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特許7273310印刷制御プログラム、印刷制御方法および印刷制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】印刷制御プログラム、印刷制御方法および印刷制御装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20230508BHJP
   H04L 51/02 20220101ALI20230508BHJP
【FI】
G06F3/12 356
G06F3/12 323
G06F3/12 308
G06F3/12 320
H04L51/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019183385
(22)【出願日】2019-10-04
(65)【公開番号】P2021060698
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】七尾 洋介
(72)【発明者】
【氏名】袴田 隼毅
(72)【発明者】
【氏名】藤田 悦誌
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-82130(JP,A)
【文献】特開2006-163750(JP,A)
【文献】特開2013-114508(JP,A)
【文献】特開2019-144616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12
B41J29/00-29/70
H04N1/00
H04L51/02;51/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャットアプリケーションを介した印刷処理を制御する印刷制御プログラムであって、
前記チャットアプリケーションを介してある人物の識別情報に対応付けられた印刷指示を端末装置から受信した際に、前記受信した印刷指示が所定期間において前記識別情報に対応付けられた初回の印刷指示であるか否か、前記所定期間において前記識別情報に対応付けられた印刷属性が変更されたか否か、の少なくともいずれかについての判定を実行し、
前記判定の結果に応じて、前記受信した印刷指示に対応する印刷対象のプレビュー画像を前記端末装置に出力するか否かを決定する、
処理をコンピュータに実行させる印刷制御プログラム。
【請求項2】
前記決定では、前記受信した印刷指示が前記所定期間において前記識別情報に対応付けられた初回の印刷指示である場合、前記所定期間において前記識別情報に対応付けられた印刷属性が変更されていない場合、のいずれかの場合に、前記プレビュー画像を前記端末装置に出力する、
請求項1記載の印刷制御プログラム。
【請求項3】
前記受信した印刷指示が複数の印刷ジョブの実行指示を含むものであるか否かを判定する処理を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記決定では、
前記複数の印刷ジョブを含む場合、前記プレビュー画像を前記端末装置に1回出力して、前記複数の印刷ジョブの実行を開始させ、
前記複数の印刷ジョブを含まない場合、前記プレビュー画像を前記端末装置に出力して、前記受信した印刷指示に応じた印刷処理を開始させる、
請求項1または2記載の印刷制御プログラム。
【請求項4】
前記チャットアプリケーションを介して前記識別情報に対応付けられた印刷属性の変更指示を前記端末装置から受信すると、前記変更指示に応じて当該印刷属性の内容を変更し、変更内容が反映された前記プレビュー画像を前記端末装置に出力する、
処理を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記決定では、前記所定期間において前記識別情報に対応付けられた印刷属性が変更されていない場合、前記プレビュー画像を前記端末装置に出力して、前記受信した印刷指示に応じた印刷処理を開始させ、前記所定期間において前記識別情報に対応付けられた印刷属性が変更されていた場合、前記プレビュー画像の出力をスキップして、前記受信した印刷指示に応じた印刷処理を開始させる、
請求項1記載の印刷制御プログラム。
【請求項5】
前記決定では、
前記所定期間において前記識別情報に対応付けられた印刷属性が変更されておらず、前記受信した印刷指示が前記所定期間において前記識別情報に対応付けられた初回の印刷指示である場合、前記プレビュー画像を前記端末装置に出力して、前記受信した印刷指示に応じた印刷処理を開始させ、
前記所定期間において前記識別情報に対応付けられた印刷属性が変更されておらず、前記受信した印刷指示が前記所定期間において前記識別情報に対応付けられた初回の印刷指示でない場合、前記プレビュー画像の出力をスキップして、前記受信した印刷指示に応じた印刷処理を開始させる、
請求項4記載の印刷制御プログラム。
【請求項6】
前記決定では、
前記所定期間において前記識別情報に対応付けられた印刷属性が変更されておらず、前記受信した印刷指示が前記所定期間において前記識別情報に対応付けられた初回の印刷指示である場合、前記受信した印刷指示が複数の印刷ジョブの実行指示を含むものであるか否かを判定し、
前記複数の印刷ジョブを含む場合、前記プレビュー画像を前記端末装置に1回出力して、前記複数の印刷ジョブの実行を開始させ、
前記複数の印刷ジョブを含まない場合、前記プレビュー画像を前記端末装置に出力して、前記受信した印刷指示に応じた印刷処理を開始させる、
処理を前記コンピュータにさらに実行させる請求項5記載の印刷制御プログラム。
【請求項7】
チャットアプリケーションを介した印刷処理を制御する印刷制御方法であって、
前記チャットアプリケーションを介してある人物の識別情報に対応付けられた印刷指示を端末装置から受信した際に、前記受信した印刷指示が所定期間において前記識別情報に対応付けられた初回の印刷指示であるか否か、前記所定期間において前記識別情報に対応付けられた印刷属性が変更されたか否か、の少なくともいずれかについての判定を実行し、
前記判定の結果に応じて、前記受信した印刷指示に対応する印刷対象のプレビュー画像を前記端末装置に出力するか否かを決定する、
処理をコンピュータが実行する印刷制御方法。
【請求項8】
チャットアプリケーションを介した印刷処理を制御する印刷制御装置であって、
前記チャットアプリケーションを介してある人物の識別情報に対応付けられた印刷指示を端末装置から受信した際に、前記受信した印刷指示が所定期間において前記識別情報に対応付けられた初回の印刷指示であるか否か、前記所定期間において前記識別情報に対応付けられた印刷属性が変更されたか否か、の少なくともいずれかについての判定を実行し、
前記判定の結果に応じて、前記受信した印刷指示に対応する印刷対象のプレビュー画像を前記端末装置に出力するか否かを決定する、処理部、
を有する印刷制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷制御プログラム、印刷制御方法および印刷制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザとの間で自動的に対話するチャットアプリケーションは、「チャットボット(Chat Bot)」と呼ばれる。近年、チャットボットは、顧客対応業務の一部を代行するなどの様々な用途で用いられている。
【0003】
このようなチャットボットを、プリンタやプロジェクタなどの情報機器に対して情報処理の実行を要求するために用いる技術が提案されている。この技術では、ユーザは、メッセージングアプリケーションを介してサーバと対話することで、例えばプリンタに印刷を実行させることができる。
【0004】
また、プリンタでの印刷の制御に関しては、例えば次のような装置が提案されている。この装置は、印刷オプション設定画面上の任意の印刷パラメータに対するイベントを検知すると、設定可能な値に応じて作成され複数の印刷イメージをプレビュー表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-128843号公報
【文献】特開2006-268541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、チャットボットを介してプリンタに印刷を実行させる際に、設定されている印刷属性を確認したいという要求がある。このような要求に対し、設定された印刷属性が反映されたプレビュー画像を表示する方法がある。プレビュー画像では、設定された印刷属性に応じた印刷イメージが、例えば擬似的に描画される。このため、印刷属性が設定された設定画面を表示するより、ユーザが印刷属性を直感的に確認しやすい。
【0007】
しかし、プレビュー画像を表示するためには、設定された印刷属性に応じた印刷イメージを作成するための処理負荷がかかる。このため、印刷を実行させるたびにプレビュー画像を表示すると、チャットボットのサービスを提供するサーバ側の処理負荷が増大してしまう。したがって、プレビュー画像の表示の要否を適切に制御して、プレビュー画像の作成処理負荷が軽減されるようにする点に課題がある。
【0008】
