(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】浅水条件下でのプラズマ震源ウェーブレット高精度測定装置
(51)【国際特許分類】
G01V 1/20 20060101AFI20230508BHJP
【FI】
G01V1/20
(21)【出願番号】P 2021543347
(86)(22)【出願日】2020-09-02
(86)【国際出願番号】 CN2020113106
(87)【国際公開番号】W WO2022047680
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2021-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】515223167
【氏名又は名称】中国海洋大学
(74)【代理人】
【識別番号】100178434
【氏名又は名称】李 じゅん
(72)【発明者】
【氏名】▲刑▼ 磊
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 洪▲衛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲懐▼山
(72)【発明者】
【氏名】李 倩倩
(72)【発明者】
【氏名】呂 博然
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲進▼
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05257241(US,A)
【文献】米国特許第05113377(US,A)
【文献】米国特許第07970546(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0172562(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0219051(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0108854(US,A1)
【文献】国際公開第2019/112035(WO,A1)
【文献】特開2002-071823(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105510978(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105467453(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105510977(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第101706584(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00~1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルパック(3)に接続されている2本の海底ケーブル(1)と1本の垂直ケーブ
ル(2)及びフロートボール(4)と水中コンパス(5)を備え、デジタルパック(3)
は、海底に配置され、2本の海底ケーブル(1)は、それぞれx方向とy方向に沿って敷
設され、垂直ケーブル(2)は、その頂端部にフロートボール(4)が接続され、その底
端部がデジタルパック(3)に接続され、垂直ケーブル(2)は、z方向に沿って敷設さ
れかつその長さが水の深さより小さく、水中コンパス(5)は、垂直ケーブル(2)上に
固定され、
前記海底ケーブル(1)には、等間隔に複数チャンネルのセンサセットが配置され、各
チャンネルのセンサセットは、一つの振動センサと一つの圧力センサとを備え、両者は独
立して波形を記録し、それぞれデジタルパックに伝送して保存し、センサセット同士のチ
ャネル間隔は0.5メートルであり、チャネル数は8~16であり、前記垂直ケーブル(
2)には、等間隔に複数チャンネルのセンサセットが配置され、各チャンネルのセンサセ
ットは、並列の2つの圧力センサから構成され、チャネル間隔は0.5メートルであり、
圧力センサのチャネル数は、8~16であり、前記圧力センサと振動センサは、それぞれ
海底位置の
スカラ―量情報と
ベクトル量情報を測定し、
前記デジタルパック(3)は、ベース(313)とベース(313)の上方にある中空
