(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】袋状物品の集積装置
(51)【国際特許分類】
B65B 35/46 20060101AFI20230508BHJP
B65G 47/30 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
B65B35/46
B65G47/30 E
B65G47/30 D
(21)【出願番号】P 2019050308
(22)【出願日】2019-03-18
【審査請求日】2022-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】393027121
【氏名又は名称】シブヤパッケージングシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】高野 利幸
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-053719(JP,U)
【文献】実開昭61-197021(JP,U)
【文献】実開平01-043018(JP,U)
【文献】特開2010-089883(JP,A)
【文献】特開2005-306458(JP,A)
【文献】特開2001-122414(JP,A)
【文献】特許第6333572(JP,B2)
【文献】特開平5-85530(JP,A)
【文献】特開平7-277408(JP,A)
【文献】特開2004-26457(JP,A)
【文献】特開2013-47123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 35/00
B65G 15/00
B65G 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
扁平状の変形可能な物品を所定個数に集積する物品集積装置であって、
前記物品を支持する支持レールと、
外面に複数の凹凸部が形成されるとともに、前記支持レールによって支持される前記物品の
両側に設けられて前記物品の両側辺を前記凹凸部の凹部により支持する一対の搬送手段と、
前記凹部に前記物品を供給する供給手段と、
前記搬送手段に供給される前記物品の数をカウントするカウント手段と、
前記支持レールおよび前記搬送手段によって支持される所定個数の物品群を進行方向の前後で挟み込んで密着させ、下流へ移動する移動手段と、
前記搬送手段と前記移動手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記物品を前記搬送手段の前記凹部に供給する毎に前記凹部を所定距離ずつ移動させ
ることにより、前記物品の両側辺を前記搬送手段の凹部に収容させた状態で前記物品を一定の隙間を空けた所定ピッチで整列させ、前記カウント手段によって前記物品が所定個数カウントされ、所定個数の物品群が整列されると、前記移動手段によって前記物品群を前後で挟み込んで移動させることにより、前記搬送手段の前記凹部
に収容されていた前記物品の
両側辺を取り出しながら前記物品群を密着させて前記搬送手段の下流へ移送する
ことを特徴とする物品集積装置。
【請求項2】
前記制御手段は、所定個数の物品群が整列されると、前記凹部を前記所定距離よりも長い距離を移動させるよう前記搬送手段を駆動させ、前記物品群の最も後ろ側に位置する物品と新たに供給される物品との間隔を広げることを特徴とする請求項1に記載の物品集積装置。
【請求項3】
前記移動手段は、前記物品群の最も前側に位置する物品と係合する前側グリップ片と、前記物品群の最も後ろ側に位置する物品と係合する後側グリップ片と、それらグリップ片を前記搬送手段の搬送方向に沿って移動させるグリップ片移動手段と、前記後側グリップ片を前記物品と係合する前進位置と係合しない後退位置とに進退させる後側グリップ片進退動手段とを有し、
前記制御手段は、前記搬送手段において最も後ろ側に位置する物品と新たに供給される物品との間隔を広げた後に、前記後側グリップ片を前進させて最も後ろ側に位置する物品と新たに供給される物品との間に前記後側グリップ片を位置させることを特徴とする請求項2に記載の物品集積装置。
【請求項4】
前記支持レールが、前記物品の4隅を支持することを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の物品集積装置。
