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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】走査型プローブ顕微鏡およびZ駆動装置
(51)【国際特許分類】
   G01Q 10/04 20100101AFI20230508BHJP
   G01Q 60/24 20100101ALI20230508BHJP
   G01Q 30/14 20100101ALI20230508BHJP
【FI】
G01Q10/04 101
G01Q60/24
G01Q30/14
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019120245
(22)【出願日】2019-06-27
(65)【公開番号】P2021004859
(43)【公開日】2021-01-14
【審査請求日】2022-05-09
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、戦略的創造研究推進事業、「高速原子間力顕微鏡1分子計測のデータ同化による生体分子4次元構造解析法の開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】504160781
【氏名又は名称】国立大学法人金沢大学
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】古寺 哲幸
(72)【発明者】
【氏名】清水 将裕
(72)【発明者】
【氏名】安藤 敏夫
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-122168(JP,A)
【文献】国際公開第2009/147807(WO,A1)
【文献】特開平06-147819(JP,A)
【文献】特開2005-140782(JP,A)
【文献】特開2013-207091(JP,A)
【文献】特開2011-148523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01Q 10/00 - 90/00
H02N 2/02 - 2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブと、
前記プローブおよび試料のうち一方を他方に対して、X軸方向および前記X軸方向に直交するY軸方向に移動させるXY駆動装置と、
前記プローブおよび前記試料のうち一方を他方に対して、前記X軸方向に直交しかつ前記Y軸方向に直交するZ軸方向に移動させる第1Z駆動装置とを備え、
前記第1Z駆動装置は、電圧が印加されることによって前記Z軸方向に伸縮する第1ピエゾ素子と、前記第1ピエゾ素子を少なくとも3点で保持する土台とを有する、
走査型プローブ顕微鏡。
【請求項2】
前記プローブは、前記第1ピエゾ素子よりも前記Z軸方向の一方側に配置され、
前記土台は、前記Z軸方向の前記一方側に前記第1ピエゾ素子が露出するように前記第1ピエゾ素子を収容する収容部を有し、前記収容部において前記第1ピエゾ素子を少なくとも3点で保持する、
請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡。
【請求項3】
前記第1ピエゾ素子は、前記Z軸方向の前記一方側に、前記収容部よりも突出するように設けられる、
請求項2に記載の走査型プローブ顕微鏡。
【請求項4】
前記収容部は、前記第1ピエゾ素子を収容するための空間が前記Z軸方向の他方側に向かって漸次狭くなるように形成されている、
請求項2または3に記載の走査型プローブ顕微鏡。
【請求項5】
前記収容部は、前記空間が前記Z軸方向の前記他方側に向かって漸次狭くなるように、円錐状に凹む、
請求項4に記載の走査型プローブ顕微鏡。
【請求項6】
前記収容部は、前記空間が前記Z軸方向の前記他方側に向かって漸次狭くなるように、角錐状に凹む、
請求項4に記載の走査型プローブ顕微鏡。
【請求項7】
前記収容部は、前記空間が前記Z軸方向の前記他方側に向かって漸次狭くなるように、曲面状に凹む、
請求項4に記載の走査型プローブ顕微鏡。
【請求項8】
前記第1Z駆動装置を前記Z軸方向に移動させる第2Z駆動装置をさらに備える、
請求項1から7のいずれか1項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
【請求項9】
前記第2Z駆動装置は、前記第1ピエゾ素子よりも前記Z軸方向における伸縮量が大きい第2ピエゾ素子を有する、
請求項8に記載の走査型プローブ顕微鏡。
【請求項10】
走査型プローブ顕微鏡に用いられる第1Z駆動装置であって、
電圧が印加されることによって伸縮する第1ピエゾ素子と、前記第1ピエゾ素子を少なくとも3点で保持する土台とを有する、
