(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】販売代行システム、販売代行方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230508BHJP
【FI】
G06Q30/0601 312
(21)【出願番号】P 2018245422
(22)【出願日】2018-12-27
【審査請求日】2021-11-26
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】舟戸 崇裕
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 満
(72)【発明者】
【氏名】粟澤 哲
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 太一
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-125711(JP,A)
【文献】特開2003-208527(JP,A)
【文献】特開2003-030288(JP,A)
【文献】特開2004-126890(JP,A)
【文献】特開2001-202441(JP,A)
【文献】今すぐ仕入れ革命!ドロップシッピング対応 卸しサイト ~稼ぎ続けるチ・カ・ラを~ 通販素材.com,2018年11月14日,URL:https://web.archive.org/web/20181114011335/http://shop.tsuhan-sozai.com/?action=read_out_exc&disp=srv_usr_guide_favorite
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイテムを提供する提供者により指定された、前記アイテムの最低価格を取得する最低価格取得手段と
、
購入者端末から受信した要求に基づいて、前記購入者端末に、前記アイテムの販売を代行する代行者による前記アイテムの販売価格を表示させる表示制御手段と、
前記購入者端末から前記要求を受信した場合に、前記販売価格が前記最低価格未満であるか否かを判定し、前記販売価格が前記最低価格未満であると判定された場合に、前記表示制御手段による表示を禁止し、前記販売価格が前記最低価格未満であると判定されない場合に、前記表示制御手段による表示を許可する制限手段と、
を含むことを特徴とする販売代行システム。
【請求項2】
前記提供者により指定された、前記アイテムの仕入価格を取得する仕入価格取得手段と、
前記代行者により指定された、前記アイテムの手数料を取得する手数料取得手段と、
を更に含み、
前記販売価格は、前記仕入価格と前記手数料とに基づいて定まり、
前記制限手段は、前記代行者により前記手数料が指定された場合に、前記販売価格が前記最低価格未満であるか否かを判定し、前記販売価格が前記最低価格未満であると判定された場合に、前記代行者に、前記販売価格が前記最低価格未満であることを通知する、
ことを特徴とする請求項
1に記載の販売代行システム。
【請求項3】
アイテムを提供する提供者により指定された、前記アイテムの仕入価格を取得する仕入価格取得手段と、
前記提供者により指定された、前記アイテムの最低価格を取得する最低価格取得手段と、
前記アイテムの販売を代行する代行者により指定された、前記アイテムの手数料を取得する手数料取得手段と、
前記仕入価格と前記手数料とに基づいて定まる、前記代行者による前記アイテムの販売価格が前記最低価格未満になることを制限する制限手段と、
前記提供者により指定された、前記手数料込みの前記販売価格を取得する販売価格取得手段と、
を含
み、
前記提供者は、前記仕入価格又は前記販売価格の何れか一方を指定可能であり、
前記制限手段は、前記提供者により前記仕入価格が指定された場合に、前記販売価格が前記最低価格未満になることを制限する、
ことを特徴とする販売代行システム。
【請求項4】
前記制限手段は、前記代行者により前記手数料が指定された場合に、前記販売価格が前記最低価格未満であるか否かを判定し、前記販売価格が前記最低価格未満であると判定された場合に、前記代行者に、前記販売価格が前記最低価格未満であることを通知する、
ことを特徴とする請求項
3に記載の販売代行システム。
【請求項5】
前記販売代行システムは、前記提供者により指定された価格の種別情報と、前記提供者により指定された前記仕入価格又は前記販売価格と、前記手数料と、を関連付けたデータベースを記憶する記憶手段を更に含み、
前記提供者により前記仕入価格が指定された場合には、前記仕入価格であることを示す前記種別情報と、当該指定された仕入価格と、前記手数料と、が関連付けられて前記データベースに格納され、
前記提供者により前記販売価格が指定された場合には、前記販売価格であることを示す前記種別情報と、当該指定された販売価格と、が関連付けられて前記データベースに格納される、
ことを特徴とする請求項
3又は4に記載の販売代行システム。
【請求項6】
前記提供者は、前記仕入価格を指定する場合は
、実売価格を前記最低価格として指定可能であり、
前記最低価格取得手段は、前記提供者により前記仕入価格が指定された場合に、前記実売価格を前記最低価格として取得する、
ことを特徴とする請求項
3から5のいずれかに記載の販売代行システム。
【請求項7】
