(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-01
(45)【発行日】2023-05-12
(54)【発明の名称】過放電された電池を検出する方法およびデバイス
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230502BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20230502BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
H02J7/00 X
H02J7/00 302D
H01M10/48 P
H01M10/44 P
(21)【出願番号】P 2022506410
(86)(22)【出願日】2020-07-27
(86)【国際出願番号】 IN2020050652
(87)【国際公開番号】W WO2021019561
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-03-28
(31)【優先権主張番号】201941030756
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522040724
【氏名又は名称】スリング メディア ピーブイティー エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】SLING MEDIA PVT LTD.
【住所又は居所原語表記】Salarpuria Sattva Eminence, Ground Floor, No.239, SY No.174/175&176, Outer Ring Road, Marathahalli, Bengaluru 560037, INDIA
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】アルン ピーケー
(72)【発明者】
【氏名】ヤシュワント メルワンキ
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-340451(JP,A)
【文献】特開2006-254612(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0188326(US,A1)
【文献】特開平07-184327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 10/48
H01M 10/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池駆動デバイス内で機能を実行するように動作するプロセッサを起動する処理と、
電池の第1の出力電圧を決定する処理と、
前記第1の出力電圧がカットオフ電圧未満であることに応答して、3秒から7秒の間、充電器で前記電池を充電する処理と、
前記電池駆動デバイスを再起動する処理と、
前記電池の第2の出力電圧を決定する処理と、
前記第2の出力電圧が前記カットオフ電圧より低いことに応答して、電池異常を示すユーザプロンプトを提供する処理と、
前記電池駆動デバイスをシャットダウンする処理と、
を含む方法。
【請求項2】
前記電池の第3の出力電圧を決定する処理を更に含み、前記第3の出力電圧がカットオフ電圧よりも小さいことに応答して、前記電池駆動デバイスの前記シャットダウンが実行される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カットオフ電圧はゼロボルトであり、前記電池が下限電圧以下に放電されたことに応答して、前記電池がカットオフ回路によって切断されたことを示す請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザプロンプトは発光ダイオードを介して提供される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記電池はリチウムイオン電池である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記カットオフ電圧は、前記電池が下限電圧以下に放電されていることを示す請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の出力電圧がカットオフ電圧よりも小さいことに応答して、カウンタをインクリメントする処理を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザプロンプトは、音によるアラートを介して提供される請求項1に記載の方法。
【請求項9】
電池駆動デバイスは、
電圧出力を有し、充電レベルが下限電圧を下回ることに応答して前記電圧出力を切断するように動作する電池と、
充電制御信号に応じて前記電池を充電する充電回路と
