(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】作業機用無線操作器の置き忘れ防止装置
(51)【国際特許分類】
B66C 13/40 20060101AFI20230502BHJP
B66C 23/44 20060101ALI20230502BHJP
G08B 21/24 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
B66C13/40 D
B66C23/44 A
G08B21/24
(21)【出願番号】P 2022119571
(22)【出願日】2022-07-27
(62)【分割の表示】P 2017157370の分割
【原出願日】2017-08-17
【審査請求日】2022-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】506002823
【氏名又は名称】古河ユニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】金澤 二郎
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-290487(JP,A)
【文献】特開2005-025709(JP,A)
【文献】特開2006-127151(JP,A)
【文献】特開2005-284771(JP,A)
【文献】特開2012-173902(JP,A)
【文献】特表2009-525214(JP,A)
【文献】特開2003-132435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/00-15/06
B66C 19/00-23/94
G08B 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンにより自走可能な車両に作業装置が搭載された作業機を遠隔操作する可搬型の無線操作器の置き忘れを防止するための作業機用無線操作器の置き忘れ防止装置であって、
前記車両の車室内に設けられ、パッシブ型のRFIDタグと通信を行うための電波を前記車室内に放射する電波放射部と、
前記無線操作器に取り付けられ、前記電波を受信したことに応じて動作電力を得ると共に応答信号を出力するパッシブ型のRFIDタグと、
前記車室内に設けられ、前記RFIDタグから出力される前記応答信号を受信する受信部と、
前記車両に搭載されたパーキングブレーキの解除操作が行われたことを検出する解除操作検出部、又は前記エンジンの動力を前記作業装置に伝達するPTO機構の断操作が行われたことを検出する断操作検出部と、
前記解除操作検出部で前記解除操作が行われたことを検出したこと、又は前記断操作検出部で前記断操作が行われたことを検出したことに応じて、前記電波放射部に前記電波の放射を開始させる放射制御部と、
前記無線操作器の置き忘れに対する警報を行う置き忘れ警報部と、を備え、
前記放射制御部は、
前記電波の放射を開始してから、予め設定した時間を経過しても前記受信部が前記応答信号を受信しないと判定した場合には、前記電波放射部に前記電波の放射を停止させると共に、前記置き忘れ警報部に前記警報を行わせ、
前記電波の放射を開始してから、予め設定した時間が経過する前に前記受信部が前記応答信号を受信したと判定した場合には、前記電波放射部に前記電波の放射を停止させ、
前記車両が走行を開始した後に予め設定した秒数が経過すると前記電波放射部に前記電波の放射を再開させ、前記電波の放射を再開してから、予め設定した時間を経過しても前記受信部が前記応答信号を受信しないと判定した場合には、前記電波放射部に前記電波の放射を停止させると共に、前記置き忘れ警報部に前記警報を行わせることを特徴とする作業機用無線操作器の置き忘れ防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両搭載型クレーン等の作業機を遠隔操作するための無線操縦装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両搭載型クレーン等の作業機においては、車両に搭載されている作業装置を無線操縦装置によって遠隔操作するものが主流となってきており、作業効率の向上に寄与している。
