(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】スカム堰、双ロール式連続鋳造装置、及び、薄肉鋳片の製造方法
(51)【国際特許分類】
B22D 11/06 20060101AFI20230508BHJP
【FI】
B22D11/06 330B
(21)【出願番号】P 2019131924
(22)【出願日】2019-07-17
【審査請求日】2022-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】諸星 隆
(72)【発明者】
【氏名】村尾 武政
【審査官】池ノ谷 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-267796(JP,A)
【文献】特開2018-176250(JP,A)
【文献】特開平07-016712(JP,A)
【文献】特開平03-060849(JP,A)
【文献】特開平09-141398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する一対の冷却ロールと一対のサイド堰によって形成された溶融金属プール部に、注湯ノズルを介して溶融金属を供給し、前記冷却ロールの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する双ロール式連続鋳造装置において、前記溶融金属プール部内の前記注湯ノズルと前記冷却ロールとの間に配設され
、前記溶融金属プール部の湯面に浮上したスカムを堰き止めるスカム堰であって、
前記スカム堰は、
その一部が前記溶融金属に浸漬されて使用され、前記溶融金属プール部において前記溶融金属内に浸漬される溶融金属浸漬部の少なくとも前記冷却ロール側を向く面には、
前記冷却ロールの回転方向に対して交差する方向に延在する溝部を有していることを特徴とするスカム堰。
【請求項2】
前記溝部の開口幅が7mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のスカム堰。
【請求項3】
回転する一対の冷却ロールと一対のサイド堰によって形成された溶融金属プール部に、注湯ノズルを介して溶融金属を供給し、前記冷却ロールの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する双ロール式連続鋳造装置であって、
請求項1又は請求項2に記載のスカム堰が、前記溶融金属プール部において前記冷却ロールと前記注湯ノズルとの間の空間に、前記溝部が前記冷却ロール側を向くように配置されていることを特徴とする双ロール式連続鋳造装置。
【請求項4】
前記スカム堰を振動させる振動付与機構を備えていることを特徴とする請求項3に記載の双ロール式連続鋳造装置。
【請求項5】
前記振動付与機構は、前記冷却ロールに接触する回転体と、この回転体に接続された伝達部材と、を有し、前記冷却ロールの回転に伴って前記スカム堰に振動が付与される構造とされていることを特徴とする請求項4に記載の双ロール式連続鋳造装置。
【請求項6】
回転する一対の冷却ロールと一対のサイド堰によって形成された溶融金属プール部に、注湯ノズルを介して溶融金属を供給し、前記冷却ロールの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する薄肉鋳片の製造方法であって、
請求項1又は請求項2に記載のスカム堰を、前記溶融金属プール部において前記冷却ロールと前記注湯ノズルとの間の空間に、前記溝部が前記冷却ロール側を向くように配置することを特徴とする薄肉鋳片の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の冷却ロールと一対のサイド堰によって形成された溶融金属プール部に、注湯ノズルを介して溶融金属を供給し、前記冷却ロールの周面に凝固シェルを形成・成長させて、薄肉鋳片を製造する双ロール式連続鋳造装置において、前記溶融金属プール部に配設されるスカム堰、このスカム堰を用いた双ロール式連続鋳造装置及び薄肉鋳片の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属の薄肉鋳片を製造する方法として、例えば特許文献1、2に示すように、内部に水冷構造を有し互いに逆方向に回転する一対の冷却ロールを備え、回転する一対の冷却ロールと一対のサイド堰によって形成された溶融金属プール部に溶融金属を供給し、前記冷却ロールの周面に凝固シェルを形成・成長させ、一対の冷却ロールの外周面にそれぞれ形成された凝固シェル同士をロールキス点で圧着して所定の厚さの薄肉鋳片を製造する双ロール式連続鋳造装置が提供されている。
