(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】事業承継支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230508BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2018203335
(22)【出願日】2018-10-29
【審査請求日】2021-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】518180397
【氏名又は名称】ジーアーチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141427
【氏名又は名称】飯村 重樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 博敏
(72)【発明者】
【氏名】加藤 幸恵
【審査官】新里 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-054920(JP,A)
【文献】特開2002-049783(JP,A)
【文献】特開2017-097745(JP,A)
【文献】特開2017-078985(JP,A)
【文献】特開2018-045363(JP,A)
【文献】特開2007-213564(JP,A)
【文献】特開2007-095011(JP,A)
【文献】特表2005-527914(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業者間の事業承継の際に、事業の引き渡しを行う引渡事業者と前記事業の引き受けを行う引受事業者とを適合させる事業承継支援システムであって、
前記引渡事業者の属性に関する事業者概要情報及び事業承継を実行する際に前記引渡事業者が所望する事業承継の形態を選択可能な事業承継形態選択情報を有する引渡事業者情報と、前記引受事業者の属性に関する事業者概要情報及び事業承継を実行する際に前記引受事業者が所望する事業承継の形態を選択可能な事業承継形態選択情報を有する引受事業者情報とが入力されるデータベースと、
該データベースに入力された前記引渡事業者情報と前記引受事業者情報との一致度に基づいて前記引渡事業者と前記引受事業者との適合性を判定して適合性判定結果情報を生成する適合性判定手段と、
該適合性判定手段で生成された前記適合性判定結果情報に基づいて前記引渡事業者と前記引受事業者との面談が成立した旨の適合性一致情報を生成する適合性一致情報生成手段と、
該適合性一致情報生成手段で生成された前記適合性一致情報に基づいて前記引渡事業者及び前記引受事業者に対する課金情報を生成する課金情報生成手段と、
を備える事業承継支援システム。
【請求項2】
前記事業承継形態選択情報は、
前記引渡事業者の事業を継続して行う後継者に関する後継者候補データを有する請求項1に記載の事業承継支援システム。
【請求項3】
前記データベースに前記引渡事業者情報及び前記引受事業者情報を入力することが可能な端末が、前記引渡事業者及び前記引受事業者に代行して前記データベースに前記引渡事業者情報及び前記引受事業者情報を入力する代行入力事業者に配備される、請求項1または2に記載の事業承継支援システム。
【請求項4】
前記適合性判定手段、前記適合性一致情報生成手段及び前記課金情報生成手段として機能するクラウドサーバにアクセス可能な端末が、事業者間の事業承継の仲介を行う仲介事業者に配備される、請求項1~3のいずれか1項に記載の事業承継支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事業承継支援システム、特に、事業者間の事業承継の際に、事業の引き渡しを行う引渡事業者の引渡事業者情報及び事業の引き受けを行う引受事業者の引受事業者情報に基づいて、引渡事業者と引受事業者とを適合させる事業承継支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、事業者が事業承継を行う場合には、事業を継続して行う後継者を確保してその者に事業を遂行させたり、株式その他の財産権を移転させて経営権の一部あるいは全部を他の事業者に譲渡したりすることがある。
【0003】
特許文献1には、事業承継を行う事業者のデータや事業承継についての専門家のデータ等が格納された顧客データベースを備え、この顧客データベースに基づいてその事業承継に適した専門家を事業者にマッチングさせることを目的としたマッチング支援システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、事業者が事業承継を行うに際して後継者を確保する場合には、後継者となる候補者を探す必要があるところ、例えば中規模以下の事業者の場合には、その事業者の内部に後継者に適した候補者が存在しないことも多いことから、後継者に適した候補者がその事業者の内部に存在しない場合には、その事業者の外部で候補者を探す必要がある。
【0006】
しかし、事業者の外部で後継者に適した候補者を探し出すことは、人材あっせん等を行う仲介事業者等に依頼するのでなければ一般的に困難な場合が多いところ、このような人材あっせん等を行う仲介事業者等に依頼した場合には、高額の費用が発生することがある。
【0007】
一方、事業承継を行うに際して財産権等を他の事業者に移転させる場合にも、後継者に適した候補者を探し出す場合と同様に、移転先となる他の事業者を仲介するコンサルティング事業者等に依頼するのでなければ、他の事業者を探し出すことは一般的に困難な場合が多いところ、このようなコンサルティング事業者等に依頼した場合にも、高額の費用が発生することがある。
【0008】
このように、事業承継を行うに際して、後継者を確保する場合であっても、財産権等を他の事業者に移転させる場合であっても、いずれの場合にも高額の費用が発生することが懸念される。
【0009】
