64によるロックを解除してから、ストッパ5のロックを解除する。具体的には、パネル2aの引手14に手をかけて閉方向である矢印D2方向にパネル2aを操作し、ロック受け部65からロック部64を外す。すると、重錘35および移動体32の重さによってパネル2aが矢印D2方向に移動を開始する。
【0048】
なお、別の方法として、パネル2aを矢印D2方向に移動させるには、パネル2cをわずかに矢印D2方向に移動させることで、パネル2cとパネルガイド7で接続されたパネル2bがパネル2aの押圧突部9を押してパネル2aの同方向への移動を開始させることができる。これにより、ロック受け部65からロック部64を外すことができ、この後、自閉機構4によりパネル2aを矢印D2方向に移動することができる。
【0049】
すると、移動ベース43の弾性部62が上部レール3aの前壁21の内面に圧接されていることで、回転ベース42は、回転付勢部材45の付勢力とも相まって、ストッパ5の矢印D2方向への移動に合わせて第2回転方向である矢印D6方向に回転しようとする。しかし、矢印D5方向に回転している回転ベース42の弾性部62は、付勢部材44の付勢力により前壁21の内面に圧接されているため、自閉機構4の重錘35および移動体32の重さに基づく駆動力だけでは、回転ベース42を矢印D6方向に回転しない。したがって、パネル2aは、自閉機構4によって矢印D2方向に移動しようとしても、ストッパ5によって同方向の移動が阻止され停止状態となる。これにより、パネル2aのほぼ全開状態が維持される。この間に、利用者は、荷物の移動などを行うことができる。
【0050】
パネル2aの矢印D2方向の移動を再開するには、引手14に手をかけてパネル2aを、再度同方向に移動する操作を行う。すると、ストッパ5の矢印D2方向への移動に従って、回転ベース42は、前壁21によって弾性部62が押圧され付勢部材44が収縮され、回転中心軸56を中心に矢印D6方向に回転される(
図10参照)。これにより、ストッパ5によるロックが解除される。
図8から
図10の状態に遷移する過程では、移動ベース43が前壁21の内面に対してほぼ垂直の中立状態となる(
図9参照)。このとき、弾性部62が前壁21の内面を圧接する圧接力が最大となる。弾性部62と回転中心軸56を挟んで対極にある円弧突部としての受け部59は、後壁22の内面に当接し、付勢部材44の反力を受け、回転中心軸56に対する負荷を軽減する。これにより、回転中心軸56を曲げる方向の外力が加わっても、当該外力により回転中心軸56が曲がることを抑制できる。
【0051】
そして、弾性部62は、回転ベース42が矢印D6方向に回転した状態で前壁21の内面に対して摺接しながら、パネル2aが全閉状態となるまで移動する(
図10参照)。自閉機構4の移動体32は、重錘35および移動体32がその重さによって、縦框12a内において最下位置まで矢印D4方向に下降する。すなわち、パネル2aは、パネル2cと重なった状態からパネル2bとともに矢印D2方向に移動する。その後、パネル2aだけが全閉状態となるまで同方向に移動する(
図1参照)。
【0052】
別の方法として、パネル2aの矢印D2方向の移動を再開する操作を行う場合、奥側のパネル2cを大きく矢印D2方向に移動させることで、パネル2cとパネルガイド7で接続されたパネル2bがパネル2aの押圧突部9を押してパネル2aの同方向への移動を開始させることができる。この場合、回転ベース42は、前壁21によって弾性部62が押圧され付勢部材44が収縮され、回転中心軸56を中心に矢印D6方向に回転される(
図10参照)。これにより、ストッパ5のロックが解除されてパネル2aが全閉状態となるまで同方向に移動する。
【0053】
なお、全てのパネルを全開状態にするのではなく、その途中の途中状態まで開けた場合(例えば
図11のようにパネル2aだけを開けた状態やパネル2aだけを途中まで開けた場合)、次のようになる。すなわち、自閉機構4の移動体32は、途中まで矢印D3方向に上昇し、このとき、ストッパ5の回転ベース42は、回転中心軸56を中心に矢印D5方向に回転し、弾性部62は、前壁21の内面に対して摺接しながら移動する(
