(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】電動弁、熱管理ユニットおよび空調システム
(51)【国際特許分類】
F16K 31/04 20060101AFI20230502BHJP
F16K 51/00 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
F16K31/04 A
F16K51/00 Z
(21)【出願番号】P 2021514542
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(86)【国際出願番号】 CN2019121183
(87)【国際公開番号】W WO2020108514
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-03-16
(31)【優先権主張番号】201811435988.9
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811433437.9
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517149748
【氏名又は名称】浙江三花智能控制股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Sanhua Intelligent Controls CO., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄全▲豊▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼露露
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼▲栄▼▲栄▼
(72)【発明者】
【氏名】▲査▼▲達▼朝
(72)【発明者】
【氏名】▲陸▼穎▲チュウ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼薇
【審査官】岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/205746(WO,A1)
【文献】特開平02-199382(JP,A)
【文献】特開2009-146962(JP,A)
【文献】特開2016-037902(JP,A)
【文献】実開平04-066470(JP,U)
【文献】特開平08-004933(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0234057(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/00 - 31/05
F16K 31/06
F25B 41/34 - 41/35
H05K 5/00 - 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁体と、回路基板と、センサとを備え、
前記弁体内に通路を有し、
前記センサは、電気接続および信号接続の少なくとも1つの方式により前記回路基板に接続され、前記通路内の作動媒体の圧力および温度の少なくとも1つを検出するように構成され、
前記弁体および前記センサのハウジングは金属部分を備え、
前記回路基板の基準グラウンドが前記金属部分に間接的に電気接続されて
おり、
伝導部材を更に備え、
前記伝導部材と前記弁体が導電でき、少なくとも一部の前記伝導部材が前記回路基板と前記弁体との間に設けられ、少なくとも一部の前記伝導部材が前記回路基板の基準グラウンドに電気接続され、少なくとも一部の前記伝導部材が前記弁体に接触して設けられ、前記回路基板の基準グラウンドは、前記伝導部材により、前記弁体との間に電気伝導を形成し、
前記伝導部材は、支持部および導電部を備え、前記支持部の一端が前記弁体に接触して設けられて固定接続されている、または、前記支持部の一端が前記弁体内に位置規制されて設けられ、且つ前記弁体に接触して設けられ、
前記導電部は、一端が前記支持部の他端に接触して設けられ、他端が前記回路基板に接触して設けられ、且つ、前記導電部が前記回路基板の基準グラウンドに電気接続され、
前記支持部、前記導電部および前記弁体の材料はいずれも導電金属材料であり、前記回路基板の基準グラウンドは、前記支持部および前記導電部により、前記弁体との間に電気伝導を形成する、
電動弁。
【請求項2】
前記センサは、第1電磁両立調整ユニットおよびセンサグラウンドを備え、前記センサグラウンドが前記第1電磁両立調整ユニットにより前記センサのハウジングの金属部分に電気接続され、
前記回路基板の基準グラウンドが前記センサのセンサグラウンドに電気接続されている、
請求項1に記載の電動弁。
【請求項3】
前記回路基板は、第2電磁両立調整ユニットを更に備え、
前記第2電磁両立調整ユニットは、第1端が前記基準グラウンドに電気接続され、第2端が前記センサのハウジングの金属部分に電気接続され、または、
前記センサのハウジングが前記弁体に固定接続され、前記第2電磁両立調整ユニットは、第1端が前記基準グラウンドに電気接続され、第2端が前記弁体の金属部分に電気接続されている、
請求項1または2に記載の電動弁。
【請求項4】
前記センサは、前記センサの一端に挿入して接続された第1ピンを更に備え、前記第1ピンは、一端が前記センサのハウジングの金属部分に電気接続され、他端が前記回路基板の基準グラウンドに電気接続されている、
請求項1に記載の電動弁。
【請求項5】
前記弁体に接続されたモータを更に備え、
前記モータはコイルを備え、
前記回路基板は、電源回路を更に備え、前記コイルに給電し、前記電源回路は、正極が前記コイルの第1端に電気接続され、負極が前記コイルの第2端に電気接続され、
前記電源回路は、第3電磁両立調整ユニットを備え、前記第3電磁両立調整ユニットが前記コイルに並列に接続されている、
請求項1に記載の電動弁。
【請求項6】
前記伝導部材の下部が前記弁体に固定接続され、前記伝導部材の材料および前記弁体の材料はいずれも導電金属材料であり、
前記回路基板は、第1面および第2面を備え、前記第1面が前記弁体に背向し、前記第2面が前記弁体に向かい、
前記回路基板は、当接部を更に備え、前記当接部が前記第2面に設けられ、前記回路基板の基準グラウンドに電気接続され、前記伝導部材の上部の上面が前記当接部に接触して設けられ、且つ、前記当接部に電気接続されている、
請求項
1に記載の電動弁。
【請求項7】
前記伝導部材の材料および前記弁体の材料はいずれも導電金属材料であり、
前記回路基板は、第1面および第2面を備え、前記第1面が前記弁体に背向し、前記第2面が前記弁体に向かい、
前記伝導部材は、一端が前記弁体に接触して設けられ、他端が前記第2面に固定接続されている、または、前記伝導部材は、前記回路基板の第2面および第1面を順に貫通して前記回路基板に固定接続されている、
請求項
1に記載の電動弁。
【請求項8】
前記回路基板は、第1面および第2面を備え、前記第1面が前記弁体に背向し、前記第2面が前記弁体に向かい、
前記導電部は、一端が前記支持部の他端に当接され、他端が前記回路基板の前記第2面に固定接続され、且つ、前記回路基板の基準グラウンドに電気接続されている、
