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特許7273439情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/279 20200101AFI20230508BHJP
   G06F 40/151 20200101ALI20230508BHJP
   G06F 40/129 20200101ALI20230508BHJP
【FI】
G06F40/279
G06F40/151
G06F40/129
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022143516
(22)【出願日】2022-09-09
【審査請求日】2022-09-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514002019
【氏名又は名称】DCアーキテクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100194467
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 健文
(72)【発明者】
【氏名】渡部 一成
(72)【発明者】
【氏名】眞下 遼
【審査官】木村 大吾
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0189603(US,A1)
【文献】特開2020-177449(JP,A)
【文献】特開2019-028937(JP,A)
【文献】特開2014-219834(JP,A)
【文献】特開平09-146934(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0092421(US,A1)
【文献】特開2014-115818(JP,A)
【文献】特開2010-277219(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0004432(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/00 - 40/58
G06F 16/00 - 16/958
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 10/00 - 80/00
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
ユーザ端末から文章情報を受け付ける受付部と、
前記受付部で受け付けた前記文章情報に、不当な表示を規制する法令類の下で使用が不可能な使用不可能単語が含まれているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により、前記使用不可能単語が含まれていると判定された場合に、前記使用不可能単語と、不当な表示を規制する法令類の下で使用が可能な使用可能単語とが含まれた選択肢であるとともに、前記選択肢の中から1つの選択項目を選択可能とする表示情報を生成する生成部と、
前記表示情報を含めた前記文章情報を前記ユーザ端末に表示させる表示部とを含み、
前記使用不可能単語は、前記文章情報に記載された表記と同一である、
情報処理システム。
【請求項2】
前記受付部で受け付けた前記文章情報に含まれた、不当な表示を規制する法令類の下で使用が不可能な単語の部分を、前記生成部で生成された前記表示情報に置換する置換部を更に備え、
前記表示部は前記置換部で置換された文章情報を前記ユーザ端末に表示させる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記表示情報は、表示される選択項目の順番が1番目に不当な表示を規制する法令類の下で使用が不可能な単語であるとともに、2番目以降に不当な表示を規制する法令類の下で使用が可能な単語である、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記表示情報は、初期の表示では選択項目のうち1つの選択項目が表示され、前記1つの選択項目が選択されることで、すべて選択項目が表示される、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記表示情報は、プルダウンメニュー、チェックボックス、又はラジオボタンのいずれかで表示される、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記表示情報の順番は、ユーザ使用率順、文字数が少ない順、文字数が多い順、レコードの若い順、レコードの古い順、又は五十音順のいずれか1つである、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
情報処理方法であって、
ユーザ端末から文章情報を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップで受け付けた前記文章情報に、不当な表示を規制する法令類の下で使用が不可能な使用不可能単語が含まれているか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、前記使用不可能単語が含まれていると判定された場合に、前記使用不可能単語と、不当な表示を規制する法令類の下で使用が可能な使用可能単語とが含まれた選択肢であるとともに、前記選択肢の中から1つを選択可能とする表示情報を生成する生成ステップと、
