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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】高圧端子の冷却構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20230508BHJP
   F28D 15/02 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
H05K7/20 R
H05K7/20 F
F28D15/02 101H
F28D15/02 104A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018083453
(22)【出願日】2018-04-24
(65)【公開番号】P2018186272
(43)【公開日】2018-11-22
【審査請求日】2020-12-16
(31)【優先権主張番号】P 2017085043
(32)【優先日】2017-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【弁理士】
【氏名又は名称】小室 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】ランディープ シン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ロン タン
(72)【発明者】
【氏名】高橋 真
(72)【発明者】
【氏名】堀内 康洋
【審査官】菊地 陽一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0124381(US,A1)
【文献】特開2015-018993(JP,A)
【文献】特開平09-329394(JP,A)
【文献】国際公開第2014/157147(WO,A1)
【文献】特開2000-060106(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0219406(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
F28D 15/02
B60L 50/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧端子と、
第1端部および第2端部を有する少なくとも1つの第1ヒートパイプと、
伝熱機構と、
前記第2端部に接する放熱機構と、を備え、
前記放熱機構は、
冷却液の流入口および流出口を有するコールドプレート、または並列された複数のフィンを有するヒートシンクであり、
前記伝熱機構は、前記高圧端子および前記第1ヒートパイプの前記第1端部の両者に接し、かつベーパーチャンバーまたは第2ヒートパイプであ
前記ベーパーチャンバーは、ウィックと、当該ウィックが内部に配置されたコンテナと、を有し、
前記ウィックの、前記高圧端子側に位置する前記コンテナの内面に接する領域は、前記第1ヒートパイプ側に位置する前記コンテナの内面に接する領域よりも広い、高圧端子の冷却構造。
【請求項2】
前記伝熱機構は、前記高圧端子と前記第1ヒートパイプとを電気的に絶縁する絶縁体を有している、請求項1に記載の高圧端子の冷却構造。
【請求項3】
前記ベーパーチャンバーは、導電性を有するコンテナを有し、
前記絶縁体が、前記コンテナと前記第1ヒートパイプとの間および前記コンテナと前記高圧端子との間に挟まれている、請求項2に記載の高圧端子の冷却構造。
【請求項4】
前記第1ヒートパイプの作動流体は、非導電性液体である、請求項1から3のいずれか1項に記載の高圧端子の冷却構造。
【請求項5】
前記ベーパーチャンバーまたは前記第2ヒートパイプは、作動流体として非導電性液体を用いる、請求項1から4のいずれか1項に記載の高圧端子の冷却構造。
【請求項6】
前記伝熱機構は、前記高圧端子と前記第1ヒートパイプの前記第1端部との間に設けられている、請求項1に記載の高圧端子の冷却構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧端子の冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、電気自動車およびハイブリッド自動車などの電動車両に用いられる給電コネクタを開示している。この給電コネクタは、二次電池などの給電対象物と、外部の電源と、を電気的に接続するために用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-187282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の給電コネクタには、給電対象物を急速に充電するために、その端子(以下、高圧端子という)に大きな電流が流される場合がある。大電流を流すと高圧端子が発熱して高温となる。給電コネクタを冷却する構成として、特許文献1では通風装置を用いた冷却構造が開示されている。