【請求項5】
前記供給手段が、前記物品を前記支持レールへ受け渡す移載手段と、前記移載手段により前記支持レールへ受け渡された前記物品を押し出して前記搬送手段の前記凹部へ供給するプッシャーとを有することを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の物品集積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋など扁平形状で変形可能な物品を所定数毎に集積する集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ティーバッグなどの商品は、扁平な袋に個別包装された後、所定数毎に束にされて箱詰め、あるいは袋詰めされる。そのため、このような商品の包装作業では、所定数を単位に商品を集積する集積装置が用いられる。集積装置としては、一定のピッチで対面するように保持される所定数の袋を、内側から外側になるにつれて長さが長くなるとともに、上流側から下流側に向けて徐々に中心に寄って尻すぼみとなるように間隔を空けて配置された複数のガイドプレートに沿って側方に移動することで、中央の袋から順次重ね合わせ、集積する構成が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1等の構成では、側方に向けて長いガイドプレートを配置する必要があるため広い設置面積が必要となる。
【0005】
本発明は、設置面積が小さいコンパクトな集積装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発明である物品集積装置は、扁平状の変形可能な物品を所定個数に集積する物品集積装置であって、前記物品を支持する支持レールと、外面に複数の凹凸部が形成されるとともに、前記支持レールによって支持される前記物品の両側に設けられて前記物品の両側辺を前記凹凸部の凹部により支持する一対の搬送手段と、前記凹部に前記物品を供給する供給手段と、前記搬送手段に供給される前記物品の数をカウントするカウント手段と、前記支持レールおよび前記搬送手段によって支持される所定個数の物品群を進行方向の前後で挟み込んで密着させ、下流へ移動する移動手段と、前記搬送手段と前記移動手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記物品を前記搬送手段の前記凹部に供給する毎に前記凹部を所定距離ずつ移動させることにより、前記物品の両側辺を前記搬送手段の凹部に収容させた状態で前記物品を一定の隙間を空けた所定ピッチで整列させ、前記カウント手段によって前記物品が所定個数カウントされ、所定個数の物品群が整列されると、前記移動手段によって前記物品群を前後で挟み込んで移動させることにより、前記搬送手段の前記凹部に収容されていた前記物品の両側辺を取り出しながら前記物品群を密着させて前記搬送手段の下流へ移送することを特徴としている。
【0007】
本発明の第2の発明である物品集積装置は、第1の発明において、前記制御手段は、所定個数の物品群が整列されると、前記凹部を前記所定距離よりも長い距離を移動させるよう前記搬送手段を駆動させ、前記物品群の最も後ろ側に位置する物品と新たに供給される物品との間隔を広げることを特徴としている。
【0008】
本発明の第3の発明である物品集積装置は、第2の発明において、前記移動手段は、前記物品群の最も前側に位置する物品と係合する前側グリップ片と、前記物品群の最も後ろ側に位置する物品と係合する後側グリップ片と、それらグリップ片を前記搬送手段の搬送方向に沿って移動させるグリップ片移動手段と、前記後側グリップ片を前記物品と係合する前進位置と係合しない後退位置とに進退させる後側グリップ片進退動手段とを有し、前記制御手段は、前記搬送手段において最も後ろ側に位置する物品と新たに供給される物品との間隔を広げた後に、前記後側グリップ片を前進させて最も後ろ側に位置する物品と新たに供給される物品との間に前記後側グリップ片を位置させることを特徴としている。
【0009】
本発明の第4の発明である物品集積装置は、第1~第3の発明において、前記支持レールが、前記物品の4隅を支持することを特徴としている。
【0010】