アイテムを提供する提供者により指定された、前記アイテムの仕入価格を取得する仕入価格取得手段と、
前記提供者により指定された、前記アイテムの最低価格を取得する最低価格取得手段と、
前記アイテムの販売を代行する代行者により指定された、前記アイテムの手数料を取得する手数料取得手段と、
前記仕入価格と前記手数料とに基づいて定まる、前記代行者による前記アイテムの販売価格が前記最低価格未満になることを制限する制限手段と、
前記アイテムを購入する購入者の購入者端末から受信した要求に基づいて、前記購入者端末に前記販売価格を表示させる表示制御手段と、
を含
み、
前記提供者は、前記購入者に対して前記仕入価格を隠すか否かを指定可能であり、
前記制限手段は、前記提供者により前記購入者に対して前記仕入価格を隠すことが指定された場合に、前記販売価格が前記最低価格未満になることを制限する、
ことを特徴とする販売代行システム。
【請求項8】
前記制限手段は、前記代行者により前記手数料が指定された場合に、前記販売価格が前記最低価格未満であるか否かを判定し、前記販売価格が前記最低価格未満であると判定された場合に、前記代行者に、前記販売価格が前記最低価格未満であることを通知する、
ことを特徴とする請求項
7に記載の販売代行システム。
【請求項9】
前記販売代行システムは、前記仕入価格を
前記購入者に対して隠すか否かを識別する識別情報と、前記提供者により指定された前記仕入価格と、前記手数料と、を関連付けたデータベースを記憶する記憶手段を更に含み、
前記提供者により前記仕入価格を
前記購入者に対して隠すことが指定された場合には、前記仕入価格を
前記購入者に対して隠すことを示す識別情報と、当該指定された仕入価格と、前記手数料と、が関連付けられて前記データベースに格納され、
前記提供者により前記仕入価格を
前記購入者に対して隠すことが指定されなかった場合には、前記仕入価格を
前記購入者に対して隠さないことを示す前記識別情報と、当該指定された仕入価格と、前記手数料と、が関連付けられて前記データベースに格納される、
ことを特徴とする請求項
7又は8に記載の販売代行システム。
【請求項10】
最低価格取得手段が、アイテムを提供する提供者により指定された、前記アイテムの最低価格を取得する最低価格取得ステップと、
表示制御手段が、購入者端末から受信した要求に基づいて、前記購入者端末に、前記アイテムの販売を代行する代行者による前記アイテムの販売価格を表示させる表示制御ステップと、
制限手段が、前記購入者端末から前記要求を受信した場合に、前記販売価格が前記最低価格未満であるか否かを判定し、前記販売価格が前記最低価格未満であると判定された場合に、前記表示制御手段による表示を禁止し、前記販売価格が前記最低価格未満であると判定されない場合に、前記表示制御手段による表示を許可する制限ステップと、
を含むことを特徴とする販売代行方法。
【請求項11】
仕入価格取得手段が、アイテムを提供する提供者により指定された、前記アイテムの仕入価格を取得する仕入価格取得ステップと、
最低価格取得手段が、前記提供者により指定された、前記アイテムの最低価格を取得する最低価格取得ステップと、
手数料取得手段が、前記アイテムの販売を代行する代行者により指定された、前記アイテムの手数料を取得する手数料取得ステップと、
制限手段が、前記仕入価格と前記手数料とに基づいて定まる、前記代行者による前記アイテムの販売価格が前記最低価格未満になることを制限する制限ステップと、
販売価格取得手段が、前記提供者により指定された、前記手数料込みの前記販売価格を取得する販売価格取得ステップと、
を含
み、
前記提供者は、前記仕入価格又は前記販売価格の何れか一方を指定可能であり、
前記制限ステップでは、前記制限手段が、前記提供者により前記仕入価格が指定された場合に、前記販売価格が前記最低価格未満になることを制限する、
ことを特徴とする販売代行方法。
【請求項12】
仕入価格取得手段が、アイテムを提供する提供者により指定された、前記アイテムの仕入価格を取得する仕入価格取得ステップと、
最低価格取得手段が、前記提供者により指定された、前記アイテムの最低価格を取得する最低価格取得ステップと、
手数料取得手段が、前記アイテムの販売を代行する代行者により指定された、前記アイテムの手数料を取得する手数料取得ステップと、
制限手段が、前記仕入価格と前記手数料とに基づいて定まる、前記代行者による前記アイテムの販売価格が前記最低価格未満になることを制限する制限ステップと、
表示制御手段が、前記アイテムを購入する購入者の購入者端末から受信した要求に基づいて、前記購入者端末に前記販売価格を表示させる表示制御ステップと、
を含
み、
前記提供者は、前記購入者に対して前記仕入価格を隠すか否かを指定可能であり、
前記制限ステップでは、前記制限手段が、前記提供者により前記購入者に対して前記仕入価格を隠すことが指定された場合に、前記販売価格が前記最低価格未満になることを制限する、
ことを特徴とする販売代行方法。
【請求項13】
アイテムを提供する提供者により指定された、前記アイテムの最低価格を取得する最低価格取得手段
、
購入者端末から受信した要求に基づいて、前記購入者端末に、前記アイテムの販売を代行する代行者による前記アイテムの販売価格を表示させる表示制御手段、
