(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】車載装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20230508BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20230508BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G08G1/0969
G01C21/26 B
(21)【出願番号】P 2018000233
(22)【出願日】2018-01-04
【審査請求日】2020-11-25
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 遼
(72)【発明者】
【氏名】井上 諭
(72)【発明者】
【氏名】湯澤 芳明
(72)【発明者】
【氏名】青木 光夫
(72)【発明者】
【氏名】篤 幸太郎
(72)【発明者】
【氏名】新沼 俊輝
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/146582(WO,A1)
【文献】特開2012-137361(JP,A)
【文献】特開2006-317758(JP,A)
【文献】特開平09-088369(JP,A)
【文献】特開2016-180655(JP,A)
【文献】特開2016-197314(JP,A)
【文献】特開2004-150975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも出入口、階、旋回領域および旋回条件を含む立体駐車場ごとに設定されたデータを記憶した記憶部と、
自車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記自車両の旋回量を検出する旋回検出部と、
前記記憶部で記憶したデータから前記自車両の位置する前記立体駐車場を特定し、前記立体駐車場内において検出された前記旋回量に基づいて、前記自車両の位置する階を特定し、前記立体駐車場ごとに設定された、前記旋回量に関する条件である旋回条件を満たすと、前記自車両の位置する階が変更したと判定する階特定部と、
を備え、
前記旋回条件には、前記立体駐車場のうち、予め設定された旋回領域に前記自車両が位置すること
、および、前記自車両の位置する階が変更したと判定される旋回量の大きさが含まれ、
前記立体駐車場ごとに、前記自車両の位置する階が変更したと判定される旋回量の大きさが設定され、
前記階特定部は、
前記自車両が前記旋回領域に進入してから前記旋回領域内に位置しなくなるまでの間において前記旋回量を積算し、前記旋回量の積算値に基づいて、何階分の階移動があったかを判定
し、
前記旋回領域が下の階に移動するための領域であるか上の階に移動するための領域であるかに基づいて、前記自車両が上の階に移動したか下の階に移動したかを判断する車載装置。
【請求項2】
前記旋回検出部は、前記位置情報に基づいて前記旋回量を検出する請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記旋回条件には、旋回方向と前記自車両の位置する階の移動方向との対応関係が含まれる請求項1
または2に記載の車載装置。
【請求項4】
前記自車両の位置する階を示す階情報を含む駐車情報をサーバに送信するとともに、複数の車両における前記駐車情報を集約した前記サーバから前記立体駐車場における空き情報を受信する通信部
を備える請求項1から
3のいずれか1項に記載の車載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、立体駐車場における自車両の駐車階を、坂道と平坦な道路の走行パターンから推定する技術が公開されている(例えば、特許文献1)。例えば、1階から坂道を2回上って駐車した場合、駐車階は3階と判定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の技術では、階を移動する坂道の間に平坦な道路が形成されていなければ、駐車階の特定ができない。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑み、自車両の駐車階を適切に特定することが可能な車載装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の車載装置は、少なくとも出入口、階、旋回領域および旋回条件を含む立体駐車場ごとに設定されたデータを記憶した記憶部と、自車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、自車両の旋回量を検出する旋回検出部と、記憶部で記憶したデータから自車両の位置する立体駐車場を特定し、立体駐車場内において検出された旋回量に基づいて、自車両の位置する階を特定するし、立