IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パイオニア株式会社の特許一覧

特許7273477表示制御装置、表示制御方法及び表示制御用プログラム
<>
  • 特許-表示制御装置、表示制御方法及び表示制御用プログラム 図1
  • 特許-表示制御装置、表示制御方法及び表示制御用プログラム 図2
  • 特許-表示制御装置、表示制御方法及び表示制御用プログラム 図3
  • 特許-表示制御装置、表示制御方法及び表示制御用プログラム 図4
  • 特許-表示制御装置、表示制御方法及び表示制御用プログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御方法及び表示制御用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20230508BHJP
【FI】
G01C21/26 C
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018187397
(22)【出願日】2018-10-02
(65)【公開番号】P2020056679
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】大橋 聡
(72)【発明者】
【氏名】菊地 貴
(72)【発明者】
【氏名】若狭 智愛
(72)【発明者】
【氏名】原田 康平
(72)【発明者】
【氏名】住田 純
(72)【発明者】
【氏名】巽 恭子
(72)【発明者】
【氏名】堀内 裕人
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-258183(JP,A)
【文献】特開2017-058576(JP,A)
【文献】特開2014-006880(JP,A)
【文献】特開2002-059824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36、23/00-25/00
G08G 1/00-99/00
G09B 23/00-29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が移動する移動路脇に存在する地物を当該移動路上の視点から見上げて得られる第1地物画像を表示させる第1制御手段と、
前記地物を水平正面視して得られる第2地物画像を表示させる第2制御手段と、
前記地物の実際の高さを示す高さ情報を取得する高さ情報取得手段と、
前記移動体の周囲に存在する前記地物について前記取得された高さ情報に基づいて、前記第1地物画像の表示と、前記第2地物画像の表示と、を切り換えるように前記第1制御手段及び前記2制御手段を制御する切換手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示制御装置において、
前記切換手段は、
前記移動体の周囲に存在する前記地物について前記取得された高さ情報により示される前記実際の高さが予め設定された高さ閾値以上である場合は前記第1制御手段に前記第1地物画像の表示を行わせ、
当該実際の高さが前記高さ閾値より低い場合は前記第2制御手段に前記第2地物画像の表示を行わせるように切り換えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示制御装置において、
前記高さ閾値は前記移動体が移動する領域ごとに予め設定されており、
前記切換手段は、前記移動体の現在位置が含まれる前記領域について予め設定された前記高さ閾値と、当該移動体の周囲に存在する前記地物について前記取得された高さ情報と、に基づいて、前記第1地物画像の表示と、前記第2地物画像の表示と、を切り換えるように前記第1制御手段及び前記2制御手段を制御することを特徴とする表示制御装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表示制御装置において、
前記第1制御手段及び前記第2制御手段は、複数の前記地物にそれぞれ対応する各前記第1地物画像及び各前記第2地物画像を、前記移動体の移動によって当該地物が視認される順番でそれぞれ表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の表示制御装置において、
前記第1制御手段及び前記第2制御手段は、複数の前記地物にそれぞれ対応する各前記第1地物画像及び各前記第2地物画像を、前記移動路の両脇に存在する前記地物について同時にそれぞれ表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の表示制御装置において、
前記第2制御手段は、前記移動体の進行方向側方の正面にある前記地物以外の他の前記地物については、当該他の前記地物を当該移動体の現在位置から斜めに見て得られる斜め第2地物画像を表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の表示制御装置において、
前記第1制御手段及び前記第2制御手段は、前記移動体の移動に対応して前記第1地物画像及び前記第2地物画像をそれぞれ移動させつつ表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の表示制御装置において、