前記電池の電圧出力の第1の決定を行い、前記第1の決定が下限電圧を下回ることに応答して、3秒から7秒の間、前記電池を充電するように充電回路を制御するための充電制御信号を生成し、前記電池駆動デバイスを再起動し、前記電池の出力電圧の第2の決定を行い、前記第2の決定が下限電圧を下回ることに応答して、電池異常を示すユーザプロンプトを生成し、前記電池駆動デバイスをシャットダウンするプロセッサと、
を備える電池駆動デバイス。
【請求項10】
前記ユーザプロンプトを表示するためのユーザインタフェースを更に含む請求項9に記載の電池駆動デバイス。
【請求項11】
前記ユーザプロンプトに応答して音によるアラートを提供するためのユーザインタフェースを更に含む請求項9に記載の電池駆動デバイス。
【請求項12】
前記ユーザプロンプトは、発光ダイオードを点灯させるための信号である請求項9に記載の電池駆動デバイス。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記第1の決定が前記下限電圧よりも小さいことに応答して、カウンタをインクリメントするように更に動作する請求項9に記載の電池駆動デバイス。
【請求項14】
前記第1の決定はゼロボルトであり、充電レベルが下限電圧を下回ったことに応答して、前記電池が電圧出力を切断したことを示す請求項9に記載の電池駆動デバイス。
【請求項15】
充電回路、プロセッサ、およびユーザインタフェースに電源電圧を供給する電源を更に備える請求項9に記載の電池駆動デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年7月14日に出願された米国特許出願番号16/928,494の優先権を主張し、更に2019年7月30日に出願されたインド仮特許出願番号201941030756の利益を主張し、これにより、上記出願のすべてが参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
以下の議論は、一般に、電池の充電および分類に関するものである。より詳細には、以下の議論は、電池の潜在的な過放電を考慮して、充電式電子機器の電池の有用性を決定することに関するものである。
【背景技術】
【0003】
近年、携帯型電子機器の普及が進んでいる。携帯電話、デジタルカメラ、携帯ゲーム機などの携帯型電子機器には、二次電池が搭載されていることが多い。リチウムイオン電池は、携帯電子機器や携帯工具、電気自動車などに搭載されている二次電池の一種である。リチウムイオン電池は、電極材料に挿入(intercalated)されたリチウム化合物を使用しており、エネルギー密度が高く、メモリー効果がなく、自己放電が少ないという特徴がある。
【0004】
最近の二次電池は、電子機器への電圧供給を停止し、電池が完全に放電したとみなされる電圧であるカットオフ電圧を有する。このカットオフ電圧は、電子機器や電池の損傷を防ぐために作動する。しかし、寄生抵抗や電池内部の動作により、長期間にわたって更なる放電が起こり、電池に永久的な損傷を与えたり、化学的な不安定さによる膨らみや、内部短絡による過度の加熱、発火、爆発したりするなど、更なる電池の使用に危険な状態に陥る可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、電池が安全でない可能性のあるレベルまで過放電されたことを判断し、ユーザに電池の過放電状態を示すことができるシステムおよび方法を作成することが望ましい。その他の望ましい特徴や特性は、添付の図面やこの背景部分と合わせて、その後の詳細な説明や添付の請求項から明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書では、計算機システムを提供するためのヒューマン・マシン・インターフェースの方法とシステムおよび関連回路、そのようなシステムを作るための方法と操作するための方法、およびオンボード制御システムを備えたシステムを開示する。限定ではなく例として、過放電された二次電池の検出に関する様々な実施形態が本明細書に開示される。
【0007】
本開示の一態様によれば、電池駆動デバイス内で機能を実行するように動作するプロセッサを起動する処理と、電池の第1の出力電圧を決定する処理と、前記第1の出力電圧がカットオフ電圧未満であることに応答して、3秒から7秒の間、充電器で前記電池を充電する処理と、前記電池駆動デバイスを再起動する処理と、電池の第2の出力電圧を決定する処理と、前記第2の出力電圧が前記カットオフ電圧より低いことに応答して、電池異常を示すユーザプロンプトを提供する処理と、前記電池駆動デバイスをシャットダウンする処理と、を含む方法が提供される。
【0008】
本開示の別の態様によれば、前記電池の第3の出力電圧を決定する処理を更に含み、前記第3の出力電圧がカットオフ電圧よりも小さいことに応答して、前記電池駆動デバイスの前記シャットダウンが実行される。
【0009】