しかも、後継者を確保するのか、あるいは財産権等を移転するのか等、事業承継の形態が定まっていない場合において、人材あっせん等を行う仲介事業者等に後継者の確保を依頼しつつ、コンサルティング事業者等に移転先となる他の事業者の探索を依頼するとなれば、異なる仲介事業者にそれぞれ高額の費用が発生して費用がさらに嵩むことが懸念される。
【0010】
特に、中規模以下の事業者がこのような事態に遭遇すると、費用負担が過大となって事業承継を断念して事業を廃業せざるを得なくなることも想定され、かような事態を看過すれば関連産業の荒廃につながることも懸念される。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、事業承継の際に発生する費用を抑制して簡易に事業承継を支援することのできる事業承継支援システムを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための、本発明による業承継支援システムは、事業者間の事業承継の際に、事業の引き渡しを行う引渡事業者の引渡事業者情報及び事業の引き受けを行う引受事業者の引受事業者情報に基づいて引渡事業者と引受事業者とを適合させる事業承継支援システムであって、引渡事業者情報及び引受事業者情報が入力されるデータベースと、データベースに入力された引渡事業者情報及び引受事業者情報に基づいて引渡事業者と引受事業者との適合性を判定して適合性判定結果情報を生成する適合性判定手段と、適合性判定手段で生成された適合性判定結果情報に基づいて引渡事業者と引受事業者との面談が成立した旨の適合性一致情報を生成する適合性一致情報生成手段と、適合性一致情報生成手段で生成された適合性一致情報に基づいて引渡事業者及び引受事業者に対する課金情報を生成する課金情報生成手段と、を有する事業承継支援プログラムを備えるものである。
【0013】
ここでいう「事業者」には、法人及び事業を継続して行う後継者である自然人も含まれる。
【0014】
この事業承継支援システムの引渡事業者情報及び引受事業者情報は、事業承継を実行する際の所望の事業承継の形態を選択可能な事業承継形態選択情報を有するものであり、この事業承継形態選択情報は、引渡事業者の事業を継続して行う後継者に関する後継者候補データを有するものである。
【0015】
この事業承継支援システムでは、データベースに入力された引渡事業者情報及び引受事業者情報に基づいて、適合性判定手段において引渡事業者と引受事業者との適合性が判定されて適合性判定結果情報が生成されることから、引渡事業者にとっては、適切な引受事業者に事業の引き渡しを行う機会が確保されるとともに、引受事業者にとっては、適切な引渡事業者から事業を引き受ける機会が確保される。
【0016】
したがって、事業者間の事業承継の機会を損なわせることなく、事業承継を要望する事業者に対して、事業承継の好適な機会を提供することができる。
【0017】
引渡事業者と引受事業者との適合性の判定に際しては、データベースに入力される引渡事業者情報及び引受事業者情報が、事業承継を実行する際の所望の事業承継の形態を選択可能な事業承継形態選択情報を有することから、事業承継の形態が定まっていない場合であっても、事業承継の形態に関する引渡事業者及び引受事業者の要望を選択的に適合させることができる。
【0018】
特に、事業承継形態選択情報は、引渡事業者の事業を継続して行う後継者に関する後継者候補データを有することから、後継者に事業を引き渡したい引渡事業者にとっては、適切な引受事業者を後継者として事業の引き渡しを行う機会が確保されるとともに、後継者として事業を引き受けたい引受事業者にとっては、適切な引渡事業者から事業を引き受ける機会が確保される。
【0019】
一方、適合性判定結果情報に基づいて、引渡事業者と引受事業者との面談が成立した旨の適合性一致情報が生成されると、引渡事業者と引受事業者との間の事業承継の成立を待つことなく、課金情報生成手段で課金情報が生成されることから、事業承継の際の費用を低廉に抑制することができる。
【0020】
したがって、事業承継の断念及びそれに伴う事業の廃業といった事態を増加させることがなくなる。特に、中規模以下の事業者の事業承継を損なわせる可能性が低減する。
【0021】
しかも、事業承継支援システムには、データベースに引渡事業者情報及び引受事業者情報を入力することが可能な端末が、引渡事業者及び引受事業者に代行してデータベースに引渡事業者情報及び引受事業者情報を入力する代行入力事業者に配備されている。
【0022】
これによって、引渡事業者及び引受事業者の事業承継に関する作業が代行入力事業者に補助されることから、事業承継に伴う引渡事業者及び引受事業者の作業負担が軽減される。特に、端末の操作に懸念を抱く引渡事業者及び引受事業者にとっては、作業負担の大幅な軽減となることが期待される。
【0023】
さらに、事業承継支援システムには、事業承継支援プログラムにアクセス可能な端末が、事業者間の事業承継の仲介を行う仲介事業者に配備されている。
【0024】
これによれば、事業者間の事業承継の仲介を行う仲介事業者が事業承継支援プログラムにアクセスして、引渡事業者と引受事業者との適合性を判定することが可能となることから、事業承継に伴う事業者の作業負担が大幅に軽減される。
【0025】
この事業承継支援システムでは、事業承継支援プログラムがクラウドサーバに格納されている。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、事業承継の際の費用を低廉に抑制することができることから、事業承継の断念及びそれに伴う事業の廃業といった事態を増加させることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施の形態に係る事業承継支援システムの概略を説明するブロック図である。
【
図2】同じく、本実施の形態に係るクラウドサーバの構成の概略を説明する図である。
【
図3】同じく、本実施の形態に係るクラウドサーバのストレージに格納された事業承継支援プログラムの構成の概略を説明する図である。
【
図4】同じく、本実施の形態に係る引渡事業者情報(引受事業者情報)の構成の概略を説明する図である。
【
