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特許7273452RFIDラベル、RFIDラベルロールおよびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】RFIDラベル、RFIDラベルロールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20230508BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
G06K19/077 248
G06K19/077 136
G06K19/077 144
G06K19/077 224
G06K19/077 280
G09F3/00 M
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019177369
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2021056631
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000205306
【氏名又は名称】大阪シーリング印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100182903
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 武慶
(74)【代理人】
【識別番号】100145229
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 雅則
(74)【代理人】
【識別番号】100174573
【弁理士】
【氏名又は名称】大坂 知美
(72)【発明者】
【氏名】▲瀬▼▲崎▼ 努
【審査官】北村 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-277524(JP,A)
【文献】特開2007-122542(JP,A)
【文献】特開2006-227670(JP,A)
【文献】特開2010-128772(JP,A)
【文献】特開2011-242696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/077
G09F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナおよびICチップを有するRFIDインレットを備えたRFIDラベルであって、
前記RFIDインレットが片面に貼付されたシート状のRFID保持部と、
前記RFID保持部の一方の長辺側に隣接して配置され、前記RFID保持部に前記RFIDインレットを挟んで貼り合わせられるシート状の貼合せ部と、
前記RFID保持部の一方の短辺側に連続し、物品に貼り付けられる第1貼付部と、
前記貼合せ部の前記第1貼付部に近い短辺側に連続し、物品に貼り付けられる第2貼付部と、
を備え、
前記第1貼付部と前記第2貼付部との境界に切れ目または切り離し得る脆弱部が形成されている、RFIDラベル。
【請求項2】
前記RFID保持部と前記貼合せ部との境界に第2脆弱部を有し、前記RFID保持部と前記第1貼付部との境界に第3脆弱部を有し、前記貼合せ部と前記第2貼付部との境界に第4脆弱部を有する、請求項1に記載のRFIDラベル。
【請求項3】
前記RFID保持部と前記貼合せ部とが前記RFIDインレットを挟んで貼り合わされ、かつ、前記第1貼付部および前記第2貼付部が、前記物品の表面に貼り付けられた状態で、
前記RFID保持部と前記貼合せ部との境界線の延伸方向は、前記第1貼付部および前記第2貼付部が貼り付けられた面に交わる、請求項1または2に記載のRFIDラベル。
【請求項4】
前記物品は、磁石または金属製品である、請求項1から3のいずれか1項に記載のRFIDラベル。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のRFIDラベルを有する、RFIDラベルロール。
【請求項6】
請求項1に記載のRFIDラベルを有する、RFIDラベルロールの製造方法であって、
前記RFID保持部と前記貼合せ部との境界に第2脆弱部を形成して、前記RFID保持部と前記貼合せ部とを区画し、