請求項
1に記載の電動弁。
【請求項9】
前記回路基板は、第1面および第2面を備え、前記第1面が前記弁体に背向し、前記第2面が前記弁体に向かい、
前記回路基板は、当接部を更に備え、前記当接部が前記回路基板の前記第2面の基準グラウンドに設けられ、
前記導電部の一端が前記支持部の他端に固定接続されている、または前記支持部により位置規制されて設けられ、
前記導電部の他端が前記回路基板の前記当接部に当接され、且つ、前記当接部により前記回路基板の基準グラウンドに電気接続されている、
請求項
1に記載の電動弁。
【請求項10】
前記導電部は弾性要素であり、前記支持部は非弾性要素であり、前記弾性要素が前記回路基板の基準グラウンドに電気接続され、前記弾性要素における前記回路基板と前記支持部との間の長さは、前記弾性要素の自然状態での長さよりも小さい、
請求項
8または
9に記載の電動弁。
【請求項11】
前記回路基板と前記弁体との間に設けられた前記少なくとも一部の伝導部材の一部は弾性パーツであり、前記弾性パーツにおける前記回路基板と前記弁体との間の長さは、前記弾性パーツの自然状態での長さよりも小さい、
請求項
7に記載の電動弁。
【請求項12】
前記支持部は弾性要素であり、前記導電部は非弾性要素であり、前記導電部が少なくとも一部の支持部の外周に嵌設され、
前記導電部は、第1収容部を備え、前記第1収容部内に第1収容キャビティを有し、少なくとも一部の前記支持部が前記第1収容キャビティ内に設けられ、
前記弁体は、第2収容部を備え、前記第2収容部内に第2収容キャビティを有し、少なくとも一部の前記支持部が前記第2収容キャビティ内に設けられ、
前記支持部の端面が前記導電部の前記第1収容部の内壁の頂面に接触して設けられ、前記支持部の他端面が前記第2収容部の底面に接触して設けられている、
請求項
8または
9に記載の電動弁。
【請求項13】
電動弁と熱交換器とを備え、前記電動弁と前記熱交換器とが固定接続され、前記電動弁は、請求項1~
12のいずれか1項に記載の電動弁である、
熱管理ユニット。
【請求項14】
蒸発器と、請求項1~
12のいずれか1項に記載の電動弁とを備え、
前記電動弁は、前記蒸発器の出口に設けられ、前記蒸発器の出口の作動媒体の流量を制御するように構成される、
空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2018年11月28日に中国専利局に出願された出願番号がそれぞれ201811435988.9および201811433437.9である2つの中国特許出願に対して、優先権の利益を主張するものであり、2つの出願の全ての内容を引用により本発明に援用する。
【0002】
本発明は、流体制御の技術分野に関し、例えば、電動弁、熱管理ユニットおよび空調システムに関する。
【背景技術】
【0003】
冷凍システムにおいて、電動弁は、主に冷媒の流量を調節ことに用いられる。流量制御の精度に対する要求の高まりに伴い、電動弁は、車両用空調システム、ヒートポンプシステムおよびバッテリー冷却システムに適用されてきた。
【0004】
電動弁は、電子部品が設けられた回路基板を備える。通常、電動弁の使用中に、外部システムまたは電動弁自体に静電気が発生し、これら静電気は電子部品の性能および使用に影響を与え、更に電動弁の使用に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、電動弁の電磁両立性の向上に寄与する電動弁、熱管理ユニットおよび空調システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
電動弁は、弁体と、回路基板と、センサとを備え、
前記弁体内に通路を有し、前記センサは、電気接続および信号接続の少なくとも1つの方式により前記回路基板に接続され、前記通路内の作動媒体の圧力および温度の少なくとも1つを検出するように構成され、
前記弁体および前記センサのハウジングの少なくとも1つは金属部分を備え、前記回路基板の基準グラウンドが前記金属部分に直接または間接的に電気接続されている。
【0007】
熱管理ユニットは、電動弁と熱交換器とを備え、電動弁と熱交換器とが固定接続され、電動弁は上記電動弁である。
【0008】
空調システムは、蒸発器と上記電動弁とを備え、
前記電動弁は、前記蒸発器の出口に設けられ、前記蒸発器の出口の作動媒体の流量を制御するように構成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る電動弁、熱管理ユニットおよび空調システムは、回路基板の基準グラウンドと金属部分とを直接または間接的に電気接続することにより、基準グラウンドと地面とを電気接続することに相当し、このように、回路基板における低周波数放射の放出に寄与し、電磁ノイズの抑制に寄与し、回路基板による外部回路への干渉を低減し、電磁両立放射の低周波数の問題を改善し、電動弁の電磁両立性の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る電動弁の第1種の実施形態の構造模式図である。
【
図2】
図1における電動弁の第1種の電気接続の模式図である。
【
図3】
図1における電動弁の第2種の電気接続の模式図である。
【
図4】
図1における電動弁の第3種の電気接続の模式図である。
【
図6】
図1における電動弁の第4種の電気接続の模式図である。
【
図7】
図1における電動弁の第5種の電気接続の模式図である。
【
図8】本発明に係る電動弁の第2種の実施形態の構造模式図である。
【
図9】
図8における電動弁の電気接続の模式図である。
【
図10】本発明に係る電動弁の第3種の実施形態の一方向における斜視構造模式図である。
【
図12】
図11における電動弁のB-B方向に沿う断面の断面構造模式図である。
【
図13】
図10における電動弁のA-A方向に沿う断面の断面構造模式図である。
【
図15】
図14における弁体の一方向における正面構造模式図である。
【
図16】
図15における電動弁のC-C方向に沿う断面の断面構造模式図である。
【
図17】
図15における電動弁のD-D方向に沿う断面の断面構造模式図である。
【
図18】
図13における弁体と、回路基板と、第1ピンと、第2ピンと、第3ピンと、伝導部材とを組み合わせる第1種の実施形態の斜視構造模式図である。
【
図20】
図18における回路基板と、第1ピンと、第2ピンと、第3ピンとを組み合わせる斜視構造模式図である。
【
図21】
図13における弁体と、回路基板と、第1ピンと、第2ピンと、第3ピンと、伝導部材とを組み合わせる第2種の実施形態の斜視構造模式図である。
【
図23】
図21における回路基板と、第1ピンと、第2ピンと、第3ピンと、伝導部材とを組み合わせる斜視構造模式図である。
【
図24】
図13における弁体と、回路基板と、第1ピンと、第2ピンと、第3ピンと、伝導部材とを組み合わせる第3種の実施形態の斜視構造模式図である。
【
図25】
図24における回路基板と、第1ピンと、第2ピンと、第3ピンと、伝導部材とを組み合わせる斜視構造模式図である。
【
図27】
図13における弁体と、回路基板と、第1ピンと、第2ピンと、第3ピンと、伝導部材とを組み合わせる第4種の実施形態の斜視構造模式図である。
【
図28】