前記第2制御手段は、各前記地物の頂部が表示領域においてそれぞれ内側となるように各前記第2地物画像を表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項9】
請求項1から請求項7記載の表示制御装置において、
前記第2制御手段は、各前記地物の頂部が表示領域においてそれぞれ外側となるように、各前記第2地物画像を、前記移動路を示す移動路画像と共に表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の表示制御装置において、
前記移動体と各前記地物との距離を示す距離情報を取得する距離情報取得手段を更に備え、
前記取得された距離情報に基づき、前記第2制御手段は、前記距離が近い前記地物の前記第2地物画像ほど相対的に大きく表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の表示制御装置において、
前記第1制御手段及び前記第2制御手段は、前記移動体内の天井に前記第1地物画像及び前記第2地物画像をそれぞれ表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の表示制御装置において、
前記移動体が移動すべき前記移動路を示す移動路情報を取得する移動路情報取得手段を更に備え、
前記第1制御手段及び前記第2制御手段は、前記取得した移動路情報に基づいて、前記移動体が移動予定の前記移動路脇にある前記地物の前記第1地物画像及び前記第2地物画像をそれぞれ表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項13】
第1制御手段と、第2制御手段と、高さ情報取得手段と、切換手段と、を備える表示制御装置において実行される表示制御方法であって、
移動体が移動する移動路脇に存在する地物を当該移動路上の視点から見上げて得られる第1地物画像を前記第1制御手段表示させる第1制御工程と、
前記地物を水平正面視して得られる第2地物画像を前記第2制御手段表示させる第2制御工程と、
前記地物の実際の高さを示す高さ情報を前記高さ情報取得手段取得する高さ情報取得工程と、
前記移動体の周囲に存在する前記地物について前記取得された高さ情報に基づいて、前記第1地物画像の表示と、前記第2地物画像の表示と、を前記切換手段切り換える切換工程と、
を含むことを特徴とする表示制御方法。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の表示制御装置として機能させることを特徴とする表示制御用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示制御装置、表示制御方法及び表示制御用プログラムの技術分野に属する。より詳細には、画像の表示を制御する表示制御装置及び表示制御方法並びに当該表示制御装置用のプログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両にナビゲーション装置が搭載され、地図画像等の表示により当該車両の移動を案内することが広く一般化している。このとき、当該車両の周囲にある施設や自然物等の状況を表示することも行われている。このための従来技術の一例として、下記特許文献1に記載された技術がある。
【0003】
この特許文献1に記載されている技術では、道路地図データにより示される地図画面を、道路面より下に設定された基準視点から見上げた形態の半透明画像より成る三次元地図画面に変換して表示する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-330360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている技術では、ある程度の高さがある建物等を表示する場合にしか、臨場感のある三次元地図画面を表示できないという問題点があった。
【0006】
そこで本願は、上記の問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、車両の周辺にある種々の高さの建物等の画像を、臨場感を持って表示させることが可能な表示制御装置及び表示制御方法並びに当該表示制御装置用のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、移動体が移動する移動路脇に存在する地物を当該移動路上の視点から見上げて得られる第1地物画像を表示させる第1制御手段と、前記地物を水平正面視して得られる第2地物画像を表示させる第2制御手段と、前記地物の実際の高さを示す高さ情報を取得する高さ情報取得手段と、前記移動体の周囲に存在する前記地物について前記取得された高さ情報に基づいて、前記第1地物画像の表示と、前記第2地物画像の表示と、を切り換えるように前記第1制御手段及び前記2制御手段を制御する切換手段と、を備える。
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項13に記載の発明は、第1制御手段と、第2制御手段と、高さ情報取得手段と、切換手段と、を備える表示制御装置において実行される表示制御方法であって、移動体が移動する移動路脇に存在する地物を当該移動路上の視点から見上げて得られる第1地物画像を前記第1制御手段表示させる第1制御工程と、前記地物を水平正面視して得られる第2地物画像を前記第2制御手段表示させる第2制御工程と、前記地物の実際の高さを示す高さ情報を前記高さ情報取得手段取得する高さ情報取得工程と、前記移動体の周囲に存在する前記地物について前記取得された高さ情報に基づいて、前記第1地物画像の表示と、前記第2地物画像の表示と、を前記切換手段切り換える切換工程と、を含む。