しかしながら、高圧端子をより効率よく冷却するための冷却構造が求められている。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、給電コネクタ(本発明における高圧端子)を効率よく冷却できる冷却構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1態様に係る高圧端子の冷却構造は、高圧端子と、第1端部および第2端部を有する少なくとも1つのヒートパイプと、前記高圧端子および前記第1端部の両者に接する伝熱機構と、前記第2端部に接する放熱機構と、を備え、前記放熱機構は、冷却液の流入口および流出口を有するコールドプレート、または並列された複数のフィンを有するヒートシンクである。
【0007】
上記態様に係る高圧端子の冷却構造によれば、高圧端子から放熱機構へと、伝熱機構およびヒートパイプを介して熱を効率よく輸送することができる。これにより、高圧端子を効率よく冷却することができる。
【0008】
また、前記伝熱機構は、前記高圧端子と前記第1ヒートパイプとを電気的に絶縁する絶縁体を有していてもよい。
【0009】
この場合、高圧端子と第1ヒートパイプとを電気的に絶縁して、例えば高圧端子に流れる電流が第1ヒートパイプを介して漏電してしまうのを抑えることができる。
【0010】
また、前記伝熱機構はベーパーチャンバーであり、前記ベーパーチャンバーは、導電性を有するコンテナを有し、前記絶縁体が、前記コンテナと前記第1ヒートパイプとの間および前記コンテナと前記高圧端子との間に挟まれていてもよい。
【0011】
この場合、金属などでコンテナを形成したとしても、高圧端子に流れる電流がコンテナ若しくは第1ヒートパイプを介して漏電してしまうのを抑えることができる。
【0012】
また、前記第1ヒートパイプの作動流体は、非導電性液体であってもよい。
また、前記伝熱機構は、作動流体として非導電性液体を用いるベーパーチャンバーまたは第2ヒートパイプであってもよい。
【0013】
これらの場合、仮に作動流体が第1ヒートパイプ若しくは伝熱機構から漏れ、作動流体で高圧端子が濡れたとしても、高圧端子に通電される電流が漏電してしまうのを抑えることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の上記態様によれば、高圧端子を効率よく冷却できる冷却構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態の高圧端子の冷却構造の概略図である。
図2図1の高圧端子の冷却構造のII-II断面矢視図である。
図3図1の高圧端子の冷却構造のIII-III断面矢視図である。
図4】第1実施形態の変形例に係る高圧端子の冷却構造の断面図である。
図5】第1実施形態の他の変形例に係る高圧端子の冷却構造の断面図である。
図6】第2実施形態に係る高圧端子の冷却構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本実施形態に係る高圧端子の冷却構造(以下、単に冷却構造10という)の構成を、図1図3を参照しながら説明する。図1に示す冷却構造10は、高圧端子Hを冷却するためのシステムである。高圧端子Hは、例えば車両用の高圧電気機器と外部電源とを接続するためのインターフェースである。このようなインターフェースには大電流が流れるため、高温となる。なお、冷却構造10は、上記のようなインターフェース以外の車両用の高圧電気機器に用いられてもよい。
【0017】
図1に示すように、冷却構造10は、コールドプレート(放熱機構)2と、少なくとも1つのヒートパイプ(第1ヒートパイプ)3と、固定部材4と、ベーパーチャンバー(伝熱機構)20と、を備えている。ヒートパイプ3は、第1端部3aおよび第2端部3bを有している。本実施形態では、ヒートパイプ3の数は1つだが、複数のヒートパイプを用いてもよい。
【0018】
図1の例では、高圧端子Hは、インレット孔P1、第1アウトレット孔P2、および第2アウトレット孔P3を有している。インレット孔P1には、不図示の電気ケーブルのピンなどが挿入される。各アウトレット孔P2、P3には、電気機器などに電気的に接続されたコネクタピン(不図示)が挿入される。インレット孔P1および各アウトレット孔P2、P3は電気的に接続されており、これらの通電部には大きな電流が流されて高温となる。
【0019】
コールドプレート2は、高圧端子Hから離れて配置されている。コールドプレート2は、略矩形の板状に形成されている。コールドプレート2は、冷却液の流入口2aと、冷却液の流出口2bと、冷却液の流路2cと、を有している。コールドプレート2は、主としてアルミニウムや銅などの金属により形成される。そのコールドプレート2の内部に流路2cが設けられている。流入口2aと流出口2bとは、流路2cによって互いに接続されている。なお、図1では流路2cが直線状に形成されているが、コールドプレート2から冷却液へと熱を効率よく伝えるために、流路2cが蛇行していてもよい。
【0020】