1つの側面では、本発明は、チャットアプリケーションにおける印刷プレビュー画像の表示を制御できるようにした印刷制御プログラム、印刷制御方法および印刷制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの案では、チャットアプリケーションを介した印刷処理を制御する印刷制御プログラムが提供される。この印刷制御プログラムは、チャットアプリケーションを介してある人物の識別情報に対応付けられた印刷指示を端末装置から受信した際に、受信した印刷指示が所定期間において識別情報に対応付けられた初回の印刷指示であるか否か、所定期間において識別情報に対応付けられた印刷属性が変更されたか否か、の少なくともいずれかについての判定を実行し、判定の結果に応じて、受信した印刷指示に対応する印刷対象のプレビュー画像を端末装置に出力するか否かを決定する、処理をコンピュータに実行させる。
【0010】
また、1つの案では、上記の印刷制御プログラムに基づく処理と同様の処理をコンピュータが実行する印刷制御方法が提供される。
さらに、1つの案では、上記の印刷制御プログラムに基づく処理と同様の処理を実行する印刷制御装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
1つの側面では、チャットアプリケーションにおける印刷プレビュー画像の表示を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施の形態に係る情報処理システムの構成例および処理例を示す図である。
図2】第2の実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3】チャットサーバのハードウェア構成例を示す図である。
図4】第2の実施の形態に係る情報処理システムが備える処理機能の構成例を示す図である。
図5】印刷属性記憶部に記憶されるデータの構成例を示す図である。
図6】印刷属性情報を設定する際のメッセージ表示画面の例を示す図である。
図7】プレビュー画像の表示例を示す図である。
図8】プレビュー画像の表示処理を含む、印刷実行処理の手順を示すシーケンス図の例である。
図9】第1の表示条件が適用される場合のメッセージ表示画面の例を示す図である。
図10】第2の表示条件が適用される場合のメッセージ表示画面の例を示す図である。
図11】第3の表示条件が適用される場合のメッセージ表示画面の例を示す図である。
図12】印刷属性変更処理の例を示すフローチャートである。
図13】印刷制御処理の例を示すフローチャート(その1)である。
図14】印刷制御処理の例を示すフローチャート(その2)である。
図15】印刷制御処理の例を示すフローチャート(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理システムの構成例および処理例を示す図である。図1に示す情報処理システムは、自動対話機能を有するチャットアプリケーションを用いて印刷処理を制御できるようにしたシステムである。この情報処理システムは、印刷制御装置10、端末装置20およびプリンタ30を含む。
【0014】
印刷制御装置10は、上記のチャットアプリケーションを備え、チャットアプリケーションを介したプリンタ30による印刷処理を制御する装置である。この印刷制御装置10は、処理部11を有する。処理部11は、例えば、印刷制御装置10が備える図示しないプロセッサとして実現される。この場合、処理部11の処理は、プロセッサが所定のプログラムを実行することで実現される。
【0015】
また、処理部11は、印刷属性12を参照可能になっている。印刷属性12は、プリンタ30での印刷処理に関する各種の設定情報を含む。印刷属性12は、例えば、印刷の実行を指示するユーザごとに用意されている。また、印刷属性12は、印刷制御装置10の内部の記憶装置に記憶されていてもよいし、印刷制御装置10の外部の記憶装置に記憶されていてもよい。
【0016】
端末装置20は、印刷の実行を指示するユーザによって操作される情報処理装置である。端末装置20の図示しない表示装置には、チャットアプリケーションを介して送受信されるメッセージが表示されるメッセージ表示画面が表示される。送信するメッセージをユーザが端末装置20に入力すると、そのメッセージがメッセージ表示画面に表示されるとともに印刷制御装置10に送信される。また、印刷制御装置10から送信されたメッセージはメッセージ表示画面に表示される。
【0017】
以下、印刷制御装置10の処理部11の処理について説明する。処理部11は、印刷指示を受信した際に、後述する出力条件についての判定結果に応じてプレビュー画像を端末装置20に出力するか否かを決定する。プレビュー画像とは、印刷を指示したユーザが印刷イメージを確認できるようにするための画像であり、印刷属性12の設定内容が反映されて作成される。例えば、図1に示すプレビュー画像21bは、用紙の向きが横向きであり、その用紙内に文書の4ページ分を印刷する、という印刷属性12の設定内容が反映されていて、このような設定内容をユーザが直感的に理解できるようになっている。
【0018】
処理部11は、あるユーザの識別情報に対応付けられた印刷指示を、端末装置20から受信する(ステップS1)。すると、処理部11は、プレビュー画像の出力のための次のような出力条件についての判定を実行する(ステップS2)。例えば、第1の出力条件は、受信した印刷指示が所定期間において上記の識別情報に対応付けられた初回の印刷指示であるか否かを示す。また、第2の出力条件は、当該所定期間において上記の識別情報に対応付けられた印刷属性12が変更されたか否かを示す。処理部11は、第1の出力条件と第2の出力条件の少なくともいずれかについての判定を実行する。
【0019】
処理部11は、このような判定の結果に応じて、受信した印刷指示に対応する印刷対象のプレビュー画像を端末装置20に出力するか否かを決定する(ステップS3)。
ここで、図1に示すメッセージ表示画面21,22は、端末装置20の表示装置に表示されるメッセージ表示画面の例である。メッセージ表示画面21は、プレビュー画像を出力すると判定された場合を示し、メッセージ表示画面22は、プレビュー画像を出力しないと判定された場合を示す。
【0020】
まず、プレビュー画像を出力すると判定された場合について説明する。ユーザが印刷を指示するためのメッセージ21aを入力すると、そのメッセージ21aがメッセージ表示画面21に表示されるとともに、印刷制御装置10に送信される。印刷制御装置10の処理部11は、出力条件の判定を行い(ステップS2)、その判定結果からプレビュー画像を出力すると決定したとする(ステップS3)。この場合、処理部11は、ユーザに対応する印刷属性12に基づいてプレビュー画像21bを作成し、作成したプレビュー画像21bを端末装置20に送信する。これにより、メッセージ表示画面21にプレビュー画像21bが表示される。また、処理部11は、受信した印刷指示に応じた印刷の実行をプリンタ30に指示する。プリンタ30での印刷が完了すると、処理部11は、印刷が完了したことを示すメッセージ21cを端末装置20に出力する。これにより、メッセージ表示画面21にメッセージ21cが表示される。
【0021】
次に、プレビュー画像を出力しないと判定された場合について説明する。ユーザが印刷を指示するためのメッセージ22aを入力すると、そのメッセージ22aがメッセージ表示画面22に表示されるとともに、印刷制御装置10に送信される。印刷制御装置10の処理部11は、出力条件の判定を行い(ステップS2)、その判定結果からプレビュー画像を出力しないと決定したとする(ステップS3)。この場合、処理部11は、プレビュー画像の出力をスキップして、受信した印刷指示に応じた印刷の実行をプリンタ30に指示する。プリンタ30での印刷が完了すると、処理部11は、印刷が完了したことを示すメッセージ22bを端末装置20に出力する。これにより、メッセージ表示画面22にメッセージ22bが表示される。
【0022】
このような処理部11の処理により、チャットアプリケーションにおける印刷プレビュー画像の表示を制御できるようになる。例えば、上記の第1、第2の出力条件を用いて次のような処理が行われることで、ユーザの利便性の低下を抑制しながら、印刷制御装置10におけるプレビュー画像の作成処理負荷を軽減できる。
【0023】
例えば第1の出力条件が用いられる場合、処理部11は、受信した印刷指示が所定期間において上記の識別情報に対応付けられた初回の印刷指示である場合には、プレビュー画像を出力する、一方、処理部11は、初回の印刷指示でない場合(2回目以降の印刷指示である場合)には、プレビュー画像を出力しない。
【0024】
例えば同じ日などの所定期間に、同じユーザが印刷属性12の設定内容を何度も確認する必要性は低いと考えられる。このため、所定期間における初回の印刷指示でない場合にはプレビュー画像を表示しないことで、ユーザの利便性の低下を抑制しながら、プレビュー画像の出力回数を削減できる。その結果、印刷制御装置10におけるプレビュー画像の作成処理負荷を軽減できる。また、印刷制御装置10と端末装置20との間の通信トラフィックを軽減できる。
【0025】