前記表示情報を含めた前記文章情報を前記ユーザ端末に表示させる表示ステップとを含む、
前記使用不可能単語は、前記文章情報に記載された表記と同一である、
情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1から請求項6までのいずれかに1項に記載の情報処理システムの制御部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブサイト中に記載されている薬事用語を効率的に照合することができる薬事用語照合システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-181172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にかかる薬事用語照合システムでは、薬事法等で規制されている薬事用語についてチェックして、それを評価スコアとともに、ウェブサイトに表示させるというだけで、ユーザが規制されている当該用語をどのような用語に変更すれば問題ないかを用意に把握できるものではなった。
【0005】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、文章情報に含まれる単語が不当な表示を規制する法令類の下で使用が不可能とされているときに、ユーザに当該単語が使用不可能であることと、使用が可能である別の単語を用意に把握させることができる情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは受付部、判定部、生成部、表示部とを備える。受付部はユーザ端末から文章情報を受け付ける。判定部は前記受付部で受け付けた前記文章情報に、不当な表示を規制する法令類の下で使用が不可能な単語が含まれているか否かを判定する。生成部は、前記判定部により、不当な表示を規制する法令類の下で使用が不可能な単語が含まれていると判定された場合に、前記文章情報の前記単語と、不当な表示を規制する法令類の下で使用が可能な単語とが含まれた選択肢であるとともに、前記選択肢の中から1つの選択項目を選択可能とする表示情報を生成する。表示部は前記表示情報を含めた前記文章情報を前記ユーザ端末に表示させる。
【0007】
本開示によれば、文章情報に含まれる単語が不当な表示を規制する法令類の下で使用が不可能とされているときに、ユーザに、当該単語が使用不可能であることと、使用が可能である別の単語を用意に把握させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2図2は、情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、情報処理装置3の機能を示す機能ブロック図である。
図4図4は、チェックワードとリライトワードに関するデータベースの一例を示す図である。
図5図5は、情報処理装置3による情報処理の一例を示すフローチャートである。ユーザ端末2に表示されるGUIの一例を示す図である。
図6図6は、ユーザ端末2に表示されるGUIの一例を示す図である。
図7図7は、ユーザ端末2に表示されるGUIの一例を示す図である。
図8図8は、ユーザ端末2に表示されるGUIの一例を示す図である。
図9図9は、ユーザ端末2に表示されるGUIの一例を示す図である。
図10図10は、ユーザ端末2に表示されるGUIの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0010】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
1. ハードウェア構成
本節では、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成について説明する。図1は、情報処理システム1の全体構成を示す図である。
1.1 情報処理システム1
【0011】
情報処理システム1は、ユーザ端末2と、情報処理装置3とを備え、これらが電気通信回線を通じて通信可能に構成される。これらの構成要素についてさらに説明する。
1.2 ユーザ端末2
【0012】
ユーザ端末2は、文章情報などに含まれる単語が、不当な表示を規制する法令類の下で使用が可能か不可能かを確認することを望むユーザが操作するものであり、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて情報処理装置3にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。
【0013】
ユーザ端末2は、表示部34と、入力部35と、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有し、これらの構成要素がユーザ端末2の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。
【0014】