前記RFID保持部と前記第1貼付部との境界に、第3脆弱部を形成して、前記RFID保持部と前記第1貼付部とを区画し、
前記貼合せ部と前記第2貼付部との境界に第4脆弱部を形成して、前記貼合せ部と前記第2貼付部とを区画し、
前記第1貼付部と前記第2貼付部との境界に切れ目を形成して前記第1貼付部と前記第2貼付部とを区画する工程
を含むRFIDラベルロールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDラベル、RFIDラベルロールおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品や荷物などの物品に取り付けて当該物品の識別や管理を行うタグとして、外部との通信により、各種データが格納されたRFID(Radio Frequency Identification)の読み取りを非接触で行うことができるRFIDラベルを利用した個別認識システムが知られている。
【0003】
商品や製品に貼り付けられた、または紐付けされたRFIDラベルに格納された個体識別情報を外部読取装置にて、非接触で読み取ることにより、物流、流通では個々の商品や製品の現状把握が可能となるので、商品や製品の売上管理および在庫管理を効率的に行うことができる。
【0004】
RFIDインレットを含むRFIDラベルは、金属製品、液体の入った飲料容器または磁気を帯びた物品の表面に貼り付けられる。RFIDインレットと上記のような物品等とが近すぎると、RFIDラベルと外部読取装置との間の通信が、金属もしくは液体等による電磁波の吸収もしくは反射または磁気等による影響を受けて、当該通信が困難になる。
【0005】
このような問題に対して、特許文献1では、RFIDラベル内のICタグ保持部が貼付対象物品の貼付面から立ち上がるようにRFIDラベルを貼り付けることにより、貼付対象物品の影響を防止してRFIDラベルと外部読取装置との間の通信が困難とならないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2006-277524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されているRFIDラベルは、生産・流通過程において特許文献1の図2に示されるような連続体のロール物(「RFIDラベルロール」と言う場合もある)として取り扱われる。特許文献1の図2に示されるように、RFIDラベルロール内におけるRFIDラベルは、物品に貼り付けられる部分となる2つの貼付部、2つの貼付部の間に位置するRFID保持部および印字記録部といった複数の部分から構成されている。RFIDラベルは、RFIDラベルロール上で、一方の貼付部、ICタグ保持部、印字記録部および他方の貼付部が順にロールの長手方向に一列に配置されている。さらに、2つの貼付部の長辺はそれぞれ、RFID保持部および印字記録部のそれぞれの長辺と同じ長さに固定されている。RFIDラベルを物品に貼り付け、その貼り付けの安定性を確保するためには、ある程度の貼付部の面積を要する。
【0008】
特許文献1の図2に示される2つの貼付部の長辺はそれぞれ、RFID保持部および印字記録部の長辺と同じ長さに固定されているので、2つの貼付部のそれぞれの短辺の長さを調整することにより2つの貼付部のそれぞれの面積を調整してRFIDラベルの貼り付けの安定性を確保することになる。しかしながら、2つの貼付部のそれぞれの短辺の長さの調整によっては2つの貼付部のそれぞれの面積が不必要に大きくなる場合がある。その結果、RFIDラベルロール内において1つのRFIDラベルが占める面積が大きくなり、1つのRFIDラベルロールから製造されるRFIDラベルの数が少なくなるので、製造効率が低く、製造コストが増大するという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、1つのRFIDラベルが占める面積が低減されたRFIDラベルおよびRFIDラベルロール、ならびにRFIDラベルを効率的かつ安価に製造し得るRFIDラベルロールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点に係るRFIDラベルは、アンテナおよびICチップを有するRFIDインレットを備えたRFIDラベルであって、前記RFIDインレットが片面に貼付されたシート状のRFID保持部と、前記RFID保持部の一方の長辺側に隣接して配置され、前記RFID保持部に前記RFIDインレットを挟んで貼り合わせられるシート状の貼合せ部と、前記RFID保持部の一方の短辺側に連続し、物品に貼り付けられる第1貼付部と、前記貼合せ部の前記第1貼付部に近い短辺側に連続し、物品に貼り付けられる第2貼付部と、を備え、前記第1貼付部と前記第2貼付部との境界に切れ目または切り離し得る脆弱部が形成されている。
