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特許7273186船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッド及び海上テスト方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッド及び海上テスト方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 79/30 20200101AFI20230502BHJP
   B63J 99/00 20090101ALI20230502BHJP
   B63H 21/17 20060101ALI20230502BHJP
   B63H 21/20 20060101ALI20230502BHJP
   B63B 79/10 20200101ALI20230502BHJP
   B63H 21/38 20060101ALI20230502BHJP
   B63H 21/32 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
B63B79/30
B63J99/00 A
B63H21/17
B63H21/20
B63B79/10
B63H21/38 B
B63H21/32 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021562850
(86)(22)【出願日】2020-08-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-29
(86)【国際出願番号】 KR2020011588
(87)【国際公開番号】W WO2022045410
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2021-12-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0106031
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513107735
【氏名又は名称】コリア インスティチュート オブ オーシャン サイエンス アンド テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】カン,ヒ ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン シク
(72)【発明者】
【氏名】シム,ヒョン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ソ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ジャン ピョ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ユン ホ
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102183371(CN,A)
【文献】韓国登録特許第1774728(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0049351(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-2106022(KR,B1)
【文献】中国実用新案第206644983(CN,U)
【文献】特開平3-248995(JP,A)
【文献】特開2019-10984(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3130532(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 79/30
B63B 79/10
B63J 99/00
B63H 21/17
B63H 21/20
B63H 21/38
B63H 21/32
G01R 31/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気推進システムを備えた船舶の主発電機に接続され、前記主発電機による電力生産量を代替して前記船舶の推進動力源として利用できるように設けられる電力提供部と、
前記電力提供部による前記船舶の推進過程で、一つ以上の船舶適用試験を行い、前記電力提供部が前記船舶の推進動力源として利用可能であるか否かを判断する船舶適用性評価部と、を含むことを特徴とする、船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッドであって、
前記船舶適用性評価部は、
定格電流/全負荷試験、短絡電流試験、充電及び再充電エネルギー試験、直交流側過電圧及び不足電圧保護機能試験、周波数上昇及び低下保護機能試験、温度上昇試験、系統電圧瞬間停電及び瞬間降下試験、効率試験、力率測定試験、入力電力急変試験、系統電圧急変試験、系統電圧位相急変試験、感電保護試験、出力短絡試験及び出力過負荷試験のうちの少なくとも一つの試験を行うことを特徴とする、船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッド。
【請求項2】
前記電力提供部は、一つ以上の燃料電池(fuel cell)、バッテリー(battery)、無炭素燃料エンジン、及び無炭素燃料混焼エンジンのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッド。