図8参照)。そして、引手14から手を離すと、パネル2aは、重錘35および移動体32の重さによって、移動体32が矢印D4方向に下降することを開始する。この際、弾性部62は、付勢部材44の付勢力により前壁21の内面に圧接されているため、自閉機構4の重錘35および移動体32の重さに基づく駆動力だけでは、回転ベース42を矢印D6方向に回転しない。したがって、パネル2aは、自閉機構4によって矢印D2方向に移動しようとしても、ストッパ5によって同方向の移動が阻止され停止状態となる。そして、パネル2aの矢印D2方向の移動を再開するには、再度同方向にパネル2aを移動する操作を行う。
【0054】
さらに、一気に全開状態から全閉状態にする場合、パネル2aやパネル2cを一気に矢印D2方向に移動させることで、ロック部64によるロック解除とストッパ5のロックをほぼ同時に解除することができ、その後、パネル2aを同方向に移動させることができる。
【0055】
上記第1実施の形態によれば、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(1-1)ストッパ5は、閉方向である矢印D2方向にパネル2aが移動を開始したとき、パネル2aの同方向の移動を停止させることができる。この間に、利用者は、荷物の移動などを行うことができる。
【0056】
(1-2)パネル2aの閉方向である矢印D2方向への移動を再開させるには、引手14に手をかけてパネル2aを、再度同方向にパネル2aに押すだけでよく、操作を簡易なものとすることができる。
【0057】
(1-3)弾性部62と回転中心軸56を挟んで対極にある円弧突部としての受け部59は、後壁22の内面に当接し、弾性部62が前壁21の内面に圧接された際の反力を受け、回転中心軸56に対する負荷を軽減することができる。特に、閉方向(矢印D2方向)への移動が停止されているとき、弾性部62が前壁21の内面を圧接する圧接力が最大となるが、この際にも、反力を受け部59で受けることから、回転中心軸56に対する負荷を軽減することができる。
【0058】
(1-4)移動ベース43は、回転ベース42に対して付勢部材44によって弾性部62の圧接方向に付勢されている。したがって、弾性部62と前壁21の内面との摩擦力を高めることができ、矢印D2方向へ移動するパネル2aを確実に停止させることができる。
【0059】
(1-5)回転ベース42は、回転付勢部材45により、回転ベース42が中立状態に位置するように付勢されている。したがって、回転ベース42の回転を確実に制御することができる。
【0060】
(1-6)受け部59の第2円弧面の方が弾性部62の第1円弧面より半径の大きい緩やかな円弧面で構成されている。また、受け部59の第2円弧面の方が第1円弧面より滑らかな低摩擦面で構成されている。したがって、受け部59は、後壁22の内面に対して滑りやすくなる。すなわち、受け部59が常時後壁22の内面と接触することに伴うパネル2aの移動抵抗を極力小さくすることができる。
【0061】
(1-7)ストッパ5は、弾性部62が前壁21の内面に接触し受け部59が後壁22に接触する構成とすることで、上部レール3の上下方向の寸法を短くし小型化することができる。
【0062】
(1-8)自閉機構4の主たる部品を、矢印D1方向の縦框12a内に設けることができる。したがって、自閉機構4を外観上目立たないものとすることができる。
(1-9)ストッパ5は、上部ランナ6aに対して矢印D1方向に位置しており、コード31を介して重錘35を確実に支持することができる。
【0063】
(1-10)重錘35の荷重は、滑車54でも支持することができる。
(1-11)ストッパ5は、カバー46上に延在するコード31を案内溝67で案内することができる。
【0064】
なお、上記第1実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・ストッパ5において、弾性部62が上壁23および支持片25の何れか一方に圧接されるようにし、受け部59が何れか他方に当接されるようにしてもよい。このような構成によっても、同様な効果を得ることができる。
【0065】
・自閉機構4において、重錘35は、縦框12a内に配設されていなくてもよい。この場合、縦框12aの外側に配置して、化粧板などで覆うようにし、重錘35が目立たない構成とすればよい。
【0066】
・自閉機構4の構成は、動滑車33や移動体32を備えていなくてもよい。すなわち、コード31に重錘35が直接的に取り付けられているだけの構成でもよい。これにより、移動範囲は狭くなることを許容できる用途の間仕切りであれば、自閉機構4の構成の簡素化を実現することができる。また、自閉機構4は、
図2~
図5に示したような構成に限定されるものではない。