このような作業機の無線操縦装置では、作業装置を離れた位置からオペレータが操作するために可搬型の無線操作器が用いられている。例えば、車両搭載型クレーンの無線操縦装置では、
図3に示すような無線操作器が用いられている。
【0003】
この無線操作器10は、正面に作業装置であるクレーンの各アクチュエータの作動に対応した選択スイッチ11、12、13、14が設けられ、グリップ15の背面にはアクチュエータの作動速度を制御するための速度レバー16が設けられている。
遠隔操作を行う場合には、オペレータは、無線操作器10のグリップ15を握り、クレーンの各アクチュエータの作動に対応する各選択スイッチを選択操作しながら、アクチュエータの作動速度を制御するための速度レバー16を操作する。操作が行われると操作に対応する操作信号が送信され、クレーン側に設置された無線受信機で受信され、その操作信号に基づいてクレーンのアクチュエータが作動するようになっている。
【0004】
しかし、このような無線操作器は容易に持ち運びができるように構成されているため、作業現場に持ち出して使用し、作業終了後に何処かに置き忘れたまま車両を他の作業現場などへ走行移動させ、無線操作器を紛失してしまうという問題があった。
従来、このような無線操作器の紛失を防止する手段として、運転室等の適所に無線操作器の収容部を設け、この収容部に無線操作器を収容しないで車両を走行移動させようとすると、警報器が作動して置き忘れをオペレータに報知する置き忘れ防止装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の置き忘れ防止装置は、運転室などに専用の収容部を設けるためのスペースが必要で、更に作業が終了したらオペレータは必ず無線操作器を収容部に収容しなければならないという煩わしさがある。また、収容部は誤作動しない信頼性の高い検知スイッチで構成する必要があり、装置が高価となる。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、専用の収容部などを設ける必要がなく、容易に、且つ安価に無線操作器の置き忘れを防止することが可能な作業機用無線操作器の置き忘れ防止装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る作業機用無線操作器の置き忘れ防止装置は、エンジンにより自走可能な車両に作業装置が搭載された作業機を遠隔操作する可搬型の無線操作器の置き忘れを防止するためのものであって、前記車両の車室内に設けられ、パッシブ型のRFIDタグと通信を行うための電波を前記車室内に放射する電波放射部と、前記無線操作器に取り付けられ、前記電波を受信したことに応じて動作電力を得ると共に応答信号を出力するパッシブ型のRFIDタグと、前記車室内に設けられ、前記RFIDタグから出力される前記応答信号を受信する受信部と、前記車両に搭載されたパーキングブレーキの解除操作が行われたことを検出する解除操作検出部と、前記解除操作検出部で前記解除操作が行われたことを検出したことに応じて前記電波放射部に前記電波の放射を開始させ、前記受信部が前記応答信号を受信したことに応じて前記電波放射部に前記電波の放射を停止させる放射制御部と、前記無線操作器の置き忘れに対する警報を行う置き忘れ警報部と、を備え、前記放射制御部は、前記電波の放射を開始してから、予め設定した時間を経過しても前記受信部が前記応答信号を受信しないと判定した場合に前記無線放射部に前記電波の放射を停止させると共に、前記置き忘れ警報部に前記警報を行わせる。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様に係る作業機用無線操作器の置き忘れ防止装置は、エンジンにより自走可能な車両に作業装置が搭載された作業機を遠隔操作する可搬型の無線操作器の置き忘れを防止するためのものであって、前記車両の車室内に設けられ、パッシブ型のRFIDタグと通信を行うための電波を前記車室内に放射する電波放射部と、前記無線操作器に取り付けられ、前記電波を受信したことに応じて動作電力を得ると共に応答信号を出力するパッシブ型のRFIDタグと、前記車室内に設けられ、前記RFIDタグから出力される前記応答信号を受信する受信部と、前記エンジンの動力を前記作業装置に伝達するPTO機構の断操作が行われたことを検出する断操作検出部と、前記断操作検出部で前記断操作が行われたことを検出したことに応じて前記電波放射部に前記電波の放射を