第1Z駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブを走査して試料の観測を行う走査型プローブ顕微鏡およびZ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
走査型プローブ顕微鏡は、プローブを試料に対して走査することにより、試料表面の立体形状等を観察できる顕微鏡である。走査型プローブ顕微鏡として、たとえば、原子間力顕微鏡(AFM)、走査型トンネル顕微鏡(STM)、走査型磁気力顕微鏡(MFM)、走査型電気容量顕微鏡(SCaM)、走査型近接場光顕微鏡(SNOM)、走査型熱顕微鏡(SThM)、および走査型イオン電動顕微鏡(SICM)等がある。
【0003】
走査型プローブ顕微鏡は、カンチレバーと、試料をX方向に移動させるXスキャナーと、試料をY方向に移動させるYスキャナーと、試料をZ方向に移動させるZスキャナーとを有する(たとえば、特許文献1)。たとえば、カンチレバーを振動させて試料に間欠的に接触させ、試料の観察を行う場合、走査型プローブ顕微鏡は、カンチレバーと試料とをX方向およびY方向に相対的に移動させつつ、カンチレバーが所定の振幅を維持した状態で試料と間欠的に接触するように、試料をZ方向に移動させる。Zスキャナーは、ピエゾ素子を有しており、ピエゾ素子に電圧を印加しピエゾ素子をZ軸方向に伸縮させることによって、試料をZ軸方向に移動させる。ここで、ZスキャナーによるZ軸方向の移動速度は、ピエゾ素子の共振周波数に起因し、当該共振周波数が高い程、当該移動速度を速くできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-85600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1のような従来の走査型プローブ顕微鏡では、Zスキャナーのピエゾ素子は、その一端面において面接触により保持されている。このように、面接触により保持されたピエゾ素子の共振周波数は、ピエゾ素子の本来の共振周波数よりも低下してしまう。したがって、X方向およびY方向への移動速度を速くして観察を行うと、試料を適切にZ方向に移動させることができず、カンチレバーが試料に強く接触し、試料を変形等させてしまうことがある。
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、試料の変形等を抑制できる走査型プローブ顕微鏡等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様にかかる走査型プローブ顕微鏡は、プローブと、前記プローブおよび試料のうち一方を他方に対して、X軸方向および前記X軸方向に直交するY軸方向に移動させるXY駆動装置と、前記プローブおよび前記試料のうち一方を他方に対して、前記X軸方向に直交しかつ前記Y軸方向に直交するZ軸方向に移動させる第1Z駆動装置とを備え、前記第1Z駆動装置は、電圧が印加されることによって前記Z軸方向に伸縮する第1ピエゾ素子と、前記第1ピエゾ素子を少なくとも3点で保持する土台とを有する。
【0008】
これにより、第1ピエゾ素子は、少なくとも3点すなわち点接触で土台に保持される。このように、点接触で第1ピエゾ素子を保持することによって、保持された第1ピエゾ素子の共振周波数が、第1ピエゾ素子の本来の共振周波数に対して低下することを抑制でき、第1Z駆動装置によるZ方向への移動速度が低下することを抑制できる。したがって、X軸方向およびY軸方向への移動速度を速くして観察を行う場合であっても、プローブおよび試料の一方を他方に対して高速にZ方向に移動させることができ、プローブが試料に強く接触することによる試料の変形等を抑制できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、試料の変形等を抑制できる走査型プローブ顕微鏡等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る走査型プローブ顕微鏡の構成を示すブロック図
図2図1の走査型プローブ顕微鏡の第1Z駆動装置を示す図
図3図1の走査型プローブ顕微鏡の動作の一例を示す模式図
図4】第1Z駆動装置およびカンチレバーの周波数特性についての実験結果の一例を示すグラフ
図5図1の走査型プローブ顕微鏡によって得られた画像の一例を示す図
図6】第1Z駆動装置と第2Z駆動装置とを組み合わせた回路の一例を示す図