【0003】
上述の双ロール式連続鋳造装置において、鋳造を開始する際には、例えば特許文献1、2に示すように、冷却ロール間にダミーシートを挿入しておき、一対の冷却ロールと一対のサイド堰によって形成された溶融金属プール部に溶融金属を供給し、ダミーシートに連結するように薄肉鋳片を形成した後、冷却ロールを回転させて、冷却ロール間からダミーシート及びこのダミーシートに連結された薄肉鋳片を引き出す構成とされている。
【0004】
ここで、上述の溶融金属プール部においては、酸化物等が溶融金属プール部の湯面上に浮上して、スカムと称する皮膜状の異物が形成され、このスカムが冷却ロールの周面(詳細には、冷却ロールの周面と凝固シェルとの間、以降、単に冷却ロールの周面と記載する場合がある。)に断続的に巻き込まれるおそれがあった。巻き込まれたスカムは、薄肉鋳片の凝固冷却不均一を生じるので、薄肉鋳片の表面割れ、表面疵、鋳片品質の低下等の原因となる。
そこで、上述の双ロール式連続鋳造装置を用いて薄肉鋳片を鋳造する際に、湯面上のスカムが冷却ロールの周面に巻き込まれることを抑制する技術が提案されている。
【0005】
例えば、特許文献3には、溶融金属プール部内の注湯ノズルと冷却ロールの間隙に、板形状のスカム堰を配設し、スカムの巻き込みを抑制する手段が開示されている。
注湯ノズルとメニスカス(溶鋼湯面と冷却ロール接触開始部位、凝固開始点)との間に、冷却ロールの軸方向に対して平行に、スカム堰を浸漬することにより、湯面に浮上したスカムを堰止めることが可能となる。なお、溶融金属は浸漬したスカム堰の下部を通って、メニスカスに達するので、湯面のスカム巻込みが大幅に防止され、健全な鋳片が製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開昭63-224847号公報
【文献】特開平07-232243号公報
【文献】特開平04-158959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、例えば
図1に示すように、冷却ロール11とサイド堰15によって形成された溶融金属プール部16において、注湯ノズル18と冷却ロール11との間にスカム堰30を配設した場合には、溶融金属プール部16の湯面が、スカム堰30と注湯ノズル18との間の面積が広い領域(a)と、スカム堰30と冷却ロール11との間の面積が狭い領域(b)とに分割される。ここで、スカム堰30は、領域(a)の湯面上に浮上したスカムを堰き止め、冷却ロール11への巻き込みを抑制する。
スカムの大部分は、面積が広い領域(a)において湯面上に浮上することから、スカム堰30によってスカムの巻き込みが抑制されることになる。
【0008】
しかしながら、一部のスカムは、領域(b)、あるいは、スカム堰30によって湯面が分割されていない幅端部の領域(c)において浮上する場合がある。なお、領域(c)に浮上したスカムの一部は、湯面流れによって領域(b)に運ばれる。
ここで、領域(b)において、メニスカス近傍に存在するスカムは速やかに冷却ロール11に巻き込まれやすく、比較的メニスカスから離れた位置に存在するスカムはスカム堰30の近傍に滞留しやすくなる。
【0009】
このように、領域(b)に存在するスカムは、冷却ロール11の回転に伴って不規則に巻き込まれることになる。ここで、粗大なスカムが巻き込まれた場合には、激しい凝固不均一が生じ、鋳片表面割れ、へこみ、内部のポロシティ等の欠陥が発生するおそれがあった。
特に、生産量が多く鋳造時間が長い鉄鋼の鋳造では、領域(b)におけるスカムの蓄積量が多くなりがちであり、その結果、粗大なスカムが巻き込まれるおそれがあり、鋳片の欠陥が生じやすい。
【0010】
さらに、溶融金属プールにスカム堰を浸漬すると、スカム堰による抜熱により、地金がスカム堰に付着しやすい。スカム堰に付着する地金は、単に溶鋼が凝固したものでなく、スカムと溶鋼の凝固物が複合した高粘度の地金なので、一度生成すると再融解しにくい(以降、単に地金と記載する)。この地金は、湯面高さ変動時にスカム堰から剥離して冷却ロールのキス点に巻き込まれることがあり、瞬間的に冷却ロール間隔が開いてホットバンドが生じ、鋳片が破断する場合がある。したがって、スカム堰への地金付着を防止することも重要である。
【0011】