図27における回路基板と、第1ピンと、第2ピンと、第3ピンと、伝導部材とを組み合わせる斜視構造模式図である。
【
図30】
図13における弁体と、回路基板と、第1ピンと、第2ピンと、第3ピンと、伝導部材とを組み合わせる第5種の実施形態の斜視構造模式図である。
【
図32】
図30における回路基板と、第1ピンと、第2ピンと、第3ピンと、導電部とを組み合わせる斜視構造模式図である。
【
図34】
図13における弁体と、回路基板と、第1ピンと、第2ピンと、第3ピンと、伝導部材とを組み合わせる第6種の実施形態の斜視構造模式図である。
【
図38】
図34または
図35における回路基板と、第1ピンと、第2ピンと、第3ピンと、導電部とを組み合わせる斜視構造模式図である。
【
図40】
図39におけるE-E方向に沿う断面の断面構造模式図である。
【
図41】本発明の一実施例に係る空調システムの模式的なブロック図である
【
図42】本発明の一実施例に係る熱管理ユニットの斜視構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面および具体的な実施例を参照しながら本発明について更に説明する。
【0012】
本発明の実施例は電動弁を提供する。該電動弁は、例えば、電子膨張弁または水弁であってもよい。
図1を参照し、
図1は、本発明における電動弁の第1種の実施形態の構造模式図であり、
図2は、
図1における電動弁の第1種の電気接続の模式図である。
図1および
図2を参照し、
図1において、電動弁が電子膨張弁であることを例示的に示し、該電動弁は、弁体40と、回路基板60と、センサ70とを備え、センサ70と回路基板60との間は電気接続および信号接続の少なくとも1つの方式により接続されている。弁体40に通路41が成形され、センサ70は通路41内の作動媒体の圧力および温度の少なくとも1つの信号パラメータを検出することができる。弁体40およびセンサ70のハウジング71の少なくとも1つは金属部分を備え、回路基板60の基準グラウンド61は金属部分に直接または間接的に電気接続されている。
【0013】
センサ70は、例えば、温度センサまたは温度圧力センサ(PTセンサ)であってもよい。センサ70は回路基板60に設けられ、例示的には、センサ70に複数のピン(pin)が設けられ、回路基板60には、基準グラウンド61に電気接続されたパッドまたはビアが設けられ、センサ70はpinピンにより回路基板60に溶接され、センサ70と回路基板60との電気接続および信号接続の少なくとも1つの接続方式を実現することができる。回路基板60は、例えば、制御情報およびセンサ70の温度情報または圧力情報等の情報に基づいて電動弁を制御するように、電源回路、サンプリング回路、制御回路および駆動回路等の回路を備えてもよく、例えば、回路基板60は、電動弁の弁芯に接続されたモータに電圧を提供することでモータの運転を制御し、更に電動弁のポートの大きさを制御することで、通路41内の作動媒体の流量を制御することができ、例えば、作動媒体は冷却液または冷媒であってもよい。
【0014】
一実施例において、弁体40は全てが金属材質を採用してもよいし、一部が金属材質を採用してもよいことと、センサ70のハウジング71は全てが金属材質を採用してもよいし、一部が金属材質を採用してもよいこととの少なくとも1つを含んでもよい。金属部分は、センサのハウジング71のシールド性能を増強して電動弁の電磁両立性能を増強するために、導電性能が良好な金属材質を採用し、例えば、銅またはアルミニウムであってもよい。
【0015】
回路基板60の基準グラウンド61とセンサのハウジング71の金属部分とを直接または間接的に電気接続することは、基準グラウンド61と地面とを電気接続することに相当し、回路基板60における低周波数放射を吸収することで、回路基板60に静電気放電効果が発生することを回避し、外部回路に干渉することを回避し、EMC放射の低周波数の問題を解決する。
【0016】
本発明の実施例は、回路基板60の基準グラウンド61と金属部分とを直接または間接的に電気接続することにより、基準グラウンド61と地面とを電気接続することに相当し、回路基板60における低周波数放射を放出することができ、電磁ノイズを抑制し、回路基板60による外部回路への干渉を低減し、EMC放射の低周波数の問題を改善し、回路基板60に電磁両立性の保護装置を別途に設ける必要がなく、少ないコストで電動弁の電磁両立性を改善する効果を実現する。
【0017】
なお、上記各実施例において、基準グラウンド61とセンサのハウジング71との電気接続の方式は様々であり、本発明はそれについて限定せず、以下、そのうちのいくつかの典型的な構成方式について説明する。
【0018】
図3は、
図1における電動弁の第2種の電気接続の模式図である。
図3を参照し、センサ70は第1電磁両立調整ユニット73およびセンサグラウンド72を備え、センサグラウンド72は、第1電磁両立調整ユニット73によりセンサのハウジング71の金属部分に電気接続され、且つ回路基板60の基準グラウンド61はセンサ70のセンサグラウンド72に電気接続されている。本明細書に記載のセンサグラウンド72はセンサの接地端である。
【0019】
第1電磁両立調整ユニット73は、例えば、センサ70が備える回路ユニットであってもよく、第1電磁両立調整ユニット73は、センサグラウンド72の信号高調波を濾過除去して低周波数放射を低減することができ、抗干渉の作用を有し、センサ70の電磁両立性能を増強する。本発明の実施例は、基準グラウンド61とセンサグラウンド72とを電気接続し、即ち、基準グラウンド61を第1電磁両立調整ユニット73によりセンサのハウジング71の金属部分に電気接続することで、センサ70の第1電磁両立調整ユニット73は多重化され、電動弁のコストを節約する。
【0020】
図3を参照し、上記各実施例において、第1電磁両立調整ユニット73は、少なくとも1つの第1コンデンサを更に備えてもよく、少なくとも1つの第1コンデンサの第1端はセンサグラウンド72に電気接続され、少なくとも1つの第1コンデンサの第2端はセンサのハウジング71の金属部分に電気接続されている。本実施例において、第1電磁両立調整ユニット73は2つの第1コンデンサを備え、それぞれ第1コンデンサC11および第1コンデンサC12である。
【0021】
第1コンデンサの数が1つである場合、センサグラウンド72は第1コンデンサによりセンサのハウジング71の金属部分に電気接続され、第1コンデンサの数が少なくとも2つである場合、少なくとも2つの第1コンデンサは並列に接続され、センサグラウンド72は並列に接続された少なくとも2つの第1コンデンサにより、センサのハウジング71の金属部分に電気接続されている。第1電磁両立調整ユニット73をこのように設けることにより、低周波数放射を低減する目的を実現する。
【0022】
図4は、
図1における電動弁の第3種の電気接続の模式図である。
図4を参照し、回路基板60は第2電磁両立調整ユニット62を更に備え、第2電磁両立調整ユニットの第1端は基準グラウンド61に電気接続され、第2電磁両立調整ユニットの第2端はセンサのハウジング71の金属部分に電気接続され、即ち、基準グラウンド61は第2電磁両立調整ユニット62によりセンサのハウジング71の金属部分に電気接続され、第2電磁両立調整ユニット62は、基準グラウンド61の信号高調波を濾過除去して低周波数放射を低減することができ、抗干渉の作用を有し、回路基板60の電磁両立性能を増強し、更に電動弁の電磁両立性能を増強する。