体駐車場ごとに設定された、旋回量に関する条件である旋回条件を満たすと、自車両の位置する階が変更したと判定する階特定部と、を備え、旋回条件には、立体駐車場のうち、予め設定された旋回領域に自車両が位置すること、および、自車両の位置する階が変更したと判定される旋回量の大きさが含まれ、立体駐車場ごとに、自車両の位置する階が変更したと判定される旋回量の大きさが設定され、階特定部は、自車両が旋回領域に進入してから旋回領域内に位置しなくなるまでの間において旋回量を積算し、旋回量の積算値に基づいて、何階分の階移動があったかを判定し、旋回領域が下の階に移動するための領域であるか上の階に移動するための領域であるかに基づいて、自車両が上の階に移動したか下の階に移動したかを判断する。
【0007】
旋回検出部は、位置情報に基づいて旋回量を検出してもよい。
【0011】
旋回条件には、旋回方向と自車両の位置する階の移動方向との対応関係が含まれてもよい。
【0012】
自車両の位置する階を示す階情報を含む駐車情報をサーバに送信するとともに、複数の車両における駐車情報を集約したサーバから立体駐車場における空き情報を受信する通信部を備えてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、自車両の駐車階を適切に特定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】駐車場空情報管理システムの概略を示す概略図である。
【
図4】立体駐車場を水平方向から見た簡略図である。
【
図5】立体物領域特定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0016】
図1は、駐車場空情報管理システム100の概略を示す概略図である。
図1に示すように、駐車場空情報管理システム100は、車載装置102と、サーバ104とを含んで構成される。
【0017】
車載装置102は、複数の車両106に搭載される。車載装置102は、基地局108、インターネット(例えば、V2N:Vehicle-to-cellular-Network)、路車間通信(V2I:Vehicle-to-roadside-Infrastructure)、車車間通信(V2V:Vehicle-to-Vehicle)などからなる通信網110を介してサーバ104と通信を確立する。車載装置102は、後述する立体駐車場の駐車情報をサーバ104に送信する。
【0018】
サーバ104は、通信網110を介して、複数の車載装置102と通信を確立する。サーバ104は、複数の車載装置102から送信された駐車情報を集約して、立体駐車場の空き情報を生成し、車載装置102に送信する。車載装置102は、サーバ104から取得した空き情報などを表示する。空き情報については後に詳述する。
【0019】
図2は、車載装置102の構成を示す図である。車載装置102は、例えば、カーナビゲーション装置であり、制御部120、記憶部130、操作部132、表示部134、GPS受信機136、車速センサ138、ヨーレートセンサ140、無線通信部142を含んで構成されており、車両106内に載置される。
【0020】
制御部120は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路で構成されている。また、制御部120には、記憶部130、操作部132、表示部134、GPS受信機136、車速センサ138、ヨーレートセンサ140、無線通信部(通信部)142が接続されている。
【0021】
記憶部130は、HDD(Hard Disk Drive)やDVD-ROM、メモリカード等の記録媒体でなり、車両106が走行可能な道路の情報が対応付けられた地図画像を含む地図データが記憶されている。また、地図データには、詳しくは後述するように、立体駐車場に関する詳細情報(出入口、階、道路、駐車スペース、後述の旋回領域などの配置、および、後述の旋回条件など)が含まれている。詳細情報は、通信網110を介してサーバ104から取得された最新情報によって適時アップデートされる。
【0022】
操作部132は、表示部134の画面上に配置されたタッチパネルや、表示部134の周辺に配置されたボタンスイッチ等でなり、ユーザからの操作を受け付ける。表示部134は、液晶ディスプレイなどからなり、地図データに基づく地図画像などを表示する。
【0023】
GPS受信機136は、複数のGPS衛星からGPS信号(測位情報)を予め定められた周期で受信し、受信したGPS信号を制御部120に送信する。車速センサ138は、車両106の速度を検出し、検出した速度を示す速度信号を制御部120に送信する。ヨーレートセンサ140は、車両106のヨーレート(回転角速度)を検出し、検出したヨーレートを示すヨーレート信号を制御部120に送信する。ここで、検出対象となる検出軸は、1軸であっても複数軸であってもよい。検出軸が多い方が車両106の後述する旋回量の検出精度が高精度となるが、少なくとも車両の鉛直軸回りの回転角速度が検出されるとよい。