【0011】
上述のRFIDラベルは、前記RFID保持部と前記貼合せ部との境界に第2脆弱部を有し、前記RFID保持部と前記第1貼付部との境界に第3脆弱部を有し、前記貼合せ部と前記第2貼付部との境界に第4脆弱部を有してもよい。
【0012】
好ましくは、前記RFID保持部と前記貼合せ部とが前記RFIDインレットを挟んで貼り合わされ、かつ、前記第1貼付部および前記第2貼付部が、前記物品の表面に貼り付けられた状態で、前記RFID保持部と前記貼合せ部との境界線の延伸方向は、前記第1貼付部および前記第2貼付部が貼り付けられた面に交わる。
【0013】
前記物品は、磁石または金属製品であってもよい。
【0014】
本発明の第2の観点に係るRFIDラベルロールは、第1の観点に係るRFIDラベルを有する。
【0015】
本発明の第3の観点に係るRFIDラベルロールの製造方法は、第1の観点に係るRFIDラベルを有する、RFIDラベルロールの製造方法であって、前記RFID保持部と前記貼合せ部との境界に第2脆弱部を形成して、前記RFID保持部と前記貼合せ部とを区画し、前記RFID保持部と前記第1貼付部との境界に、第3脆弱部を形成して、前記RFID保持部と前記第1貼付部とを区画し、前記貼合せ部と前記第2貼付部との境界に第4脆弱部を形成して、前記貼合せ部と前記第2貼付部とを区画し、前記第1貼付部と前記第2貼付部との境界に切れ目を形成して前記第1貼付部と前記第2貼付部とを区画する工程を含む。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、1つのRFIDラベルが占める面積が低減されたRFIDラベルおよびRFIDラベルロール、ならびにRFIDラベルを効率的かつ安価に製造し得るRFIDラベルロールの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係るRFIDラベルロールに構成されたRFIDラベルの平面図である。
図2図1のA-A'線に沿った断面図である。
図3】実施の形態に係る、物品に貼り付けられたRFIDラベルの斜視図である。
図4】物品に貼り付けられた実施の形態に係るRFIDラベルと外部読取装置との位置関係を示す斜視図である。
図5】実施の形態に係る、RFIDラベルロールの製造方法を説明するための断面図である。
図6】実施の形態に係る、RFIDラベルロールの異なる製造方法を説明するための断面図である。
図7】実施の形態に係る、RFIDラベルロールのさらなる製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係るRFIDラベルおよびRFIDラベルロールについて図1から図4を参照しながら説明する。
【0019】
図1に示すように、RFIDラベルロール100は、一定幅の長い帯状の台紙120の上に、複数のRFIDラベル10が同じ向きに並んで形成されている。RFIDラベル10は、アンテナおよびICチップを有するRFIDインレット1を備える。RFIDインレット1は、特に限定されること無く公知のRFIDインレットが使用され得る。RFIDラベルロール100は、台紙120の長手方向に巻かれたロールとして保管、運搬される。
【0020】
RFIDラベル10は、RFIDインレット1が片面に貼付されるシート状のRFID保持部11と、RFID保持部11の一方の長辺側に隣接して配置され、RFID保持部11に貼り合わせられるシート状の貼合せ部12と、RFID保持部11の一方の短辺側に連続し、物品に貼り付けられる第1貼付部13と、貼合せ部12の第1貼付部13に近い短辺側に連続し、物品に貼り付けられる第2貼付部14と、を有する。第1貼付部13が配置されているRFID保持部11の短辺側は、第2貼付部14が配置されている貼合せ部12の短辺側と同じ側である。
【0021】