図5】同じく、本実施の形態に係る事業承継形態選択情報の構成の概略を説明する図である。
【
図6】同じく、本実施の形態に係る引渡事業者情報(引受事業者情報)を構成する入力元情報の概略を説明する図である。
【
図7】同じく、本実施の形態に係る適合性判定手段の処理の概略を説明する図である。
【
図8】同じく、本実施の形態に係る適合性一致情報生成手段の処理の概略を説明する図である。
【
図9】同じく、本実施の形態に係る事業承継支援システムの検索条件入力インターフェースの概略を説明する図である。
【
図10】同じく、本実施の形態に係る適合性判定手段で生成された適合性判定結果情報に基づいて表示される検索結果インターフェースの概略を説明する図である。
【
図11】同じく、本実施の形態に係る事業承継支援システムで生成される面談要求信号通知に基づいて表示される面談申込通知インターフェースの概略を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明の実施の形態について、
図1~
図11に基づいて説明する。
【0029】
図1は、本実施の形態に係る事業承継支援システムの構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、事業承継支援システム10は、本実施の形態では、運営事業者1、引渡事業者2(2a~2c)、引受事業者3、パートナー4、サブパートナー5及びエージェント6の間に配備される。
【0030】
運営事業者1は、事業承継の支援業務に関するサービスを運営する事業者であり、引渡事業者2(2a~2c)は、事業承継の際に事業の引き渡しを行う事業者であり、引受事業者3は、引渡事業者2(2a~2c)の事業の引き受けを行う事業者である。
【0031】
パートナー4は、運営事業者1とともに事業承継の支援業務に関するサービスを実行する代行入力事業者であり、サブパートナー5は、パートナー4を補助して事業承継の支援業務に関するサービスを実行する事業者である。
【0032】
これらパートナー4及びサブパートナー5は、本実施の形態では、事業者団体、金融機関、弁護士、税理士、中小企業診断士等によって運営されることが想定される。
【0033】
エージェント6は、運営事業者1と提携して運営事業者1の事業承継の支援業務に関するサービスを運営する仲介事業者であり、本実施の形態では、事業者団体、金融機関、弁護士、税理士、中小企業診断士等によって運営されることが想定される。
【0034】
これらの事業者の間に配備される事業承継支援システム10は、クラウドサーバ20、クラウドサーバ20と接続される引渡事業者端末30、引受事業者端末40、パートナー端末50、サブパートナー端末60及びエージェント端末70を備える。
【0035】
クラウドサーバ20は、クラウド環境上に構築されたサーバであって、本実施の形態では、運営事業者1に配備される。
【0036】
引渡事業者端末30は、引渡事業者2(2a~2c)が保有する端末であって、運営事業者1から引渡事業者2(2a~2c)に割り振られた事業者IDがクラウドサーバ20に入力されることによって、事業承継の支援業務に関するサービスを利用することが可能となる。
【0037】
引受事業者端末40は、引受事業者3が保有する端末であって、運営事業者1から引受事業者3に割り振られた事業者IDがクラウドサーバ20に入力されることによって、事業承継の支援業務に関するサービスを利用することが可能となる。
【0038】
パートナー端末60は、パートナー4が保有する端末であって、運営事業者1からパートナー4に割り振られたパートナーIDがクラウドサーバ20に入力されることによって、事業承継の支援業務に関するサービスに関与することが可能となる。
【0039】
サブパートナー端末60は、サブパートナー5が保有する端末であって、運営事業者1からサブパートナー5に割り振られたサブパートナーIDがパートナー4を介してクラウドサーバ20に入力されることによって、事業承継の支援業務に関するサービスに関与することが可能となる。
【0040】
エージェント端末70は、エージェント6が保有する端末であって、運営事業者1からエージェント6に割り振られたエージェントIDがクラウドサーバ20に入力されることによって、事業承継の支援業務に関するサービスを運営することが可能となる。
【0041】
図2は、クラウドサーバ20の構成の概略を説明する図である。図示のように、クラウドサーバ20は、プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、送受信部24、及び入出力部25を主要構成として備え、これらが互いにバス26を介して電気的に接続される。
【0042】
プロセッサ21は、クラウドサーバ20の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御や、アプリケーションプログラムの実行に必要な処理等を行う演算装置である。
【0043】
このプロセッサ21は、本実施の形態では例えばCPU(Central Processing Unit)であり、後述するストレージ23に格納されてメモリ22に展開されたアプリケーションプログラムを実行して各処理を行う。
【0044】
メモリ22は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置、及びフラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶装置を備える。
【0045】
このメモリ22は、プロセッサ21の作業領域として使用される一方、クラウドサーバ20の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種の設定情報等が格納される。
【0046】
ストレージ23には、アプリケーションプログラムや各種の処理に用いられるデータ等が格納されており、本実施の形態では、事業承継支援プログラム23Aが格納されている。この事業承継支援プログラム23Aの構成の概略については、後述する。
【0047】