前記購入者端末から前記要求を受信した場合に、前記販売価格が前記最低価格未満であるか否かを判定し、前記販売価格が前記最低価格未満であると判定された場合に、前記表示制御手段による表示を禁止し、前記販売価格が前記最低価格未満であると判定されない場合に、前記表示制御手段による表示を許可する制限手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項14】
アイテムを提供する提供者により指定された、前記アイテムの仕入価格を取得する仕入価格取得手段、
前記提供者により指定された、前記アイテムの最低価格を取得する最低価格取得手段、
前記アイテムの販売を代行する代行者により指定された、前記アイテムの手数料を取得する手数料取得手段、
前記仕入価格と前記手数料とに基づいて定まる、前記代行者による前記アイテムの販売価格が前記最低価格未満になることを制限する制限手段、
前記提供者により指定された、前記手数料込みの前記販売価格を取得する販売価格取得手段、
としてコンピュータを機能させ
、
前記提供者は、前記仕入価格又は前記販売価格の何れか一方を指定可能であり、
前記制限手段は、前記提供者により前記仕入価格が指定された場合に、前記販売価格が前記最低価格未満になることを制限する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項15】
アイテムを提供する提供者により指定された、前記アイテムの仕入価格を取得する仕入価格取得手段、
前記提供者により指定された、前記アイテムの最低価格を取得する最低価格取得手段、
前記アイテムの販売を代行する代行者により指定された、前記アイテムの手数料を取得する手数料取得手段、
前記仕入価格と前記手数料とに基づいて定まる、前記代行者による前記アイテムの販売価格が前記最低価格未満になることを制限する制限手段、
前記アイテムを購入する購入者の購入者端末から受信した要求に基づいて、前記購入者端末に前記販売価格を表示させる表示制御手段、
としてコンピュータを機能させ
、
前記提供者は、前記購入者に対して前記仕入価格を隠すか否かを指定可能であり、
前記制限手段は、前記提供者により前記購入者に対して前記仕入価格を隠すことが指定された場合に、前記販売価格が前記最低価格未満になることを制限する、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売代行システム、販売代行方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アイテムの販売を代行する販売代行システムが知られている。例えば、特許文献1には、旅行業者(代行者)がホテル(提供者)の部屋(アイテム)の予約を代行して受け付ける販売代行システムにおいて、予約の完了時に決済が実行され、宿泊が終了した後に、手数料を差し引いた額がホテルに支払われることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような技術では、販売代行システム以外の他のシステムにおいて、アイテムの最低価格が保証されている場合がある。この場合、代行者が自由に手数料を設定できるようにすると、他のシステムでの最低価格が保証できないことがある。例えば、特許文献1において、旅行業者は、最低価格よりも低い値段で部屋を仕入れることがあり、低い手数料を設定すると、販売代行システムにおける販売価格が他のシステムにおける最低価格よりも低くなってしまい、他のシステムでの最低価格を保証できないことがある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、他のシステムにおける最低価格を確実に保証することが可能な販売代行システム、販売代行方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る販売代行システムは、アイテムを提供する提供者により指定された、前記アイテムの仕入価格を取得する仕入価格取得手段と、前記提供者により指定された、前記アイテムの最低価格を取得する最低価格取得手段と、前記アイテムの販売を代行する代行者により指定された、前記アイテムの手数料を取得する手数料取得手段と、前記仕入価格と前記手数料とに基づいて定まる、前記代行者による前記アイテムの販売価格が前記最低価格未満になることを制限する制限手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る販売代行方法は、アイテムを提供する提供者により指定された、前記アイテムの仕入価格を取得する仕入価格取得ステップと、前記提供者により指定された、前記アイテムの最低価格を取得する最低価格取得ステップと、前記アイテムの販売を代行する代行者により指定された、前記アイテムの手数料を取得する手数料取得ステップと、前記仕入価格と前記手数料とに基づいて定まる、前記代行者による前記アイテムの販売価格が前記最低価格未満になることを制限する制限ステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明に係るプログラムは、アイテムを提供する提供者により指定された、前記アイテムの仕入価格を取得する仕入価格取得手段、前記提供者により指定された、前記アイテムの最低価格を取得する最低価格取得手段、前記アイテムの販売を代行する代行者により指定された、前記アイテムの手数料を取得する手数料取得手段、前記仕入価格と前記手数料とに基づいて定まる、前記代行者による前記アイテムの販売価格が前記最低価格未満になることを制限する制限手段、としてコンピュータを機能させる。