開始させ、前記受信部が前記応答信号を受信したことに応じて前記電波放射部に前記電波の放射を停止させる放射制御部と、前記無線操作器の置き忘れに対する警報を行う置き忘れ警報部と、を備え、前記放射制御部は、前記電波の放射を開始してから、予め設定した時間を経過しても前記受信部が前記応答信号を受信しないと判定した場合に前記無線放射部に前記電波の放射を停止させると共に、前記置き忘れ警報部に前記警報を行わせる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る作業機用無線操作器の置き忘れ防止装置によれば、専用の収容部などを設けることなく、容易に、且つ安価に無線操作器の置き忘れを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る置き忘れ防止装置を備えた車両搭載型クレーンの側面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る置き忘れ防止装置の構成図である。
【
図3】従来の無線操作器の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態に係る車両搭載型クレーン1は、
図1に示すように、車両2と、この車両2の荷台3と運転室4との間のシャーシフレーム5上に搭載されたクレーン6とを備えている。
このクレーン6は、アウトリガ61を備えたベース62と、ベース62上に旋回自在に設けられたコラム63と、コラム63の上端部に起伏自在に枢支された伸縮式のブーム64と、フック65とを備えている。コラム63にはウインチ(図示略)が設けられており、このウインチのワイヤロープをブーム64の先端部に導いて、フック65に掛け回すことによりフック65がブーム64の先端部から吊り下げられている。
【0012】
クレーン6は、更に、コラム63(ブーム64)の旋回、ブーム64の起伏と伸縮、及びウインチによるフック65の巻上げ、巻下げの作動を行うための各種アクチュエータを備えている。これら各種アクチュエータは、車両2の油圧源から切換制御弁装置(図示略)を介して個別に圧油が供給されることにより作動する。
車両搭載型クレーン1は、更に、無線操縦装置と、置き忘れ防止装置とを備えている。
無線操縦装置は、
図1に示す、無線操作器10と、無線受信機20とから構成されている。
【0013】
無線操作器10は、本実施形態において
図3に示すものと同様となるので説明を省略する。
無線受信機20は、
図1に示すように、クレーン6のコラム63に近接した荷台3の前端部に設置されている。無線受信機20は、無線操作器10から無線送信された操作信号を受信し、受信した操作信号に基づきクレーン6の各種アクチュエータを作動させる作動信号を生成する。そして、生成した作動信号を切換制御弁装置へと出力することで、クレーン6の各種アクチュエータを作動させるようになっている。
【0014】
置き忘れ防止装置は、
図1に示す、無線操作器10に取り付けられたパッシブ型のRFIDタグ50(以下、「パッシブタグ50」と略称する)と、運転室4内に設けられた読み取り装置51及び置き忘れ警報装置52と、車両2に設けられた走行検出装置53とを備えている。
【0015】
パッシブタグ50は、自ら電源を持たないことを特徴としており、図示省略するが、アンテナと、受信回路と、送信回路と、整流回路と、メモリとを含んで構成されている。パッシブタグ50は、外部からの電波を、アンテナを介して受信し、整流回路にて受信した電波から駆動電力(直流電力)を生成する。そして、生成した駆動電力にて各回路を駆動し、受信回路にて受信した電波を復調して電波に含まれるコマンドを抽出し、送信回路にて抽出したコマンドに応じた応答信号を反射電波としてアンテナを介して出力する。具体的に、パッシブタグ50のデータを読み出すコマンドである場合は、送信回路にてメモリに記憶されたデータに基づき搬送波を変調して応答信号を生成し、生成した応答信号を、アンテナを介して出力する。なお、メモリに記憶されたデータには、パッシブタグ50の識別データ等が含まれている。
【0016】
読み取り装置51は、