図7】土台の他の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて、本発明に係る実施の形態について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、本発明の好ましい一具体例を示す。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。なお、図は必ずしも厳密に図示されたものでない。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る走査型プローブ顕微鏡10の構成を示すブロック図である。図2は、図1の走査型プローブ顕微鏡10の第1Z駆動装置32を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は分解斜視図、(c-1)はZ軸方向から見た図、(c-2)は(c-1)のI-I線断面図である。図3は、図1の走査型プローブ顕微鏡10の動作の一例を示す模式図である。なお、図2の(c-1)および(c-2)においては、図面が煩雑になることを避けるため、フィルム44および基質基板46の図示を省略する。図1から図3を参照して、本実施の形態に係る走査型プローブ顕微鏡10について説明する。
【0013】
図1に示すように、走査型プローブ顕微鏡10は、生体分子を含む様々な分子等の試料1(図3参照)を観察するための顕微鏡である。本実施の形態では、走査型プローブ顕微鏡10は、原子間力顕微鏡(AFM)であり、カンチレバー14(後述)の探針38(後述)を試料1に間欠的に接触させて試料1を観察する顕微鏡である。なお、走査型プローブ顕微鏡10は、探針38を試料1に常時接触させて試料1を観察する顕微鏡であってもよいし、カンチレバーの探針38を試料1に接触させずに試料1を観察する顕微鏡であってもよい。
【0014】
走査型プローブ顕微鏡10は、ホルダ12と、カンチレバー14と、発振部16と、レーザユニット18と、センサ20と、振幅検出部22と、フィードバック制御部24と、コンピュータ26と、モニタ28と、XY駆動装置30と、第1Z駆動装置32と、第2Z駆動装置34とを備えている。
【0015】
ホルダ12は、試料1観察用の水溶液36を保持する。
【0016】
カンチレバー14は、水溶液36内に設けられている。カンチレバー14は、その一端部に形成されている探針38を有する。探針38は、第1ピエゾ素子42(後述)よりもZ軸方向の一方側に設けられており、第1ピエゾ素子42側に突出し、その先端部が尖っている。カンチレバー14の他端部は、ホルダ12に保持されている。また、カンチレバー14の他端部は、発振部16に接続されており、カンチレバー14は、発振部16によって振動させられる(図3の矢印A参照)。カンチレバー14が振動することによって、探針38は、第1Z駆動装置32の基質基板46(後述)に配置された試料1に間欠的に接触する。カンチレバー14を構成する材料として、たとえば、窒化シリコン等を用いることができる。この実施の形態では、探針38が、プローブに相当する。
【0017】
発振部16は、ピエゾ素子(図示せず)に電圧を印加することによって当該ピエゾ素子を伸縮させ、カンチレバー14を振動させる。たとえば、発振部16は、カンチレバー14を、その共振周波数近傍の周波数で振動させる。
【0018】
レーザユニット18は、カンチレバー14にレーザ光を照射する。レーザユニット18から出射されたレーザ光は、ホルダ12を透過してカンチレバー14の一端部近傍で反射する。
【0019】
センサ20は、カンチレバー14の一端部近傍で反射したレーザ光を受光する。試料1を観察するとき、カンチレバー14を振動させて探針38を試料1に間欠的に接触させるが、試料1の表面形状によって探針38と試料1との接触の度合いが変化し、カンチレバー14の振幅等が変化する。カンチレバー14の振幅等が変化すると、カンチレバー14の一端部近傍で反射したレーザ光の反射強度等が変化する。センサ20は、反射したレーザ光の反射強度等の変化を検出する。センサ20は、たとえば、フォトダイオードで構成された受光センサである。
【0020】
振幅検出部22は、センサ20の検出結果に基づいて、カンチレバー14の振幅を検出する。
【0021】
フィードバック制御部24は、振幅検出部22の検出結果に基づいて、カンチレバー14の振幅が予め設定されたセットポイント(目標値)となるように、第1Z駆動装置32および/または第2Z駆動装置34を制御する。たとえば、図3に示すように、探針38に対して試料1をX軸方向およびY軸方向に移動させているとき(図3の矢印B参照)、フィードバック制御部24は、カンチレバー14の振幅がセットポイントよりも小さくなった場合、試料1を探針38から遠ざけるように、第1Z駆動装置32および/または第2Z駆動装置34を制御する(図3の矢印C参照)。一方、フィードバック制御部24は、カンチレバー14の振幅がセットポイントよりも大きくなった場合、試料1を探針38に近づけるように、第1Z駆動装置32および/または第2Z駆動装置34を制御する。
【0022】