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項14に記載の発明は、コンピュータを、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の表示制御装置として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る表示制御装置の概要構成を示すブロック図である。
図2】実施例に係るナビゲーション装置の概要構成を示すブロック図である。
図3】実施例に係る表示制御処理を示すフローチャートであり、(a)は当該表示制御処理の全体を示すフローチャートであり、(b)は当該表示制御処理の細部を示すフローチャートである。
図4】実施例に係る倒し施設表示例を示す図であり、(a)は当該倒し施設表示例が対応する地図であり、(b)は当該倒し施設表示例の第1例を示す図であり、(c)は当該倒し施設表示例の第2例を示す図である。
図5】実施例に係る見上げ施設表示例を示す図であり、(a)は当該見上げ施設表示例が対応する地図であり、(b)は当該見上げ施設表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本願を実施するための形態について、図1を用いて説明する。なお図1は、実施形態に係る表示制御装置の概要構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る表示制御装置Sは、第1制御手段2と、第2制御手段2Aと、高さ情報取得手段2Bと、切換手段2Cと、を備えて構成されている。
【0013】
この構成において第1制御手段2は、移動体が移動する移動路脇に存在する地物を当該移動路上の視点から見上げて得られる第1地物画像を表示させる。
【0014】
一方第2制御手段2Aは、上記地物を水平正面視して得られる第2地物画像を表示させる。
【0015】
そして高さ情報取得手段2Bは、上記地物の実際の高さを示す高さ情報を取得する。
【0016】
これらにより切換手段2Cは、上記移動体の周囲に存在する上記地物について高さ情報取得手段2Bにより取得された高さ情報に基づいて、上記第1地物画像の表示と、上記第2地物画像の表示と、を切り換えるように第1制御手段2及び第2制御手段2Aを制御する。
【0017】
以上説明したように、実施形態に係る表示制御装置Sの動作によれば、第1制御手段2による第1地物画像の表示と、第2制御手段2Aによる第2地物画像の表示と、を、地物の実際の高さを示す高さ情報に基づいて切り換えるので、移動路脇にある地物の画像を、臨場感を持って表示させることができる。
【実施例
【0018】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、図2乃至図5を用いて説明する。なお以下に説明する実施例は、車両に搭載されたナビゲーション装置を用いた周辺施設等の画像の表示制御に本願を適用した場合の実施例である。
【0019】
また、図2は実施例に係るナビゲーションの概要構成を示すブロック図であり、図3は実施例に係る表示制御処理を示すフローチャートである。更に、図4は実施例に係る倒し施設表示例を示す図であり、図5は実施例に係る見上げ施設表示例を示す図である。このとき図2では、図1に示した実施形態に係る表示制御装置Sにおける各構成部材に対応する実施例の構成部材それぞれについて、当該表示制御装置Sにおける各構成部材と同様の部材番号を用いている。
【0020】
図2に示すように、実施例に係るナビゲーション装置NVは、屋根部が広い例えばファミリー用の車両に搭載されるナビゲーション装置である。そして当該ナビゲーション装置NVは、インターフェース1と、CPU、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等を含む処理部2と、上記車両の車内天井に例えば案内処理用の画像や後述する実施例に係る倒し施設表示等を投影表示する投影部3と、タッチセンサ又はリモコン等からなる操作部4と、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等からなり且つ実施例に係る三次元データ等を記憶する記憶部5と、GPS(Global Positioning System)センサ又は自立センサ等からなるセンサ部6と、により構成されている。このとき、処理部2が実施形態に係る第1制御手段2の一例、第2制御手段2Aの一例、高さ情報取得手段2Bの一例及び切換手段2Cの一例、並びに本願に係る「移動路情報取得手段」の一例にそれぞれ相当し、処理部2及びセンサ部6が本願に係る「距離情報取得手段」の一例に相当する。
【0021】