表示部34は、例えば、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部34は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。このような表示部34は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイおよびプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末2の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。ここでは、表示部34は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものとして説明する。
【0015】
入力部35は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部35は、表示部34と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部35が、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が、命令信号として、通信バス30を介して制御部33に転送され、制御部33が、必要に応じて、所定の制御や演算を実行し得る。
【0016】
ユーザ端末2の通信部、記憶部及び制御部は、情報処理装置3と略同様のハードウェア構成を備える。次に説明する情報処理装置3における通信部31、記憶部32及び制御部33の記載を参照されたい。
1.3 情報処理装置3
【0017】
図2は、情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33を備え、これらの構成要素が情報処理装置3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
(通信部31)
【0018】
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。
(記憶部32)
【0019】
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。
(制御部33)
【0020】
制御部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部(図3参照)として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0021】
本実施形態に係る情報処理システム1は、文章情報61に含まれる単語が不当な表示を規制する法令類の下で使用が不可能とされているときに、ユーザに、当該単語が使用不可能であることと、使用が可能である別の単語を用意に把握させることができるシステムである。
【0022】
本明細書でいう「文書情報」には、文字によって表現される情報であって、言語としての意味を持った情報のことである。「文書情報」には、例えば、単語、キーワード、文等が含まれる。また、文章情報は、例えば、テキスト、PDF(Portable Documet Format)、Word(登録商標)ファイル、Excel(登録商標)ファイル、画像ファイル、ウェブページを構成するHTMLファイル等を含み得る。PDFや画像ファイルでテキストデータがない場合はOCR(Optical Character Recognition)を用いてテキスト情報を抽出し、それを利用しても良い。文章情報は、音声又は動画などからテキスト情報を抽出し、それを利用しても良い。
【0023】
本明細書でいう「不当な表示を規制する法令類」(本明細書では「法令類」という場合がある。)とは、例えば、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、薬機法という。)、不当景品類及び不当表示防止法(以下、景表法と略す。)、薬事法等の法令(法律、政令、省令を含む。)、健康増進法(以下、健増法と略す。)、特定商取引法(以下、特商法と略す。)、及びこれらに関する運用、ガイドライン等が含まれる。
また、以下、法令類の下で使用が不可能な単語を「使用不可能単語」、法令類の下で使用が可能な単語を、「使用可能単語」という場合がある。
2.機能構成
【0024】
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。図3は、情報処理装置3の機能を示す機能ブロック図である。前述の通り、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
具体的には、情報処理装置3(制御部33)は、各機能部として、受付部331と、判定部332と、生成部333とを備える。
(受付部331)
【0025】
受付部331はユーザ端末2から文章情報を受け付ける。受付部331は、通信部31又は記憶部32を介して情報を受け付け、これを作業メモリに読出可能に構成される。特に、受付部331は、ユーザ端末2からネットワーク及び通信部31を介して種々の情報を受け付けるように構成される。本実施形態では、受付部331が受け付けた種々の情報は、記憶部32に記憶されるものとして説明する。特に、受付部331は、ユーザ端末2から文章情報を受け付ける。
(判定部332)
【0026】