本発明は、前述した状況に鑑みてなされたものであって、粗大なスカムの巻き込みを抑制することができ、さらに、スカム堰の表面における地金の発生を抑制でき、安定して高品質な鋳片を鋳造することが可能なスカム堰、このスカム堰を備えた双ロール式連続鋳造装置、及び、薄肉鋳片の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明に係るスカム堰は、回転する一対の冷却ロールと一対のサイド堰によって形成された溶融金属プール部に、注湯ノズルを介して溶融金属を供給し、前記冷却ロールの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する双ロール式連続鋳造装置において、前記溶融金属プール部内の前記注湯ノズルと前記冷却ロールとの間に配設され、前記溶融金属プール部の湯面に浮上したスカムを堰き止めるスカム堰であって、前記スカム堰は、その一部が前記溶融金属に浸漬されて使用され、前記溶融金属プール部において前記溶融金属内に浸漬される溶融金属浸漬部の少なくとも前記冷却ロール側を向く面には、前記冷却ロールの回転方向に対して交差する方向に延在する溝部を有していることを特徴としている。
【0013】
この構成のスカム堰によれば、前記溶融金属プール部において前記溶融金属内に浸漬される溶融金属浸漬部の少なくとも前記冷却ロール側を向く面に溝部を有しているので、鋳造時に、この溝部に溶融金属及びスカムが侵入すると、溝部の側壁の先端部がスカムに接触する。溶融金属の流動に伴ってスカムが移動しようとする際に、溝部の側壁の先端部から集中的に応力が加わることで、スカムが容易に切断されることになる。よって、スカムが細かく切断された状態で冷却ロールに巻き込まれることになり、スカムの蓄積を抑制でき、粗大なスカムの巻き込みを抑制することが可能となる。
また、溝部によってスカム堰の断熱性が向上し、スカム堰の表面における地金の発生を抑制することが可能となる。
【0014】
ここで、本発明のスカム堰においては、前記溝部の開口幅が7mm以下であることが好ましい。
この場合、溶融金属及びスカムは溝部の内部に完全には充填されずに、溝部の底部(特に角部)に空隙が形成され易くなるため、溶融金属の静圧が加わった状態で溝部の側壁の先端部に接触することなる。これにより、溝部の側壁の先端部からさらに集中的に応力が加わることで、スカムが容易に切断され易くなる。また、スカムがスカム堰から剥離しやすくなる。
また、溝部内に形成された空隙が断熱層となり、スカム堰への地金の付着をさらに抑制することが可能となる。
【0015】
本発明の双ロール式連続鋳造装置は、回転する一対の冷却ロールと一対のサイド堰によって形成された溶融金属プール部に、注湯ノズルを介して溶融金属を供給し、前記冷却ロールの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する双ロール式連続鋳造装置であって、上述のスカム堰が、前記溶融金属プール部において前記冷却ロールと前記注湯ノズルとの間の空間に、前記溝部が前記冷却ロール側を向くように配置されていることを特徴としている。
【0016】
この構成の双ロール式連続鋳造装置によれば、上述のスカム堰を備えているので、溝部によってスカムを切断することができ、切断されたスカムが冷却ロールに巻き込まれることになり、スカムの蓄積を抑制でき、粗大なスカムの巻き込みを抑制することが可能となる。
また、溝部によってスカム堰の断熱性が向上し、スカム堰の表面における地金の発生を抑制することが可能となる。
【0017】
ここで、本発明の双ロール式連続鋳造装置においては、前記スカム堰を振動させる振動付与機構を備えていることが好ましい。
この場合、スカム堰に対して振動を付与することにより、溝部の側壁の先端部からの応力がさらに大きくなり、スカムが容易に切断されることになる。また、振動により、スカム堰からスカムを容易に剥離することができる。さらに、振動の周波数を調整することにより、切断後のスカムのサイズを調整することが可能となる。
【0018】
さらに、本発明の双ロール式連続鋳造装置においては、前記振動付与機構は、前記冷却ロールに接触する回転体と、この回転体に接続された伝達部材と、を有し、前記冷却ロールの回転に伴って前記スカム堰に振動が付与される構造とされていることが好ましい。
この場合、前記冷却ロールの回転を利用してスカム堰に振動を付与することから、振動付与機構が比較的簡単な構成とすることができ、溶融金属から高温輻射熱を受ける使用環境でも、安定して使用することができる。
【0019】
本発明の薄肉鋳片の製造方法は、回転する一対の冷却ロールと一対のサイド堰によって形成された溶融金属プール部に、注湯ノズルを介して溶融金属を供給し、前記冷却ロールの周面に凝固シェルを形成・成長させて薄肉鋳片を製造する薄肉鋳片の製造方法であって、上述のスカム堰を、前記溶融金属プール部において前記冷却ロールと前記注湯ノズルとの間の空間に、前記溝部が前記冷却ロール側を向くように配置することを特徴としている。
【0020】