【0024】
無線通信部142は、基地局108および通信網110を介してサーバ104と通信を確立し、サーバ104とデータの送受信を行う。
【0025】
このような構成の車載装置102では、制御部120が、車両106の走行中に、車両106の現在位置を地図画像上に重畳して表示するとともに、ユーザによって指定された目的地までのルートを案内するナビゲーション処理を実行する。
【0026】
制御部120は、ナビゲーション処理を実行する際、ROMおよびRAMと協働し、位置情報取得部150、地図データ取得部152、誘導経路探索部154、表示制御部156、旋回検出部158、階特定部160、通信制御部162として機能する。以下では、ナビゲーション処理について詳述する。
【0027】
位置情報取得部150は、GPS受信機136によりGPS信号を受信可能な場合に、GPS受信機136により取得されたGPS信号に基づいて、車両(自車両)106の現在位置(経度および緯度)を導出(取得)する。
【0028】
詳細に説明すると、GPS信号には、GPS衛星の衛星軌道情報および送信時の時刻情報が含まれている。位置情報取得部150は、送受信にかかった時間に基づいて、GPS衛星からの離間距離を特定する。GPS衛星を中心とする半径が離間距離の球状範囲に車載装置102が位置する。位置情報取得部150は、4つのGPS衛星からのGPS信号から特定される球状範囲から、車両106の位置情報を導出する。
【0029】
地図データ取得部152は、位置情報取得部150により特定された現在位置を基準として、予め設定された縮尺に対応する範囲の地図データを記憶部130から読み出す。そして、表示制御部156は、地図データ取得部152によって読み出された地図データに対応する地図画像を表示部134に表示する。また、表示制御部156は、位置情報取得部150により取得された現在位置を示すアイコンを地図画像に重ねて表示する。
【0030】
誘導経路探索部154は、ユーザにより操作部132を介して目的地が入力された際に、現在位置(出発地)を基準として、ユーザにより入力された目的地までの誘導経路を、記憶部130に記憶された地図データを参照して探索する。表示制御部156は、誘導経路探索部154により誘導経路が探索された場合、誘導経路を地図画像に重ねて表示する。
【0031】
ところで、上記のように、地図データには、立体駐車場に関する詳細情報が含まれている。車両106が立体駐車場に進入すると、車載装置102は、立体駐車場の内部においてもナビゲーション処理を遂行する。
【0032】
図3は、立体駐車場180の一例を示す図である。
図3に示すように、立体駐車場180は、例えば、5階建である。立体駐車場180には、破線で囲んで示す駐車領域182、一点鎖線で囲んで示す旋回領域184、186が設けられている。駐車領域182には、車両106の駐車スペース、車両106が移動する道路が含まれる。旋回領域184には、車両106が下の階に移動するための坂道(スロープ)が含まれる。旋回領域186には、車両106が上の階に移動するための坂道が含まれる。
【0033】
また、駐車領域182、旋回領域184、186には側壁が設けられていない。このように、立体駐車場180は開放型の構造となっている。そのため、車両106が立体駐車場180の内部に位置しても、車載装置102は、GPS信号の受信が可能である。
【0034】
しかし、車載装置102は、立体駐車場180のうち、屋上以外では、鉛直上方からのGPS信号を受信することができない。上記のように、GPSでは、GPS衛星を中心とする離間距離によって、車両106の位置情報を導出する。このとき、鉛直上方からのGPS信号が取得されないと、平面方向の位置精度はある程度確保できるが、高さ方向の位置精度が低くなってしまう。
【0035】
図4は、立体駐車場180を水平方向から見た簡略図である。
図4に示す駐車領域182の1階の駐車スペース188a、2階の駐車スペース188b、3階の駐車スペース188c、4階の駐車スペース188d、5階の駐車スペース188eは、互いに水平方向の位置が等しく、高さ方向に重なっている。
【0036】
例えば、車両106が駐車スペース188aに駐車したとする。この場合、車載装置102の位置情報取得部150では、駐車スペース188a、188b、188c、188d、188eのいずれかに駐車したことが導出される。しかし、立体駐車場180の内部においては、GPSによる駐車階の特定が困難である。そのため、位置情報取得部150だけでは、駐車スペース188a、188b、188c、188d、188eのいずれに駐車したかを特定できない。
【0037】