本開示の別の態様によれば、前記カットオフ電圧はゼロボルトであり、前記電池が下限電圧以下に放電されたことに応答して、前記電池がカットオフ回路によって切断されたことを示す。
【0010】
本開示の別の態様によれば、前記ユーザプロンプトは発光ダイオードを介して提供される。
【0011】
本開示の別の態様によれば、前記電池はリチウムイオン電池である。
【0012】
本開示の別の態様によれば、前記カットオフ電圧は、前記電池が下限電圧以下に放電されていることを示す。
【0013】
本開示の別の態様によれば、前記第1の出力電圧がカットオフ電圧よりも小さいことに応答して、カウンタをインクリメントする処理を更に含む。
【0014】
本開示の別の態様によれば、前記ユーザプロンプトは音によるアラートを介して提供される。
【0015】
本開示の別の態様によれば、電池駆動デバイスは、電圧出力を有し、充電レベルが下限電圧を下回ることに応答して前記電圧出力を切断するように動作する電池と、充電制御信号に応じて前記電池を充電する充電回路と、前記電池の電圧出力の第1の決定を行い、前記第1の決定が前記下限電圧を下回ることに応答して、3秒から7秒の間、前記電池を充電するように充電回路を制御するための充電制御信号を生成し、前記電池駆動デバイスを再起動し、前記電池の出力電圧の第2の決定を行い、前記第2の決定が前記下限電圧を下回ることに応答して、電池異常を示すユーザプロンプトを生成し、前記電池駆動デバイスをシャットダウンするプロセッサと、を備えている。
【0016】
本開示の別の態様によれば、前記ユーザプロンプトを表示するためのユーザインタフェースを更に含む。
【0017】
本開示の別の態様によれば、ユーザプロンプトに応答して音によるアラートを提供するためのユーザインタフェースを更に含む。
【0018】
本開示の別の態様によれば、前記電池はリチウムイオン電池である。
【0019】
本開示の別の態様によれば、前記ユーザプロンプトは、発光ダイオードを点灯させるための信号である。
【0020】
本開示の別の態様によれば、前記プロセッサは、前記第1の決定が下限電圧よりも小さいことに応答して、カウンタをインクリメントするように更に動作する。
【0021】
本開示の別の態様によれば、第1の決定はゼロボルトであり、充電レベルが下限電圧を下回ったことに応答して、前記電池が電圧出力を切断したことを示す。
【0022】
本開示の別の態様によれば、充電回路、プロセッサ、およびユーザインタフェースに供給電圧を提供するための電源を更に含む。
【0023】
本開示の別の態様によれば、過放電された電池を検出する装置であって、第1の時刻における第1の電池出力レベル、第2の時刻における第2の電池出力レベル、第3の時刻における第3の電池出力レベルを検出するセンサと、制御信号に応答して前記電池を充電する充電回路と、アラート通知に応答してユーザアラートを提供するユーザインタフェースと、前記第1の電池出力レベルを下限電圧と比較し、前記第1の電池出力レベルが前記下限電圧よりも小さいことに応答して、カウンタをインクリメントし、4秒から6秒の間の第1の継続時間で前記電池を充電するように前記充電回路を制御する制御信号を生成するように動作するプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記第2の電池出力レベルを前記下限電圧と比較し、前記第2の電池出力レベルが前記下限電圧よりも小さいことに応答して、前記カウンタをインクリメントし、4秒から6秒の間の第2持続時間で前記電池を充電するように前記充電回路を制御する制御信号を生成するように更に動作し、前記プロセッサは、前記第3の電池出力レベルを前記下限電圧と比較し、前記カウンタがカウント制限を超えたことに応答して、前記カウンタをインクリメントし、アラート通知を生成するように更に動作し、前記カウンタが前記カウント制限を超えたことに応答して、前記装置をシャットダウンするように動作する。
【0024】
本開示の別の態様によれば、前記プロセッサは、前記電池が前記第1の時間だけ充電された後に前記装置を再起動するように動作し、前記プロセッサは、前記電池が前記第2の時間だけ充電された後に前記装置を再起動するように更に動作する。
【0025】
本開示の別の態様によれば、前記電池はリチウムイオン電池であり、前記下限電圧は前記リチウムイオン電池のカットオフ電圧である。
【0026】
本開示の別の態様によれば、前記ユーザインタフェースは複数の発光ダイオードであり、前記ユーザアラートは発光ダイオードの組み合わせを照射することで表示される。
【0027】
本開示の上記の利点及び他の利点及び特徴は、添付の図面と関連して捉えた場合、好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明らかになる。
【0028】
以下、例示的な実施形態を以下の図面と併せて説明するが、ここでは、同様の数字は同様の要素を示し、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本開示の例示的な実施形態による、電子機器における過放電された二次電池の検出のためのアプリケーション100を示す。