図2に示すように、パッシブタグ50に対して電力を供給すると共にコマンドを送信するための電波を運転室4内に放射する発信部511と、パッシブタグ50からの反射電波を受信し、それを増幅する受信部512とを備えている。本実施形態の発信部511は、運転室4内の略全域に届く範囲(例えば1~2[m])に電波を放射するように構成されている。即ち、本実施形態のパッシブタグ50は、運転室4内において、読み取り装置51からの電波によって動作可能となっている。逆に、運転室4の外にパッシブタグ50がある場合は、読み取り装置51からの電波を受信できないため駆動電力を得られず動作できない。
【0017】
ここで、パッシブタグ50と読み取り装置51との間の電波の伝達方式として、例えば、UHF帯(極超短波)の電波や2.45[GHz]のマイクロ波などを用いる電波式のものと、電磁誘導現象を利用した電磁誘導式のものとがある。一般に、電波式の通信可能距離は、約0~5[m]であり、電磁誘導式の通信可能距離は、約0~1[m]である。
本実施形態では、運転室4内にてパッシブタグ50と読み取り装置51との間で電波の送受信が可能となればよいため、運転室4の広さに応じて、上記いずれかの方式を採用する。
【0018】
具体的に、本実施形態では、電波式のものを採用し、パッシブタグ50のアンテナ(不図示)と、読み取り装置51の発信部511のアンテナ(不図示)とをダイポールアンテナにて構成する。ここで、ダイポールアンテナは、コイル状のループアンテナと比較して、指向性が高く通信距離の長さで有利である。
置き忘れ警報装置52は、不図示の信号線を介して読み取り装置51に接続されており、読み取り装置51からの警報の出力指令に応じて、ブザーや音声などの音による報知や、ランプなどの光による報知によって、無線操作器10の置き忘れに対する警報を行う。
【0019】
走行検出装置53は、不図示の信号線を介して読み取り装置51に接続されており、クレーン6による作業後に、車両2を走行させるために実施される特定の操作が行われたことを検出する装置である。本実施形態では、車両2のパーキングブレーキの解除操作が行われたことを検出し、検出したことを示す信号を読み取り装置51に出力する。加えて、エンジンの動力をクレーン6に伝達するPTO機構を断操作したことを検出し、検出したことを示す信号を読み取り装置51に出力する。本実施形態では、パーキングブレーキの解除操作を検出するか、PTO機構の断操作を検出するかは、オペレータが任意に切り換えることが可能となっている。なお、この構成に限らず、両操作を共に検出する構成としてもよいし、走行検出装置53がパーキングブレーキの解除操作又はPTOの断操作のいずれか一方のみを検出できる構成としてもよい。
【0020】
読み取り装置51は、走行検出装置53からのパーキングブレーキの解除操作又はPTO機構の断操作を検出したことを示す信号(以下、「検出信号」と記載する)を受信すると、発信部511にて電波の放射を開始する。そして、電波の放射を開始してから、予め設定した時間が経過する前に、パッシブタグ50からの応答信号を受信したと判定すると、無線操作器10が運転室4内に収納されていると判断する。これにより、読み取り装置51は、発信部511からの電波の放射を停止する。
【0021】
一方、読み取り装置51は、電波の放射を開始してから、予め設定した時間が経過してもパッシブタグ50からの応答信号を受信しないと判定すると、無線操作器10の置き忘れが発生したと判断する。これにより、読み取り装置51は、発信部511からの電波の放射を停止すると共に、警報の出力指令を置き忘れ警報装置52に出力する。
置き忘れ警報装置52は、読み取り装置51からの警報の出力指令を受信すると、音や光による警報を実行する。オペレータは、この警報によって、走行移動する前に無線操作器10の置き忘れに気付くことが可能である。
【0022】
上記したように、読み取り装置51の電波の到達距離は運転室4内(1~2[m])としたため、無線操作器10が運転室4内にある場合は、パッシブタグ50は十分に電波を受信できる。一方、無線操作器10が運転室4の外、例えば荷台3の上や、作業現場の道路上などの電波の到達距離よりも離れた場所にある場合は、パッシブタグ50は電波を受信できない。
【0023】
なお、車両2の種類によって運転室の広さは異なるため、本実施形態の読み取り装置51は、運転室の広さに合わせて電波の到達距離や受信感度の調整ができるように構成されている。
また、本実施形態の読み取り装置51は、常に電波を放射するのではなく、走行検出装置53からの検出信号に応じて、予め設定した時間だけ放射を行うように構成されているため、電力の消費が少なくて済む。