この構成においてインターフェース1は、処理部2の制御の下、例えばインターネット等の外部ネットワークとの間の無線によるデータの授受を制御する。またセンサ部6は、処理部2の制御の下、上記GPSセンサ等を用いてナビゲーション装置NVの現在位置(換言すれば、当該ナビゲーション装置NVが搭載されている車両の現在位置)を検出し、その現在位置を示す現在位置データを生成して処理部2に出力する。一方操作部4は、ナビゲーション装置NVに実行させるべき操作が当該操作部4において実行されると、当該操作に対応した操作信号を生成して処理部2に出力する。他方記憶部5は、後述する実施例に係る倒し施設表示及び実施例に係る見上げ施設表示に用いられる上記周辺施設等の上記三次元データDを初めとして、ナビゲーション装置NVとしての案内処理を実行するための地図データやナビゲーションプログラム、及び実施例に係る表示制御処理を実行するための表示制御プログラム等を不揮発性に記憶している。このとき上記三次元データDには、例えば、上記周辺施設等の位置を例えば緯度/経度で表す位置データ、当該周辺施設等それぞれの高さを示す高さデータ、当該周辺施設等を上空から見下ろした場合の家形を示す家形データ、及び当該周辺施設等を立体的に(換言すれば三次元的に)投影表示するための三次元テータ等が含まれている。これらに加えて記憶部5は、実施例に係る倒し施設表示と見上げ施設表示とを後述するように切り換える際に参照される上記周辺施設等の実際の高さの閾値を示す高さ閾値データを記憶する。この高さ閾値データは、例えば地図上の領域ごとに予め設定されている高さ閾値データであって、周辺施設等の実際の高さが当該高さの閾値以上であるときは後述する実施例に係る見上げ施設表示が実行され、一方当該周辺施設等の実際の高さが当該高さの閾値未満であるときは後述する実施例に係る倒し施設表示が実行される。
【0022】
なお当該高さ閾値データについては、上記領域によらず一の高さ閾値データが記憶されていてもよい。また、例えば、市街地、住宅地、駅周辺等、場所の属性に応じて高さ閾値データの値が変更されてもよい。更には、例えば、ナビゲーション装置NV(換言すれば、それが搭載されている車両)の現在位置から予め設定された範囲内に存在する周辺施設の数によって、高さ閾値データの値が予め設定されていてもよい。
【0023】
これらにより処理部2は、上記地図データやナビゲーションプログラムを用いてナビゲーション装置NVとしての案内処理を実行すると共に、上記倒し施設表示及び上記見上げ施設表示を行うための上記表示制御プログラムを用いた実施例に係る表示制御処理を実行する。そして投影部3は、処理部2の制御の下、上記車両の車内天井に、例えば案内処理用の画像と共に、実施例に係る表示制御処理の結果としての画像を投影表示する。
【0024】
ここで、上述した実施例に係る「倒し施設表示」とは、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両が移動する道路の両脇に存在する施設や自然物(即ち、上記周辺施設等。以下、当該施設や自然物を纏めて「周辺施設等」と称する。)の正面を水平に視て(即ち水平正面視して)得られる画像を、当該道路の両脇に存在する当該周辺施設等について同時に、上記車内天井に投影表示することをいう。この実施例に係る倒し施設表示には二つの態様があるが、それぞれの態様については後ほど詳述する。
【0025】
一方、上述した実施例に係る「見上げ施設表示」とは、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両が移動する道路の両脇に存在する周辺施設等を、当該道路上の車両の現在位置から上方に(即ち鉛直方向上向きに)見上げて得られる画像を、当該道路の両脇に存在する当該周辺施設等について同時に、上記車内天井に投影表示することをいう。この実施例に係る見上げ施設表示についても、後ほど詳述する。
【0026】
次に、図2を用いて説明した構成を備えるナビゲーション装置NVにおいて主として処理部2を中心として実行される、実施例に係る表示制御処理について、より具体的に図3乃至図5を用いて説明する。
【0027】
図3(a)にその全体に対応するフローチャートを示すように、実施例に係る表示制御処理は、例えばナビゲーション装置NVの電源スイッチ(車両のACC(Accessory)スイッチ)がオンとされたタイミングで開始される。そしてナビゲーション装置NVの処理部2は、当該表示制御処理が開始されると、例えば操作部4において、上記車内天井への投影部3による周辺施設等の画像の投影が指示されたか否かを監視する(ステップS1)。ステップS1の監視において、当該車内天井への画像投影が指示されない場合(ステップS1:NO)、処理部2は後述するステップS9に移行する。
【0028】
一方ステップS1の監視において、車両天井への当該画像投影が指示された場合(ステップS1:YES)、処理部2は、当該車両の現在位置を示す上記現在位置データをセンサ部6から取得する(ステップS2)。その後処理部2は、ステップS2で取得された現在位置データにより示される現在位置の周辺にある周辺施設等の高さを示す高さデータを、記憶部5から取得する(ステップS3)。このとき当該高さデータを取得する周辺施設等は、例えば、車両の現在位置から見た視野の範囲にある周辺施設等についての当該高さデータを取得する。次に処理部2は、ステップS2で取得された現在位置データにより示される現在位置が含まれる領域に対応する上記高さ閾値データを、記憶部5から取得する(ステップS4)。その後処理部2は、ステップS3で高さデータを取得した周辺施設等について、それらを実施例に係る倒し施設表示又は実施例に係る見上げ施設表示として車内天井へ投影するための三次元データDを、記憶部5から取得する(ステップS5)。