この構成の薄肉鋳片の製造方法によれば、上述のスカム堰を前記溶融金属プール部において前記冷却ロールと前記注湯ノズルとの間の空間に、前記溝部が前記冷却ロール側を向くように配置しているので、溝部によってスカムを切断することができ、切断されたスカムが冷却ロールに巻き込まれることになり、スカムの蓄積を抑制でき、粗大なスカムの巻き込みを抑制することが可能となる。
また、溝部によってスカム堰の断熱性が向上し、スカム堰の表面における地金の発生を抑制することが可能となる。
【0021】
ここで、本発明の薄肉鋳片の製造方法においては、前記スカム堰を振動させることが好ましい。
この場合、スカム堰に対して振動を付与することにより、溝部の側壁の先端部からの応力がさらに大きくなり、スカムが容易に切断されることになる。また、振動により、スカム堰からスカムを容易に剥離することができる。さらに、振動の周波数を調整することにより、切断後のスカムのサイズを調整することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
上述のように、本発明によれば、粗大なスカムの巻き込みを抑制することができ、さらに、スカム堰の表面における地金の発生を抑制でき、安定して高品質な鋳片を鋳造することが可能なスカム堰、このスカム堰を備えた双ロール式連続鋳造装置、及び、薄肉鋳片の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】スカム堰を配設した溶融金属プール部の上面説明図である。
【
図2】本発明の実施形態である双ロール式連続鋳造装置の一例を示す説明図である。
【
図3】
図1に示す双ロール式連続鋳造装置の一部拡大説明図である。
【
図4】
図1に示す双ロール式連続鋳造装置の溶鋼プール部近傍の断面説明図である。
【
図5】本発明の実施形態であるスカム堰の説明図である。(a)が正面図、(b)が側面図である。
【
図6】スカム堰に形成された溝部及びスカムの拡大説明図である。
【
図7】本発明の他の実施形態であるスカム堰の説明図である。
【
図8】本発明の他の実施形態であるスカム堰の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の実施形態について、添付した図面を参照して説明する。以下の実施形態においては、鋳造する対象金属を鋼として説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0025】
本実施形態では、溶融金属として溶鋼を用いており、鋼材からなる薄肉鋳片1を製造するものとされている。なお、鋼種としては、例えば0.001~0.01%C極低炭鋼、0.01~0.10%C低炭鋼、0.10~0.4%C中炭鋼、0.4~1.2%C高炭鋼、SUS304鋼に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼、SUS430鋼に代表されるフェライト系ステンレス鋼、0.1~6.5%Si鋼等(なお、%は、質量%)が挙げられる。
また、本実施形態では、製造される薄肉鋳片1の幅が200mm以上1800mm以下の範囲内、厚さが0.8mm以上5mm以下の範囲内とされている。
【0026】
本実施形態である薄肉鋳片の製造方法に用いられる双ロール式連続鋳造装置10について説明する。
図2に示す双ロール式連続鋳造装置10は、一対の冷却ロール11、11と、薄肉鋳片1を支持するピンチロール12,12及び13,13と、一対の冷却ロール11、11の幅方向端部に配設されたサイド堰15と、これら一対の冷却ロール11、11とサイド堰15とによって画成された溶鋼プール部16に供給される溶鋼3を保持するタンディッシュ17と、このタンディッシュ17から溶鋼プール部16へと溶鋼3を供給する注湯ノズル18と、を備えている。
【0027】
ここで、
図4に示すように、本実施形態である薄肉鋳片の製造装置10においては、溶鋼プール部16及び冷却ロール11,11の上方には、シールチャンバー20が配設されており、シールチャンバー20内が非酸化性雰囲気とされている。
また、溶鋼プール部16には、溶鋼3が貯留されており、溶鋼面には、アルミナ皮膜等からなるスカムXが形成されている。
【0028】
このスカムXが冷却ロール11に巻き込むことを抑制するために、溶鋼プール部16には、スカム堰30が配設される。詳述すると、
図3及び
図4に示すように、スカム堰30は、矩形平板状をなしており、注湯ノズル18と冷却ロール11、11との間に配置され、その一部が溶鋼3内に浸漬されている。
なお、スカム堰30は、
図4に示すように、シールチャンバー20のフレームに固定された支持アーム部21によって支持され、溶鋼プール部16に配置されている。なお、本実施形態では、支持アーム部21は、シールチャンバー20のフレームに揺動可能に接続されている。