本発明の第5の発明である物品集積装置は、第1~第4の発明において、前記物品を前記支持レールへ受け渡す移載手段と、前記移載手段により前記支持レールへ受け渡された前記物品を押し出して前記搬送手段の前記凹部へ供給するプッシャーとを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、設置面積が小さいコンパクトな集積装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態の集積装置の斜視図である。
【
図4】袋状物品が、左右のコグベルトにより、互いに一定の隙間を空けて所定ピッチで整列された状態を示す模式的な平面図である。
【
図5】物品整列区間の上流端において支持レールおよびコグベルトに保持される袋状物品を下流側から見た図である。
【
図6】物品取出区間において支持レールに保持された袋状物品を下流側から見た図である。
【
図8】物品整列区間の上流端において支持レールおよびコグベルトに保持される袋状物品をアキュームコンベヤの上流側から見た図である。
【
図9】
図7のアキュームコンベヤを右側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の集積装置を斜め上方から見た斜視図であり、
図2は、
図1の集積装置の側面図、
図3は平面図である。
【0014】
本実施形態の集積装置10は、例えばティーバッグなどの物品を、紙や樹脂フィルム等の変形可能な素材で、扁平な袋に個別包装した袋状物品Bを所定数重ね合わせて集積する装置である。袋状物品Bは、例えば矩形形状を呈し、一辺を搬送方向下流に向けて、供給コンベヤ12の搬送面に寝かされた状態で略水平に搬送される。なお、供給コンベヤ12上を搬送される袋状物品Bの搬送間隔はランダムであってもよいが、
図1、2では、略等間隔で描かれている。また、
図1では、供給コンベヤ12が省略されている。
【0015】
供給コンベヤ12の下流端には、水平の袋状部材Bを略垂直に起立させて、アキュームコンベヤ14へと移載する移載装置(移載手段)16が配置される。本実施形態の移載装置16は、上下一対の無端ベルト16A、16Bを備え、無端ベルト16A、16Bは上下に重ね合わせられ、袋状物品Bは無端ベルト16A、16Bの間に挟まれて搬送される。無端ベルト16A、16Bにより規定される袋状物品Bの搬送路は、略1/4分の円弧状を呈し、上流端において、供給コンベヤ12の下流端から水平な袋状物品Bを受け取り、下流端において袋状物品Bを垂直姿勢にして、その下方に位置するアキュームコンベヤ14に袋状物品Bを1袋ずつ供給する。なお、移載装置16には隣接して、無端ベルト16A、16Bの間を搬送され、アキュームコンベヤ14に供給される袋状物品Bの数をカウントするためのセンサ17(
図2参照)が配置され、センサ17の信号は制御装置19に送信されて袋状物品Bの数をカウントするようになっており、センサ17と制御装置19がカウント手段に相当する。
【0016】
アキュームコンベヤ14は、供給された複数の袋状物品Bを、相対した略直立した状態で、水平方向に所定ピッチで保持する。アキュームコンベヤ14は、矩形の袋状物品Bの4隅に係合するL字断面を有する平行な4本の支持レール18を備え、各支持レール18は水平方向に配置される。
【0017】
アキュームコンベヤ14には、左右に配置された上下の支持レール18の間に、それぞれ上下一対の無端コグベルト(搬送手段)20を備える。コグベルト20は、それぞれ背面にベルト走行方向に垂直な所定ピッチのコグ(凹凸部)を備える。コグベルト20は、各々支持レール18に平行に配置され、アキュームコンベヤ14に供給された袋状物品Bを、所定ピッチで略直立した状態で整列させる。すなわち、コグベルト20は、各袋状物品Bの左右の側辺をコグの各凹部20B(
図4参照)内に保持することで、袋状物品Bを略直立した状態で互いに相対する向きで保持し、整列させる。なお、以下の説明においては、個々の袋状物品Bに対して所定個数(本実施形態では20個)の袋状物品Bが整列された状態を、袋状物品群BGとする。
【0018】
コグベルト20は、支持レール18の上流端よりも僅かに下流側から支持レール18の下流側に向けて一部区間にのみ設けられる。同区間は袋状物品Bを所定ピッチで整列させる物品整列区間A1として利用される。一方、支持レール18のみからなる物品整列区間A1の下流側の区間は、物品整列区間A1に整列された所定数の袋状物品群BGを物品整列方向に密着させ束にして取り出す物品取出区間A2として利用される。
【0019】