【0067】
・ストッパ5は、上部ランナ6aに対して矢印D1方向に連結されていなくてもよい。すなわち、上部ランナ6aに対して矢印D2方向側にストッパ5が配置されていてもよい。
【0068】
・弾性部62と受け部59の円弧面の半径は同じであってもよいし、弾性部62の方が緩やかな円弧面であってもよい。弾性部62より受け部59の方が低摩擦であればよい。
・弾性部62が支持片25に圧接されるようにし、受け部59が上壁23の内面に当接されるようにした場合、回転付勢部材45は省略してもよい。この場合、弾性部62は、重錘を配置し、自重で鉛直方向に垂下される構成とすればよい。
【0069】
・ストッパ5は、パネル2aにおいて上部ランナ6bに連結されていてもよい。また、パネル2bやパネル2cの上部ランナ6aや上部ランナ6bに連結されていてもよい。
・回転ユニットを構成する移動ベース43は、省略してもよい。この場合、ストッパ5における構成の簡素化を図ることができる。この場合、回転ベース42に弾性部62と受け部59とを対極の位置に設ける。そして、弾性部62は、移動ベース43の回転ベース42に対する移動分に相当するだけ弾性収縮するように構成される。
【0070】
・ストッパ5は、上部ランナ6aに直接接続されていなくてもよい。一例として、ストッパ5と上部ランナ6aとの間に中間部材を介在させてもよい。また、ストッパ5は、横框13aに設けられた別部材によって支持され、上部レール3内に配置されるようにしてもよい。
【0071】
〔第2実施形態〕
図12に示すように、第2実施形態のストッパ70は、上部ランナ6aに対して、閉方向である矢印D2方向側に連結されている。ストッパ70は、第1ベース部72および第2ベース部73で構成されるケース71と、第1ベース部72に回動可能に支持される第1接触部材74と、第2ベース部73に回動可能に支持される第2接触部材75と、第1接触部材74および第2接触部材75の回動を制御する制御部材76とを備えている。
【0072】
図13に示すように、第1ベース部72および第2ベース部73は、共に、矩形形状を有した板体である。第1ベース部72は、上部レール3aの支持片25に対して上側、すなわち上部レール3a内に配置され、第2ベース部73は、支持片25に対して下側、すなわち上部レール3a外に配置される。そして、第1ベース部72と第2ベース部73との間には、上部レール3aの支持片25が挿入されるスリット77が構成されている。第1ベース部72の長手方向の中程には、第1接触部材74を回動可能に支持する第1支持部72aを備え、第2ベース部73の長手方向の中程には、第2接触部材75を回動可能に支持する第2支持部73aを備えている。
【0073】
第1接触部材74は、長手方向の中程に第1支持部72aに軸支される第1回動軸74aを備えている。そして、第1回動軸74aに対する長手方向の一端部には、支持片25を押圧する第1押圧部74bを備えている。第1押圧部74bは、支持片25との接触面がゴム材などの第1高摩擦部材74fで覆われている。また、第1回動軸74aに対する長手方向の他端部には、制御部材76が係合される第1係合片74cを備えている。第1係合片74cは、パネル2aを矢印D1方向に移動する際に、制御部材76の制御突起76aが係合する部分である。また、第1回動軸74aに対して長手方向の一端部側であって第1押圧部74bの付け根部には、制御部材76が係合される第1係合突起74dを備えている。第1係合突起74dは、パネル2aを閉方向である矢印D2方向に移動する際に、制御部材76の制御突起76aが係合する部分である。第1係合片74cと第1係合突起74dとは、互いに向き合う面が窪む凹部形状を有しており、制御部材76の制御突起76aの受け形状を有している。また、第1回動軸74aに対して長手方向の他端部側であって第1係合突起74dの付け根部には、第1突出部74eを備えている。
【0074】
第2接触部材75は、第1接触部材74と対となる部材であり、長手方向の中程に第2支持部73aに軸支される第2回動軸75aを備えている。そして、第2回動軸75aに対して長手方向の一端部には、支持片25を押圧する第2押圧部75bを備えている。第2押圧部75bは、支持片25との接触面が第2高摩擦部材75fで覆われている。また、第2回動軸75aに対する長手方向の他端部には、制御部材76が係合される第2係合片75cを備えている。第2係合片75cは、パネル2aを矢印D1方向に移動する際に、制御部材76の制御突起76aが係合する部分である。また、第2回動軸75aに対する長手方向の一端部側であって第2押圧部75bの付け根部には、制御部材76が係合される第2係合突起75dを備えている。第2係合突起75dは、パネル2aを閉方向である矢印D2方向に移動する際に、制御部材76の制御突起76aが係合する部分である。
