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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】製品入り外袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/04 20060101AFI20230502BHJP
   B65D 33/25 20060101ALI20230502BHJP
   B65B 9/02 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
B65D75/04
B65D33/25 Z
B65B9/02
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022097805
(22)【出願日】2022-06-17
(62)【分割の表示】P 2022523302の分割
【原出願日】2022-01-06
(65)【公開番号】P2022151881
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2022-06-17
(31)【優先権主張番号】P 2021053088
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000147316
【氏名又は名称】株式会社生産日本社
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(72)【発明者】
【氏名】野口 ▲隆▼之
(72)【発明者】
【氏名】久玉 達也
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-188224(JP,A)
【文献】特開2016-098035(JP,A)
【文献】特許第7093906(JP,B1)
【文献】特開平01-111614(JP,A)
【文献】登録実用新案第3187795(JP,U)
【文献】特開昭51-030081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/00-75/70
B65D 30/00-33/38
B65B 9/02-9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体を、樹脂フィルムを基材とする外包装用の外袋で包み込んで、前記袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋であって、
前記外袋は、第1側辺と、該第1側辺に対向する第2側辺と、向かい合う前記第1側辺の端部と前記第2側辺の端部とをそれぞれ結ぶ接着シールと、前記袋体を順々に充填機に供給する給袋工程において前記製品入り外袋を前記第2側辺が前記第1側辺よりも下方となるように垂下した状態で支持するときに保持される被保持部と、前記給袋工程における前記複数個の袋体の取出し口と、を有し、
前記外袋は、前記第1側辺の縁に沿って設けられた肉厚部を更に有し、
前記外袋は、前記第1側辺の縁に沿って開口する第1開口部と、前記肉厚部かつ前記被保持部として前記第1開口部の縁に沿って前記基材の内壁側に設けられた第1嵌合具と、前記取出し口として前記第2側辺の縁に沿って開口する第2開口部と、該第2開口部の縁に沿って前記基材の内壁側に設けられた第2嵌合具と、を更に有し、
前記第1嵌合具及び前記第2嵌合具は、それぞれ咬合されており、かつ、
前記第1嵌合具は、弱咬合部を有さず、かつ、
前記第2嵌合具は、前記接着シールに隣接する部分のいずれか一方又は両方のうち前記第2嵌合具の端部から所定の間隔をあけた位置に弱咬合部を有することを特徴とする製品入り外袋。
【請求項2】
前記第1側辺の縁と前記肉厚部との距離をd1、前記第2側辺の縁と前記第2嵌合具との距離をd2としたとき、d1<d2の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の製品入り外袋。
【請求項3】
前記外袋は、前記基材の内壁同士が接触した部分を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の製品入り外袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、製品入り外袋に関し、特に、複数の製品について製品同士の相対的位置関係を固定したまま包み込んで、ひとまとまりとする製品入り外袋に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、販売の目的とされる商品を直接包装する形態を一次包装という。一次包装の形態とされた商品を決められた数量に従い、さらに箱又は袋に包装する形態を二次包装という。商品は一次包装又は二次包装の形態にて消費者に渡される。さらに、二次包装の形態の商品を決められた数量に従い、バルクハンドリング、倉庫保管及び輸送等の目的のために梱包箱等に入れる形態を三次包装という。また、一次包装の形態にされた商品を、二次包装の形態とせずに、三次包装の形態とすることもある。
【0003】
例えば、円筒状の小巻ロール(「商品」に相当する。)の円筒側面を包装用フィルムに巻き付けたのち、包装フィルムの側面を熱融着し、さらに円筒の上面側と下面側に位置する包装用フィルムをそれぞれ閉じて熱融着して、小巻ロールを一次包装する技術がある(例えば、特許文献1の図25図29を参照。)。
【0004】
なお、製袋メーカーにとっては、販売の目的とされる商品が包装資材となる袋体であるため(例えば、特許文献2を参照。)、本明細書では、包装資材としての袋体が販売の目的とされる商品である場合、包装資材ではない商品(通常の商品のことであり、以降、非包装資材商品ともいう。)との区別のために、当該袋体を「製品」と称することがある。また、袋体を包む包装を外袋と称することがある。
【0005】
非包装資材商品が入った嵌合具付き袋が小売店に陳列されるまでは、まず、(1)製袋工程:製袋メーカーが袋体を製造してさらに外袋に収容し、(2)運送工程1:袋体を非包装資材商品のメーカーに納入し、(3)給袋工程:外袋から袋体を取り出し、(4)充填工程:非包装資材商品を袋体に充填し、(5)運送工程2:袋体に充填された非包装資材商品を小売店に搬送して一般消費者へと渡る、というルートが通常である。
【0006】
従来の製袋工程は次のような手順で行われていた。すなわち、製袋機によって製袋された製品である嵌合具付き袋は、トレーなどの容器にいったんストックされ、人の手によって一定枚数を束にする結束作業が行われていた。その一定枚数ずつ束にされた、製品である嵌合具付き袋は、輪ゴム等の結束手段で固定され、続いて嵌合具付きの外袋に入れられたのち、外袋の嵌合具が閉じられる。さらに複数個の嵌合具付き外袋は箱に詰められる。その箱は、埃や汚れの付着防止又は浸水防止のために防水フィルムによって覆われた後、出荷される。これらの工程はすべて人の手が必要であった。
【0007】
また、従来の給袋工程は次のような手順で行われていた。すなわち、非包装資材商品のメーカーが非包装資材商品を嵌合具付き袋に充填するために、防水フィルムを剥がして箱から外袋を取り出し、その外袋の嵌合具を外し、束ねられた嵌合具付き袋を取り出し、束ねてある輪ゴム等の結束手段を外して、嵌合具付き袋を個々の状態に戻す。これらの工程もすべて人の手が必要であった。
【0008】
さらに従来の充填工程は次のような手順で行われていた。すなわち、個々の嵌合具付き袋を、充填機の袋体供給部に供給する。この工程も人の手が必要であった。充填機の袋体供給部から一つ一つ取り出された嵌合具付き袋は、開口され、非包装資材商品が充填される。この工程は、充填機によってなされる。
【0009】
従来、製袋機から送り出される製品である袋体は、人員が掛かりきりで束ねてまとめていた。その袋束を人の手によって段ボール等に箱詰めされていた。製品入り外袋では、外袋に収められている製品である袋体が、特に運搬時に、外袋内でズレが生じて不均衡に重ねられた状態となるなど袋体の偏りが発生するおそれがあった。箱詰め時に結束された袋束が誤って折れて詰められたり、外圧などで製品である袋体が折れ曲がっていたり、シワ又は歪みなどが生じてしまったりした場合、製品である袋体を内容物充填機にかける際、製品である袋体を吸着盤等で吸い付かせることができず充填機に供給できないという不具合が生じていた。この不具合を想定して、常に人員を掛かりきりにしておかなくてはならない状況にあった。
【0010】
また、充填機に製品である袋体を供給する際、段ボール等から製品入り外袋を人の手によって取り出し、充填機が正常に作動するよう製品である袋体を丁寧に整列させるための人員が掛かりきりで作業するという手間がかかっていた。充填機の種類によって、扇状、平状又はその他その要求される形状に袋体を結束しなければならず、熟練された人員の確保が必要であった。また、要求される形状毎に箱詰め形態も都度変更しなければならない手間がかかっていた。このような様々な箱詰め形態によって、人員の負担、時間的負荷の他、箱内の空間、デッドスペースが生じてしまうことで輸送コストも嵩んでいた。
【0011】
段ボールに袋束を入れて納入すると微細なホコリや細かな異物が混入してしまったり、雨や雪などの天候によって袋体がダメージを受けたりすることがあった。袋結束を除去する際に、カッターやハサミなどを使用する場合があり、その際に袋体を傷つけてしまい損失を出してしまうことがあった。人手不足によって人員に負担が大きくかかっていると同時に、人件費の肥大化が問題になっていた。製袋機の人員の袋結束スピードに合わせて製袋機のスピードを調整しているため、生産効率は各人員の熟練度に依存してしまい、生産性が悪くムラがあった。
【0012】
本出願人は、人的作業の省力化を図るべく、外包装用の外袋を嵌合具付き筒状外袋又は筒状外袋の形態とし、また、製品である袋体の一部が重なるように連続して一列に積み重ねられた複数個の袋体を、外装用の嵌合具付き筒状外袋又は外装用の筒状外袋で包み込み、袋体の積み重ね状態を保持したままで一体化させた製品入り外袋を提案している(例えば、特許文献3~8を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】特開2003‐267602号公報
【文献】特開2018‐8728号公報
【文献】特開2018‐122939号公報
【文献】特開2018‐188224号公報
【文献】特開2018‐188225号公報
【文献】特開2018‐188226号公報
【文献】特開2018‐193134号公報
【文献】特開2018‐193135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
製品入り外袋では、製袋から箱詰めまで不具合なく自動で行い、箱出しから充填機供給まで不具合なく自動で行えることが望まれる。特許文献3~8では、箱出しから充填機供給までの自動化については検討されていない。
【0015】
