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  • 特許-光送信機および光送信方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】光送信機および光送信方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/516 20130101AFI20230508BHJP
【FI】
H04B10/516
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019163371
(22)【出願日】2019-09-06
(65)【公開番号】P2021044626
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2021-06-25
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人情報通信研究機構、「Beyond5Gに向けたモバイル収容大容量光アクセスインフラ」委託事業、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114258
【弁理士】
【氏名又は名称】福地 武雄
(72)【発明者】
【氏名】石村 昇太
(72)【発明者】
【氏名】カオ シュン ユン
(72)【発明者】
【氏名】田中 和樹
(72)【発明者】
【氏名】西村 公佐
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 正敏
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-110479(JP,A)
【文献】WANG, Ying et al.,Beyond 100-Gb/s single-sideband direct detection using multi-core fiber and SSBI elimination,2017 Opto-Electronics and Communications Conference (OECC) and Photonics Global Conference (PGC),米国,IEEE,2017年07月31日,p.1-3
【文献】YOU, Shanhong et al.,400-Gb/s Single-Sideband Direct Detection Over 7-Core Fiber With SSBI Cancellation,IEEE Photonics Technology Letters,米国,IEEE,2019年05月06日,Vol.31, Issue.9,pp.669-672
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/516
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトダイオードに対して光信号を送信する光送信機であって、
送信信号について角度変調を行なう角度変調器と、
光トーン信号を生成する光トーン信号生成部と、
前記光トーン信号を生成するレーザ部と、
前記角度変調された送信電気信号にトーン信号を挿入するトーン信号挿入部と、
前記光トーン信号、並びに前記角度変調された送信電気信号および前記トーン信号を入力し、光IQ変調を行なう光IQ変調部と、を備え、
前記角度変調された送信電気信号に対応する単一側波帯信号、および前記単一側波帯信号の周波数帯よりも周波数の高い方または低い方に配置された前記光トーン信号を含む光信号を送信することを特徴とする光送信機。
【請求項2】
フォトダイオードに対して光信号を送信する光送信機であって、
送信信号について角度変調を行なう角度変調器と、
光トーン信号を生成する光トーン信号生成部と、
前記光トーン信号を生成するレーザ部と、
前記光トーン信号を二分岐する二分岐カプラと、
前記二分岐された一方の光トーン信号を入力すると共に、送信信号について光位相変調を行なって、単一側波帯信号を出力する光位相変調器と、
前記二分岐された他方の光トーン信号を入力し、前記単一側波帯信号の周波数帯よりも周波数の高い方または低い方に前記他方の光トーン信号を配置する光周波数シフタと、
前記光位相変調器および前記光周波数シフタの出力信号を合成する合成カプラと、を備え、
前記角度変調された送信電気信号に対応する単一側波帯信号、および前記単一側波帯信号の周波数帯よりも周波数の高い方または低い方に配置された前記光トーン信号を含む光信号を送信することを特徴とする光送信機。
【請求項3】
前記光トーン信号の周波数を「ωtone」とし、前記角度変調された送信電気信号の周波数を「ωANG」とし、時間を「t」とし、位相を「φ」としたときに、前記光トーン信号および前記角度変調された送信電気信号を含む前記光信号の複素振幅「E(t)」は、以下の数式で表されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光送信機。