判定部332は、受付部331で受け付けた文章情報に、法令類の下で使用が不可能な単語(使用不可能単語)が含まれているか否かを判定する。具体的には、判定部332はデータベースを参照し、当該単語が、当該データベースのチェックワードに記録されている場合には使用不可能単語だと判定する。一方、判定部332は、データベースを参照し、当該単語が、データベースのチェックワードに記録されていない場合には、法令類の下で使用が可能な単語(使用可能単語)であると判定する。
【0027】
同じ内容のチェックワードか否かの判定は、チェックワードの表記が一致したときにのみ「同じ内容である」と判定しても良いが、表記にかかわらず、意味内容が同じ場合に「同じ内容である」と判定するのが好ましい。一方、読みは同じであるが意味内容が異なるため、「同じ内容である」とは判定しない。
【0028】
図4は、チェックワードとリライトワードに関するデータべースの一例を示す。データベースは、ID41とチェックワード42とリライトワード43の項目を有する。ID41はレコードの識別情報である。チェックワード42には不当な表示を規制する法令類の下で使用が不可能な単語(使用不可能単語)が記憶されている。リライトワード43には不当な表示を規制する法令類の下で使用が可能な単語(使用可能単語)が記憶されている。
【0029】
データベースのチェックワード42とリライトワード43の項目に記憶する内容は、例えば、法令類を所管する行政機関(例えば、景品表示法を所管する消費者庁)が公表している情報(例えば、景品表示法関係ガイドライン等)から取得しても良い。また、これらのAPIを利用して自動的に取得しても、管理者が登録しても良い。
(生成部333)
【0030】
生成部333は表示情報53を生成する。生成部333は当該判定部332により、文章情報内に使用不可能単語が含まれていると判定された場合に、当該文章情報の当該単語(この場合の単語は使用不可能単語)と、使用可能単語とが含まれた表示情報53(選択肢)であるとともに、当該選択肢の中から1つを選択可能とする表示情報53を生成する。つまり、表示情報53は、使用不可能単語と使用可能単語とが含まれた選択肢である。また、表示情報53はユーザが当該選択肢の中から1つを選択可能である。
【0031】
生成部333は表示情報53(選択肢)の初期表示を次のように生成する。表示情報53(選択肢)は、初期の表示では選択項目のうち1つの選択項目が表示され、当該初期表示の選択項目が選択されることで、すべて選択項目が表示される。ここで、初期の表示とは、表示情報53(選択肢)が、ユーザ端末2の表示部34に最初に表示されたときである。例えば、表示情報53(選択肢)として、「ストレス」、「余裕がない毎日」、「慌ただしい」の3つの選択肢が生成されると、初期表示には「ストレス」が表示される。次に、ユーザがその「ストレス」の表示を選択すると、表示情報53(選択肢)として「ストレス」、「余裕がない毎日」、「慌ただしい」のすべての選択肢が表示される。
【0032】
生成部333は表示情報53(選択肢)の選択項目の順番を次のように生成する。当該順番は、1番目に使用不可能単語であり、2番目以降に使用可能単語である。例えば、表示情報(選択肢)が「ストレス」、「余裕がない毎日」、及び「慌ただしい」となるときに、「ストレス」が使用不可能単語であり、これが選択肢の1番目に表示される。一方、「余裕がない毎日」及び「慌ただしい」は使用可能単語に該当するため、選択肢の2番目以降に表示される。
【0033】
表示情報53(選択肢)の一例としては、プルダウンメニュー、チェックボックス、又はラジオボタンである。本実施形態では表示情報53(選択肢)の一例としてプルダウンメニューを例示して説明する。
【0034】
選択項目の順番は、例えば、ユーザ使用率順、文字数が少ない順、文字数が多い順、レコードの若い順、レコードの古い順、五十音順等でも良い。ユーザ使用率順は、ユーザの使用率を記録してデータベース(図示なし)に記憶してそれを利用しても良い。さらに、過去の実績を蓄積しておいてリスクが低い順番に表示することや、文章の前後の辻褄があう順、APIを介して外部サービスから当該リライトワードのトレンド率を調べてそのトレンド率が高い又は低い順に表示するなどでも良い。
(置換部334)
【0035】
置換部334は、文章情報に含まれた単語を、当該生成部333で生成された表示情報53(選択肢)に置換する。置換部334が置換するのは、文章情報に含まれた単語のみ(チェックワードに該当すると判断された単語のみ)であり、それ以外の文章情報は置換しない。例えば、「変化に伴うストレスや睡眠不足」という文章情報において「ストレス」が使用不可能単語である場合に、「ストレス」の部分を、表示情報53(選択肢)に置換し、それ以外の部分は置換されない。
(出力部)
【0036】
出力部335は、生成部333で生成され、置換部334によって置換された表示情報53(選択肢)を含む文章情報を、ユーザ端末2の表示部34に表示する。また、出力部335は所望のテキスト情報なども表示する機能も有する。
3.情報処理の詳細
次に、図5のフローチャートを用いて、情報処理システム10の動作を説明する。
【0037】
ユーザ端末2を所有するユーザは、ユーザ端末2を操作して、不当な表示を規制する法令類の下で使用が可能か不可能かについてチェックしたい文章情報を入力する(ST1)。
【0038】
文章情報を入力すると、情報処理システム1の受付部331が文章情報を受け付け、判定部332がデータベースを参照し、文章情報に含まれている単語がチェックワードに記録されているか否かを判定する(ST2)。
【0039】