【請求項3】
前記電力提供部は、
前記船舶の主発電機に接続されたDCグリッドベースの配電盤またはACグリッドベースの配電盤と電気的に接続されることを特徴とする、請求項2に記載の船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッド。
【請求項4】
前記船舶適用性評価部は、
前記電力提供部の前記燃料電池が前記DCグリッドベースの配電盤に接続された状態で前記主発電機による電力生産量を代替して電力を提供する場合、前記燃料電池の出力安定性、燃料消耗率及び温湿度を測定及び記録することを特徴とする、請求項3に記載の船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッド。
【請求項5】
前記船舶適用性評価部は、
前記電力提供部の前記バッテリーが前記DCグリッドベースの配電盤に接続された状態で前記主発電機による電力生産量を代替して電力を提供する場合、前記バッテリーの出力安定性、燃料消費率及び温湿度を測定及び記録することを特徴とする、請求項3に記載の船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッド。
【請求項6】
前記船舶適用性評価部は、
前記電力提供部の前記無炭素燃料エンジンまたは無炭素燃料混焼エンジンが前記主発電機による電力生産量を代替して電力を提供する場合、前記主発電機に接続された機関制御システム(MCS)から冷却水温度、潤滑油温度及びRPMの情報を取得することを特徴とする、請求項2に記載の船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッド。
【請求項7】
前記船舶適用性評価部は、
前記電力提供部の前記無炭素燃料エンジンまたは無炭素燃料混焼エンジンが前記主発電機による電力生産量を代替して電力を提供する場合、前記船舶に既に設置された一つ以上のセンサーから燃料スリップ有無及び排気物質排出情報を取得することを特徴とする、請求項2に記載の船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッド及び海上テスト方法に係り、より具体的には、環境にやさしい船舶を開発するのに必要不可欠な船舶用バッテリー、燃料電池、無炭素燃料エンジン、無炭素燃料混焼(mixed-combustion)エンジン及び異種の環境低負荷代替燃料を活用するハイブリッド推進システムの船舶適用性を試験、評価し、トラックレコード(Track record)を確保することができる、船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッド及び海上テスト方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際海事機関(IMOは、International Maritime Organization)が、船舶から排出される温室効果ガスの量を2050年までに2008年比で少なくとも50%削減することを決定することにより、一定レベル以上の二酸化炭素を排出する船舶はもはや建造又は運営することができなくなってきている。ヨーロッパなどでは、環境にやさしい船舶の開発のためにバッテリーや燃料電池、無炭素燃料燃焼エンジンに対する技術開発を進行中であり、バッテリーや燃料電池を推進動力源として活用する多数の試験船舶を建造して運用中である。これは、陸上での安全性の検証を受けた船舶用の燃料電池、バッテリーであっても、実際の船舶に適用して運用するときに波による船舶の6自由度運動と垂直/水平加速度の発生、塩分混じりの外気と振動などの影響を完全に考慮することは困難であるから、大きな費用と時間がかかる。
【0003】
船舶の設計から建造までにかかる期間は、通常2年~3年以上であって、新しい環境低負荷代替燃料技術が開発されるたびに試験船舶を設計及び建造して運行するヨーロッパ―の事例に従う場合、零細な中小企業が開発した環境低負荷代替燃料技術を実際の船舶に搭載、運用し、トラックレコード(Track Record)を確保して輸出することは、数十億ウォン~数百億ウォンの費用と3年以上の時間負担が発生しているのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、かかる問題点を解決するために案出されたもので、その目的は、環境にやさしい船舶を開発するのに必要不可欠な船舶用バッテリー、燃料電池、無炭素燃料エンジン、無炭素燃料混焼(mixed-combustion)エンジン、及び異種の環境低負荷代替燃料を活用するハイブリッド推進システムの船舶適用性を試験、評価し、トラックレコード(Track record)を確保することができる、船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッド及び海上テスト方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態による船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッドは、電気推進システムを備えた船舶の主発電機に接続され、前記主発電機による電力生産量を代替して前記船舶の推進動力源として利用できるように設けられる電力提供部と、前記電力提供部による前記船舶の推進過程で、一つ以上の船舶適用試験を行い、前記電力提供部が船舶の推進動力源として利用可能であるか否かを判断する船舶適用性評価部と、を含むことを特徴とすることができる。