また、例えば第2の出力条件が用いられる場合、処理部11は、所定期間において上記の識別情報に対応付けられた印刷属性12が変更されていない場合には、プレビュー画像を出力する。一方、処理部11は、印刷属性12が変更されていた場合には、プレビュー画像を出力しない。
【0026】
例えば同じ日などの所定期間にユーザが印刷属性12を変更していた場合、印刷を指示した段階でユーザが変更内容を覚えている可能性が高く、現在の印刷属性12の設定内容を再確認する必要性は低いと考えられる。また、印刷属性12の変更時に、変更後の印刷属性12に基づいてプレビュー画像が表示されている場合もあり、その場合には現在の印刷属性12の設定内容を再確認する必要性は一層低いと考えられる。このため、所定期間に印刷属性12が変更されていた場合にはプレビュー画像を出力しないことで、ユーザの利便性の低下を抑制しながら、プレビュー画像の出力回数を削減できる。その結果、印刷制御装置10におけるプレビュー画像の作成処理負荷を軽減できる。また、印刷制御装置10と端末装置20との間の通信トラフィックを軽減できる。
【0027】
〔第2の実施の形態〕
図2は、第2の実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。図2に示す情報処理システムは、チャットサーバ100、印刷サーバ200、ストレージ装置300、端末装置400a,400b,400c,・・・およびプリンタ500を含む。これらの構成要素はネットワーク50に接続され、互いに通信可能になっている。なお、チャットサーバ100は図1の印刷制御装置10の一例であり、端末装置400a,400b,400c,・・・は図1の端末装置20の一例であり、プリンタ500は図1のプリンタ30の一例である。
【0028】
チャットサーバ100は、チャットアプリケーションにより、端末装置400a,400b,400c,・・・を利用するユーザ間のメッセージサービスを提供する。また、チャットサーバ100は、このようなメッセージサービスの一部として、チャットボットによる自動対話サービスを提供する。チャットサーバ100は、チャットボットにより、プリンタ500でのドキュメントの印刷依頼をユーザから受け付け、該当ドキュメントの印刷を印刷サーバ200に指示する。
【0029】
印刷サーバ200は、プリンタ500による印刷動作を制御するためのサーバ装置であり、チャットサーバ100からの指示に応じて、プリンタ500に印刷を実行させる。
ストレージ装置300は、ストレージ301を備え、ストレージ301を用いたデータの読み書きを実行する。ストレージ装置300は、端末装置400a,400b,400c,・・・を利用するユーザに共用される共用ストレージを提供し、ストレージ301には例えば、印刷対象となるドキュメントや、印刷属性の情報が記憶される。
【0030】
端末装置400a,400b,400c,・・・は、ユーザによって操作されるユーザ端末であり、例えば、スマートフォン、ノートPC(Personal Computer)、タブレットなどの可搬型端末装置として実現される。以下、端末装置400a,400b,400c,・・・を区別せずに表す場合、「端末装置400」と表記する。
【0031】
ユーザは端末装置400を介して、例えば、ストレージ301に記憶されたドキュメントを利用(参照、編集など)したり、それらのドキュメントの印刷を依頼することができる。また、端末装置400には、チャットサーバ100が提供する上記のメッセージサービスに対応するクライアントアプリケーションがインストールされている。端末装置400を利用するユーザは、クライアントアプリケーションを介してチャットサーバ100との間でメッセージを送受信することで、他のユーザと対話したり、ストレージ301に記憶されたドキュメントの印刷を依頼することができる。
【0032】
プリンタ500は、印刷サーバ200からの指示に応じてドキュメントの印刷を実行する。
図3は、チャットサーバのハードウェア構成例を示す図である。チャットサーバ100は、例えば、図3に示すようなコンピュータとして実現される。図3に示すチャットサーバ100は、プロセッサ101、RAM(Random Access Memory)102、HDD(Hard Disk Drive)103、グラフィックインタフェース(I/F)104、入力インタフェース(I/F)105、読み取り装置106および通信インタフェース(I/F)107を備える。
【0033】
プロセッサ101は、チャットサーバ100全体を統括的に制御する。プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはPLD(Programmable Logic Device)である。また、プロセッサ101は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
【0034】
RAM102は、チャットサーバ100の主記憶装置として使用される。RAM102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)プログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、プロセッサ101による処理に必要な各種データが格納される。
【0035】
HDD103は、チャットサーバ100の補助記憶装置として使用される。HDD103には、OSプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、補助記憶装置としては、SSD(Solid State Drive)などの他の種類の不揮発性記憶装置を使用することもできる。
【0036】
グラフィックインタフェース104には、表示装置104aが接続されている。グラフィックインタフェース104は、プロセッサ101からの命令にしたがって、画像を表示装置104aに表示させる。表示装置としては、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどがある。
【0037】
入力インタフェース105には、入力装置105aが接続されている。入力インタフェース105は、入力装置105aから出力される信号をプロセッサ101に送信する。入力装置105aとしては、キーボードやポインティングデバイスなどがある。ポインティングデバイスとしては、マウス、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0038】
読み取り装置106には、可搬型記録媒体106aが脱着される。読み取り装置106は、可搬型記録媒体106aに記録されたデータを読み取ってプロセッサ101に送信する。可搬型記録媒体106aとしては、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどがある。
【0039】
通信インタフェース107は、ネットワーク50を介して、印刷サーバ200などの他の装置との間でデータの送受信を行う。
以上のようなハードウェア構成によって、チャットサーバ100の処理機能を実現することができる。なお、印刷サーバ200、端末装置400a,400b,400c,・・・についても、図2に示すようなハードウェア構成のコンピュータとして実現可能である。
【0040】
図4は、第2の実施の形態に係る情報処理システムが備える処理機能の構成例を示す図である。
チャットサーバ100は、メッセージ送受信部110および対話処理部120を備える。メッセージ送受信部110および対話処理部120の処理は、例えば、チャットサーバ100が備えるプロセッサ101が所定のプログラム(チャットボットによる自動対話サービスを実現するチャットアプリケーションのプログラム)を実行することで実現される。印刷サーバ200は、印刷制御部210を備える。印刷制御部210の処理は、例えば、印刷サーバ200が備える図示しないプログラムが所定のプログラムを実行することで実現される。
【0041】
ストレージ装置300は、ドキュメント記憶部310および印刷属性記憶部320を備える。ドキュメント記憶部310および印刷属性記憶部320は、ストレージ301の記憶領域によって実現される。端末装置400は、メッセージ送受信部410を備える。端末装置400の処理は、例えば、端末装置400が備える図示しないプログラムが所定のプログラムを実行することで実現される。
【0042】
ドキュメント記憶部310には、端末装置400のユーザによって利用されるドキュメントのデータが記憶される。本実施の形態では例として、ドキュメント記憶部310にはユーザごとの記憶領域が設定され、各記憶領域に対応するユーザが利用するドキュメントのデータが記憶される。なお、このような記憶領域は、例えば、1以上のユーザを含むユーザグループごとに設定されてもよい。
【0043】
印刷属性記憶部320には、印刷に関する印刷属性情報が記憶される。印刷属性情報は、印刷に関する各種の設定情報を含む。本実施の形態では例として、印刷属性情報はユーザごとに作成される。また、印刷属性情報には、印刷属性の設定内容を確認するためのプレビュー画像の表示制御用のプレビュー関連情報が付加される。プレビュー関連情報も、印刷属性情報と同様にユーザごとに作成される。なお、印刷属性情報およびこれに付加されるプレビュー関連情報も、1以上のユーザを含むユーザグループごとに作成されてもよい。