【0029】
次に処理部2は、ステップS3で取得された周辺施設等の高さの例えば最大値がステップS3で取得した高さ閾値データ以上か否かを判定する(ステップS6)。ステップS6の判定において、ステップS3で取得された周辺施設等の高さの上記最大値がステップS3で取得した高さ閾値データ未満である場合(ステップS6:NO)、処理部2は、記憶部5に記憶されている上記三次元データDを用いて実施例に係る倒し施設表示を実行するように投影部3等を制御し(ステップS7)、その後、後述するステップS9に移行する。このステップS7については、後ほど詳述する。
【0030】
一方ステップS6の判定において、ステップS3で取得された周辺施設等の高さの上記最大値がステップS3で取得した高さ閾値データ以上である場合(ステップS6:YES)、処理部2は、記憶部5に記憶されている上記三次元データDを用いて実施例に係る見上げ施設表示を実行するように投影部3等を制御する(ステップS8)。このステップS8についても、後ほど詳述する。
【0031】
なお上記ステップS6の判定において処理部2は、例えばステップS3で取得された周辺施設等の高さの平均値とステップS3で取得した高さ閾値データとを比較して判定してもよい。また処理部2は、当該ステップS6の判定において、上記最大値又は上記平均値と比較する以外に、ステップS3で取得された周辺施設等の高さの最小値と比較してもよい。更に処理部2は、当該ステップS6の判定として、例えば、周辺施設等の半数以上の高さが高さ閾値データより高いか否かに基づいて上記ステップS7と上記ステップS8とを切り換えてもよい。これらの場合、処理部2は、高さ閾値データと比較される高さの平均値等が当該高さ閾値データ以上である場合に実施例に係る見上げ施設表示を行わせ、当該平均値等が当該高さ閾値データ未満である場合に実施例に係る倒し施設表示を行わせるのが好ましい。
【0032】
更にまた処理部2は、ステップS6の判定において、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両が移動する道路の片側に存在する周辺施設等の高さのみを用いてその判定をしてもよいし、その両側に存在する周辺施設等の高さを用いてその判定をしてもよい。この場合に処理部2は、ステップS6の判定を行うタイミングで、当該道路の片側に存在する周辺施設等の高さのみを用いてその判定をするか、その両側に存在する周辺施設等の高さを用いてその判定をするか、を選択してもよいし、或いは、ステップS3で高さデータを取得する際に、当該道路の片側に存在する周辺施設等の高さデータのみを取得するか、その両側に存在する周辺施設等の高さデータを取得するか、を選択してもよい。
【0033】
その後処理部2は、例えばナビゲーション装置NVの電源スイッチがオフとされた等の理由により、実施例に係る表示制御処理を終了するか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9の判定において、当該表示制御処理を終了する場合(ステップS9:YES)、処理部2は、当該表示制御処理をそのまま終了する。一方ステップS9の判定において、当該表示制御処理を継続する場合(ステップS9:NO)、処理部2は上記ステップS1に戻って上述してきた一連の処理を繰り返す。
【0034】
次に、上記ステップS7について、図3(b)及び図4を用いて詳説する。上記ステップS7としての倒し施設表示を行う場合、先ず処理部2は、周辺施設等を水平正面視して得られる画像を投影表示するにあたって、当該周辺施設等の頂部をその投影領域において内側にして表示するか、外側にして表示するかを指示する操作信号を、操作部4を介して取得する(ステップS70)。ここで、当該周辺施設等の頂部とは、当該周辺施設等が例えば住宅である場合はその屋根の最上部であり、当該周辺施設等が例えばビルディングやタワーである場合はそれぞれの最上階又は突端部である。そして、ステップS70で取得した操作信号により周辺施設等の頂部を内側にして表示する旨が指示されている場合(ステップS70:内側)、処理部2は、当該頂部を内側にして周辺施設等の正面に相当する画像を車内天井への投影するように、投影部3を制御する(ステップS72)。その後処理部2は、図3(a)に示すステップS9に移行する。このステップS72の投影による画像の表示を、以下、「内側倒し施設表示」と称する。
【0035】
ここで、ステップS72における内側倒し表示についてより具体的に、図4(a)及び図4(b)を用いて説明する。なお、以下に説明する図4(b)及び図4(c)並びに図5(b)においては、図中上方が、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両の進行方向(前方)となる。
【0036】