【0023】
なお、上記実施例において、第2電磁両立調整ユニット62とセンサのハウジング71との接続方式は様々であり、実際の適用において必要に応じて設定することができる。
【0024】
本実施例において、回路基板60には、基準グラウンド61に電気接続された第1試験部が設けられ、センサ70のハウジングには第2試験部が設けられ、リーフシート線またはケーブル等の方式により第1試験部と第2試験部とを電気接続し、各試験部の設置方式は溶接であってもよい。
【0025】
図5は、本発明の実施例に係るセンサの構造模式図であり、
図6は、
図1における電動弁の第4種の実施形態の電気接続の模式図である。
図5および
図6を参照し、本実施例において、センサ70は、センサ70の一端に挿入して接続された第1ピン74を備え、第1ピン74の一端はセンサのハウジング71の金属部分に電気接続され、且つ第1ピン74の他端は回路基板の基準グラウンド61に電気接続されている。
【0026】
回路基板60には、基準グラウンド61に電気接続されたパッド、インサートホールまたは試験部等の電気接続部が設けられてもよく、センサ70の第1ピン74の他端は、溶接等の方式により該電気接続部に接続される。センサ70に設けられたハウジング71の金属部分に電気接続された第1ピン74は、センサ70を再設計してセンサのハウジング71の金属部分に電気接続された1つのピンを追加することに相当し、センサ70をこのように設けることにより、センサのハウジング71の金属部分と回路基板60の基準グラウンド61との電気接続を容易にする。
【0027】
上記実施例において、センサ70は4つの第2ピン75を更に備え、それぞれ電源ピン、Pピン、TピンおよびGNDピンであり、それに対応し、回路基板60には、4つの第2ピン75が挿着可能なインサートホールおよび制御回路が更に設けられ、制御回路とインサートホールとが電気接続され、これにより、4つの第2ピン75により回路基板60に挿入されたセンサ70のデータは制御回路に伝送され得る。センサ70および回路基板60をこのように設けることにより、センサ70と回路基板60との接続を更に容易にする。
【0028】
図6は、
図1における電動弁の第4種の電気接続の模式図である。
図6を参照し、上記各実施例の基に、回路基板60は第2電磁両立調整ユニット62を更に備え、センサのハウジング71は弁体40に固定接続され、第2電磁両立調整ユニット62の第1端は基準グラウンド61に電気接続され、第2電磁両立調整ユニット62の第2端は弁体40に電気接続されている。
図1に示すように、センサのハウジング71と弁体40とが固定接続され、具体的には、センサ70は弁体40の通路41の近傍に固定され、通路41内に作動媒体が流通してもよい。第2電磁両立調整ユニット62の第1端は基準グラウンド61に電気接続され、具体的には、回路基板60には、第2電磁両立調整ユニット62に電気接続された第1試験部が設けられ、弁体40に第2試験部が設けられ、リーフシート線またはピンにより第1試験部と第2試験部とを接続してもよい。センサ70をこのように設けることにより、一方、弁体40内の作動媒体の温度および圧力を検出することができ、他方、回路基板60の基準グラウンド61が弁体40によりセンサのハウジング71の金属部分に電気接続されることに相当し、弁体40とセンサのハウジング71の金属部分との電気接続は接地の面積を増加し、電動弁の電磁両立性能を更に増強する。
【0029】
上記実施例において、弁体40は、弁体40のシールド性能を増強するように、導電性能が良好な金属材質を採用し、例えば、銅またはアルミニウムであってもよい。
【0030】
図4および
図6を参照し、上記各実施例において、第2電磁両立調整ユニット62は少なくとも1つの第2コンデンサC21を備え、少なくとも1つの第2コンデンサC21の第1端は第2電磁両立調整ユニット62の第1端に電気接続され、少なくとも1つの第2コンデンサC21の第2端は第2電磁両立調整ユニット62の第2端に電気接続されている。
【0031】
第2コンデンサC21の数が1つである場合、弁体40は第2コンデンサC21により回路基板の基準グラウンド61に電気接続され、第2コンデンサC21の数が少なくとも2つである場合、少なくとも2つの第2コンデンサC21は並列に接続され、弁体40は少なくとも2つの第2コンデンサC21により並列に接続された後、回路基板の基準グラウンド61に電気接続されている。第2電磁両立調整ユニット62をこのように設けることにより、低周波数放射を低減する作用を実現する。
図4および
図6における実施例において、第2電磁両立調整ユニット62は1つの第2コンデンサを含む。
【0032】
上記各実施例において、第2電磁両立調整ユニット62の容量値は、1nF~10nFの間である。第2電磁両立調整ユニット62が1つの第2コンデンサを備える場合、第2コンデンサの容量値は1nF~10nFの間であり、第2電磁両立調整ユニット62が並列に接続された少なくとも2つの第2コンデンサを備える場合、前記少なくとも2つの第2コンデンサの並列に接続された後の容量値は1nF~10nFの間であり、第2電磁両立調整ユニット62をこのように設けることにより、低周波数放射を濾過除去する効果を増強する。
【0033】
図7は、
図1における電動弁の第5種の電気接続の模式図である。
図7を参照し、上記各実施例の基に、電動弁は2つの電磁両立性回路を備え、一方の電磁両立性回路は、センサグラウンド72が基準グラウンド61に電気接続され、センサグラウンド72が第1電磁両立調整ユニット73によりセンサのハウジング71に電気接続されているとおりである。他方の電磁両立性回路は、基準グラウンド61が第2電磁両立調整ユニット62によりセンサのハウジング71に電気接続されているとおりである。電動弁をこのように設けることにより、回路基板60の低周波数放射を更に低減し、電動弁の電磁両立性能を増強する。
【0034】
図8は、本発明の電動弁の第2種の実施形態の構造模式図であり、
図9は、
図8における電動弁の電気接続の模式図である。
図8および
図9を参照し、上記各実施例の基に、電動弁は、弁体40に機械的に接続されたモータ80を更に備え、モータ80はコイル81を備える。回路基板60は電源回路63を更に備え、電源回路63はコイル81に給電し、電源回路63の正極はコイル81の第1端に電気接続され、電源回路63の負極はコイル81の第2端に電気接続され、電源回路63は第3電磁両立調整ユニット632を備え、第3電磁両立調整ユニット632はコイル81に並列に接続されている。
【0035】
モータ80は、例えば、ステッピングモータであってもよく、ステッピングモータは電気パルス信号を角変位または線変位に変換するオープンループ制御方式を採用し、その制御方式は簡単であり、ステッピングモータで弁体40を制御することにより、弁体40の位置を正確に制御する効果を達成することができる。第3電磁両立調整ユニット632は、例えば、コイル81に近い位置に設けられてコイル81による高周波数放射の干渉を濾過除去し、電動弁の電磁両立性能を更に増強することができる。
【0036】