【0009】
本発明の一態様によれば、前記販売代行システムは、購入者端末から受信した要求に基づいて、前記購入者端末に前記販売価格を表示させる表示制御手段を更に含み、前記制限手段は、前記購入者端末から前記要求を受信した場合に、前記販売価格が前記最低価格未満であるか否かを判定し、前記表示制御手段による表示を許可するか否かを制御する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様によれば、前記制限手段は、前記代行者により前記手数料が指定された場合に、前記販売価格が前記最低価格未満であるか否かを判定し、前記販売価格が前記最低価格未満であると判定された場合に、前記代行者に、前記販売価格が前記最低価格未満であることを通知する、ことを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様によれば、前記販売代行システムは、前記提供者により指定された、前記手数料込みの前記販売価格を取得する販売価格取得手段を更に含み、前記提供者は、前記仕入価格又は前記販売価格の何れか一方を指定可能であり、前記制限手段は、前記提供者により前記仕入価格が指定された場合に、前記販売価格が前記最低価格未満になることを制限する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様によれば、前記販売代行システムは、前記提供者により指定された価格の種別情報と、前記提供者により指定された前記仕入価格又は前記販売価格と、前記手数料と、を関連付けたデータベースを記憶する記憶手段を更に含み、前記提供者により前記仕入価格が指定された場合には、前記仕入価格であることを示す前記種別情報と、当該指定された仕入価格と、前記手数料と、が関連付けられて前記データベースに格納され、前記提供者により前記販売価格が指定された場合には、前記販売価格であることを示す前記種別情報と、当該指定された販売価格と、が関連付けられて前記データベースに格納される、ことを特徴とする。
【0013】
本発明の一態様によれば、前記提供者は、前記仕入価格を指定する場合は、前記実売価格を前記最低価格として指定可能であり、前記最低価格取得手段は、前記提供者により前記仕入価格が指定された場合に、前記提供者により指定された前記実売価格を前記最低価格として取得する、ことを特徴とする。
【0014】
本発明の一態様によれば、前記提供者は、前記仕入価格を隠すか否かを指定可能であり、前記制限手段は、前記提供者により前記仕入価格を隠すことが指定された場合に、前記販売価格が前記最低価格未満になることを制限する、ことを特徴とする。
【0015】
本発明の一態様によれば、前記販売代行システムは、前記仕入価格を隠すか否かを識別する識別情報と、前記提供者により指定された前記仕入価格と、前記手数料と、を関連付けたデータベースを記憶する記憶手段を更に含み、前記提供者により前記仕入価格を隠すことが指定された場合には、前記仕入価格を隠すことを示す識別情報と、当該指定された仕入価格と、前記手数料と、が関連付けられて前記データベースに格納され、前記提供者により前記仕入価格を隠すことが指定されなかった場合には、前記仕入価格を隠さないことを示す前記識別情報と、当該指定された仕入価格と、前記手数料と、が関連付けられて前記データベースに格納される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、他のシステムにおける最低価格を確実に保証することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】販売代行システムの全体構成を示す図である。
【
図7】本実施形態の販売代行システムで実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。
【
図8】アイテムデータベースのデータ格納例を示す図である。
【
図9】価格データベースのデータ格納例を示す図である。
【
図10】販売代行システムにおいて実行される処理の一例を示すフロー図である。
【
図11】販売代行システムにおいて実行される処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[1.販売代行システムの全体構成]
以下、本発明に係る販売代行システムの実施形態の例を説明する。
図1は、販売代行システムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、販売代行システムSは、サーバ10、提供者端末20、代行者端末30、及び購入者端末40を含み、これらは、インターネットなどのネットワークNに接続可能である。なお、
図1では、サーバ10、提供者端末20、代行者端末30、及び購入者端末40の各々を1台ずつ示しているが、これらは複数台あってもよい。
【0019】
サーバ10は、サーバコンピュータである。サーバ10は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を含む。制御部11は、少なくとも一つのマイクロプロセッサを含む。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムやデータに従って処理を実行する。記憶部12は、主記憶部及び補助記憶部を含む。例えば、主記憶部はRAMなどの揮発性メモリであり、補助記憶部は、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、又はハードディスクなどの不揮発性メモリである。通信部13は、有線通信又は無線通信用の通信インタフェースであり、ネットワークNを介してデータ通信を行う。