コンピュータ26は、ユーザインターフェース機能を提供する。たとえば、ユーザからカンチレバー14の振幅のセットポイントに関する情報が入力されると、当該情報をフィードバック制御部24に送信する。また、コンピュータ26は、XY駆動装置30を制御する。さらに、コンピュータ26は、フィードバック制御部24から供給された信号に基づいて試料1の表面の画像を生成し、モニタ28に出力する。コンピュータ26として、たとえば、パーソナルコンピュータ等を用いることができる。
【0023】
モニタ28は、コンピュータ26から供給された信号に基づいて、試料1の表面の画像を表示する。
【0024】
XY駆動装置30は、探針38および基質基板46に配置された試料1のうち一方を他方に対して、X軸方向およびX軸方向に直交するY軸方向に移動させる。本実施の形態では、XY駆動装置30は、探針38に対して、基質基板46に配置された試料1をX軸方向およびY軸方向に移動させる。XY駆動装置30は、ピエゾ素子(図示せず)を有しており、コンピュータ26によって制御される。
【0025】
第1Z駆動装置32は、探針38および基質基板46に配置された試料1のうち一方を他方に対して、X軸方向に直交しかつY軸方向に直交するZ軸方向に移動させる。本実施の形態では、第1Z駆動装置32は、探針38に対して、基質基板46に配置された試料1をZ軸方向に移動させる。第1Z駆動装置32は、第2Z駆動装置34のZ軸方向の一方側に取り付けられる。たとえば、第2Z駆動装置34は、探針38に対して試料1をZ軸方向に移動させる公知の種々のZ駆動装置である。このように、第1Z駆動装置32は、公知の種々のZ駆動装置に取り付け可能に構成されている。第1Z駆動装置32は、土台40と、第1ピエゾ素子42と、フィルム44と、基質基板46とを有する。
【0026】
図1および図2に示すように、土台40は、第1ピエゾ素子42を少なくとも3点で保持する部材である。本実施の形態では、土台40は、第1ピエゾ素子42を4点で保持する。このように、土台40は、第1ピエゾ素子42を、線接触ではなく点接触で保持する。土台40は、略円筒状に形成されている。土台40は、その軸心がZ軸方向と略同方向に延びるように第2Z駆動装置34のZ軸方向の一方側に取り付けられている。たとえば、土台40は、樹脂を用いた接着剤等を介して第2Z駆動装置34に取り付けられている。土台40は、収容部48を有し、収容部48において第1ピエゾ素子42を4点で保持する(図2の(b)の点線丸印D参照)。たとえば、土台40は、樹脂を用いた接着剤等を介して第1ピエゾ素子42と4点において接着される。収容部48は、Z軸方向の一方側に開口しており、Z軸方向の一方側に第1ピエゾ素子42が露出するように、第1ピエゾ素子42を収容する。収容部48は、Z軸方向の他方側に向かって漸次狭くなるように形成されている。具体的には、収容部48は、第1ピエゾ素子42を収容するための空間49がZ軸方向の他方側に向かって漸次狭くなるように形成されている。さらに具体的には、収容部48は、第1ピエゾ素子42を収容するための空間49がZ軸方向の他方側に向かって漸次狭くなるように、円錐状に凹んでいる。このように、収容部48において第1ピエゾ素子42を保持する保持面は、Z軸方向と交差するように、Z軸方向に対して斜めに形成されている。土台40を構成する材料として、たとえば、プラスチックまたは樹脂等を用いることができる。
【0027】
第1ピエゾ素子42は、電圧が印加されることによってZ軸方向に伸縮する部材であり、角柱状に形成されている。第1Z駆動装置32は、第1ピエゾ素子42がZ軸方向に伸縮することによって、探針38に対して、基質基板46に配置された試料1をZ軸方向に移動させる。第1ピエゾ素子42は、Z軸方向の一方側に収容部48よりも突出するように設けられている。また、第1ピエゾ素子42は、Z軸方向の他方側の主面の4つの角部において、土台40に保持されている(図2の(b)の点線丸印D参照)。たとえば、第1ピエゾ素子42は、樹脂を用いた接着剤等を介して土台40と4点において接着される。第1ピエゾ素子42には、はんだ付け等によって電線50が取り付けられる。電線50は、フィードバック制御部24に接続され、第1ピエゾ素子42とフィードバック制御部24とを電気的に接続する。第1ピエゾ素子42は、電線50を介して与えられるフィードバック制御部24からの電圧に基づいて伸縮する。第1ピエゾ素子42を構成する材料として、たとえば、セラミックス等を用いることができる。
【0028】
フィルム44は、防水用の部材である。フィルム44は、Z軸方向の一方側から第1ピエゾ素子42および土台40を覆うように、土台40に取り付けられる。たとえば、フィルム44は、樹脂を用いた接着剤等によって土台40に取り付けられる。これによって、水溶液36中において試料1を観察するとき、第1ピエゾ素子42が水溶液36に浸されることを防止できる。フィルム44を構成する材料として、たとえば、樹脂等を用いることができる。
