IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハンス エティカー アーゲー マシーネン− ウント アパラーテファブリークの特許一覧

<>
  • 特許-ホースクランプ 図1
  • 特許-ホースクランプ 図2
  • 特許-ホースクランプ 図3
  • 特許-ホースクランプ 図4
  • 特許-ホースクランプ 図5
  • 特許-ホースクランプ 図6
  • 特許-ホースクランプ 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】ホースクランプ
(51)【国際特許分類】
   F16L 33/025 20060101AFI20230502BHJP
   F16L 33/035 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
F16L33/025
F16L33/035
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021548186
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 EP2019082696
(87)【国際公開番号】W WO2020169223
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】19158911.8
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514052379
【氏名又は名称】オエティカ シュヴァイツ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】ベター・アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ベージガー・マキシム
(72)【発明者】
【氏名】ウィドリグ・マルクス
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-510113(JP,A)
【文献】特表2018-525577(JP,A)
【文献】特開平07-198077(JP,A)
【文献】特開昭49-008656(JP,A)
【文献】国際公開第2018/007238(WO,A1)
【文献】特開2016-169808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 33/02-33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランプバンド(10)を備えるホースクランプであって、前記クランプバンド(10)は、当該ホースクランプをクローズさせるためのフック(12、19)が配置され、当該ホースクランプが閉じられた状態において互いに重なり合うバンドセクションと、アウターバンドセクションに配置された、当該ホースクランプをクランプ対象の周りに締め付けるための締め付け装置(15)と、を有しており、前記クランプバンド(10)の、重なったインナー端部が、前記クランプバンド(10)に比べて幅の狭いタン(11)として形成され、前記アウターバンドセクションが、前記タン(11)を受けるためのタンチャネル(45)を有するホースクランプにおいて、
前記タン(11)は、外側に突出したサイドウエブ(42)とそれらの間に位置する中間の底部(43)の形成とともに前記クランプバンド(10)から打ち抜かれ、前記クランプバンド(10)により形成された前記底部(43)は、前記サイドウエブ(42)の高さまで連続的に上昇することを特徴とするホースクランプ。
【請求項2】
請求項1記載のホースクランプであって、
前記タン(11)の前記サイドウエブ(42)の高さが前記タンチャネル(45)の深さに対応しているホースクランプ。
【請求項3】
請求項1または2記載のホースクランプであって、
前記タンチャネル(45)は、前記クランプバンド(10)から切りとられ、前記クランプバンド(10)の側部に、ウエブ(13)を介して接続されたバンド状円弧部(14)を有するホースクランプ。
【請求項4】
請求項3記載のホースクランプであって、
両側に設けられた前記ウエブ(13)は、互いに対して、前記ホースクランプの周方向にずれているホースクランプ。
【請求項5】
請求項3記載のホースクランプであって、
両側に設けられた前記ウエブ(13)は、前記ホースクランプの周方向において対になって対向しているホースクランプ。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のホースクランプであって、
前記タンチャネル(45)と前記クランプバンド(10)のそれぞれの横方向エッジとの間の、前記タンチャネル(45)の両側に、補強ビード(52)が形成されているホースクランプ。
【請求項7】
請求項6記載のホースクランプであって、
前記補強ビード(52)は、それぞれ、前記タンチャネル(45)の全長に沿ってまたはその一部のみに沿って延びているホースクランプ。
【請求項8】
請求項6または7記載のホースクランプであって、
前記補強ビード(52)が、連続したチャネルとして形成されているホースクランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例えばホースをパイプニップルに接続するためのホースクランプは、通常、締め付け時に、クランプバンドの内側面がホースとその全周に渡って隙間なく接触し、かつホースとパイプニップルとの間に連続的な表面圧がかかるように所定の呼び径で設計されている。
【0002】
ホースクランプはWO2017/005283A1から知られており、クランプバンドのアウターセクションは、複数の開口部と、取り付け対象パーツの周りにホースクランプを締め付けるためのイヤー状の締め付け手段と、を有しており、インナーエンドセクションは、ホースクランプを閉じるために開口に留めることができるフックを有している。さらに、アウタークランプバンドセクションには、クランプバンドのインナーエンドに設けられたタンを受けて案内するためのタンチャネルが設けられている。タンチャネルは、クランプバンドから切り取られたバンド状の円弧部により形成され、クランプバンドの側部に接続ウエブを介して接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/005283号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術に係る同等のホースクランプで生じるデメリットを少なくとも部分的に解消するという一般的な目的に基づく。本発明のより具体的な目的は、タンのエリアでインナーバンドセクションおよびアウターバンドセクションを接続する部分が高強度なホースクランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題の解決は、請求項1において特定されるホースクランプにより達成され、このホースクランプは、ホースクランプが閉じられた状態において重なり合うバンドセクションを有し、ホースクランプを閉じるためのフックが配置されたクランプバンドと、アウターバンドセクションに配置され、クランプ対象の周りにホースクランプを締め付けるための締め付け装置と、を備えており、クランプバンドの、重なったインナーエンドは、クランプバンドよりも幅の狭いタンとして設計されており、アウターバンドセクションは、タンを受けるタンチャネルを有している。この場合、タンは、クランプバンドから打ち抜かれて、外側に突出したサイドウェブとそれらの間に位置する中間の底部とを形成しており、クランプバンドにより形成された底部は、サイドウエブの高さまで連続的に上昇する。