そこで本開示は、(1)製袋、箱詰め、給袋工程の省人化を図ると共に、給袋工程に於いて供給ミスの発生を防ぐことができ、省スペース化を実現できる、(2)再利用可能な環境に配慮した画期的な製品の納品形態を提供すること、及び(3)製袋から箱詰めまで不具合なく自動で行い、箱出しから充填機供給まで不具合なく自動で行える、製品入り外袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る製品入り外袋は、製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体を、樹脂フィルムを基材とする外包装用の外袋で包み込んで、前記袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋であって、前記外袋は、第1側辺と、該第1側辺に対向する第2側辺と、向かい合う前記第1側辺の端部と前記第2側辺の端部とをそれぞれ結ぶ接着シールと、前記袋体を順々に充填機に供給する給袋工程において前記製品入り外袋を前記第2側辺が前記第1側辺よりも下方となるように垂下した状態で支持するときに保持される被保持部と、前記給袋工程における前記複数個の袋体の取出し口と、を有し、前記外袋は、前記第1側辺の縁に沿って設けられた肉厚部を更に有し、前記外袋は、前記第1側辺の縁に沿って開口する第1開口部と、前記肉厚部かつ前記被保持部として前記第1開口部の縁に沿って前記基材の内壁側に設けられた第1嵌合具と、前記取出し口として前記第2側辺の縁に沿って開口する第2開口部と、該第2開口部の縁に沿って前記基材の内壁側に設けられた第2嵌合具と、を更に有し、前記第1嵌合具及び前記第2嵌合具は、それぞれ咬合されており、かつ、前記第1嵌合具は、弱咬合部を有さず、かつ、前記第2嵌合具は、前記接着シールに隣接する部分のいずれか一方又は両方のうち前記第2嵌合具の端部から所定の間隔をあけた位置に弱咬合部を有することを特徴とする。弱咬合部を給袋装置の吸着盤などで開口することによって、開口時の衝撃を弱めることができる。また、第2嵌合具の開口によって袋体を取り出すことができるので、刃物を使わずに外袋を開封することができる。その結果、製品である袋体を傷つけてしまうおそれがなく、製品ロスを防止することができる。
【0022】
本発明に係る製品入り外袋では、前記第1側辺の縁と前記肉厚部との距離をd1、前記第2側辺の縁と前記第2嵌合具との距離をd2としたとき、d1<d2の関係を満たすことが好ましい。d2をより長くすることで、第2側辺の縁と第2嵌合具との間の基材を、給袋装置に設けられた吸盤で吸着しやすくなり、第2開口部をより開口しやすくなる。
【0023】
本発明に係る製品入り外袋では、前記外袋は、前記基材の内壁同士が接触した部分を有することが好ましい。外袋内で袋体の位置が固定されて、給袋工程に於いて供給ミスの発生を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0024】
本開示によれば、本開示は、(1)製袋、箱詰め、給袋工程の省人化を図ると共に、給袋工程に於いて供給ミスの発生を防ぐことができ、省スペース化を実現できる、(2)再利用可能な環境に配慮した画期的な製品の納品形態を提供すること、及び(3)製袋から箱詰めまで不具合なく自動で行い、箱出しから充填機供給まで不具合なく自動で行える、製品入り外袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施形態に係る製品入り外袋の第一例を示す正面概略図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3図1のB-B線断面図である。
図4図2の領域20内の嵌合具の第一例を示す部分拡大図である。
図5図2の領域20内の嵌合具の第二例を示す部分拡大図である。
図6】本実施形態に係る製品入り外袋に収容される袋体の一形態を示す正面概略図である。
図7図6のC-C線断面図である。
図8図1の領域21内の補助シールの別の例を示す部分拡大図であり、(a)は第一例、(b)は第二例を示す。
図9】本実施形態に係る製品入り外袋の第二例を示す正面概略図である。
図10図9のD-D線断面図である。
図11】本実施形態に係る製品入り外袋の第三例を示す正面概略図である。
図12図11のE-E線断面図である。
図13】本実施形態に係る製品入り外袋の第一の製造方法を説明するための概略図であり、製品入り外袋が、図1に示す製品入り外袋である形態を示す図である。
図14】本実施形態に係る製品入り外袋の第二の製造方法を説明するための概略図であり、製品入り外袋が、図9に示す製品入り外袋である形態を示す図である。
図15】本実施形態に係る製品入り外袋の第三の製造方法を説明するための概略図であり、製品入り外袋が、図11に示す製品入り外袋である形態を示す図である。
図16】袋体の供給方法を説明するための給袋装置の第一例を示す概略図であり、製品入り外袋が図11に示す製品入り外袋である形態を示す図である。
図17図16の領域950内の製品入り外袋を正面視した部分拡大図であり、(a)は外袋の開封前、(b)は外袋の開封後を示す。
図18】給袋装置の変形例であり、保持器具が吸着アームである形態を示す。
図19】吸着アームの好ましい形態を説明するための概略図であり、(a)は水平状態、(b)は傾斜状態を示す。
図20】給袋装置の第二例を示す部分概略図である。
図21】給袋装置の第三例を示す部分概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
【0027】
本実施形態に係る製品入り外袋は、製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体を、樹脂フィルムを基材とする外包装用の外袋で包み込んで、袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋であって、外袋は、第1側辺と、該第1側辺に対向する第2側辺と、向かい合う第1側辺の端部と第2側辺の端部とをそれぞれ結ぶ接着シールと、外袋を第2側辺が第1側辺よりも下方となるように垂下した状態で支持するときに保持される被保持部と、を有する。本実施形態に係る製品入り外袋は、被保持部が基材の表面である形態、被保持部が肉厚部である形態を包含する。
【0028】
(製品入り外袋:第一例)
図1図3を参照して本実施形態に係る製品入り外袋(第一例)について説明する。本実施形態に係る製品入り外袋100(第一例)は、製品である袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体3を、樹脂フィルムを基材5とする外包装用の外袋で包み込んで、袋体3の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋であって、外袋10Aは、第1側辺11と、第1側辺11に対向する第2側辺12と、向かい合う第1側辺11の端部と第2側辺12の端部とをそれぞれ結ぶ接着シール13と、第1側辺11と第2側辺12とで挟まれた部分に位置し第1側辺11及び第2側辺12に並列する立設部16と、立設部16の縁に沿って設けられた肉厚部4と、を有し、接着シール13のうち第2側辺12の縁から所定の間隔hをあけた部分に隣接する領域Sには、補助シール15が設けられている。
【0029】
基材5としての樹脂フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂であり、下記<1>~<29>に例示するもののうちから任意のものが採用されるが、本実施形態では特に限定されない。
<1> 高密度ポリエチレン(HDPE)
<2> 中密度ポリエチレン(MDPE)
<3> 低密度ポリエチレン(LDPE)
<4> ポリプロピレン(PP)
<5> ポリ塩化ビニリデン(PVDC)
<6> ポリ塩化ビニル(PVC)
<7> ポリスチレン(PS)
<8> ポリ酢酸ビニル(PVAc)
<9> ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
<10> ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)
<11> AS樹脂(SAN)
<12> アクリル樹脂(PMMA)
<13> ポリアミド(PA)/商品名ナイロン
<14> ポリアセタール(POM)
<15> ポリカーボネート(PC)
<16> 変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE、変性PPE、PPO)
<17> ポリブチレンテレフタレート(PBT)
<18> ポリエチレンテレフタレート(PET)
<19> 環状ポリオレフィン(COP)
<20> ポリフェニレンスルファイド(PPS)
<21> ポリサルフォン(PSF)
<22> ポリエーテルサルフォン(PES)
<23> 非晶ポリアリレート(PAR)
<24> 液晶ポリマー(LCP)
<25> ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
<26> 熱可塑性ポリイミド(PI)
<27> ポリアミドイミド(PAI)
<28> 熱可塑性ポリウレタン(TPU)
<29> フッ素樹脂(PTFE)
また、単層フィルムからなる基材5の厚さは0.2~1.5mm程度のものが望ましく、複層フィルムからなる基材5の厚さは0.4~2.0mm程度が望ましい。
【0030】
外袋10Aは、外包装用の外袋である。外包装とは、販売の目的とされる商品(商品のみならず、個別に一次包装された商品を含む。)を複数個の単位で、ひとまとまりに包装する形態(二次包装及び三次包装の両方を包含する。)をいう。また、外袋とは、外包装が特に袋体であることをいう。
【0031】
外袋10Aは、第1面と第1面とは反対側の第2面とを有する。図1において、第1面は表側の面(図示されている面)であり、第2面は裏側の面(図示されていない面)である。なお、第1面及び第2面は便宜上の名称であり、図1において、表側の面が第2面であり、裏側の面が第1面であってもよい。
【0032】
第1側辺11は、複数個の袋体3の整列方向Xに延びる辺である。第1側辺11には、ミシン目加工、傷加工又はハーフカット加工などの脆弱部が設けられていてもよい。
【0033】
第2側辺12は、複数個の袋体3の整列方向Xに延びる辺である。第2側辺12には、ミシン目加工、傷加工又はハーフカット加工などの脆弱部が設けられていてもよい。第一例の製品入り外袋100では、第1側辺11又は第2側辺12は、給袋装置での袋体の供給工程において複数個の袋体3の取出し口となる。
【0034】
立設部16は、基材5の内壁面同士を向かい合わせに配置した部分であり、袋体3の積み重ね面の上に位置する。立設部16は図2に示すように開口部6であるか、又は合掌シール(不図示)が施されていてもよい。立設部16は、給袋装置で挟持アームに挟持される部分となる。
【0035】
肉厚部4は、立設部16の縁に沿って設けられた周囲の部分よりも肉厚となった部分であり、例えば、図2に示すように嵌合具14であるか、リブ(不図示)又は突条(不図示)であってもよい。リブ又は突条は、例えば、立設部16の縁に沿って連続して設けられるか、又は断続的に設けられてもよい。肉厚部4は、給袋装置で挟持アームの係合爪に係合される部分となる。
【0036】
本実施形態に係る製品入り外袋100では、図1及び図2に示すように、外袋10Aは、立設部16の縁に沿って開口する開口部6と肉厚部4として開口部6の縁6aに沿って基材5の内壁側に設けられた嵌合具14とを有し、嵌合具14は、咬合されている形態を包含する。
【0037】
図1及び図2に示すように、嵌合具14は、開口部6の縁6aに沿って内壁側に設けられていることが好ましい。嵌合具14は、咬合することによって閉となり、また咬合を外すことで開となる開閉自在の構造を有する限り、いかなる構造であってもよい。例えば、図4に示すように、嵌合具14は、複数個の袋体3の整列方向X(図1に図示)に延びる帯状の雌基部14b1と雌部14b2とを有する雌部材14bと、複数個の袋体3の整列方向X(図1に図示)に延びる帯状の雄基部14a1と雄部14a2とを有する雄部材14aとを有し、雌部14b2に雄部14a2が咬合することによって閉となるチャック構造を有することが好ましい。図4に示した嵌合具14の雄基部14a1及び雌基部14b1は、基材5の内壁面に接着されている。また、図5に示すように、嵌合具14は、複数個の袋体3の整列方向X(図1に図示)に延びる雌部14dと筒の長さ方向X(図1に図示)に延びる雄部14cとを有し、雌部14dに雄部14cが咬合することによって閉となるチャック構造を有していてもよい。図5に示した嵌合具14の雄部14c及び雌部14dは、基材5と一体に成形されている。本実施形態では、嵌合具14は、図4及び図5に示したチャック構造に限定されず、例えば、雌部同士が咬合する構造を有していてもよい。
