(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】プレート供給システム、プレートチェンジャーおよび分析装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20230508BHJP
【FI】
G01N35/04 H
(21)【出願番号】P 2021504719
(86)(22)【出願日】2019-03-13
(86)【国際出願番号】 JP2019010337
(87)【国際公開番号】W WO2020183662
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-08-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】藤田 高彬
【審査官】松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-189362(JP,A)
【文献】特開2002-318237(JP,A)
【文献】特開2004-354122(JP,A)
【文献】特開2003-098180(JP,A)
【文献】特開2005-249649(JP,A)
【文献】特開2016-176691(JP,A)
【文献】特開平10-282111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析装置が備えるオートサンプラに対して、試料を収容するプレートを供給するプレート
供給システムであって、
プレートチェンジャーと、
第1のプレートチェンジャーと、
前記プレートチェンジャーの前記第1のプレートチェンジャー側の側部と、前記第1のプレートチェンジャーの前記プレートチェンジャー側の側部との間で、前記プレートチェンジャーと前記第1のプレートチェンジャーの筐体内に跨って設けられた受け渡し台と、
を備え、
前記プレートチェンジャーは、
前記プレートを把持することにより前記プレートを搬送するプレート搬送装
置、
を備え、
前記プレート搬送装置は
、前記第1のプレートチェンジャーにより前記受け渡し台に置かれた前記プレートを受け取るとともに
、前記オートサンプラに対して、前記第1のプレートチェンジャーから受け取った前記プレートを
搬送する、プレート
供給システム。
【請求項2】
前記プレートチェンジャーは、さらに、
前記プレートを収容する収容部、
を備え、
前記プレート搬送装置は、前記収容部に収容された前記プレートを前記オートサンプラに搬送する、請求項1に記載のプレート供給システム。
【請求項3】
前記プレート搬送装置は
、前記オートサンプラから前記プレートを受け取るとともに、
前記受け渡し台に前記プレートを置くことにより、前記第1のプレートチェンジャーに対して
、前記オートサンプラから受け取った前記プレートを受け渡し、あるいは、前記
オートサンプラから受け取った前記プレートを前記収容部に収容する、
請求項2に記載のプレート
供給システム。
【請求項4】
前記プレートが、前記第1のプレートチェンジャー
により前記受け渡し台に搬送されるとき、前記プレート搬送装置は、
前記受け渡し台への前記プレートの搬送動作に干渉しないように、前記プレートチェンジャー内で上下の方向に退避する、請求項1に記載のプレート
供給システム。
【請求項5】
前記第1のプレートチェンジャー、前記プレートチェンジャーおよび前記オートサンプラ間の通信線は、デイジーチェーン接続される、請求項1に記載のプレート
供給システム。
【請求項6】
分析装置が備えるオートサンプラに対して、試料を収容するプレートを供給するプレートチェンジャーであって、
前記プレートを把持することにより前記プレートを搬送するプレート搬送装置、
を備え、
前記プレート搬送装置は、第1のプレートチェンジャーから前記プレートを受け取るとともに、前記オートサンプラに対して、前記第1のプレートチェンジャーから受け取った前記プレートを搬送する、プレートチェンジャー。
【請求項7】
オートサンプラと、
前記オートサンプラに対して、試料を収容するプレートを供給する
、直列接続された複数のプレートチェンジャーと、
を備え、
前記複数のプレートチェンジャーの各々が、
前記プレートを把持することにより前記プレートを搬送するプレート搬送装置と、
前記プレートを収容する収容部と、
を有し、
前記複数のプレートチェンジャーのうち分析対象の前記プレートが前記収容部に収容されている一のプレートチェンジャーは、前記一のプレートチェンジャーの前記プレート搬送装置により、前記一のプレートチェンジャーの前記収容部に収容されている前記プレートを
前記複数のプレートチェンジャーのうち前記一のプレートチェンジャーの後段のプレートチェンジャーに受け渡し、
前記後段のプレートチェンジャーが、前記オートサンプラに前記プレートを供給する最終段のプレートチェンジャーである場合は、前記最終段のプレートチェンジャーの前記プレート搬送装置により、受け取った前記プレートを前記オートサンプラに受け渡し、前記後段のプレートチェンジャーが、前記最終段のプレートチェンジャーでない場合は、前記プレートを前記複数のプレートチェンジャーのうち前記後段のプレートチェンジャーのさらに後段のプレートチェンジャーに受け渡す、分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートサンプラにプレートを供給するプレートチェンジャーに関する。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフ等の分析装置では、分析流路に連続的に試料を供給するオートサンプラが用いられる。オートサンプラは、プレートに収容された試料ビンまたはプレートに設けられたウェルから試料を吸引し、試料を分析流路に注入する。