先ず、図4(a)に地図を例示するように、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両の現在位置が現在位置マークPMで示されている位置であり、その周辺に周辺施設等10乃至周辺施設等17が建っているとする(図3(a)ステップS2及びステップS3参照)。そして、図4(a)に例示される現在位置で車内天井へ投影される内側倒し施設表示としては、図4(b)に例示するように、車内天井の投影領域AR内の図4(b)中左右側に、周辺施設等10乃至周辺施設等17の正面にそれぞれ相当する画像10G乃至画像17Gが表示される。これらの画像10G乃至画像17Gにおいては、それぞれの頂部が投影領域ARの内側に向くように表示される。また処理部2は、図4(a)に例示する道路Rの進行方向左側にある周辺施設等10乃至周辺施設等13については、それぞれの正面に対応する画像10G乃至画像13Gを、投影領域ARの左側に、当該車両の移動方向について周辺施設等10乃至周辺施設等13が建っている順に表示する。更に処理部2は、図4(a)に例示する道路Rの進行方向右側にある周辺施設等14乃至周辺施設等17については、それぞれの正面に対応する画像14G乃至画像17Gを、投影領域ARの右側に、当該車両の移動方向について周辺施設等14乃至周辺施設等17が建っている順に表示する。また図4(b)に例示する場合は、投影領域ARの図4(b)中左の縁が上記道路Rの進行方向右側にある地面に相当し、一方投影領域ARの図4(b)中右の縁が上記道路Rの進行方向左側にある地面に相当することになる。図4(b)に例示する態様で画像10G乃至画像17Gを投影領域ARに投影することで、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両の進行方向(前方)と、投影される内側倒し施設表示における進行方向とが一致することとなり、結果的に、実際の周辺施設等10等を車両から見た方向と、それらに対応して投影された画像10G等の、それらを見る者の視野内における方向と、が一致し、更に画像10G等の投影領域ARにおける配列もそれらが対応する周辺施設等10等と一致する。即ち、実施例に係る内側倒し施設表示の場合は、上記車両内から周辺施設等10等を見上げた場合と同じような景色として、画像10G等が投影される。
【0037】
一方、ステップS70で取得した操作信号により周辺施設等の頂部を外側にして表示する旨が指示されている場合(ステップS70:外側)、処理部2は、当該頂部を外側にして周辺施設等の正面に相当する画像を車内天井への投影する(ステップS71)。その後処理部2は、図3(a)に示すステップS9に移行する。このステップS71の投影による画像の表示を、以下、「外側倒し施設表示」と称する。
【0038】
ここで、ステップS71における外側倒し表示についてより具体的に、図4(a)及び図4(c)を用いて説明する。上記ステップS72の場合と同様に、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両の現在位置が図4(a)に例示する現在位置マークPMで示されている位置であり、その周辺に周辺施設等10乃至周辺施設等17が建っているとする。そして、図4(a)に例示される現在位置で車内天井へ投影される外側倒し施設表示としては、図4(c)に例示するように、車内天井の投影領域AR内の図4(b)中左右外側に各周辺施設等10乃至周辺施設等17の頂部が向くように、それぞれの正面に相当する画像10G乃至画像17Gが表示される。また、この場合の投影領域ARの中央には、図4(a)に例示される道路Rに相当する道路画像RGが表示されると共に、画像10G乃至画像17Gにおいては、それぞれの基部が道路画像RGに沿い、且つそれぞれの頂部が投影領域ARの外側に向くように表示される。また処理部2は、図4(a)に例示する道路Rの進行方向左側にある周辺施設等10乃至周辺施設等13については、それぞれの正面に対応する画像10G乃至画像13Gを、道路画像RGに対して投影領域ARの左側の領域に、当該車両の移動方向について周辺施設等10乃至周辺施設等13が建っている順に表示する。更に処理部2は、図4(a)に例示する道路Rの進行方向右側にある周辺施設等14乃至周辺施設等17については、それぞれの正面に対応する画像14G乃至画像17Gを、道路画像RGに対して投影領域ARの右側の領域に、当該車両の移動方向について周辺施設等14乃至周辺施設等17が建っている順に表示する。図4(c)に例示する態様で画像10G乃至画像17Gを投影領域ARに投影することで、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両の進行方向(前方)と、投影される外側倒し施設表示における進行方向とが一致することとなり、結果的に、実際の周辺施設等10等を車両から見た方向と、それらに対応して投影された画像10G等の、それらを見る者の視野内における方向と、が一致し、更に画像10G等の投影領域ARにおける配列もそれらが対応する周辺施設等10等と一致する。
【0039】