【0044】
チャットサーバ100のメッセージ送受信部110および対話処理部120は、チャットボットによる自動対話サービスのサーバとしての機能を実現する。メッセージ送受信部110は、ユーザの操作によって入力されたメッセージを端末装置400から受信する。また、メッセージ送受信部110は、メッセージを端末装置400に送信する。
【0045】
対話処理部120は、メッセージ送受信部110が受信したメッセージを解析し、その解析結果に基づいてユーザに対する応答メッセージを作成して、メッセージ送受信部110に送信させる。また、対話処理部120は、ユーザからのメッセージから印刷依頼を検知すると、ドキュメント記憶部310から印刷対象のドキュメントを取得するとともに、印刷属性記憶部320からユーザに対応する印刷属性情報を取得する。対話処理部120は、取得したドキュメントと印刷属性情報とを印刷サーバ200に送信して、そのドキュメントの印刷の実行を指示する。
【0046】
さらに、対話処理部120は、ユーザから印刷が依頼された際に、取得した印刷属性情報に基づいて印刷属性確認用のプレビュー画像を作成する機能を備える。この作成機能では、対話処理部120は、プレビュー画像作成用の多数の部品画像の中から、設定されている印刷属性の内容に応じた必要な部品画像を選択して取得し、それらの部品画像を組み合わせることで、印刷属性の内容が反映されたプレビュー画像を作成する。対話処理部120は、作成されたプレビュー画像が組み込まれたメッセージをメッセージ送受信部110に出力して、端末装置400に送信させる。
【0047】
端末装置400のメッセージ送受信部410は、チャットボットによる自動対話サービスのクライアントとして動作する。メッセージ送受信部410は、チャットサーバ100のメッセージ送受信部110からメッセージを受信して、端末装置400の表示装置に表示させる。また、メッセージ送受信部410は、ユーザの操作入力に応じてメッセージを作成し、チャットサーバ100のメッセージ送受信部110に送信する。
【0048】
印刷サーバ200の印刷制御部210は、チャットサーバ100の対話処理部120から、印刷対象のドキュメントと印刷属性情報とを印刷指示とともに受信し、受信した情報に基づいてドキュメントの印刷をプリンタ500に実行させる。
【0049】
図5は、印刷属性記憶部に記憶されるデータの構成例を示す図である。印刷属性記憶部320には、ユーザごとのユーザ情報321が記憶される。各ユーザ情報321にはユーザ識別情報が登録され、ユーザ識別情報によってユーザ情報321に対応するユーザが識別される。また、各ユーザ情報321には、ユーザに対応する印刷属性情報と、ユーザに対応するプレビュー関連情報とが含まれる。
【0050】
印刷属性情報には、印刷に関する各種の設定情報が登録される。図5では例として、印刷属性情報には、用紙サイズ、印刷の向き、1枚当たりのページ数、色の各設定項目が含まれている。用紙サイズは、プリンタ500に出力させる用紙のサイズを示す。印刷の向きは、プリンタ500に出力される用紙の向き(縦または横)を示す。1枚当たりのページ数は、用紙1枚に印刷するドキュメントのページ数を示す。色は、カラーで印刷させるか、モノクロで印刷させるかの識別を示す。
【0051】
プレビュー関連情報は、印刷属性確認ためのプレビュー画像の表示制御用の情報である。プレビュー関連情報には、印刷日時、属性変更日時、プレビューフラグF1~F3の各項目が含まれている。印刷日時は、直近に印刷が行われた日時を示す。属性変更日時は、直近に印刷属性情報の内容が変更された日時を示す。プレビューフラグF1~F3は、プレビュー画像の表示条件を示すフラグ情報である。プレビューフラグF1~F3については後述する。
【0052】
次に、図6を用いて、印刷属性情報の設定処理について説明する。図6は、印刷属性情報を設定する際のメッセージ表示画面の例を示す図である。
端末装置400のユーザは、チャットボットを介して、そのユーザに対応する印刷属性情報を設定することができる。図6に示すメッセージ表示画面420は、その際にメッセージ送受信部410によって端末装置400の表示装置に表示される、メッセージ表示のための画面の一例である。
【0053】
ユーザによって「印刷設定」など、印刷属性情報の設定を依頼するメッセージが入力されると、そのメッセージを含むメッセージ画像421が表示され、そのメッセージがチャットサーバ100に送信される。チャットサーバ100では、受信したメッセージが解析され、印刷属性情報の設定が依頼されたことが検知される。すると、印刷属性情報の各設定項目に対する設定入力を促すメッセージが作成され、端末装置400に送信される。
【0054】
図6の例では、まず、「用紙サイズ」と「印刷の向き」の各設定項目に対する設定入力を促すメッセージが送信され、そのメッセージを含むメッセージ画像422が表示される。これらの各設定項目に対する設定入力が行われ、その入力内容がチャットサーバ100に送信されると、次に、「1枚当たりのページ数」と「色」の各設定項目に対する設定入力を促すメッセージが送信され、そのメッセージを含むメッセージ画像423が表示される。これらの各設定項目に対する設定入力が行われ、その入力内容がチャットサーバ100に送信されると、設定完了を示すメッセージと、印刷属性情報の設定内容が反映されたプレビュー画像を含むメッセージとが端末装置400に送信される。その結果、メッセージ表示画面420には、設定完了を示すメッセージを含むメッセージ画像424と、プレビュー画像425aを含むメッセージ画像425とが表示される。
【0055】
このように、端末装置400のユーザは、対話形式で印刷属性情報を設定したり、設定変更することができる。また、印刷属性情報の設定内容が反映されたプレビュー画像425aが表示されることで、例えば、設定内容がテキスト形式で表示される場合と比較して、設定内容を直感的に確認できる。
【0056】
図7は、プレビュー画像の表示例を示す図である。図7(A)のプレビュー画像431は、印刷の向きが縦に設定され、1枚当たりのページ数が2ページに設定されている場合を示す。また、図7(B)のプレビュー画像432は、印刷の向きが横に設定され、1枚当たりのページ数が4ページに設定されている場合を示す。これらの例のように、プレビュー画像には、印刷属性情報の設定内容に応じた印刷イメージが描画される。
【0057】
チャットサーバ100の対話処理部120において、プレビュー画像は、多数の部品画像の中から、印刷属性情報の設定内容に応じた必要な部品画像が選択され、選択された部品画像が組み合わされて作成される。例えば、プレビュー画像431は、縦向きの原稿の画像431aと、原稿1枚に2ページ分表示するためのダミー原稿の画像431b,431cとが選択され、画像431a上に画像431b,431cが重畳されることで作成される。また、プレビュー画像432は、横向きの原稿の画像432aと、原稿1枚に4ページ分表示するためのダミー原稿の画像432b~432eとが選択され、画像432a上に画像432b~432eが重畳されることで作成される。したがって、プレビュー画像の作成のためにはチャットサーバ100にある程度の処理負荷がかかる。
【0058】
ところで、印刷属性情報の設定の際だけでなく、印刷を依頼する際にも、プレビュー画像により印刷属性情報の設定内容を確認したいという要求がある。例えば、印刷が実際に実行される前にプレビュー画像が表示されることで、ユーザは印刷属性情報の設定内容を確認し、所望する印刷イメージになっていない場合には印刷属性情報を設定し直すことができる。また、ユーザが利用する端末装置400とプリンタ500とが離れている場合、印刷の実行とともにプレビュー画像が表示されることで、ユーザはプリンタ500から出力された用紙を取りに行く前に印刷イメージを把握できる。
【0059】
図8は、プレビュー画像の表示処理を含む、印刷実行処理の手順を示すシーケンス図の例である。
[ステップS11]ユーザが端末装置400に対して印刷の実行を依頼するメッセージを入力すると、メッセージ送受信部410は、印刷ジョブの実行を依頼するメッセージをチャットサーバ100に送信する。
【0060】
[ステップS12]チャットサーバ100において、メッセージ送受信部110はメッセージを受信し、対話処理部120は受信されたメッセージを解析して印刷ジョブの実行が依頼されたことを検知する。なお、図示しないが、実際には、印刷対象のドキュメントの指定を受け付けるためのメッセージ送受信が端末装置400との間で実行される。
【0061】
対話処理部120は、ユーザに対応するユーザ情報321を印刷属性記憶部320から読み込み、ユーザ情報321から印刷属性情報を取得する。
[ステップS13]対話処理部120は、取得した印刷属性情報の設定内容が反映されたプレビュー画像を作成する。この処理では前述のように、多数の部品画像の中から印刷属性情報の設定内容に応じた必要な部品画像が選択され、選択された部品画像が組み合わされることでプレビュー画像が作成される。
【0062】