【数1】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトダイオードに対して光信号を送信する光送信機および光送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光ファイバ伝送において、直接検波型受信機が知られている。この直接検波型受信機は、フォトダイオードで構成することができ、振幅や波長の情報を乗せた光信号を受信するコヒーレント受信機よりもシンプルであることが特徴である。例えば、非特許文献1には、フォトダイオードのみを用いて、光の複素振幅を線型的に復元する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Antonio Mecozzi, Cristian Antonelli, and Mark Shtaif, "Kramers-Kronig coherent receiver," Optica 3, 1220-1227 (2016)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1に開示されている手法では、受信機側で複雑な信号処理を行なわなければならない。具体的には、フォトダイオードから得られる電気信号が、光信号の強度情報に比例することから、その強度情報から「Kramers-Kronigの関係性」と呼ばれる、強度と位相の関係式を用いて光の位相情報を回復する必要がある。この関係性は一般に、ヒルベルト変換と呼ばれる変換式に基づいており、複雑な積分計算が必要となる。さらに、信号を予めオーバーサンプリングしておかなくてはいけないなど、ハードウェアの複雑性も増加してしまう。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、受信機側で一切信号処理を行なうことなく光の複素振幅を再現することができる光送信機および光送信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の光送信機は、フォトダイオードに対して光信号を送信する光送信機であって、送信電気信号について角度変調を行なう角度変調器と、光トーン信号を生成する光トーン信号生成部と、を備え、前記角度変調された送信電気信号に対応する単一側波帯信号、および前記単一側波帯信号の周波数帯よりも周波数の高い方または低い方に配置された前記光トーン信号を含む光信号を送信することを特徴とする。
【0007】
このように、角度変調された送信電気信号のうちの単一側波帯信号および光トーン信号を含む光信号を送信するので、この光信号をフォトダイオードで受信すると、余分な成分が定数項となり、所望成分のみを取り出すことができ、光の複素振幅を線型的に復元することが可能となる。
【0008】
(2)また、本発明の光送信機は、前記光トーン信号の周波数を「ωtone」とし、前記角度変調された送信電気信号の周波数を「ωANG」とし、時間を「t」とし、位相を「φ」としたときに、前記光トーン信号および前記角度変調された送信電気信号を含む前記光信号の複素振幅「E(t)」は、以下の数式で表されることを特徴とする。
【数1】
【0009】
このような数式で表される光信号を送信することによって、フォトダイオードで受信したときに、余分な成分が定数項となり、所望成分のみを取り出すことができ、光の複素振幅を線型的に復元することが可能となる。
【0010】
(3)また、本発明の光送信機は、前記光トーン信号を生成するレーザ部と、前記光トーン信号および前記角度変調された送信電気信号を入力し、光強度変調を行なう光強度変調器と、前記光強度変調された信号から単一側波帯信号および光トーン信号以外の信号を除去する光フィルタと、を備えることを特徴とする。
【0011】
この構成により、角度変調された送信電気信号のうちの単一側波帯信号および光トーン信号を含む光信号を生成することが可能となる。これにより、受信側では余分な成分が定数項となり、所望成分のみを取り出すことができ、光の複素振幅を線型的に復元することが可能となる。
【0012】
(4)また、本発明の光送信機は、前記光トーン信号を生成するレーザ部と、前記角度変調された送信電気信号にトーン信号を挿入するトーン信号挿入部と、前記光トーン信号、並びに前記角度変調された送信電気信号および前記トーン信号を入力し、光IQ変調を行なう光IQ変調部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
この構成により、角度変調された送信電気信号のうちの単一側波帯信号および光トーン信号を含む光信号を生成することが可能となる。これにより、受信側では余分な成分が定数項となり、所望成分のみを取り出すことができ、光の複素振幅を線型的に復元することが可能となる。
【0014】
(5)また、本発明の光送信機は、前記光トーン信号を生成するレーザ部と前記光トーン信号を二分岐する二分岐カプラと、前記二分岐された一方の光トーン信号を入力すると共に、送信電気信号について光位相変調を行なって、単一側波帯信号を出力する光位相変調器と、前記二分岐された他方の光トーン信号を入力し、前記単一側波帯信号の周波数帯よりも周波数の高い方または低い方に前記他方の光トーン信号を配置する光周波数シフタと、前記光位相変調器および前記光周波数シフタの出力信号を合成する合成カプラと、を備えることを特徴とする。
【0015】
この構成により、送信電気信号としての単一側波帯信号および光トーン信号を含む光信号を生成することが可能となる。これにより、受信側では余分な成分が定数項となり、所望成分のみを取り出すことができ、光の複素振幅を線型的に復元することが可能となる。
【0016】