次に、上記ステップS8について、図5を用いて説明する。先ず、図5(a)に地図を例示するように、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両の現在位置が現在位置マークPMで示されている位置であり、その周辺に周辺施設等20乃至周辺施設等23が建っているとする(図3(a)ステップS2及びステップS3参照。このうち周辺施設等23はタワー型の施設であるとする。)。そして、図5(a)に例示される現在位置で車内天井へ投影される見上げ施設表示としては、図5(b)に例示するように、車内天井の投影領域ARの中心に向かって立体的に各周辺施設等20乃至周辺施設等23がそびえ立つように、当該周辺施設等20乃至周辺施設等23にそれぞれ相当する画像20G乃至画像23Gが表示される。これらの画像20G乃至画像23Gにおいては、それぞれの頂部が投影領域ARの中心に向かうように立体的に表示される。また処理部2は、図5(a)に例示する道路Rの進行方向右側にある周辺施設等20及び周辺施設等21については、それぞれに対応する画像20G及び画像21Gを、投影領域ARの右側縁からそびえ立つように、当該車両の移動方向について周辺施設等20及び周辺施設等21が建っている順に表示する。更に処理部2は、図5(a)に例示する道路Rの進行方向左側にある周辺施設等22及び周辺施設等23については、それぞれに対応する画像22G及び画像23Gを、投影領域ARの左側縁からそびえ立つように、当該車両の移動方向について周辺施設等22及び周辺施設等23が建っている順に表示する。また図5(b)に例示する場合は、投影領域ARの図5(b)中右の縁が上記道路Rの進行方向左側にある地面の方向に相当し、一方投影領域ARの図5(b)中左の縁が上記道路Rの進行方向右側にある地面の方向に相当することになる。
【0040】
なお、図4(b)及び図4(c)並びに図5(b)に例示する場合に、例えば画像10G乃至画像17G(図4(b)及び図4(c)参照)及び画像20G乃至画像22G(図5(b)参照)のように、対応する周辺施設等10等を簡略化した画像の他に、当該対応する周辺施設等10等を実写した画像を予め記憶部5に記憶しておき、当該実写画像を用いてより現実に近いようにして画像10G乃至画像17G及び画像20G乃至画像22Gを投影表示するように構成してもよい。
【0041】
また、実施例に係る見上げ施設表示(図5参照)として、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両の内側から見て当該車両の両側の窓の上縁より上の部分(即ち、上記車両内の眼の位置からでは当該車両の天井(屋根)に遮られて実際は見えない部分)に相当する画像20G乃至画像23Gのみを、投影領域ARに投影表示するように構成してもよい。ここで、周辺施設等10等における予め設定された高さよりも高い部分に相当する画像20G乃至画像23Gを投影表示する場合に、例えば、当該予め設定された高さを一定としてもよいし、当該予め設定された高さを変更可能としてもよい。更に、当該予め設定された高さを変更可能とする場合、例えば、使用者が自由に変更可能に構成してもよいし、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両の現在位置周辺の属性(例えば、市街地であるか、住宅地であるか等の属性)に応じて変更可能としてもよい。
【0042】
以上説明したように、実施例に係る表示制御処理によれば、上記見上げ施設表示と、上記倒し施設表示と、を、周辺施設等の実際の高さを示す高さデータに基づいて切り換えるので、道路脇にある周辺施設等の画像を、臨場感を持って表示させることができる。
【0043】
また、高さが高い周辺施設等をそのまま倒し施設表示させた場合の投影領域ARの中央部分の見難さ(煩雑さ)を、上記見上げ施設表示により抑制することができる。
【0044】
更に、周辺施設等の実際の高さが高さ閾値以上である場合は上記見上げ施設表示を行わせ、当該実際の高さが高さ閾値より低い場合は上記倒し施設表示を行わせるように切り換えるので(図3(a)ステップS6乃至ステップS8参照)、周辺施設等の実際の高さに応じて、臨場感を持ってその画像を表示させることができる。
【0045】
更にまた、高さ閾値データが、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両が移動する道路がある領域ごとに設定されている場合は、当該車両の現在位置が含まれる領域についての当該高さ閾値と、上記高さデータと、に基づいて、上記見上げ施設表示と上記倒し施設表示とが切り換えられるので(図3(a)ステップS4及びステップS6参照)、当該車両が移動する領域ごとに、臨場感を持って各画像を表示させることができる。
【0046】
また、当該車両の移動によって視認される順番で画像10G等をそれぞれ表示させるので、当該移動に伴う変化を認識可能としつつ、臨場感を持って画像10G等を表示させることができる。
【0047】
更に、画像10G等を、道路の両脇に存在する周辺施設等について同時にそれぞれ表示させるので、道路の両脇に存在する周辺施設等の画像10G等を、臨場感を持って表示させることができる。
【0048】
更にまた、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両の移動に対応して画像10G等を移動させつつ表示させるので、より臨場感を高めて画像10G等を表示させることができる。
【0049】
また、内側倒し施設表示(図4(b)参照)の場合は、各周辺施設等の頂部が投影領域ARにおいてそれぞれ内側となるように各周辺施設等の画像10G等を表示させるので、更に臨場感を高めて当該画像10G等を表示させることができる。
【0050】
一方、外側倒し施設表示(図4(c)参照)の場合は、各周辺施設等の頂部が投影領域ARにおいてそれぞれ外側となるように、各周辺施設等の画像10G等を道路画像RGと共に表示させるので、更に臨場感を高めて当該画像10G等を表示させることができる。
【0051】