【
図2】
図2は、本開示の例示的な実施形態による、電子機器における過放電された二次電池の検出のためのシステム200を示す。
【
図3】
図3は、本開示の例示的な実施形態による、電子機器における過放電された二次電池の検出のための方法300を示す。
【
図4】
図4は、本開示の別の例示的な実施形態による、電子デバイス内の過放電された二次電池を検出するための別のシステム400を示す。
【
図5】
図5は、本開示の別の例示的な実施形態による、電子デバイスにおける過放電された二次電池の検出のための別の方法500を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書に記載されている例示は、本開示の好ましい実施形態を示すものであり、そのような例示は、本開示の範囲をいかなる方法でも限定するものと解釈されるものではない。
【0031】
以下の詳細な説明は、様々な例を提供することを意図したものであるが、本開示または本開示の適用および使用を限定することを意図したものではない。更に、先行する背景または以下の詳細な説明で提示されたいかなる理論にも拘束されることを意図していない。
【0032】
上述したように、様々な実施形態では、電池駆動電子機器内の過放電された二次電池を検出することができる。以下に詳述するように、携帯電話やデジタルカメラなどの電池駆動電子機器内の電池は、3ボルトなどのカットオフ電圧を有しており、この電圧以下では、機器や電池の損傷を避けるために、電池が電子機器への電圧供給を意図的に遮断することがある。しかし、様々な寄生電圧放電メカニズムにより、カットオフ電圧まで放電した電池を長期間保存すると、更に1.8ボルトなどの安全でない電圧レベルまで放電し、電池の損傷や再充電による火災の危険性がある。様々な実施形態は、必要に応じて拡張または変更することができ、多くの同等の実施形態が本明細書に記載されている。
【0033】
ここで説明した一般的な概念は、任意の充電式電子機器に実装することができる。説明の便宜上、以下の説明では、しばしばHDMI(登録商標)ケーブルなどのビデオケーブルを介してデジタルカメラなどのビデオ生成装置からビデオを受信し、ビデオのフォーマットを変換して、ワイヤレスネットワークを介してビデオを送信するように動作するワイヤレスビデオ送信装置について言及する。過放電された二次電池の検出に応答して行われるアクションは、携帯電話、ポータブル電子エンターテイメント機器、および他の任意の充電式電子機器の機能と関連付けることができる。追加の詳細および例は、以下の説明で提供される。
【0034】
ここで
図1を参照すると、本開示の例示的な実施形態による、電子デバイスにおける過放電された二次電池を検出するためのシステム100の環境が示されている。例示的なシステムは、一体型の二次電池および充電回路を有するデバイス130と、標準的な120ボルトの壁プラグ105が接続された電源120とを含んでもよい。また、電源120は、240ボルトの供給またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0035】
この例示的な実施形態では、デバイス130は、カメラからデータを受信し、このデータを、Wi-Fi(登録商標)ネットワークなどの無線ネットワークを介した送信に適したフォーマットに変換するように動作する。例示的なデバイス130は、電源120に接続されると充電されるリチウムイオン電池を含む。電源120は、更に、電源120が接続され、電池が充電されている間、デバイス130に電力を供給するように動作可能であってもよい。リチウムイオン電池は、電源120がデバイス130から切り離されたときにデバイス130に電力を供給するように動作し、携帯型カメラからのビデオストリーミングを継続することを容易にする。
【0036】
起動中、デバイス130は、電池の出力電圧を監視するように動作する。電圧が検出されない場合は、電池電圧がカットオフ電圧(例えば3ボルト)を下回っており、電池出力が電池から切断されていると考えることができる。電池電圧が1.8ボルトなど、電池を継続して使用するための安全なレベル以下に放電したかどうかを判断するために、デバイス130は、5秒などの短時間、電池を充電できるように動作する。短時間が経過した後、デバイス130は、デバイス130の動作ソフトウェアを再起動するように動作可能である。デバイス130が再起動されると、デバイス130は再び電池の出力を測定する。電池からの出力が検出されない場合、デバイス130は、再び、電池を短時間充電するように動作し、デバイス130を再び再起動する。このプロセスは、所定のサイクル数、例えば5サイクル分繰り返される。所定の回数のサイクルの後、電池の出力電圧がカットオフ電圧以上に上昇していない場合、デバイス130は、電池が安全な電圧以下に放電されたので、使用または再充電すべきではないと結論付けることができる。その後、デバイス130は、LEDパターン、ユーザ画面上のインジケータ、または音によるアラートなどのユーザ通知を生成するように動作可能であってもよい。そして、デバイス130は、安全でない電池状態に応答してパワーダウンするように動作可能であってもよい。別の実施形態では、デバイス130は、電源120から供給される電圧で動作し続けるように動作可能であってもよいが、充電回路から電池を切り離してもよい。