の球状ハウジング(301)とを備え、ハウジング上(301)には、圧力センサ(30
2)、温度センサ(304)及びGPS(303)が配置され、その中、GPS(303
)は装置全体の時報サービスに使用され、圧力センサ(302)と温度センサ(304)
は、デジタルパック(3)が位置する深さや温度パラメータをフルタイムに連続記録し、
ハウジング(301)の内腔の下部には、大容量リチウム電池を内蔵する電池室(31
2)が配置され、上部には4層のデジタルプレートが配置され、その中、1層のデジタル
プレートは、マスター制御プレート(305)、GPS・チルト角データ収集プレート(
306)、温度・圧力データ収集プレート(307)、データバッファメモリプレートA
(308)及びデータバッファメモリプレートB(309)を備え、他の3層のデジタル
プレートは、それぞれx、y及びz方向のケーブルのデータを収集し、各層は、いずれも
地震データ収集プレート(310)及び当該方向のケーブルのチャンネル数と等しい数の
アナログ-デジタル変換プレート(311)を備え、
前記GPS・チルト角データ収集プレート(306)は、GPS(303)に接続され
、GPS(303)内のデータを収集し、収集されたデータをデータバッファメモリプレ
ートA(308)に伝送して保存し、
温度・圧力データ収集プレート(307)は、温度センサ(304)と圧力センサ(3
02)内のデータを収集し、データをデータバッファメモリプレートA(308)に出力
して保存し、
データバッファメモリプレートB(309)は、海底ケーブル(1)及び垂直ケーブル
(2)によって収集されたデータを保存する、
ことを特徴とする浅水条件下でのプラズマ震源ウェーブレット高精度測定装置。
【請求項2】
前記海底ケーブル(1)は、外部保護スリーブ、圧力センサ、振動センサ及びワイヤを
さらに備え、前記圧力センサと振動センサは、いずれも外部保護スリーブ内に位置され、
外部保護スリーブ内に位置されている複数セットのワイヤを介してデジタルパック(3)
に接続され、外部保護スリーブの内側と圧力センサ及び振動センサとの間には、ポリウレ
タン固体材料が充填されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の浅水条件下でのプラズマ震源ウェーブレット高精度測
定装置。
【請求項3】
前記垂直ケーブル(2)は、外部保護スリーブ、圧力センス及びワイヤを備え、前記圧
力センサは、外部保護スリーブ内に位置され、外部保護スリーブ内に位置されている複数
セットのワイヤを介してデジタルパック(3)に接続され、外部保護スリーブの内側と
圧
力センサとの間には、ポリウレタン固体材料が充填されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の浅水条件下でのプラズマ震源ウェーブレット高精度測
定装置。
【請求項4】
デジタルパック(3)に接続されている前記垂直ケーブル(2)或いは海底ケーブル(
1)の一端には、接続端子が配置され、接続端子には、高強度のチタン合金金属から製作
されている保護スリーブが配置され、前記保護スリーブの直径は、垂直ケーブル(2)の
末端からデジタルパック(3)への方向に沿って段階的に増加され、前記デジタルパック
の頂部には、19ピンの水密コネクタが配置され、当該19ピンの水密コネクタを介して
垂直ケーブル(2)の接続端子に接続され、前記海底ケーブル(1)は、それぞれデジタ
ルパック(3)の側面に位置されている19ピンの水密コネクタを介してデジタルパック
(3)に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の浅水条件下でのプラズマ震源ウェーブレット高精度測
定装置。
【請求項5】
圧力センサが音圧センサであることを特徴とする請求項1~4のいずれかの一つに記載の浅水条件下でのプラズマ震源ウェーブレット高精度測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海洋地震探査における地震ウェーブレット三次元測定装置に関するものである。特に、浅水条件下でのプラズマ震源ウェーブレット高精度測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラズマ震源の基本的な動作原理は、水中でのパルス放電によって高エネルギーのプラズマチャネルを生成し、強圧力パルスを形成することである。プラズマ震源は、ウェーブレットの高い基本周波数、広い周波数帯域、高速の充電と放電、高解像度、強い反射エネルギー及び良好な同相軸の連続性等のメリットを有している。