【0029】
図5に、本実施形態であるスカム堰30の一例を示す。
図5に示すスカム堰30は、溶鋼3に浸漬される溶鋼浸漬部30aに、溝部32を有している。
なお、溶鋼浸漬部30aとは、溶鋼プール部16中の溶鋼3に浸漬される領域であり、定常部の湯面位置(目標湯面位置)を基準としたスカム堰30の浸漬深さDから規定すれば良い。ここで、浸漬深さDは冷却ロールに向いた側のスカム面の浸漬方向の距離である。本実施形態では、スカム堰30の浸漬深さDは5mm以上20mm以下の範囲内が好ましい。5mm以上では、湯面変動で湯面が低下した際でもスカム堰が浸漬しないという懸念を小さくすることができ、一方、20mm以下では、ノズル吐出流から受ける衝撃を小さくすることができるためである。なお、スカム堰30の浸漬深さDは10mm以上15mm以下の範囲内とすることがさらに好ましい。
【0030】
ここで、スカム堰30は、強度と耐熱性を有し、熱変形の少ない材料で構成されている。具体的には、アルミナ、ジルコニア等の酸化物、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物、黒鉛、および、これらの複合材料を用いることができる。例えば、アルミナグラファイト(AG)が入手しやすいため広く使用される。
また、スカム堰30の厚さは、注湯ノズル18からの溶鋼流動に対する強度を確保するために5mm以上とすることが好ましい。一方、軽量化の観点から、厚さの上限は20mm以下とすることが好ましい。
【0031】
溝部32は、
図5(a)に示すように、水平方向に延在(延びた状態で存在すること)するものでも良く、あるいは傾斜した方向に延在するものでも良い。但し、垂直方向に延在する溝では、スカムを切断できないため、本発明の対象外である。本実施形態では、水平方向に延在したものを有している。
また、本実施形態においては、
図5(b)に示すように、溝部32は、延在方向に直交する断面形状が四角形状をなしている。
【0032】
そして、本実施形態においては、振動付与機構40によってスカム堰30に振動が付与されるように構成されている。
この振動付与機構40は、
図4に示すように、冷却ロール11に接触する回転体41と、この回転体41の軸部とスカム堰30を支持する支持アーム部21とを接続する伝達アーム部42と、を備えている。
回転体41の外周面には、径方向に凹凸を有しており、冷却ロール11の回転に伴って回転体41が回転することにより、回転体41が振動し、この振動が伝達アーム部42を介して支持アーム部21に伝達され、スカム堰30に振動が付与されるように構成されている。
【0033】
次に、本実施形態であるスカム堰30を備えた双ロール式連続鋳造装置10による薄肉鋳片1の製造方法について説明する。
【0034】
本実施形態である双ロール式連続鋳造装置10においては、注湯ノズル18を介して溶鋼プール部16に溶鋼3が供給される。すると、溶鋼3が回転する冷却ロール11,11に接触して冷却されることにより、冷却ロール11,11の周面の上で凝固シェル5、5が成長し、一対の冷却ロール11,11にそれぞれ形成された凝固シェル5、5同士がロールキス点で圧着されることによって、所定厚みの薄肉鋳片1が鋳造される。
【0035】
ここで、本実施形態においては、
図2から
図4に示すように、上述のスカム堰30が、注湯ノズル18と冷却ロール11との間の溶鋼プール部16内に配設される。このとき、スカム堰30に形成された溝部32が、溶鋼3に浸漬されるとともに、冷却ロール11側を向くように配置される。
また、
図4に示すように、スカム堰30は、冷却ロール11の回転軸と平行に延在するように配置される。これにより、スカム堰30に形成された溝部32は、冷却ロール11の回転方向に対して交差する方向に延在するように配置されることになる。
【0036】
鋳造時においては、スカム堰30の溝部32には、
図6に示すように、スカムXが侵入し、溝部32の側壁の先端部YがスカムXに接触する。そして、溶鋼3の流動に伴ってスカムXが移動しようとする際に、溝部32の側壁の先端部Yから集中的にスカムXに応力が加わることで、スカムXが切断されることになる。
また、
図6に示すように、スカムXが溝部32の内部に完全には充填されずに、溝部32の底部(特に底部の角部Z)に空隙が形成される場合には、溶鋼3の静圧が加わった状態で溝部32の側壁の先端部Yに接触することなる。このため、溝部32の側壁の先端部Yからさらに集中的に応力が加わることで、スカムXが容易に切断される。
【0037】