【0037】
次に
図2に着目すると、本開示の例示的な実施形態による、電子デバイスにおける過放電された二次電池の検出のためのシステム200が示されている。システム200は、充電回路220と、電池225と、電源235と、プロセッサ240と、ユーザインタフェース230とを含むことができる。電源235は、電池235から、または外部5ボルト電源などの外部電源から受け取った電圧に応答して、プロセッサ240、ユーザインタフェース230、および充電回路220に電力を供給するように動作可能である。電源235は、システム200の動作を開始するために、プロセッサ240に結合する適切な電圧を生成するように動作可能であってもよい。電源235は、プロセッサ240からの制御信号および外部電源から供給される電圧に応答して、電池235を充電するために、充電回路220に通電するように更に動作可能である。設計基準によれば、電池の充電は、プロセッサ240の動作中に行われてもよい。
【0038】
充電回路220は、電源235から電圧を受け取り、この電圧を適切な電圧および電流に変換して、電池235を再充電するように動作可能である。充電回路220は、電池235を再充電すべきかどうかを判断するために、電池225の出力電圧を監視するように動作可能であってもよい。例えば、4.3ボルトの電池出力は完全に充電されていると考えられ、充電回路220は、4.3ボルトの電池出力を検出することに応答して、再充電電圧の印加を停止してもよい。その後の所定の充電電圧、例えば3.7ボルトの電池出力を検出すると、充電回路220は、電池225が完全に充電されるまで、再び充電電圧の印加を継続してもよい。この例示的な実施形態では、充電回路220は、カットオフ電圧以下に放電された電池を示す、電池235からの電圧出力の欠如を検出するように更に動作してもよい。そして、充電回路220は、遮断された電池出力を示すプロセッサ240に結合するための制御信号などを生成してもよい。
【0039】
代替の実施形態では、電池235の充電状態を決定するように動作する燃料ゲージ装置245が設けられている。燃料ゲージデバイスは、個別素子(discrete device)、回路、集積回路として、または充電回路220のコンポーネントとして実装されてもよい。電池出力が遮断され、したがって、ゼロボルトの電池出力を有する場合、燃料ゲージ装置245は、電池出力エラーを示すプロセッサに結合するためのエラー信号を生成するように動作してもよい。この例では、電池出力エラーは、カットオフ電圧以下の電池出力を示し、プロセッサ240によってそのように解釈されてもよい。特定の例では、燃料ゲージ装置245は、プロセッサに結合するためのI2Cエラーを生成するように動作可能であってもよい。
【0040】
電池235は、充電可能なリチウムイオン電池などであってもよく、外部電源が接続されていないときにプロセッサ240およびユーザインタフェース230に電力を供給するように動作可能である。代替の実施形態では、電池235は、外部電源が接続され、充電回路220が電池235に再充電電圧を印加するように動作している場合に、プロセッサ240およびユーザインタフェース230に電力を供給するように動作可能であってもよい。電池235は、電池235の充電レベルを監視し、充電レベルがカットオフ電圧を下回ったことに応答して、システム200内の他のコンポーネントへの電圧の結合を中止するように、更に動作可能であってもよい。出力電圧のこの切り離しは、電池235またはシステム200内の他の構成要素の損傷をもたらす電池235の更なる放電を防止するために実行される。
【0041】
プロセッサ240は、電源235から動作電圧を受け取るように動作し、システム200の動作に関連する機能およびアルゴリズムを実行するように動作してもよい。更に、プロセッサ240は、直接または充電回路220を介して、電池235の出力を監視して、電池出力電圧がカットオフ電圧を下回っているかどうかを判断するように動作可能である。電池出力がカットオフ電圧を下回る場合、例えばゼロボルトの場合、電池235は安全でない放電レベルまで放電される可能性がある。電池電圧がカットオフ電圧を下回っていることを検出する際に、プロセッサ240は、充電回路220を制御して、電池235を短時間、例えば5秒間充電するように動作可能であってもよい。その後、プロセッサ240は、カウンタをインクリメントするように動作し、システムを再起動するように動作する。システムの再起動時に、電池電圧が遮断されたままであれば、プロセッサ240は、電池235を短時間充電するように充電回路220を制御し、カウンタをインクリメントし、システム200を再起動するように再び動作可能である。