【0038】
接着シール13(13A,13B)は、図1に示すように、第1側辺11の左側端部と第2側辺12の左側端部とを結ぶ左側接着シール13Aと第1側辺11の右側端部と第2側辺12の右側端部とを結ぶ右側接着シール13Bとを有する。接着シール13(13A,13B)は、向かい合う第1側辺11の端部と第2側辺12の端部とをそれぞれ結ぶ両側辺を封止する封止シールであることが好ましい。封止シールは、例えば、向かい合う基材5同士の接着部又は熱溶着部であることが好ましい。接着シール13(13A,13B)は、肉厚部4(図1では嵌合具14)の上にも跨って設けられていることが好ましい。左側接着シール13Aと右側接着シール13Bとの距離は、特に限定されないが、例えば、10~300cmである。図1では一例として、接着シールが封止シールである形態を示したが、本発明はこれに限定されず、接着シールがスポットシールであってもよい。また、接着シールは、例えば低温熱シールなどのシール強度を弱めた熱シールであってもよい。接着シールは、熱シール器などを用いた熱シール及び超音波ウェルダなどを用いた超音波シールを包含する。
【0039】
補助シール15は、向かい合う基材5同士の接着部又は熱溶着部であり、複数個の袋体3のうち整列方向Xの両端に配置される袋体と接着シール13との距離を確保するためのシールである。袋体が接着シール13に接触していると、給袋装置で複数個の袋体3を外袋10の第2側辺12側から取り出すときに、接着シール13と第2側辺12との交差部分に袋体3が引っかかるおそれがあるところ、補助シール15を設けることで、袋体3の引っかかりを防止してより確実に給袋することができる。補助シール15は、接着シール13のうち第2側辺12の縁から所定の間隔hをあけた部分に隣接する領域Sに設けられることが好ましい。所定の間隔hは、特に限定されないが、例えば、1~20mmである。補助シール15は、図1に示すように、接着シール13と一体に設けられるか、又は図8(a)(b)に示すように、接着シール13と別体に設けられてもよい。補助シール15が接着シール13と一体に設けられる場合、補助シール15は、例えば、図1に示すように、接着シール13から外袋10Aの内側に向かって台形状に突出した形状であることが好ましい。突出した部分の幅は、接着シール13の幅よりも広いことが好ましい。補助シール15が接着シール13と別体に設けられる場合、補助シール15は、例えば図8(a)に示すように、接着シール13と並列する四角形状シールであるか、又は図8(b)に示すように、接着シール13に並列する複数の点状シールであってもよい。なお、図8において立設部16は不図示である。
【0040】
本実施形態に係る製品入り外袋100は、外袋10Aの内部に製品である袋体が複数個収容されている。図6及び図7に示すように、製品である袋体p1は、開口部8と収容部Tを有するプラスチック樹脂製の袋体であり、開口部8の端に沿って、チャック9が設けられている。チャック9は、嵌合構造を有し、例えば外袋10Aの嵌合具14と同様の構造を有していて、開閉自在である。製品である袋体p2,p3,p4,・・・,pnは袋体p1と同じ構造を有する袋体である。製品である袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)は、平坦な構造を有するため、図3に示すように、一部が重なるように一列に積み重ねられた複数個の袋体3の状態とすることが可能である。複数個の袋体3は、筒の長さ方向Xに沿って端を相互にずらして一列に積み重ねられることが好ましい。縁は、例えば、袋体p1の開口部8(図7に図示)の縁又は袋体p1の左右の側端である。ここで、複数個の袋体3は、外袋10Aにおいて、袋体3の整列方向Xに沿って連続でつながっている配列としてもよく、また、間欠で配列、すなわち途中で途切れた箇所を有する配列としてもよい。間欠の配列には、例えば、所定枚数の袋体を一部が重なるように一列に積み重ねたのち、隙間を設け、続けて同枚数の袋体を一部が重なるように一列に積み重ねたのち、再度隙間を設け、これを繰り返す配列が好ましい。袋体の枚数の確認が容易となる。本実施形態では、一部が重なるように一列に積み重ねられた複数個の袋体3は、製品入り外袋100の形態とすることで、一体化されるため、単に「複数個の袋体3」又は「袋体3」と表現することがある。
【0041】
製品入り外袋100は、図2に示すように、複数個の袋体3を外袋10Aで包み込む。ここで、複数個の袋体3を収容したときの外袋10Aの幅は、複数個の袋体3の幅よりもわずかに大きいことが好ましく、例えば、1~10mm大きいことが好ましく、このとき、外袋10Aは、嵌合具14を閉じたとき、複数個の袋体3の配列が崩れない程度の保持力を持つことが好ましい。袋体3の積み重ねの状態を保持したままでより一体化できると共に、外袋10Aの内部に余分な空気が入り込まないので、嵩の増加を抑制することができる。
【0042】
製品入り外袋100は、複数個の袋体3を運搬若しくは保管またはそれら両方を行うときにバルクとして取り扱うことを可能とするのみならず、製袋機から順次製造される袋体の配列状態を固定化することが可能であるので製袋機と充填機とが異なる場所になったとしても実質的にインライン化の再現をすることを可能とする。
【0043】
第一例の製品入り外袋100では、肉厚部4が第1嵌合具14である場合、1枚の基材5によって合掌貼りの形態で複数個の袋体3を包み込み、肉厚部4である第1嵌合具14が袋体3の積み重ね面の上に位置して咬合されることによって、外袋10Aは袋体3を含んだ状態で、一体化することが好ましい。このとき、第1嵌合具14の雄部14a2と雌部14b2とが熱融着されていてもよい。また、第一例の製品入り外袋100では、肉厚部4がリブ(不図示)又は突条(不図示)である場合、1枚の基材5によって合掌貼りの形態で複数個の袋体3を包み込み、肉厚部4であるリブ又は突条が袋体3の積み重ね面の上に位置し、リブ又は突条に沿って密閉シールされることによって、外袋10Aは袋体3を含んだ状態で、一体化していてもよい。このとき、リブ又は突条に沿った密閉シールに代えて又は該密閉シールに加えて、向かい合うリブ同士又は突条同士が熱融着されていてもよい。
【0044】
第一例の製品入り外袋100では、被保持部は、第1面又は第2面であるか、又は立設部16であってもよい。被保持部が第1面又は第2面である場合、給袋装置が第1面又は第2面を例えば吸着アームで吸着することで、製品入り外袋100は垂下した状態で支持される。被保持部が立設部16である場合、給袋装置が立設部16を例えば挟持アームで挟持することで、製品入り外袋100は垂下した状態で支持される。
【0045】
(製品入り外袋:第二例)
次に、図9及び図10を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋200(第二例)を説明する。本実施形態に係る製品入り外袋200は、図9及び図10に示すように、製品である袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体3を、樹脂フィルムを基材5とする外包装用の外袋10Bで包み込んで、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋であって、外袋10Bは、第1側辺11と、第1側辺11に対向する第2側辺12と、向かい合う第1側辺11の端部と第2側辺12の端部とをそれぞれ結ぶ接着シール13と、第1側辺11の縁に沿って設けられた肉厚部4と、を有し、接着シール13のうち第2側辺12の縁から所定の間隔をあけた部分に隣接する領域Sには、補助シール15が設けられている。
【0046】
第二例の製品入り外袋200は、肉厚部4の位置が異なる点以外は第一例の製品入り外袋100と基本的な構造を同じくする。このため、共通する構造については説明を省略する。
【0047】
本実施形態に係る製品入り外袋200では、肉厚部4は、第1側辺11の縁に沿って設けられる。図9及び図10に示すように、外袋10Bは、第1側辺11の縁に沿って開口する第1開口部6と肉厚部4として第1開口部6の縁6aに沿って基材5の内壁側に設けられた嵌合具14とを有し、嵌合具14は、咬合されていることが好ましい。
【0048】
第二例の製品入り外袋200において、第1側辺11は、図9及び図10に示すように第1開口部6を有するか、又は密閉シール部(不図示)を有していてもよい。第1側辺11の周辺部分は、給袋装置の挟持アームで挟持される部分となる。
【0049】
第二例の製品入り外袋200において、第2側辺12は、図9及び図10に示すように、1枚の基材5を複数個の袋体3の整列方向Xに沿って折り返した折返し部である。第2側辺12には、ミシン目加工、傷加工又はハーフカット加工などの脆弱部が設けられていてもよい。第2側辺12は、給袋装置での袋体の供給工程において複数個の袋体3の取出し口となる。
【0050】
第二例の製品入り外袋200では、肉厚部4が第1嵌合具14である場合、1枚の基材5を半折して複数個の袋体3を包み込み、肉厚部4である第1嵌合具14が袋体3の左右いずれか一方の側端側に位置して咬合されることによって、外袋10Bは袋体3を含んだ状態で、一体化することが好ましい。また、第二例の製品入り外袋200では、肉厚部4がリブ(不図示)又は突条(不図示)である場合、1枚の基材5を半折して複数個の袋体3を包み込み、肉厚部4であるリブ(不図示)又は突条(不図示)が袋体3の左右いずれか一方の側端側に位置するとともに、リブ又は突条に沿って密閉シールされることによって、外袋10Bは袋体3を含んだ状態で、一体化していてもよい。
【0051】
第二例の製品入り外袋200では、被保持部は、第1側辺11の周辺部分である。第1側辺11の周辺部分は、第1面及び第2面のうち第1側辺11から所定幅の部分である。給袋装置が第1側辺11の周辺部分を例えば挟持アームで挟持するか又は吸着アームで吸着することで、製品入り外袋200は垂下した状態で支持される。また、第二例の製品入り外袋200では、被保持部は、第2側辺12の周辺部分であってもよい。この場合、給袋装置が第2側辺12の周辺部分を吸着アームで吸着することで、製品入り外袋200は垂下した状態で支持される。
【0052】
(製品入り外袋:第三例)
次に、図11及び図12を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋300(第三例)を説明する。本実施形態に係る製品入り外袋300(第三例)では、外袋10Cは、第1側辺11の縁に沿って開口する第1開口部6と、肉厚部4として第1開口部6の縁6aに沿って基材5の内壁側に設けられた第1嵌合具14と、第2側辺12の縁に沿って開口する第2開口部7と、第2開口部7の縁7aに沿って基材5の内壁側に設けられた第2嵌合具24と、を更に有し、第1嵌合具14及び第2嵌合具24は、それぞれ咬合されており、かつ、第1嵌合具14若しくは第2嵌合具24のいずれか一方又は両方は、接着シール13に隣接する部分のいずれか一方又は両方に弱咬合部を有することが好ましい。弱咬合部を給袋装置の吸着盤などで開口することによって、開口時の衝撃を弱めることができる。また、第2嵌合具24の開口によって袋体3を取り出すことができるので、刃物を使わずに外袋を開封することができる。その結果、製品である袋体を傷つけてしまうおそれがなく、製品ロスを防止することができる。