【0003】
分析装置において大量の試料が分析処理される場合、多くの数のプレートが必要となる。オートサンプラ内に収容するプレートの数を増加させようとすれば、オートサンプラのサイズを大きくする必要がある。オートサンプラのサイズが大きくなれば、試料を吸引および注入するニードルの駆動範囲が広くなるため、駆動系の機構も大きくなる。
【0004】
そこで、従来、プレートをストックする棚を上下方向に多数並べたプレートチェンジャー呼ばれる装置が用いられている。プレートチェンジャーはプレート搬送装置を備える。プレート搬送装置は、棚に収容されているプレートを取り出して、オートサンプラにプレートを供給する。これにより、オートサンプラの構成を大きくすることなく、多数のプレートを分析処理に利用することが可能となっている。下記特許文献1において、ラックチェンジャーが開示されている。特許文献1におけるラックチェンジャーにおいては、容器搬送装置が、試料自動注入装置にラックを搬送するとともに、試料注入後は、ラックを元の収容場所に戻す。
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、プレートチェンジャーは、多数のプレートを棚に収容することができる。しかし、ユーザによって必要となるプレートの数は異なる。ユーザごとに棚の段数を増減させることは、プレートチェンジャーの製造コストを高くする。また、ユーザは、必要となるプレートの数が増加した場合には、プレートの収容数の大きいプレートチェンジャーを新たに購入する必要があり、コストが高くなる。
【0007】
本発明の目的は、オートサンプラに供給することのできるプレートの数をユーザのニーズに応じて柔軟に対応可能なプレートチェンジャーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、分析装置が備えるオートサンプラに対して、試料を収容するプレートを供給するプレートチェンジャーであって、プレートを収容する収容部と、プレートを把持することによりプレートを搬送するプレート搬送装置とを備え、プレート搬送装置は、プレートチェンジャーの一の側部に設置された第1のプレートチェンジャーからプレートを受け取るとともに、プレートチェンジャーの他の側部に設置された第2のプレートチェンジャーまたはオートサンプラに対して、第1のプレートチェンジャーから受け取ったプレートを受け渡し、あるいは、収容部に収容されたプレートを第2のプレートチェンジャーまたはオートサンプラに受け渡すプレートチェンジャーに関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のプレートチェンジャーによれば、オートサンプラに供給することのできるプレートの数をユーザのニーズに応じて柔軟に対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係るオートサンプラおよびプレートチェンジャーの斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係るオートサンプラおよびプレートチェンジャーの内部の構造を示す平面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係るオートサンプラおよびプレートチェンジャーの機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、プレートチェンジャーの内部構造を示す側面図である。
【
図5】
図5は、プレートチェンジャーの動作を説明する図である。
【
図6】
図6は、受け渡し台および分析プレート台を示す図である。
【
図7】
図7は、プレートチェンジャーの動作を説明する図である。
【
図8】
図8は、プレートチェンジャーの動作を説明する図である。
【
図9】
図9は、プレートチェンジャーの動作を説明する図である。
【
図10】
図10は、プレートチェンジャーの動作を説明する図である。
【
図11】
図11は、プレートチェンジャーの動作を説明する図である。
【
図12】
図12は、プレートチェンジャーの動作を説明する図である。
【
図13】
図13は、プレートチェンジャーを3台接続させた態様を示す図である。
【
図14】
図14は、プレートチェンジャーの前段に前処理装置を接続させた態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)オートサンプラおよびプレートチェンジャーの構成
図1は、本実施の形態に係るオートサンプラ1およびプレートチェンジャー2A,2Bの斜視図である。以下の説明において、各図面に示されたX方向、Y方向およびZ方向を適宜参照する。
図1~
図12において、XY平面は水平面に対応し、Z方向は垂直方向に対応する。また、
図1~
図12において、X方向は左右方向であり、Y方向は前後方向である場合を例として説明する。
【0012】
オートサンプラ1は、本実施の形態の分析装置である液体クロマトグラフ10に、ユニットとして組み込まれている。液体クロマトグラフ10は、他にも、ポンプユニット、カラムオーブンユニット、検出器ユニット等のユニットを備える。オートサンプラ1は、液体クロマトグラフ10の分析流路に連続的に試料を供給する。