さらに、振動付与機構40によって、スカム堰30に振動を付与することにより、溝部32の側壁の先端部Yからの応力がさらに大きくなり、スカムXが容易に切断されることになる。また、振動により、スカム堰30からスカムXを容易に剥離することができる。さらに、振動の周波数を調整することにより、切断後のスカムXのサイズを小さくすることが可能となる。
【0038】
そして、切断されたスカムXが冷却ロール11に巻き込まれることにより、スカムXが冷却ロール11とスカム堰30との間の領域に蓄積されることが抑制され、粗大なスカムXの巻き込みが抑制される。
【0039】
ここで、上述のように溝部32によってスカムXを切断するために適した、溝部32の開口幅W1、側壁の先端幅W2、溝部32の深さd、溝部32の位置、振動条件について、以下に説明する。
【0040】
(溝部32の開口幅W1)
スカム堰30の溝部32の開口幅W1を0.5mm以上とすることにより、溝部32にスカムX及び溶鋼3が侵入しやすくなり、溝部32の側壁の先端部YによってスカムXを安定して切断し易くなる。
一方、溝部32の開口幅W1を7mm以下とすることにより、溶鋼3が溝部32の内部に完全に充填することを抑制し易くすることができ、溶鋼3の静圧によって溝部32の側壁の先端部YからスカムXへの応力が大きくなり、スカムXを安定して切断し易くなる。
よって、本実施形態では、溝部32の開口幅W1は、0.5mm以上7mm以下の範囲内とすることが好ましい。
なお、溝部32の開口幅W1の上限は5mm以下であることがさらに好ましく、3mm以下であることがより好ましい。一方、溝部32の開口幅W1の下限は1mm以上であることがさらに好ましく、2mm以上であることがより好ましい。
【0041】
(溝部32の側壁の先端幅W2)
スカム堰30に複数の溝部32が形成された場合において、
図5に示すように、溝部32と溝部32との間の側壁の先端幅W2が規定されることになる。この側壁の先端幅W2には、特に制限はないが、溝部が複数の場合、先端幅W2により、スカム堰の浸漬深さDに影響するため、3mm以下とすることが好ましい。
【0042】
(溝部32の深さd)
スカム堰30の溝部32の深さdを0.5mm以上とすることにより、溶鋼3が溝部32の内部に完全に充填することを抑制し易くできるので、溶鋼3の静圧によって溝部32の側壁の先端部YからスカムXへの応力が大きくなり、スカムXを安定して切断し易くなる。
一方、スカム堰30の溝部32の深さdの上限は、特に制限はないが、スカム堰30の強度を確保するために、スカム堰30の厚さの1/2以下とすることが好ましい。
なお、溝部32深さdの下限は1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることがさらに好ましい。
【0043】
(溝部32の位置)
湯面に浮かぶスカムXを切断することから、湯面位置にあることが必要である。溝部32が1本でもスカムXの切断効果は得られるが、複数あることが好ましい。操業では湯面変動するので、目標湯面位置を原点とした±10mm(スカム面上の浸漬方向の距離)に複数本あることが好ましい。さらに、溶鋼3はスカム堰30の浸漬部先端(下端)を潜って、湯面に向かって上昇するので、溶鋼浸漬部30a全体に、溝部32が形成されていることがさらに好ましい。
【0044】
(振動条件)
スカム堰30に対して振動を付与する際に、振動方向については特に規定しないが、上述の振動付与機構40を用いた場合には、冷却ロール11の軸線と平行に配置したスカム堰30と冷却ロール11間の距離が近接離間するように振動することになる。
また、振動数は、切断後のスカムXの長さ(鋳造方向長さ)を10mm以下とするために、鋳造速度Vc(m/分)として、以下の式で算出される下限振動数fmin以上とすることが好ましい。なお、スカムの最大長さが10mm以下としているのは、このサイズ以下であれば、表面割れがほとんど発生しないことを、本発明者が実験的に確認していることによる。
fmin(Hz)=(1000/60/10)×Vc
一方、振動数の上限(上限振動数fmax)は、耐火物で構成されたスカム堰30と機械の耐久性から500Hz、好ましくは200Hzとすることが好ましい。
なお、振幅や振動数は、振動付与機構40の回転体41の外径や、回転体41の外周面の凹凸高さを変えることで調整することができる。
【0045】
以上のような構成の本実施形態においては、溶鋼プール部16において溶鋼3内に浸漬される溶鋼浸漬部30aの冷却ロール11側を向く面に溝部32が形成されているので、溝部32の内部に、冷却ロール11とスカム堰30との間の領域の湯面に浮上したスカムXが侵入し、溝部32の側壁の先端部YがスカムXに接触する。そして、溶鋼3の流動に伴ってスカムXが移動しようとする際に、溝32部の側壁の先端部Yから集中的に応力が加わることで、スカムXが容易に切断される。これにより、スカムXが細かく切断された状態で巻き込まれることになり、冷却ロール11とスカム堰30との間の領域の湯面におけるスカムXの蓄積を抑制でき、粗大なスカムXの巻き込みを抑制することが可能となる。