カウンタが所定の数に達し、電池の充電量がカットオフ電圧について上昇しないと、プロセッサ240は、電池235を充電回路220から切り離し、電池の状態を示すユーザプロンプトを生成し、このユーザプロンプトをユーザインタフェース230に結合するように動作可能である。次に、プロセッサ240は、システム200を停止させるように動作可能である。この例では、システムの停止は、電池が充電回路から切り離され、充電が停止され、システムが外部電源に応答して電力供給され続ける状態であってもよい。プロセッサ240は、デバイスの動作を停止させ、ユーザインタフェース230に表示するためのユーザプロンプトを生成し、ユーザインタフェース230への電力を保持するように動作可能である。
【0042】
ユーザインタフェース230は、一連のLEDライト、表示画面、音声出力などであってもよい。ユーザインタフェース230は、プロセッサ240からユーザプロンプトを受信するように動作可能であり、ユーザプロンプトに応答して指示を生成する。例えば、ユーザプロンプトが電池の故障を示す例では、ユーザインタフェース230は、電池の故障を示す表示を生成するように動作可能である。この表示は、LEDまたはLEDのパターンの照明であってもよく、ビープ音、ビープのパターン、または他の音によるアラームの生成であってもよい。また、表示画面にコード、アイコン、メッセージを表示することもできる。
【0043】
ここで
図3に着目すると、本開示の例示的な実施形態による、電子デバイスにおける過放電された充電式電池の検出のための方法300が示されている。本方法は、まず、電子機器が充電式電池を含む場合に、電子機器を起動するように動作する(310)。開始中、本方法は、起動カウンタをチェックして、カウンタが所定の値を超えているかどうかを判断するように動作する(320)。この例示的な実施形態では、カウンタは、二次電池を充電し、電池の充電量がカットオフ電圧を下回ったことに応答して電子デバイスを再起動しようとする試行回数を示すものであってもよい。
【0044】
カウントが所定の値を超えた場合、本方法は、電子デバイス、または充電回路上のLEDパターンなど、電池障害のユーザ表示を生成し(350)、デバイスをシャットダウンするように動作する(360)。カウントが所定の値を超えていない場合(320)、本方法は、次に、外部電源充電器がデバイスに接続されているかどうかを判断するために動作する(330)。本方法は、充電回路、電源などの入力における電圧を監視することによって、外部充電器が接続されているかどうかを判断するように動作可能であってもよい。外部充電器が接続されていない場合、本方法は、次に、電池の充電量がカットオフ値を下回っていることを示す低電圧出力を示す電池エラーがあるかどうかを判断するように動作する(370)。電池エラーが存在する場合、システムは外部電力充電器または電池のいずれかから十分な供給電圧を受けていないため、システムはシャットダウンに動作可能である(375)。カットオフ値以上の電池出力を示す電池エラーが判断されない場合(370)、本方法は、起動カウンタをゼロにリセットし(380)、電子デバイスの通常の動作を継続するように動作する。
【0045】
外部充電器が検出された場合、本方法は、次に、カットオフ値を下回る電池充電を示す電池の低電圧出力を示す電池エラーがあるかどうかを検出するように動作する。電池エラーが検出されない場合(340)、本方法は、次に起動カウンタをゼロにリセットし(380)、電子デバイスの通常の動作を継続するように動作する。電池エラーが検出された場合、本方法は、起動カウンタをインクリメントし、デバイスの再起動を完了し、5秒などの持続時間の間、バッテリを充電するように動作する。その後、本方法は、デバイス開始に戻るように動作可能である(310)。
【0046】
次に
図4に着目すると、本開示の例示的な実施形態による、電子デバイスにおける過放電された二次電池の検出のための別のシステム400が示されている。システム400は、電池動作可能な装置などであってもよく、電池410、プロセッサ420、充電回路430、およびユーザインタフェース440を含んでもよい。
【0047】
この例示的な実施形態では、電池410は、再充電可能な電池であり、リチウムイオン電池であってもよい。電池は、電圧出力を有し、電池は、充電レベルが下限電圧限界を下回ったことに応答して、電圧出力を切断するように動作してもよい。下限電圧は、電池が放電したとみなされ、更に放電すると電池410またはシステム400の他の構成要素に損傷を与える可能性がある3.3ボルトなどの電圧であってもよい。下限電圧に到達し、電池が電圧出力を切断するように動作している場合、電圧出力はゼロボルトとなり、一方、電池の充電レベルは3.3ボルトであってもよい。
【0048】