そこで、旋回検出部158は、位置情報取得部150が導出した車両106の位置情報に基づいて、車両106の旋回量を導出(検出)する。ここで、旋回検出部158は、車両106の位置情報の代わりに、ヨーレートセンサ140の出力に基づいて、車両106の旋回量を導出してもよい。旋回検出部158は、車両106のハンドル操作量および車速に基づいて、車両106の旋回量を導出してもよい。また、旋回検出部158は、これらの情報を総合的に判断して、車両106の旋回量を導出してもよい。
【0038】
階特定部160は、旋回検出部158が立体駐車場180内において検出した旋回量に基づいて、車両106の位置する階(例えば、走行階、駐車階)を特定する。階特定部160は、旋回条件を満たすと、車両106の走行階が変更したと判定する。旋回条件は、立体駐車場180ごとに設定された、旋回量に関する条件である。上記のように、記憶部130には、立体駐車場180の詳細情報が記憶されている。この詳細情報に旋回条件が含まれる。
【0039】
旋回条件としては、例えば、予め設定された旋回領域184、186に車両106が位置することが含まれる。階特定部160は、旋回領域184、186に車両106が位置するときの旋回量のみを積算する。
【0040】
また、旋回条件には、走行階(車両106が位置する階)が変更したと判定される旋回量の大きさが含まれる。旋回領域184、186で所定角度(例えば、180度、270度、または、360度など)以上の旋回量が検出されると、走行階が移動したと判定される。
【0041】
また、
図3、
図4に示す立体駐車場180の一例では、下の階に移動する旋回領域184、上の階に移動する旋回領域186がそれぞれ設けられている。旋回領域184の配置、および、旋回領域186の配置は、上記の詳細情報に含まれている。
【0042】
階特定部160は、旋回領域184で所定角度以上の旋回量が検出されると、走行階が1つ下の階に移動したと判定する。階特定部160は、旋回領域186で所定角度以上の旋回量が検出されると、走行階が1つ上の階に移動したと判定する。
【0043】
また、立体駐車場180によっては、下の階に移動する旋回領域184、上の階に移動する旋回領域186が個別に設けられていなかったり、旋回領域184、186の範囲が重なって配置されていたりする場合がある。このとき、旋回方向によって、上の階への移動と下の階への移動が識別できる場合がある。
【0044】
このような立体駐車場180についての旋回条件には、旋回方向と走行階の移動方向との対応関係が含まれている。階特定部160は、旋回方向によって、走行階の移動方向を特定する。
【0045】
通信制御部162は、駐車情報を、所定周期でサーバ104に送信する。駐車情報には、階特定部160が特定した、車両106の位置する階を示す階情報、および、位置情報取得部150が導出した車両106の位置情報が含まれる。サーバ104は、車載装置102から送信された駐車情報から、車両106が駐車スペースに位置していることを判定し、その車載装置102との通信が所定時間以上停止していると、最後に送信された駐車情報が示す駐車スペースに車両106が駐車したと判定する。
【0046】
ただし、車両106が駐車した後に、車載装置102がサーバ104と通信可能である場合、通信制御部162は、車両106の駐車を検知した後、サーバ104に駐車情報を送信してもよい。この場合、階特定部160は、車両106の走行階を随時特定せずに、駐車後に駐車階を特定してもよい。
【0047】
サーバ104は、複数の車両106(車載装置102)における駐車情報を集約する。サーバ104は、例えば、立体駐車場180に駐車しているすべての車両106の駐車情報を受信して分析することで、立体駐車場180における駐車スペースの空き情報を生成する。サーバ104は、生成した空き情報を、起動中の車載装置102に送信する。
【0048】
通信制御部162は、サーバ104から空き情報を受信する。表示制御部156は、立体駐車場180の詳細情報に基づいたナビゲーション処理において、表示部134に空き情報を表示させる。このとき、表示制御部156は、例えば、車両106が走行している走行階において空いている駐車スペースを抽出するなど、空き情報を加工して表示部134に表示させてもよい。
【0049】
このように、車載装置102が走行階を特定することで、立体駐車場180の駐車スペースの空き情報が生成可能となる。その結果、ユーザは、立体駐車場180のうち、空いている駐車位置まで把握することができる。また、例えば、自動運転機能を搭載した車両106の場合、駐車までの自動運転制御が可能となる。
【0050】
図5は、立体物領域特定処理の流れを示すフローチャートである。
図5に示す立体物領域特定処理は、所定間隔で繰り返し実行される。
【0051】
(S200)
位置情報取得部150は、位置情報取得部150が導出した位置情報により、車両106が立体駐車場180内に位置するか否かを判定する。ここで、位置情報取得部150は、例えば、立体駐車場180の入口を通過し、出口を通過していないことを以て、車両106が立体駐車場180内に位置すると判定してもよい。立体駐車場180内に位置する場合、ステップS202に処理を移す。立体駐車場180内に位置しない場合、当該立体物領域特定処理を終了する。