アキュームコンベヤ14の上流端では、上側の支持レール18が下側の支持レール18よりも短く、移載装置16から投下された袋状物品Bは、コグベルト20や上側の支持レール18と干渉することななく落下し、下側の一対の支持レール18によって受け止められる。アキュームコンベヤ14の上流端の上流側には、下側支持レール18で受け止められた袋状物品Bの背面を上流側から下流側へと押して、袋状物品Bを左右のコグベルト20の間に押し込む押込みプッシャ21が設けられる。押込みプッシャ21により押された袋状物品Bは、その左右側辺が両側のコグベルト20のコグの凸部20A(
図4参照)に押し当てられ、両側辺が撓められて凸部20Aを乗り越え凹部20Bに収容される。
【0020】
なお、本実施形態の押込みプッシャ21は、水平な回転軸21Aの周りに揺動する揺動アーム21Bの先端に設けられている。揺動アーム21Bが回転軸21Aの周りに揺動することで押込みプッシャ21は、支持レール18に支持される袋状物品Bの背面の略中央付近において、支持レール18の略長手方向に向けて往復動可能である。押込みプッシャ21により袋状物品Bが凹部20Bに挿入されると、4本のコグベルト20は同期して、互い対面する側のコグをアキュームコンベヤ14の下流側へ向けて所定ピッチ分移動し、供給コンベヤ12から次に供給される袋状物品Bが、押込みプッシャ21によりコグベルト20の平行部における最上流端の凹部20Bに挿入される。
【0021】
アキュームコンベヤ14の両側方には、それぞれリニアガイドなどからなるグリッパ移動機構22、24が設けられる。グリッパ移動機構22、24は、コグベルト20の凹部20Bに保持される所定数の袋状物品群BGをアキュームコンベヤ14の長手方向に寄せ集め束にするグリップ片22A、24Aを長手方向に沿って移動するための機構である。
【0022】
グリッパ移動機構22は、コグベルト20の凹部20Bに保持される所定数の袋状物品Bのうち、最も上流側に位置する袋状物品Bの背面に当接する後側集積グリップ片22Aを移動するための機構である。一方、グリッパ移動機構24は、コグベルト20の凹部20Bに保持される所定数の袋状物品Bのうち、最も下流側に位置する袋状物品Bの前面に当接する前側グリップ片24Aを移動するための機構である。
【0023】
グリッパ移動機構22は、例えばアキュームコンベヤ14の一方の側辺に沿って並設される一対のガイドレール22Bを備える。後側グリップ片22Aは、ガイドレール22Bの上に掛け渡され、両ガイドレール22Bに沿って摺動自在に移動するブロック22Dにエアシリンダ22Cを介して取り付けられる。ブロック22Dは、左右のガイドレール22B間に、その長手方向に沿って帳設される無端ベルト22Eに取り付けられ、無端ベルト22Eはモータ22Fにより駆動される。これによりブロック22D、すなわち後側グリップ片22Aは、アキュームコンベヤ14の長手方向に沿って往復動可能である。なお、
図1、2には、ブロック22Dが最も上流側に位置するときと、最も下流側に位置するときの様子が描かれている。
【0024】
一方、グリップ移動機構24は、
図3の平面図に示されるように、プッシャ移動機構22とは反対側の側辺に沿って配置され、アキュームコンベヤ14に平行に配設される一対のガイドレール24Bを備える。前側グリップ片24Aは、ガイドレール24Bの上に掛け渡され、両ガイドレール24Bに沿ってを摺動自在に移動するブロック24Dにエアシリンダ24Cを介して取り付けられる。ブロック24Dは、左右のガイドレール24B間に、その長手方向に沿って帳設される無端ベルト24Eに取り付けられ、無端ベルト24Eはモータ24Fにより走行される。これによりブロック24D、すなわち前側グリップ片24Aは、アキュームコンベヤ14の長手方向に沿って往復動可能である。
【0025】
後側グリップ片22Aは、エアシリンダ22Cによりアキュームコンベヤ14に保持される袋状物品Bと干渉しない高さまで下げられた退避位置と、アキュームコンベヤ14に保持される袋状物品Bの背面の略中央に押接可能な高さまで上げられた集積位置との間で昇降可能である。また、前側グリップ片24Aも、エアシリンダ24Cによりアキュームコンベヤ14に保持される袋状物品Bと干渉しない高さまで下げられた退避位置と、アキュームコンベヤ14に保持される袋状物品Bの前面の略中央に押接可能な高さまで上げられた集積位置との間で昇降可能である。
【0026】