【0029】
基質基板46は、試料1が配置される部材であり、円板状に形成されている。基質基板46は、フィルム44を介して第1ピエゾ素子42に接触するように、フィルム44に取り付けられている。水溶液36中において試料1を観察する場合、基質基板46は、水溶液36中に配置される。基質基板46を構成する材料として、たとえば、マイカやガラス等を用いることができる。これによって、試料1に含まれる分子が吸着しやすくなり、試料1を安定して保持できる。
【0030】
図1に示すように、第2Z駆動装置34は、XY駆動装置30のZ軸方向の一方側に取り付けられる。上述したように、第2Z駆動装置34のZ軸方向の一方側には第1Z駆動装置32が取り付けられ、第2Z駆動装置34は、第1Z駆動装置32をZ軸方向に移動させる。これによって、基質基板46に配置された試料1は、探針38に対してZ軸方向に移動する。第2Z駆動装置34は、Z軸方向の伸縮量が第1ピエゾ素子42よりも大きい第2ピエゾ素子(図示せず)を有する。第2Z駆動装置34は、第2ピエゾ素子がZ軸方向に伸縮することによって、第1Z駆動装置32をZ軸方向に移動させる。上述したように、たとえば、第2Z駆動装置34は、公知の種々のZ駆動装置である。第2Z駆動装置34を使用しないとき、たとえば、第2Z駆動装置34とフィードバック制御部24とを電気的に接続せず、第2Z駆動装置34を動作しないようにすればよい。この場合、第1Z駆動装置32によって、探針38に対して、基質基板46に配置された試料1をZ軸方向に移動させればよい。
【0031】
図4は、第1Z駆動装置32およびカンチレバー14の周波数特性についての実験結果の一例を示すグラフであり、(a)は、周波数とゲインとの関係を示すグラフであり、(b)は、周波数と位相との関係を示すグラフである。この実験では、第1ピエゾ素子42が水溶液36中に位置するように第1Z駆動装置32を配置し、かつ基質基板46に探針38を接触させた状態において、第1ピエゾ素子42に印加する電圧の周波数を時間の経過とともに変化させた。また、第1ピエゾ素子42として、X軸方向の寸法が0.9mm、Y軸方向の寸法が0.9mm、Z軸方向の寸法が0.8mmで、本来の共振周波数が1350KHzのピエゾ素子を用いた。また、カンチレバー14として、本来の共振周波数が970KHzのカンチレバーを用いた。図4の(a)に示すように、970KHz近傍においてゲインのピークが表れており、図4の(b)に示すように、970KHz近傍において位相が約90度遅れていることがわかる。用いたカンチレバーの本来の共振周波数が970KHzであることを考えると、これは、カンチレバー14の共振周波数に起因するものであると考えられる。また、図4の(a)に示すように、1300KHz近傍においてゲインのピークが表れており、図4の(b)に示すように、1300KHz近傍において位相がさらに約90度遅れていることがわかる。用いた第1ピエゾ素子42の本来の共振周波数が1350KHzであることを考えると、これは、土台40に点接触で保持された第1ピエゾ素子42の共振周波数に起因するものであると考えられる。そして、土台40に点接触で保持された第1ピエゾ素子42の共振周波数は、本来の第1ピエゾ素子42の共振周波数である1350KHzに近い約1300KHzであると考えられる。以上の結果から、土台40に点接触で保持された第1ピエゾ素子42の共振周波数が、第1ピエゾ素子42の本来の共振周波数に近い値であり、第1ピエゾ素子42を点接触で保持することによって、土台40に点接触で保持された第1ピエゾ素子42の共振周波数が、第1ピエゾ素子42の本来の共振周波数よりも低下することを抑制できたと考えられる。
【0032】
図5は、図1の走査型プローブ顕微鏡10によって得られた画像の一例を示す図である。走査型プローブ顕微鏡10を用いて、走査速度0.075sec/frameで走査範囲400×225nmにおけるアクチン分子を観察したところ、図5に示すような画像が得られた。このように、点接触で保持された第1ピエゾ素子42を有する走査型プローブ顕微鏡10を用いることによって、0.075sec/frameでアクチン分子を観察したとしても、損傷の少ないアクチン分子の画像が得られる。
【0033】
図6は、第1Z駆動装置32および第2Z駆動装置34を用いた回路の一例を示す図である。たとえば、第1Z駆動装置32および第2Z駆動装置34を用いて、図6に示すような回路を構成できる。当該回路において、PID(PID制御器)52からの信号のうち、高周波成分は、増幅器54およびHPF(High Pass Filter)56を介して第1Z駆動装置32に入力され、低周波成分は、第2Z駆動装置34に入力される。このように回路を構成することによって、第1Z駆動装置32によってZ軸方向の移動速度を速くできるとともに、第2Z駆動装置34によってZ軸方向の移動量を大きくできる。
【0034】