送受信部24は、クラウドサーバ20をネットワークに接続する。この送受信部24は、例えばBluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった近距離通信インターフェースを具備するものであってもよい。
【0048】
入出力部25には、必要に応じて、キーボードやマウスといった情報入力機器やディスプレイ等の出力機器が接続される。
【0049】
バス26は、接続したプロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、送受信部24及び入出力部25の間において、例えばアドレス信号、データ信号及び各種の制御信号を伝達する。
【0050】
図3は、クラウドサーバ20のストレージ23に格納された事業承継支援プログラム23Aの構成の概略を説明する図である。図示のように、事業承継支援プログラム23Aは、データベース23Aa、適合性判定手段23Ab、適合性一致情報生成手段23Ac、課金情報生成手段23Ad及び支払情報生成手段23Aeを備える。
【0051】
データベース23Aaは、本実施の形態では、引渡事業者情報D1及び引受事業者情報D2が入力されて、これらの各情報が格納されるものである。
【0052】
図4は、引渡事業者情報D1(引受事業者情報D2)の構成の概略を説明する図である。
【0053】
なお、引受事業者情報D2は引渡事業者情報D1と同様の構成を有することから、引渡事業者情報D1の構成と同様の構成に同一の符号を付することとして、その説明を省略する。
【0054】
図示のように、引渡事業者情報D1は、本実施の形態では、事業者概要情報d1、事業承継形態選択情報d2及び入力元情報d3によって構成される。
【0055】
事業者概要情報d1は、本実施の形態では例えば、引渡事業者2の業種データ、従業員数データ、売上高データ、資本金データ、あるいは所在の地域データ等の各種のデータによって構成される。
【0056】
事業承継形態選択情報d2は、本実施の形態では例えば
図5で示すように、択一的に選択可能な後継者候補データd2a、技術移転データd2b、提携データd2c、事業譲渡データd2d及び株式譲渡データd2eによって構成される。
【0057】
後継者候補データd2aは、引渡事業者2の事業を継続して行う後継者に事業を引き継ぐ形態で事業承継を行う場合に用いられるデータであり、引渡事業者2は、後継者に事業を引き継がせることを要望する場合にこのデータを用い、引受事業者3は、後継者として引渡事業者2の事業を引き継ぐことを要望する場合にこのデータを用いる。
【0058】
技術移転データd2bは、引渡事業者2の技術を引受事業者3に移転する形態で事業承継を行う場合に用いられるデータである。この技術移転データd2bを用いる場合の技術移転は、特許権やノウハウ、あるいは製造設備等の各種の技術的な財物が対象となる。
【0059】
提携データd2cは、引渡事業者2と引受事業者3とが互いに事業上の提携を行う形態で事業承継を行う場合に用いられるデータである。
【0060】
事業譲渡データd2dは、引渡事業者2の事業を引受事業者3に譲渡する形態で事業承継を行う場合に用いられるデータであり、株式譲渡データd2eは、引渡事業者2の株式を引受事業者3に譲渡する形態で事業承継を行う場合に用いられるデータである。
【0061】
投資データd2fは、引渡事業者2が引渡事業者2の事業に投資を求める場合に用いるデータである一方、引受事業者3が引渡事業者2の事業に投資することを要望する場合に用いるデータである。
【0062】
本実施の形態では、例えば引渡事業者2が後継者候補データd2aを用いながら投資データd2fを用いることによって、後継者と投資家のいずれをも同時に求めることができる。
【0063】
入力元情報d3は、本実施の形態では例えば
図6で示すように、事業者IDデータd3a、パートナーIDデータd3b、サブパートナーIDデータd3c及びエージェントIDデータd3dによって構成される。
【0064】
事業者IDデータd3aは、引渡事業者2が引渡事業者端末30によってクラウドサーバ20に入力した事業者ID、あるいは引受事業者3が引渡事業者端末40によってクラウドサーバ20に入力した事業者IDがデータ化されたものである。
【0065】
パートナーIDデータd3bは、パートナー4がパートナー端末50によってクラウドサーバ20に入力したパートナーIDがデータ化されたものであり、サブパートナーIDデータd3cは、パートナー4がパートナー端末50によってクラウドサーバ20に入力したサブパートナーIDがデータ化されたものである。
【0066】
エージェントIDデータd3dは、エージェント6がエージェント端末70によってクラウドサーバ20に入力したエージェントIDがデータ化されたものである。
【0067】
これら入力元情報d3のうち事業者IDデータd3aは、引渡事業者2あるいは引受事業者3がそれぞれの端末である引渡事業者端末30(引受事業者端末40)を介して事業者概要情報d1及び事業承継形態選択情報d2をデータベース23Aaに入力する際に、これら事業者概要情報d1及び事業承継形態選択情報d2と関連づけられる。これにより、引渡事業者情報D1(引受事業者情報D2)が生成される。
【0068】
入力元情報d3のうちパートナーIDデータd3bは、パートナー4がパートナー端末50を介して事業者概要情報d1及び事業承継形態選択情報d2をデータベース23Aaに入力する際に、これら事業者概要情報d1及び事業承継形態選択情報d2と関連づけられる。これにより、引渡事業者情報D1(引受事業者情報D2)が生成される。
【0069】
入力元情報d3のうちサブパートナーIDデータd3cは、パートナー4がパートナー端末50を介してサブパートナー5を経由した引渡事業者2あるいは引受事業者3の事業者概要情報d1及び事業承継形態選択情報d2をデータベース23Aaに入力する際に、これら事業者概要情報d1及び事業承継形態選択情報d2と関連づけられる。これにより、引渡事業者情報D1(引受事業者情報D2)が生成される。
【0070】