【0013】
プレートチェンジャー2A,2Bは、試料が収容されたプレートをオートサンプラ1に供給する。試料は、プレートに配置された試料ビンに収容される。プレートには多数の試料ビンが配置可能である。あるいは、試料は、プレートに形成されたウェルに収容される。プレートには多数のウェルが形成可能である。例えば、プレートには、96個、384個の試料ビンが収容またはウェルが形成される。
【0014】
本実施の形態においては、
図1に示すように、オートサンプラ1、プレートチェンジャー2Aおよびプレートチェンジャー2Bは、X軸方向(左右方向)に並べて配置されている。つまり、プレートチェンジャー2AのX軸方向の一方の側部(右側部)にオートサンプラ1が配置され、プレートチェンジャー2AのX軸方向の他方の側部(左側部)にプレートチェンジャー2Bが配置されている。
【0015】
図2は、本実施の形態に係るオートサンプラ1およびプレートチェンジャー2A,2Bの内部の構造を示す平面図である。
図3は、本実施の形態に係るオートサンプラ1およびプレートチェンジャー2A,2Bの機能ブロック図である。
図1に示したように、オートサンプラ1およびプレートチェンジャー2A,2Bは筐体によって覆われている。
図2においては、オートサンプラ1およびプレートチェンジャー2A,2Bの内部構造を説明するために筐体のうち天井面の図示を省略している。
【0016】
図2に示すように、オートサンプラ1は、ニードル駆動部120を備える。ニードル駆動部120は、Y軸ガイドレール121、X軸ガイドレール122およびZ軸ガイド123を備える。Z軸ガイド123は、図示しないニードルを支持する。ニードルは、液体クロマトグラフ10の分析流路に試料を注入する。
図3に示すように、オートサンプラ1は、制御部11を備える。
【0017】
Y軸ガイドレール121は、Y軸方向に延びる。X軸ガイドレール122は、X軸方向に延びる。X軸ガイドレール122は、Y軸ガイドレール121に沿ってY軸方向に移動可能である。Z軸ガイド123は、X軸ガイドレール122に沿ってX軸方向に移動可能である。Z軸ガイド123は、Z軸方向に進退可能な駆動部を備える。この構成により、オートサンプラ1の制御部11が、X軸ガイドレール122をY軸ガイドレール121に沿って移動させ、Z軸ガイド123をX軸ガイドレール122に沿って移動させ、および、Z軸ガイド123の駆動部をZ軸方向に進退させることにより、ニードルをXYZ軸の3軸方向に移動させることが可能である。
【0018】
オートサンプラ1の制御部11は、オートサンプラ1の制御を行う。制御部11は、X軸ガイドレール122、Z軸ガイド123およびZ軸ガイドの駆動部を制御することにより、ニードルの動作を制御する。制御部11は、ニードルをプレート5の位置に移動させることにより、ニードルによってプレート5に収容された試料を吸引させる。また、制御部11は、ニードルを分析経路のインジェクションポートに移動させることにより、ニードルに吸引されている試料を分析経路に注入する。
【0019】
制御部11は、また、通信機能を備える。制御部11は、液体クロマトグラフ10のシステムコントローラと通信を行う。これにより、制御部11はシステムコントローラの指示に従って、オートサンプラ1の制御を行う。また、制御部11は、プレートチェンジャー2A,2Bに指示を送ることにより、プレートチェンジャー2A,2Bの制御を行う。
【0020】
図2に示すように、プレートチェンジャー2A,2Bは、プレート搬送装置22A,22Bを備える。
プレートチェンジャー2A,2Bは、また、プレート5を収容する棚23A,23Bを備える。
図2に示す例では、棚23A,23Bは、プレートチェンジャー2A,2BのY軸方向の前側に配置されている。
図3に示すように、プレートチェンジャー2A,2Bは、制御部21A,21B、駆動部24A,24Bおよび認識部25A,25Bを備える。
【0021】
プレート搬送装置22A,22Bは、プレート5を把持して搬送する装置である。プレート搬送装置22A,22Bは、アームでプレート5を挟み込むことでプレート5を把持する。プレートチェンジャー2A,2Bは、駆動部24A,24Bを備える。駆動部24A,24Bが駆動することにより、プレート搬送装置22A,22Bは、Y軸方向への進退動作、Z軸方向への昇降動作、および、XY平面内での回転動作を行う。また、駆動部24A,24Bが駆動することにより、プレート搬送装置22A,22Bは、アームでプレート5の把持動作およびリリース動作を行う。
【0022】
図4は、プレートチェンジャー2A(2B)の内部構造を示す側面図である。
図4に示すように、棚23A,23Bは、Z軸方向(上下方向)に並べられた複数段のスロットを備えており、各スロットにプレート5を収容可能である。例えば、棚23A,23Bは、Z軸方向(上下方向)に14段のスロットを備え、14枚のプレート5を収容可能である。
【0023】
制御部21A,21Bは、プレートチェンジャー2A,2Bの制御を行う。制御部21A,21Bは、駆動部24A,24Bおよび認識部25A,25Bの制御を行う。制御部21A,21Bが、駆動部24A,24Bを制御することにより、プレート搬送装置22A,22Bが、Y軸方向への進退動作、Z軸方向への昇降動作、XY平面内での回転動作およびプレート5の把持動作を行う。