【0006】
一実施形態において、前記電力提供部は、一つ以上の燃料電池(fuel cell)、バッテリー(battery)、無炭素燃料エンジン、及び無炭素燃料混焼エンジンのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とすることができる。
【0007】
一実施形態において、前記電力提供部は、前記船舶の主発電機に接続されたDCグリッドベースの配電盤またはACグリッドベースの配電盤と電気的に接続されることを特徴とすることができる。
【0008】
一実施形態において、前記船舶適用性評価部は、前記電力提供部の前記燃料電池が前記DCグリッドベースの配電盤に接続された状態で前記主発電機による電力生産量を代替して電力を提供する場合、前記燃料電池の出力安定性、燃料消耗率及び温湿度を測定及び記録することを特徴とすることができる。
【0009】
一実施形態において、前記船舶適用性評価部は、前記電力提供部の前記バッテリーが前記DCグリッドベースの配電盤に接続された状態で前記主発電機による電力生産量を代替して電力を提供する場合、前記バッテリーの出力安定性、燃料消費率及び温湿度を測定及び記録することを特徴とすることができる。
【0010】
一実施形態において、前記船舶適用性評価部は、前記電力提供部の前記無炭素燃料エンジンまたは無炭素燃料混焼エンジンが前記主発電機による電力生産量を代替して電力を提供する場合、前記主発電機に接続された機関制御システム(MCS)から冷却水温度、潤滑油温度及びRPMの情報を取得することを特徴とすることができる。
【0011】
一実施形態において、前記船舶適用性評価部は、前記電力提供部の前記無炭素燃料エンジンまたは無炭素燃料混焼エンジンが前記主発電機による電力生産量を代替して電力を提供する場合、前記船舶に既に設置された一つ以上のセンサーから燃料スリップ有無及び排気物質排出情報を取得することを特徴とすることができる。
【0012】
一実施形態において、前記船舶適用性評価部は、定格電流/全負荷試験、短絡電流試験、充電及び再充電エネルギー試験、直交流側過電圧及び不足電圧保護機能試験、周波数上昇及び低下保護機能試験、温度上昇試験、系統電圧瞬間停電及び瞬間降下試験、効率試験、力率測定試験、入力電力急変試験、系統電圧急変試験、系統電圧位相急変試験、感電保護試験、出力短絡試験及び出力過負荷試験のうちの少なくとも一つの試験を行うことを特徴とすることができる。
【0013】
本発明の他の実施形態に係る船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テスト方法は、電気推進システムを備えた船舶の主発電機に接続された電力提供部を介して、前記主発電機による電力生産量を代替して前記船舶の推進動力源として電力を提供するステップと、前記電力提供部による前記船舶の推進過程で、船舶適用性評価部で一つ以上の船舶適用試験を行い、前記電力提供部が前記船舶の推進動力源として利用可能であるか否かを判断するステップと、を含むことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、電気推進システムを備えた船舶に複数の燃料電池(Fuel Cell)、バッテリー(Battery)、無炭素燃料エンジン及び無炭素燃料混焼エンジン(Mixed Combustion)を搭載し、船舶の主発電機の電力生産量を0~100%まで自由に代替して供給することにより、研究開発された燃料電池、バッテリー、混焼エンジンが船舶のサービス電力供給のための発電機又は主発電機を代替することができるか、運用中に火災、爆発、短絡の危険はないか、設計された信頼性を備えているかを海上で実証し、トラックレコード(Track Record)を確保することができるという利点を持つ。
【0015】
また、本発明の一態様によれば、様々な種類の電動機、インバータ及び電気推進システムの発電源として活用される信頼性及び安全性評価設備が一緒に設置され、試験及び実証、トラックレコードの確保を行うことができるという利点を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッド100の構成を示す図である。
図2図1に示された船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッド100のシステム的構成を示す図である。
図3図1の電力提供部110がDCグリッドベースの配電盤に接続された状態の構成を示す図である。
図4図1の電力提供部110がACグリッドベースの配電盤に接続された状態の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の理解を助けるために好適な実施形態を提示する。ところが、下記の実施形態は、本発明をより容易に理解するために提供されるもので、本発明の内容を限定するものではない。
【0018】
図1は本発明の一実施形態に係る船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッド100の構成を示す図、図2図1に示された船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッド100のシステム的構成を示す図である。
【0019】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る船舶用環境調和型推進システムの海上実証及びトラックレコード確保のための海上テストベッド100は、大きく電力提供部110と船舶適用性評価部120を含んで構成される。
