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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】配電網における電力品質の監視
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20230502BHJP
【FI】
H02J13/00 311R
H02J13/00 301A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021537898
(86)(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-21
(86)【国際出願番号】 IB2019061325
(87)【国際公開番号】W WO2020136576
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-10-04
(31)【優先権主張番号】201841049522
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】519431812
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・スウィツァーランド・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY SWITZERLAND AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サティーシュ,ハリラム
(72)【発明者】
【氏名】クマール,ラビッシュ
(72)【発明者】
【氏名】クマール,スリジット
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-034752(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0217550(US,A1)
【文献】特開2013-093996(JP,A)
【文献】特開2013-240145(JP,A)
【文献】特表2017-531988(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0118792(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0217471(US,A1)
【文献】国際公開第2016/074073(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電網における電力品質監視のための方法であって、前記配電網は複数のノードを含み、前記複数のノードの各々は、自動力率コントローラ(APFC)およびインテリジェント電子装置(IED)のうちの一方を含み、前記複数のノードの各々は、複数の通信ゲートウェイのうちの対応する通信ゲートウェイに結合され、前記複数の通信ゲートウェイはサーバに結合され、前記方法は、
通信ゲートウェイが、前記通信ゲートウェイに結合されたノードから監視データを受信するステップを含み、前記監視データは、パラメータの測定され計算された値、ログ、および前記ノードで発生したイベントを示し、前記方法はさらに、
前記通信ゲートウェイで実行される予測解析を使用し、前記監視データに基づいて、電力品質監視のためのローカルインサイトを推定するステップを含み、前記ローカルインサイトは、前記ノードにおける電気部品の健全性を示し、前記方法はさらに、
前記複数の通信ゲートウェイの各々が、前記複数のノードの各々と関連する前記ローカルインサイトおよび前記監視データを前記サーバに送信するステップと、
前記サーバで実行される予測解析を使用し、前記監視データおよび前記ローカルインサイトに基づいて、電力品質監視のためのグローバルインサイトを推定するステップを含み、前記グローバルインサイトは、前記配電網の電気部品の健全性および電力品質を示し、前記方法はさらに、
前記サーバが、前記推定したローカルインサイト、グローバルインサイト、および監視されたデータに基づいて、前記配電網における電力品質を維持するために予防または修正動作を実行するための、オペレータに対する指示を生成するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記監視データは、複数のエネルギ蓄積要素を有するエネルギバンクを含む前記APFCから受信され、前記エネルギバンクの寿命と関連するローカルインサイトを推定するステップは、
前記通信ゲートウェイが、前記エネルギバンクがオフ状態のとき、前記APFCから得られた力率、電流、および電圧と関連する監視データに基づいて、前記エネルギバンクの皮相電力を計算するステップと、
前記通信ゲートウェイが、前記エネルギバンクがオン状態のとき、前記APFCから得られた力率、電流、および電圧と関連する監視データおよび前記皮相電力に基づいて、有効エネルギバンク定格を計算するステップと、
前記通信ゲートウェイが、前記有効エネルギバンク定格と予め定められたエネルギバンク定格との差を計算するステップと、
前記通信ゲートウェイが、複数のサンプルについて前記有効エネルギバンク定格と前記予め定められたエネルギバンク定格との差の平均を計算するステップと、
前記通信ゲートウェイが、前記差の平均と前記予め定められたエネルギバンク定格とに基づいて、前記エネルギバンクの劣化ファクタを計算するステップと、
前記通信ゲートウェイが、前記劣化ファクタと予め定められた係数とに基づいて、前記エネルギバンクの寿命を予測するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グローバルインサイトを推定するステップは、前記監視されたデータおよび前記ローカルインサイトを使用し、前記サーバで実行される予測解析に基づいて、前記ローカルインサイトと関連する前記エネルギバンクの前記予測された寿命を検証するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記オペレータに対する指示を生成するステップは、前記エネルギバンクの寿命がしきい値寿命を下回るという判断に応じて、前記オペレータに対する視覚メッセージおよびアラームのうちの一方を生成するステップを含み、前記視覚メッセージおよび前記アラームは、前記エネルギバンクにおいて前記オペレータが実行すべき予防または修正動作を示す、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記監視データは前記APFCから受信され、前記APFCにおける部品故障と関連するローカルインサイトを推定するステップは、
前記通信ゲートウェイが、前記APFCの力率の、予め定められたしきい値からの偏差を監視するステップと、
前記通信ゲートウェイが、前記監視された、前記APFCの力率の、予め定められたしきい値からの偏差に応じて、力率、APFCコントローラのリレー位置、および対応する時刻と関連する監視データを含むログレポートを連続的に生成するステップと、
前記通信ゲートウェイが、前記APFCの力率の、前記予め定められたしきい値からの偏差に応じて、前記APFC内のリレーの起動後に前記APFCの力率が改善される時間間隔を監視するステップと、
前記通信ゲートウェイが、前記APFCの力率が改善される時間間隔が予め定められた時間間隔よりも大きい場合のインスタンスの数を特定するステップと、
前記通信ゲートウェイが、前記APFC内の接触器、ヒューズ、およびキャパシタのうちの1つにおける故障の発生を、前記監視した力率の偏差、前記ログレポート、および前記インスタンスの数に基づいて、予測するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記グローバルインサイトを推定するステップは、
前記監視されたデータおよび前記ローカルインサイトを使用し、前記サーバで実行される予測解析に基づいて、前記APFC内の接触器、ヒューズ、およびキャパシタのうちの1つにおける前記予測された故障の発生と関連する前記ローカルインサイトを検証するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記監視データは前記APFCから受信され、高調波スペクトルと関連するローカルインサイトを推定するステップは、