また、溝部32によってスカム堰30の断熱性が向上し、スカム堰30の表面における地金の発生を抑制することが可能となる。
【0046】
また、本実施形態では、溝部32の開口幅W1を7mm以下とすることにより、溶鋼3及びスカムXが溝部32の内部に完全には充填されずに、溝部32の底部(特に底部の角部Z)に空隙が形成され易くなるため、溶鋼3の静圧により溝部32の側壁の先端部YからスカムXに対してさらに集中的に応力が加わることで、スカムXが容易に切断され易くなる。また、スカムXがスカム堰30から剥離しやすくなる。
また、溝部32内に形成された空隙が断熱層となり、スカム堰30への地金の付着をさらに抑制することが可能となる。
【0047】
さらに、本実施形態において、スカム堰30を振動させる振動付与機構40によってスカム堰30を振動させた場合には、溝部32の側壁の先端部Yからの応力がさらに大きくなり、スカムXをさらに容易に切断することができる。また、振動により、スカム堰30からスカムXを容易に剥離することができる。さらに、振動の周波数を調整することにより、切断後のスカムXのサイズを調整することが可能となる。
【0048】
また、本実施形態において、振動付与機構40が、冷却ロール11に接触する回転体41と、この回転体41の軸部とスカム堰30を支持する支持アーム部21とを接続する伝達アーム部42と、を備えた構造とされている場合には、冷却ロール11の回転を利用してスカム堰30に振動を付与することができ、振動付与機構40を比較的簡単な構成とすることが可能となる。これにより、溶鋼3から高温輻射熱を受ける使用環境でも、安定して使用することができる。
【0049】
以上、本発明の実施形態であるスカム堰、双ロール式連続鋳造装置及び薄肉鋳片の製造方法について具体的に説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、
図2に示すように、ピンチロールを配設した双ロール式連続鋳造装置を例に挙げて説明したが、これらのロール等の配置に限定はなく、適宜設計変更してもよい。
【0050】
また、本実施形態では、溝部の延在方向に直交する断面形状が四角形状のものとして説明したが、これに限定されることはなく、例えば、
図7(a)に示すように半円形状としていてもよいし、
図7(b)に示すように三角形状としてもよいし、
図7(c)に示すように台形状としてもよく、加工性等を考慮して適宜選択すればよい。ただし、スカムに接する角部を有する形状が好ましい。なお、溝部の断面を三角形状あるいは台形状とした場合には、側壁の先端幅W2を0とし、側壁の先端が鋭角となった構造とすることも可能となる。
【0051】
さらに、本実施形態では、溝部が水平方向に延在するものを用いて説明したが、これに限定されることはなく、スカム堰のうち冷却ロールの対向面において冷却ロールの回転方向に対して交差する方向に延在していてもよい。なお、溝部の延在方向は水平方向に対して±45°の範囲内とすることが好ましい。
また、本実施形態では、スカム堰の幅全体に延在する溝部を形成したものとして説明したが、これに限定されることはなく、
図8(a)、(b)に示すように、幅方向に分割された複数の溝部を有してもよい。
【実施例】
【0052】
以下に、本発明の効果を確認すべく、実施した実験結果について説明する。
【0053】
C;0.06質量%、Si;1.6質量%、Mn;2.2質量%、P;0.01質量%、S;0.005質量%、Al;0.056質量%を含有する炭素鋼からなる薄肉鋳片を、上述の実施形態に示す双ロール式連続鋳造装置を用いて製造した。以下に、薄肉鋳片の製造方法の共通の条件を示す。
【0054】
冷却ロールの直径:1200mm
鋳造幅:800mm
鋳造厚み:平均2.0mm
鋳造速度:平均50m/min
鋳造雰囲気:Ar+N2
鋳造量:10トン
湯面レベル弧角:40deg
溶鋼と冷却ロールドラムの接触弧長:419mm
溶鋼プール部の溶鋼温度:1522~1542℃(上記溶鋼の液相線温度1502℃なので、過熱度は20~40℃)
【0055】
スカム堰は、窒化ホウ素(BN)製とし、幅700mm、厚み15mm、浸漬深さ(湯面レベル40degのとき)20mm(スカム面上の距離)とした。
そして、スカム堰の表面に、表1に示すように、溝部を有しているものを用いた。
また、スカム堰に振動を付与する際は、実施形態で説明した振動付与機構を用いて、表2に示す条件で実施した。振動の振幅や振動数は、回転体の外周面の凹凸高さや回転体の外径を変えて調整した。