【0024】
認識部25A,25Bは、棚23A,23Bに収容されたプレート5を認識する。プレート5には、プレート5の種類またはプレート5に収容された試料の内容を特定する識別子が表示されている。認識部25A,25Bは、プレート5に表示された識別子を読み取ることによって、プレート5の種類またはプレート5に収容された試料の情報を取得する。プレート5の種類としては、96個のウェルを持つマイクロタイタープレートや384個のウェルを持つマイクロタイタープレート等がある。識別子は、例えば、色、文字などである。識別子としてバーコードを利用してもよい。認識部25A,25Bは、棚23A,23Bの各スロットの近傍に設けられてもよい。例えば棚23A,23Bが14段のスロットを備える場合、各スロットに認識部25A,25Bが設けられる。あるいは、認識部25A,25Bは、1箇所に設けられる。この場合、プレート搬送装置22A,22Bが棚23A,23Bからプレート5を取り出し、プレート5を認識部25A,25Bが読取可能な位置に搬送する。
【0025】
制御部21A,21Bは、通信機能を備える。
図3に示すように、オートサンプラ1の制御部11とプレートチェンジャー2Aの制御部21Aとは、通信ライン31で接続される。また、プレートチェンジャー2Aの制御部21Aとプレートチェンジャー2Bの制御部21Bは、通信ライン32で接続される。このように、オートサンプラ1、プレートチェンジャー2Aおよびプレートチェンジャー2Bは、通信ライン31,32によってデイジーチェーン接続される。
【0026】
(2)液体クロマトグラフの動作
次に、本実施の形態のオートサンプラ1およびプレートチェンジャー2A,2Bを用いた液体クロマトグラフ10の動作について説明する。
【0027】
(2-1)プレートの認識
まず、オペレータが、試料の収容された複数のプレート5を準備する。上述のとおり、各プレート5には、各プレート5の種類または各プレート5に収容された試料の内容を特定する識別子が表示される。オペレータは、準備したプレート5を、プレートチェンジャー2A,2Bの棚23A,23Bに収容する。プレートチェンジャー2A,2Bの筐体には棚23A,23Bの複数段のスロットに対応した複数の挿入口が設けられている。オペレータは、準備した複数のプレート5を複数の挿入口から挿入して、棚23A,23Bの各スロットに収容する。オペレータは、棚23A,23Bのいずれのスロットにプレート5を収容してもよい。
【0028】
次に、プレートチェンジャー2A,2Bの認識部25A,25Bが、棚23A,23Bに収容されたプレート5を認識する。認識部25A,25Bは、プレート5の認識情報を制御部21A,21Bに与える。制御部21A,21Bは、通信ライン32,31を介して認識情報を、オートサンプラ1の制御部11に通知する。以上の動作により、オートサンプラ1の制御部11およびプレートチェンジャー2A,2Bの制御部21A,21Bがプレート5の認識情報を取得する。
【0029】
(2-2)オートサンプラへのプレートの供給
次に、オートサンプラ1へのプレート5の供給の動作について説明する。まず、オートサンプラ1の制御部11が、液体クロマトグラフ10のシステムコントローラから分析対象のプレート5を指定する指示を受ける。そして、制御部11は、分析対象のプレート5が収容されているプレートチェンジャー2A,2Bに対して、プレート5の供給指示を送信する。
【0030】
ここでは、分析対象のプレート5がプレートチェンジャー2Bの棚23Bに収容されている場合を例に説明する。オートサンプラ1の制御部11は、プレートチェンジャー2Bを宛先とするプレート5の供給指示を送信する。供給指示は、通信ライン31を介してプレートチェンジャー2Aの制御部21Aにおいて受信され、通信ライン31,32を介してプレートチェンジャー2Bの制御部21Bにおいて受信される。制御部21Aは、供給指示の宛先が自身のプレートチェンジャー2Aでないことを確認する。制御部21Bは、供給指示の宛先が自身のプレートチェンジャー2Bであることを確認する。制御部11から送信された供給指示には、分析対象のプレート5を特定する情報が含まれている。制御部21Bは、分析対象のプレート5が収容されている棚23Bのスロットを特定する。
【0031】
制御部21Bは、駆動部24Bに対して分析対象のプレート5の搬送指示を与える。駆動部24Bは、プレート搬送装置22Bを駆動し、分析対象のプレート5が収容されているスロットに移動させる。
図5は、プレートチェンジャー2A,2Bの動作を説明する図であり、プレート
搬送装置22Bが分析対象のプレート5が収容された棚23Bのスロットに移動した状態を示す図である。プレート搬送装置22Bは、まず、分析対象のプレート5が収容されているスロットの高さまでZ軸方向に移動する。プレート搬送装置22Bは、次に、Y軸方向で前方に移動し、
図5に示すように、分析対象のプレート5をアームで挟み込む位置に移動する。続いて、プレート搬送装置22Bは、アームを閉じる動作を行い、分析対象のプレート5を把持する。例えば、分析対象のプレート5が下から10段目のスロットに収容されている場合、プレート搬送装置22Bは、まず、上下方向(Z軸方向)に移動して10段目のスロットの位置に移動する。続いて、プレート搬送装置22Bは、Y軸方向で前方に移動し、プレート5を把持する。
【0032】