【0053】
第三例の製品入り外袋300は、基材5が互いに重ね合わされた2枚の基材5a,5bを有する点、及び外袋10Bが第2側辺12に第2開口部7と第2嵌合具24とを有する点以外は第二例の製品入り外袋200と基本的な構造を同じくする。このため、共通する構造については説明を省略する。
【0054】
第三例の製品入り外袋300では、図12に示すように、基材5として第1基材5aの上に第2基材5bが重ね合わされているとともに、複数個の袋体3を包み込んでおり、第1嵌合具14と第2嵌合具24とが袋体3の左の側端側及び右の側端側にそれぞれ位置して咬合されることによって、外袋10Cは、袋体3を含んだ状態で、一体化する。
【0055】
第2嵌合具24は、例えば外袋10Aの嵌合具14と同様の構造を有していて、開閉自在である。
【0056】
弱咬合部は、周囲の咬合部よりも咬合力を弱めた部分である。言い換えると、弱咬合部は、周囲の咬合部よりも弱い力で咬合を解除して開封することができる部分である。弱咬合部以外の周囲の咬合部は、通常の咬合部、例えば図4に示す嵌合具14では、雌部14b2に雄部14a2が咬合した部分である。このような通常の咬合部は、強咬合のため、給袋装置の吸着盤などで開口するとき、衝撃が強く、製品である袋体3の整列を乱してしまうおそれがあるところ、弱咬合部を設けることでこの問題を解決できる。弱咬合部は、第1嵌合具14又は第2嵌合具24のうち、弱咬合部としたい部分に外側から押圧力を加えて、例えば図4に示す雄部14a2及び/又は雌部14b2を意図的に変形させることで、雌部14b2と雄部14a2との咬合を弱めた部分であってもよい。弱咬合部は、第1嵌合具14だけに設けられるか、第2嵌合具24だけに設けられるか、又は第1嵌合具14及び第2嵌合具24の両方に設けられてもよい。また、弱咬合部が第1嵌合具14に設けられる場合、弱咬合部は、左側接着シール13Aに隣接する部分だけに設けられるか、右側接着シール13Bに隣接する部分だけに設けられるか、左側接着シール13Aに隣接する部分及び右側接着シール13Bに隣接する部分の両方に設けられていてもよい。弱咬合部が第2嵌合具24に設けられる場合、弱咬合部は、左側接着シール13Aに隣接する部分だけに設けられるか、右側接着シール13Bに隣接する部分だけに設けられるか、左側接着シール13Aに隣接する部分及び右側接着シール13Bに隣接する部分の両方に設けられていてもよい。弱咬合部を1箇所だけに設けた場合、外袋10Cの上下左右がわかるように印刷を施すことが好ましい。弱咬合部の長さは、特に限定されないが、例えば、第1嵌合具14及び第2嵌合具24の長手方向の長さの1/10~1/100であることが好ましい。弱咬合部の長さは、例えば、10~50mmであることが好ましい。また、弱咬合部は、第1嵌合具14又は第2嵌合具24の端部に設けるか、又は第1嵌合具14又は第2嵌合具24の端部から所定の間隔をあけた位置に設けてもよい。ここでいう所定の間隔は、例えば、0mmを超え30mm以下であることが好ましい。具体例としては、弱咬合部を第1嵌合具14の端部又は第2嵌合具24の端部から30mmをあけた位置から50mmの長さで設ける形態である。
【0057】
本実施形態に係る製品入り外袋300では、第1側辺11の縁と肉厚部4(14)との距離をd1、第2側辺12の縁と第2嵌合具24との距離をd2としたとき、d1<d2の関係を満たすことが好ましい。d2をより長くすることで、第2側辺12の縁と第2嵌合具24との間の基材を、給袋装置に設けられた吸盤で吸着しやすくなり、第2開口部7をより開口しやすくなる。
【0058】
第三例の製品入り外袋300では、複数個の袋体3の取出し口となる第2開口部7に第2嵌合具24が設けられている。接着シール13は第2嵌合具24の上にも跨って設けられているため、接着シール13と第2嵌合具24との交差部では、雄部材14a及び雌部材14bの熱溶融による樹脂だまりが発生する場合があり、給袋装置で複数個の袋体3を外袋10の第2側辺12側から取り出すときに、接着シール13と第2嵌合具24との交差部分に袋体3が引っかかりやすい。そこで、補助シール15を設けることで、袋体が接着シール13から離れて配置されることとなり、袋体3の引っかかりを防止して整列状態を乱すことなく給袋することができる。補助シール15は、第2嵌合具24よりも第1側辺11側に設けられることが好ましい。接着シール13と第2嵌合具24との交差部分に袋体3が引っかかることを防止することができる。
【0059】
第三例の製品入り外袋300では、第1側辺11の周辺部分が給袋装置の挟持アームで挟持される部分となり、第2側辺12が給袋装置での袋体の供給工程において複数個の袋体3の取出し口となる。あるいは、第2側辺12の周辺部分が給袋装置の挟持アームで挟持される部分となり、第1側辺11が給袋装置での袋体の供給工程において複数個の袋体3の取出し口となってもよい。このように、第三例の製品入り外袋300は、上下を限定せずに使用することができる。上下を限定せずに使用する場合、補助シール15を設ける領域Sは、接着シール13のうち第2側辺12の縁から所定の間隔h1をあけた部分、かつ、接着シール13のうち第1側辺11の縁から所定の間隔h2をあけた部分であることが好ましい。また、弱咬合部は、4角、具体的には、第1嵌合具14の左側接着シール13Aに隣接する部分、第1嵌合具14の右側接着シール13Bに隣接する部分、第2嵌合具24の左側接着シール13Aに隣接する部分及び第2嵌合具24の右側接着シール13Bに隣接する部分に設けることが好ましい。一方、上下を限定して使用したい場合は、外袋10Cの上下左右がわかるように印刷を施すことが好ましい。
【0060】
図11及び図12では、肉厚部4が第1嵌合具14である形態を示したが、肉厚部4はリブ又は突条であってもよい(不図示)。
【0061】
第三例の製品入り外袋300では、被保持部は、第1側辺11の周辺部分又は第2側辺12の周辺部分である。第1側辺11の周辺部分は、第1面及び第2面のうち第1側辺11から所定幅の部分である。第2側辺12の周辺部分は、第1面及び第2面のうち第2側辺12から所定幅の部分である。給袋装置が第1側辺11の周辺部分又は第2側辺12の周辺部分を例えば挟持アームで挟持するか又は吸着アームで吸着することで、製品入り外袋300は垂下した状態で支持される。
【0062】
第一例、第二例及び第三例の製品入り外袋100,200,300では、外袋10A,10B,10Cは、基材5の内壁同士が接触した部分を有することが好ましい。外袋10A,10B,10C内で袋体の位置が固定されて、給袋工程に於いて供給ミスの発生を防ぐことができる。基材5の内壁同士が接触した部分を有する状態は、例えば、外袋10A,10B,10C内の空気が脱気された状態である。このような状態とすることで、外袋10A,10B,10Cの横断面が扁平状態となり、外袋10A,10B,10Cの内壁と袋体3との接触状態及び袋体3同士の接触状態が運送時においてもずれにくいため、袋体3を取り出すときに、袋体3を詰めた状態をそのまま再現することができる。ここで横断面が扁平状態とは、製品入り外袋100,200,300に収容された複数個の袋体3の平坦面と、基材5の内壁面とが接触し合っていて、複数個の袋体3の断面形状を反映して断面が細長形状となっている状態をいう。
【0063】
第一例及び第二例の製品入り外袋100,200の変形例について説明する。第一例及び第二例の製品入り外袋100,200では、外袋10A,10Bは、第2側辺12の縁に沿って開口する第2開口部(不図示)と第2開口部を封止するイージーピールシールとを有する形態を包含する。第一例の製品入り外袋100において、第2開口部は、例えば、図2に示す、第2側辺12において1枚の基材5が折り返された部分を第2側辺に沿って切断した部分である。第二例の製品入り外袋200において、第2開口部は、例えば、図10に示す、第2側辺12において1枚の基材5が折り返された部分を第2側辺に沿って切断した部分であるか、又は基材5が互いに重ね合わされた2枚の基材を有する場合、第2側辺における2枚の基材の端同士の間の開口である。本明細書において、イージーピールシールは、易開封性を有するシールのことをいう。イージーピールシールとする方法は、特に限定されず、例えば、基材5の内表面同士を比較的低温でヒートシールする方法、基材5の内表面を構成するシーラントフィルムをイージーピールフィルムとする方法又は基材の内表面にイージーピール性を有する樹脂をコーティングする方法である。第2開口部にイージーピールシールを設けることで、給袋時に第2開口部をより容易に開口することができる。
【0064】
第一例及び第二例の製品入り外袋100,200では、接着シール13(13A,13B)は、イージーピールシールである形態を包含する。接着シール13(13A,13B)におけるイージーピールシールは、第2開口部におけるイージーピールシールと同様の構成である。第2開口部のイージーピールシールに加えて、接着シール13(13A,13B)をイージーピールシールとすることで、給袋時に第2開口部を開口するとともに、接着シール13(13A,13B)を剥がして外袋10A,10Bの3辺を開くことができる。その結果、袋体3をより安定して取り出すことができる。
【0065】
また、第一例及び第二例の製品入り外袋100,200では、外袋10A,10Bは、第2側辺12の縁に沿ってミシン目(不図示)を有する形態を包含する。ミシン目は、基材5に入れた断続的なスリットである。スリットは、線状であるか又は点状であってもよい。ミシン目は、第2側辺12の縁上に設けるか、又は第2側辺12の縁からずれた位置に設けてもよい。ミシン目を第2側辺12の縁からずれた位置に設ける形態は、ミシン目が、基材5の第1面及び第2面の、第2側辺12の縁より第1側辺11側の任意の位置に設けられる形態である。これによって、外袋10A,10Bのミシン目よりも下側を切り離すことができ、外袋10A,10Bの下端部が開口される。その結果、袋体3をより安定して取り出すことができる。
【0066】
外袋10A,10Bが第2側辺12の縁に沿ってミシン目を有するとき、外袋10A,10Bは、図2及び図10に示すように、被保持部として肉厚部4と肉厚部4に並行するミシン目とを有し、ミシン目が、基材5の第1面及び第2面の、第2側辺12の縁より第1側辺11側の任意の位置に設けられることが好ましい。例えば挟持アームを肉厚部4に係合させて外袋10A,10Bを垂下させると基材5の肉厚部4が設けられた部分には上方向への引張力が作用する。この状態で、ミシン目に下方向への引張力を作用させると、ミシン目に応力が集中するので、外袋10A,10Bのミシン目よりも下側をより容易に切り離すことができる。
【0067】
第三例の製品入り外袋300の変形例について説明する。第三例の製品入り外袋300では、外袋10Cは、第1嵌合具14よりも第2側辺12側に第1嵌合具14に並行して伸びるミシン目又は第2嵌合具24よりも第1側辺11側に第2嵌合具24に並行して伸びるミシン目を有する形態を包含する。ミシン目は、基材5に入れた断続的なスリットである。スリットは、線状であるか又は点状であってもよい。外袋10Cが第1嵌合具14よりも第2側辺12側に第1嵌合具14に並行して伸びるミシン目を有するとき、ミシン目は、基材5の第1面及び第2面の、第2側辺12の縁より第1側辺11側の任意の位置に設けられることが好ましい。また、外袋10Cが第2嵌合具24よりも第1側辺11側に第2嵌合具24に並行して伸びるミシン目を有するとき、ミシン目は、基材5の第1面及び第2面の、第1側辺11の縁より第2側辺12側の任意の位置に設けられることが好ましい。外袋10Cが第1嵌合具14よりも第2側辺12側に第1嵌合具14に並行して伸びるミシン目を有する場合を例にとって説明すると、挟持アームを第1嵌合具14に係合させて外袋10Cを垂下させると基材5の第1嵌合具14が設けられた部分には上方向への引張力が作用する。この状態で、ミシン目に下方向への引張力を作用させると、ミシン目に応力が集中するので、外袋10Cのミシン目よりも下側をより容易に切り離すことができ、外袋10Cの下端部が開口される。その結果、袋体3をより安定して取り出すことができる。