(6)また、本発明の光送信方法は、フォトダイオードに対して光信号を送信する光送信方法であって、送信電気信号について角度変調を行なうステップと、光トーン信号を生成するステップと、前記角度変調された送信電気信号に対応する単一側波帯信号、および前記単一側波帯信号の周波数帯よりも周波数の高い方または低い方に配置された前記光トーン信号を含む光信号を送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
このように、角度変調された送信電気信号のうちの単一側波帯信号および光トーン信号を含む光信号を送信するので、この光信号をフォトダイオードで受信すると、余分な成分が定数項となり、所望成分のみを取り出すことができ、光の複素振幅を線型的に復元することが可能となる。
【0018】
(7)また、本発明の光送信方法は、前記光トーン信号の周波数を「ωtone」とし、前記角度変調された送信電気信号の周波数を「ωANG」とし、時間を「t」とし、位相を「φ」としたときに、前記光トーン信号および前記角度変調された送信電気信号を含む前記光信号の複素振幅「E(t)」は、以下の数式で表されることを特徴とする。
【数2】
【0019】
このような数式で表される光信号を送信することによって、フォトダイオードで受信したときに、余分な成分が定数項となり、所望成分のみを取り出すことができ、光の複素振幅を線型的に復元することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、受信機側で一切信号処理を行なうことなく光の複素振幅を再現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】単一側波帯化された角度変調信号と光トーン信号を送信し、フォトダイオードで検出した場合の受信信号のスペクトルを示す図である。
図2】矩形波と光トーン信号を送信し、フォトダイオードで検出した場合の受信信号のスペクトルを示す図である。
図3】実施例1に係る光送信機の概略構成を示す図である。
図4】実施例2に係る光送信機の概略構成を示す図である。
図5】実施例3に係る光送信機の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明者らは、直接検波型受信機を用いる場合の複雑な積分計算やハードウェアの複雑化の問題に着目し、送信側で特定の条件を満たす光信号を送信することによって、受信側で信号処理が不要となることを見出し、本発明に至った。
【0023】
すなわち、本発明の光送信機は、フォトダイオードに対して光信号を送信する光送信機であって、送信電気信号について角度変調を行なう角度変調器と、光トーン信号を生成する光トーン信号生成部と、を備え、前記角度変調された送信電気信号のうちの単一側波帯信号、および前記単一側波帯信号の周波数帯よりも周波数の高い方または低い方に配置された前記光トーン信号を含む光信号を送信することを特徴とする。
【0024】
これにより、本発明者らは、光信号をフォトダイオードで受信したときに、余分な成分を定数項として除去し、所望成分のみを取り出して、光の複素振幅を線型的に復元することを可能とした。以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0025】
本実施形態においては、変調方式を「アナログ角度変調」とする。すなわち位相変調(Phase modulation:PM)や周波数変調(Frequency modulation:FM)とする。なお、本発明は、これらに限定されるわけではない。これらの変調方式は、一般に「非線形変調」であるため、変調前後の信号を比較すると、変調前のスペクトル幅に対して、変調後のスペクトルが大幅に広がる。しかし、その分、雑音耐性は通常の振幅変調などと比較して高いため、高いSN比が求められるアナログ系のシステムに利用されることが多い。これらの角度変調では、以下の数式で表されるように、正弦波の位相、あるいは周波数に情報を乗せる(以下の数式では、位相に情報を乗せている)。
【数3】
【0026】
この場合、振幅は常に一定となり、変動しない。本実施形態では、送信側でこの角度変調と光の単一側波帯信号の両方を用いた光信号を生成し、送信する。この構成により、受信側において、光の複素振幅を容易に再生することが可能となる。
【0027】
図1は、単一側波帯化された角度変調信号と光トーン信号を送信し、フォトダイオードで検出した場合の受信信号のスペクトルを示す図である。図1では、一例として、紙面に対して左側に光トーン信号のスペクトルを示し、右側に角度変調信号のスペクトルを示している。なお、光トーン信号の位置は、角度変調信号に対して低周波数側であっても良いし、高周波数側であっても良い。
【0028】
このような光信号を単一のフォトダイオードで受信する構成を考える。光トーン信号の周波数を「ωtone」とし、角度変調された送信電気信号の周波数を「ωANG」とし、時間を「t」とし、位相を「φ」としたときに、受信前の光電界の複素振幅「E(t)」は、以下の数式で表される。
【数4】
【0029】
この数式において、第一項目は光トーン信号を表し、第二項目は単一側波帯化された角度変調信号を表している。第二項目が数式(1)に対して複素数となっているのは、単一側波帯信号のため上(下)側波帯のみを考えているためである。この信号をフォトダイオードで受信すると、その光電界の強度に比例した電気信号が出力されるため、その出力は以下のようになる。