【0003】
プラズマ震源の遠方界ウェーブレットは、震源の性能を測定するための重要な指標であるだけでなく、地震データ処理における重要な入力データでもある。プラズマ震源の遠方界ウェーブレットは、信号の特性を比較的に簡単に取得でき、可視化と理解が容易であるため、プラズマ震源の性能を測定する重要な基準である。
【0004】
浅水条件下で、複雑な多重波、ガイド波、潮汐、うねり等の特殊な干渉波と水体構造は、プラズマ震源ウェーブレットの安定性に深刻な影響を及ぼす。従来の複数チャンネルの水平ケーブルは、海面に近いため、観測システムは動的プロセス下にあり、獲得されたデータの精度が低く、解像度は中深層或いは浅層工程の地震探査の要件を満たすことしかできなく、高精度の地震探査の要件を満たすことはできない。
【0005】
従って、従来技術の局限性と浅水条件の特殊性を考慮して、現在は未だ浅水条件でのプラズマ震源ウェーブレット測定装置はないが、そのような装置を設計することは非常に必要である。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服するために、浅水条件下でのプラズマ震源ウェーブレット高精度測定装置を提供することである。
【0007】
デジタルパックに接続されている2本の海底ケーブルと1本の垂直ケーブル及びフロートボールと水中コンパスを備え、デジタルパックは、海底に配置され、2本の海底ケーブルは、それぞれx方向とy方向に沿って敷設され、垂直ケーブルは、その頂端部にフロートボールが接続され、その底端部がデジタルパックに接続され、垂直ケーブルは、z方向に沿って敷設されかつその長さが水の深さより小さく、水中コンパスは、垂直ケーブル上に固定され、
前記海底ケーブルには、等間隔に複数チャンネルのセンサセットが配置され、各チャンネルのセンサセットは、一つの振動センサと一つの圧力センサとを備え、両者は独立して波形を記録し、それぞれデジタルパックに伝送して保存し、センサセット同士のチャネル間隔は0.5メートルであり、チャネル数は8~16であり、前記垂直ケーブルには、等間隔に複数チャンネルのセンサセットが配置され、各チャンネルのセンサセットは、並列の2つの圧力センサから構成され、チャネル間隔は0.5メートルであり、音圧センサのチャネル数は、8~16であり、前記圧力センサと振動センサは、それぞれ海底位置のスカラ情報とベクトル情報を測定し、
前記デジタルパックは、ベースとベースの上方にある中空の球状ハウジングとを備え、ハウジング上には、圧力センサ、温度センサ及びGPSが配置され、その中、GPSは装置全体の時報サービスに使用され、圧力センサと温度センサは、後段階で海水の深さや温度がウェーブレットに対する影響を排除するために、デジタルパックが位置する深さや温度パラメータをフルタイムに連続記録し、
ハウジングの内腔の下部には、大容量リチウム電池を内蔵する電池室が配置され、上部には4層のデジタルプレートが配置され、その中、1層のデジタルプレートは、マスター制御プレート、GPS・チルト角データ収集プレート、温度・圧力データ収集プレート、データバッファメモリプレートA及びデータバッファメモリプレートBを備え、他の3層のデジタルプレートは、それぞれx、y及びz方向のケーブルのデータを収集し、各層は、いずれも地震データ収集プレート及び当該方向のケーブルのチャンネル数と等しい数のアナログ-デジタル変換プレートを備え、
前記GPS・チルト角データ収集プレートは、GPSに接続され、GPS内のデータを収集し、収集されたデータをデータバッファメモリプレートAに伝送して保存し、
温度・圧力データ収集プレートは、温度センサと圧力センサ内のデータを収集し、データをデータバッファメモリプレートAに出力して保存し、
データバッファメモリプレートBは、海底ケーブル及び垂直ケーブルによって収集されたデータを保存する、ことを特徴とする浅水条件下でのプラズマ震源ウェーブレット高精度測定装置を提供する。
【0008】
前記海底ケーブルは、外部保護スリーブ、圧力センサ、振動センサ及びワイヤを備える。前記圧力センサと振動センサは、いずれも外部保護スリーブ内に位置され、外部保護スリーブ内に位置されている複数セットのワイヤを介してデジタルパックに接続され、外部保護スリーブの内側と圧力センサ及び振動センサとの間には、ポリウレタン固体材料が充填されている。前記海底ケーブルの外部保護スリーブは、高強度のポリアミド材料を使用して製作され、ポリアミド材料の中には、ケブラー繊維が混合されている。