【0075】
すなわち、第2押圧部75bは、第1押圧部74bと対となる部分であり、第2係合片75cは、第1係合片74cと対となる部分であり、第2係合突起75dは、第1係合突起74dと対となる部分である。また、第2突出部75eは、第1突出部74eと対となる部分である。第1押圧部74bおよび第2押圧部75bとの間には、支持片25が介在する。第1突出部74eおよび第2突出部75eは、制御突起76aが円滑に乗り越えることができるようになだらかな山状曲面で構成されている。
【0076】
制御部材76は、棒状部材であって、一端部は、上部ランナ6aに連結される第2連結部76bである。具体的に、第2連結部76bは、ねじなどの固定部材76cにより上部ランナ6aの第1連結部16aと連結される。また、制御部材76の他端部は、第1係合片74cおよび第2係合片75cと第1係合突起74dおよび第2係合突起75dとの間を移動する制御突起76aを備えている。また、制御突起76aは、第1係合片74cおよび第2係合片75cと第1係合突起74dおよび第2係合突起75dとの間を移動するとき、その途中で第1突出部74eおよび第2突出部75eを互いに離間する方向に押圧する。制御突起76aは、第1突出部74eおよび第2突出部75eに沿って円滑に移動できるように、一例として円柱形状を有している。
【0077】
さらに、第1ベース部72は、上部ランナ6aとは反対側の端部において、第1固定片78aと、第1固定片78aに対して対向し第1ベース部72に回動可能に支持された第1押圧片78bと、第1固定片78aに対して第1押圧片78bを前壁21の方向に付勢する第1付勢部材78cとを備えている。また、第2ベース部73も、上部ランナ6aとは反対側の端部において、第2固定片79aと、第2固定片79aに対して対向し第2ベース部73に回動可能に支持された第2押圧片79bと、第2固定片79aに対して第2押圧片79bを後壁22の方向に付勢する第2付勢部材79cとを備えている。第1押圧片78bと第2押圧片79bとは、レール開口部の両側に位置する支持片25の間に位置し、支持片25の端部を押圧する。これにより、制御部材76が上部ランナ6aの移動に連動して移動できるようにする。
【0078】
なお、ストッパ70は、第1実施形態のストッパ5のように、ロック部64を備えておらず、ロック部64は、パネル2aの矢印D1方向の縦框12aの上端部などに配置されている。
【0079】
次に、以上のように構成された間仕切りの作用について説明する。
パネル2が空間を仕切っている全閉状態から全開状態にするには、先ず、パネル2aを開方向である矢印D1方向に移動する。すると、
図12に示すように、上部ランナ6aと共にストッパ70も同方向に上部レール3a内を移動する。パネル2aを矢印D1方向に移動する際に、制御部材76の動きは上部ランナ6aの動きに連動する。そして、
図14に示すように、制御突起76aは、第1係合片74cおよび第2係合片75cに係合する。制御突起76aは、第1係合片74cおよび第2係合片75cに係合し同方向に押圧することで、第1接触部材74および第2接触部材75を第1回動軸74aおよび第2回動軸75aを中心に矢印D7方向に回動させる。そして、第1押圧部74bおよび第2押圧部75bとを互いに離間させ、支持片25を解放する(解放位置)。これにより、上部ランナ6aは、上部レール3a内を矢印D1方向に移動することができる。なお、パネル2aを全開状態となったとき、移動体32は、縦框12a内において最上位置となる。
【0080】
パネルを全開状態から全閉状態とするときは、一例として全閉状態にロックするロック機構のロックが解除されると、自閉機構4の作用により閉方向である矢印D2方向にパネル2aが移動を開始する。一例として、パネル2aが備えたロック部64を壁部66側のロック受け部65から外す。これを契機に、重錘35および移動体32の重さによってパネル2aが矢印D2方向に移動を開始する。すると、