前記通信ゲートウェイが、前記APFCにおける高調波汚染を、前記APFCにおける電圧、電流、全高調波歪み、力率、高次高調波、および低次高調波と関連する監視データに基づいて、予測するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
高調波スペクトルと関連するグローバルインサイトを推定するステップは、
前記サーバが、前記配電網の高調波スペクトルを、前記複数のAPFCの各々における高調波スペクトルと関連するローカルインサイトおよび前記監視データに基づいて、予測するステップと、
前記サーバが、前記配電網における高調波共振の発生を、前記配電網における前記複数のAPFCについての予測された高調波汚染および前記監視データに基づいて、推定するステップとを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記監視データは複数のAPFCのうちの前記APFCから受信され、予測ネットワーク損失およびペイバックと関連するグローバルインサイトを推定するステップは、
前記サーバが、前記複数のAPFCのうちの各々から、予測ネットワーク損失およびペイバックと関連するローカルインサイトおよび前記監視データを受信するステップと、
前記サーバが、前記配電網の予測ネットワーク損失およびペイバックを、予測ネットワーク損失およびペイバックと関連するローカルインサイトおよび前記監視データに基づいて、推定するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
配電網における電力品質監視のためのシステムであって、前記配電網は複数のノードを含み、前記複数のノードの各々は、自動力率コントローラ(APFC)およびインテリジェント電子装置(IED)のうちの一方を含み、前記システムは、
複数の通信ゲートウェイを備え、前記複数のノードの各々は、前記複数の通信ゲートウェイのうちの対応する通信ゲートウェイに結合され、前記システムはさらに、
前記複数の通信ゲートウェイに結合されたサーバを備え、
前記複数の通信ゲートウェイのうちの各通信ゲートウェイは、
第1のプロセッサと、
前記第1のプロセッサに結合されたローカルデータ解析モジュールとを含み、前記ローカルデータ解析モジュールは、
ノードから監視データを受信し、前記監視データは、パラメータの測定され計算された値、ログ、および前記ノードで発生したイベントを示し、前記ローカルデータ解析モジュールはさらに、
予測解析により、前記監視データに基づいて、電力品質監視のためのローカルインサイトを推定し、前記ローカルインサイトは前記ノードにおける電気部品の健全性を示し、前記各通信ゲートウェイはさらに、
前記第1のプロセッサに結合され、前記複数のノードの各々と関連する前記ローカルインサイトおよび前記監視データを前記サーバに送信する送信モジュールを含み、
前記サーバは、
第2のプロセッサと、
前記第2のプロセッサに結合されたグローバルデータ解析モジュールとを含み、前記グローバルデータ解析モジュールは、
予測解析を使用し、前記監視データおよび前記ローカルインサイトに基づいて、電力品質監視のためのグローバルインサイトを推定し、前記グローバルインサイトは、前記配電網の電気部品の健全性および電力品質を示し、前記グローバルデータ解析モジュールはさらに、
前記推定したローカルインサイト、グローバルインサイト、および監視されたデータに基づいて、前記配電網における電力品質を維持するために予防または修正動作を実行するための、オペレータに対する指示を生成する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、配電網における電力品質の監視に関する。本発明は、より具体的には、配電網に設置された自動力率コントローラおよびインテリジェント電子装置(IED:Intelligent Electronic Device)の挙動の監視に基づいた、配電網内のエネルギ蓄積要素の監視、保護、および制御に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
一般的に、配電網は、配電網内のエネルギの流れを監視および制御するための自動力率コントローラ(APFC:Automatic Power Factor Controller)およびインテリジェント電子装置(IED)を含む。APFCおよびIED設備は、配電網全体の一部にあってもよく、または配電網全体に分散していてもよい、すなわちすべての配電変圧器の各々に1つの設備があってもよい。したがって、一例では配電網に数百のAPFCまたはIED設備があってもよい。以下、APFCまたはIED設備の各々をノードと呼ぶことがある。よって配電網は複数のノードを含み得る。一例において、ノードは配電変電所を表してもよい。
【0003】
ノードの各々は通信インターフェイスを有し、このような通信インターフェイスは、モドバス(Modbus)プロトコルを用いて、配電網内の電流、電圧、力率、スイッチング過渡現象、高調波歪み等のようなさまざまなパラメータの測定され計算された値を受ける。また、通信インターフェイスは、測定され計算されたパラメータに加えて、APFCおよびIEDからのログおよびイベントを提供することができる。ノードの各々は、1つ以上のエネルギバンクと、エネルギバンクの充電および/または放電を制御するためのリレー/回路遮断器とを含む。各エネルギバンクは、配電網の力率を制御および監視するための、キャパシタバンクおよび/またはインダクタのような、複数のエネルギ蓄積要素を含み得る。
【0004】
以下の詳細な説明は図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】一例に係る、配電網における電力品質監視のためのシステムのブロック図を示す。
図2】一例に係る、配電網における電力品質監視のためのシステムの別のブロック図を示す。
図3】一例に係る、配電網における電力品質監視の方法を示す図である。
図4】一例に係る、エネルギバンクの寿命と関連するローカルインサイトの推定方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
詳細な説明
従来、配電網内のノードの各々は、特定のノードにおける電流、電圧、力率、スイッチング過渡現象、高調波歪み等のようなパラメータの局所測定に基づいて、エネルギバンク内のキャパシタおよび/またはインダクタのスイッチング(オンまたはオフ)を、別々に個別に監視し制御する。そのため、従来、配電網の電力品質は、ノードの各々におけるパラメータの変動/偏差に基づいて、ノードレベルで監視および制御される。一例において、電力品質は、配電網における力率、障害発生傾向、高調波障害、ネットワーク損失等によって示すことができる。
【0007】
配電網では、個々のノードにおける電気状態および挙動が、配電網の動力学の影響を受ける場合がある。たとえば、配電網のある部分における高調波障害が、配電網のその他の場所またはノードに影響を与える場合がある。別の例において、1つ以上のノードにおける1つ以上のAPFC内の部品の故障が、配電網の全体の力率に悪影響を与える場合がある。このような、配電網のさまざまな場所における動的な変化および変動は、従来の、ノードの各々における別々で個別のパラメータ変動/偏差に基づいたノードレベルの配電網電力品質監視中に対処されるものではない。
【0008】
本主題は、さまざまなノードにおける各種APFC/IEDおよびその他の部品の監視を集中的に行うことを可能にする。このような監視により、ノードレベルでの局所的な電気状態の変動/偏差が各APFC/IEDに対して個別に与える影響を特定すること、ならびに、全配電網を全体として包括的に考慮することが、容易になる。
【0009】