冷却液は、不図示のポンプなどによって流入口2aからコールドプレート2内に流入し、流路2cを通過して、流出口2bから流出する。冷却液が流路2cを通過する間に、ヒートパイプ3から受け取る熱によって、冷却液は昇温する。
【0021】
ヒートパイプ3の第2端部3bは、コールドプレート2の上面または下面に接している。ヒートパイプ3の第1端部3aは、ベーパーチャンバー20に接している。ヒートパイプ3としては、例えば銅管内にウィックおよび作動流体が封入されたものを用いることができる。作動流体は、漏電などを防止するために、非導電性液体であることが好ましい。導電性液体を用いる場合は、ベーパーチャンバー20および/またはヒートパイプ3の絶縁ために絶縁体を配置してもよい。非導電性液体としては、ハイドロフルオロエーテル(例えば3M社製のNOVEC(登録商標)7100またはそれと同等な製品)などを用いることができる。ヒートパイプ3のうち、コールドプレート2に接する第2端部3bは作動流体の凝縮部として機能する。ヒートパイプ3のうち、ベーパーチャンバー20に接する第1端部3aは作動流体の蒸発部として機能する。
【0022】
ヒートパイプ3の蒸発部では、ベーパーチャンバー20を介して高圧端子Hから熱を受け取った作動流体が蒸発する。蒸発した作動流体は、ヒートパイプ3の凝縮部へと向かい、ヒートパイプ3の凝縮部でコールドプレート2によって冷やされて凝縮する。凝縮した作動流体は、ウィックの細孔が発生させる毛管力によって、再び蒸発部へと向かう。以上の作用により、ヒートパイプ3は、高圧端子Hからコールドプレート2へと、熱を継続して輸送することができる。
【0023】
ヒートパイプ3のうち、コールドプレート2に接する部分は、固定部材4によってコールドプレート2に固定されている。図1および図2に示すように、固定部材4は、ヒートパイプ3に接する天板4aと、天板4aからコールドプレート2に向けて延びる脚部4bと、を有している。固定部材4は、金属板を曲げ加工することによって形成することができる。脚部4bに設けられた貫通孔にネジが挿通し、このネジがコールドプレート2のネジ孔に締結されることで、固定部材4はコールドプレート2に固定されている。固定部材4によって、ヒートパイプ3をコールドプレート2に確実に接触させて、ヒートパイプ3からコールドプレート2へと熱を効率よく伝達することができる。
【0024】
図3に示すように、本実施形態のベーパーチャンバー20は、ウィック21と、コンテナ22と、絶縁体23と、を有している。コンテナ22内には、ウィック21および作動流体が封入されている。コンテナ22内に封入される作動流体は、漏電などを防止するために、非導電性液体であることが好ましい。非導電性液体としては、先述のハイドロフルオロエーテルなどを用いることができる。コンテナ22と絶縁体23とは、非導電性(または絶縁)材料で形成され、一体のコンテナとなっていてもよい。ベーパーチャンバー20は、高圧端子Hおよびヒートパイプ3(第1端部3a)の両者に接している。ベーパーチャンバー20のうち、高圧端子Hの近傍に位置する部分は作動流体の蒸発部として機能し、ヒートパイプ3(第1端部3a)の近傍に位置する部分は作動流体の凝縮部として機能する。
【0025】
ウィック21の材質としては、束ねられた金属極細線ファイバー、金属メッシュ、金属粉末の多孔質の焼結体などが挙げられる。ウィック21は、セラミックなどの絶縁体により形成されていてもよい。コンテナ22内の液相の作動流体は、毛細管現象によりウィック21を伝って移動可能である。ウィック21は、焼結により、コンテナ22の内面に固定される。ベーパーチャンバー20の蒸発部では、高圧端子Hから熱を受け取った作動流体が蒸発する。蒸発した作動流体は、ベーパーチャンバー20の凝縮部へと向かい、ヒートパイプ3によって冷やされて凝縮する。凝縮した作動流体は、毛細管現象によってウィック21を伝って蒸発部へと戻る。このように、ベーパーチャンバー20は、高圧端子Hからヒートパイプ3へと、熱を継続して輸送することができる。
【0026】
コンテナ22としては、銅製のパイプや容器などを用いることができる。例えばコンテナ22を圧縮して変形させることで、ウィック21をコンテナ22の内面に固定してもよい。
絶縁体23は、コンテナ22とヒートパイプ3(第1端部3a)との間、およびコンテナ22と高圧端子Hとの間に挟まれている。本実施形態では、絶縁体23が、コンテナ22の外面にコーティングされており、この絶縁体23がヒートパイプ3および高圧端子Hに接している。これにより、ヒートパイプ3(第1端部3a)と高圧端子Hとを電気的に絶縁し、高圧端子Hに通電される電流が漏電してしまうのを抑えることができる。絶縁体23の材質としては、セラミックなどを用いることができる。セラミックは、高温での絶縁性に優れ、熱膨張係数も小さいことから、高圧端子Hの近傍に配置される絶縁体23の材質として好適である。なお、絶縁体23を樹脂製の板などによって挟み、絶縁体23を衝撃荷重から保護してもよい。
【0027】