同様に、入力元情報d3のうちエージェントIDデータd3dは、エージェント6がエージェント端末70を介して事業者概要情報d1及び事業承継形態選択情報d2をデータベース23Aaに入力する際に、これら事業者概要情報d1及び事業承継形態選択情報d2と関連づけられる。これにより、引渡事業者情報D1(引受事業者情報D2)が生成される。
【0071】
図3で示すように、適合性判定手段23Abは、データベース23Aaに入力された引渡事業者情報D1及び引受事業者情報D2に基づいて、引渡事業者2と引受事業者3との適合性を判定して適合性判定結果情報D3を生成する。
【0072】
具体的には、
図7で示すように、引渡事業者2aによって入力される検索条件信号Sと引受事業者3a、3b~3nの引受事業者情報D2との一致度によって適合性を判定して、適合性判定結果情報D3を生成する。
【0073】
検索条件信号Sは、例えば本実施の形態では、引受事業者3a、3b~3nの業種(例えば製造業)、従業員数(例えば10人以上)、売上高(例えば1億円以上)等といった引受事業者3の属性や、引受事業者3a、3b~3nが要望する事業承継の形態(例えば後継者として事業を引き継ぐことを要望している)等が、検索条件として引渡事業者2aの引渡事業者端末30を介して入力されることによって生成される。
【0074】
本実施の形態では、入力された検索条件によって生成された検索条件信号Sに基づいて、引受事業者3a、3b~3nの引受事業者情報D2が検索され、入力された検索条件が、引受事業者3a、3b~3nの引受事業者情報D2のうちの事業者概要情報d1及び事業承継形態選択情報d2とどの程度一致するかによって、引渡事業者2aと引受事業者3a、3b~3nとの適合性が判定される。
【0075】
例えば、検索条件と引受事業者3aの引受事業者情報D2のうちの事業者概要情報d1及び事業承継形態選択情報d2との一致度が40%以上~60%未満であれば、判定Cの格付けがなされた適合性判定結果情報D3が生成される。
【0076】
例えば、検索条件と引受事業者3bの引受事業者情報D2のうちの事業者概要情報d1及び事業承継形態選択情報d2との一致度が80%以上であれば、判定Aの格付けがなされた適合性判定結果情報D3が生成される。
【0077】
同様に、例えば、検索条件と引受事業者3nの引受事業者情報D2のうちの事業者概要情報d1及び事業承継形態選択情報d2との一致度が20%以上~40%未満であれば、判定Dの格付けがなされた適合性判定結果情報D3が生成される。
【0078】
一方、引受事業者3が、引受事業者端末40を介して検索条件を入力して引渡事業者2を検索する場合も、適合性判定手段23Abでは上記と同様の処理が実行される。
【0079】
図3で示すように、適合性一致情報生成手段23Acは、適合性判定手段23Abで生成された適合性判定結果情報D3に基づいて、引渡事業者2と引受事業者3との面談が成立した旨の適合性一致情報D4を生成する。
【0080】
具体的には、
図8で示すように、引渡事業者2aが、判定Aの格付けがなされた適合性判定結果情報D3に基づいて、引渡事業者端末30を介して引受事業者3bに対して面談を求める旨の意思表示(面談要求信号要求)を入力すると、面談要求信号が生成されて、引受事業者3bの引受事業者端末40に面談要求信号通知がなされる。
【0081】
この面談要求信号通知に基づいて、引受事業者3bが引渡事業者2aの面談に応じる場合は、引受事業者3bが引受事業者端末40を介して面談に応じる旨の意思表示(面談応答信号要求)を入力すると、面談応答信号が生成されて、引渡事業者2aの引渡事業者端末30に面談応答信号通知がなされる。
【0082】
引渡事業者2aの引渡事業者端末30に面談応答信号通知がなされると、適合性一致情報D4が生成される。
【0083】
一方、面談要求信号通知に基づいて、引受事業者3bが引渡事業者2aの面談に応じない場合は、引受事業者3bが引受事業者端末40を介して面談に応じない旨の意思表示(面談拒否信号要求)を入力すると、面談拒否信号が生成されて、引渡事業者2aの引渡事業者端末30に面談拒否信号通知がなされる。この場合は、適合性一致情報D4は生成されない。
【0084】
引受事業者3が引受事業者端末40を介して引渡事業者2aに対して面談を求める旨の意思表示(面談要求信号要求)を入力し、引渡事業者2aが引渡事業者端末30を介して面談に応じる旨の意思表示(面談応答信号要求)を入力する場合も、適合性一致情報生成手段23Acでは上記と同様の処理が実行される。
【0085】
図3で示すように、課金情報生成手段23Adは、適合性一致情報生成手段23Acで適合性一致情報D4が生成されると、引渡事業者2、引受事業者3あるいはエージェント6に対する課金情報D5を生成する。
【0086】
支払情報生成手段23Aeは、適合性一致情報生成手段23Acで適合性一致情報D4が生成されると、パートナー4、サブパートナー5、あるいはエージェント6に対する支払情報D6を生成する。
【0087】
次に、本実施の形態に係る事業承継支援システム10の運用について、
図1に基づいて説明する。
【0088】
事業承継支援システム10の運用に際して、引渡事業者2及び引受事業者3は、審査を経て運営事業者1から付与された事業者IDをクラウドサーバ20に入力して事業者登録を行う。
【0089】
事業者IDは、事業者登録を行う際に引渡事業者情報D1及び引受事業者情報D2をクラウドサーバ20のデータベース23Aaに入力すること、及びクラウドサーバ20のデータベース23Aaにアクセスして引渡事業者2及び引受事業者3の検索を行うことが許容される。
【0090】
本実施の形態では、引渡事業者2のうち引渡事業者2aは、引渡事業者端末30を介して事業者登録を行う際に、引渡事業者情報D1をクラウドサーバ20のデータベース23Aaに入力することによって、引渡事業者2aが引受事業者3の検索を行うことが可能となる。
【0091】
引渡事業者2aに入力された引渡事業者情報D1のうちの事業承継形態選択情報d2は、本実施の形態では、後継者候補データd2aが選択されている。これと併せて、投資データd2fが選択されていてもよい。