[ステップS14]対話処理部120は、作成したプレビュー画像を含むメッセージを作成する。ここでは例として、メッセージにはプレビュー画像の他、印刷属性情報の現在の設定内容による印刷の実行を許諾するか、あるいは印刷属性情報を設定変更するかを選択するための選択ボタンも含まれるものとする。メッセージ送受信部110は、作成されたメッセージを端末装置400に送信する。
【0063】
[ステップS15]端末装置400において、メッセージ送受信部410は、メッセージを受信してメッセージ表示画面に表示させる。これによりメッセージ表示画面には、プレビュー画像と上記の選択ボタンが表示される。
【0064】
[ステップS16]ここではユーザの操作により、印刷属性情報の現在の設定内容による印刷の実行を許諾するための選択ボタンが選択されたとする。メッセージ送受信部410は、印刷の実行を許諾することを示すメッセージをチャットサーバ100に送信する。
【0065】
なお、ステップS14で送信されるメッセージには上記の選択ボタンが含まれなくてもよい。この場合、端末装置400ではステップS15でプレビュー画像が表示されるだけであり、ステップS16のような入力操作は行われない。チャットサーバ100では、ステップS14の実行後に無条件でステップS17の処理が実行される。
【0066】
[ステップS17]チャットサーバ100において、メッセージ送受信部110はメッセージを受信し、対話処理部120は受信されたメッセージを解析して、印刷の実行が許諾されたことを検知する。すると、対話処理部120は、印刷対象のドキュメントをドキュメント記憶部310から取得する。
【0067】
[ステップS18]対話処理部120は、ステップS12で取得した印刷属性情報とステップS17で取得したドキュメントとを印刷サーバ200に送信して、ドキュメントの印刷を依頼する。
【0068】
[ステップS19]印刷サーバ200において、印刷制御部210は、受信した印刷属性情報の設定内容によりドキュメントを印刷するようにプリンタ500に指示する。
[ステップS20]チャットサーバ100において、対話処理部120は、印刷サーバ200の印刷制御部210からの通知に応じて、印刷が完了したことを通知するメッセージを作成し、メッセージ送受信部110は、作成されたメッセージを端末装置400に送信する。これにより、端末装置400では、メッセージ表示画面上に印刷完了を通知するメッセージが表示される。
【0069】
以上の処理により、ユーザは印刷を依頼する際に、プレビュー画像により現在の印刷属性情報の設定内容に基づく印刷イメージを確認できる。しかしながら、図7で説明したように、プレビュー画像の作成のためには部品画像を組み合わせる画像作成処理が実行されるので、チャットサーバ100にある程度の処理負荷がかかる。もし、ユーザが印刷を依頼するたびに毎回プレビュー画像が表示される場合、チャットサーバ100におけるプレビュー画像作成のための処理負荷が増大してしまう。また、プレビュー画像が送信される分だけ、チャットサーバ100と端末装置400との間の通信回数や送信データサイズが増加してしまうので、ネットワーク50の負荷も増大してしまう。
【0070】
そこで、本実施の形態のチャットサーバ100は、ユーザから印刷が依頼されたときに、所定の表示条件を満たすか否かを判定することで、プレビュー画像を表示させるか否かを決定する。これにより、チャットサーバ100が、ユーザがプレビュー画像を確認する必要性が高いと推定されるタイミングでのみ、プレビュー画像を作成して端末装置400に表示させるようにする。
【0071】
ここで、図5を用いて説明を続ける。本実施の形態では例として、図5に示すプレビューフラグF1~F3にそれぞれ対応する3つの表示条件が用いられる。プレビューフラグF1~F3には、それぞれ対応する表示条件をプレビュー画像の表示制御に利用するか否かが、ユーザによって任意に設定される。
【0072】
プレビューフラグF1は、「直近の所定期間における初回の印刷時にのみ、プレビュー画像を表示する」という第1の表示条件に対応する。本実施の形態では例として、所定期間とは同じ日を指すものとする。すなわち、第1の表示条件は「同じ日における初回の印刷時にのみ、プレビュー画像を表示する」ことを示す。プレビューフラグF1は、このような第1の表示条件を適用するか否かを示す。プレビューフラグF1には、第1の表示条件を適用する場合「1」が設定され、適用しない場合「0」が設定される。なお、プレビュー関連情報内の印刷日時は、この第1の表示条件を満たすか否かを判定するために利用される。
【0073】
プレビューフラグF2は、「印刷属性情報が変更された日では、プレビュー画像を表示しない」という第2の表示条件に対応する。プレビューフラグF2は、このような第2の表示条件を適用するか否かを示す。プレビューフラグF2には、第2の表示条件を適用する場合「1」が設定され、適用しない場合「0」が設定される。なお、プレビュー関連情報内の属性変更日時は、この第2の表示条件を満たすか否かを判定するために利用される。
【0074】
プレビューフラグF3は、「複数の印刷ジョブが依頼された場合、プレビュー画像を1回だけ表示する」という第3の表示条件に対応する。プレビューフラグF3は、このような第3の表示条件を適用するか否かを示す。プレビューフラグF3には、第3の表示条件を適用する場合「1」が設定され、適用しない場合「0」が設定される。
【0075】
図9は、第1の表示条件が適用される場合のメッセージ表示画面の例を示す図である。このケースでは、プレビューフラグF1に「1」が設定されている。
図9に示すメッセージ表示画面440は、ある日においてユーザから1回目の印刷が依頼された場合に、端末装置400に表示されるメッセージ表示画面を示す。ユーザによって「印刷」など、印刷の実行を依頼するメッセージが入力されると、そのメッセージを含むメッセージ画像441が表示され、そのメッセージがチャットサーバ100に送信される。チャットサーバ100では、受信したメッセージが解析され、印刷の実行が依頼されたことが検知される。すると、印刷対象のドキュメント(ファイル)の選択を促すメッセージが作成され、端末装置400に送信される。端末装置400では、そのメッセージを含むメッセージ画像442が表示される。
【0076】
メッセージ画像442には、印刷対象の候補としてファイルA~Cが表示され、ファイルA,B,Cを印刷対象としてそれぞれ選択するための印刷ボタン442a,442b,442cが表示されている。なお、ファイルA~Cは、例えば、ドキュメント記憶部310における、印刷の実行を依頼したユーザの記憶領域に記憶されたファイルのファイル名として取得される。
【0077】
ここで、ユーザにより印刷ボタン442aが選択されたとすると、印刷対象としてファイルAが選択されたことを示すメッセージがチャットサーバ100に送信される。チャットサーバ100は、ユーザに対応するプレビューフラグF1が「1」であることを認識すると、印刷属性記憶部320に記憶された、ユーザに対応するユーザ情報321を参照して、印刷日時に登録された日時を読み込む。読み込んだ日時の日付がその日の日付と異なる場合、その日において1回目に印刷が依頼されたと判定される。この場合、チャットサーバ100は、ユーザに対応する印刷属性情報の設定内容が反映されたプレビュー画像を作成し、選択されたファイルAを印刷する旨のメッセージと、作成したプレビュー画像を含むメッセージとを端末装置400に送信する。
【0078】
その結果、メッセージ表示画面440には、前者のメッセージを含むメッセージ画像443と、後者のメッセージを含むメッセージ画像444が表示される。図9の例では、メッセージ画像444には、作成されたプレビュー画像444aに加えて、現在の印刷属性情報の設定内容での印刷の実行を許諾するための許諾ボタン444bと、設定内容を変更するための変更ボタン444cとが表示されている。
【0079】
ここで、ユーザにより許諾ボタン444bが選択されたとすると、印刷の実行を許諾することを示すメッセージがチャットサーバ100に送信される。チャットサーバ100はこのメッセージに応じて、ファイルAをドキュメント記憶部310から読み込み、ユーザに対応する印刷属性情報とファイルAとを印刷サーバ200に送信して、ファイルAの印刷を依頼する。これにより、ファイルAがプリンタ500から印刷され、印刷が完了したことを示すメッセージがチャットサーバ100から端末装置400へ送信され、そのメッセージを含むメッセージ画像445がメッセージ表示画面440に表示される。また、チャットサーバ100により、ユーザのユーザ情報における印刷日時が現在の日時に更新される。
【0080】
一方、図9に示すメッセージ表示画面450は、同じ日においてその後にユーザから2回目の印刷が依頼された場合に、端末装置400に表示されるメッセージ表示画面を示す。ユーザによって印刷の実行を依頼するメッセージが入力されると、そのメッセージを含むメッセージ画像451が表示され、そのメッセージがチャットサーバ100に送信される。チャットサーバ100では、受信したメッセージが解析され、印刷の実行が依頼されたことが検知される。すると、印刷対象のドキュメント(ファイル)の選択を促すメッセージが作成され、端末装置400に送信される。端末装置400では、そのメッセージを含むメッセージ画像452が表示される。
【0081】