【0006】
本発明に係るタンの構造により、タンとフルバンド幅のバンドセクションとの間がなめらかに移行するとともに、インナーバンドセクションからアウターバンドセクションまで圧力が均一に分布する。
【0007】
好ましくは、タンチャネルは、クランプバンドから切り出され、接続ウエブを介してクランプバンドの側部に接続されたバンド状円弧部を有しており、両側に設けられた接続ウエブが、互いに対してホースクランプの周方向にオフセットしている。これにより、ホースクランプが長くても、バンド状円弧部が崩れるのが防止される。
【0008】
タンチャネルのエリアにおけるホースクランプの安定性を向上させるため、横方向の補強ビードはタンチャネルとクランプバンドのそれぞれのエッジとの間のタンチャネルまたはバンド状円弧部の両側に設けることができる。
【0009】
冷間成形加工によりタンが高強度となるため、バンドのインナーセクションおよびアウターセクションが相互に位置合わせ(センタリング)する特性を損なうことなく、コンパクトに形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下において、本発明の2つの実施形態を、図面を参照しながらより詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る、閉じられた状態のホースクランプを示し、
図2は、伸ばされた状態のホースクランプを示し、
図3は、閉じたホースクランプの内側から見た、タンチャネルに係合しているタンを示し、
図4は、タン端部の径方向外側を示し、
図5および6は、それぞれ、閉じられた状態における外側および内側から見た、本発明の別の実施形態に係る、伸ばされた初期状態のホースクランプを示し、
図7は、別の実施形態に係るクランプバンドのバンド状円弧部の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1および2に示すホースクランプは開放式のクランプバンド10から構成されており、これは、図2の左上に位置するインナークランプバンド端から順に、タン11と、一列の位置決めフックと、2つの平行な長手方向の切り込みによってクランプバンド10から切り取られ、ウエブ13を介してクランプバンド10の側部に接続されたバンド状円弧部14と、外側に曲げられた一対の脚部およびそれらを接続するウエブを有し、ビード16により補強されたいわゆる"オエティカ"イヤーの形態の締め付け装置15と、リリースフード17と、を備えており、他方のアウターバンドセクションには、関連するオープンフード18を有する3つの引っ張りフック19を備えている。
【0012】
ここで説明するホースクランプは、特に、熱可塑性プラスチック、またはショア硬度が高く、かつ変形しにくい他の材料で形成された、例えばカルダンシャフトで用いられるベローズをシールして固定するためのものである。
【0013】
使用時には、閉じられた状態でメーカから提供されたホースクランプを、パイプニップルおよびそれを囲むホースなどの、締結すべき部品に軸方向に押しつけるか、あるいは、径方向に組み付けるために開いて、締結すべき部品の周りに、タン11がバンド状円弧部14の下にくるように配置する。その後、3つの引っ張りフック19を、締結すべきそれぞれ部品の可能な限り最小の直径に対応する位置決めフック12に係合する。
【0014】
図3および4を参照すると、タン11は、クランプバンド10の幅がフルバンド幅からタンエンドセクション41の縮小された幅まで連続的に減少する台形状の移行領域40を有している。
【0015】
タンエンドセクション41は、外側に突出したサイドウエブ42およびそれらの間に位置する中間の底部43が形成されながらクランプバンド10から打ち抜かれ、クランプバンド10によって形成された底部43は、サイドウエブ42の高さまで連続的に上昇する。
【0016】
図3で想定されているホースクランプが閉じられた状態では、バンド状円弧部14により形成されたタンチャネル45にタンエンドセクション41が係合しており、サイドウエブ42の高さがタンチャネル45の深さに対応している。
【0017】
図1および2に示すように、タンチャネル45のバンド状円弧部14とクランプバンド10の側部とを接続する両側のウエブ13は、互いに対して、ホースクランプの周方向に半ピッチずつずれている。その結果、バンド状円弧部14は、少ない数のウエブ13で、崩れないように最適に支持される。
【0018】
図5ないし7は本発明の別の実施形態を示しており、タンチャネル45として機能するバンド状円弧部14が配置されたクランプバンド10のセクションに横方向の補強ビード52が設けられている。
【0019】
このクランプバンドセクションは特に応力がかかるため破損しやすい。補強ビード52は、好ましくは、その全長においてチャネル形状を有し、タンチャネルの両側に配置されており、このエリアにおいてホースクランプを安定させるのに特に効果的である。
【0020】
別の実施形態では、バンド状円弧部の部分の補強ビード52に加えて、ホースクランプが閉じられた状態において締め付け装置15の下に配置されるクランプバンド10の領域にも補強ビード50、51が設けられている。ホースクランプが閉じられた状態では、ホース直径に応じて、1つ以上の位置決めフック12が、対応する数の引っ張りフック19に係合している。そのタン側では、バンドのインナーエンドの一部が締め付け装置15下の位置に到達している。クランプバンドの問題となる部分に設けられた横方向の波形ビード51により、クランプバンド10が、締め付け装置15の下において径方向の座屈に対して安定化する。波形ビード51は、断続的なチャネルの形態で設計することも、一連の個々のビードとして設計することもできる。クランプバンドの両側においてで、それらはそれぞれまとまって、連続したチャネル形状の補強ビード50になる。
【0021】
本実施形態では、補強ビード50、51、52は、ホースクランプの全体的な安定性に共同で寄与するため、位置決めフック12の部分およびバンド状円弧部14の部分の両方に設けられている。ただし、補強または波形ビード50、51のみ、あるいは補強ビード52のみを設けることも考えられる。
【符号の説明】
【0022】
10:クランプバンド
11:タン
12:位置決めフック
13:ウエブ
14:バンド状円弧部
15:締め付け装置
16:ビード
17:リリースフード
18:オープンフード
19:引っ張りフッ
0:移行領域
41:タンエンドセクション
42:タン11のサイドウエブ
43:タン11の底部
45:タンチャネル
50:補強ビード
51:波形ビード
52:補強ビード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7