以上のように、本実施の形態に係る走査型プローブ顕微鏡10は、探針38と、探針38および試料1のうち一方を他方に対して、X軸方向およびX軸方向に直交するY軸方向に移動させるXY駆動装置30と、探針38および試料1のうち一方を他方に対して、X軸方向に直交しかつY軸方向に直交するZ軸方向に移動させる第1Z駆動装置32とを備え、第1Z駆動装置32は、電圧が印加されることによってZ軸方向に伸縮する第1ピエゾ素子42と、第1ピエゾ素子42を少なくとも3点で保持する土台40とを有する。
【0035】
これにより、第1ピエゾ素子42は、少なくとも3点すなわち点接触で土台40に保持される。このように、点接触で第1ピエゾ素子42を保持することによって、保持された第1ピエゾ素子42の共振周波数が、第1ピエゾ素子42の本来の共振周波数に対して低下することを抑制でき、第1Z駆動装置32によるZ方向への移動速度が低下することを抑制できる。したがって、X軸方向およびY軸方向への移動速度を速くして観察を行う場合であっても、探針38および試料1の一方を他方に対して高速にZ方向に移動させることができ、探針38が試料1に強く接触することによる試料1の変形等を抑制できる。
【0036】
また、本実施の形態に係る走査型プローブ顕微鏡10において、探針38は、第1ピエゾ素子42よりもZ軸方向の一方側に配置され、土台40は、Z軸方向の一方側に第1ピエゾ素子42が露出するように第1ピエゾ素子42を収容する収容部48を有し、収容部48において第1ピエゾ素子42を少なくとも3点で保持する。
【0037】
これにより、第1ピエゾ素子42を収容部48に収容することによって、第1ピエゾ素子42を探針38側に露出するように設けることができるとともに、第1ピエゾ素子42を点接触で保持させることができる。このように、土台40が収容部48を有することによって、第1Z駆動装置32を容易に製造できる。
【0038】
また、本実施の形態に係る走査型プローブ顕微鏡10において、第1ピエゾ素子42は、Z軸方向の一方側に、収容部48よりも突出するように設けられる。
【0039】
これにより、第1ピエゾ素子42は、収容部48よりも突出するように設けられる。したがって、第1ピエゾ素子42を収容部48に収容するときに、第1ピエゾ素子42のうち収容部48よりも突出する部分を掴んだ状態で、第1ピエゾ素子42を収容部48に容易に収容できる。これによって、第1Z駆動装置32を容易に製造できる。
【0040】
また、本実施の形態に係る走査型プローブ顕微鏡10において、収容部48は、第1ピエゾ素子42を収容するための空間49がZ軸方向の他方側に向かって漸次狭くなるように形成されている。
【0041】
これにより、角柱状の第1ピエゾ素子42を収容部48に容易に点接触させることができる。したがって、第1Z駆動装置32を容易に製造できるとともに、第1Z駆動装置32によるZ方向への移動速度が低下することを抑制でき、探針38が試料1に強く接触することによる試料1の変形等を抑制できる。
【0042】
また、本実施の形態に係る走査型プローブ顕微鏡10において、収容部48は、空間49がZ軸方向の他方側に向かって漸次狭くなるように、円錐状に凹む。
【0043】
これにより、角柱状の第1ピエゾ素子42を収容部48に容易に点接触させることができる。また、四角柱状に限らず、三角柱状および五角柱状等の種々の多角柱状の第1ピエゾ素子についても収容部48に容易に点接触させることができる。
【0044】
また、本実施の形態に係る走査型プローブ顕微鏡10において、第1Z駆動装置32をZ軸方向に移動させる第2Z駆動装置34をさらに備える。
【0045】
これにより、第1Z駆動装置32および第2Z駆動装置34を用いて、探針38および試料1の一方を他方に対してZ軸方向に移動させることができる。したがって、試料1の種類等に応じて、探針38に対する試料1のZ軸方向の移動量および移動速度等を柔軟に設定でき、試料1が損傷することをさらに抑制できる。
【0046】
また、本実施の形態に係る走査型プローブ顕微鏡10において、第2Z駆動装置34は、第1ピエゾ素子42よりもZ軸方向における伸縮量が大きい第2ピエゾ素子を有する。
【0047】
これにより、第1Z駆動装置32を用いて、探針38に対して試料1をZ軸方向に小さくかつ速く移動させ、第2Z駆動装置34を用いて、探針38に対して試料1をZ軸方向に大きく移動させることによって、小さくかつ速い移動と大きい移動とに分離した制御が可能となり、移動精度を向上できる。
【0048】
次に、土台の他の例について説明する。図7は、土台の他の例を示す図であり、(a-1)は、角錐状に凹む収容部48aを有する土台40aを示す図であり、(a-2)は、(a-1)のII-II線断面図であり、(b-1)は、曲面状に凹む収容部48bを有する土台40bを示す図であり、(b-2)は、(b-1)のIII-III線断面図である。また、図7の(c-1)は、土台40cを貫通する収容部48cを有する土台40cを示す図であり、(c-2)は、(c-1)のIV-IV線断面図であり、(d-1)は、土台40dを貫通する収容部48dを有する土台40dを示す図であり、(d-2)は、(d-1)のV-V線断面図である。