【0020】
まず、電力提供部110は、電気推進システムを備えた船舶の主発電機に接続されるが、前記主発電機による電力生産量を代替して前記船舶の推進動力源として利用できるように設けられる。
【0021】
より具体的には、電気推進システムを備えた船舶は、燃料タンク内の燃料及び主発電機を用いて運航に必要な電力を生産するが、本発明の電力提供部110は、このような主発電機に接続されることにより、主発電機の電力生産量を0%から100%まで代替して船舶の推進動力源として利用可能な電力を生産する役割を果たす。
【0022】
このような電力提供部110は、複数の燃料電池(Fuel cell)、バッテリー(Battery)、無炭素燃料エンジン及び無炭素燃料混焼エンジン(Mixed Combustion)を含む。したがって、後述される船舶適用性評価部120は、このような電力提供部110が船舶の主発電機による電力生産量を0%~100%の範囲内で十分に代替し、電力負荷を分担することができるか否かを様々な試験によってテスト及び判断する。
【0023】
このような電力提供部110は、船舶の主発電機に接続されたDCグリッドベースの配電盤またはACグリッドベースの配電盤と電気的に接続されるが、これについては後述する。一方、ここで、配電盤とは、船舶に設置されるスイッチボード(EMS)を意味することができる。
【0024】
船舶適用性評価部120は、電力提供部110による船舶の推進過程、或いは主発電機の電力生産量代替過程で、様々な船舶適用試験を行うことにより、電力提供部110が船舶の推進動力源として主発電機を代替して利用可能であるか、運用中に火災、爆発、短絡の危険性はないか、設計された信頼性を備えているかなどを海上で実証し、またトラックレコード(Track Record)を確保する役割を果たす。これについては図3及び図4を参照してより具体的に考察する。
【0025】
図3図1の電力提供部110がDCグリッドベースの配電盤に接続された状態の構成を示す図、図4図1の電力提供部110がACグリッドベースの配電盤に接続された状態の構成を示す図である。
【0026】
図3を参照すると、電力提供部110の燃料電池、バッテリー、無炭素燃料エンジン、無炭素燃料混焼エンジンは、DCグリッドベースの配電盤と電気的に接続される。この時、DCグリッドベースの配電盤には、負荷ごとにDC/ACインバータが設けられる。
【0027】
この時、船舶適用性評価部120は、燃料電池とDCグリッドベースの配電盤との間の電気的接続状態で、燃料電池が主発電機による電力生産量を代替して電力を提供する場合、燃料電池の出力安全性、燃料消耗率及び温湿度などの環境条件を記録して運用信頼性を実証する。
【0028】
また、船舶適用性評価部120は、バッテリーとDCグリッドベースの配電盤との電気的接続状態で、バッテリーが主発電機による電力生産量を代替して電力を提供する場合、バッテリーの出力安全性、燃料消費率及び温湿度などの環境条件を記録して運用信頼性を実証する。
【0029】
また、船舶適用性評価部120は、電力提供部の前記無炭素燃料エンジンまたは無炭素燃料混焼エンジンが前記主発電機による電力生産量を代替して電力を提供する場合、前記主発電機に接続された機関制御システム(MCS)から冷却水温度、潤滑油温度及びRPMの情報を取得する。
【0030】
一実施形態において、船舶適用性評価部120は、船舶に既に設置された潤滑油、冷却水及び燃料供給パイプに接続され、自体煙突(排気口)或いは船舶に設置される煙突に接続可能に設けられる。このとき、船舶適用性評価部120は、船舶に既に設置された一つ以上のセンサーから燃料スリップ有無及び排気物質排出情報を取得することができる。ここで、排気物質排出情報とは、NOx、SOx、PM、GHGなどの情報を意味する。
【0031】
また、図4に示すように、船舶適用性評価部120がACグリッドベースの配電盤に接続されるが、主発電機の電力を燃料電池、大容量バッテリー及び混焼エンジンが完全に代替した海上実証のために、船舶適用性評価部120は、ACグリッドベースの配電盤を介して船舶の主推進発電機に接続できる。この場合、短絡による運航不可、船舶の漂流を防ぐために、2軸の主発電機のうちいずれか一つの発電機のみに接続される。
【0032】
また、一実施形態において、船舶の主推進発電機容量以上の統合負荷試験をサポートすることができるように、本発明に係る海上テストベッドのDCグリッドは、船舶の主推進発電機の発電容量以上の電力負荷を提供するように構成できる。
【0033】
以上では、本発明の好適な実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、下記の請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱することなく、本発明に多様な修正及び変更を加え得るのを理解することができるだろう。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明によれば、環境にやさしい船舶を開発するのに必要不可欠な船舶用バッテリー、燃料電池、無炭素燃料エンジン、無炭素燃料混焼(mixed-combustion)エンジン及び異種の環境低負荷代替燃料を活用するハイブリッド推進システムの船舶適用性を試験、評価し、トラックレコード(Track record)を確保することができるので、本発明は、造船海洋産業分野で広く利用してその実用的かつ経済的な価値を実現することができる技術である。
図1
図2
図3
図4