メッセージ画像452には、印刷対象の候補としてファイルA~Cが表示され、ファイルA,B,Cを印刷対象としてそれぞれ選択するための印刷ボタン452a,452b,452cが表示されている。ここで、ユーザにより印刷ボタン452bが選択されたとすると、印刷対象としてファイルBが選択されたことを示すメッセージがチャットサーバ100に送信される。
【0082】
チャットサーバ100は、ユーザに対応するプレビューフラグF1が「1」であることを認識すると、印刷属性記憶部320に記憶された、ユーザに対応するユーザ情報321を参照して、印刷日時に登録された日時を読み込む。このケースでは、読み込んだ日時の日付はその日の日付と同一であるので、その日において2回目以降に印刷が依頼されたと判定される。
【0083】
この場合、チャットサーバ100は、プレビュー画像の表示処理をスキップして、ファイルBを印刷することを示すメッセージを端末装置400に送信し、そのメッセージを含むメッセージ画像453がメッセージ表示画面450に表示される。また、チャットサーバ100は、ファイルBをドキュメント記憶部310から読み込み、ユーザに対応する印刷属性情報とファイルBとを印刷サーバ200に送信して、ファイルBの印刷を依頼する。これにより、ファイルBがプリンタ500から印刷され、印刷が完了したことを示すメッセージがチャットサーバ100から端末装置400へ送信され、そのメッセージを含むメッセージ画像454がメッセージ表示画面450に表示される。
【0084】
以上の例のように、第1の表示条件が適用される場合、同じ日において1回目に印刷の実行が依頼された場合のみ、プレビュー画像が表示され、同じ日において2回目以降に印刷の実行が依頼された場合には、プレビュー画像が表示されることなく、印刷動作が実行される。あるユーザが印刷の実行を依頼する場合、同じ日に何度も印刷属性の設定内容を確認する必要性は低いと考えられる。第1の表示条件が適用されることで、同じ日の初回の印刷実行時にのみプレビュー画像が表示されるので、ユーザの利便性を損なわずに、チャットサーバ100でのプレビュー画像作成処理の実行回数を削減できる。
【0085】
図10は、第2の表示条件が適用される場合のメッセージ表示画面の例を示す図である。このケースでは、プレビューフラグF2に「1」が設定されている。
図10に示すメッセージ表示画面460は、ある日においてユーザから印刷属性情報の変更が依頼された場合に、端末装置400に表示されるメッセージ表示画面を示す。ユーザによって印刷属性情報の変更を依頼するメッセージが入力されると、そのメッセージを含むメッセージ画像461が表示され、そのメッセージがチャットサーバ100に送信される。チャットサーバ100では、受信したメッセージが解析され、印刷属性情報の変更が依頼されたことが検知される。すると、チャットサーバ100は、印刷属性情報の各設定項目に対する設定入力を促すメッセージを作成し、端末装置400に送信する。
【0086】
図10では例として、このようなメッセージを含むメッセージ画像462が表示され、ユーザによって設定変更のための入力が行われたとする。設定内容はチャットサーバ100に送信され、チャットサーバ100は設定内容を印刷属性情報に反映させると、設定完了を示すメッセージと、印刷属性情報の設定内容が反映されたプレビュー画像を含むメッセージとを端末装置400に送信する。その結果、メッセージ表示画面460には、設定完了を示すメッセージを含むメッセージ画像463と、プレビュー画像464aを含むメッセージ画像464とが表示される。また、チャットサーバ100により、ユーザのユーザ情報における属性変更日時が現在の日時に更新される。
【0087】
その後、同じ日において同じユーザから印刷の実行が依頼されたとする。図10に示すメッセージ表示画面470は、このときに端末装置400に表示されるメッセージ表示画面を示す。ユーザによって印刷の実行を依頼するメッセージが入力されると、そのメッセージを含むメッセージ画像471が表示され、そのメッセージがチャットサーバ100に送信される。チャットサーバ100では、受信したメッセージが解析され、印刷の実行が依頼されたことが検知される。すると、印刷対象のドキュメント(ファイル)の選択を促すメッセージが作成され、端末装置400に送信される。端末装置400では、そのメッセージを含むメッセージ画像472が表示される。
【0088】
メッセージ画像472には、印刷対象の候補としてファイルA~Cが表示され、ファイルA,B,Cを印刷対象としてそれぞれ選択するための印刷ボタン472a,472b,472cが表示されている。ここで、ユーザにより印刷ボタン472bが選択されたとすると、印刷対象としてファイルBが選択されたことを示すメッセージがチャットサーバ100に送信される。
【0089】
チャットサーバ100は、ユーザに対応するプレビューフラグF2が「1」であることを認識すると、印刷属性記憶部320に記憶された、ユーザに対応するユーザ情報321を参照して、属性変更日時を読み込む。このケースでは、読み込んだ日時の日付はその日の日付と同一であるので、その日において印刷属性情報の変更が行われたと判定される。
【0090】
この場合、チャットサーバ100は、プレビュー画像の表示処理をスキップして、ファイルBを印刷することを示すメッセージを端末装置400に送信し、そのメッセージを含むメッセージ画像473がメッセージ表示画面470に表示される。また、チャットサーバ100は、ファイルBをドキュメント記憶部310から読み込み、ユーザに対応する印刷属性情報とファイルBとを印刷サーバ200に送信して、ファイルBの印刷を依頼する。これにより、ファイルBがプリンタ500から印刷され、印刷が完了したことを示すメッセージがチャットサーバ100から端末装置400へ送信され、そのメッセージを含むメッセージ画像474がメッセージ表示画面470に表示される。
【0091】
以上の例のように、第2の表示条件が適用される場合、ユーザによって印刷属性情報の変更された日において、その変更後にドキュメントの印刷が依頼されると、プレビュー画像が表示されることなく、印刷動作が実行される。前述のように、あるユーザが印刷の実行を依頼する場合、同じ日に何度も印刷属性の設定内容を確認する必要性は低いと考えられる。第2の表示条件が適用されることで、同じ日に印刷属性情報が変更されて、その変更に伴ってプレビュー画像がユーザに確認された場合には、それ以後の印刷時にはプレビュー画像は表示されない。したがって、ユーザの利便性を損なわずに、チャットサーバ100でのプレビュー画像作成処理の実行回数を削減できる。
【0092】
図11は、第3の表示条件が適用される場合のメッセージ表示画面の例を示す図である。このケースでは、プレビューフラグF3に「1」が設定されている。
図11に示すメッセージ表示画面480は、ユーザにより複数の印刷ジョブが一度に依頼された場合に、端末装置400に表示されるメッセージ表示画面を示す。印刷ジョブは、例えば、印刷対象として指定されたドキュメントごとに実行される。図11の例では、複数のドキュメント(ファイル)についての印刷の実行が依頼されることで複数の印刷ジョブが依頼されるケースを示す。なお、複数の印刷ジョブが依頼される他のケースとしては、例えば、ドキュメント中のある範囲のページの印刷の実行と、同じドキュメント中の別の範囲のページの印刷の実行とが、一度に依頼されるケースなどがある。
【0093】
図11において、ユーザによって印刷の実行を依頼するメッセージが入力されると、そのメッセージを含むメッセージ画像481が表示され、そのメッセージがチャットサーバ100に送信される。チャットサーバ100では、受信したメッセージが解析され、印刷の実行が依頼されたことが検知される。すると、印刷対象のドキュメント(ファイル)の選択を促すメッセージが作成され、端末装置400に送信される。端末装置400では、そのメッセージを含むメッセージ画像482が表示される。
【0094】
メッセージ画像482には、印刷対象の候補としてファイルA~Cが表示され、ファイルA,B,Cを印刷対象としてそれぞれ選択するための印刷ボタン482a,482b,482cが表示されている。ここで、ユーザにより印刷ボタン482a,482bが選択されたとすると、印刷対象としてファイルA,Bが選択されたことを示すメッセージがチャットサーバ100に送信される。
【0095】
チャットサーバ100は、ファイルA,Bをそれぞれ印刷する印刷ジョブが依頼されたことを検知すると、ユーザに対応するプレビューフラグF3を参照する。プレビューフラグF3が「1」である場合、チャットサーバ100はプレビュー画像を1回だけ表示すればよいと認識する。この場合、チャットサーバ100は、ユーザに対応する印刷属性情報の設定内容が反映されたプレビュー画像を作成し、選択されたファイルA,Bを印刷する旨のメッセージと、作成したプレビュー画像を含むメッセージとを端末装置400に送信する。
【0096】
その結果、メッセージ表示画面480には、前者のメッセージを含むメッセージ画像483と、後者のメッセージを含むメッセージ画像484が表示される。図11の例では、メッセージ画像484には、作成されたプレビュー画像484aに加えて、現在の印刷属性情報の設定内容での印刷の実行を許諾するための許諾ボタン484bと、設定内容を変更するための変更ボタン484cとが表示されている。