本主題は、配電網における電力品質監視のための方法およびシステムについて説明する。一例において、電力品質は、配電網における力率、障害発生傾向、高調波障害、ネットワーク損失等によって示すことができる。配電網は複数のノードを含み、複数のノードの各々はAPFCおよびIEDのうちの一方を含む。ノードは、配電網における電力品質の監視および制御のためにさまざまな電気部品が設置されている配電線におけるあるポイント/セクションと理解すればよい。一例において、ノードは、APFC/IED設備または配電変電所を表し得る。一例において、複数のノードのうちの各ノードは、複数の通信ゲートウェイのうちの対応する通信ゲートウェイに結合されてもよい。通信ゲートウェイは、異なる2つの通信ネットワーク間のデータの流れを可能にするデータ通信装置を含む。よって、通信ゲートウェイは、ホストネットワークに接続できる遠隔ネットワークを提供することができる。一例において、通信ゲートウェイは、企業ネットワークまたはサービスプロバイダネットワークへのエントリポイントとして機能するエッジデバイスであってもよい。本主題において、複数の通信ゲートウェイはサーバに結合される。これに代えて、ノードのAPFCまたはIEDのうちの1つ以上が、インターネットのようなネットワークを介して、通信可能にサーバに結合されてもよい。一例において、サーバは、変電所サーバであってもよい、または、クラウドインフラストラクチャの一部である、ゲートウェイサーバ、アプリケーションサーバ、およびデータベースサーバを含み得る。
【0010】
通信ゲートウェイは、当該通信ゲートウェイに結合された対応するノードから監視データを受信する。監視データは、パラメータの測定され計算された値、ログ、およびノードで発生したイベントを示す。パラメータは、配電網における電力品質を示す動作パラメータを含み得る。ログは、ある期間にわたる動作パラメータの読取/測定値のアカウントを含む。イベントは、配電網における電力品質管理のための予め定められたしきい値からの動作パラメータの変動/偏差を示す。一例において、ノードのAPFCまたはIEDは、ノードの電力品質と関連するさまざまなパラメータの測定値およびログを記録してもよく、そのようなデータを、通信ゲートウェイが受信することになる監視データとして送信してもよい。監視データを受信したことに応じて、通信ゲートウェイは、通信ゲートウェイで実行される予測解析を用いて、電力品質監視のためのローカルインサイト(local insight)を推定する。ローカルインサイトは、ノードにおける電気部品の健全性を示す。一例において、ローカルインサイトは、部品の寿命および部品における故障の発生と関連するデータを含む。電気部品の健全性は、電気部品の動作状態を示し、部品の寿命率、劣化の量、故障発生頻度、機能の不正確さ等で表されてもよい。通信ゲートウェイの各々は、複数のノードの各々と関連するローカルインサイトと監視データとをサーバに送信する。
【0011】
サーバは、予測解析を用い、監視データおよびローカルインサイトに基づいて、全配電網における電力品質監視のためのグローバルインサイト(global insight)を推定する。グローバルインサイトは、電気部品の健全性および全体としての配電網の電力品質を示す。したがって、グローバルインサイトの推定により、本システムおよび方法は、配電網のいずれの場所の電気状態の動的変化/変動も考慮することができ、それにより、故障点における電力品質を監視し制御することができる。さらに、サーバは、求めたローカルインサイト、グローバルインサイト、および監視されたデータに基づいて、配電網における電力品質を維持するために予防または修正動作を実行するための、オペレータに対する指示を、生成することができる。一例において、この指示は、ノードの電気部品の電気状態と関連するデータが表示されるテキスト/ハイライトされたテキストの、特徴的なフォーマットの形態であってもよい。別の例において、この指示は音声アラームであってもよい。
【0012】
本主題では、電力品質の監視を、ノードレベルのローカルインサイトに基づき、グローバルインサイトにも基づき、配電網を全体として考慮して、実行する。そのため、各種APFC、IED、およびその他の部品が集中的に監視される。このような監視により、各ノードにおける障害、故障、またはイベントの影響を個別に特定するだけでなく、全配電網の全体に与える影響を特定することができるであろう。したがって、本主題は、配電網の包括的な強化された監視および制御を提供する。さらに、強化された監視に基づいて、配電網の力率を実質的に改善することができる。
【0013】
以下の詳細な説明は、添付の図面を参照する。可能な限り、同一の参照番号が、図面および以下の説明において同一または同様の部分を示すために使用される。本明細書ではいくつかの例が記載されるが、修正、適合化、および他の実装形態が可能である。したがって、以下の詳細な説明は、開示された例を限定するものではない。代わりに、開示された例の適切な範囲は添付の請求項によって定められてもよい。
【0014】
図1は、配電網における電力品質監視のためのシステム100のブロック図を示す。一例において、システム100は、配電網における力率を監視し制御するために使用されてもよい。図1に示されるように、システム100は、複数形で通信ゲートウェイ102(communication gateways 102)および単数形で通信ゲートウェイ102(communication gateway 102)と表すこともある、複数の通信ゲートウェイ102-1,102-2,102-3,…,102-Nを含む。システム100はサーバ104を含む。一例において、サーバ104は、変電所サーバであってもよく、または、アプリケーションサーバ、ゲートウェイサーバ、およびデータベースサーバ等のサーバのグループの集まりであってもよい。通信ゲートウェイ102の各々は、プライベートネットワークもしくはパブリックネットワーク等のネットワーク、またはインターネットを介して、サーバ104に通信可能に接続される。
【0015】
通信ゲートウェイ102の各々は、複数形でノード106(nodes 106)および単数形でノード106(node 106)と表すこともある複数のノード106-1,106-2,…,106-Nのうちの対応するノードに結合される。複数のノード106の各々は、配電網に設置されたAPFCまたはIEDを含む。一例において、ノードの各々は、エネルギ蓄積要素、電流/電圧トランス、スイッチ、回路遮断器、センサ等の他の電気部品も含み得る。図1に示されるように、ノード106-1は通信ゲートウェイ102-1に結合され、ノード106-2は通信ゲートウェイ102-2に結合され、ノード106-Nは通信ゲートウェイ102-Nに結合される。したがって、複数のノード106の各々は、複数の通信ゲートウェイ102のうちの対応する通信ゲートウェイに結合される。一例において、通信ゲートウェイ102は、遠隔監視装置として機能してもよく、モドバス遠隔端末装置(RTU:Remote Terminal Unit)プロトコルを介してまたはコントローラエリアネットワーク(CAN:Controller Area Network)バスプロトコルを使用して、ノードのAPFCの制御装置と通信してもよい。ノード106のうちの各ノードと対応する通信ゲートウェイとの間のデータ通信は、イーサネット(登録商標)接続を通して、またはプライベートネットワークもしくはインターネットを介して確立されてもよい。図1では、各ノードは、複数の通信ゲートウェイのうちの対応する通信ゲートウェイに結合されるものとして示されているが、一例において、ノードは、サーバ104に直接結合されてもよい。
【0016】
通信ゲートウェイ102の各々は、プロセッサ(図1には示されていない)と、ローカルデータ解析モジュールと、送信モジュールとを有する。図1を参照すると、通信ゲートウェイ102-1は、ローカルデータ解析モジュール108-1および送信モジュール110-1を含み、通信ゲートウェイ102-2は、ローカルデータ解析モジュール108-2および送信モジュール110-2を含み、通信ゲートウェイ102-3は、ローカルデータ解析モジュール108-3および送信モジュール110-3を含む。ローカルデータ解析モジュール108-1、108-2、および108-3をまとめてローカルデータ解析モジュール108と呼び、送信モジュール110-1、110-2、および110-3をまとめて送信モジュール110と呼ぶ。ローカルデータ解析モジュール108および送信モジュール110は、通信ゲートウェイ102内にインストールされたソフトウェアとして、または電子回路の形態のハードウェアとして実現されてもよい。一例において、ローカルデータ解析モジュール108および送信モジュール110は、通信ゲートウェイ102のプロセッサに結合されてもよい。サーバ104は、グローバルデータ解析モジュール112を含む。グローバルデータ解析モジュール112は、サーバ104内にインストールされたソフトウェアとして、または電子回路の形態でハードウェアとして実現されてもよい。一例において、グローバルデータ解析モジュール112は、サーバ104のプロセッサに結合されてもよい。