図15に示すように、上部ランナ6aも同方向に移動し、制御部材76を同方向に移動させる。第1押圧片78bおよび第2押圧片79bが支持片25の端部に押圧されていることで、制御部材76は、上部ランナ6aに押されるようにして移動することができる。そして、制御突起76aは、第1突出部74eおよび第2突出部75eとの間に位置し、第1突出部74eおよび第2突出部75eを互いに離間する方向に押圧する。これにより、第1接触部材74および第2接触部材75は、第1回動軸74aおよび第2回動軸75aを中心に矢印D8方向に回動して、第1押圧部74bと第2押圧部75bとで支持片25を挟み込む(停止位置、
図16参照)。これにより、パネル2aのほぼ全開状態が維持されることで、この間に、利用者は、荷物の移動などを行うことができる。
【0081】
パネル2aの矢印D2方向の移動を再開するには、再度同方向にパネル2aに移動する操作を行う。そして、これを契機に、重錘35および移動体32の重さによってパネル2aが矢印D2方向に移動を再開する。すると、制御突起76aは、第1係合突起74dおよび第2係合突起75dに係合し押圧する。これにより、
図18に示すように、第1接触部材74および第2接触部材75を第1回動軸74aおよび第2回動軸75aを中心に矢印D7方向に回動させる。そして、第1押圧部74bおよび第2押圧部75bとを互いに離間させ、支持片25を解放する(解放位置、
図17参照)。これにより、上部ランナ6aは、上部レール3a内を矢印D2方向に移動することができる。なお、パネル2aが全閉状態となったとき、移動体32は、縦框12a内において最下位置となる。
【0082】
なお、パネル2aを全開状態ではなく、その途中の途中状態まで開けたとき、移動体32は、途中まで矢印D3方向に上昇し、制御突起76aは、第1係合片74cおよび第2係合片75cに係合する。これにより、第1接触部材74および第2接触部材75は、第1押圧部74bおよび第2押圧部75bが互いに離間した状態となり、支持片25を解放する(解放位置)。そして、パネル2aから手を離すと、パネル2aは、重錘35および移動体32の重さによって、移動体32が矢印D4方向に下降することを開始し、矢印D2方向への移動を開始する。第1接触部材74および第2接触部材75が解放位置にあるとき、第1突出部74eの頂点および第2突出部75eの頂点の間隔は、制御突起76aの直径より狭い状態にある。そして、制御突起76aは、第1突出部74eおよび第2突出部75eとの間に移動すると、第1突出部74eおよび第2突出部75eの間隔が制御突起76aの直径と一致するまで第1突出部74eおよび第2突出部75eを互いに離間する方向に押圧する。これにより、第1接触部材74および第2接触部材75は、回動し、第1押圧部74bと第2押圧部75bとで支持片25を挟み込む(停止位置)。これにより、パネル2aの移動が停止される。パネル2aの矢印D2方向の移動を再開するには、再度同方向にパネル2aを移動するように操作する。すると、制御突起76aは、第1係合突起74dおよび第2係合突起75dに係合し、第1接触部材74および第2接触部材75を回動させる。これにより、第1押圧部74bおよび第2押圧部75bとが互いに離間され、支持片25が解放される(解放位置)。そして、パネル2aは、自閉機構4により矢印D2方向に移動される。
【0083】
上記第2実施の形態によれば、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(2-1)ストッパ70は、閉方向である矢印D2方向にパネル2aが移動を開始したとき、パネル2aの同方向の移動を停止させることができる。
【0084】
(2-2)パネル2aの矢印D2方向への移動を再開させるには、パネル2aを、再度同方向にパネル2aに押すだけでよい。
(2-3)制御部材76を上部ランナ6aの移動に連動させて、第1接触部材74および第2接触部材75を回動させて、開放位置から停止位置に移動させることによって、閉方向(矢印D2方向)に移動するパネル2aを停止させることができる。
【0085】
なお、上記第2実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・第1押圧部74bおよび第2押圧部75bは、矢印D1方向および矢印D2方向に移動しているときに、支持片25に対して移動の妨げとならない範囲で軽く接触していてもよい。
【0086】
・第1接触部材74および第2接触部材75の何れか一方を回動片とし、他方を固定片としてもよい。このような場合にも、可動片が固定片と協働して挟み込むことで、上部ランナ6aの移動を停止することができる。