【0049】
図7の(a-1)および(a-2)を参照して、土台40aについて説明する。土台40aは、Z軸方向に直交する方向の直径が土台40よりも大きく、収容部48に代えて収容部48aを有する点において、土台40と異なる。土台40aは、収容部48aにおいて第1ピエゾ素子42を少なくとも3点で保持する。収容部48aは、Z軸方向の一方側に開口しており、Z軸方向の一方側に第1ピエゾ素子42が露出するように、第1ピエゾ素子42を収容する。収容部48aは、Z軸方向の他方側に向かって漸次狭くなるように角錐状に凹んでいる。具体的には、収容部48aは、第1ピエゾ素子42を収容するための空間49aがZ軸方向の他方側に向かって漸次狭くなるように、角錐状に凹んでいる。
【0050】
これにより、角柱状の第1ピエゾ素子42を収容部48aに容易に点接触させることができる。また、円柱状の第1ピエゾ素子、および円筒状の第1ピエゾ素子についても収容部48aに容易に点接触させることができる。
【0051】
図7の(b-1)および(b-2)を参照して、土台40bについて説明する。土台40bは、収容部48に代えて収容部48bを有する点において、土台40と異なる。土台40bは、収容部48bにおいて第1ピエゾ素子42を4点で保持する。収容部48bは、Z軸方向の一方側に開口しており、Z軸方向の一方側に第1ピエゾ素子42が露出するように、第1ピエゾ素子42を収容する。収容部48bは、Z軸方向の他方側に向かって漸次狭くなるように曲面状に凹んでいる。具体的には、収容部48bは、第1ピエゾ素子42を収容するための空間49bがZ軸方向の他方側に向かって漸次狭くなるように、曲面状に凹んでいる。
【0052】
これにより、角柱状の第1ピエゾ素子42を収容部48bに容易に点接触させることができる。また、四角柱状に限らず、三角柱状および五角柱状等の種々の多角柱状の第1ピエゾ素子についても収容部48bに容易に点接触させることができる。
【0053】
図7の(c-1)および(c-2)を参照して、土台40cについて説明する。土台40cは、Z軸方向の寸法が土台40aよりも小さい点において、土台40aと異なる。収容部48cは、Z軸方向において土台40cを貫通する点において、収容部48aと異なる。収容部48cは、第1ピエゾ素子42を収容するための空間49cがZ軸方向の他方側に向かって漸次狭くなるように、形成されている。
【0054】
これにより、角柱状の第1ピエゾ素子42を収容部48cに容易に点接触させることができる。また、円柱状の第1ピエゾ素子、および円筒状の第1ピエゾ素子についても収容部48cに容易に点接触させることができる。
【0055】
図7の(d-1)および(d-2)を参照して、土台40dについて説明する。土台40dは、Z軸方向の寸法が土台40bよりも小さい点において、土台40bと異なる。収容部48dは、Z軸方向において土台40dを貫通する点において、収容部48bと異なる。収容部48dは、第1ピエゾ素子42を収容するための空間49dがZ軸方向の他方側に向かって漸次狭くなるように、形成されている。
【0056】
これにより、角柱状の第1ピエゾ素子42を収容部48dに容易に点接触させることができる。また、四角柱状に限らず、三角柱状および五角柱状等の種々の多角柱状の第1ピエゾ素子についても収容部48dに容易に点接触させることができる。
【0057】
以上、本発明に係る走査型プローブ顕微鏡および第1Z駆動装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は実施の形態に限定されるものではない。実施の形態に対して当業者が思いつく変形を施して得られる形態、および、複数の実施の形態における構成要素を任意に組み合わせて実現される別の形態も本発明に含まれる。
【0058】
上述した実施の形態では、走査型プローブ顕微鏡10が、原子間力顕微鏡(AFM)である場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、走査型プローブ顕微鏡は、走査型トンネル顕微鏡(STM)等であってもよい。
【0059】
上述した実施の形態では、カンチレバー14が、水溶液36内に設けられる場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、カンチレバーは、空気中に設けられてもよい。この場合、走査型プローブ顕微鏡によって、空気中において試料を観察できる。また、空気中において試料を観察する場合、フィルム44は必ずしも必要ではない。
【0060】