【0017】
一例において、ノード106は、異なるパラメータの測定のためのセンサ(図示せず)を含む。センサは、電流センサ、電圧センサ、温度センサ、およびソフトセンサであってもよい。センサは、配電網(図示せず)の動作パラメータを測定してもよい。動作パラメータは、電圧、電流、電圧の変化率、配電網における全高調波歪み、50次高調波までの高調波スペクトル、力率、APFCにおけるエネルギ蓄積要素の種類、温度、スイッチング過渡現象、APFCにおけるリレー位置等を含む。センサは、動作パラメータに関するデータを通信ゲートウェイ102に送信することができる。
【0018】
以下、1つの通信ゲートウェイ102-1を参照して説明するが、この説明は、必要な変更を加えて、サーバ104に結合された通信ゲートウェイ102の各々に適用できる。一例において、ローカルデータ解析モジュール108-1は、ノード106-1から監視データを受信する。監視データは、パラメータの測定され計算された値、ログ、およびノード106-1で発生したイベントを示す。一例において、監視データは、電圧、電流、電圧の変化率、配電網における全高調波歪み、50次高調波までの高調波スペクトル、力率、APFCにおけるエネルギ蓄積要素の種類、温度、スイッチング過渡電流、およびノード106-1のセンサから受信したAPFCにおけるリレー位置の、測定値およびログレポートといった、動作パラメータに関するデータを含み得る。
【0019】
ローカルデータ解析モジュール108-1は、予測解析を使用して、電力品質監視のためのローカルインサイトを推定する。ローカルインサイトは、ノードにおける電気部品の健全性を示す。一例において、ローカルインサイトは、ノード106-1に存在するエネルギ蓄積要素の予測寿命、ノード106-1における部品故障、ノード106-1における高調波スペクトル、ならびにノード106-1における予測ネットワーク損失およびペイバックのうちの、少なくとも1つと関連するデータを含み得る。同様に、ノード106-2~ノード106-Nについてのローカルインサイトを、対応する通信ゲートウェイ102-2~通信ゲートウェイ102-Nが推定してもよい。
【0020】
送信モジュール110-1は、ノード106-1と関連するローカルインサイトおよび監視データをサーバ104に送信するように構成される。同様に、送信モジュール110-2~110-Nは、ノード106-2~106-Nと関連するローカルインサイトおよび監視データをサーバ104に送信する。これにより、複数のノード106-1~106-Nの各々と関連するローカルインサイトおよび監視データがサーバ104に送信される。
【0021】
サーバ104におけるグローバルデータ解析モジュール112は、予測解析を使用し、監視データおよびローカルインサイトに基づいて、電力品質監視のためのグローバルインサイトを推定する。グローバルインサイトは、配電網の電気部品の健全性および電力品質を示す。一例において、グローバルインサイトは、配電網に存在するエネルギ蓄積要素の予測寿命、配電網内の部品故障、配電網内の高調波スペクトル分布、ならびに配電網内の予測ネットワーク損失およびペイバックと関連するデータを含む。また、グローバルデータ解析モジュール112は、推定されたローカルインサイト、グローバルインサイト、および監視されたデータに基づいて、配電網における電力品質を維持するために予防または修正動作を実行するための、オペレータに対する指示を生成する。一例において、サーバ104は、予防または修正動作を実行するための、オペレータに対する指示を生成できる通信ゲートウェイ102-1~102-Nに、グローバルインサイトを送信してもよい。一例において、特定のノードのエネルギバンクの予測寿命と関連するグローバルインサイトは、サーバ104に結合されたディスプレイ装置に表示されてもよい。別の例において、配電網内のノードにおける部品故障と関連するグローバルインサイトが表示されてもよい。一例において、エネルギバンクまたは部品の故障による寿命の短縮が、オペレータに対する指示として、表示されたグローバルインサイトにおいて、具体的に特定または強調されてもよい。別の例において、音声アラームが指示として生成されてもよい。一例において、グローバルデータ解析モジュール112が、エネルギバンクが実質的な摩耗および断裂の影響を受けることまたは接触器が故障したことをオペレータに示す指示を生成する場合、オペレータは、物理的検査を実行する、またはキャパシタバンクおよび/または接触器を交換することにより、故障を防止し、配電網の電力品質を改善してもよい。上記およびその他の態様について、図2図4との関連でさらに説明する。
【0022】
図2は、一例に係る、配電網における電力品質監視のためのシステム200のブロック図を示す。システム200は、図1に示すサーバ104と同様のサーバ202と、図1に示す通信ゲートウェイ102と同様の通信ゲートウェイ204とを含む。通信ゲートウェイ204は、ノード106と同様のノード206に通信可能に結合される。図2は、通信ゲートウェイに結合された単一のノードを示すが、複数のノードおよび複数の通信ゲートウェイがあってもよく、その場合、ノードの各々は、対応する通信ゲートウェイに通信可能に結合される。
【0023】
サーバ202は、プロセッサ208と、プロセッサ208に結合されたメモリ210とを含む。サーバ202は、インターフェイス212と、モジュール214と、トランシーバ216とをさらに含む。通信ゲートウェイ204は、プロセッサ218と、プロセッサ218に結合されたメモリ220とを含む。通信ゲートウェイ204は、インターフェイス222とモジュール224とをさらに含む。
【0024】
プロセッサ208および218は、単一の処理装置であってもよく、またはいくつかの装置であってもよく、そのすべては、複数のコンピューティング装置を含み得る。プロセッサ208および218は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、デジタル信号プロセッサ、中央処理装置、ステートマシン、論理回路、および/または動作命令に基づいて信号を操作する任意のデバイスとして実現されてもよい。他の機能のうちでもとりわけ、プロセッサ208および218は、1つまたは複数の機能を実現するために、それぞれメモリ210および220に格納されたプロセッサ読取可能命令をフェッチおよび実行するように適合される。一例において、サーバ202は、クラウドサーバのさまざまなクラスタに分散された処理機能を有するクラウドサーバであってもよい。
【0025】
メモリ210および220は、それぞれプロセッサ208および218に結合されてもよい。メモリ210および220は、たとえば、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)およびダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)等の揮発性メモリ、および/または読出専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、ハードディスク、光ディスク、および磁気テープを含む、当技術分野では周知の任意のコンピュータ読取可能媒体を含み得る。一例において、サーバ202は、クラウドサーバがアクセス可能なクラウドネットワークの異なる記憶装置またはデータベース上に分散されたデータ記憶機能を有するクラウドサーバであってもよい。
【0026】