このように、第1貼付部13および第2貼付部14がそれぞれ、RFID保持部11および貼合せ部12のそれぞれの一方の短辺側に連続していると、第1貼付部13および第2貼付部14がそれぞれ、RFID保持部11および貼合せ部12のそれぞれの一方の長辺側に連続している場合と比べて、第1貼付部13および第2貼付部14のそれぞれの面積を小さくし得る。その理由は、固定される第1貼付部13および第2貼付部14のそれぞれの一辺の長さが、RFID保持部11および貼合せ部12のそれぞれの短辺の長さとなり、固定される第1貼付部13および第2貼付部14のそれぞれの一辺の長さがRFID保持部11および貼合せ部12のそれぞれの長辺の長さとなる場合に比べて、第1貼付部13および第2貼付部14のそれぞれが占める面積を細かく調整でき、必要以上に面積が大きくならないからである。
【0022】
RFIDラベルロール100において、1つのRFIDラベル10が占める面積を小さくできるので、1つのRFIDラベルロール100から製造されるRFIDラベル10の数を少なくすることなくRFIDラベル10を効率的に製造し得るので、製造コストが増大しにくい。
【0023】
RFIDラベル10は、第1貼付部13と第2貼付部14との境界に切れ目24が形成されている。RFIDラベル10は、RFID保持部11と貼合せ部12との境界に第2脆弱部21を有し、RFID保持部11と第1貼付部13との境界に第3脆弱部22を有し、貼合せ部12と第2貼付部14との境界に第4脆弱部23を有する。
【0024】
図2に示すように、RFID保持部11の裏側には粘着層31が形成され、粘着層31によりRFIDインレット1が貼付されている。同様に、貼合せ部12の裏面には粘着層31が形成され、RFID保持部11と貼合せ部12がRFIDインレット1を間に挟んで貼り合わせられたとき、粘着層31によりRFIDインレット1を保持する。貼合せ部12の表面には、RFIDラベル10が貼り付けられる物品の情報(例えば、商品名、商品番号、商品バーコードなど)が印字される場合もある。
【0025】
図2には示されていないが、第1貼付部13および第2貼付部14の裏面にはそれぞれ粘着層31が形成され、粘着層31により物品に貼り付けられる。RFIDラベル10を物品に貼り付ける前においては、粘着層31が形成されている台紙120がRFIDラベル10全体を支持する。台紙120は公知のものを使用し得る。台紙120に形成された粘着層31と接する面には、主としてシリコン等を用いた剥離剤層を設けた剥離処理が施されている。
【0026】
RFID保持部11、貼合せ部12、第1貼付部13および第2貼付部14は、特に限定されないが、厚さが188μmである発泡性PETから形成され得る。なお、「PET」は、ポリエチレンテレフタレートを表す。RFID保持部11、貼合せ部12、第1貼付部13および第2貼付部14をこのような素材から形成すると、非常にコシが強い素材であるので、RFIDラベル10を物品の表面に貼り付けた場合、RFID保持部11の長辺を物品の表面に対して交わる方向に安定して維持し得る。したがって、発泡性PETに限らず、RFID保持部11の長辺を物品の表面に対して垂直にしたまま安定して維持し得る素材からRFID保持部11、貼合せ部12、第1貼付部13および第2貼付部14を形成することが好ましい。上述の粘着層31はすべて、特に限定されること無く公知の粘着剤から形成され得る。
【0027】
第2脆弱部21、第3脆弱部22および第4脆弱部23はそれぞれ、RFIDラベル10を物品に貼り付ける際に、第2脆弱部21、第3脆弱部22および第4脆弱部23に沿って容易に折り曲げられるようにする部分である。第2脆弱部21、第3脆弱部22および第4脆弱部23はそれぞれ、折り曲げ線または容易に切り離されない程度のミシン目であり得る。
【0028】
RFIDラベル10を構成する各部分の寸法は、顧客の要求に応じて、またはRFIDラベル10を貼り付ける物品の形状などにより適宜決められ得る。
【0029】
RFIDラベル10では、第2脆弱部21で山折りされて、RFID保持部11と貼合せ部12とが貼り合わせられる。さらに、第3脆弱部22および第4脆弱部23でそれぞれ谷折りされて、RFID保持部11および貼合せ部12のそれぞれの長辺が第3脆弱部22および第4脆弱部23のそれぞれの表面に対して交わる方向となる。これにより、RFID保持部11の長辺は、第3脆弱部22および第4脆弱部23のそれぞれの表面に対して交わる方向となる。そして、図3に示すように、RFIDラベル10は、第1貼付部13および第2貼付部14のそれぞれの裏面に形成された粘着層31により、物品50の表面に貼り付けられる。物品50の表面に貼り付けられたRFIDラベル10は、RFID保持部11の長辺は、物品50の表面に対して交わる方向となる。物品50に貼り付けられたRFIDラベル10では、第2脆弱部21に対応する、RFID保持部11と貼合せ部12との境界線33の延伸方向は、RFIDラベル10が貼り付けられた物品50の表面に交わる方向である。