【0009】
前記垂直ケーブルは、外部保護スリーブ、圧力センス及びワイヤを備える。前記圧力センサは、外部保護スリーブ内に位置され、外部保護スリーブ内に位置されている複数セットのワイヤを介してデジタルパックに接続され、外部保護スリーブの内側と音圧センサとの間には、ポリウレタン固体材料が充填されている。前記垂直ケーブルの外部保護スリーブは、高強度のポリアミド材料を使用して製作され、ポリアミド材料の中には、ケブラー繊維が混合されている。
【0010】
デジタルパックに接続されている前記垂直ケーブル或いは海底ケーブルの一端には、接続端子が配置され、接続端子には、高強度のチタン合金金属から製作されている保護スリーブが配置され、前記保護スリーブの直径は、垂直ケーブルの末端からデジタルパックへの方向に沿って段階的に増加されている。前記デジタルパックの頂部には、19ピンの水密コネクタが配置され、当該19ピンの水密コネクタを介して垂直ケーブルの接続端子に接続されている。前記海底ケーブルは、それぞれデジタルパックの側面に位置されている19ピンの水密コネクタを介してデジタルパックに接続されている。
【0011】
前記デジタルパックのマスター制御プレート内は、ARM9をメインコントローラとして使用してデジタルパック全体の作業を制御する。CS5372/5376コンポーネントを使用して32ビットのアナログ-デジタルコンバーターを構成する。ACTEL、AGL250V5及びFPGAを使用してアドレスラッチ、ゲート、データシリアル-パラレルフォーマット変換、カウント、周波数分割及びロジック制御を行う。FIFOバッファ及びフラッシュ電子ディスクを使用して記録されたデータの正確性と信頼性を確保する。
【0012】
前記電池室内には、リチウム電池と回路ユニットが配置されている。その中、リチウム電池は、デジタルパックの頂部に位置されている19ピンの水密コネクタを介して充電し、デバイス全体の各部品に電力を供給する役割を果たし、回路ユニットは、電池電圧をデジタルシステム電源、アナログシステム電源、A/Dコンバータの高精度基準電圧等の収集システムに必要なさまざまな電源に変換する役割を果たす。
【0013】
本発明は、海底ケーブルと垂直ケーブルを使用して、浅水条件下でのプラズマ震源ウェーブレットを測定する。従来の測定装置と比較して、浅水という特定の環境に適しており、プラズマ震源高周波ウェーブレットのための測定装置である。本発明の測定装置は、以下の顕著なメリットを持つ。
【0014】
a、0.5mの小さなチャネル間隔を採用し整列し、三次元ステレオ観測を実現することができる。従来の地震で6.25mチャネル間隔、或いは、12.5mチャネル間隔を収集する場合より、サンプリング点の密度を増加され、浅水条件下での震源ウェーブレットの測定精度を向上するとともに、デジタル-アナログ変換を実現する。
【0015】
b、海底ケーブルと垂直ケーブルを組み合わせた測定方法を使用しているため、水平方向と垂直方向ですべてプラズマ震源ウェーブレットの変化規則を監視できる。
【0016】
c、海底に投入され、ストリーマケーブルに比べて、垂直ケーブル及び海底ケーブはいずれも海面から遠く離れ、波やうねりノイズの影響がなく、静的な状態でデータを収集するため、ノイズの干渉を大幅に減少することができる。
【0017】
d、水中コンパスは垂直ケーブル上に固定されているため、垂直ケーブルの姿勢を記録でき、測定誤差を減らす。
【0018】
e、温度と圧力の情報を取得できる温度、圧力センサが配置されているため、震源ウェーブレットの進化過程を正確に反転できる。
【0019】
f、GPSを搭載しているため、装置の投入や回収の後、クロックオフセットを補正してクロックドリフトの影響を排除する。
【0020】
g、収集ケーブルの外部保護スリーブの中にケブラー繊維が設けられているため、引張能力が向上され、抗張力は1トン以上になる。
【0021】
h、段付き接続端子を採用しているため、コネクタ接続の安定性を確保しながら、一定の範囲で曲げることができ、回収や投入が便利になる。
【0022】