【0092】
パートナー4は、審査を経て運営事業者1から付与されたパートナーIDをクラウドサーバ20に入力してパートナー事業者登録を行い、サブパートナー5は、審査を経て運営事業者1から付与されたサブパートナーIDを、パートナー4を介して入力することによってサブパートナー事業者登録を行う。
【0093】
パートナーIDは、運営事業者1から引渡事業者2及び引受事業者3に付与された事業者IDを、引渡事業者2及び引受事業者3に代わってクラウドサーバ20に入力して事業者登録を行うこと、事業者登録を行う際に引渡事業者情報D1及び引受事業者情報D2をクラウドサーバ20のデータベース23Aaに入力すること、及び運営事業者1からサブパートナー5に付与されたサブパートナーIDをクラウドサーバ20に入力してサブパートナー登録を行うことが許容される。
【0094】
サブパートナーIDは、運営事業者1のクラウドサーバ20からサブパートナー端末60にアクセスされることが許容される。
【0095】
本実施の形態では、引渡事業者2のうち引渡事業者2bは、パートナー4の紹介によって事業者登録を行う者であり、審査を経て運営事業者1から引渡事業者2bに付与された事業者IDをパートナー4がパートナー端末50を介してクラウドサーバ20に入力して事業者登録を行うとともに、事業者登録を行う際に、引渡事業者2bの引渡事業者情報D1をクラウドサーバ20のデータベース23Aaに入力することによって、引渡事業者2bが引受事業者3の検索を行うことが可能となる。
【0096】
パートナー4によって入力された引渡事業者2bの引渡事業者情報D1のうちの事業承継形態選択情報d2は、本実施の形態では、後継者候補データd2aが選択されている。これと併せて、投資データd2fが選択されていてもよい。
【0097】
一方、引渡事業者2のうち引渡事業者2cは、本実施の形態では、サブパートナー5の紹介によって事業者登録を行う者であり、審査を経て運営事業者1から引渡事業者2cに付与された事業者IDをパートナー4がパートナー端末50を介してクラウドサーバ20に入力して事業者登録を行うとともに、事業者登録を行う際に、引渡事業者2cの引渡事業者情報D1をクラウドサーバ20のデータベース23Aaに入力することによって、引渡事業者2cが引受事業者3の検索を行うことが可能となる。
【0098】
パートナー4によって入力された引渡事業者2cの引渡事業者情報D1のうちの事業承継形態選択情報d2は、本実施の形態では、後継者候補データd2aが選択されている。これと併せて、投資データd2fが選択されていてもよい。
【0099】
エージェント6は、運営事業者1との契約(例えばフランチャイズ契約)に基づいて、運営事業者1からエージェントIDが付与される。
【0100】
エージェントIDは、運営事業者1から引渡事業者2及び引受事業者3に付与された事業者IDを、引渡事業者2及び引受事業者3に代わってクラウドサーバ20に入力して事業者登録を行うこと、事業者登録を行う際に引渡事業者情報D1及び引受事業者情報D2をクラウドサーバ20のデータベース23Aaに入力すること、及びクラウドサーバ20のデータベース23Aaにアクセスして引渡事業者2及び引受事業者3の検索を行うことが許容される。
【0101】
本実施の形態では、引受事業者3は、エージェント6との契約(例えばエージェント契約)に基づいてエージェント6が事業者登録を行う者であり、審査を経て運営事業者1から引受事業者3に付与された事業者IDをエージェント6がエージェント端末70を介してクラウドサーバ20に入力して事業者登録を行うとともに、事業者登録を行う際に、エージェント6が引受事業者情報D2をクラウドサーバ20のデータベース23Aaに入力することによって、引受事業者3が引渡事業者2の検索を行うことが可能となる。
【0102】
特に、本実施の形態では、エージェント6は、引受事業者3との契約に基づいて、引受事業者3に代わって引渡事業者2の検索を行うこととなる。
【0103】
エージェント6によって入力された引受事業者3の引受事業者情報D2のうちの事業承継形態選択情報d2は、本実施の形態では、後継者候補データd2aが選択されている。これと併せて、投資データd2fが選択されていてもよい。
【0104】
事業者登録及びデータベース23Aaへの引渡事業者情報D1あるいは引受事業者情報D2の入力の後、引渡事業者2が引受事業者3の検索を行う場合は、引渡事業者端末30に検索条件を入力し、引受事業者3に代行してエージェント6が引渡事業者2の検索を行う場合は、エージェント端末70に検索条件を入力する。
【0105】
図9は、引渡事業者2の引渡事業者端末30あるいはエージェント6のエージェント端末70に表示される検索条件入力インターフェースの概略を説明する図である。
【0106】
図示のように、検索条件入力インターフェースIF1は、例えば引渡事業者2あるいは引受事業者3の「業種」、「従業員数」、「要望する事業承継の形態」等に関して複数の選択肢の中から検索条件を選択して入力することができる検索コマンドcd1~cd6を備える。
【0107】
検索条件としての検索コマンドcd1~cd6のうち、検索コマンドcd1~cd5は、引渡事業者情報D1(引受事業者情報D2)のうちの事業者概要情報d1に対応し、検索コマンドcd1~cd6のうちの検索コマンドcd6(「要望する事業承継の形態」)は、引渡事業者情報D1(引受事業者情報D2)のうちの事業承継形態選択情報d2に対応する。
【0108】
これらの検索コマンドcd1~cd6が選択されて入力されると、検索条件信号Sが生成される。
【0109】
本実施の形態では、
図1における引渡事業者2aが引受事業者3の検索を行う場合において、引渡事業者端末30に検索コマンドcd1~cd6を入力すると、引受事業者3の引受事業者情報D2が検索され、適合性判定手段23Abにおいて、検索コマンドcd1~cd6と引受事業者情報D2とがどの程度一致するかによって引渡事業者2aと引受事業者3との適合性が判定され、判定に基づいて適合性判定結果情報D3が生成される。
【0110】