【0068】
(製品入り外袋の製造方法)
次に図13を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法について説明する。本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法は、製品である袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体3を、外包装用の外袋10Aで包み込んで、袋体3の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋の製造方法であって、外袋10Aは、樹脂フィルムを基材5として筒の長さ方向Xに沿って同一内径で連続して延びた筒形状をなしており、筒の長さ方向Xに沿って開口する開口部6を少なくとも一つ有し、かつ、開口部の縁6aに沿って基材5の内壁側に肉厚部として嵌合具14を有し、かつ、開口部6は嵌合具14が咬合することによって閉じられる構造を有し、かつ、製造方法は、外袋10Aを準備する第1工程と、嵌合具14の咬合が外れていてかつ外袋10Aが広げられた状態とする第2工程と、基材5の上に、基材5の長手方向Yに沿って、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に袋体を積み重ねていき、かつ、袋体が所定枚数積み重ねられる毎に袋体を配置しない非配置部40を所定の間隔毎に設けていく第3工程と、複数個の袋体3を載せた基材5を基材5の長手方向Yに移動させながら、基材5で複数個の袋体3を包み込むとともに、嵌合具14を咬合して製品入り外袋100を得る第4工程と、製品入り外袋100に対して、非配置部40に相当する箇所に接着シール13(図1に図示)を設けるとともに補助シール15(図1に図示)を設ける第5工程と、を有する。なお、図13では、接着シール13及び補助シール15は不図示である。
【0069】
(第一の製造方法)
第一の製造方法において、外包装用の外袋及び製品入り外袋は、図1図5に示した外袋10A及び製品入り外袋100であり、袋体は、図6及び図7に示した袋体p1である。また、製品入り外袋100はボビン51に巻き取られてもよい。さらに、筒の長さ方向X及び基材5の長手方向Yは、複数個の袋体3の整列方向Xと同方向である。
【0070】
(第1工程)
ボビン52に巻き取られた外包装用の外袋10Aの外袋巻き取り品53を準備する。外包装用の外袋10Aは、嵌合具14が咬合していて、嵌合具14が側端に位置するように筒が潰された平坦状態でボビン52に巻き取られている。外包装用の外袋10Aを筒の長さ方向Xの方向に繰り出して、ダンスロール61a、ピンチロール62aに送り出す。なお、嵌合具14が基材5と別体の場合は、第1工程は、嵌合具14が接着されていない筒状フィルム又は半切フィルムを準備する工程1Aと筒状フィルム又は半切フィルムに嵌合具テープを取り付ける工程1Bとを含む。
【0071】
(第2工程)
嵌合具14の咬合が外れていてかつ外包装用の外袋10Aが広げられた状態とする。すなわち、ピンチロール62aを通過した外包装用の外袋10Aは、爪ガイドロール63cによって、嵌合具14の咬合が外され、外包装用の外袋10Aが広げられ、基材5の重なりを無くした状態でピンチロール62bに送られる。
【0072】
(第3工程)
基材5をフラットのシート状として袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)を載せる。具体的には、外包装用の外袋10Aが広げられて、基材5の重なりがない状態とされた基材5の上に、基材5の長手方向Yに沿って、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に袋体を積み重ねていく。このとき、複数個の袋体3は、基材5の長手方向Yに沿って端を相互にずらして一列に積み重ねられることが好ましい。そして、袋体が所定枚数積み重ねられる毎に袋体を配置しない非配置部40を所定の間隔毎に設けていく。図13では、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)が連続で一列に袋体を積み重ねられていき、かつ、袋体が所定枚数積み重ねられる毎に袋体を配置しない非配置部40を所定の間隔毎に設けていく形態を示した。ここで、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)は、製袋機(不図示)の下流側に位置する搬送コンベア65に1枚ごとに載せられて送られてくる。搬送コンベア65上にある袋体、例えば、袋体p4、p5、p6、p7を順次、基材5の上に載せていく。
【0073】
(第4工程)
複数個の袋体3を載せた基材5を基材5の長手方向Yに移動させながら、爪ガイドロール63bによって、基材5で複数個の袋体3を包み込むとともに、嵌合具14を咬合して製品入り外袋100を得る。嵌合具14が咬合された製品入り外袋100は、嵌合具14の根元付近で開口部6を横に寝かせた状態で、タッチロール64、ピンチロール62c、ダンスロール61bに送られることが好ましい。製品入り外袋100の内部が脱気されて、嵩が小さくなる。
【0074】
(第5工程)
製品入り外袋100に対して、非配置部40に相当する箇所に接着シール13(図1に図示)を設けるとともに補助シール15(図1に図示)を設ける。接着シール13及び補助シール15は、非配置部40に相当する箇所に例えば熱シール器43を押し付けながら、向かい合う基材の内壁面同士を熱溶着することで形成することが好ましい。接着シール13及び補助シール15は、向かい合う基材同士を熱溶着するが、溶断まではしない温度範囲で温度設定された熱シール器を用いて熱溶着部を形成することによって得られる。或いは、向かい合う基材の内壁面同士を接着させることによって接着シール13及び補助シール15を形成してもよい。補助シール15は、図13では接着シール13と同時に設ける形態を示したが、接着シール13を設けた後、別工程で設けるか、又は接着シール13を設ける前、別工程で設けてもよい。
【0075】
(巻取り工程)
製品入り外袋100は横断面が扁平状態でボビン51に巻き取られて、製品入り外袋の巻き取り品50としてもよい。図13は、ロール巻きの形態を示したが、製品入り外袋100を横断面が扁平状態でカセ巻き又はつづら折りすることとしてもよい。製品入り外袋100をつづら折りするときに、接着シール13の位置に合わせて折り畳んでいくことが好ましい。
【0076】
(切断工程)
製品入り外袋の巻き取り品50に対して、接着シール13を設けた箇所で切断して製品入り外袋100が得られる。切断工程は、巻取り工程後に行うか、又は第5工程後に巻取り工程を経ずに行ってもよい。得られた製品入り外袋100は、例えば吸着アームで吸着されて所定個数ごとに自動箱詰めされることが好ましい。このように、製品入り外袋100は、製袋から箱詰めまでを自動で行うことができる。
【0077】
第一の製造方法では、外袋10Aは、嵌合具14を一つ有し、第2工程において、基材5を水平に広げ、第4工程において、嵌合具14を袋体3の積み重ね面の上に配置して、さらに咬合している。第一の製造方法によれば、袋体3を外袋10Aで合掌貼りの形態で容易に包むことができ、また、嵌合具14を咬合させやすい。このため、簡易な構造の装置で製造しやすい。
【0078】
(第二の製造方法)
次に図14を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋の第二の製造方法について説明する。ここで外包装用の外袋及び製品入り外袋は、図9及び図10に示した外袋10B及び製品入り外袋200であり、袋体は、図6及び図7に示した袋体p1である。また、製品入り外袋200はボビン51に巻き取られてもよい(図14中、ボビンの描画は省略している。)。さらに、筒の長さ方向X及び基材5の長手方向Yは、複数個の袋体3の整列方向Xと同方向である。
【0079】
(第1工程)
第一の製造方法と同様である。図14では第1工程の図示を省略している。なお、嵌合具14が基材5と別体の場合は、第1工程は、嵌合具14が接着されていない筒状フィルム又は半切フィルムを準備する工程1Aと筒状フィルム又は半切フィルムに嵌合具テープを取り付ける工程1Bとを含む。
【0080】
(第2工程)
爪開き66を通過した外包装用の外袋10Bについて、基材5を、基材5の長手方向Yの横断面がU字形状又はV字状となるように広げ、嵌合具14の咬合が外れていてかつ外袋10Bが広げられた状態とする。
【0081】
(第3工程)
袋体の左右いずれか一方の側端側を下方に向けた状態で、袋体をU字形状又はV字状の基材の内側に入れることが好ましい。重力を利用して袋体をきれいに整列させることが出来るため、製品入り外袋内で、袋体がより整然と整列している。すなわち、外袋10Bが広げられて、U字形状又はV字状の基材5の内側に、基材5の長手方向Yに沿って、位置合せ装置68によって、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に袋体を積み重ねていく。そして、袋体が所定枚数積み重ねられる毎に袋体を配置しない非配置部40を所定の間隔毎に設けていく。図14では、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)が連続で一列に袋体を積み重ねられていき、かつ、袋体が所定枚数積み重ねられる毎に袋体を配置しない非配置部40を所定の間隔毎に設けていく形態を示した。ここで、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)は、製袋機(不図示)の下流側に位置する搬送コンベア65に1枚ごとに載せられて送られてくる。搬送コンベア65上にある袋体、例えば、袋体p4、p5、p6、p7を順次、基材5の内側に入れていく。
【0082】
(第4工程)
複数個の袋体3を内側に入れた基材5を基材5の長手方向Yに移動させながら、爪掛け67によって、基材5で複数個の袋体3を包み込むとともに、嵌合具14を咬合して製品入り外袋200を得る。嵌合具14が咬合された製品入り外袋200は、製品入り外袋200の内部が脱気されて、嵩が小さくなる。
【0083】
(第5工程)
製品入り外袋200に対して、非配置部40に相当する箇所に接着シール13(図1に図示)を設けるとともに補助シール15(図1に図示)を設ける。接着シール13及び補助シール15は、非配置部40に相当する箇所に例えば熱シール器43を押し付けながら、向かい合う基材の内壁面同士を熱溶着することで形成することが好ましい。或いは、向かい合う基材の内壁面同士を接着させることによって接着シール13及び補助シール15を形成してもよい。補助シール15は、図14では接着シール13と同時に設ける形態を示したが、接着シール13を設けた後、別工程で設けるか、又は接着シール13を設ける前、別工程で設けてもよい。
【0084】
(巻取り工程)
製品入り外袋200は横断面が扁平状態でボビン51に巻き取られて、製品入り外袋の巻き取り品54としてもよい。図14は、ロール巻きの形態を示したが、製品入り外袋200を横断面が扁平状態でカセ巻き又はつづら折りすることとしてもよい。製品入り外袋200をつづら折りするときに、接着シール13の位置に合わせて折り畳んでいくことが好ましい。