インターフェイス212および222は、各種ソフトウェアおよびハードウェア対応インターフェイスを含み得る。インターフェイス212は、サーバ202と、遠隔監視装置(図示せず)等のネットワークの他の構成要素との間の通信および接続を可能にするものであってもよい。インターフェイス222は、通信ゲートウェイ204と、遠隔監視装置(図示せず)等のネットワークの他の構成要素との間の通信および接続を可能にするものであってもよい。インターフェイス212および222は、多種多様なプロトコル内で複数の通信を容易にすることができ、1つ以上のコンピュータ対応端末または同様のネットワーク構成要素との通信を可能にすることもできる。
【0027】
モジュール214および224は、モジュール214および224の各種機能を実現するためのハードウェアおよびプログラミング(たとえば、プログラム可能命令)の組み合わせとして実現されてもよい。本明細書で説明する例では、ハードウェアおよびプログラミングのそのような組み合わせは、いくつかの異なる方法で実現されてもよい。たとえば、モジュール214および224のためのプログラミングは実行可能命令であってもよい。そうすると、このような命令は、サーバまたは通信ゲートウェイと直接または間接的に(たとえばネットワーク化手段を介して)結合されてもよい非一時的なマシン読取可能記憶媒体上に格納されてもよい。ハードウェアとして実現される場合、モジュール214および224は、そのような命令を実行するために処理リソース(たとえば単一のプロセッサまたは複数のプロセッサの組み合わせのいずれか)を含み得る。この例では、プロセッサ読取可能記憶媒体が、処理リソースによって実行されるとモジュール214および224を実現する命令を格納してもよい。他の例では、モジュール214および224は電子回路によって実現されてもよい。
【0028】
一例において、モジュール214は、配電網における電力品質管理と関連するグローバルインサイトを求めるためのグローバルデータ解析モジュール226を含む。加えて、モジュール214は、その他のモジュール228をさらに含み得る。その他のモジュール228は、サーバ202またはモジュール214のいずれかによって実行されるアプリケーションまたは機能を補足する機能を実現してもよい。
【0029】
一例において、モジュール224は、配電網における電力品質管理と関連するローカルインサイトを求めるためのローカルデータ解析モジュール230を含む。加えて、モジュール224は、送信モジュール232およびその他のモジュール234をさらに含む。送信モジュール232は、通信ゲートウェイ204とサーバ202との間のデータ通信を可能にするものであってもよい。その他のモジュール234は、通信ゲートウェイ204またはモジュール224のいずれかによって実行されるアプリケーションまたは機能を補足する機能を実現してもよい。
【0030】
図2に示されるように、ノード206は、配電網におけるAPFCの設置を示す。ノード206はコントローラ206-1を含む。コントローラ206-1は、電流、電圧、力率、スイッチング過渡現象、高調波歪み等のような、配電網の動作パラメータの測定および記憶を可能にするものであってもよい。コントローラ206-1は、パラメータの測定され計算された値、ログ、およびノード206で発生したイベントを示すデータを記録してもよい。図2に示されるように、コントローラ206-1は、パラメータの測定のために配電変圧器206-2に結合される。さらに、コントローラ206-1は、パラメータの測定に基づいて、ノード206のエネルギバンク206-3の充電/放電を制御することができる。一例において、コントローラ206-1はAPFCであってもよい。図2からわかるように、エネルギバンク206-3は、キャパシタおよびインダクタ等のエネルギ蓄積要素を含む。
【0031】
動作の際、通信ゲートウェイ204は、ノード206から監視データを受信する。監視データは、パラメータの測定および計算された値、ログ、およびノード206で発生したイベントを示す。一例において、監視データを、コントローラ206-1等のAPFCからローカルデータ解析モジュール230が受信してもよい。
【0032】
ローカルデータ解析モジュール230は、電力品質監視のためのローカルインサイトを推定する。ローカルインサイトは、ノード206における電気部品の健全性を示す。電気部品の健全性は、電気部品の動作状態を示し、部品の寿命率、劣化の量、故障の発生頻度、機能の不正確さ等に関して表されてもよい。一例において、ローカルデータ解析モジュール230は、予測解析モデルを使用して、ノード206におけるエネルギバンク206-3の寿命と関連するローカルインサイトを推定する。一例において、エネルギバンク206-3の定格キロボルトアンペア無効(KVAR:Kilo Volt Ampere Reactive)値をCBKVARで表す。動作段階において、エネルギバンク106-3は、起動されて負荷に接続されると、定格容量を提供しなければならない。
【0033】
ローカルデータ解析モジュール230は、エネルギバンク206-3がオフ状態のとき、APFCまたはコントローラ206-1から得られた力率、電流、および電圧と関連する監視データに基づいて、エネルギバンク206-3の皮相電力を計算する。一例において、皮相電力を以下の式1に従って計算してもよい。
【0034】
【数1】
【0035】
式中、Pは時刻「t」における皮相電力を表し、Vは時刻「t」における電圧を表し、Iは時刻「t」における電流を表し、PFは時刻「t」における力率を表す。P、V、I、およびPFの測定値は、エネルギバンク206-3がオフ状態である間のエネルギバンク206-3の測定値に対応する。
【0036】
一例において、ローカルデータ解析モジュール230は、エネルギバンク206-3がオン状態である間の、エネルギバンク206-3の電圧、電流、および力率の読取値を、コントローラ206-1から得てもよい。よって、エネルギバンクがオン状態のとき、Pt+tONは皮相電力を表し、Vt+tONは電圧を表し、PFt+tONは力率を表す。ローカルデータ解析モジュール230は、以下の式2および式3に基づいて、エネルギバンク206-3のKVARを計算してもよい。
【0037】
【数2】
【0038】
式中、Θは、オフ状態のエネルギバンク206-3のKVARを表し、Θt+tONは、オン状態のエネルギバンク206-3のKVARを表す。一例において、オフ状態およびオン状態のエネルギバンクのKVARをコントローラ206-1が計算してもよく、計算されたKVARを通信ゲートウェイ204におけるローカルデータ解析モジュール230が受信してもよい。
【0039】
ローカルデータ解析モジュール230は、エネルギバンクがON状態のとき、コントローラ206-1から得られた力率、電流、および電圧と関連する監視データおよび皮相電力Pに基づいて、エネルギバンク206-3の有効KVAR定格を計算する。一例において、有効KVARは、式(4)に示されるように計算してもよい。
【0040】
【数3】
【0041】
式中、EKVARはエネルギバンク206-3の有効KVARを表す。
ローカルデータ解析モジュール230はさらに、エネルギバンク206-3の有効KVAR定格と、予め定められたKVAR定格との差を計算する。一例において、予め定められたKVAR定格は、CBKVARで表される定格KVARである。よって、有効KVARと予め定められたKVARとの差は、式5において次のように表すことができる。
【0042】
【数4】
【0043】
式中、ΔPFnは、有効KVARと定格KVARとの差を表す。
ローカルデータ解析モジュール230はさらに、式(6)に示されるように、複数のサンプルについての、有効エネルギバンク定格と予め定められたエネルギバンク定格との差の平均を計算する。
【0044】
【数5】
【0045】
式中、ΔPFは、「n」個のサンプルについての、有効エネルギバンク定格と予め定められたエネルギバンクとの差の平均を示す。
【0046】
ローカルデータ解析モジュール230はさらに、上記差の平均と、予め定められたエネルギバンク定格、たとえばエネルギバンク206-3の定格KVARとに基づいて、エネルギバンク206-3の劣化ファクタを計算する。一例において、エネルギバンク206-3の劣化ファクタを、以下の式(7)に示されるように計算することができる。
【0047】
【数6】
【0048】