【0020】
提供者端末20は、提供者が操作するコンピュータである。提供者は、アイテムを提供する者である。提供者は、アイテムの種類によって呼び名が変わり、例えば、アイテムの管理者、保有者、又は製造者ということもできる。提供者は、個人であってもよいし、法人であってもよく、例えば、提供者は、ホテルの運営会社、レストランの運営会社、店舗、又はメーカなどである。
【0021】
アイテムとは、販売の対象となるものであり、商品又はサービスである。アイテムは、有体物であってもよいし、無体物であってもよい。販売とは、対価として金銭やバリュー(例えば、電子マネー又はポイント)を得ることである。例えば、アイテムを利用する権利を与えたり、アイテムの所有権を譲り渡したりすることは、アイテムを販売することに相当する。例えば、アイテムは、ホテルの部屋、航空券、乗車券、レストランの飲食物、レンタカー、又はツアーなどである。
【0022】
例えば、提供者端末20は、携帯電話機(スマートフォンを含む)、携帯情報端末(タブレット型コンピュータを含む)、又は、パーソナルコンピュータ等である。本実施形態では、提供者端末20は、制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、及び表示部25を含む。制御部21、記憶部22、及び通信部23の物理的構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様であってよい。
【0023】
操作部24は、入力デバイスであり、例えば、タッチパネルやマウス等のポインティングデバイス、キーボード、又はボタン等である。操作部24は、ユーザによる操作内容を制御部21に伝達する。表示部25は、例えば、液晶表示部又は有機EL表示部等である。表示部25は、制御部21の指示に従って画像を表示する。
【0024】
代行者端末30は、代行者が操作するコンピュータである。代行者は、アイテムの販売を代行する者である。別の言い方をすれば、代行者は、提供者と購入者の間に入って、アイテムを販売する者である。代行は、代理又は仲介ということもできる。代行者は、個人であってもよいし、法人であってもよい。例えば、提供者は、旅行業者、レストランの予約サービスの提供会社、又は電子商取引の運営会社などである。
【0025】
例えば、代行者端末30は、携帯電話機、携帯情報端末、又は、パーソナルコンピュータ等である。本実施形態では、代行者端末30は、制御部31、記憶部32、通信部33、操作部34、及び表示部35を含む。制御部31、記憶部32、通信部33、操作部34、及び表示部35の物理的構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、通信部13、操作部24、及び表示部25と同様であってよい。
【0026】
購入者端末40は、購入者が操作するコンピュータである。購入者は、アイテムを購入する者である。別の言い方をすれば、購入者は、金銭又はバリューの支払者、アイテムの利用者、又はアイテムの予約者である。購入者は、個人であってもよいし、法人であってもよい。例えば、購入者は、アイテムを購入するウェブサイトにアクセスするエンドユーザである。
【0027】
例えば、購入者端末40は、携帯電話機、携帯情報端末、又は、パーソナルコンピュータ等である。本実施形態では、購入者端末40は、制御部41、記憶部42、通信部43、操作部44、及び表示部45を含む。制御部41、記憶部42、通信部43、操作部44、及び表示部45の物理的構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、通信部13、操作部24、及び表示部25と同様であってよい。
【0028】
なお、記憶部12,22,32,42に記憶されるものとして説明するプログラム及びデータは、ネットワークNを介して供給されるようにしてもよい。また、上記説明した各コンピュータのハードウェア構成は、上記の例に限られず、種々のハードウェアを適用可能である。例えば、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を読み取る読取部(例えば、光ディスクドライブやメモリカードスロット)や外部機器とデータの入出力をするための入出力部(例えば、USBポート)が含まれていてもよい。例えば、情報記憶媒体に記憶されたプログラムやデータが読取部や入出力部を介して、各コンピュータに供給されるようにしてもよい。
【0029】
[2.販売代行システムの概要]
本実施形態では、旅行業者がホテルの部屋の予約を代行して受け付ける場面を例に挙げて、販売代行システムSの処理を説明する。このため、ホテルの部屋がアイテムに相当し、ホテルの運営会社が提供者に相当し、旅行業者が代行者に相当し、部屋の予約操作をするユーザが購入者に相当する。
【0030】
本実施形態では、提供者は、自社のシステムでも予約を受け付けており、自社のシステムにおいて、最低価格を保証している。最低価格は、部屋の最安値である。なお、同じ部屋であっても、食事又はオプションの有無などの条件によって値段が変わることがあるので、最低価格は、同じ部屋の同じ条件における最安値のことを意味する。