図9を参照し、電源回路63は給電電源631を更に備え、給電電源631は、例えば、バッテリーまたは電圧安定化電源であってもよく、給電電源631はコイル81の両端に並列に接続されてコイル81に給電する。
【0037】
図9を参照し、上記実施例において、第3電磁両立調整ユニット632は、第4コンデンサC31、第5コンデンサCY1、第6コンデンサCY2、第7コンデンサCY3および第8コンデンサCY4を備える。第4コンデンサC31の第1端は第3電磁両立調整ユニット632の第1端に電気接続され、第4コンデンサC31の第2端は第3電磁両立調整ユニット632の第2端に電気接続され、第5コンデンサCY1と第6コンデンサCY2とは第3電磁両立調整ユニット632の第1端と第2端との間に直列に接続され、第7コンデンサCY3と第8コンデンサCY4とは第3電磁両立調整ユニット632の第1端と第2端との間に直列に接続されている。
【0038】
第4コンデンサC31はコイル81の両端に並列に接続され、その容量値は、例えば、100uF~200uFの間であってもよい。第5コンデンサCY1、第6コンデンサCY2、第7コンデンサCY3および第8コンデンサCY4の容量値は47nFよりも小さく、第5コンデンサCY1と第6コンデンサCY2とは直列に接続されてからコイル81の両端に並列に接続され、第7コンデンサCY3と第8コンデンサCY4とは直列に接続されてからコイル81の両端に並列に接続され、これにより、コイル81の両端に2つのY型のコンデンサが構成される。第3電磁両立調整ユニット632をこのように設けることにより、コイル81による高周波数放射の干渉の濾過除去に寄与する。
【0039】
図10~
図13を参照し、
図10~
図13は、本発明における電動弁の第3種の実施形態の構造模式図であり、以下、電動弁の第3種の実施形態の構造について詳細に説明する。
【0040】
図10~
図13を参照し、電動弁1は、弁体11、弁座12、弁芯13、ロータユニット14、ステータユニット15および回路基板16を備え、弁座12にポート120が開設され、ステータユニット15はロータユニット14の外周に位置し、ステータユニット15と回路基板16との間は、電気接続および信号接続の少なくとも1つの方式により接続されている。本実施例において、ステータユニット15とロータユニット14との間には、ステータユニット15とロータユニット14とを隔離するためのスリーブ19が設けられ、電動弁1の動作時に、ステータユニット15の巻線に流れる電流を所定の規則に従って変化させるように制御することにより、ステータユニット15の変化する励磁磁界を制御し、ロータユニット14は励磁磁界の作用で回動し、ロータユニット14は弁芯13に接続され、弁芯13を弁座12に対して上下に移動させ、更にポート120の開度を調節することができる。
【0041】
図10~
図16を参照し、弁体11は第1取付部111および第1流路112を備え、第1流路112に作動媒体が流通可能であり、第1取付部111内に第1キャビティ1110を有し、第1キャビティ1110は第1流路112に連通し、
図4および
図5に示すように、少なくとも一部のポート120は第1キャビティ1110内に位置し、本実施例において、第1流路112は異なる口径の流路からなり、もちろん、第1流路112は同じ口径の流路からなってもよい。
図4および
図5を参照し、電動弁1は固定部材17を更に備え、固定部材17は弁座12の外側に嵌設されて弁座12に固定接続され、スリーブ19はロータユニット14の外周に被せられ、スリーブ19は固定部材17に溶接されて固定され、即ち、固定部材17によりスリーブ19と弁座12とが接続され、このように、型の簡略化に寄与し、型を小型化するとともに、弁座12の成形加工を容易にする。もちろん、固定部材17は弁座12と一体成形されてもよく、このように、両者の接続設置を再び行う必要がなく、本実施例において、ポート120はポート120の両側に位置する第1流路112に連通し、弁芯13は、ポート120に接近および離間することにより第1流路112のポート120における流通断面積を変え、更にポート120で絞りを形成することができる。
【0042】
図10~
図16を参照し、弁体11は第2取付部113および第2流路114を更に備え、第2取付部113内に第2キャビティ1130を有し、第2キャビティ1130は第2流路114に連通し、電動弁1はセンサ50を更に備え、少なくとも一部のセンサ50は第2キャビティ1130内に位置し、センサ50と回路基板16との間は、電気接続および信号接続の少なくとも1つの方式により接続されている。本発明において、設けられたセンサ50により、電動弁1はシステム内の作動媒体の温度および圧力等のパラメータを検出することができ、更に上記パラメータを回路基板16にフィードバックした後、回路基板16は対応する制御プログラムに基づいて電動弁1の開度を調節し、本実施例において、センサ50は弁体11に固定接続されて位置決めされ、センサ50の検出端は回路基板16に当接されることで、回路配置を相対的に減少することに寄与し、更にセンサと電動弁における回路基板との組み立ての簡略化に寄与する。
【0043】
図18を参照し、電動弁1は、第1ピン31、第2ピン32および第3ピン33を更に備え、第1ピン31は回路基板16の接地端であり、第2ピン32は回路基板16の電源端であり、第3ピン33は回路基板16の通信端であり、第1ピン31、第2ピン32および第3ピン33は回路基板16に固定接続されている。本発明において、電動弁1は伝導部材20を更に備え、伝導部材20および弁体11は導電でき、少なくとも一部の伝導部材20は回路基板16と弁体11との間に設けられ、少なくとも一部の伝導部材20は回路基板16に接触して設けられ、前記接触設置は、両者が固定接続により接触を実現してもよく、両者が固定接続されずに直接接触してもよく、回路基板16の基準グラウンドと弁体11との間は、伝導部材20により電気を伝導することができる。このように、静電気を弁体11から導出することに寄与し、更に静電気による電動弁1への影響を減少することに寄与し、電動弁1の電磁両立性の向上に寄与する。本発明における回路基板16の基準グラウンドは回路基板16の銅被覆層であってもよい。
【0044】
以下、上記伝導部材20の6種の実施形態の構造について説明し、6種の実施形態の伝導部材を説明しやすいために、第1種の実施形態の伝導部材は伝導部材20と表記され、他の符号はいずれも添え字を付けない。第2種の実施形態の伝導部材は伝導部材20aと表記され、他の符号はいずれもaを添え字として付ける。第3種の実施形態の伝導部材は伝導部材20bと表記され、他の符号はいずれもbを添え字として付ける。第4種の実施形態の伝導部材は支持件20cと表記され、他の符号はいずれもcを添え字として付ける。第5種の実施形態の伝導部材は支持件20dと表記され、他の符号はいずれもdを添え字として付ける。第6種の実施形態の伝導部材は支持件20eと表記され、他の符号はいずれもeを添え字として付ける。
【0045】
図18~
図20を参照し、
図18は、本発明における弁体11と、回路基板16と、伝導部材20とを組み合わせる第1種の実施形態の構造模式図であり、
図19は、
図18における伝導部材の構造模式図であり、