図5において、プレート搬送装置22Bが分析対象のプレート5を把持する動作を開始する前、または、把持する動作を行っている間に、オートサンプラ1の制御部11は、プレート搬送装置22Aに退避指示を行う。退避指示とは、プレート搬送装置22Aと、プレート搬送装置22Bおよびプレート搬送装置22Bに把持されたプレート5とが干渉しないように、プレート搬送装置22Aを、受け渡し動作に干渉しない高さに退避させる指示である。
【0033】
本実施の形態においては、プレート搬送装置22Bがプレートチェンジャー2Aに対するプレート5の受け渡し動作を行うのは、プレートチェンジャー2A,2Bの筐体内の底板の位置である。
図6に示すように、プレートチェンジャー2A,2Bの筐体内の底板の位置には、両筐体の底板に跨るように、受け渡し台41が設けられている。プレートチェンジャー2A,2Bの筐体には、受け渡し台41の配置場所に受け渡し窓42が形成されている。つまり、プレートチェンジャー2A,2Bは、受け渡し窓42において繋がっている。したがって、プレート搬送装置22Aが棚23Aの一番下段のスロットに対応する位置にある場合には、プレート搬送装置22Bによる受け渡し動作に干渉しないように、プレート搬送装置22Aは上方向(Z軸方向)に移動して退避する。例えば、プレート搬送装置22Aは、一番下段のスロットと下から2段目のスロットとの間の位置に上昇する。この高さの位置を退避位置とする。
図5において、プレート搬送装置22Aは2点鎖線で示しているが、これはプレート搬送装置22Aが退避位置にいることを示している。
【0034】
次に、制御部21Bは、駆動部24Bを駆動し、プレート搬送装置22BをY軸方向で後方に移動させる。これにより、プレート搬送装置22Bがプレート5を把持したまま棚23Bから離れて
図7に示すように、プレートチェンジャー2Bの後方位置に戻る。続いて、制御部21Bは、駆動部24Bを制御し、プレート搬送装置22Bを受け渡し台41のある位置まで下降させる。
図7は、プレートチェンジャー2A,2Bの動作を説明する図であり、プレート
搬送装置22Bが後方位置において受け渡し台41のある位置まで下降した状態を示す図である。例えば、プレート搬送装置22Bが取り出したプレート5が、下から10段目のスロットに収容されていた場合には、プレート搬送装置22Bは、10段目の位置でプレート5を把持した後、後方位置に戻り、続いて、10段目から受け渡し台41のある位置まで下降する。
図7において、プレート搬送装置22Aは、退避位置の高さで待機している。
【0035】
次に、制御部21Bは、駆動部24Bを制御し、プレート搬送装置22BをXY平面内で回転させる。
図8は、プレートチェンジャー2A,2Bの動作を説明する図であり、プレートチェンジャー2Bが受け渡し台41のある位置において反時計回りに90度回転した状態を示す図である。次に、制御部21Bは、駆動部24Bを制御し、プレート搬送装置22Bのアームの間隔を広げて、プレート5をリリースさせる。これにより、プレート5は、受け渡し台41に載置された状態となる。
【0036】
次に、制御部21Bは、駆動部24Bを制御し、プレート搬送装置22Bを、所定の高さだけ上昇させた後、時計回りに90度回転させる。これにより、プレート搬送装置22Bは、プレート5と高さをずらした状態で、プレート5と干渉することなく、プレートチェンジャー2B内に戻る。さらに、制御部21Bは、駆動部24Bを制御し、プレート搬送装置22Bを、退避位置の高さまで上昇させる。
【0037】
次に、オートサンプラ1の制御部11は、プレートチェンジャー2Aの制御部21Aに対してプレート5の受け取り指示を送る。この指示に応答して、制御部21Aは、まず、駆動部24Aを制御し、プレート搬送装置22Aをプレート5と高さをずらした位置まで下降させる。続いて、プレート搬送装置22Aを時計回りに90度回転させる。続いて、制御部21Aは、駆動部24Aを制御し、プレート搬送装置22Aを受け渡し台41の位置に下降させる。続いて、制御部21Aは、駆動部24Aを制御し、プレート搬送装置22Aのアームの間隔を狭くしてプレート5を把持させる。
図9は、プレートチェンジャー2A,2Bの動作を説明する図であり、プレート搬送装置22Aが受け渡し台41の位置においてプレート5を把持した状態を示す図である。
図9において、プレート搬送装置22Bは二点鎖線で示されており、退避位置の高さにいることを示している。
【0038】
次に、制御部21Aは、駆動部24Aを制御し、プレート搬送装置22Aを反時計回りに90度回転させる。これにより、プレート5を把持した状態でプレート搬送装置22Aは、プレートチェンジャー2A内に戻る。
図10は、プレートチェンジャー2A,2Bの動作を説明する図であり、プレート
搬送装置22Aがプレート5を把持した状態でプレートチェンジャー2A内に戻った状態を示す図である。
【0039】
続いて、制御部21Aは、駆動部24Aを制御し、プレート搬送装置22Aを、オートサンプラ1内の分析プレート台43の高さまで上昇させる。本実施の形態においては、
図6に示す分析プレート台43は、プレートチェンジャー2Aの下から5段目のスロットの高さにある。したがって、プレート搬送装置22Aは、5段目のスロットの高さまで上昇する。プレートチェンジャー2Aとオートサンプラ1の筐体の側面には窓部44が設けられている。プレートチェンジャー2Aとオートサンプラ1は窓部44において繋がっている。
【0040】