別の例において、ローカルデータ解析モジュール230は、リレーの起動からエネルギバンク206-3の力率の改善までの時間に基づいて、エネルギバンク206-3の起動応答時間を求める。ローカルデータ解析モジュール230は、起動応答時間に基づいて劣化ファクタを計算し、次に、機械学習モデルを使用してエネルギバンク206-3の寿命を予測してもよい。
【0049】
の値が小さいほど、エネルギバンクの性能は優れている。Dの値が大きいほど、エネルギバンクの性能は低下する。さらに、Dを用いることにより、以下のようにキャパシタバンクの残余寿命を導出することができる。一例において、通信ゲートウェイ204におけるローカルデータ解析モジュール230は、以下に示す式8に従い、劣化ファクタおよび予め定められた係数に基づいて、エネルギバンクの寿命(life span)を予測する。
【0050】
【数7】
【0051】
式中、Kは推定寿命係数である。一例において、推定寿命係数は、ローカルデータ解析モジュール230において予め定められてもよい。したがって、通信ゲートウェイ204は、ノード206から受信した監視データに基づいて、エネルギバンク206-3の寿命と関連するローカルインサイトを推定する。同様に、通信ゲートウェイ102-1~102-N等の通信ゲートウェイも、電力品質監視のために、それらが接続されるノード106-1~106-N等の対応するノードのエネルギバンクの寿命と関連するローカルインサイト等のローカルインサイトを推定することができる。
【0052】
別の例において、通信ゲートウェイ204のローカルデータ解析モジュール230は、ノード206のコントローラ206-1における部品故障と関連するローカルインサイトを推定する。一例において、コントローラ206-1はAPFCであってもよい。ローカルデータ解析モジュール230は、ノード206の力率の、予め定められたしきい値からの偏差を監視する。監視された、ノード206の力率の、予め定められたしきい値からの偏差に応じて、ローカルデータ解析モジュール230は、力率、コントローラ206-1のリレー位置、および対応する時刻と関連する監視データを含むログレポートを連続的に生成する。
【0053】
さらに、ローカルデータ解析モジュール230は、力率の、予め定められたしきい値からの偏差に応じて、ノード206内のリレーの起動後に、コントローラ206-1の力率が改善される時間間隔を監視する。ローカルデータ解析モジュール230は、ノード206の力率が改善される時間間隔が予め定められた時間間隔よりも大きい場合のインスタンスの数を特定する。一例において、予め定められた時間間隔は50秒である。ローカルデータ解析モジュール230は、監視された力率の偏差、ログレポート、およびインスタンスの数に基づいて、ノード206内の接触器、ヒューズ、およびキャパシタ等の電気部品における故障発生を予測する。一例において、ノード206の力率が改善される時間間隔が予め定められたしきい値を超える場合、このことは、エネルギバンク206-3の性能の低下、またはノード206の接触器もしくはヒューズの故障を示し得る。同様に、通信ゲートウェイ102-1~102-N等の通信ゲートウェイは、それが接続されるノード106-1~106-N等の対応するノードのコントローラにおける部品故障と関連するローカルインサイトを、電力品質監視のために推定することもできる。
【0054】
別の例において、通信ゲートウェイ204のローカルデータ解析モジュール230は、ノード206の高調波スペクトルと関連するローカルインサイトを推定する。一例において、ローカルデータ解析モジュール230は、ノード206における電圧、電流、全高調波歪み、力率、高次高調波、および低次高調波と関連する監視データに基づいて、ノード206における高調波汚染を予測する。一例において、ノード206の高調波スペクトルと関連するローカルインサイトは、機械学習技術を使用して推定されてもよい。同様に、通信ゲートウェイ102-1~102-N等の通信ゲートウェイも、それが接続されるノード106-1~106-N等の対応するノードの高調波スペクトルと関連するローカルインサイトを、電力品質監視のために推定することができる。
【0055】
別の例において、通信ゲートウェイ204のローカルデータ解析モジュール230は、ノード206における予測ネットワーク損失およびペイバックと関連するローカルインサイトを推定する。予測ネットワーク損失は、ネットワークにおける障害の発生に起因する、配電網における電力損失を意味する。予測ペイバックは、配電網におけるネットワーク損失に起因する、配電企業の損失タリフの予測値を意味する。同様に、通信ゲートウェイ102-1~102-N等の通信ゲートウェイは、それらが接続されるノード106-1~106-N等の対応するノードにおける予測ネットワーク損失およびペイバックと関連するローカルインサイトを、電力品質監視のために推定することもできる。
【0056】
通信ゲートウェイ204の送信モジュール232は、ローカルデータ解析モジュール230によって推定された電力品質監視と関連するローカルインサイトに応じて、ノード206と関連するローカルインサイトおよび監視データをサーバ202に送信する。同様に、通信ゲートウェイ102-1~102-N等の複数の通信ゲートウェイの各々の送信モジュール(図示せず)は、それらが接続されるノード106-1~106-N等の対応するノードの各々の電力品質監視と関連するローカルインサイトを、サーバ104または204に送信することができる。
【0057】
一例において、サーバ202におけるグローバルデータ解析モジュール226は、監視データおよびローカルインサイトに基づいて、電力品質監視のためのグローバルインサイトを推定する。グローバルインサイトは、配電網の電気部品の健全性および電力品質を示す。
【0058】
一例において、グローバルデータ解析モジュール226は、ノード106-1~106-N等のノードのエネルギバンクの予測された寿命と関連するローカルインサイトを受信したことに応じて、エネルギバンクの予測された寿命を検証する。一例において、エネルギバンク206-3の寿命のいくつかの推定値を、サーバ202がローカルインサイトから受けてもよい。グローバルデータ解析モジュール226は、機械学習技術を用い、予測解析をいくつかの推定値に適用することにより、監視されたデータおよびローカルインサイトを使用してエネルギバンク206-3の予測された寿命を検証してもよい。したがって、エネルギバンク206-3の寿命と関連するグローバルインサイトは、サーバ202におけるグローバルデータ解析モジュールによって推定されてもよい。同様に、ノード106-1~106-N等の他のノードにおけるエネルギバンクの寿命と関連するグローバルインサイトも、グローバルデータ解析モジュール226によって推定されてもよい。
【0059】
別の例において、グローバルデータ解析モジュール226は、ノード106-1~106-N等のノード内の部品のうちの1つにおける予測された故障の発生と関連するローカルインサイトの受信に応じて、それらのノードにおける予測された障害の発生を検証する。一例において、ノード206における部品故障と関連する推定されたいくつかのローカルインサイトをサーバ202が受信してもよい。グローバルデータ解析モジュール226は、機械学習技術を用い、予測解析を推定されたいくつかのローカルインサイトに適用することにより、監視されたデータおよびローカルインサイトを使用して、ノード206における部品故障と関連するローカルインサイトを検証してもよい。したがって、ノード106-1~106-N等のノードにおける部品故障と関連するグローバルインサイトを、サーバ202におけるグローバルデータ解析モジュール226が推定してもよい。
【0060】
別の例において、グローバルデータ解析モジュール226は、ノード106-1~ノード106-N等のノードの高調波スペクトルと関連するローカルインサイトを受信したことに応じて、ノード106-1~106-N等の複数のノードの各々における高調波スペクトルと関連するローカルインサイトおよび監視データに基づいて、配電網全体の高調波スペクトルを予測する。さらに、グローバルデータ解析モジュール226は、配電網内のノード106-1~107-N等の複数のノードの予測された高調波汚染および監視データに基づいて、配電網における高調波共振の発生を推定することができる。一例において、グローバルデータ解析モジュール226は、高調波共振の発生の推定のために機械学習技術を使用してもよい。