図20は、伝導部材20と、第1ピン31と、第2ピン32と、第3ピン33とを組み合わせる構造模式図である。以下、伝導部材20の第1種の実施形態の構造について詳細に説明する。
【0046】
図18~
図20を参照し、本実施例において、伝導部材20は弁体11に固定接続され、具体的には、
図14に示すように、弁体11に接続孔115が設けられ、接続孔115は、弁体11の上面から、弁体11の上面から離れる方向へ延出し、伝導部材20は嵌合部201および上部202を備え、上部202と嵌合部201とは一体成形され、嵌合部201は弁体の接続孔115に密に嵌合接続され、上部202の上面2021は回路基板16に当接され、本実施例において、嵌合部201は接続孔115に締り嵌めまたは中間嵌めされて両者の密な嵌合接続を実現し、もちろん、嵌合部201と弁体の接続孔115とはネジにより接続されてもよく、この場合、嵌合部201に雄ネジが成形され、接続孔115に雌ネジが成形され、両者は螺合して固定接続を実現し、伝導部材20と弁体11とがネジ接続の方式を採用する場合、伝導部材20はボルトまたはネジ釘であってもよく、このように、製造コストの節約に寄与する。また、伝導部材20の材料および弁体11の材料は導電金属材料であり、弁体11の材料がアルミニウムである場合、通常、アルミニウムの表面を腐食から保護するために、表面陽極酸化のプロセスを用いてアルミニウムの表面を処理することができ、この時、アルミニウムの表面は陽極酸化された後にその導電性能が低下し、嵌合部201と接続孔115との密な嵌合は、更に伝導部材20の嵌合部201が接続孔115の内周面の陽極酸化層を掻き落とすことに寄与するため、更に弁体11の導電性の向上に寄与し、もちろん、弁体11の表面処理は、クロムめっき等のプロセス方法を用いてもよく、この時、弁体11の導電性はコーティングによる影響を受けない。
【0047】
図20を参照し、回路基板16は第1面161および第2面162を備え、第1面161は弁体11に背向し、
図18に示すように、第2面162は弁体11に向かい、第1面161と第2面162とは相対的に平行に設けられ、ここで、加工誤差範囲内の平行度はいずれも本発明の保護範囲内にある。
図20を参照し、回路基板16は当接部163を更に備え、当接部163は第2面162に設けられ、当接部163は回路基板16の基準グラウンドに電気接続されている。
図19および
図20に示すように、本実施例において、上部202の上面2021は当接部163に接触して設けられ、且つ電気接続され、このように、当接部163により伝導部材20と回路基板16の基準グラウンド31との間の電気伝導を間接的に実現する。また、本実施例において、当接部163の表面に導電層が設けられ、ここで、導電層は錫めっき層、無電解ニッケルおよび金浸出等の処理が行われた層であってもよく、このように、当接部163と伝導部材20との間の導電性の向上に寄与し、もちろん、当接部163は、1つの単独した部品に加工されてから回路基板16に固定接続されてもよく、この時、当接部163は導電金属片等の他の導電可能な構造であってもよい。
【0048】
図21~
図23を参照し、
図21は本発明における弁体11と、回路基板16と、伝導部材20aとを組み合わせる第2種の実施形態の構造模式図であり、
図22は、
図21における伝導部材の構造模式図であり、
図23は、
図21における伝導部材20aと、第1ピン31と、第2ピン32と、第3ピン33とを組み合わせる構造模式図である。以下、伝導部材20aの第2種の実施形態の構造について詳細に説明する。
【0049】
図21~
図23を参照し、本実施例において、伝導部材20aは回路基板16の基準グラウンドに電気接続され、伝導部材20aの一端は回路基板16に固定接続され、具体的には、伝導部材20aは、回路基板16の第1面161および第2面162を貫通して回路基板16に溶接により固定接続されている。もちろん、伝導部材20aは、回路基板16の第2面162のみを貫通し、回路基板16の第1面161を貫通しなくてもよい。伝導部材20aの他端は弁体11に接触して設けられ、前記接触設置は、両者が固定接続により接触を実現してもよく、両者が固定接続されずに直接接触してもよい。本実施例において、伝導部材20aの構造は第1ピン31の構造に類似し、もちろん、伝導部材20aの構造は他の構造に設計されて導電機能を実現してもよい。
【0050】
本実施例において、弁体11の材料がアルミニウムである場合、表面に陽極酸化の処理プロセスを採用する時、弁体の導電性を向上させるために装着前に伝導部材20aと弁体11との接触箇所における弁体に対応する表面のコーティングを掻き落としてもよく、もちろん、弁体11の表面にクロムめっき等のプロセスを採用する時、伝導部材と弁体との接触箇所における弁体に対応する表面を余分に掻き落とす必要がない。本実施例における他の特徴は、第1種の実施形態に類似し、ここでは説明を省略する。
【0051】
図24~
図26を参照し、
図24は、本発明における弁体11と、回路基板16と、伝導部材20bとを組み合わせる第3種の実施形態の構造模式図であり、
図25は、伝導部材20bと、第1ピン31と、第2ピン32と、第3ピン33とを組み合わせる構造模式図であり、
図26は、
図24および
図25における伝導部材20bの構造模式図である。以下、伝導部材20bの第3種の実施形態の構造について詳細に説明する。
【0052】
図24~
図26を参照し、本実施例において、伝導部材20bは回路基板16に固定接続され、回路基板16は第1面161および第2面162を備え、第1面161は弁体11に背向し、第2面162は弁体11に向かい、第1面161と第2面162とは相対的に平行に設けられ、本実施例において、伝導部材20bは弾性要素であり、伝導部材20bは第1接続端21bおよび第2接続端22bを備え、第1接続端21bは回路基板16の第2面162に溶接により固定接続され、第2接続端22bは弁体11に接触して設けられている。このように、表面実装の方式により伝導部材20bと回路基板16とを接続固定し、更に伝導部材20bの組み立てプロセスの簡略化に寄与することができる。
【0053】
図26を参照し、伝導部材20bは中部23bを更に備え、中部23bは板状を呈し、中部23bは第1接続端21bと第2接続端22bとの間に設けられ、隣接する中部23bの間の首尾の両端は円弧により滑らかに遷移して接続され、このように、一方、応力集中の回避に寄与し、他方、伝導部材20bは弾性変形しやすい。また、本実施例における弾性要素はばね、板ばね等の他の弾性要素であってもよい。
【0054】
図24~
図26を参照し、伝導部材20bが取り付けられた後、伝導部材20bの第1接続端21bが回路基板16に固定接続されているため、伝導部材20bの第2接続端22bは弁体11に直接当接され、伝導部材20bが弾性要素であるため、伝導部材20bは回路基板16の作用力で圧縮変形し、更に伝導部材20bは弾性変形し、または、伝導部材20bにおける回路基板16と弁体11との間の長さは、伝導部材20bの自然状態での長さよりも小さい。通常、装着過程において、弁体11と回路基板16との間の高さには一定の公差が存在し、伝導部材20bが弁体11および回路基板16に接触できることを確保するために、伝導部材20bの高さに対して精度を要求する必要があり、本実施例において、伝導部材20bが弾性要素であるため、一方、伝導部材20bの高さ方向における加工精度の低減に寄与し、他方、伝導部材20bと弁体11との接触の信頼性の向上に寄与する。本実施例における他の特徴は、電動弁の第1種の実施例を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0055】