【0024】
また、本実施形態の車両搭載型クレーン1では、無線操作器10によるクレーン作業が終了し、車両搭載型クレーン1を他の作業現場へ走行移動させる場合、オペレータは、パッシブタグ50の取り付けられた無線操作器10を運転室4内に収納する。このとき、運転室4内であれば、例えば助手席の上など収納する場所を限定する必要がない。即ち、無線操作器10が運転室4内に存在すれば、読み取り装置51が、走行検出装置53からの検出信号を受信して発信部511から電波を放射した際に、パッシブタグ50はこの電波を受信して応答信号を出力することができる。従って、読み取り装置51は、パッシブタグ50からの応答信号を受信することができ、警報の出力指令を出力しないため、置き忘れ警報装置52から置き忘れていることを知らせる音や光による警報は発せられず、走行移動が可能である。
【0025】
一方、他の作業現場に走行移動する際に、オペレータが、パッシブタグ50が取り付けられた無線操作器10を、運転室4内の読み取り装置51からの電波を受信できない程に離れた場所に置き忘れてしまったとする。この場合、読み取り装置51が、走行検出装置53からの検出信号を受信して発信部511から電波を放射した際に、パッシブタグ50はこの電波を受信することができず、読み取り装置51は、予め設定した時間内にパッシブタグ50からの応答信号を受信することができない。そのため、読み取り装置51は、警報の出力指令を置き忘れ警報装置52に出力し、置き忘れ警報装置52から置き忘れていることを知らせる音や光による警報が発せられる。オペレータは、この警報によって置き忘れていることを認識できるため、置き忘れた無線操作器10を回収して運転室4内に収納することが可能となる。
【0026】
なお、パッシブタグ50は、アクティブ型のRFIDタグと異なり自らが電源を有さず、読み取り装置51からの電波によって駆動電力を得て動作をする。そのため、安価であると共に、無線操作器10の電源を利用するといったことが無く、無線操作器10の電力消費に影響を与えることがない。また、無線操作器10の電源からタグへと電力を供給するための配線用の穴を空けるなどの改造も不要となるため、後付が容易であると共に穴を空けた箇所からの水の侵入といった改造による不具合の発生がない。
【0027】
ここで、上記実施形態において、車両搭載型クレーン1が作業機に対応し、クレーン6が作業装置に対応し、発信部511が電波放射部に対応し、走行検出装置53が解除操作検出部及び断操作検出部に対応し、読み取り装置51が放射制御部に対応し、置き忘れ警報装置52が置き忘れ警報部に対応する。
(変形例)
なお、上記実施形態では、読み取り装置51のダイポールアンテナにて電波を放射し、この電波をパッシブタグ50のダイポールアンテナにて受信する構成としたが、この構成に限らない。例えば、読み取り装置51のアンテナとしてコイル状のループアンテナを採用し、同様にパッシブタグ50側のアンテナもループアンテナを採用して電磁波を用いた通信を行う構成としてもよい。即ち、電波の伝達方式として、電磁誘導式を用いる構成としてもよい。但し、運転室内に存在するパッシブタグとの間で電磁波の送受信ができないような構成は含まないものとする。
【0028】
また、上記実施形態では、パッシブタグ50からの応答信号を受信した際に、直ちに電波の放射を停止する構成としたが、この構成に限らない。例えば、電波の到達距離や受信感度の設定内容によっては、運転室4の外でも車両2に近い位置に無線操作器10が置いてある場合に、パッシブタグ50へと電波が届いてしまうといった場合が想定される。そこで、応答信号を受信しても直ちに電波の放射を停止せずに、走行開始後、予め設定した秒数は電波を放射し続けて運転室4内に無線操作器10が収納されているか否かの判定を継続する構成としてもよい。または、走行開始後、予め設定した秒数が経過後に電波の放射を開始するといった構成としてもよい。いずれかの構成とすることで、車両2の近くに無線操作器10を置き忘れた場合でも、車両走行後に置き忘れたことを検出することが可能となる。
【符号の説明】
【0029】
1 車両搭載型クレーン
2 車両
3 荷台
4 運転室
5 シャーシフレーム
6 クレーン
10 無線操作器
20 無線受信機
50 パッシブタグ
51 読み取り装置
52 置き忘れ警報装置
53 走行検出装置