【0031】
最低価格を保証するシステムは、他のシステムよりも価格を高くしないようにする必要がある。別の言い方をすれば、最低価格を保証するシステムは、他のシステムよりも価格を安くする、又は、他のシステムと価格を同じにする必要がある。なお、ここでのシステムとは、サイト又はページと同じ意味であり、提供者のサイト又はページにおいて最低価格が保証されている。
【0032】
本実施形態では、販売代行システムSにおける部屋の価格が、提供者のシステムにおける部屋の価格よりも安くなると、提供者が最低価格を保証できなくなるので、下記に説明するように、販売代行システムSは、提供者が最低価格を保証するための構成を有する。
【0033】
提供者は、代行者と事前に契約を結んでおり、代行者が部屋の予約を代行して受け付けることに同意している。代行者が部屋の予約を代行して受け付けるにあたり、提供者は、部屋の価格などの基本情報を設定する。例えば、提供者が提供者端末20を操作して、サーバ10にアクセスすると、提供者が部屋の各種設定をするための提供者管理画面が表示部25に表示される。なお、以降説明する各画面は、ウェブブラウザ上で表示されてもよいし、アプリケーション上で表示されてもよい。
【0034】
図2及び
図3は、提供者管理画面の一例を示す図である。提供者管理画面では、部屋の紹介文や画像などの種々の内容を設定可能であってよいが、ここでは、部屋の価格が設定される場合について説明する。なお、ホテルに複数タイプの部屋が存在する場合には、部屋のタイプごとに価格が設定される。この場合、提供者は、設定対象となる部屋のタイプを指定する。
【0035】
以降の説明では、個々の提供者管理画面を区別する必要があるときは、「G1A」のように「G1」の末尾にアルファベットを付した符号で説明し、特に区別する必要がないときは、単に「G1」の符号で説明する。
図2に示すように、提供者管理画面G1Aには、価格タイプを指定するための入力フォームF10、価格を指定するための入力フォームF11、及び価格タイプと価格を部屋に設定するためのボタンB12が表示される。
【0036】
価格タイプとは、提供者が入力する価格の種別である。本実施形態では、複数の価格タイプが用意されており、提供者は任意の価格タイプを指定できる。価格タイプによって、提供者が入力すべき内容が異なり、後述する仕入価格、手数料、及び販売価格の各々の決定方法も異なる。本実施形態では、アンカバードグロス、カバードグロス、アンカバードネット、及びカバードネットの4つの価格タイプを例に挙げて説明する。
【0037】
アンカバードグロスは、提供者が部屋の販売価格を指定し、当該販売価格を隠す必要がない価格タイプである。販売価格とは、購入者端末40に表示される部屋の価格である。別の言い方をすれば、販売価格は、購入者が部屋を予約する場合に対価として支払う支払額であり、実売価格ということもできる。販売価格は、仕入価格と手数料を含み、これらの合計値であってもよいし、合計値に消費税などが加算された額であってもよい。他にも例えば、購入者がクーポン等を保有している場合には、仕入価格と手数料に基づいて定まる額から所定の額が減算された額が販売価格となってもよい。
【0038】
仕入価格とは、販売価格のうち、提供者が受け取る額である。別の言い方をすれば、仕入価格とは、提供者の取り分であり、代行者にとっての原価ということもできる。手数料とは、販売価格のうち、代行者が受け取る額である。別の言い方をすれば、手数料は、代行者の取り分であり、代行者にとっての売上又は利益ということもできる。部屋が予約された場合、販売価格のうち、仕入価格が提供者に送金され、代行者は手数料を得ることができる。
【0039】
仕入価格と手数料は、任意の方法で決定されてよく、例えば、これらの比率が定められていてもよいし、仕入価格と手数料の各々の具体的な値が個別に指定されていてもよい。仕入価格と手数料の決定方法は、全てのホテルで共通であってもよいし、ホテルごと又は部屋ごとに異なってもよい。本実施形態では、価格タイプがアンカバードグロスの場合、販売価格に対する手数料の割合がn%(nは任意の正数)と定められており、全てのホテル及び部屋で共通の割合となっている。
【0040】
隠すとは、購入者などの第三者が知り得ない状態にすることを意味し、代行者に隠すという意味ではない。価格タイプがアンカバードグロスの場合、販売価格を隠す必要がないので、提供者が指定した販売価格は、そのまま購入者端末40に表示され、購入者が知りうる状態となる。
【0041】
カバードグロスは、提供者が販売価格を指定する点はアンカバードグロスと同じであるが、販売価格を隠す必要がある点でアンカバードグロスとは異なる。ただし、一切の価格を表示しなかったとすると、購入者は支払額を知ることができないので、カバードグロスの部屋は、航空券などの他のアイテムとのパッケージ(組み合わせ)で販売し、部屋単品の販売価格を隠すようにしている。例えば、カバードグロスは、自社のシステムの最低価格を保証したい提供者によって指定される。なお、本実施形態では、カバードグロスの手数料は、アンカバードグロスの手数料と同じものとするが、これらは異なっていてもよい。
【0042】