【0061】
別の例において、グローバルデータ解析モジュール226は、ノード106-1~106-N等のノードの予測ネットワーク損失およびペイバックと関連するローカルインサイトを受信したことに応じて、ノード106-1~106-N等のノードの各々の予測ネットワーク損失およびペイバックと関連するローカルインサイトおよび監視データに基づいて、配電網の予測ネットワーク損失およびペイバックを推定してもよい。
【0062】
サーバ202は、ローカルインサイトおよびグローバルインサイトの推定に応じて、推定されたローカルインサイト、グローバルインサイト、および監視されたデータに基づいて、配電網における電力品質を維持するために予防または修正動作を実行するための、オペレータに対する指示を生成する。一例において、サーバ202のインターフェイス212は、エネルギバンク206-3等のエネルギバンクの寿命がしきい値寿命未満であることを示すグローバルインサイトの推定に応じて、オペレータに対する視覚メッセージを生成することができるディスプレイ(図示せず)を含み得る。別の例において、音声アラームをインターフェイス212が生成してもよい。視覚メッセージおよびアラームは、エネルギバンク206-3等のエネルギバンクにおいてオペレータが実行する予防または修正動作を示す。一例において、予防または修正動作は、エネルギバンクを故障について検査すること、およびエネルギバンクを交換することのうちの1つであってもよい。
【0063】
別の例において、インターフェイス212は、ノード106-1~106-Nのうちのノードの1つにおける接触器またはヒューズが故障していることを示すグローバルインサイトの推定に応じて、オペレータに対する視覚メッセージまたは音声アラームを生成してもよい。視覚メッセージおよび音声アラームは、オペレータが実行すべき予防または修正動作を示す。一例において、予防または修正動作は、接触器またはヒューズを故障について検査すること、および接触器またはヒューズを交換することのうちの一方であってもよい。
【0064】
図3は、一例に係る、配電網における電力品質監視の方法300を示す。配電網は、ノード106-1~106-N等の複数のノードを含む。複数のノードの各々は、自動力率コントローラ(APFC)およびインテリジェント電子装置(IED)のうちの一方を含む。ノード106-1~106-N等の複数のノードの各々は、通信ゲートウェイ102-1~102-N等の複数の通信ゲートウェイのうちの対応する通信ゲートウェイに結合される。複数の通信ゲートウェイは、サーバ104または202等のサーバに結合される。方法300は、システム100または200等のシステムによって実行されてもよい。このシステムは、サーバと通信ゲートウェイとを含む。方法300は、任意の適切なハードウェア、プログラム可能命令、またはそれらの組み合わせを通じて、リソースまたは電気制御システムを処理することにより、実現することができる。一例において、方法300のステップは、ローカルデータ解析モジュール108または230、送信モジュール110または232、およびグローバルデータ解析モジュール112または226等のハードウェアまたはプログラミングモジュールによって実行されてもよい。方法300の以下の説明において、ある動作がデバイスのモジュールによって実施される/行われる/実行されると述べられている場合、その動作は当該デバイス自身によって実施される/行われる/実行されると理解することができる。したがって、ある動作が通信ゲートウェイのモジュールによって実施される/行われる/実行されると述べられている場合、その動作は通信ゲートウェイ自身によって実施される/行われる/実行されることが可能であると理解することができる。同様に、動作がサーバのモジュールによって実施される/行われる/実行されると述べられている場合、その動作はサーバ自身によって実施される/行われる/実行されることが可能であると理解することができる。さらに、方法300は上記システム100または200に関連して説明されているが、他の適切なシステムが方法300の実行のために使用されてもよい。方法300に含まれるプロセスを、非一時的なコンピュータ読取可能媒体に格納された命令に基づいて実行できることが、理解されるであろう。非一時的なコンピュータ読取可能媒体は、たとえば、デジタルメモリ、磁気ディスクおよび磁気テープ等の磁気記憶媒体、ハードドライブ、または光学的に読取可能なデジタルデータ記憶媒体を含み得る。
【0065】
図3を参照して、ブロック302において、通信ゲートウェイ204等の通信ゲートウェイが、通信ゲートウェイに結合されたノード206等のノードから監視データを受信する。監視データは、パラメータの測定され計算された値、ログ、およびノードで発生したイベントを示す。一例において、監視データは、電圧、電流、電圧の変化率、配電網における全高調波歪み、50次高調波までの高調波スペクトル、力率、ノードにおけるAPFC内のエネルギ蓄積要素の種類、温度、スイッチング過渡現象、APFC内のリレー位置の測定値およびログレポート等の、動作パラメータに関するデータを含み得る。
【0066】
ブロック304において、通信ゲートウェイが、たとえば通信ゲートウェイ204のローカルデータ解析モジュール230が、監視データに基づいて、電力品質監視のためのローカルインサイトを推定する。ローカルインサイトは、ノードにおける電気部品の健全性を示す。この推定は、通信ゲートウェイで実行される予測解析を用いて行われる。一例において、ローカルインサイトは、部品の寿命および部品における故障の発生と関連するデータを含む。電気部品の健全性は、電気部品の動作状態を示し、部品の寿命率、劣化の量、故障発生頻度、機能の不正確さ等で表されてもよい。
【0067】
一例において、エネルギバンク206-3等のエネルギバンクの寿命と関連するローカルインサイトを推定することができる。エネルギバンク206-3の寿命を推定するために、通信ゲートウェイ204等の通信ゲートウェイが、監視データをノード206から受信する。一例において、監視データを、ノード206のコントローラ206-1から受信してもよい。一例において、コントローラ206-1はAPFCであってもよい。エネルギバンクの寿命の推定と関連するローカルインサイトの推定方法については図4との関連で後述する。
【0068】
別の例において、通信ゲートウェイは、ノードにおける、たとえばノードのコントローラまたはAPFCにおける部品故障と関連するローカルインサイトを推定することができる。この例において、監視データは、コントローラまたはAPFCから受信される。通信ゲートウェイまたはモジュールは、たとえば通信ゲートウェイ204等の通信ゲートウェイのローカルデータ解析モジュール230は、予め定められたしきい値からの、ノードのコントローラまたはAPFCの力率の偏差を監視する。力率と関連する監視データと、APFCコントローラのリレー位置と、対応する時刻とを含むログレポートが、予め定められたしきい値からの、APFCの力率の監視された偏差に応じて、連続的に発生されている。予め定められたしきい値からの力率の偏差に応じて、APFC内のリレーの起動後に、APFCの力率が改善される時間間隔が監視される。APFCの力率が改善される時間間隔が予め定められた時間間隔よりも大きい場合のインスタンスの数が特定される。監視された力率の偏差、ログレポート、およびインスタンスの数に基づいて、ノード206等のノードの、コントローラ206-1等のコントローラまたはAPFCにおける、接触器、ヒューズ、およびキャパシタのうちの1つの故障が、予測される。
【0069】
別の例において、通信ゲートウェイは、特定のノードにおける高調波スペクトルと関連するローカルインサイトを推定することができる。この例において、コントローラまたはAPFCにおける高調波汚染は、ノード206のコントローラ206-1等のコントローラまたはAPFCにおける、電圧、電流、全高調波歪み、力率、高次高調波、および低次高調波と関連する監視データに基づいて、予測される。別の例において、通信ゲートウェイは、配電網内のノード106-1~106-N等の複数のノードのうちの特定のノードにおける、予測ネットワーク損失およびペイバックと関連するローカルインサイトを推定することができる。