i、CS5372/5376コンポーネントを使用して32ビットのアナログ-デジタルコンバーターを構成しているため、ダイナミックレンジは128dBに達し、時間サンプリングレートは1/64msに達することができるとともに、1/64ms、1/32ms、1/16ms、1/8ms、1/4ms、1/2msのさまざまなサンプリングレートを選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】本発明のデジタルパックの内部構造の概略図である。
【
図3】本発明のデジタルパックの水密コネクタの分解図である。
【
図7】本発明の垂直ケーブルと海底ケーブルの接続端子の分解図である(保護スリーブなし)。
【
図10】本発明の水密コネクタの組み立て図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1に示すように、本発明は、2本の海底ケーブル1、1本の垂直ケーブル2、デジタルパック3、フロートボール4及び水中コンパス5を含む。その中、デジタルパック3は海底に配置され、2本の海底ケーブル1は、それぞれx方向とy方向に沿って敷設される。垂直ケーブル2は、z方向に沿って敷設されかつその長さが水の深さより小さく、その頂端部にフロートボール4が接続されかつ底端部にデジタルパック3に接続される。水中コンパス5は、垂直ケーブル2上に固定され、フロートボール4は、垂直ケーブル2を垂直状態に保つ。ベースは大きい重量を持つため、装置全体を海底に固定させることができる。3本のケーブルはペアワイズ垂直であり、三次元空間の観察方式を形成する。上記の海底ケーブル1には、等間隔に複数チャンネルの振動センサと圧力センサが配置され、同じチャネルの圧力センサと振動センサは海底ケーブル1の同じ位置に配置され、それぞれ海底位置のスカラー情報とベクトル情報を測定し、前記垂直ケーブル2には、等間隔に複数チャンネルの圧力センサが配置されている。
【0025】
図2に示すように、本発明のデジタルパック3は、ベース313とベース313の上方にある中空の球状ハウジング301とを備え、ハウジングには、圧力センサ302、温度センサ304及びGPS303が配置されている。ハウジングの内腔の下部には、大容量リチウム電池を内蔵する電池室312が配置されている。上部には4層のデジタルプレートが配置され、その中の、1層のデジタルプレートは、マスター制御プレート305、GPS・チルト角データ収集プレート306、温度・圧力データ収集プレート307、データバッファメモリプレートA308及びデータバッファメモリプレートB309を備える。その他の3層のデジタルプレートは、それぞれx、y及びz方向のケーブルのデータを収集し、各層は、いずれも地震データ収集プレート310及び当該方向のケーブルのチャンネル数と等しい数のアナログ-デジタル変換プレート311を備える。前記GPS・チルト角データ収集プレート306は、GPS303に接続され、GPS303内のデータを収集し、収集されたデータをデータバッファメモリプレートA308に伝送して保存する。温度・圧力データ収集プレート307は、温度センサ304と圧力センサ302内のデータを収集し、データをデータバッファメモリプレートA308に出力して保存する。データバッファメモリプレートB309は、海底ケーブル1及び垂直ケーブル2によって収集されたデータを保存する。
【0026】
前記デジタルパック3のマスター制御プレート305内は、ARM9をメインコントローラとして使用してデジタルパック3全体の作業を制御する。CS5372/5376コンポーネントを使用して32ビットのアナログ-デジタルコンバーターを構成する。ACTEL、AGL250V5及びFPGAを使用してアドレスラッチ、ゲート、データシリアル-パラレルフォーマット変換、カウント、周波数分割及びロジック制御を行う。FIFOバッファ及びフラッシュ電子ディスクを使用して記録されたデータの正確性と信頼性を確保する。
【0027】
前記海底ケーブル1は、外部保護スリーブ、圧力センサ、振動センサ及びワイヤを備える。前記圧力センサと振動センサは、いずれも外部保護スリーブ内に位置され、外部保護スリーブ内に位置されている複数セットのワイヤを介してデジタルパック3に接続され、外部保護スリーブの内側と圧力センサ及び振動センサとの間には、ポリウレタン固体材料が充填されている。前記海底ケーブル1の外部保護スリーブは、高強度のポリアミド材料を使用して製作され、ポリアミド材料の中には、ケブラー繊維が混合されている。前記海底ケーブル1において、圧力センサと振動センサは並列に組合せしており、チャネル間隔は0.5メートルで、チャネル数は8~16である。