図27~
図29を参照し、
図27は、本発明における弁体11と、回路基板16と、伝導部材20cとを組み合わせる第4種の実施形態の構造模式図であり、
図28は、伝導部材20cと、第1ピン31と、第2ピン32と、第3ピン33とを組み合わせる構造模式図であり、
図29は、
図19および
図20における伝導部材20cの構造模式図である。以下、伝導部材20cの第4種の実施形態の構造について詳細に説明する。
【0056】
図27~
図29を参照し、本実施例において、伝導部材20cは回路基板16を貫通して回路基板16に固定接続され、具体的には、伝導部材20cの一端は回路基板16の第1面161および第2面162を貫通して回路基板16に固定接続され、伝導部材20cの一端は回路基板16の基準グラウンドに電気接続され、伝導部材20cの他端は弁体11に接触して設けられている。具体的には、
図20および
図22を参照し、本実施例において、伝導部材20cは弾性パーツ21cおよび非弾性パーツ22cを備え、弾性パーツ21cと非弾性パーツ22cとは固定接続され、非弾性パーツ22cは回路基板16の第1面161および第2面162を貫通して回路基板16に固定接続され、もちろん、非弾性パーツ22cは、回路基板16の第2面162のみを貫通し、回路基板16の第1面161を貫通しなくてもよい。本実施例において、弾性パーツ21cはばねであり、弾性パーツ21cにおける回路基板16と弁体11との間の長さは、弾性パーツ21cの自然状態での長さよりも小さく、もちろん、弾性パーツ21cは、リーフシートまたは弾性シートまたは板ばね等の他の弾性構造であってもよく、通常、装着過程において、弁体11と回路基板16との間の高さには一定の公差が存在し、伝導部材20cが弁体11および回路基板16に接触できることを確保するために、伝導部材20cの高さに対して精度を要求する必要があり、本実施例において、伝導部材20cが弾性パーツ21cを含むため、一方、伝導部材20cの高さ方向における加工精度の低減に寄与し、他方、伝導部材20cと弁体11との接触の信頼性の向上に寄与する。また、本実施例において、回路基板16に固定接続された部分は伝導部材20cの非弾性パーツ22cであり、弁体11に当接された部分は伝導部材20cの弾性パーツ21cであり、もちろん、回路基板16に固定接続された部分は伝導部材20cの弾性パーツ21cで、弁体11に当接された部分は伝導部材20cの非弾性パーツ22cであってもよく、この場合、伝導部材20cの固定方式は本発明における伝導部材の第3種の実施例を参照することができ、ここでは説明を省略する。本実施例における他の特徴は電動弁の第1種の実施例を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0057】
図30~
図33を参照し、
図30は、本発明における弁体11と、回路基板16と、伝導部材20dとを組み合わせる第5種の実施形態の構造模式図であり、
図31は、
図30における導電部22dの構造模式図であり、
図32は、導電部22dと、第1ピン31と、第2ピン32と、第3ピン33と、回路基板16とを組み合わせる構造模式図である。
図33は、
図30における支持部21dの構造模式図である。以下、伝導部材20dの第5種の実施形態の構造について詳細に説明する。
【0058】
図30~
図33を参照し、本実施例において、伝導部材20dは支持部21dおよび導電部22dを備え、支持部21dおよび導電部22dは2つの独立した部品であり、支持部21dと弁体11とは固定接続され、具体的には、
図30~
図33を参照し、支持部21dは接続部211dを備え、
図14に示すように、弁体11に接続孔115が成形され、接続孔115は弁体11の上面から、弁体11の上面から離れる方向へ延出し、接続部211dは接続孔115に密に嵌合接続され、もちろん、接続部211dと弁体11の接続孔115とはネジにより接続されてもよく、この時、接続部211dに雄ネジが成形され、接続孔115に雌ネジが成形され、両者は螺合して固定接続を実現し、支持部21dと弁体11とがネジ接続の方式を採用する場合、支持部21dはボルトまたはネジ釘であってもよく、このように、製造コストの節約に寄与する。本実施例において、支持部21dと弁体11との固定方式は第1種の実施形態における伝導部材と弁体との固定方式を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0059】
図30~
図33を参照し、支持部21d、導電部22dおよび弁体11の材料は金属材料であり、導電部22dは少なくとも一端が固定され、導電部22dは回路基板16の基準グラウンドに電気接続され、回路基板16の基準グラウンドと弁体11との間は、支持部21dにより導電部22dと電気を伝導することができる。このように、静電気を弁体11から導出することに寄与し、更に静電気による電動弁への影響を減少することに寄与し、電動弁の電磁両立性の向上に寄与する。
【0060】
図30~
図33を参照し、本実施例において、導電部22dの一端は回路基板16に固定接続され、且つ回路基板16の基準グラウンドに電気接続され、具体的には、回路基板16は第1面161および第2面162を備え、第1面161は弁体11に背向し、第2面162は弁体に向かい、
図31および
図32を参照し、導電部22dは第1接続端221dおよび第2接続端222dを備え、第1接続端221dは回路基板16の第2面162に接触して設けられて固定接続され、このように、表面実装の方式により導電部22dと回路基板16とを接続して固定し、更に導電部22dの組み立てプロセスの簡略化に寄与することができる。導電部22dの第1接続端221dは回路基板16の基準グラウンドに電気接続され、第2接続端222dは支持部21dの上面212dに当接され、このように、回路基板16の基準グラウンドと導電部22dと支持部21dとの間の電気伝導を実現することができる。本実施例において、導電部22dは回路基板16に固定接続され、導電部22dは支持部21dに固定接続されてもよく、導電部22dの第2接続端222dは支持部21dに固定接続され、導電部22dの第1接続端221dは回路基板16に当接され、この時、回路基板16は当接部を備え、ここで、当接部についての説明は第1種の実施形態における回路基板の当接部を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0061】
図30~
図33を参照し、本実施例において、導電部22dは弾性要素であり、導電部22dは中部224dを更に備え、中部224dは板状を呈し、中部224dは第1接続端221dと第2接続端222dとの間に設けられ、第1接続端221d、中部224dおよび第2接続端222dは順に間隔をあけて分布され、または、第1接続端221dと中部224dとの間に一定の距離を有し、第2接続端222dと中部224dとの間に一定の距離を有し、中部224dと第1接続端221dとは円弧により滑らかに遷移して接続され、中部224dと第2接続端222dとの間は円弧により滑らかに遷移して接続され、このように、弾性要素の弾性変形に寄与する。本実施例において、導電部22dは1つの中部224dのみを備え、もちろん、第1接続端221dと第2接続端222dとの間に2つ以上の中部224dを設けてもよく、隣接する中部224dの間の首尾の両端は接続され、ここで、伝導部材の第3種の実施形態を参照することができる。