アンカバードネットは、提供者が仕入価格を指定し、仕入価格を隠す必要がない価格タイプである。価格タイプがアンカバードネットの場合、提供者が販売価格を指定するわけではないので、販売価格は、提供者が指定した仕入価格と、手数料と、に基づいて決定される。本実施形態では、価格タイプがアンカバードネットの場合には、代行者は自由に手数料を指定できるものとする。このため、手数料が無料である場合には、仕入価格がそのまま販売価格となるので、購入者は仕入価格を知りうる状態となる。
【0043】
カバードネットは、提供者が仕入価格を指定する点はアンカバードネットと同じであるが、仕入価格を隠す必要がある点でアンカバードネットとは異なる。例えば、カバードネットは、自社のシステムの最低価格を保証したい提供者によって指定される。カバードネットの手数料は、アンカバードネットと同様、代行者は、原則として手数料を自由に指定できるものとする。このため、代行者が手数料を低く指定してしまうと、提供者が最低価格を保証できないことがあり、最低価格未満の販売価格が表示されてしまうことがある。
【0044】
そこで、本実施形態では、価格タイプがカバードネットの場合、最低価格を確実に保証するために、提供者に最低価格を指定させるようにしている。本実施形態では、価格タイプがカバードネットの場合、提供者は、アンカバードグロスにおける販売価格を最低価格として指定する。アンカバードグロスの販売価格は、購入者端末40にそのまま表示される価格なので、最低価格として用いられる。なお、最低価格は、アンカバードグロスの販売価格として指定されなくてもよく、アンカバードグロスの販売価格とは異なる項目として指定されてもよい。
【0045】
なお、アンカバードグロス及びカバードグロスは、日本で主流の価格体系であり、アンカバードネット及びカバードネットは、海外で主流の価格体系であることが知られているが、本実施形態では、これらの両者を利用可能とすることで、日本で主流のシステムと、海外で主流のシステムと、を統合するようにしている。これにより、日本の提供者及び海外の提供者の両者が利用しやすいシステムを提供している。
【0046】
上記のように、本実施形態では、4つの価格タイプが用意されており、提供者は任意の1つを選択することができる。例えば、
図2の提供者管理画面G1Bに示すように、提供者が入力フォームF10をフォーカスすると、プルダウンメニューM13が表示され、4つの価格タイプが選択可能な状態となる。
【0047】
例えば、提供者管理画面G1BのプルダウンメニューM13からアンカバードグロスが選択されると、提供者管理画面G1Cに示すように、提供者は入力フォームF11に販売価格を入力する。提供者がボタンB12を選択すると、アンカバードグロスの価格タイプと、入力フォームF11に入力された販売価格と、が部屋に設定される。
【0048】
また例えば、提供者管理画面G1BのプルダウンメニューM13からカバードグロスが選択されると、提供者管理画面G1Dに示すように、提供者は入力フォームF11に販売価格を入力する。提供者がボタンB12を選択すると、カバードグロスの価格タイプと、入力フォームF11に入力された販売価格と、が部屋に設定される。先述したように、価格タイプがカバードグロスの場合には、パッケージで販売されるので、カバードグロスの部屋は、他のアイテムと組み合わせられて販売される。なお、他のアイテム及びパッケージの販売価格は、部屋の提供者、代行者、又は他のアイテムの提供者などによって指定されるようにすればよい。
【0049】
図3に移り、例えば、提供者管理画面G1BのプルダウンメニューM13からアンカバードネットが選択されると、提供者管理画面G1Eに示すように、提供者は入力フォームF11に仕入価格を入力する。提供者がボタンB12を選択すると、アンカバードネットの価格タイプと、入力フォームF11に入力された仕入価格と、が部屋に設定される。
【0050】
また例えば、提供者管理画面G1BのプルダウンメニューM13からカバードネットが選択されると、提供者管理画面G1Fに示すように、提供者は入力フォームF11に仕入価格を入力する。この点は、アンカバードネットと同じであるが、先述したように、価格タイプがカバードネットの場合には、アンカバードグロスにおける販売価格を最低価格として入力する必要がある。このため、アンカバードグロスの販売価格を指定するための入力フォームF14が表示される。
【0051】
提供者は、入力フォームF11,F14の各々に、任意の価格を入力可能であるが、提供者管理画面G1Gに示すように、入力フォームF14に入力される販売価格は、入力フォームF11に入力される仕入価格よりも高くなるようにして、手数料がマイナスにならないようにする。提供者がボタンB12を選択すると、アンカバードネットの価格タイプ、入力フォームF11に入力された仕入価格、アンカバードグロスの価格タイプ、及び入力フォームF14に入力された販売価格が部屋に設定される。
【0052】
以上説明した流れによって、提供者は部屋の設定作業を行う。提供者により部屋の設定作業が行われると、代行者は、部屋の設定内容を閲覧し、自分達の設定をすることができるようになる。例えば、代行者が代行者端末30を操作して、サーバ10にアクセスすると、代行者が部屋に関する各種設定をするための代行者管理画面が表示部25に表示される。
【0053】
図4及び
図5は、代行者管理画面の一例を示す図である。代行者管理画面では、種々の情報が管理されてよいが、ここでは、手数料の管理が行われる場合について説明する。以降の説明では、個々の代行者管理画面を区別する必要があるときは、「G2A」のように「G2」の末尾にアルファベットを付した符号で説明し、特に区別する必要がないときは、単に「G2」の符号で説明する。