【0070】
ブロック306において、通信ゲートウェイが、たとえば通信ゲートウェイ204の送信モジュール232が、電力品質監視のためのローカルインサイトの推定に応じて、複数のノードの各々と関連するローカルインサイトおよび監視データを、サーバ202等のサーバに送信する。一例において、ノード106-1~106-Nの各々と関連するローカルインサイトがサーバ104に送信される。
【0071】
ブロック308において、監視データおよびローカルインサイトに基づいて、電力品質監視のためのグローバルインサイトが推定される。グローバルインサイトは、サーバにおいて、たとえばサーバ104または202におけるグローバルデータ解析モジュール112または226において実行される予測解析を用いて推定される。グローバルインサイトは、配電網の電気部品の健全性および電力品質を示す。
【0072】
一例において、サーバは、配電網におけるエネルギバンクの予測寿命と関連するグローバルインサイトを推定することができる。監視されたデータおよびローカルインサイトを使用し、サーバにおいて実行される予測解析に基づいて、ローカルインサイトと関連するエネルギバンクの予測寿命を、サーバにおいて検証することができる。一例において、機械学習技術を、ローカルインサイトから得られた予測寿命の複数のサンプルから予測されたエネルギバンクの寿命の検証のために使用してもよい。
【0073】
別の例において、サーバは、配電網内の電気部品における予測された故障発生と関連するグローバルインサイトを推定することができる。一例において、電気部品は、ノードに、またはノードのAPFC等のコントローラに設置された、接触器、ヒューズ、エネルギバンク、およびキャパシタのうちの1つを含む。監視されたデータおよびローカルインサイトを使用し、サーバで実行される予測解析に基づいて、ローカルインサイトと関連する電気部品における予測された故障発生を、サーバにおいて検証してもよい。一例において、機械学習技術を、ローカルインサイトから得られた複数のサンプルから予測された電気部品の故障発生と関連するローカルインサイトの検証のために、使用してもよい。監視データおよびローカルインサイトを用いて、グローバルインサイトをサンプルから予測してもよい。
【0074】
別の例において、サーバは、配電網における高調波スペクトルと関連するグローバルインサイトを推定することができる。一例において、ノード106-1~106-N等のノードの高調波スペクトルと関連するローカルインサイトを受信したことに応じて、ノード106-1~106-N等の複数のノードの各々における高調波スペクトルと関連するローカルインサイトおよび監視データに基づいて、配電網全体の高調波スペクトルを予測してもよい。さらに、配電網における高調波共振の発生を、配電網内の複数のノードの複数のコントローラ/APFCの各々についての高調波汚染と関連する予測されたローカルインサイトと監視データとに基づいて、推定してもよい。
【0075】
別の例において、サーバは、配電網における予測ネットワーク損失およびペイバックと関連するグローバルインサイトを推定することができる。この例において、複数のノードの複数のAPFC/コントローラの各々からの予測ネットワーク損失およびペイバックと関連するローカルインサイトおよび監視データを受信する。複数のAPFCの各々における予測ネットワーク損失およびペイバックと関連するローカルインサイトおよび監視データに基づき、予測解析および機械学習技術を用いて、配電網の予測ネットワーク損失およびペイバックを推定してもよい。
【0076】
ブロック310において、電力品質監視のためのグローバルインサイトが推定されたことに応じて、推定されたローカルインサイト、グローバルインサイト、および監視されたデータに基づいて、オペレータに対する指示が生成される。この指示は、オペレータに、配電網における電力品質を維持するための予防または修正動作を実行するよう伝える/通知する。一例において、エネルギバンク206-3等のエネルギバンクの寿命がしきい値寿命未満であるという判断に応じて、視覚メッセージおよびアラームのうちの一方が、オペレータに対して生成される。視覚メッセージおよびアラームは、エネルギバンクにおいて予防または修正動作をオペレータが実行することを示す。予防または修正動作は、エネルギバンクにおいてメンテナンス活動を実行すること、またはエネルギバンクを交換することを含む。
【0077】
図4は、一例に係る、エネルギバンクの寿命と関連するローカルインサイトの推定のための方法400を示す。配電網は、ノード106-1~106-N等の複数のノードを含む。複数のノードの各々は、自動力率コントローラ(APFC)およびインテリジェント電子装置(IED)のうちの一方を含む。ノード106-1~106-N等の複数のノードの各々は、通信ゲートウェイ102-1~102-N等の複数の通信ゲートウェイのうちの対応する通信ゲートウェイに結合される。複数の通信ゲートウェイは、サーバ104または202等のサーバに結合される。方法400は、システム100または200等のシステムによって実行されてもよい。このシステムは、サーバと通信ゲートウェイとを含む。方法400は、任意の適切なハードウェア、プログラム可能命令、またはそれらの組み合わせを通じて、リソースまたは電気制御システムを処理することにより、実現することができる。一例において、方法400のステップは、通信ゲートウェイ102または204のローカルデータ解析モジュール108または230等のハードウェアまたはプログラミングモジュールによって実行されてもよい。方法400の以下の説明において、ある動作がデバイスのモジュールによって実施される/行われる/実行されると述べられている場合、その動作は当該デバイス自身によって実施される/行われる/実行されると理解することができる。したがって、ある動作が通信ゲートウェイのモジュールによって実施される/行われる/実行されると述べられている場合、その動作は通信ゲートウェイ自身によって実施される/行われる/実行されることが可能であると理解することができる。さらに、方法400は上記システム100または200に関連して説明されているが、他の適切なシステムが方法400の実行のために使用されてもよい。方法400に含まれるプロセスを、非一時的なコンピュータ読取可能媒体に格納された命令に基づいて実行できることが、理解されるであろう。非一時的なコンピュータ読取可能媒体は、たとえば、デジタルメモリ、磁気ディスクおよび磁気テープ等の磁気記憶媒体、ハードドライブ、または光学的に読取可能なデジタルデータ記憶媒体を含み得る。
【0078】
図4を参照して、ブロック402において、エネルギバンク206-3等のエネルギバンクの皮相電力が、エネルギバンクがオフ状態のときに、コントローラ206-1等のコントローラまたはAPFCから得られた力率、電流、および電圧と関連する監視データに基づいて、計算される。
【0079】
ブロック404において、有効エネルギバンク定格が、エネルギバンクがオン状態のときに、APFCから得られた力率、電流、および電圧と関連する監視データおよび皮相電力に基づいて、計算される。
【0080】
ブロック406において、有効エネルギバンク定格と予め定められたエネルギバンク定格との差が計算される。一例において、有効エネルギバンク定格は、力率、電流、および電圧等の動作パラメータに基づいて計算されたエネルギバンクのキロボルトアンペア無効(KVAR)定格に対応し得るものであり、予め定められたエネルギバンク定格は、エネルギバンクの仕様において指定されたエネルギバンクの定格KVARに対応し得る。一例において、有効KVARまたは有効エネルギバンク定格の複数の値が計算され、それに基づいて、有効エネルギバンク定格と予め定められたエネルギバンク定格との差の複数のサンプルが計算される。
【0081】
ブロック408において、複数のサンプルについての、有効エネルギバンク定格と予め定められたエネルギバンク定格との差の平均が、計算される。ブロック410において、エネルギバンクの劣化ファクタが、上記差の平均および予め定められたエネルギバンク定格に基づいて計算される。ブロック412において、エネルギバンクの寿命が、劣化ファクタおよび予め定められた係数に基づいて計算される。
図1
図2
図3
図4