【0052】
(S202)
位置情報取得部150は、位置情報取得部150が導出した位置情報により、車両106が旋回領域184、186内に位置するか否かを判定する。旋回領域184、186内に位置する場合、ステップS204に処理を移す。旋回領域184、186内に位置しない場合、ステップS206に処理を移す。
【0053】
(S204)
旋回検出部158は、旋回領域184、186に進入してから起算している旋回量の積算値に、前回ステップS204を実行してから旋回した旋回量を積算して、当該立体物領域特定処理を終了する。
【0054】
(S206)
旋回検出部158は、前回の立体物領域特定処理において、車両106が旋回領域184、186内に位置していたか否かを判定する。車両106が旋回領域184、186内に位置していた場合、ステップS208に処理を移す。車両106が旋回領域184、186内に位置していなかった場合、ステップS210に処理を移す。
【0055】
(S208)
旋回検出部158は、旋回量の積算値から、何階分の階移動があったかを判定する。階特定部160は、旋回領域184、186に進入する前の走行階に対して、階移動分を加減算して、車両106の位置する階を特定する。このとき、旋回積算値が、旋回領域184による旋回量の積算値であれば減算し、旋回積算値が、旋回領域186による旋回量の積算値であれば加算する。
【0056】
(S210)
通信制御部162は、サーバ104に駐車情報を送信してから所定時間が経過して、駐車情報の送信タイミングになったか否かを判定する。送信タイミングになった場合、ステップS212に処理を移し、送信タイミングになっていない場合、当該立体物領域特定処理を終了する。
【0057】
(S212)
通信制御部162は、サーバ104に駐車情報(階情報および位置情報)を送信して、当該立体物領域特定処理を終了する。
【0058】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0059】
例えば、上述した実施形態では、旋回条件には、立体駐車場180のうち、予め設定された旋回領域184、186に車両106が位置することが含まれる場合について説明した。しかし、旋回条件として、旋回領域184、186に車両106が位置することが含まれずともよい。例えば、階特定部160は、立体駐車場180における任意の位置での旋回量によって、走行階を特定してもよい。ただし、旋回条件に、立体駐車場180のうちの旋回領域184、186に車両106が位置することを含めることで、走行階の特定精度が向上する。
【0060】
また、立体駐車場180ごとに設定された旋回条件には、走行階を変更したと判定される旋回量の大きさが含まれる場合について説明した。しかし、走行階を変更したと判定される旋回量の大きさは、立体駐車場180ごとに個別に設定されずともよい。ただし、立体駐車場180ごとに、走行階を変更したと判定される旋回量の大きさが設定されることで、走行階の特定精度が向上する。
【0061】
また、上述したように、旋回条件には、旋回方向と走行階の移動方向との対応関係が含まれてもよい。この場合、旋回領域184、旋回領域186が個別に設けられていないような立体駐車場180でも、走行階の特定が可能となり、汎用性が向上する。
【0062】
また、上述した実施形態では、無線通信部142は、駐車情報をサーバ104に送信するとともに、サーバ104から、立体駐車場180における空き情報を受信する場合について説明した。ただし、サーバ104は必須構成ではない。例えば、無線通信部142が、自車両の位置する階を示す階情報を運転手の携帯端末に通知してもよい。この場合、運転手の駐車階の失念に対処できることになる。
【0063】
また、上述した実施形態では、旋回検出部158は、位置情報取得部150が導出した車両106の位置情報に基づいて、車両106の旋回量を導出(検出)する場合について説明した。しかし、旋回検出部158は、例えば、車載の撮像装置が撮像した撮像画像データに基づいて、車両106の旋回量を導出してもよい。
【0064】
また、上述した実施形態では、車載装置102がカーナビゲーション装置である場合について説明した。しかし、車載装置102は、車両106に搭載されるカーナビゲーション装置以外の装置であってもよい。
【0065】
なお、本明細書の立体物領域特定処理の各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、車両に搭載された車載装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0067】
102 車載装置
104 サーバ
106 車両(自車両)
142 無線通信部(通信部)
150 位置情報取得部
158 旋回検出部
160 階特定部
180 立体駐車場
184、186 旋回領域