【0028】
前記垂直ケーブル2は、外部保護スリーブ、圧力センス及びワイヤを備える。前記圧力センサは、外部保護スリーブ内に位置され、外部保護スリーブ内に位置されている複数セットのワイヤを介してデジタルパック3に接続され、外部保護スリーブの内側と音圧センサとの間には、ポリウレタン固体材料が充填されている。前記垂直ケーブル2の外部保護スリーブは、高強度のポリアミド材料を使用して製作され、ポリアミド材料の中には、ケブラー繊維が混合されている。前記垂直ケーブル2において、各チャンネルは2つの圧力センサを使用して並列に組合せしており、チャネル間隔は0.5メートルで、チャネル数は8~16である。
【0029】
図3~10に示すように、本発明のデジタルパック3に接続されている前記垂直ケーブル2或いは海底ケーブル1の一端には、接続端子が配置され、接続端子には、高強度のチタン合金金属から製作されている保護スリーブが配置され、前記保護スリーブの直径は、垂直ケーブル2の末端からデジタルパック3への方向に沿って段階的に増加されている。前記デジタルパックの頂部には、19ピンの水密コネクタが配置され、当該19ピンの水密コネクタを介して垂直ケーブル2の接続端子に接続されている。前記海底ケーブル1は、それぞれデジタルパック3の側面に位置されている19ピンのケーブル水密コネクタを介してデジタルパック3に接続されている。水密コネクタはオスとメスに分かれ、デジタルパック3上の水密コネクタはメスコネクタで、ケーブル上の水密コネクタはオスコネクタである。水密コネクタは、複数部品による階層的なネスト組み合わせで構成され、内部の19ピンインターフェースは不動のままで、外部の回転可能なネジで接続して固定されている。水密コネクタ及びケーブルとの接続部分には、高強度のチタン合金金属から製作されている保護スリーブが配置され、保護スリーブの直径は、ケーブルから水密コネクタへの方向に沿って段階的に増加され、各段階の保護スリーブ間に一定のギャップがあるため、保護スリーブは一定の範囲内で曲げることができる。
【0030】
前記電池室312内には、リチウム電池と回路ユニットが配置されている。その中、リチウム電池は、デジタルパック3の頂部に位置されている19ピンの水密コネクタを介して充電し、デバイス全体の各部品に電力を供給する役割を果たし、回路ユニットは、電池電圧をデジタルシステム電源、アナログシステム電源、A/Dコンバータの高精度基準電圧等の収集システムに必要なさまざまな電源に変換する役割を果たす。
【0031】
本発明を使用する場合、まず、海底ケーブル1と垂直ケーブル2をテストし、デジタルパックとケーブルの水密コネクタを接続して密封し、各部位のインターフェースを注意深くチェックし、緩み現象がないことを確認し、電池の電圧と電量をテストし、装置全体の各部品の組み立てを完成させる。GPS測位を行い、設備が収集状態に入るように時報サービスを行い。作業船が所定位置に到達したら、まず、フロートボールと垂直ケーブルをゆっくりと水中に置き、その後、デジタルパックを下へ投入し、2本の海底ケーブルを引っ張ってゆっくりと降ろし、海底ケーブルの末端をケブラーロープで接続し、デジタルパックを海底に沈んだ後、ボートを使用して1本の海底ケーブルを事前に設計された指定位置にドラッグし、ロープを引いて海底ケーブルをゆっくりと海底に置き、最後に、もう1本の海底ケーブルを同様な方法で指定位置に配置する。
【0032】
ケーブルの配置が完了した後、プラズマ震源を励起してデータ収集作業を行う。作業が完了すると、装置全体を回収し、データを読み取る。作業時、装置が受信した震源ウェーブレット信号は、アナログ信号からデジタル信号に変換され、デジタルパック内の保存記録ユニットに伝送され、収集及び記録されると同時に、デジタルパック上方の温度センサ、圧力センサは装置の環境情報を記録し、水中コンパスは垂直ケーブルの姿勢情報を記録する。
【符号の説明】
【0033】
1…海底ケーブル、2…垂直ケーブル、3…デジタルパック、4…フロートボール、5…水中コンパス、301…デジタルパック水密コネクタ、302…圧力センサ、303…GPS、304…温度センサ、305…マスター制御プレート、306…GPS・チルト角データ収集プレート、307…温度及び圧力収集プレート、308…データバッファメモリプレートA、309…データバッファメモリプレートB、310…地震データ収集プレート、311…アナログ-デジタル変換プレート、312…電池室、313…ベース。