図2には、後側グリップ片22Aが最も上流側の退避位置に待機した状態、および前側グリップ片24Aが最も上流側の集積位置にセットされた状態が実線で描かれるとともに、後側グリップ片22Aおよび前側グリップ片24Aが最も下流側の集積位置にセットされた状態が破線で描かれる。すなわち、
図2には、物品整列区間A1において、コグベルト20により所定ピッチで整列されている所定数の袋状物品群BGが実線で示され、後側グリップ片22Aおよび前側グリップ片24Aによって列の前後から挟まれ、下流側の物品取出区間A2に移動された状態が破線で示される。なお、
図2では支持レール18が省略されているが、物品整列区間A1、物品取出区間A2の袋状物品Bは、その4隅が支持レール18によって保持される。
【0027】
次に、
図4~
図6を参照してグリップ片22A、24Aによる集積動作についてより詳細に説明する。
図4は、袋状物品Bが、左右のコグベルト20により、互いに一定の隙間を空けて所定ピッチで整列された状態を示す模式的な平面図である。また、
図5は、物品整列区間A1の上流端において支持レール18およびコグベルト20に保持される袋状物品Bを下流側から見た模式的な矢視図であり、
図6は、物品取出区間A2において支持レール18に保持された袋状物品Bを下流側から見た模式的な矢視図である。
【0028】
図4に示されるように、アキュームコンベヤ14に供給された袋状物品Bは、押込みプッシャ21により、物品整列区間A1に設けられたコグベルト20の間に押し入れられる。すなわち、移載装置16から投入され、アキュームコンベヤ14の上流端において、下側の一対の支持レール18によって下側の2隅が支持された袋状物品Bは、押込みプッシャ21によりその背面が押され、左右の側辺がコグベルト20の凸部20Aを押し当てられる。凸部20Aに押し当てられた袋状物品Bの両側辺は撓められ、コグベルト20の凸部20Aを乗り越えて凹部20Bに収容される。なお、このとき後側グリッパ片22Aは、
図2の実線や
図5に示されるように、退避位置、すなわちコグベルト20に保持される袋状物品Bと干渉しない下方にあって、コグベルト20に保持される最上流の袋状物品Bよりも僅かに上流側の位置に待機される。また、前側グリップ片24Aは、
図6に示されるように、集積位置、すなわちコグベルト20に保持される袋状物品Bと係合可能な上方にあって、押込みプッシャ21によって最初にコグベルト20に供給される最下流の袋状物品Bの前面と係合する位置に待機される。
【0029】
左右のコグベルト20の凹部20Bに袋状物品Bの両側辺が保持されると、コグベルト20は、下流側に向けて所定距離走行されるとともに、前側グリップ片24Aもコグベルト20と同期して下流側へ所定距離移動する。これにより袋状物品Bは下流側へ1ピッチ(整列物品の1ピッチ)分搬送される。
図4に示される例では、コグ2ピッチ毎に袋状物品Bが保持されるので、袋状物品Bの1ピッチはコグ2ピッチ分とされる。アキュームコンベヤ14では、袋状物品Bが供給されると、コグベルト20の凹部20Bに袋状物品Bを嵌め込み、コグベルト20と前側グリップ片24Aをコグ2ピッチずつ移動して、所定数の袋状物品Bがコグベルト20に整列されるまで、この動作を繰り返す。
【0030】
アキュームコンベヤ14に供給された袋状物品Bの数はカウント手段であるセンサ17と制御装置19(
図2参照)により計数される。カウント手段でカウントされた袋状物品Bの数が所定数に達して袋状物品群BGが整列されると、後側グリップ片22Aを集積位置へ上昇させるとともに、前側グリップ片24Aが位置する下流側に向けて移動させることにより、コグベルト20に保持される所定数の袋状物品群BGは、後側グリップ片22Aによって凹部20Bに収容されていた両側辺を取り出されつつ下流へ移動され、前後のグリップ片22A、24Aにより狭持されて前後面が密着した状態で集積される。なお、前後のグリップ片22A、24Aによって袋状物品群BGを狭持する際には、前側グリップ片24Aを上流側へ移動させるとともに、後側グリップ片22Aを下流側へ移動させるように、両方のグリップ片22A、24Aを移動させて狭持しても良い。
【0031】