【0062】
また、本実施例において導電部22dはばね、板ばね等の他の弾性要素であってもよい。回路基板16を装着する時、回路基板16と導電部22dとが固定接続されているため、導電部22dは回路基板16の力の作用で圧縮変形し、更に導電部22dは弾性変形し、または、導電部22dにおける回路基板16と支持部21dとの間の長さは、導電部22dの自然状態での長さよりも小さいく、このように、一方、導電部22dと支持部21dとの接触の信頼性の向上に寄与し、他方、支持部21dの高さ方向における加工精度の低減に寄与する。具体的には、導電部22dにおける回路基板16と支持部21dとの間の長さは、導電部22dの自然状態での長さの0.7倍~0.8倍であり、このように、導電部22dと支持部21dとの確実な接触を確保した前提で、導電部22dの弾力を相対的に制御することに寄与し、更に導電部22dが回路基板16に作用する反力を相対に制御することに寄与する。
【0063】
図31を参照し、第1接続端221dおよび第2接続端222dは板状を呈し、第1接続端221dは第2接続端222dに相対的に平行に設けられ、第1接続端221dは貫通孔223dを有し、貫通孔223dは第1接続端221dの上下面を貫通し、このように、導電部22dと回路基板16とが溶接により固定されている場合、半田と導電部22dとの間の接触面積を増加することができ、更に導電部22dと回路基板16との接続の信頼性を向上させることに寄与する。
【0064】
図34~
図40を参照し、
図35は、本発明における弁体11と、回路基板16と、伝導部材20eとを組み合わせる第6種の実施形態の構造模式図であり、
図36は、
図35における導電部22eの構造模式図であり、
図37は、
図35における支持部21eの構造模式図である。
図38は、導電部22eと、第1ピン31と、第2ピン32と、第3ピン33と、回路基板16とを組み合わせる構造模式図である。以下、伝導部材20eの第6種の実施形態の構造について詳細に説明する。
【0065】
図34~
図40を参照し、伝導部材20eは支持部21eおよび導電部22eを備え、支持部21eおよび導電部22eは2つの独立した部品であり、導電部22eは回路基板16の基準グラウンドに電気接続され、本実施例において、支持部21eは弾性要素であり、導電部22eは非弾性要素であり、具体的には、支持部21eはばねであり、もちろん、支持部21eはリーフシート、弾性シート、板ばね等の他の弾性構造であってもよい。本実施例において、支持部21eは弁体11に位置規制されて設けられ、導電部22eは支持部21eの外周に嵌設され、導電部22eは回路基板16の第2面162に溶接により固定接続され、具体的には、導電部22eは第1収容部221eを備え、第1収容部221e内に第1収容キャビティ2210eが設けられ、少なくとも一部の支持部21eは第1収容キャビティ2210e内に設けられている。
図35を参照し、弁体11は第2収容部115eを備え、第2収容部115e内に第2収容キャビティ1150eが設けられ、少なくとも一部の支持部21eは、支持部21eの位置規制を実現するように、第2収容キャビティ1150eに設けられている。支持部21eの一端は導電部22eの第1収容部221eの内壁の頂面2211eに接触して設けられ、支持部21eの他端は弁体11の第2収容部115eの底面に接触して設けられている。導電部22eが回路基板16の基準グラウンドに電気接続され、支持部21eの一端が導電部22eに接触し、支持部21eの他端が弁体11に接触するため、このように、回路基板16の基準グラウンドと弁体11との間は支持部21eおよび導電部22eにより、電気伝導を行うことができ、このように、電動弁の電磁両立性の向上に寄与する。
図32および
図33を参照し、一部の導電部22eは弁体11の第2収容キャビティ1150e内に設けられ、且つ弁体の第2収容部115eの内壁の隙間に嵌合され、このように、回路基板16を装着する時、一部の導電部22eが弁体11の第2収容キャビティ1150e内に設けられているため、導電部22eは更に支持部21eに押圧することができ、支持部21eは更に軸方向に沿って弾性変形することができる。本実施例において、導電部22eは回路基板16に溶接により固定接続され、もちろん、導電部22eは支持部21eに固定接続されてもよく、具体的には、支持部21eは導電部22eの第1収容部221eの底面2211eに接触して設けられて固定接続され、この場合、回路基板16は当接部を備え、ここで、当接部についての説明は第1種の実施形態における当接部を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0066】
本発明の実施例は空調システムを更に提供し、
図41を参照し、
図41は、空調システムの一実施形態の模式的なブロック図であり、空調システムにおいて、電動弁は冷媒の流量を制御するために用いられ、冷媒の流量に対する調節により、システムの過熱度に対する制御作用を達成し、電動弁は、電気信号に基づいて開度を制御することにより冷媒の流量を制御する。流量の制御精度を向上させるために、車両用空調システム、ヒートポンプシステムおよびバッテリー冷却システム等の分野では、電動弁は徐々に絞り要素として使用される。
図41を参照し、本実施例において、空調システムは、コンプレッサ100、凝縮器200、第1電動弁3および蒸発器300を備え、第1電動弁3は蒸発器300の出口に設けられ、第1電動弁3は、蒸発器300の出口の作動媒体の流量を制御するために用いられ、空調システムの動作時に、冷媒はコンプレッサ100により高温高圧の冷媒に圧縮され、高温高圧の冷媒は凝縮器200により放熱された後に常温高圧の冷媒となり、常温高圧の冷媒は第1電動弁3を通過して蒸発器300に入る。常温高圧の冷媒が第1電動弁3を通過し後に圧力が低下するため、冷媒は気化して低温の冷媒になり、低温の冷媒は、蒸発器300で大量の熱量が吸収されて冷媒になってコンプレッサ100に戻る。空調システムは、バッテリーユニット、熱交換器500および第2電動弁2を更に備え、冷媒とバッテリーユニットにおける作動媒体とは熱交換器500で熱交換を行い、本実施例において、第1電動弁3の構造および第2電動弁2の構造は同じであり、もちろん第1電動弁3および第2電動弁2の構造は異なってもよく、第1電動弁3および第2電動弁2の少なくとも1つの構造は、本発明の上記任意の実施例に係る電動弁を参照することができる。
【0067】
本発明の実施例は熱管理ユニットを更に提供し、
図42を参照し、
図42は、熱管理ユニットの一実施形態の構造模式図であり、本実施例において、熱管理ユニット400は熱交換器500および第2電動弁2を備え、熱交換器500と第2電動弁2とは一体に形成され、第2電動弁2の構造は本発明の上記任意の実施例に係る電動弁を参照することができる。