図10は、適合性判定結果情報D3に基づいて、引渡事業者2の引渡事業者端末30あるいはエージェント6のエージェント端末70に表示される検索結果インターフェースの概略を説明する図である。
【0111】
図示のように、検索結果インターフェースIF2には、例えば、検索された引渡事業者2(引受事業者3)であるA社~Z社が判定A~判定Dに格付けされて表示される。
【0112】
この検索結果インターフェースIF2は、検索された引渡事業者2(引受事業者3)を選択する選択コマンドsc及び選択コマンドscで選択した引渡事業者2(引受事業者3)に面談を申し込む面談申込コマンドocを備える。
【0113】
選択コマンドscで任意の引渡事業者2(引受事業者3)が選択されて面談申込コマンドocが入力されると、面談要求信号要求があったとして面談要求信号が生成され、選択された任意の引渡事業者2(引受事業者3)に面談要求信号通知がなされる。
【0114】
本実施の形態では、
図1における引渡事業者2aが検索した引受事業者3がB社である場合において、選択コマンドscでB社を選択して面談申込コマンドocを入力すると、エージェント6のエージェント端末70にB社に対する面談要求信号通知がなされる。
【0115】
図11は、面談要求信号通知に基づいて、引渡事業者2の引渡事業者端末30あるいはエージェント6のエージェント端末70に表示される面談申込通知インターフェースの概略を説明する図である。
【0116】
図示のように、面談申込通知インターフェースIF3には、面談の申込があった旨のメッセージが表示される。
【0117】
この面談申込通知インターフェースIF3は、面談の申込に応じる面談応答コマンドac及び面談の申込を断る面談拒否コマンドrcを備える。
【0118】
面談応答コマンドacが入力されると、面談応答信号要求があったとして面談応答信号が生成され、面談申込コマンドocを入力した引渡事業者2(引受事業者3)に面談応答信号通知がなされる。
【0119】
一方、面談拒否コマンドrcが入力されると、面談拒否信号要求があったとして面談拒否信号が生成され、面談申込コマンドocを入力した引渡事業者2(引受事業者3)に面談拒否信号通知がなされる。
【0120】
本実施の形態では、
図1における引渡事業者2aが
図11のS社である場合において、引受事業者3であるB社の意向を受けたエージェント6が、エージェント端末70に面談応答コマンドacを入力すると、S社の端末である引渡事業者端末30に面談応答信号通知がなされる。
【0121】
この面談応答信号通知がなされると、引渡事業者2aであるS社と引受事業者3であるB社との面談が成立したとして、適合性一致情報生成手段23Acにおいて適合性一致情報D4が生成される。
【0122】
適合性一致情報D4が生成されると、課金情報生成手段23Adにおいて課金情報D5が生成され、
図1で示すように、運営事業者1のクラウドサーバ20から引渡事業者2a(S社)の引渡事業者端末30及びエージェント6のエージェント端末70に課金情報D5が送信される。
【0123】
課金情報D5が送信されると、引渡事業者2a(S社)及びエージェント6は、運営事業者1に対して課金情報D5に従った手数料の支払いを行うこととなる。
【0124】
この場合、エージェント6は引受事業者3(B社)に課金情報D5を送信してもよいし、エージェント6と引受事業者3との間の契約に基づいて引受事業者3に手数料を請求してもよい。
【0125】
一方、適合性一致情報D4が生成されると、支払情報生成手段23Aeにおいて支払情報D6が生成され、
図1で示すように、運営事業者1のクラウドサーバ20からエージェント6のエージェント端末70に支払情報D6が送信される。
【0126】
支払情報D6が送信されると、運営事業者1は、エージェント6に対して支払情報D6に従った手数料の支払いを行うこととなる。
【0127】
次に、
図1における引渡事業者2bが引受事業者3の検索を行って、引渡事業者2bと引受事業者3との面談が成立して適合性一致情報D4が生成されて、課金情報生成手段23Adにおいて課金情報D5が生成されると、
図1で示すように、運営事業者1のクラウドサーバ20から引渡事業者2bの引渡事業者端末30及びエージェント6のエージェント端末70に課金情報D5が送信される。
【0128】
課金情報D5が送信されると、引渡事業者2b及びエージェント6は、運営事業者1に対して課金情報D5に従った手数料の支払いを行うこととなる。
【0129】
この場合、エージェント6は引受事業者3に課金情報D5を送信してもよいし、エージェント6と引受事業者3との間の契約に基づいて引受事業者3に手数料を請求してもよい。
【0130】
一方、適合性一致情報D4が生成されると、支払情報生成手段23Aeにおいて支払情報D6が生成され、
図1で示すように、運営事業者1のクラウドサーバ20からパートナー4のパートナー端末50及びエージェント6のエージェント端末70に支払情報D6が送信される。
【0131】
支払情報D6が送信されると、運営事業者1は、パートナー4及びエージェント6に対して支払情報D6に従った手数料の支払いを行うこととなる。
【0132】
次に、
図1における引渡事業者2cが引受事業者3の検索を行って、引渡事業者2cと引受事業者3との面談が成立して適合性一致情報D4が生成されて、課金情報生成手段23Adにおいて課金情報D5が生成されると、
図1で示すように、運営事業者1のクラウドサーバ20から引渡事業者2cの引渡事業者端末30及びエージェント6のエージェント端末70に課金情報D5が送信される。
【0133】
課金情報D5が送信されると、引渡事業者2c及びエージェント6は、運営事業者1に対して課金情報D5に従った手数料の支払いを行うこととなる。
【0134】
この場合、エージェント6は引受事業者3に課金情報D5を送信してもよいし、エージェント6と引受事業者3との間の契約に基づいて引受事業者3手数料を請求してもよい。
【0135】
一方、適合性一致情報D4が生成されると、支払情報生成手段23Aeにおいて支払情報D6が生成され、