【数5】
【0030】
数式(3)において、第一項は、光トーン信号の強度を表しており、これは通常、定数項となるため、DC成分としてしか現れず、所望成分には影響しない。また、第二項目の成分は、信号成分自身の強度と比例する成分となり、通常、「signal-to-signal beat noise(SSBI)」などと呼ばれる項である。普通の信号では強度変動があるため、この項 は時間とともに変動し所望信号に対して干渉成分となり、信号品質を劣化させる。しかしながら、本実施形態に係る方式では、角度変調が採用されているため、角度変調の振幅は時間によらず常に一定である。このため、第二項についても、第一項と同様に、定数項となり、所望成分への干渉とはならない。第三項は、光トーン信号と角度変調信号のビート(掛け算)成分であり、通常これが所望の成分である。
【0031】
この結果、所望成分をビート雑音の影響を受けることなく、取り出すことができる。仮に、これが非特許文献1に開示されている手法のように、送信信号(送信電気信号を意味する。)に対して角度変調を行なわない場合は、第二項目が干渉成分として現れる。この様子を図2に示す。送信側で、矩形波と光トーン信号を送信し、受信側において、フォトダイオードで検出すると、SSBIが出現する。このため、このSSBIを取り除くために、上述したような 「Kramers-Kronigの関係性」などを用いて、高度な信号処理を行なわなければならない。本実施形態によれば、光の複素振幅を線形に復元することができる。
【実施例1】
【0032】
図3は、実施例1に係る光送信機の概略構成を示す図である。この光送信機は、送信信号部10、角度変調器12、レーザ部14、光強度変調器16、および光フィルタ18を備えている。まず、送信信号部10において、伝送する送信信号が作り出される。送信信号の波形は、図3中、Aで示すように、一対の矩形波となっている。この送信信号が電気の角度変調器12に入力される。角度変調器12で角度変調された信号は、Bで示すように、DC成分を中心として対称の位置に存在する一対の広帯域波となる。この角度変調信号が光強度変調器16に入力される。光強度変調信号は、Cで示すように、一対の広帯域波となっている。この光強度変調信号が、光フィルタ18に入力され、片方の側波帯(図3の場合は、低周波数側)が除去されて、Dで示すようなトーン信号と広帯域の単一側波帯が生成される。
【実施例2】
【0033】
図4は、実施例2に係る光送信機の概略構成を示す図である。この光送信機は、送信信号部10、角度変調器12、レーザ部14、トーン挿入部20、トーン信号パワー調整部22、および光IQ変調器24を備えている。送信信号部10において、伝送する送信信号が作り出される。送信信号の波形は、図4中、Aで示すように、一対の矩形波となっている。この送信信号が電気の角度変調器12に入力される。角度変調器12で「ωRF=0」として角度変調された信号は、Eで示すように、DC成分を中心として左右対称の単一の広帯域波となる。この光送信機では、トーン信号の挿入は、電気段のトーン挿入部20で行なわれ、トーン信号パワー調整部22によって、電気段のトーン信号のパワー調整が行なわれる。トーンは、正の周波数あるいは負の周波数のみに挿入されるため、挿入後の信号は複素数として表現される。レーザ部14から、Gに示す光トーン信号と、トーン挿入部20から、Fに示すトーン挿入済み角度変調信号の実部と虚部を光IQ変調器24に入力することによって、電気信号を光信号へと変換することができる。この際、光IQ変調器24は、ヌルバイアスポイントで駆動されるものとする。そして、Hで示すようなトーン信号と広帯域の単一側波帯が生成される。
【実施例3】
【0034】
図5は、実施例3に係る光送信機の概略構成を示す図である。この光送信機は、送信信号部10、レーザ部14、二分岐カプラ26、光位相変調器28、光周波数シフタ30、可変光減衰器32、および合波カプラ34を備えている。上記の実施例では、電気的な角度変調を行なっていたのに対し、実施例3では、光的に変調を行なう。すなわち、レーザ部14から、Gに示す光トーン信号を、二分岐カプラ26で二つに分岐し、その一方の出力を光位相変調器28へ入力する。送信信号部10から所望の送信電気信号を光位相変調器28へ入力すると、Iに示す光位相変調信号が生成される。これにより、送信電気信号が角度変調された信号を得ることができる。二分岐カプラ26の他方の出力を光周波数シフタ30に入力される。光周波数シフタ30は、Jに示すように、レーザ部14が生成した光トーン信号の周波数を他の周波数にシフトする。そして、周波数がシフトされた光と、角度変調された光が合波カプラ34で合波されることで、Hに示すように、トーン信号と単一側波帯信号が生成される。なお、可変光減衰器は、それぞれのパワーを調整するために用いる。
【0035】
以上説明したように、送信機側でトーン信号と単一側波帯信号から構成される光信号を生成することによって、受信機側で一切信号処理を行なうことなく光の複素振幅を再現することが可能となる。
【符号の説明】
【0036】
10 送信信号部
12 角度変調器
14 レーザ部
16 光強度変調器
18 光フィルタ
20 トーン挿入部
22 トーン信号パワー調整部
24 光IQ変調器
26 二分岐カプラ
28 光位相変調器
30 光周波数シフタ
32 可変光減衰器
34 合波カプラ
図1
図2
図3
図4
図5