コグベルト20に所定数の袋状物品群BGが整列されると、コグベルト20の速度が僅かな期間増速され、エアシリンダ22Cにより後側グリップ片22Aがコグベルト20に保持される袋状物品Bと係合可能な集積位置まで上昇される。すなわち、本実施形態では、コグベルト20の速度を増速することで、所定個数に整列された袋状物品群BGの最上流に位置する袋状物品Bと新たに供給される袋状物品Bとの間の距離を広げ、後側グリップ片22Aの上昇において、後側グリップ片22Aの袋状物品Bへの干渉を防止する。なお、所定個数に整列された袋状物品群BGの最上流に位置する袋状物品Bと新たに供給される袋状物品Bとの間の距離を広げる際に、必ずしもコグベルト20の速度を増速させる必要は無く、例えばコグベルト20の速度はそのままで、供給コンベヤ12と無端ベルト16A、16Bの速度を減速もしくは停止させても良い。
【0032】
グリップ片22A、24Aによる移動動作開始時、前側グリップ片24Aは、最も下流側の袋状物品Bの前面に当接する位置に配置され、移動動作が開始されると、グリッパ移動機構22により後側グリップ片22Aが前側グリップ片24Aに向けて移動される。これにより、コグベルト20の凹部20Bに保持される袋状物品Bは、側辺が撓められて、後側グリップ片22Aにより順次背面側から下流側へと押し遣られ、所定数の袋状物品群BGは、前後のグリップ片22A、24Aに挟み込まれ重ね合わされる。
【0033】
コグベルト20に保持される所定数の袋状物品群BGが全て重ねられると、グリッパ移動機構24も駆動されて、前側グリップ片24Aが後側グリップ片22Aとともに袋状物品Bを挟んだ状態で下流側へ移動される。すなわち、前後のグリップ片22A、24Aに挟まれた所定数の袋状物品群BGは、4隅が支持レール18により支持された状態でレール上をスライドされ、前後のグリップ片22A、24Aにより物品取出区間A2へと移動される。
【0034】
この後、物品取出区間A2に集積された袋状物品Bは、重ね合わされた状態を維持したまま取り出され、例えば下流側において箱詰めされる。その間、物品整列区間A1には、供給コンベヤ12から袋状物品Bが供給され、前述したように押込みプッシャ21とコグベルト20が協働して、袋状物品Bが所定数に達するまでコグベルト20の間に整列させる。
【0035】
物品取出区間A2に袋状物品Bを移動した後側グリップ片22Aは、エアシリンダ22Cにより、退避高さにまで下降され、グリッパ移動機構22により上流側の待機位置にまで戻される。また、前側グリップ片24Aも、コグベルト20の最下流の袋状物品Bに当接する初期位置まで上流側に戻される。なお、押込みプッシャ21、コグベルト20、グリッパ移動機構22等の動作は、センサ17からの計数値に基づき制御装置19により制御される。
【0036】
以上のように、第1実施形態の集積装置10は、従来のように側方に向けて長いガイドプレートを配置する必要がないため、集積装置10をコンパクトに構成でき、設置面積を大幅に低減できる。また、集積する個数の変更もコグベルト20や前側集積グリップ片24Aや後側集積グリップ片22Aの制御を変更するだけで対応が可能であり、兼用性にも優れている。
【0037】
次に
図7~
図9を参照して、第2実施形態の集積装置について説明する。第1実施形態の集積装置10では、アキュームコンベヤ14が水平方向に沿って配置されたが、第2実施形態では、アキュームコンベヤが鉛直方向に沿って配置され、移載装置(移載手段)に吸引コンベが用いられる。その他の構成は、略第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同様の構成に関しては、同一参照符号を用いその説明を省略する。なお、
図7は、第2実施形態の集積装置30の側面図であり、
図8は、物品整列区間A1の上流端において支持レール18およびコグベルト20に保持される袋状物品Bを、本実施形態のアキュームコンベヤ32の上流側から見た模式的な矢視図である。また、
図9は
図7のアキュームコンベヤ32を右側から見た側面図である。
【0038】
第2実施形態のアキュームコンベヤ32は、第1実施形態のアキュームコンベヤ14と同様に、物品整列区間A1から物品取出区間A2に亘って配設される4本の支持レール18と、物品整列区間A1にのみ配設される4つのコグベルト20を備える。アキュームコンベヤ32は、物品整列区間A1が上、物品取出区間A2が下になるように垂直に配置され、袋状物品Bは、上方から押込みプッシャ21を用いて左右のコグベルト20の間に押し込まれる。
【0039】