文章情報に含まれた単語がデータベースのチェックワードに該当する場合に、判定部332は文章情報に含まれている単語がチェックワードに記録されていると判定する。次に、生成部333はチェックワード(使用不可能単語)を含むリライトワード(使用可能単語)を加えた表示情報(プルダウンメニュー)を生成する(ST3)。置換部334は、文章情報に含まれた単語を、生成部333で生成された表示情報(選択肢)に置換する(ST4)。出力部335は置換部334で置換された文章情報を表示する(ST5)。
【0040】
一方、文章情報に含まれた単語がデータベースのチェックワードに該当しない場合には、置換部334は置換処理を行わずに、出力部335は入力された文章情報を、ユーザ端末2の表示部34に表示する(ST5)。
【0041】
ここでユーザ端末2に表示されるGUIの一例について説明する。図6に示すように、表示画面50は、文章情報入力領域51と文章情報表示領域52と実行ボタン54とをコピーボタン55を有する。
【0042】
文章情報入力領域51は、文章情報61の入力を受ける領域である。文章情報入力領域51は横長長方形状であり、当該領域の内側に文章情報61の入力を受け付ける。
【0043】
文章情報表示領域52は処理後の文章情報62を表示するための領域である。文章情報表示領域52は横長長方形状であり、当該領域の内側に文章情報62を表示する。文章情報入力領域51と文章情報表示領域52とは左右に隣り合うように配置されている。
【0044】
実行ボタン54は処理を実行するためのボタンである。実行ボタン54は文章情報入力領域51の下方に配置されている。コピーボタン55は処理後の文章情報61をコピーするためのボタンである。コピーボタン55は文章情報表示領域52の下方に配置されている。
【0045】
ユーザは、ユーザ端末2の入力部35を通じて文章情報入力領域51に文章情報61を入力することができる。入力された文章情報61は受付部331を通じて受け付けられる(ST1)。その後、ユーザがユーザ端末2を通じて実行ボタン54を押下すると、判定部332はデータベースを参照し、ユーザが入力した文章情報61に含まれる単語がチェックワードに記憶されているか否かを判定する(ST2)。
【0046】
入力された文章情報61にチェックワードが含まれている場合、生成部333はチェックワードを含むリライトワードを加えたプルダウンメニュー(表示情報53)を生成する。
【0047】
ユーザが入力した文章情報61の単語(チェックワードに該当する部分)を、生成部333で生成したプルダウンメニュー(表示情報53)に置換し、図6に示すようにプルダウンメニュー(表示情報53)を含む文章情報62が文章情報表示領域52に表示される(ST4、ST5)。
【0048】
なお、図6では、文章情報表示領域52には最初から文章情報62が表示されているが、文章情報表示領域52は処理前においては空白であり、文章情報62が表示されていない。
図6の文章情報表示領域52は、処理後(実行ボタン54の押下後)の状態を示した図である。
【0049】
図6の文章情報表示領域52には、プルダウメニュー(表示情報53)の初期表示(プルダウンメニューが引き出される前の表示)が表示されている。ここではプルダウメニュー(表示情報53)の初期表示として、文章情報62である「変化に伴うストレスや睡眠不足」のうち「ストレス」の部分がチェックワードに該当するため、チェックワードの「ストレス」の部分が、プルダウメニュー(表示情報53)で表示されている。
【0050】
図7に示すように、ユーザが文章情報表示領域52に表示されたプルダウンメニュー(表示情報53)を押下すると、プルダウンメニューが引き出されて複数の選択項目531が表示される。これにより、ユーザは複数の選択項目531を選択できるようになる。ここでは選択項目として「ストレス」、「余裕がない毎日」、「慌ただしい」が表示されているが、「ストレス」は使用不可能単語であり、選択肢の1番目に表示される。一方、「余裕がない毎日」及び「慌ただしい」は使用可能単語であるため、2番目以降に表示される。
【0051】
ユーザがプルダウンメニューの中から1つの選択項目531を選択(押下)すると、プルダウンメニューが引き出された状態から引き出される前の表示に変化し、文章情報62のプルダウンメニューの部分は選択された選択項目に置き変えられる。その状態で、ユーザがコピーボタン55を押下することにより、文章情報表示領域52の文章情報62(テキスト情報)をコピーすることができる。コピーした文章情報62は他の文章ファイル等で利用できる。例えば、ユーザがプルダウンメニューの中から「余裕がない毎日」の選択項目を選択し、コピーボタン55を押下すると「変化に伴う余裕がない毎日や睡眠不足」の一連のテキストデータがコピーされる。
(変形例)
【0052】
上記実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
(変形例1)
【0053】
上記実施形態では表示画面50は、文章情報入力領域51と文章情報表示領域52との2つの領域を有するとしたが、文章情報入力領域51及び文章情報表示領域52が共通の領域であっても良い。
【0054】