上述した実施の形態では、XY駆動装置30が、探針38(プローブ)に対して試料1をX軸方向およびY軸方向に移動させる場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、XY駆動装置は、試料に対してプローブをX軸方向およびY軸方向に移動させてもよい。
【0061】
上述した実施の形態では、第1Z駆動装置32が、探針38(プローブ)に対して試料1をZ軸方向に移動させる場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、第1Z駆動装置は、試料に対してプローブをZ軸方向に移動させてもよい。
【0062】
上述した実施の形態では、XY駆動装置30が、探針38(プローブ)に対して試料1をX軸方向およびY軸方向に移動させ、第1Z駆動装置32が、探針38(プローブ)に対して試料1をZ軸方向に移動させる場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、XY駆動装置が、試料に対してプローブをX軸方向およびY軸方向に移動させ、第1Z駆動装置が、プローブに対して試料をZ軸方向に移動させてもよい。また、XY駆動装置が、プローブに対して試料をX軸方向およびY軸方向に移動させ、第1Z駆動装置が、試料に対してプローブをZ軸方向に移動させてもよい。
【0063】
上述した実施の形態では、土台40が、第1ピエゾ素子42を4点で保持する場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、土台は、第1ピエゾ素子を、3点で保持してもよいし、5点以上で保持してもよいし、少なくとも3点以上で保持していればよい。
【0064】
上述した実施の形態では、第1ピエゾ素子42が、接着剤によって土台40に接着される場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、第1ピエゾ素子42は、土台40に接着されなくてもよい。この場合、第1ピエゾ素子42を土台40とフィルム44とで挟むことによって、第1ピエゾ素子42を容易に保持することができる。
【0065】
上述した実施の形態では、第1ピエゾ素子42を覆うフィルム44を設け、第1ピエゾ素子42を防水する場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、第1ピエゾ素子42を覆うように樹脂を塗布して固めてコーティングすることによって、第1ピエゾ素子42を防水してもよい。
【0066】
上述した実施の形態では、第1Z駆動装置32が、角柱状の第1ピエゾ素子42を有する場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、第1Z駆動装置は、円柱状または円筒状等の第1ピエゾ素子を有していてもよい。
【0067】
上述した実施の形態では、走査型プローブ顕微鏡10が、第2Z駆動装置34を備えている場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、走査型プローブ顕微鏡は、第2Z駆動装置を備えていなくてもよい。この場合、走査型プローブ顕微鏡は、XY駆動装置によって、プローブおよび試料のうち一方を他方に対してX軸方向およびY軸方向に移動させ、第1Z駆動装置によって、プローブおよび試料のうち一方を他方に対してZ軸方向に移動させればよい。
【0068】
上述した実施の形態では、カンチレバー14の探針38がプローブに相当する場合について説明をしたが、これに限定されない。
【0069】
上述した実施の形態では、第1Z駆動装置32を備える走査型プローブ顕微鏡10について説明したが、本発明は、第1Z駆動装置32のみによっても実現される。たとえば、対象物を微小に動かす装置のアクチュエータ等として実現される。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明にかかる走査型プローブ顕微鏡および第1Z駆動装置は、試料表面の物理情報または試料の化学的性質を高速で観測する走査型プローブ顕微鏡またはプローブ走査装置に有用である。
【符号の説明】
【0071】
10 走査型プローブ顕微鏡
12 ホルダ
14 カンチレバー
16 発振部
18 レーザユニット
20 センサ
22 振幅検出部
24 フィードバック制御部
26 コンピュータ
28 モニタ
30 XY駆動装置
32 第1Z駆動装置
34 第2Z駆動装置
36 水溶液
38 探針
40,40a,40b,40c,40d 土台
42 第1ピエゾ素子
44 フィルム
46 基質基板
48,48a,48b,48c,48d 収容部
50 電線
52 PID
54 増幅器
56 HPF
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7