以上説明したように、本実施形態の冷却構造10によれば、高圧端子Hに接するベーパーチャンバー20と、冷却液の流入口2aおよび流出口2bを有するコールドプレート2と、ベーパーチャンバー20およびコールドプレート2に接する少なくとも1つのヒートパイプ3と、を備えている。この構成により、高圧端子Hの熱をコールドプレート2へと効率よく輸送し、高圧端子Hを効果的に冷却することができる。
また、ベーパーチャンバー20は、高圧端子Hとヒートパイプ3とを電気的に絶縁する絶縁体23を有している。この構成により、高圧端子Hとヒートパイプ3とを電気的に絶縁して、高圧端子Hに流れる電流がヒートパイプ3を介して漏電してしまうのを抑えることができる。
【0028】
また、コンテナ22とヒートパイプ3との間およびコンテナ22と高圧端子Hとの間に、絶縁体23が配置されている。これにより、コンテナ22が金属などの導電性を有する材質によって形成されていたとしても、高圧端子Hに通電される電流がコンテナ22若しくはヒートパイプ3を介して漏電してしまうのを抑えることができる。
さらに、ベーパーチャンバー20およびヒートパイプ3の作動流体として非導電性液体を用いている。これにより、仮に作動流体がベーパーチャンバー20若しくはヒートパイプ3から漏れ、作動流体で高圧端子Hが濡れたとしても高圧端子Hに通電される電流が漏電してしまうのを抑えることができる。
【0029】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0030】
例えば、前記実施形態では、固定部材4によってヒートパイプ3をコールドプレート2に機械的に固定したが、固定の方法はこれに限定されない。例えば、はんだ付け、ロウ付け、溶接などによって、ヒートパイプ3をコールドプレート2に固定してもよい。
【0031】
また、ベーパーチャンバー20の構成は図3の例に限られず、適宜変更することができる。例えば、図4に示すように、セラミックなどの絶縁体によって形成された絶縁コンテナ24の内部に、作動流体およびウィック21を封入してもよい。絶縁コンテナ24の材質としては、図3における絶縁体23と同様に、セラミックなどを用いることができる。
【0032】
あるいは、図5に示すように、伝熱機構の構成をベーパーチャンバー20から変更してもよい。図5に示す伝熱機構は、2つのヒートパイプ(第2ヒートパイプ)27と、2枚の金属板25と、2枚の絶縁板(絶縁体)26と、を備えている。2つのヒートパイプ27は、2枚の金属板25によって挟まれている。また、2枚の金属板25は、2枚の絶縁板26によって挟まれている。絶縁板26によって、金属板25とヒートパイプ3とが絶縁されている。ヒートパイプ27としては、ヒートパイプ3と同様の構成を用いることができる。ヒートパイプ27の作動流体として、特に限定はされないが、非導電性液体を用いることが好ましい。
【0033】
図5の構成では、ヒートパイプ27が高圧端子Hからヒートパイプ3へと熱を伝える。さらに、絶縁板26によって、高圧端子Hとヒートパイプ3とが絶縁されている。この構成により、高圧端子Hからヒートパイプ3への漏電を防止することができる。
【0034】
また、コールドプレート2の構成を適宜変更してもよい。例えば、コールドプレートが、ベースプレートと、カバーと、を備え、カバーとベースプレートとの間に画成された内部空間に並列された複数のフィンが設けられていてもよい。この場合、冷却液の流入口および流出口をカバーとベースプレートとの間の内部空間に連通させることで、内部空間(特にフィン同士の間)が冷却液の流路として機能する。
【0035】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の冷却構造10では、図6に示すように、放熱機構としてヒートシンク5を用いている。
【0036】
ヒートシンク(放熱機構)5は、並列された複数のフィン5aを有しており、フィン5aから熱を放出するように構成されている。ヒートシンク5は、ヒートパイプ3の第2端部3bに接している。この場合も、第1実施形態と同様に、第2端部3bが作動流体の凝縮部として機能する。そして、高圧端子Hからヒートシンク5へとヒートパイプ3を介して熱が輸送され、高圧端子Hを効率よく冷却することができる。また、コールドプレート2と比較して、この構成では液体の冷却液を循環させるポンプなどが不要であるため、冷却構造10を簡略化することができる。また、第二実施形態では、ヒートシンク5の熱放出方法に応じて、フィン5aを通過する空気を循環させるための冷却ファンを用いてもよい。
【0037】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
例えば、第2実施形態の冷却構造10(図6)において、図3図5に示す構成を用いてもよい。
【符号の説明】
【0038】
2…コールドプレート(放熱機構) 2a…流入口 2b…流出口 3…ヒートパイプ 3a…第1端部 3b…第2端部 5…ヒートシンク(放熱機構) 5a…フィン 20…ベーパーチャンバー(伝熱機構) 23…絶縁体 24…絶縁コンテナ 27…第2ヒートパイプ H…高圧端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6