【0097】
ここで、ユーザにより許諾ボタン484bが選択されたとすると、印刷の実行を許諾することを示すメッセージがチャットサーバ100に送信される。チャットサーバ100はこのメッセージに応じて、ファイルAをドキュメント記憶部310から読み込み、ユーザに対応する印刷属性情報とファイルAとを印刷サーバ200に送信して、ファイルAの印刷を依頼する。さらにチャットサーバ100は、ファイルBをドキュメント記憶部310から読み込み、ユーザに対応する印刷属性情報とファイルBとを印刷サーバ200に送信して、ファイルAの印刷を依頼する。これにより、ファイルAとファイルBがプリンタ500から印刷される。印刷が完了すると、印刷が完了したことを示すメッセージがチャットサーバ100から端末装置400へ送信され、そのメッセージを含むメッセージ画像485がメッセージ表示画面480に表示される。
【0098】
なお、図示しないが、プレビューフラグF3が「0」の場合、メッセージ画像484によりプレビュー画像484aが表示され、許諾ボタン484bがユーザにより選択されると、チャットサーバ100はまずファイルAの印刷を印刷サーバ200に依頼する。次に、チャットサーバ100は再度プレビュー画像を作成して、メッセージ表示画面480に表示させる。ユーザによって印刷が許諾されると、チャットサーバ100はファイルBの印刷を印刷サーバ200に依頼する。
【0099】
以上の例のように、第3の表示条件が適用される場合、複数の印刷ジョブが一度に依頼されても、印刷ジョブごとにプレビュー画像が表示されず、プレビュー画像が1回だけ表示される。同じユーザが複数の印刷ジョブの実行を一度に依頼した場合でも、印刷ジョブごとに印刷属性の設定内容を繰り返し確認する必要性は低いと考えられる。第3の表示条件が適用されることで、ユーザの利便性を損なわずに、チャットサーバ100でのプレビュー画像作成処理の実行回数を削減できる。
【0100】
上記の第1~第3の表示条件は、複合的に用いられてもよい。以下、第1~第3の表示条件を複合的に用いた場合におけるチャットサーバ100の処理について、フローチャートを用いて説明する。
【0101】
なお、チャットサーバ100は、あるユーザとの対話を行っているとき、そのユーザの識別情報を認識している。したがって、そのユーザから受信した(印刷属性情報の変更依頼や印刷の実行依頼などを含む)メッセージは、そのユーザの識別番号に対応付けられている。チャットサーバ100は、そのユーザの識別番号を用いて、ドキュメント記憶部310における当該ユーザの記憶領域や、印刷属性記憶部320に記憶された当該ユーザのユーザ情報321を特定できる。
【0102】
まず、図12は、印刷属性変更処理の例を示すフローチャートである。
[ステップS21]チャットサーバ100の対話処理部120は、印刷属性情報の変更が依頼されたかを判定する。対話処理部120は、印刷属性情報の変更が依頼されていない場合、一定時間待ち状態になり、その後にステップS21の判定処理を再実行する。また、対話処理部120は、印刷属性情報の変更が依頼されると、処理をステップS22に進める。
【0103】
端末装置400では、ユーザにより印刷属性の設定を依頼するメッセージが入力されると、メッセージ送受信部410がそのメッセージをチャットサーバ100に送信する。チャットサーバ100では、メッセージ送受信部110がそのメッセージを受信し、対話処理部120がそのメッセージを解析して、印刷属性情報の変更が依頼されたことを検知すると、処理がステップS22に進められる。
【0104】
[ステップS22]対話処理部120は、印刷属性情報の設定項目の中から1以上の設定項目を選択し、選択した各設定項目に対する設定入力を促すメッセージを作成する。メッセージ送受信部110は、作成されたメッセージを端末装置400に送信する。端末装置400では、送信されたメッセージをメッセージ送受信部410が受信し、そのメッセージを含むメッセージ画像を表示装置に表示させる。
【0105】
[ステップS23]端末装置400において、該当する設定項目に対する設定入力が行われると、メッセージ送受信部410は入力内容を示すメッセージをチャットサーバ100に送信する。チャットサーバ100では、送信されたメッセージをメッセージ送受信部110が受信し、そのメッセージを対話処理部120が解析して、入力内容を認識する。対話処理部120は、対話相手のユーザに対応する印刷属性情報(当該ユーザの識別情報が登録されたユーザ情報321内の印刷属性情報)の該当設定項目に対して、認識した入力内容を登録する。
【0106】
[ステップS24]対話処理部120は、ステップS22で未選択の設定項目があるかを判定する。未選択の設定項目がある場合、処理はステップS22に進められ、未選択の設定項目の中から1以上の設定項目が選択される。一方、すべての設定項目が選択済みの場合、処理はステップS25に進められる。
【0107】
[ステップS25]対話処理部120は、設定完了を示すメッセージを作成し、メッセージ送受信部110は、作成されたメッセージを端末装置400に送信する。端末装置400では、送信されたメッセージをメッセージ送受信部410が受信し、そのメッセージを含むメッセージ画像を表示装置に表示させる。
【0108】
[ステップS26]対話処理部120は、ステップS23で再設定された印刷属性情報に基づいて、その設定内容が反映されたプレビュー画像を作成し、プレビュー画像を含むメッセージを作成する。メッセージ送受信部110は、作成されたメッセージを端末装置400に送信する。端末装置400では、送信されたメッセージをメッセージ送受信部410が受信し、そのメッセージを含むメッセージ画像を表示装置に表示させる。これにより、端末装置400の表示装置においてプレビュー画像が表示される。
【0109】
[ステップS27]対話処理部120は、対話相手のユーザに対応するユーザ情報321に登録されている属性変更日時を、現在の日時に更新する。
次に、図13図15は、印刷制御処理の例を示すフローチャートである。
【0110】
[ステップS31]チャットサーバ100の対話処理部120は、印刷の実行が依頼されたかを判定する。対話処理部120は、印刷の実行が依頼されていない場合、一定時間待ち状態になり、その後にステップS31の判定処理を再実行する。また、対話処理部120は、印刷の実行が依頼されると、処理をステップS32に進める。
【0111】
端末装置400では、ユーザにより印刷の実行を依頼するメッセージが入力されると、メッセージ送受信部410がそのメッセージをチャットサーバ100に送信する。チャットサーバ100では、メッセージ送受信部110がそのメッセージを受信し、対話処理部120がそのメッセージを解析して、印刷の実行が依頼されたことを検知すると、処理がステップS32に進められる。
【0112】
[ステップS32]対話処理部120は、ドキュメント記憶部310の記憶領域のうち、対話相手のユーザに対応する記憶領域に記憶されているファイルのファイル名を取得する。対話処理部120は、取得したファイル名の中から印刷対象を選択するように促すメッセージを作成し、メッセージ送受信部110は、作成されたメッセージを端末装置400に送信する。端末装置400では、送信されたメッセージをメッセージ送受信部410が受信し、そのメッセージを含むメッセージ画像を表示装置に表示させる。
【0113】
[ステップS33]端末装置400において、印刷対象のファイル名が選択されると、メッセージ送受信部410は、選択されたファイル名を含むメッセージをチャットサーバ100に送信する。チャットサーバ100では、送信されたメッセージをメッセージ送受信部110が受信し、そのメッセージを対話処理部120が解析して、選択されたファイル名を認識する。
【0114】
[ステップS34]対話処理部120は、対話相手のユーザに対応するユーザ情報321(当該ユーザの識別情報が登録されたユーザ情報321)からプレビューフラグF2を読み込む。対話処理部120は、読み込んだプレビューフラグF2が「1」の場合、処理をステップS35に進め、「0」の場合、処理をステップS36に進める。
【0115】
[ステップS35]対話処理部120は、対話相手のユーザに対応するユーザ情報321から属性変更日時を読み込む。対話処理部120は、読み込んだ属性変更日時に基づいて、対話相手のユーザによってその日に印刷属性情報が変更されたかを判定する。属性変更日時が示す日付がその日の日付と同じ場合、その日に印刷属性情報が変更されたと判定され、処理がステップS38に進められる。一方、属性変更日時が示す日付がその日付とは異なる場合、その日に印刷属性情報が変更されていないと判定され、処理がステップS36に進められる。
【0116】
[ステップS36]対話処理部120は、対話相手のユーザに対応するユーザ情報321からプレビューフラグF1を読み込む。対話処理部120は、読み込んだプレビューフラグF1が「1」の場合、処理をステップS37に進め、「0」の場合、処理を図14のステップS41に進める。
【0117】