【0056】
以上のような条件で薄肉鋳片の鋳造を実施し、以下の項目について評価した。評価結果を表2に示す。
【0057】
(鋳片表面に巻き込んだスカムの最大サイズ)
定常部の酸洗前鋳片1mの表面と裏面を目視観察し、両面に巻き込んだスカムのうち、鋳造方向の長さが最大のものの長さを測定した。
【0058】
(薄肉鋳片の表面しわ)
定常部の薄肉鋳片1mを酸洗した後、表面と裏面を目視で観察し、薄肉鋳片1m2あたりのしわの発生長さを測定した。
【0059】
(薄肉鋳片の表面割れ)
鋳片1mを酸洗した後、その表面と裏面とを観察し、目視、および、8倍ルーペを用いて、長さ1mm以上の割れを調査し、1m2あたりの割れの個数を測定した。
【0060】
(スカム堰に付着した地金厚み)
鋳造終了後のスカム堰表面の付着地金の有無を調べ、付着している場合は最も厚い部位の厚みを測定した。
【0061】
表1及び表2に、実施例の条件と評価結果を示す。No.1~21が本発明例であり、No.51~53が比較例である。本発明例のうち、No.1~16は振動を付与しない条件であり、No.17~21は、振動を付与した条件である。比較例では振動を付与しなかった。
【0062】
溝の配置面は、冷却ロール側とノズル側があり、片面あるいは両面に配置した。
溝の配置位置は、スカム堰の幅方向と浸漬方向で示した。幅方向の配置は全幅を基本としたが、No.14、15、16の様に、幅方向に分割し、溝の条件を変更した場合も試験した。
浸漬方向の位置は、定常湯面レベル40degのときの湯面を原点として、浸漬部位をマイナスの数値、湯面より上部の非浸漬部位をプラスの数値で示した。数値はスカム面上の距離である。
浸漬方向の配置範囲は、溝(凹)部の上端と下端の位置で示しており、溝が複数配置されている場合は、最下部の溝の下端から、最上部の溝の上端の位置で表示した。
溝の形状や寸法は、溝(凹)部の断面形状を四角、三角、半円と表記し、さらにスカム堰表面における溝の開口幅W1、側壁の先端幅W2、溝の深さd、溝の本数を示した。
【0063】
【0064】
【0065】
比較例No.51は、溝部を有しておらず、両面ともに平滑なスカム堰を用いた。スカム切断効果が小さいため、巻き込んだスカム最大サイズは25mmと粗大であり、それに伴う表面しわや表面割れが多かった。溝部による断熱効果が無く、付着地金の最大厚みは2mmを超えた。
【0066】
比較例No.52は、湯面より上部の非浸漬部のみに溝部を有し、溶鋼浸漬部には溝部を有しない例である。定常の湯面レベルでは溝部が溶鋼に浸漬しないため、スカム切断効果が得られず、スカム最大サイズは粗大であり、表面しわや表面割れも多かった。溝部による断熱効果が無く、付着地金の最大厚みは2mmを超えた。
【0067】
比較例No.53は、スカム堰のノズル面側にのみ溝部を形成し、冷却ロール側には溝部を形成していない例である。冷却ロールに巻き込まれるスカムを切断する効果はないため、巻き込んだスカム最大サイズや表面しわ、表面割れの改善効果はみられなかった。溝部による断熱効果のため、地金付着は無かった。
【0068】
これに対して、本発明例No.1~21は、本発明の条件を満足しており、溝部の側壁の先端部によるスカム切断効果が十分であったため、巻き込んだスカム最大サイズは20mm未満であり、表面しわや表面割れも比較例より低減できた。また、溝部による断熱効果により、比較例No.51~52よりも地金付着厚みは低減できた。
【0069】
詳細には、本発明例No.1は冷却ロール面側の溶鋼浸漬部に、1本の溝を有した例であり、本発明例No.2~21は、複数の溝を有する例であるが、巻き込んだスカム最大サイズは20mm未満であり、表面しわや表面割れも比較例より低減できた。また、溝部による断熱効果により、比較例No.51~52よりも地金付着厚みは1mm未満に低減でき、あるいは地金付着を無くすことができた。
【0070】
さらに、振動を付与した本発明例No.17~20では、より大きなスカム切断効果を得ることができ、その結果、表面しわを150mm/m2以下に、表面割れを1個/m2以下に低減できた。
【0071】
以上の結果から、本発明によれば、粗大なスカムの巻き込みを抑制することができ、さらに、スカム堰の表面における地金の発生を抑制でき、安定して高品質な鋳片を鋳造することが可能なスカム堰、このスカム堰を備えた双ロール式連続鋳造装置、及び、薄肉鋳片の製造方法を提供可能であることが確認された。
【符号の説明】
【0072】
1 薄肉鋳片
3 溶鋼
5 凝固シェル
11 冷却ロール
16 溶鋼プール部(溶融金属プール部)
30 スカム堰
30a 溶鋼浸漬部(溶融金属浸漬部)
32 溝部
40 振動付与機構
41 回転体
42 伝達アーム部(伝達部材)