【0030】
例えば、物品50は金属製品であり得、RFIDインレット1の長辺が金属製品の表面に対して垂直となるように、RFIDインレット1は配置される。これにより、RFIDインレット1が金属製品から離れて宙に浮いているようにし得る。なお、金属製品は金属板を含む。このようにRFIDインレット1を金属製品上で宙に浮いたようにすると、金属製品の金属部分の影響を受けて電磁波が当該金属部分に吸収もしくは反射または磁気に影響されることがなく、RFIDインレット1と外部読取装置200との間の通信が困難になりにくい。さらに、RFIDラベル10を直接金属製品に貼り付けるだけでなく、RFIDラベル10をシート状の磁石に貼り付け、RFIDラベル10が貼り付けられたシート状の磁石を金属製品に吸着させてもよい。これにより、RFIDラベル10を複数の金属製品に対して貼り付けおよび剥離を繰り返して使用することができる。したがって、物品50は磁石であり得る。
【0031】
RFID保持部11と貼合せ部12とは、分離していてもよい。その場合、第2脆弱部21は、切れ目である。RFID保持部11と貼合せ部12とが分離している場合、例えば、台紙120の一部を剥がしてRFID保持部11の一部と貼合せ部12の一部とを貼り合わせたのち、RFID保持部11と貼合せ部12の台紙120を剥がして、RFID保持部11と貼合せ部12とを全体に貼り合わせる。そののち、第1貼付部13および第2貼付部14の台紙120を剥がして、物品50の表面に貼り付ける。
【0032】
図3に示すように、RFIDラベル10を物品50に貼り付けた場合、上述したように、RFIDインレット1の長辺は、物品50の表面に対して垂直となる。一般的に、RFIDインレット1に格納されている情報を読み取る外部読取装置200のアンテナの延伸方向とRFIDインレット1の長辺とが正対している場合の方が、外部読取装置200のアンテナの延伸方向とRFIDインレット1の短辺とが正対している場合よりも、通信距離が長く、通信が安定し得る。
【0033】
図4に示すように、RFIDラベル10を物品50に貼り付けることで、外部読取装置200のアンテナの延伸方向とRFIDインレット1の長辺とが正対する範囲は、図4に示すようなRFIDラベル10を中心とした360度の範囲となり得、この範囲内では安定して通信が行われ得る。一方で、RFIDインレット1の長辺が物品50の表面に対して平行となるようにRFIDラベル10を物品50に貼り付けると、RFIDラベル10が貼り付けられていない物品50の裏側からでは、安定した通信が行われない。よって、RFIDインレット1の長辺が物品50の表面に対して垂直となるようにRFIDラベル10を物品50に貼り付けた場合の方が、RFIDインレット1の長辺が物品50の表面に対して平行となるようにRFIDラベル10を物品50に貼り付けた場合と比べて、安定して通信を行える範囲が広い。
【0034】
次に、本発明の実施の形態に係るRFIDラベルロール100の製造方法を説明する。
【0035】
本発明の実施の形態に係るRFIDラベル10を有するRFIDラベルロール100の製造方法は、RFID保持部11と貼合せ部12との境界に第2脆弱部21を形成してRFID保持部11と貼合せ部12とを区画し、RFID保持部11と第1貼付部13との境界に第3脆弱部22を形成してRFID保持部11と第1貼付部13とを区画し、貼合せ部12と第2貼付部14との境界に第4脆弱部23を形成して貼合せ部12と第2貼付部14とを区画し、第1貼付部13と第2貼付部14との境界に切れ目24を形成して第1貼付部13と第2貼付部14とを区画する工程を含む。このようなRFIDラベルロール100の製造方法により、RFIDラベル10の搬送方向において、上述のように1つのRFIDラベル10が占める面積を小さくし得、1つのRFIDラベルロール100から製造されるRFIDラベル10の数を少なくすること無くRFIDラベル10を効率的に製造し得るので、製造コストが増大しにくい。