【0087】
・上部ランナ6aと制御部材76とは直接連結されていなくてもよく、例えば上部ランナ6aと制御部材76との間の長さ調整のため中間部材が介在していてもよい。
・ストッパ70は、上部ランナ6a以外のランナに連結されていてもよい。例えば、パネル2a以外のパネル2の上部ランナに連結されていてもよい。
【0088】
・ストッパ70は、上部ランナ6aに直接接続されていなくてもよい。一例として、ストッパ70と上部ランナ6aとの間に中間部材を介在させてもよい。また、ストッパ70は、横框13aに設けられた別部材によって支持され、上部レール3内に配置された制御部材76によって、第1接触部材74および第2接触部材75を解放位置と停止位置に変位させる制御を行うようにしてもよい。
【0089】
なお、上記第1実施形態および第2実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・引手14は、全てのパネル2の縦框12a,12bの両面に配置してもよい。また、手前に位置するパネル2aについては、
図1(a)のように、手前の面の縦框12bに配置し、奥側に位置するパネル2cについては、奥側の面の縦框12aに配置するようにしてもよい。
【0090】
・パネル2a~2cは、下ランナを横框13bに設け、床面に設けた下部レールでの案内するようにしてもよい。これにより、安定してパネル2a~2cを移動させることができる。
【0091】
・間仕切りとしては、引戸だけでなく、折引戸、アコーディオンカーテン、パネルスクリーンなどの間仕切りにも適用可能である。開閉操作は、引手14以外の手段で行うことができるようにしてもよい。一例として、パネルスクリーンの場合、スクリーンの上端部に連結されたバトンなどの操作棒で行うようにしてもよい。
【0092】
・パネル2の枚数は3枚に限定されるものではなく、1枚や2枚であってもよいし、4枚以上であってもよい。
【符号の説明】
【0093】
1…間仕切り、2,2a~2c…パネル、3,3a~3c…上部レール、4…自閉機構、5…ストッパ、6,6a,6b…上部ランナ、7…パネルガイド、8…床付けマグネット、9…押圧突部、11…パネル部、11a…グレチャン、12…キャップ、12a,12b…縦框、13a,13b…横框、14…引手、16…ランナ本体、16a…第1連結部、17…車輪、18…支軸、18a…軸保持部材、19…クッション、19a…クッション部、19b…弾性片、21…前壁、22…後壁、23…上壁、24…レール開口部、25…支持片、30a…第1固定端、30b…第2固定端、31…コード、31a…固定具、31b…壁部、32…移動体、32a…本体部、32b…案内片、33…動滑車、33a…回転軸、34…ダンパ、34a…本体部、34b…接続軸、34c…取付凸部、35…重錘、35a…紐、36a…第1半体、36b…第2半体、36c…軸孔、36d…挿通孔、36e…取付部、36f…抜け止め部材、36g…スリーブ、37…取付孔、37a…取付凹部、38…固定部材、41…ベース、42…回転ベース、43…移動ベース、44…付勢部材、45…回転付勢部材、45a…コイル部、45b…第1アーム部、45c…第2アーム部、46…カバー、46a…支持孔、47a…第1凹部、47b…第2凹部、51…部品配置部、51a…軸部、51b…中心孔、51c…突起部、52…第2連結部、53…車輪、54…滑車、54a…軸、54b…軸受、55…基台部、56…回転中心軸、57…案内軸、57a…片、58…駆動突起部、59…受け部、61…基台部、62…弾性部、63…案内部、64…ロック部、65…ロック受け部、65a…弾性片、66…壁部、67…案内溝、68…固定部材、70…ストッパ、71…ケース、72…第1ベース部、72a…第1支持部、73…第2ベース部、73a…第2支持部、74…第1接触部材、74a…第1回動軸、74b…第1押圧部、74c…第1係合片、74d…第1係合突起、74e…第1突出部、74f…第1高摩擦部材、75…第2接触部材、75a…第2回動軸、75b…第2押圧部、75c…第2係合片、75d…第2係合突起、75e…第2突出部、75f…第2高摩擦部材、76…制御部材、76a…制御突起、76b…第2連結部、76c…固定部材、77…スリット、78a…第1固定片、78b…第1押圧片、78c…第1付勢部材、79a…第2固定片、79b…第2押圧片、79c…第2付勢部材。