続いて、制御部21Aは、駆動部24Aを制御し、プレート搬送装置22Aを反時計回りに90度回転させる。さらに、制御部21Aは、駆動部24Aを制御し、プレート搬送装置22Aを右方向(X軸方向でオートサンプラ1に向う方向)に移動させる。
図11は、プレートチェンジャー2A,2Bの動作を説明する図であり、プレート
搬送装置22Aがプレート5を把持した状態でオートサンプラ1内に移動した状態を示す図である。上述したように、プレート搬送装置22Aの駆動部24Aは、Y軸方向への進退が可能な駆動部を備えている。
図11で示す動作においては、プレート搬送装置22Aが90度回転しているため、駆動部24の駆動により、プレート搬送装置22AはX軸方向に進退可能である。
【0041】
続いて、制御部21Aは、駆動部24Aを制御し、プレート搬送装置22Aのアームの間隔を広げて、プレート5をリリースさせる。これにより、プレート5は、分析プレート台43に載置された状態となる。続いて、制御部21Aは、駆動部24Aを制御し、プレート搬送装置22Aを、プレート5と干渉しないように、所定の高さだけ上昇させた後、左方向(X軸方向でオートサンプラ1から遠ざかる方向)に移動させる。さらに、制御部21Aは、駆動部24Aを制御し、プレート搬送装置22Aを時計回りに90度回転させる。これにより、プレート搬送装置22Aは、プレート5と高さをずらせた状態で、プレートチェンジャー2A内に戻る。最後にオートサンプラ1の制御部11は、プレートチェンジャー2Aの制御部21Aおよびプレートチェンジャー2Bの制御部22Bに対して待機位置への移動を指示する。制御部21Aおよび制御部21Bは、駆動部24Aおよび駆動部24Bを制御し、プレート搬送装置22A,22Bを下降させ、待機位置へ移動させる。
図12は、プレートチェンジャー2A,2Bの動作を説明する図であり、プレート5が分析プレート台43に載置され、プレート搬送装置22A,22Bが待機位置に位置している状態を示す図である。
【0042】
以上の動作により、プレートチェンジャー2Bの棚23Bに収容されたプレート5が、プレートチェンジャー2Aを経由して、オートサンプラ1の分析プレート台43に搬送される。オートサンプラ1の制御部11は、ニードルを移動させて、分析プレート台43に載置されたプレート5から試料を吸引し、吸引した試料を分析経路に注入する。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態のプレートチェンジャー2A,2Bは、プレートチェンジャー2A,2B間でプレート5を受け渡すことによってオートサンプラ1にプレート5を供給することができる。したがって、接続するプレートチェンジャーの数を増減させることで、オートサンプラ1に供給することのできるプレート5の数をユーザのニーズに応じて柔軟に対応可能である。組み合わせるプレートチェンジャーの構造は共通のものを利用できるので、プレートの数に応じたプレートチェンジャーを個別に製造することに比べて製造コストを低減させることができる。
【0044】
(2-3)オートサンプラからプレートの回収
分析プレート台43に搬送されたプレート5に対する分析処理が完了すると、プレート5は、プレートチェンジャー2Bの棚23Bに戻される。この動作は、上述した「(2-2)オートサンプラへのプレートの供給」の逆の動作となる。
【0045】
まず、プレート搬送装置22Aが、オートサンプラ1内の分析プレート台43の高さにおいて、反時計回りに90度回転し、オートサンプラ1内に移動する。続いて、プレート搬送装置22Aが所定の高さまで下降し、分析プレート台43に載置されたプレート5を把持する。続いて、プレート搬送装置22Aが、再びオートサンプラ1内の分析プレート台43の高さまで上昇した後、時計回りに90度回転してプレートチェンジャー2A内に戻る。
【0046】
続いて、プレート搬送装置22Aがオートサンプラ1内の分析プレート台43の高さから受け渡し台41の位置まで下降する。続いて、プレート搬送装置22Aが時計回りに90度回転し、受け渡し台41の位置にプレート5を搬送する。このとき、プレート搬送装置22Bは、退避位置で待機する。続いて、プレート搬送装置22Aは、アームを開いてプレート5をリリースする。続いて、プレート搬送装置22Aは、所定の高さだけ上昇し、プレート5との干渉を避けた上で、反時計回りに90度回転する。これにより、プレート5は受け渡し台41に載置される。
【0047】
続いて、プレート搬送装置22Bは、プレート5と干渉しないように受け渡し台41より所定の高さの位置まで下降し、反時計回りに90度回転する。続いて、プレート搬送装置22Bは、受け渡し台41の位置まで下降してプレート5を把持する。続いて、プレート搬送装置22Bは、所定の高さだけ上昇し、プレート5を把持した状態で時計回りに90度回転する。最後に、プレート搬送装置22Bは、プレート5を収容するスロットの高さに移動し、プレート5を収容する。上記の例では、プレート搬送装置22Bは、10段目のスロットの高さに上昇し、Y軸方向で前方に移動する。そして、プレート搬送装置22Bは、10段目のスロットにプレート5を収容する。
【0048】
(2-4)他の動作