【0036】
なお、RFIDラベル10の搬送方向は、図1に示される太矢印Yが示す方向である。さらに、RFIDラベル10の搬送方向に沿って、RFIDラベル10のRFID保持部11、貼合せ部12、第1貼付部13および第2貼付部14が一列に並んで配置される場合と比較して、本実施の形態では、RFID保持部11と第1貼付部13とがRFIDラベル10の搬送方向と直交する幅方向に隣接して配置され、かつ、貼合せ部12および第2貼付部14とが、幅方向に隣接して配置される。そして、RFID保持部11および貼合せ部12の短辺が搬送方向に平行に配置されることにより、RFIDラベル10の搬送方向と平行な方向のRFIDラベル10の長さを短くすることができるため、RFIDラベルロール100の直径を小さくし得る。
【0037】
次に、図5を参照しながら、本発明の実施形態に係るRFIDラベルロール100の製造方法を説明する。なお、図5では、簡略化のために1つのRFIDラベル10に対応する部分のみ示している。
【0038】
まず、図5に示すように、両面テープ160と、RFIDインレット1と、タック紙170とを用意する。RFIDインレット1としてドライインレットを使用する。両面テープ160は、台紙120および剥離紙140とその間に形成された粘着層31とから構成される。両面テープ160は、公知のものを使用し得る。タック紙170は、剥離紙140と基材130とその間に形成された粘着層31とから構成される。基材130は、厚さ188μmの発泡性PETから形成されている。剥離紙140は公知のものである。
【0039】
次いで、公知の方法で、両面テープ160が有する剥離紙140を剥離し、タック紙170から剥離紙140を剥離する。
【0040】
次いで、公知の方法で、両面テープ160に形成された粘着層31と基材130に形成された粘着層31との間にRFIDインレット1を配置し、RFIDラベルシート150を形成する。
【0041】
その後、RFIDインレット1にIC情報の書き込みを公知の方法で行う。このIC情報の書き込みが無い場合もあり得る。その後、所望のRFIDラベル形状となるように基材130の一部をカットする。この際、上記の第2脆弱部21、第3脆弱部22、第4脆弱部23および切れ目24も形成される。RFID保持部11と貼合せ部12との境界に第2脆弱部21を形成してRFID保持部11と貼合せ部12とが区画される。RFID保持部11と第1貼付部13との境界に第3脆弱部22を形成してRFID保持部11と第1貼付部13とが区画される。貼合せ部12と第2貼付部14との境界に第4脆弱部23を形成して貼合せ部12と第2貼付部14とが区画される。第1貼付部13と第2貼付部14との境界に切れ目24を形成して第1貼付部13と第2貼付部14とが区画される。基材130の一部カットと第2脆弱部21、第3脆弱部22、第4脆弱部23および切れ目24の形成とを上記のカットする工程と同一工程内で行うことにより、工程数を増大させないため、製造コストを削減し得る。なお、RFIDラベル形状は、顧客の要求に応じて、またはRFIDラベル10を貼り付ける物品の形状などにより適宜決められ得る。
【0042】
次に、公知の方法でカットされた切れ端などを取り除く。この工程は、カス取り工程と呼ばれる場合がある。
【0043】
最後に、RFIDラベルシート150をロール状に巻き取っていき、RFIDラベルロール100とする。
【0044】
次に、図6を参照しながら、本発明の実施の形態に係るRFIDラベルロール100の異なる製造方法を説明する。なお、図6では、簡略化のために1つのRFIDラベル10に対応する部分のみ示している。
【0045】
図6に示すRFIDラベルロール100の製造方法では、図5に示したRFIDラベルロール100の製造方法において使用される両面テープ160の代わりに、台紙120とホットメルト粘着剤とが使用される。
【0046】
まず、図6に示すように、タック紙170を用意し、公知の方法で、タック紙170の剥離紙140を剥離する。
【0047】
次に、RFIDインレット1と台紙120とを用意し、公知の方法で、ホットメルト粘着剤から形成されたホットメルト粘着層31'を台紙120上に形成する。ホットメルト粘着剤は、特に限定されること無く、公知のものが使用される。具体的には、エチレン酢酸ビニル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、合成ゴム系、アクリル系、ポリウレタン系などのホットメルト粘着剤が使用され得る。