図1で示すように、運営事業者1のクラウドサーバ20からパートナー4のパートナー端末50、サブパートナー5のサブパートナー端末60及びエージェント6のエージェント端末70に支払情報D6が送信される。
【0136】
支払情報D6が送信されると、運営事業者1は、パートナー4、サブパートナー5及びエージェント6に対して支払情報D6に従った手数料の支払いを行うこととなる。
【0137】
このように、本実施の形態の事業承継支援システム10によれば、データベース23Aaに入力された引渡事業者情報D1及び引受事業者情報D2に基づいて、適合性判定手段23Abにおいて引渡事業者2と引受事業者3との適合性が判定されて適合性判定結果情報D3が生成されることから、引渡事業者2にとっては、適切な引受事業者3に事業の引き渡しを行う機会が確保されるとともに、引受事業者3にとっては、適切な引渡事業者2から事業を引き受ける機会が確保される。
【0138】
したがって、事業者間の事業承継の機会を損なわせることなく、事業承継を要望する事業者に対して、事業承継の好適な機会を提供することができる。
【0139】
引渡事業者2と引受事業者3との適合性の判定に際しては、本実施の形態では、データベース23Aaに入力される引渡事業者情報D1及び引受事業者情報D2が、事業承継を実行する際の所望の事業承継の形態を選択可能な事業承継形態選択情報d2を有することから、事業承継の形態が定まっていない場合であっても、事業承継の形態に関する引渡事業者2及び引受事業者3の要望を選択的に適合させることができる。
【0140】
特に、本実施の形態では、事業承継形態選択情報d2は、引渡事業者2の事業を継続して行う後継者に関する後継者候補データd2aを有することから、後継者に事業を引き渡したい引渡事業者2にとっては、適切な引受事業者3を後継者として事業の引き渡しを行う機会が確保されるとともに、後継者として事業を引き受けたい引受事業者3にとっては、適切な引渡事業者2から事業を引き受ける機会が確保される。
【0141】
一方、適合性判定結果情報D3に基づいて、引渡事業者2と引受事業者3との面談が成立した旨の適合性一致情報D4が生成されると、引渡事業者2と引受事業者3との間の事業承継の成立を待つことなく、課金情報生成手段23Adで課金情報D5が生成されることから、事業承継の際の費用を低廉に抑制することができる。
【0142】
したがって、事業承継の断念及びそれに伴う事業の廃業といった事態を増加させることがなくなる。特に、中規模以下の事業者の事業承継を損なわせる可能性が低減する。
【0143】
さらに、本実施の形態では、引渡事業者2及び引受事業者3に代行して引渡事業者情報D1及び引受事業者情報D2を入力することが可能なパートナー端末50がパートナー4に配備されることから、引渡事業者2及び引受事業者3の事業承継に関する作業がパートナー4に補助される。
【0144】
したがって、事業承継に伴う引渡事業者2及び引受事業者3の作業負担が軽減される。特に、端末の操作に懸念を抱く引渡事業者2及び引受事業者3にとっては、作業負担の大幅な軽減となることが期待される。
【0145】
しかも、本実施の形態では、事業承継支援プログラム23Aにアクセス可能なエージェント端末70がエージェント6に配備されることから、引渡事業者2及び引受事業者3に代行してエージェント6が事業承継支援プログラム23Aにアクセスして、引渡事業者2と引受事業者3との適合性を判定することが可能となる。
【0146】
したがって、事業承継に伴う引渡事業者2及び引受事業者3の作業負担が大幅に軽減されるとともに、運営事業者1による事業承継の支援業務に関するサービスが補助されて、事業承継支援プログラム23Aのデータベース23Aaに入力される引渡事業者情報D1及び引受事業者情報D2の拡充が図られる。
【0147】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。上記実施の形態では、エージェント6が引受事業者3と契約をしている場合を説明したが、エージェント6は引渡事業者2とも契約を締結することができることはいうまでもない。
【0148】
上記実施の形態では、引受事業者3との契約に基づいて、エージェント6が引受事業者3に代わって引渡事業者2の検索を行うことを説明したが、エージェント6と引受事業者3とが例えばエージェント契約を締結していたとしても、引受事業者3は自ら事業承継支援プログラム23Aにアクセスして引渡事業者2の検索を行うことができる。
【0149】
更に、引受事業者3は、エージェント6と契約を締結していなくとも、自ら事業者登録を行っていれば、事業承継支援プログラム23Aにアクセスして引渡事業者2の検索を行うことができることはいうまでもない。
【0150】
検索条件入力インターフェースでの検索条件の入力を、音声入力によって実行できるように構成してもよい。
【0151】
更に、検索条件入力インターフェース及び検索結果インターフェースの表示を、日本語以外の他の言語で表示するように構成してもよい。
【0152】
一方、引渡事業者2あるいは引受事業者3による面談申込コマンドocの入力後であって、引渡事業者2あるいは引受事業者3による面談応答コマンドacあるいは面談拒否コマンドrcの入力前に、引渡事業者2と引受事業者3との間で、実時間においてネットワークを介してテキスト形式で会話をすることが可能ないわゆるチャット機能を具備するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0153】
1 運営事業者
2 引渡事業者
3 引受事業者
4 パートナー(代行入力事業者)
5 サブパートナー
6 エージェント(仲介事業者)
10 事業承継支援システム
20 クラウドサーバ
23A 事業承継支援プログラム
23Aa データベース
23Ab 適合性判定手段
23Ac 適合性一致情報生成手段
23Ad 課金情報生成手段
30 引渡事業者端末
40 引受事業者端末
50 パートナー端末
70 エージェント端末
D1 引渡事業者情報
D2 引受事業者情報
D3 適合性判定結果情報
D4 適合性一致情報
D5 課金情報
d2 事業承継形態選択情報
d2a 後継者候補データ