例えば、図8図9図10に示すように、表示画面70は、1つの文章情報入力表示領域71と1つのボタン72とを有する。文章情報入力表示領域71は、文章情報61の入力を受け付ける領域であるとともに、処理後の文章情報61を表示させる領域でもある。ボタン72は処理の実行と、処理後の文章情報61をコピーするためのボタンとして機能する。ボタン72は文章情報入力表示領域71の下方に配置されている。また、置換部334は、表示画面70のボタン72を、処理を実行する機能から文章情報61をコピーする機能に置換する機能を有しているとして説明する。
【0055】
図8図9図10では、ユーザが文章情報入力表示領域71に文章情報61を入力すると、受付部331は文章情報入力表示領域71に入力された文章情報61を受け付ける。判定部332がデータベースを参照し、文章情報61に含まれている単語がチェックワードに記録されているか否かを判定する。ここでは「ストレス」がチュックワードに該当すると判定される。次に、生成部333はチェックワード(使用不可能単語)を含むリライトワード(使用可能単語)を加えたプルダウンメニュー(表示情報53)を生成する。置換部334は、文章情報61に含まれた単語を、生成部333で生成された表示情報53(選択肢)に置換する。出力部335は置換部334で置換された文章情報61を文章情報入力表示領域71に表示(出力)する。ここで図9では実行ボタンからコピーボタンに置換されて表示されている。
【0056】
一例を示すと、ユーザが文章情報入力表示領域71に文章情報61として「変換に伴うストレスや睡眠不足」を入力してボタン72(実行ボタン)を押下する。判定部332はデータベースを参照し、文章情報61に含まれる「ストレス」の単語がチェックワードに記憶されているため、出力部335は、当該チェックワードである「ストレス」を含むリライトワードである「余裕がない毎日」及び「慌ただしい」をプルダウンメニュー(表示情報53)として表示させる。ここでプルダウンメニュー(表示情報53)の初期表示はユーザが入力した「ストレス」となっている。ユーザが、プルダウンメニューを押下すると、すべての選択項目が表示される。ここでは「ストレス」「余裕がない毎日」及び「慌ただしい」が表示される。ユーザは選択項目の1つを選択可能となる。ここで、ユーザが選択項目の中から「慌ただしい」の選択項目を選択すると、「変化に伴う慌ただしさや睡眠不足」の文章情報61が文章情報入力表示領域71に表示される。ユーザがボタン72(コピーボタン)を押下すると、当該文章情報61をコピーできる。
【0057】
変形例1によれば、ユーザ端末2の表示部34の表示幅が狭いときでも、1つの領域で文章情報の入力と処理後の文章情報の表示を行うことができ、ユーザの使い勝手を良くできる。
(変形例2)
【0058】
上記実施形態では、文章情報入力領域51と文章情報表示領域52とは左右に隣り合うように配置されているとしたが、文章情報入力領域と文章情報表示領域とを上下に配置しても良い。つまり、文章情報入力領域51が配置され、当該文章情報入力領域51の下方に実行ボタンが配置され、当該実行ボタンの下方に文章情報表示領域が配置され、当該文章情報表示領域の下方にコピーボタンが配置されているようにしても良い。
変形例2によれば、ユーザ端末2の表示部34の表示幅が狭いときでも、ユーザの使い勝手を良くできる。
(変形例3)
【0059】
変形例3を説明する。上述した実施形態及び変形例では情報処理システムが処理を行うものとして説明した。しかしながら、複数の装置(例えば、サーバ装置とPC又は複数のサーバ装置)から構成されてもよいし、単体の装置(例えば、サーバ装置又はPC)から構成されてもよい。また、複数のサーバ装置から構成される情報処理システムがそれぞれのサーバ装置の記憶部に記憶されたプログラムに基づき処理を実行することでも実現されても良い。
変形例3によっても上述した効果を奏することができる。
例えば、上述のプログラムを記憶する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体として提供してもよい。
また、上述した実施形態及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0060】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0061】
情報処理システム 1
ユーザ端末 2
情報処理装置 3
通信部 31
記憶部 32
制御部33 33
受付部 331
判定部 332
生成部 333
置換部 334
出力部 335



【要約】      (修正有)
【課題】文章情報に含まれる単語が不当な表示を規制する法令類の下で使用が不可能とされているときに、ユーザに、当該単語が使用不可能であることと、使用が可能である別の単語を容易に把握させることができる情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システム1は、ユーザ端末2から文章情報を受け付ける受付部331と、受付部で受け付けた文章情報に、不当な表示を規制する法令類の下で使用が不可能な単語が含まれているか否かを判定する判定部332と、判定部により、不当な表示を規制する法令類の下で使用が不可能な単語が含まれていると判定された場合に、文章情報の単語と、不当な表示を規制する法令類の下で使用が可能な単語とが含まれた選択肢であるとともに、選択肢の中から1つの選択項目を選択可能とする表示情報を生成する生成部333と、を備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10