上述した「(2-2)オートサンプラへのプレートの供給」で説明した動作例では、プレートチェンジャー2Aは、プレートチェンジャー2Bからプレート5を受け取り、オートサンプラ1にプレート5を受け渡す場合を例に説明した。オートサンプラ1の制御部11から受信したプレート5の供給指示の宛先がプレートチェンジャー2Aである場合、つまり、分析対象のプレート5が棚23Aに収容されている場合、プレートチェンジャー2Aは、棚23Aからプレート5を取り出し、オートサンプラ1に受け渡す。つまり、上記「(2-2)オートサンプラへのプレートの供給」の動作の例では、プレート搬送装置22Aは、受け渡し台41からプレート5を受け取り、プレート5をオートサンプラ1の分析プレート台43に搬送した。供給指示の宛先がプレートチェンジャー2Aである場合、制御部21Aは、供給指示に含まれる分析対象のプレート5を特定し、棚23Aからプレート5を取り出して、分析プレート台43に搬送する制御を行う。
【0049】
上述した「(2-3)オートサンプラからプレートの回収」で説明した動作例では、プレートチェンジャー2Aは、オートサンプラ1からプレート5を受け取り、プレートチェンジャー2Bにプレート5を受け渡す場合を例に説明した。オートサンプラ1の制御部11から受信した供給指示の宛先がプレートチェンジャー2Aである場合、プレートチェンジャー2Aは、オートサンプラ1から回収したプレート5を棚23Aに収容する。つまり、上記「(2-3)オートサンプラからプレートの回収」の動作の例では、プレート搬送装置22Aは、オートサンプラ1の分析プレート台43からプレート5を受け取り、プレート5を受け渡し台41に搬送した。分析対象のプレート5の返却先がプレートチェンジャー2Aの棚23Aである場合、制御部21Aは分析プレート台43からプレート5を回収して、棚23Aの元のスロットにプレート5を収容する制御を行う。
【0050】
(3)他の接続形態
上記の実施の形態においては、オートサンプラ1の側部に、2台のプレートチェンジャー2A,2Bが接続される場合を説明した。オートサンプラに接続されるプレートチェンジャーの台数は特に限定されるものではない。例えば、3台、4台等、より多数のプレートチェンジャーを接続させてもよい。
【0051】
図13は、3台のプレートチェンジャー2A,2Bおよび2Cが接続された実施の形態を示す図である。つまり、
図1および
図2等で示した実施の形態におけるプレートチェンジャー2Aとオートサンプラ1の間にプレートチェンジャー2Cが追加で挿入されている。この場合、プレートチェンジャー2Bの棚23Bに収容されていたプレート5は、プレートチェンジャー2B→プレートチェンジャー2A→プレートチェンジャー2C→オートサンプラ1の順に搬送されて、分析プレート台43に載置される。分析処理が完了すると、プレート5は、オートサンプラ1→プレートチェンジャー2C→プレートチェンジャー2A→プレートチェンジャー2Bの順に搬送されて棚23Bの元のスロットに収容される。
【0052】
4台、5台等、より多数のプレートチェンジャーが接続される場合の動作は同様である。各プレートチェンジャーは、前段のプレートチェンジャーから分析処理の対象となるプレート5を受け取り、後段のプレートチェンジャーにプレート5を受け渡す。最後段のプレートチェンジャー(オートサンプラ1に一番近いプレートチェンジャー)は、受け取ったプレートをオートサンプラ1に受け渡す。また、分析処理が終了したプレート5を後段のプレートチェンジャーから受け取り、プレート5を前段のプレートチェンジャーに受け渡すか、または、自身のプレートチェンジャーの棚に収容する。3台以上のプレートチェンジャーが接続される場合も、上記の実施の形態と同様、オートサンプラ1と複数のプレートチェンジャーの制御部がデイジーチェーンで接続される。
【0053】
上記の実施の形態においては、オートサンプラ1の側部に、2台のプレートチェンジャー2A,2Bが接続される場合を説明した。つまり、プレートチェンジャー2Aの前段には別のプレートチェンジャー2Bが接続される。他の例として、プレートチェンジャー2Aの前段に試料の前処理装置が接続されてもよい。
【0054】
図14は、プレートチェンジャー2Aおよび前処理装置6が接続された実施の形態を示す図である。つまり、
図1および
図2等で示した実施の形態におけるプレートチェンジャー2Bに代えて、プレートチェンジャー2Aの前段に前処理装置6が追加で取り付けられている。
【0055】
前処理装置6は、試料に含まれる分析処理に不要な成分を除去する処理、特定の成分を標識する処理、あるいは、特定の成分を抽出する処理等を行う。前処理装置6は、試料に対する前処理が完了すると、上述したプレートチェンジャー2Bと同様に、試料が収容されたプレートを受け渡し台に載置する。つまり、前処理装置6は、前処理の完了した試料が収容されたプレート5を受け渡し台に載置する。プレートチェンジャー2Aは、受け渡し台に載置されたプレート5を受け取り、オートサンプラ1に供給する。受け渡し台は、前処理装置6とプレートチェンジャー2Aの筐体に跨って設けられる。
【0056】
この場合、前処理装置6において前処理が完了したプレート5は、前処理装置6→プレートチェンジャー2A→オートサンプラ1の順に搬送されて、分析プレート台43に載置される。
【0057】
前処理装置6は、最前段(オートサンプラ1から一番遠い位置)に配置されればよい。例えば、プレートチェンジャーが、3台、4台等、多数接続される場合には、その最前段のプレートチェンジャーの前段に前処理装置6が接続される。前処理装置6において前処理されたプレート5は、順にプレートチェンジャー間を受け渡しされて、オートサンプラ1に供給される。
【0058】