袋状物品Bを供給する供給コンベヤ12は、アキュームコンベヤ32の上流端高さに水平に配置され、その側方から袋状物品Bを供給する。供給コンベヤ12の下流部上方には、アキュームコンベヤ32への袋状物品Bの移載装置として吸引コンベヤ34が平行に配置される。吸引コンベヤ34は、供給コンベヤ12の搬送面から袋状物品Bの略厚さ分隙間を隔てて水平に配置される。
【0040】
図7、
図9に示されるように、吸引コンベヤ34は一対の無端ベルト34Aと一対の吸引ボックス34Bを備える。無端ベルト34Aおよび吸引ボックス34Bには多数の孔が設けられ、吸引ボックス34Bは、無端ベルト34Aの内側において、下側のスパンに隣接して配置される。吸引ボックス34Bは、図示しないバキューム装置に接続され、これにより供給コンベヤ12上を搬送される袋状物品Bは、供給コンベヤ12の下流部においてその上面が無端ベルト34Aの背面に吸着される。吸引コンベヤ34に吸着された袋状物品Bは、供給コンベヤ12と同じ速度で走行する無端ベルト34Aにより、吸引コンベヤ34の下流端に向けて搬送される。なお、吸引コンベヤ34によって搬送される袋状物品Bの数はセンサ17および制御装置19(
図7では図示無し)によって計数される。
【0041】
吸引コンベヤ34は、供給コンベヤ12の下流端からさらに下流側へと延出し、その下流端は、アキュームコンベヤ32の上流端の上に位置する。吸引コンベヤ34に保持・搬送される袋状物品Bが吸引コンベヤ34の下流端に達すると、押込みプッシャ21により袋状物品Bがアキュームコンベヤ14に向けて下方へと押され、袋状物品Bはアキュームコンベヤ32の左右のコグベルト20の間に押し込まれる。すなわち、袋状物品Bの両側辺がコグベルト20の凹部20Bに保持される。その後、コグベルト20は所定ピッチ移動され、その間に次の袋状物品Bが吸引コンベヤ34によりアキュームコンベヤ32の上流端へ移動される。そして、押込みプッシャ21により次の袋状物品Bがにコグベルト20の凹部20Bに押し込まれる。
【0042】
コグベルト20が設けられた物品整列区間A1において、所定数の袋状物品群BGが所定ピッチで整列されると、グリッパ移動機構36に設けられた前後のグリップ片36A、36Bにより、所定数の袋状物品群BGが前後から挟まれて重ねられた状態で集積されるとともに、支持レール18に沿って物品取出区間A2へと移動される。集積プッシャ36A、36Bは、エアシリンダ36Cを用いて退避位置と、袋状物品Bをグリップ片36A、36Bで挟み移動する集積位置との間で水平方向に進退可能である。
【0043】
袋状物品群BGの移送動作を行う際、グリップ片36A、36Bは、エアシリンダ36Cとともに昇降機構36Dにより両者の距離を縮めながら物品取出区間A2まで下降される。図示しない取り出し手段により移送された袋状物品群BGが物品取出区間A2から取り出されると、グリップ片36A、36Bはエアシリンダ36Cにより退避位置に退避され、昇降機構36Dにより元の位置にまで上昇される。以下、所定数の袋状物品群BGが物品整列区間A1に整列されるごとに、同様の処理動作が繰り返される。なお、
図9には、コグベルト20の凹部に所定ピッチで整列されていた所定数の袋状物品群BGが実線で示され、後側グリップ片36Bおよび前側グリップ片36Bによって列の前後から挟まれて下流側の物品取出区間A2に移動された状態が破線で示される。
【0044】
以上により、第2実施形態の集積装置においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0045】
なお、本実施形態では背面に凹部を備えるコグベルトを用いて袋状物品を整列させたが、袋状物品の側辺を所定ピッチで保持する凹凸部を備えればよく、コグベルトに代えてスクリューコンベヤを用いることもできる。また、袋状物品を保持する箇所は側辺に限らず、上下辺であっても良い。さらに、袋状物品を保持する凹部の形状は
図4に例示される形状に限定されるものではなく、例えば、U字状やV字状であっても良い。なお、本実施形態では、袋状物品を例に説明を行ったが、集積される物品は袋状物品に限定されるものでなはなく、変形可能な扁平状の物品であればよい。
【符号の説明】
【0046】
10 集積装置
12 供給コンベヤ
14 アキュームコンベヤ
16、34 移載装置(移載手段、供給手段)
17 センサ(カウント手段)
18 支持レール
19 制御装置
20 無端コグベルト(搬送手段)
20A 凸部
20B 凹部
21 押込みプッシャ(供給手段)
22A、24A、36A、36B グリップ片(移動手段)