【0085】
(切断工程)
製品入り外袋の巻き取り品54に対して、接着シール13を設けた箇所で切断して製品入り外袋200が得られる。切断工程は、巻取り工程後に行うか、又は第5工程後に巻取り工程を経ずに行ってもよい。得られた製品入り外袋200は、例えば吸着アームで吸着されて所定個数ごとに自動箱詰めされることが好ましい。このように、製品入り外袋200は、製袋から箱詰めまでを自動で行うことができる。
【0086】
(第三の製造方法)
次に図15を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋の巻き取り品の第三の製造方法について説明する。ここで外包装用の外袋及び製品入り外袋は、図11及び図12に示した外袋10C及び製品入り外袋300であり、袋体は、図6及び図7に示した袋体p1である。製品入り外袋300はボビン51に巻き取られてもよい。さらに、筒の長さ方向X及び基材5の長手方向Yは、複数個の袋体3の整列方向Xと同方向である。
【0087】
(第1工程)
ボビン56に巻き取られた外包装用の外袋10Cの外袋巻き取り品55を準備する。外包装用の外袋10Cは、嵌合具を二つ有し、嵌合具14,24が咬合していて、嵌合具14,24が両側端にそれぞれ位置するように筒が潰された平坦状態でボビン56に巻き取られている。外包装用の外袋10Cを筒の長さ方向Xの方向に繰り出して、爪開き66に送り出す。なお、嵌合具14,24が基材5と別体の場合は、第1工程は、嵌合具14,24が接着されていない筒状フィルム又は半切フィルムを準備する工程1Aと筒状フィルム又は半切フィルムに嵌合具テープを取り付ける工程1Bとを含む。
【0088】
(第2工程)
爪開き66を通過した外包装用の外袋10Cについて、嵌合具14,24の咬合が外れることによって2つに分かれた基材5の一方5bを水平に広げ、基材の他方5aを、基材の一方5bの上方で水平に広げる。基材の一方5bはピンチロール62aに送られる。基材の他方5aもピンチロール(不図示)に送られる。
【0089】
(第3工程)
基材の一方5bをフラットのシート状とすると共に、基材の一方5bの幅方向の両端側に位置する嵌合具14,24が袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の左の側端側及び右の側端側にそれぞれ位置するように、袋体を基材の一方5bの上に載せることが好ましい。すなわち、基材の一方5bが広げられて、長手方向Yに沿って、位置合せ装置68によって、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に袋体を積み重ねていく。そして、袋体が所定枚数積み重ねられる毎に袋体を配置しない非配置部40を所定の間隔毎に設けていく。図15では、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)が連続で一列に袋体を積み重ねられていき、かつ、袋体が所定枚数積み重ねられる毎に袋体を配置しない非配置部40を所定の間隔毎に設けていく形態を示した。ここで、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)は、製袋機(不図示)の下流側に位置する搬送コンベア65に1枚ごとに載せられて送られてくる。搬送コンベア65上にある袋体、例えば、袋体p4、p5、p6、p7を順次、基材の一方5bの上に載せていく。
【0090】
(第4工程)
複数個の袋体3を基材の一方5bに載せた状態で長手方向Yに移動させながら、同時に長手方向Yに移動させてきた基材の一方5bを被せて、爪掛け67によって嵌合具14,24を咬合することが好ましい。嵌合具14,24の咬合によって、製品入り外袋300を得る。嵌合具14,24が咬合された製品入り外袋300は、ピンチロール62b,62cを通過する際に、製品入り外袋300の内部が脱気されて、嵩が小さくなる。外包装用の外袋10Cを、基材の一方5bと基材の他方5aとして、上下に分割し、その間に袋体3を配置して、元通りに閉じるという簡易な動作で、外袋10Cの中に袋体3を入れることができる。
【0091】
(第5工程)
製品入り外袋300に対して、非配置部40に相当する箇所に接着シール13(図1に図示)を設けるとともに補助シール15(図1に図示)を設ける。接着シール13及び補助シール15は、非配置部40に相当する箇所に例えば熱シール器43を押し付けながら、向かい合う基材の内壁面同士を熱溶着することで形成することが好ましい。或いは、向かい合う基材の内壁面同士を接着させることによって接着シール13及び補助シール15を形成してもよい。
【0092】
(巻取り工程)
製品入り外袋300は横断面が扁平状態でボビン51に巻き取られて、製品入り外袋の巻き取り品57としてもよい。図15は、ロール巻きの形態を示したが、製品入り外袋300を横断面が扁平状態でカセ巻き又はつづら折りすることとしてもよい。製品入り外袋300をつづら折りするときに、接着シール13の位置に合わせて折り畳んでいくことが好ましい。
【0093】
(切断工程)
製品入り外袋の巻き取り品57に対して、接着シール13を設けた箇所で切断して製品入り外袋300が得られる。切断工程は、巻取り工程後に行うか、又は第5工程後に巻取り工程を経ずに行ってもよい。得られた製品入り外袋300は、例えば吸着アームで吸着されて所定個数ごとに自動箱詰めされることが好ましい。このように、製品入り外袋200は、製袋から箱詰めまでを自動で行うことができる。
【0094】
第一~第三の製造方法では、外袋10A,10B,10C内を減圧する減圧工程を更に有することが好ましい。外袋10A,10B,10Cが基材5の内壁同士が接触した部分を有する形態とすることができ、外袋10A,10B,10C内で袋体の位置が固定されて、給袋工程に於いて供給ミスの発生を防ぐことができる。減圧工程は、例えば、切断工程前の連続した状態の製品入り外袋100,200,300又は切断工程を経て得られた個別の状態の製品入り外袋100,200,300の嵌合具14,24の一部、例えば弱咬合部又はそれ以外の部分を開口し、そこに脱気ノズルを挿入して外袋10A,10B,10C内を減圧した後に開口した咬合部分を閉口することで行うことが好ましい。また、減圧工程は、第5工程において接着シール13を設ける前又は接着シール13を設けると同時に行ってもよい。減圧工程を第5工程に行う場合も、減圧工程を切断工程の前後に行う場合と同様に、製品入り外袋100,200,300の嵌合具14,24の一部、例えば弱咬合部又はそれ以外の部分を開口し、そこに脱気ノズルを挿入して外袋10A,10B,10C内を減圧した後に開口した咬合部分を閉口することで外袋10A,10B,10C内を減圧することができる。
【0095】
(給袋装置)
次に図16図17図20及び図21を参照して、本実施形態に係る給袋装置について説明する。本実施形態に係る給袋装置700、800、900は、製品である袋体p1,p2,p3,p4,・・・,pnの一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体3を、樹脂フィルムを基材とする外包装用の外袋10Cで包み込んで、袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋300に収容された袋体p1,p2,p3,p4,・・・,pnを順々に充填機に供給する給袋装置であって、製品入り外袋300を垂下した状態で支持する保持器具704、904と、垂下した状態で支持された製品入り外袋300の下端部を開口させる開口器具706、906と、外袋10Cから出てきた複数個の袋体3を受け止める受容器具705、905と、複数個の袋体3を整列させる整列器具707、807、905と、整列した袋体3を充填機に供給する供給器具705、907と、を備える。図16図17及び図20では、一例として製品入り外袋が第三例の製品入り外袋300である形態を示したが、製品入り外袋は、第一例の製品入り外袋100(図1に図示)又は第二例の製品入り外袋200(図9に図示)であってもよい。
【0096】
本実施形態に係る給袋装置は、図16及び図17に示す第一例の給袋装置900、図20に示す第二例の給袋装置700及び図21に示す第三例の給袋装置800を包含する。次に、各例について説明する。
【0097】
(第一例の給袋装置)
本実施形態に係る第一例の給袋装置900では、保持器具904は、挟持アームである形態を包含する。挟持アーム904は、一対の先端部にそれぞれ係合爪904aを有することが好ましい。また、挟持アーム904は、係合爪904aの代わりに、挟持した製品入り外袋300を支持するための滑り止め部(不図示)を有していてもよい。滑り止め部は、挟持アーム904の先端部の内側部分に設けられた摩擦を増大させる部分であり、例えば、挟持アーム904の先端部の内側部分に凹凸構造が形成された形態又は挟持アーム904の先端部の内側部分に滑り止めシートが貼付けられた形態である。図16では一例として、挟持アーム904が周回レール908に吊り下げられて周回レール908に沿って移動する形態を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各挟持アーム904がロボット本体(不図示)に取付けられていて、ロボット本体によって移動するように構成してもよい。図17では、一例として、2個1組の挟持アーム904で1個の製品入り外袋300を挟持した形態を示したが、本発明はこれに限定されない。製品入り外袋300の長さに応じて、1個の挟持アーム904で1個の製品入り外袋300を挟持してもよいし、例えば3個1組の挟持アーム904で1個の製品入り外袋300を挟持してもよい。
【0098】
図17に示すように製品入り外袋300が第2側辺12に嵌合具24を有するとき、開口器具906は、嵌合具24の咬合部に差し込んで咬合を解除するための棒状の治具であることが好ましい。また、図1又は図9に示すように製品入り外袋100,200が第2側辺12に嵌合具24を有さないとき、開口器具906は、刃物(不図示)であるか、又は第2側辺12に設けた脆弱部(不図示)を開封する吸着器具(不図示)であってもよい。吸着器具は、第2側辺12の周辺部において第1面及び第2面にそれぞれ吸着して第1面と第2面とを引き離すことで、脆弱部を開封する。
【0099】
図1又は図9に示す製品入り外袋100,200において、外袋10A,10Bが第2開口部又は第2開口部及び接着シール13(13A,13B)にイージーピールシール(不図示)を有する場合、開口器具906は、第1面及び第2面にそれぞれ吸着して第1面と第2面とを引き離す吸着器具(不図示)であることが好ましい。
【0100】
図1又は図9に示す製品入り外袋100,200において、外袋10A,10Bが肉厚部4に並行するミシン目を有する場合、開口器具906は、外袋10A,10Bのミシン目よりも下方部分を摘まむチャック(不図示)と該チャックを昇降移動させる昇降装置(不図示)とを有する引張治具(不図示)であることが好ましい。
【0101】
図17に示す製品入り外袋300において、外袋10Cが、第1嵌合具14よりも第2側辺12側に第1嵌合具14に並行して伸びるミシン目又は第2嵌合具24よりも第1側辺11側に第2嵌合具24に並行して伸びるミシン目を有する場合、開口器具906は、外袋10Cのミシン目よりも下方部分を摘まむチャック(不図示)と該チャックを昇降移動させる昇降装置(不図示)とを有する引張治具(不図示)であることが好ましい。
【0102】