上記の実施の形態においては、プレートチェンジャー2A,2Bは、液体クロマトグラフ10に試料が収容されたプレートを供給する場合を例に説明した。本実施の形態のプレートチェンジャー2A,2Bは、液体クロマトグラフ以外にも、ガスクロマトグラフ等の他の分析装置に用いることもできる。
【0059】
なお、本発明の具体的な構成は、前述の実施の形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
【0060】
(4)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。上記の実施の形態では、液体クロマトグラフ10が分析装置の例である。また、上記の実施の形態では、プレートチェンジャー2Aが請求項におけるプレートチェンジャーの例であり、プレートチェンジャー2Bが第1のプレートチェンジャーの例である。また、上記の実施の形態においては、プレートチェンジャー2Cが第2のプレートチェンジャーの例である。また、上記の実施の形態において、棚23Aが収容部の例である。
【0061】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する種々の要素を用いることもできる。
【0062】
(5)態様
上述した複数の例示的な実施の形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0063】
(第1項)一態様に係るプレートチェンジャーは、分析装置が備えるオートサンプラに対して、試料を収容するプレートを供給するプレートチェンジャーであって、
前記プレートを収容する収容部と、
前記プレートを把持することにより前記プレートを搬送するプレート搬送装置と、
を備え、
前記プレート搬送装置は、前記プレートチェンジャーの一の側部に設置された第1のプレートチェンジャーから前記プレートを受け取るとともに、前記プレートチェンジャーの他の側部に設置された第2のプレートチェンジャーまたは前記オートサンプラに対して、前記第1のプレートチェンジャーから受け取った前記プレートを受け渡し、あるいは、前記収容部に収容された前記プレートを前記第2のプレートチェンジャーまたは前記オートサンプラに受け渡す。
【0064】
本実施の形態のプレートチェンジャーは、プレートチェンジャー間でプレートを受け渡すことによってオートサンプラにプレートを供給することができる。これにより、オートサンプラに供給することのできるプレートの数をユーザのニーズに応じて柔軟に対応可能である。
【0065】
(第2項)第1項に記載のプレートチェンジャーにおいて、
前記プレート搬送装置は、前記第2のプレートチェンジャーまたは前記オートサンプラから前記プレートを受け取るとともに、前記第1のプレートチェンジャーに対して、前記第2のプレートチェンジャーまたは前記オートサンプラから受け取った前記プレートを受け渡し、あるいは、前記第2のプレートチェンジャーまたは前記オートサンプラから受け取った前記プレートを前記収容部に収容してもよい。
【0066】
本実施の形態のプレートチェンジャーは、プレートチェンジャー間でプレートを受け渡すことによってオートサンプラからプレートを回収することができる。これにより、オートサンプラに供給することのできるプレートの数をユーザのニーズに応じて柔軟に対応可能である。
【0067】
(第3項)第1項に記載のプレートチェンジャーにおいて、
前記プレート搬送装置は、前記プレートチェンジャーの一の側部に設置された試料の前処理装置から前記プレートを受け取るとともに、前記第2のプレートチェンジャーまたは前記オートサンプラに対して、前記前処理装置から受け取った前記プレートを受け渡してもよい。
【0068】
本実施の形態のプレートチェンジャーは、前処理装置およびプレートチェンジャー間でプレートを受け渡すことによってオートサンプラにプレートを供給することができる。
【0069】
(第4項)第1項に記載のプレートチェンジャーにおいて、
前記プレートが、前記第1のプレートチェンジャーから、前記プレート搬送装置との受け渡し場所に搬送されたとき、前記プレート搬送装置は、前記受け渡し場所への前記プレートの搬送動作に干渉しないように、前記プレートチェンジャー内で上下の方向に退避してもよい。
【0070】
プレートの受け渡し動作に必要なスペースを小さくすることができる。
【0071】
(第5項)第4項に記載のプレートチェンジャーにおいて、
前記プレートは、前記搬送動作により前記受け渡し場所に設けられた受け渡し台に載置され、前記プレート搬送装置は、前記受け渡し台に載置された前記プレートを把持してもよい。
【0072】
受け渡し台を介してプレートチェンジャー間でプレートの受け渡しが行われる。プレートチェンジャーの台数の拡張が容易である。
【0073】
(第6項)第5項に記載のプレートチェンジャーにおいて、
前記受け渡し台は、前記プレートチェンジャーの筐体内と前記第1のプレートチェンジャーの筐体内に跨って設けられてもよい。
【0074】
プレートチェンジャー間でプレートの受け渡し動作が行い易い。
【0075】
(第7項)第1項に記載のプレートチェンジャーにおいて、
前記第1のプレートチェンジャー、前記プレートチェンジャーおよび前記第2のプレートチェンジャー間の通信線は、あるいは、前記第1のプレートチェンジャー、前記プレートチェンジャーおよび前記オートサンプラ間の通信線は、デイジーチェーン接続されてもよい。
【0076】
プレートチェンジャーを接続する通信線の配線がシンプルとなる。分析装置周辺の配線が複雑となることを避けることができる。