更に、上記倒し施設表示又は上記見上げ施設表示を切り換えつつ、車内天井に各周辺施設等の画像10G等を表示させるので、車両の移動に伴ってより臨場感を高めて当該画像10G等を表示させることができる。
【0052】
なお、上述した実施例では、周辺施設等の高さと高さ閾値データとの関係に基づいて、実施例に係る倒し施設表示と実施例に係る見上げ施設表示とを切り換えたが(図3(a)ステップS6乃至ステップS8参照)、これ以外に、高さ閾値データとの比較ではなく、例えば、「市街地」又は「住宅地」等の場所の属性に基づいて、実施例に係る倒し施設表示と実施例に係る見上げ施設表示との切り換えを行うように構成してもよい。
【0053】
また、上述した実施例では、実施例に係る倒し施設表示において、周辺施設等の頂部を投影領域において内側にして表示するか、外側にして表示するかを切り換える構成とした(図3(b)ステップS70参照)が、これ以外に、ナビゲーション装置NVとして予め設定されたいずれか一方(当該頂部を内側にして表示するか、外側にして表示するかのいずれか一方)の表示態様としてもよい。
【0054】
更に、上述した実施例において、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両が移動すべきルートが予め設定されている場合には、現実に視認し得る周辺施設等ではなく、そのルートに沿って移動したときに視認可能となる周辺施設等を対象として上記倒し施設表示又は見上げ施設表示を行うように構成してもよい。この場合、例えば進行方向前方の交差点を左折する上記ルートが設定されている場合、当該交差点を直進したときに視認される周辺施設等(上記ルートが設定されていない場合はこの周辺施設等に対応する画像が表示されることになる)ではなく、当該交差点を左折したときに左右に視認される周辺施設等を対象として上記倒し施設表示又は見上げ施設表示を行うように構成してもよい。この場合には、上記ルートの情報に基づき、移動予定の道路脇にある各周辺施設等の画像を、上記倒し施設表示又は上記見上げ施設表示を切り換えつつ表示させるので、移動予定の位置にある周辺施設等について事前に認識させることができる。
【0055】
更にまた、実施例に係る倒し施設表示において、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両の現在位置の直ぐ脇(即ち、進行方向側方の正面)にある周辺施設等のみを、それを水平正面視して得られる正面画像を用いて投影表示すると共に、その移動方向前後にある他の周辺施設等については、当該正面画像に加えて、当該現在位置から視認できる当該他の周辺施設等の側面の画像を合わせて表示することで、立体的な倒し施設表示を行うように構成することもできる。この場合、当該他の周辺施設等についてはそれを斜めに見た(即ち斜視した)画像となることになる。この場合も実施例に係る三次元データDを用いることで、当該立体的な倒し施設表示が可能となる。この場合には、道路の進行方向側方の正面にある周辺施設等以外の他の周辺施設等については、それを斜めに見た画像を道路の両脇に存在する周辺施設等について同時に表示させるので、より臨場感高く両脇の周辺施設等の画像を表示させることができる。
【0056】
また、実施例に係る倒し施設表示において、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両の現在位置の近くにある周辺施設等ほど、相対的に大きな画像により表示してもよい。この場合には、上記倒し施設表示又は上記見上げ施設表示を切り換えつつ、当該車両と各周辺施設等との距離が近い周辺施設等の周辺施設等画像ほど相対的に大きく表示させるので、より臨場感を高めて周辺施設等画像を表示させることができる。
【0057】
更に、上記倒し施設表示又は上記見上げ表示に重畳させて、例えば有名な店舗等を示す情報を、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両の現在位置からの当該店舗等の方位を示す情報又はマークと共に投影表示するように構成してもよい。
【0058】
また、上述した実施例では、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両の車内天井へ画像を投影して表示する場合に実施形態を適用したが、これ以外に、通常のコンソールパネルに備えられているナビゲーション装置の画面において倒し施設表示又は見上げ施設表示を行う場合に本願を適用することもできる。
【0059】
更にまた、図3に示したフローチャートに相当するプログラムを、光ディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得しておき、これを汎用のマイクロコンピュータ等に読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータ等を実施例に係る処理部2として機能させることも可能である。
【符号の説明】
【0060】
2 第1制御手段(処理部)
2A 第2制御手段
2B 高さ情報取得手段
2C 切換手段
3 投影部
10、11、12、13、14、15、16、17、20、21、22、23 周辺施設
10G、11G、12G、13G、14G、15G、16G、17G、20G、21G、22G、23G 画像
RG 道路画像
D 三次元データ
AR 投影領域
図1
図2
図3
図4
図5