充電回路430は、プロセッサ420によって生成された充電制御信号に応答して、電池を充電するように動作する。充電回路430は、5ボルトの電源のような外部電源から電力を受け取ってもよい。外部電源は、デバイスがポータブルになることを可能にするために着脱可能である。
【0049】
システム400は、電池410の電圧出力の第1の判定を決定するためのプロセッサ420を更に含んでもよい。プロセッサ420は、第1の決定が下限電圧限界よりも小さいことに応答して、3秒から7秒の間の持続時間で電池を充電するように充電回路430を制御するための充電制御信号を生成するために更に動作可能である。下限電圧は、充電レベルが所定の電圧以下であることに応答して、電池が電池出力を切断する電圧である。第1の判定は、電池出力が充電回路430から切り離された場合、ゼロボルトであってもよい。電池充電持続時間は、設計基準、電池容量、および/または電源定格に応じて決定される任意の時間であってよく、3秒から7秒の範囲に限定されない。
【0050】
プロセッサ420は、電池410が期間中に充電された後に、電池動作装置を再起動するように更に動作可能である。プロセッサは、この測定、充電、および再起動のプロセスを所定の数のサイクルだけ繰り返すように動作可能である。所定の数のサイクルが実行され、電池電圧が下限電圧限界よりも小さいままであると、プロセッサ420は、電池障害を示すユーザプロンプトを生成するため、および電池動作デバイスをシャットダウンするために、更に動作可能である。
【0051】
ユーザインタフェース440は、ユーザプロンプトを表示するためのディスプレイを含んでいてもよいし、ユーザプロンプトに応答して可聴警報を提供するように動作可能なスピーカであってもよい。プロセッサ420によって生成されたユーザプロンプトに応答して、ユーザインタフェース440は、電池故障を示す発光ダイオードを点灯させるように動作してもよい。
【0052】
次に
図5に着目すると、本開示の例示的な実施形態による電子デバイス内の過放電された二次電池の検出のための別の方法500が示されている。この方法は、最初に、電池駆動デバイス内で機能を実行するように動作するプロセッサを開始するように動作する(510)。例示的な実施形態では、電池駆動デバイスは、カメラからビデオ信号を受信し、このビデオ信号を、ワイヤレスネットワークでの送信に適したデータ信号に変換してもよい。その後、電池駆動デバイスは、無線ネットワークを介してデータ信号を送信してもよい。
【0053】
次に、この方法は、電池の第1の出力電圧をカットオフ電圧と比較するように動作する(520)。第1の出力電圧がカットオフ電圧よりも大きい場合、本方法は、ビデオ信号の変換などの機能を実行するように動作する(580)。第1の出力電圧がカットオフ電圧よりも小さい場合、本方法は、第1の出力電圧がカットオフ電圧よりも小さいことに応答して、3秒から7秒の間の時間、充電回路で電池を充電するように動作可能である(530)。例示的なアプリケーションでは、電池は5秒間充電される。充電の持続時間は、電池の過熱またはその他の損傷を回避しながら、電池にある程度の充電を提供するように選択されてもよい。電池の充電時間は、設計基準、電池の容量、または電源の定格に応じて決定される任意の時間であってよく、3秒から7秒の範囲に限定されない。
【0054】
次に、この方法は、電池に適用された短時間充電の回数を示すカウンタを増加させるように動作する(540)。次に、この方法は、カウンタをカウンタ限界値と比較して(550)、最大数の短時間充電が行われたかどうかを判断する。カウンタ限界を超えた場合、本方法は、次に、電池駆動デバイスをシャットダウンするように動作する(560)。カウンタ限界を超えていない場合、本方法は、バッテリ動作デバイスを再起動し(570)、バッテリの後続の出力電圧をカットオフと比較することによって(520)、本方法を継続するように動作する。
【0055】
カウンタ限界を超えたことに応答してデバイスをシャットダウンすることに加えて、本方法は、第2の出力電圧がカットオフ電圧よりも小さいことに応答して、電池障害を示すユーザプロンプトを更に提供してもよい。ユーザプロンプトは、発光ダイオード、ディスプレイスクリーン、または可聴アラートを介して提供されてもよい。
【0056】
本明細書では、「例示的」という用語は、任意の数の代替案を持つことができる1つの例、事例、または説明を表すために使用される。本明細書で「例示的」と記載されている実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。前述の詳細な説明でいくつかの例示的な実施形態を示したが、膨大な数の代替ではあるが同等の変形が存在することを理解すべきであり、本明細書で示した例は、本開示の範囲、適用性、または構成をいかなる方法でも限定することを意図していない。それどころか、特許請求の範囲およびその法的等価物の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された様々な特徴の機能および配置に様々な変更を加えることができる。