[ステップS37]対話処理部120は、対話相手のユーザに対応するユーザ情報321から印刷日時を読み込む。対話処理部120は、読み込んだ印刷日時に基づいて、対話相手のユーザからの依頼に応じた今回の印刷がその日の初回かを判定する。印刷日時が示す日付がその日の日付と同じ場合、今回の印刷はその日の初回でない(2回目以降である)と判定され、処理がステップS38に進められる。一方、印刷日時が示す日付がその日の日付とは異なる場合、今回の印刷はその日の初回であると判定され、処理が図14のステップS41に進められる。
【0118】
[ステップS38]対話処理部120は、ステップS33で選択されたファイル名に対応するファイルをドキュメント記憶部310から読み込む。対話処理部120は、読み込んだファイルと、対話相手のユーザに対応する印刷属性情報とを印刷サーバ200に送信して、そのファイルの印刷の実行を指示する。なお、ステップS33で複数のファイル名が選択された場合、印刷の実行指示は選択されたファイル名に対応するファイルごとに送信される。
【0119】
ステップS38の実行後、処理は図14のステップS47に進められる。
以下、図14を用いて説明を続ける。
[ステップS41]対話処理部120は、複数のドキュメント(ファイル)の印刷が依頼されたかを判定する。複数のドキュメントの印刷が依頼されている場合、各ドキュメントに対応する複数の印刷ジョブが依頼されていることになる。複数のドキュメントの印刷が依頼された(ステップS33で複数のファイル名が選択された)場合、処理はステップS44に進められる。一方、1つのドキュメントの印刷が依頼された(ステップS33で1つのファイル名が選択された)場合、処理はステップS42に進められる。
【0120】
[ステップS42]対話処理部120は、対話相手のユーザに対応する印刷属性情報に基づいて、その設定内容が反映されたプレビュー画像を作成し、プレビュー画像を含むメッセージを作成する。メッセージ送受信部110は、作成されたメッセージを端末装置400に送信する。端末装置400では、送信されたメッセージをメッセージ送受信部410が受信し、そのメッセージを含むメッセージ画像を表示装置に表示させる。これにより、端末装置400の表示装置においてプレビュー画像が表示される。
【0121】
[ステップS43]対話処理部120は、ステップS33で選択されたファイル名に対応するファイルをドキュメント記憶部310から読み込む。対話処理部120は、読み込んだファイルと、対話相手のユーザに対応する印刷属性情報とを印刷サーバ200に送信して、そのファイルの印刷の実行を指示する。この後、処理はステップS47に進められる。
【0122】
[ステップS44]対話処理部120は、対話相手のユーザに対応するユーザ情報321からプレビューフラグF3を読み込む。対話処理部120は、読み込んだプレビューフラグF3が「1」の場合、処理をステップS45に進め、「0」の場合、処理を図15のステップS51に進める。
【0123】
[ステップS45]ステップS42と同様の手順で、プレビュー画像を含むメッセージが端末装置400に送信され、端末装置400の表示装置においてプレビュー画像が表示される。
【0124】
[ステップS46]対話処理部120は、ステップS33で選択された複数のファイル名に対応するファイル(ドキュメント)のそれぞれについて、印刷の実行を印刷サーバ200に指示する。
【0125】
すなわち、対話処理部120は、ステップS33で選択された複数のファイル名から1つを選択し、選択したファイル名に対応するファイルをドキュメント記憶部310から読み込む。対話処理部120は、読み込んだファイルと、対話相手のユーザに対応する印刷属性情報とを印刷サーバ200に送信して、そのファイルを印刷する印刷ジョブの実行を指示する。次に、対話処理部120は、ステップS33で選択された複数のファイル名から他の1つを選択し、選択したファイル名に対応するファイルをドキュメント記憶部310から読み込む。対話処理部120は、読み込んだファイルと、対話相手のユーザに対応する印刷属性情報とを印刷サーバ200に送信して、そのファイルの印刷ジョブの実行を指示する。対話処理部120は、このような処理をファイル名ごとに繰り返す。これにより、各ドキュメントに対応する複数の印刷ジョブが連続的に開始される。
【0126】
[ステップS47]対話処理部120は、ファイルの印刷が完了したことを示すメッセージを作成し、メッセージ送受信部110は、作成されたメッセージを端末装置400に送信する。
【0127】
[ステップS48]対話処理部120は、対話相手のユーザに対応するユーザ情報321に登録されている印刷日時を、現在の日時に更新する。
以下、図15を用いて説明を続ける。
【0128】
[ステップS51]ステップS42と同様の手順で、プレビュー画像を含むメッセージが端末装置400に送信され、端末装置400の表示装置においてプレビュー画像が表示される。
【0129】
[ステップS52]対話処理部120は、ステップS33で選択された複数のファイル名から印刷の実行が指示されていないファイルのファイル名を1つ選択し、選択したファイル名に対応するファイルをドキュメント記憶部310から読み込む。対話処理部120は、読み込んだファイルと、対話相手のユーザに対応する印刷属性情報とを印刷サーバ200に送信して、そのファイル(ドキュメント)を印刷する印刷ジョブの実行を指示する。
【0130】
[ステップS53]対話処理部120は、ステップS33で選択された複数のファイル名に対応するすべてのファイル(ドキュメント)の印刷が完了したかを判定する。印刷が実行されていないファイルがある場合、処理はステップS51に進められる。すべてのファイルの印刷が完了した場合、処理は図14のステップS47に進められる。
【0131】
なお、図示していないが、ステップS42,S45,S51で、印刷の実行を許諾するための許諾ボタンと、印刷属性情報の設定内容を変更するための変更ボタンとがプレビュー画像とともに表示された場合には、次のような処理が実行される。許諾ボタンが選択された場合、処理は次のステップS43,S46,S52にそれぞれ進められる。一方、変更ボタンが選択された場合、図12のステップS22以降の処理が実行されて、印刷属性情報の変更処理が実行される。
【0132】
以上の図13図15の処理によれば、第1~第3の表示条件がいずれも適用される場合(プレビューフラグF1~F3がいずれも「1」の場合)、次のようにプレビュー画像の表示が制御される。同じ日に印刷属性情報が変更されていた場合(ステップS35:Yes)、プレビュー画像を表示せずに印刷の実行が指示される。同じ日に印刷属性情報が変更されていないが(ステップS35:No)、その日の2回目以降の印刷である場合(ステップS37:No)にも、プレビュー画像を表示せずに印刷の実行が指示される。
【0133】
同じ日に印刷属性情報が変更されておらず(ステップS35:No)、その日の初回の印刷である場合(ステップS37:Yes)には、次のように制御される。印刷対象として1つのドキュメントしか選択されておらず、1つの印刷ジョブの実行のみ依頼されている場合(ステップS41:No)、プレビュー画像が表示され、印刷の実行が指示される。一方、印刷対象として複数のドキュメントが選択されており、複数の印刷ジョブの実行が依頼されている場合(ステップS41:Yes)、プレビュー画像が1回だけ表示され、複数の印刷ジョブの実行が連続的に支持される。
【0134】
このようなプレビュー画像の表示制御により、ユーザにとって必要最小限のタイミングでのみプレビュー画像が作成され、表示される。したがって、ユーザの利便性を損なわずに、チャットサーバ100でのプレビュー画像作成処理の実行回数を削減できる。その結果、チャットサーバ100の処理負荷を軽減できる。また、ネットワーク50の通信負荷も軽減できる。
【0135】
なお、上記の各実施の形態に示した装置(例えば、印刷制御装置10、端末装置20、チャットサーバ100、印刷サーバ200、端末装置400a,400b,400c,・・・)の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供され、そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc:BD、登録商標)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0136】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CDなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0137】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムまたはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【符号の説明】
【0138】
10 印刷制御装置
11 処理部
12 印刷属性
20 端末装置
21,22 メッセージ表示画面
21a,21c,22a,22b メッセージ
21b プレビュー画像
30 プリンタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
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図14
図15