本実施形態に係る第一例の給袋装置900では、受容器具は、複数個の袋体3を立てた状態で保持及び移送するガイドレール905であり、整列器具は、ガイドレール905が兼用している形態を包含する。ガイドレール905は、例えば、上面が開口した溝形部材である。
【0103】
供給器具907は、例えば、ベルトコンベアである。
【0104】
図18は、第一例の給袋装置の変形例であり、保持器具が吸着アームである形態を示す。図16及び図17に示す第一例の給袋装置900は、保持器具として挟持アーム904に代えて、吸着アーム704を有していてもよい。吸着アーム704は、アーム部704aと、アーム部704aの先端部に設けられた吸着部704bとを有する。吸着部704bは、被吸着物を減圧吸着する真空パッドであることが好ましい。吸着アーム704は、吸着部704bで第1面又は第2面を吸着して製品入り外袋300を支持する。
【0105】
図19は、吸着アームの好ましい形態を説明するための概略図であり、(a)は水平状態、(b)は傾斜状態を示す。吸着アーム704は、角度変更部704cを更に有することが好ましい。角度変更部704cは吸着部704bの角度を変更する機構であり、例えばアーム部704aと吸着部704bとの境界部に角度変更部704cとしてロータリーアクチュエータを設けてもよい。また、吸着アーム704は、例えば図16に示すような周回レール908に吊り下げられて周回レール908に沿って移動してもよいし、各吸着アーム704がロボット本体(不図示)に取付けられていて、ロボット本体によって移動するように構成してもよい。
【0106】
給袋装置900が保持器具として吸着アーム704を有する場合、図16に示す供給部901に収容された製品入り外袋300の基材表面を吸着してコンベア903まで運ぶ吸着アーム902及び製品入り外袋300を立てた状態で移送するコンベア903は、省略することができる。
【0107】
(第二例の給袋装置)
図20は、給袋装置の第二例を示す部分概略図である。第二例の給袋装置700は、図20に示すように、保持器具として吸着アーム704を有する。吸着アーム704は、図18及び図19に示す吸着アーム704と同様の構成を有する。図20では、一例として、2個1組の吸着アーム704で1個の製品入り外袋300を挟持した形態を示したが、本発明はこれに限定されない。製品入り外袋300の長さに応じて、1個の吸着アーム704で1個の製品入り外袋300を挟持してもよいし、例えば3個1組の吸着アーム704で1個の製品入り外袋300を挟持してもよい。
【0108】
第二例の給袋装置700では、開口器具706は、第一例の給袋装置900の開口器具906と同様であり、例えば、棒状の治具(図20に図示)、刃物(不図示)又は吸着器具(不図示)である。
【0109】
第二例の給袋装置700は、図20に示すように、吸着アーム704によって垂下状態で支持された製品入り外袋300を吸着アーム704で吸着される面とは反対側の面にあてがわれる支持台710と、外袋から出てきた複数個の袋体3を滑らせてベルトコンベア705へ導く傾斜板711とを更に有することが好ましい。支持台710は、ベルトコンベア705の脇上方に配置される台である。傾斜板711は、支持台710とベルトコンベア705との間に設けられた板状部材である。支持台710と傾斜板711とは別体であるか、又は一体であってもよい。支持台710と傾斜板711とが別体であるとき、開口器具706が支持台710と傾斜板711との間に隙間を設け、当該隙間を、L字状の開口器具706がスライドするように構成してもよい。
【0110】
図20に示すように、本実施形態に係る第二例の給袋装置700では、受容器具は、ベルトコンベア705であり、整列器具は、ベルトコンベア705で搬送されてきた袋体3の姿勢を修正する整列ガイド707である形態を包含する。整列ガイド707は、図20に示すように、ベルトコンベア705の搬送面の一方の側辺部に、ベルトコンベアの流れ方向Dに対して所定の傾斜角度で配置される板状部材である。給袋装置700は、整列器具として整列ガイド707に加えて整列壁708を更に有することが好ましい。整列壁708は、ベルトコンベア705の搬送面の整列ガイド707が配置された側辺部とは反対側の側辺部に、ベルトコンベアの流れ方向Dに沿って延在する。整列ガイド707及び整列壁708は、ベルトコンベア705の搬送に伴って移動しない部分に固定されており、ベルトコンベア705の搬送に伴って移動しない。整列ガイド707及び整列壁708はベルトコンベア705の搬送面に非接触であることが好ましい。
【0111】
第二例の給袋装置700では、供給器具は、ベルトコンベア705が兼用している。
【0112】
(第三例の給袋装置)
図21は、給袋装置の第三例を示す部分概略図である。第三例の給袋装置800は、整列器具が異なる以外は、第二例の給袋装置700と基本的な構成を同じくする。このため、共通する構成については説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0113】
本実施形態に係る第三例の給袋装置800では、受容器具は、ベルトコンベア705であり、整列器具は、ベルトコンベア705の搬送面上にベルトコンベア705の流れ方向Dに沿って延在する整列リブ807である形態を包含する。整列リブ807は、ベルトコンベア705の搬送面上のうち、複数個の袋体3の落下地点に該当する部分に配置される。整列リブ807の流れ方向Dの長さは、1つの外袋から出てきた複数個の袋体3のすべてを受け止めることができる長さであればよい。図21では、一例として、整列リブ807が板状部材である形態を示したが、本発明はこれに限定されない。整列リブ807は、例えば、棒状部材(不図示)であってもよい。整列リブ807は、ベルトコンベア705の搬送に伴って移動しない部分に固定されており、ベルトコンベア705の搬送に伴って移動しない。整列リブ807はベルトコンベア705の搬送面に非接触であることが好ましい。
【0114】
(袋体の供給方法)
次に図16図17図20及び図21を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋に収容された袋体の供給方法について説明する。本実施形態に係る供給方法は、本実施形態に係る給袋装置700、800、900で袋体3を供給する供給方法であって、保持器具704、904で製品入り外袋300を垂下した状態で支持する工程Aと、開口器具706、906で製品入り外袋300の下端部を開口させて複数個の袋体3を落下させる工程Bと、落下した複数個の袋体3を受容器具705、905で受け止める工程Cと、複数個の袋体3を整列器具707、807、905で一列に整列させる工程Dと、一列に整列した袋体3を供給器具705、907で順々に充填機に供給する工程Eと、を有する。
【0115】
本実施形態に係る供給方法では、第一例の給袋装置900は、図16及び図17に示すように、保持器具として挟持アーム904を有し、工程Aは、製品入り外袋300を挟持アーム904で挟持する工程である形態を包含する。
【0116】
本実施形態に係る供給方法では、第一例の給袋装置900は、図16及び図17に示すように、受容器具として複数個の袋体3を立てた状態で保持及び移送するガイドレール905を有し、工程C及び工程Dは、複数個の袋体3をガイドレール905で受け止めると同時に整列させる工程である形態を包含する。
【0117】
次に図16及び図17を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋に収容された袋体の供給方法について説明する。図16及び図17は、一例として製品入り外袋が図11に示す製品入り外袋(第三例)300である形態を示した。本実施形態に係る袋体の供給方法は、給袋装置が係合爪904aを有する挟持アーム904と複数個の袋体3を立てた状態で保持するガイドレール905とを備え、挟持アーム904が、本実施形態に係る製品入り外袋300の第1側辺11を挟持しつつ係合爪904aを肉厚部4に係合させて製品入り外袋300を持ち上げる工程Aと、第2側辺12を開口させて複数個の袋体3をガイドレール905内に落下させる工程Bと、ガイドレール905から袋体3を順々に充填機に供給する工程Cと、を有することが好ましい。
【0118】
給袋装置900は、例えば、図16に示すように、吸着アーム902と、コンベア903と、挟持アーム904と、ガイドレール905とを有することが好ましい。吸着アーム902は、供給部901に収容された製品入り外袋300の基材表面を吸着してコンベア903まで運ぶロボットアームである。コンベア903は、製品入り外袋300を移送する装置であり、挟持アーム904が製品入り外袋300の第1側辺11を挟持できるように、製品入り外袋300を第1側辺11が上になるように立てた状態で移送する。挟持アーム904は、係合爪904aを有し、製品入り外袋300を挟持して持ち上げるロボットアームである。ガイドレール905は、製品である複数個の袋体3を立てた状態で保持及び移送することができるレールである。
【0119】
図16では、製品入り外袋300は、所定の個数ごとに、段ボール、トレー又はパレットなどの供給部901に収容されている。まず、吸着アーム902が製品入り外袋300を供給部901から吸い上げて、コンベア903に載せる。コンベア903は、製品入り外袋300を第1側辺11が上側になるように立てた状態で移動させる。次いで、挟持アーム904が製品入り外袋300の第1側辺11を挟持しつつ係合爪904aを第1嵌合具14に係合させて、第2側辺12が下側になるように製品入り外袋300を持ち上げる。製品入り外袋300は、複数個の袋体3(例えば100個の袋体)が収容されているが、第1嵌合具14に係合爪を係合させることで、挟持アーム904でより確実に挟持することができる。また、製品である袋体3は重力によって第2側辺12側に移動して整列するため、人手によって整列しなおす必要がない。製品入り外袋300では、例えば第2嵌合具24の右側接着シール13Bに隣接する部分に弱咬合部が設けられており、この弱咬合部を開口する。弱咬合部は、例えば、吸着盤などで基材5a,5b(図12に図示)を互いに離れる方向に移動させて開口させることができる。弱咬合部は咬合力を弱めているため、開口時の衝撃がほとんどなく、製品である袋体3の整列を乱してしまうことがない。次いで、図17(a)に示すように、弱咬合部を開口させたところへ棒状の治具906を差し込む。棒状の治具906を右側接着シール13B側から左側接着シール13A側にスライドさせるか、又は製品入り外袋300を紙面の左側から右側にスライドさせると、第2嵌合具24の咬合が解除され、第2開口部7(図12に図示)が開口し、図17(b)に示すように、複数個の袋体3がガイドレール905内へ自然落下で供給される。このとき、外袋10C内では袋体3が補助シール15によって接着シール13から離れて配置されているため、第2嵌合具24と接着シール13との交差部に引っかかって袋体3の整列が乱れることがない。ガイドレール905内において起立状態で整列した袋体3は、ベルト稼働に従って起立状態から横に寝た状態へと導かれ、整列したまま充填機へ供給される。このように、製品入り外袋300は、箱出しから充填機供給までを自動で行うことができる。製品である袋体3を、人手を要さず整列しているため、人手不足の解消、人件費削減を図るとともに、作業ミスによる損失を回避することができる。また、外袋10Cは再利用が可能であるため、SDGs(Sustainable Development Goals)の達成に貢献できる。
【0120】
図16及び図17では、袋体3が外袋10Cからガイドレール905内へ垂直落下する形態を示したが、本発明はこれに限定されない。ガイドレール905の上面開口に架け渡された傾斜板(不図示)を設け、外袋10Cから出てきた複数個の袋体3が傾斜板を滑ってガイドレール905内へ導かれてもよい。