【0048】
次いで、公知の方法で、台紙120に形成されたホットメルト粘着層31'と基材130に形成された粘着層31との間にRFIDインレット1を配置し、RFIDラベルシート150を形成する。
【0049】
次いで、上述したように、基材130の一部をカットして、所望のRFIDラベル形状にする。この際、上記の第2脆弱部21、第3脆弱部22、第4脆弱部23および切れ目24も形成される。次いで、上述したように、カットされた切れ端などを取り除く。
【0050】
最後に、RFIDラベルシート150をロール状に巻き取っていき、RFIDラベルロール100とする。
【0051】
次に、図7を参照しながら、本発明の実施の形態に係るRFIDラベルロール100のさらなる製造方法を説明する。なお、図7では、簡略化のために1つのRFIDラベル10に対応する部分のみ示している。
【0052】
まず、図7に示すように、タック紙170を用意し、公知の方法で、タック紙170の剥離紙140を剥離する。
【0053】
次に、粘着層31が形成されたRFIDインレット1と台紙120とを用意する。粘着層31が形成されたRFIDインレット1は、ウエットインレットと呼ばれる場合がある。
【0054】
次いで、公知の方法で、基材130に形成された粘着層31にRFIDインレット1を配置し、RFIDインレット1に形成された粘着層31に台紙120を配置する。これにより、RFIDインレット1は、基材130の粘着層31とRFIDインレット1の粘着層31との間に配置される。さらに、それらを間に挟むように基材130および台紙120が配置される。
【0055】
次いで、上述したように、基材130の一部をカットして、所望のRFIDラベル形状にする。この際、上記の第2脆弱部21、第3脆弱部22、第4脆弱部23および切れ目24も形成される。次いで、上述したように、カットされた切れ端などを取り除く。
【0056】
最後に、RFIDラベルシート150をロール状に巻き取っていき、RFIDラベルロール100とする。
【0057】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。上記の実施の形態では、第2脆弱部21、第3脆弱部22および第4脆弱部23が形成されている。しかし、本発明はこれに限定されない。本発明では、第2脆弱部21、第3脆弱部22および第4脆弱部23を形成しなくとも、RFIDラベル10を物品50に貼り付ける際に、RFIDラベル10の第2脆弱部21、第3脆弱部22および第4脆弱部23に対応する部分で折り曲げることは可能である。
【0058】
上記の実施形態では、切れ目24が形成されているが、本発明はこれに限定されない。切れ目24の代わりに第2脆弱部21、第3脆弱部22および第4脆弱部23のうちの少なくとも1つよりもより容易に切り離すことができる脆弱部を形成してもよい。例えば、脆弱部は、第1貼付部13と第2貼付部14とを切り離すことができる程度のミシン目である。
【0059】
上記の実施形態では、RFIDラベル10が貼り付けられる物品は、金属製品または磁石であるが、本発明はこれに限定されない。本発明は、物品の管理等が必要な物品に適用可能である。例えば、衣料品や食品等にも適用可能である。
【0060】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱すること無く、様々な実施形態および変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内およびそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0061】
1 RFIDインレット
10 RFIDラベル
11 RFID保持部
12 貼合せ部
13 第1貼付部
14 第2貼付部
21 第2脆弱部
22 第3脆弱部
23 第4脆弱部
24 切れ目
31 粘着層
31' ホットメルト粘着層
33 境界線
50 物品
100 RFIDラベルロール
120 台紙
130 基材
140 剥離紙
150 RFIDラベルシート
160 両面テープ
170 タック紙
200 外部読取装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7