【0121】
第一例の給袋装置900が、保持器具として挟持アーム904に代えて、図18及び図19に示すような吸着アーム704を有する場合、吸着アーム704は図19(a)に示す水平状態で図16に示す供給部901に収容された製品入り外袋300の基材表面を吸着してガイドレール905の上方に移動し、図19(b)に示す傾斜状態になって第2側辺12を第1側辺11よりも下方となるように垂下させる。垂下は、製品入り外袋300が図20に示すように傾斜して垂下される形態及び図17に示すように鉛直に垂下される形態を包含する。吸着アーム704が水平状態から傾斜状態に変化するタイミングは、ガイドレール905の上方に移動した後であるか、又は供給部901から製品入り外袋300を持ち上げた直後であってもよいし、給袋部901からガイドレール905の上方への移動途中であってもよい。保持器具が吸着アーム704である場合、製品入り外袋100,200,300は、外袋10A,10B,10Cを構成する基材5の内壁同士が接触した部分を有する減圧袋であることで、吸着アーム704が製品入り外袋100、200、300をより確実に支持することができる。
【0122】
ここまで、第三例の製品入り外袋300について、給袋装置900の挟持アーム904に挟持される部分は第1側辺11であり、挟持アーム904の係合爪904aに係合される部分は第1嵌合具14であり、複数個の袋体3の取出し口は、第2側辺12である形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されない。第三例の製品入り外袋300について、給袋装置900の挟持アーム904に挟持される部分が第2側辺12であり、挟持アーム904の係合爪904aに係合される部分は第2嵌合具24であり、複数個の袋体3の取出し口が第1側辺11である形態であってもよい。また、接着シールが低温熱シールなどのシール強度を弱めた熱シールである場合、熱シールを開封することで、複数個の袋体3を取り出して充填機に供給してもよい。
【0123】
外袋10Cが、第1嵌合具14よりも第2側辺12側に第1嵌合具14に並行して伸びるミシン目又は第2嵌合具24よりも第1側辺11側に第2嵌合具24に並行して伸びるミシン目を有する場合、給袋装置900は、開口器具906としてチャックと昇降手段とを有する引張治具(不図示)を有し、チャックで外袋10Cのミシン目よりも下方部分のうち袋体3が存在しない部分を摘まみ、昇降手段がチャックを下方に移動させることで、外袋10Cのミシン目よりも下側を切り離し、外袋10Cの下端部を開口させてもよい。
【0124】
第一例の製品入り外袋100及び第二例の製品入り外袋200についても、袋体の供給方法の基本的な流れは第三例の製品入り外袋300と同じであるが、異なる点を中心に説明する。第一例の製品入り外袋100では、給袋装置900の挟持アーム904に挟持される部分は立設部16であり、挟持アーム904の係合爪904aに係合される部分は肉厚部4である。また、複数個の袋体3の取出し口は、第1側辺11又は第2側辺12のいずれか一方である。挟持アーム904で持ち上げられた製品入り外袋100は、第1側辺11又は第2側辺12のいずれか一方が下側になるように傾けられ、複数個の袋体3は、第1側辺11又は第2側辺12のうち下側になった辺を、刃物で開封するか、又は第1側辺11若しくは第2側辺12のうち下側になった辺に設けた脆弱部を開封することによって、給袋装置900のガイドレール905内に自然落下で供給される。ガイドレール905内において起立状態で整列した袋体3は、ベルト稼働に従って起立状態から横に寝た状態へと導かれ、整列したまま充填機へ供給される。このように、製品入り外袋100は、箱出しから充填機供給までを自動で行うことができる。
【0125】
第二例の製品入り外袋200では、給袋装置900の挟持アーム904に挟持される部分は第1側辺11であり、挟持アーム904の係合爪904aに係合される部分は肉厚部4である。また、複数個の袋体3の取出し口は、第2側辺12である。製品入り外袋200は、挟持アーム904で第2側辺12が下側になるように持ち上げられ、複数個の袋体3は、第2側辺12を、刃物で開封するか、又は第2側辺12に設けた脆弱部を開封することによって、給袋装置900のガイドレール905内に自然落下で供給される。ガイドレール905内において起立状態で整列した袋体3は、ベルト稼働に従って起立状態から横に寝た状態へと導かれ、整列したまま充填機へ供給される。このように、製品入り外袋200は、箱出しから充填機供給までを自動で行うことができる。
【0126】
また、給袋装置900は、開口器具906として吸着器具(不図示)を有し、吸着器具で第1面と第2面とを引き離すことで、第2開口部又は第2開口部及び接着シール13(13A,13B)に設けたイージーピールシール(不図示)を剥離させて第2開口部を開口させてもよい。
【0127】
また、外袋10A,10Bが肉厚部4に並行するミシン目を有する場合、給袋装置900は、開口器具906としてチャックと昇降手段とを有する引張治具(不図示)を有し、チャックで外袋10A,10Bのミシン目よりも下方部分のうち袋体3が存在しない部分を摘まみ、昇降手段がチャックを下方に移動させることで、外袋10A,10Bのミシン目よりも下側を切り離し、外袋10A,10Bの下端部を開口させてもよい。
【0128】
ここまで、第一例の給袋装置900を用いた袋体の供給方法を説明してきたが、第二例の給袋装置700(図20に図示)又は第三例の給袋装置800(図21に図示)を用いた袋体の供給方法は、基本的な流れを第一例の給袋装置900と同様の供給方法と同じくする。このため、共通する構成については説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0129】
本実施形態に係る供給方法は、第二例の給袋装置700は、図20に示すように、保持器具として吸着アーム704を有し、工程Aは、製品入り外袋300を吸着アーム704で吸着する工程である形態を包含する。第二例の給袋装置700を用いる場合、吸着アーム704は図19(a)に示す水平状態で図16に示す供給部901に収容された製品入り外袋300の基材表面を吸着してベルトコンベア705の上方に移動し、図19(b)に示す傾斜状態になって第2側辺12を第1側辺11よりも下方となるように垂下させる。垂下は、製品入り外袋300が図20に示すように傾斜して垂下される形態及び図17に示すように鉛直に垂下される形態を包含する。吸着アーム704が水平状態から傾斜状態に変化するタイミングは、ベルトコンベア705の上方に移動した後であるか、又は供給部901から製品入り外袋300を持ち上げた直後であってもよいし、給袋部901からベルトコンベア705の上方への移動途中であってもよい。
【0130】
工程Bにおいて、吸着アーム704がベルトコンベア705の上方で傾斜状態となる時、吸着アーム704は支持台710に製品入り外袋300を押し付けるように作動することが好ましい。第二例の給袋装置700が支持台710を有することで、製品入り外袋300が吸着アーム704及び支持台710によって両面から支持される。このため、開口器具706による製品入り外袋300の開口をより安定して行うことができる。また、工程Bにおいて、開口させた外袋から出てきた袋体3は、傾斜板711を滑ってベルトコンベア705へ向けて移動することが好ましい。第二例の給袋装置700が傾斜板711を有することで、外袋から出てきた複数個の袋体3の整列状態を大きく乱すことなくベルトコンベア705上へ導くことができる。
【0131】
本実施形態に係る供給方法では、第二例の給袋装置700は、受容器具としてベルトコンベア705を有し、整列器具としてベルトコンベア705で搬送されてきた袋体3の姿勢を修正する整列ガイド707を有し、工程Cは、複数個の袋体3をベルトコンベア705で受け止める工程であり、工程Dは、袋体3を整列ガイド707に当接させて整列させる工程である形態を包含する。搬送されてきた袋体3は整列ガイド707に当接し、整列ガイド707に沿って移動することによって、流れ方向Dに沿って一列に整列する。このとき、第二例の給袋装置700が整列器具として整列壁708を更に有することで、整列ガイド707によって移動した袋体3が整列壁708に当接し、袋体3をよりきれいに整列させることができる。
【0132】
整列器具によってベルトコンベア705上に整列した袋体3は、ベルト稼働に従って整列したまま充填機へ供給される。このように、本実施形態に係る供給方法は、箱出しから充填機供給までを自動で行うことができる。
【0133】
第三例の給袋装置800を用いた袋体の供給方法は、工程C及び工程Dが異なる以外は、第二例の給袋装置700を用いた袋体の供給方法と同じである。本実施形態に係る供給方法では、第三例の給袋装置800は、図21に示すように、受容器具としてベルトコンベア705を有し、整列器具としてベルトコンベア705の搬送面上にベルトコンベア705の流れ方向Dに沿って延在する整列リブ807を有し、工程C及び工程Dは、複数個の袋体3をベルトコンベア705で受け止めると同時に複数個の袋体3を整列リブ807に当接させて整列させる工程である形態を包含する。落下してきた袋体3は整列リブ807に当接することによって、流れ方向Dに沿って一列に整列する。
【0134】
本実施形態に係る給袋装置700、800、900では、保持器具がフックなどの吊持部材(不図示)であってもよい。保持器具が吊持部材であるとき、製品入り外袋100、200、300は、被保持部として吊持部材に係合する吊り孔(不図示)を有することが好ましい。この場合、供給部901に収容された製品入り外袋100、200、300の吊り孔に吊持部材を引っかけて、製品入り外袋100、200、300を垂下状態で支持し、ベルトコンベア705の上方に移動する以外は、前述の供給方法と同様に袋体を供給することができる。
【符号の説明】
【0135】
100,200,300 製品入り外袋
p1,p2,p3,p4,・・・,pn 袋体
3 複数個の袋体(袋体)
4 肉厚部
5 基材
5a 第1基材
5b 第2基材
6 開口部、第1開口部
6a 開口部の縁、第1開口部の縁
7 第2開口部
7a 第2開口部の縁
8 開口部
9 チャック
10A,10B,10C 外袋
11 第1側辺
12 第2側辺
13 接着シール
13A 左側接着シール
13B 右側接着シール
14 嵌合具、第1嵌合具
14a 雄部材
14a1 雄基部
14a2 雄部
14b 雌部材
14b1 雌基部
14b2 雌部
14c 雄部
14d 雌部
15 補助シール
16 立設部
24 第2嵌合具
40 非配置部
43 熱シール器
50,54,57 製品入り外袋の巻き取り品
51,52,56 ボビン
53,55 外袋巻き取り品
61a,61b ダンスロール
62a,62b,62c ピンチロール
63,63b 爪ガイドロール
64 タッチロール
65 搬送コンベア
66 爪開き
67 爪掛け
68 位置合せ装置
700 給袋装置
704 吸着アーム
704a アーム部
704b 吸着部
704c 角度変更部
705 ベルトコンベア
706 開口器具
707 整列ガイド
708 整列壁
710 支持台
711 傾斜板
800 給袋装置
807 整列リブ
900 給袋装置
901 供給部
902 吸着アーム
903 コンベア
904 挟持アーム
904a 係合爪
905 ガイドレール
906 開口器具
907 供給器具
908 周回レール
T 収容部
X 複数個の袋体の整列方向、筒の長さ方向
Y 基材5の長手方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21