【0054】
図4に示すように、代行者管理画面G2Aには、ホテルを指定するための入力フォームF20、部屋のタイプを指定するための入力フォームF21、及びホテルと部屋のタイプを決定するためのボタンB22が表示される。代行者管理画面G2Bに示すように、入力フォームF20にホテルが指定され、かつ、入力フォームF21に部屋のタイプが指定された状態で、ボタンB22が選択されると、当該指定されたホテルにおける部屋の手数料を指定できるようになる。
【0055】
手数料の指定方法は、部屋に設定された価格タイプによって異なる。例えば、価格タイプがアンカバードグロスの場合、代行者管理画面G2Cに示すように、部屋に設定された価格タイプ及び販売価格と、販売価格から計算された手数料と、が表示される。本実施形態では、価格タイプがアンカバードグロスの場合、手数料は自動計算されるので、代行者は手数料を個別に入力する必要がない。このため、代行者管理画面G2Cには、手数料を入力するための入力フォームは表示されない。
【0056】
また例えば、価格タイプがカバードグロスの場合、代行者管理画面G2Dに示すように、部屋に設定された価格タイプ及び販売価格、販売価格から計算された手数料、及びパッケージの販売価格が表示される。本実施形態では、価格タイプがカバードグロスの場合、手数料は自動計算されるので、代行者は手数料を個別に入力する必要がない。このため、代行者管理画面G2Dには、手数料を入力するための入力フォームは表示されない。
【0057】
図5に移り、例えば、価格タイプがアンカバードネットの場合、代行者管理画面G2Eに示すように、部屋に設定された価格タイプ及び仕入価格が表示される。本実施形態では、価格タイプがアンカバードネットの場合、代行者は手数料を個別に入力することができるので、代行者管理画面G2Eには、手数料を入力するための入力フォームF24と、手数料を設定するためのボタンB25と、が表示される。代行者は、入力フォームF24に任意の数値を入力可能である。代行者が入力フォームF24に手数料を入力してボタンB25を選択すると、アンカバードネットの部屋に手数料が設定される。
【0058】
また例えば、価格タイプがカバードネットの場合、代行者管理画面G2Fに示すように、部屋に設定された価格タイプと仕入価格、入力フォームF24、及びボタンB25が表示される点は、アンカバードネットと同じである。ただし、価格タイプがカバードネットの場合には、仕入価格を隠す必要があるので、代行者は、販売価格が最低価格未満となるような手数料を入力する必要がある。例えば、入力フォームF24には、最低価格と仕入価格の差の値が、デフォルト値として入力されている。手数料がデフォルト値の場合、販売価格は、最低価格と一致することになる。
【0059】
代行者は、入力フォームF24の手数料の値を変更することができる。例えば、代行者は、デフォルト値よりも高い手数料に変更することもできる。この場合、代行者は、最低価格よりも高い販売価格で販売することになるが、その代わりに、ポイントやクーポンを購入者に付与することによって差別化を図ることもある。
【0060】
一方、代行者の販売価格が最低価格未満になるような手数料が入力されると、提供者が最低価格を保証できなくなる。この場合、代行者管理画面G2Gに示すように、販売価格が最低価格未満であることを示すアラートA26が表示される。代行者は、誤入力や勘違いなどによって、このような手数料を入力してしまうことがあるが、アラートA26を表示させることで、誤入力や勘違いなどに気付くことができる。
【0061】
アラートA26が表示された場合、代行者は、販売価格が最低価格以上となるように、手数料の値を正すことになる。販売価格が最低価格以上となる手数料が入力されると、アラートA26が消去される。なお、アラートA26が表示された場合、ボタンB25をグレーアウトしたり消去したりして、手数料が設定できないようにしてもよい。この場合、手数料の値が正されると、ボタンB25のグレーアウトが解除されたり、ボタンB25が再表示されたりしてもよい。
【0062】
以上のようにして、代行者は部屋の販売価格を確認したり、手数料を指定したりする。提供者及び代行者の各々による設定が完了すると、購入者による部屋の予約を受け付けることができる状態となる。例えば、購入者が購入者端末40を操作して、サーバ10にアクセスすると、購入者が部屋の予約をするための購入者画面が表示部45に表示される。
【0063】
図6は、購入者画面の一例を示す図である。以降の説明では、個々の購入者画面を区別する必要があるときは、「G3A」のように「G3」の末尾にアルファベットを付した符号で説明し、特に区別する必要がないときは、単に「G3」の符号で説明する。
図6に示すように、購入者画面G3Aには、キーワード、予算、及び日付等の検索条件を入力するための入力フォームF30が表示される。
【0064】
購入者は、入力フォームF30に任意の検索条件を入力し、ホテルやパッケージ等を検索する。検索自体は、種々の方法によって実行されてよく、例えば、入力フォームF30に入力された検索条件をクエリとし、ホテルやパッケージに関連付けられた説明文や価格などをインデックスとして検索が実行される。購入者は、検索結果に表示されたホテルやパッケージ等の中から任意のアイテムを指定可能であり、購入者が指定したホテルやパッケージ等の詳細が表示される。なお、検索時に在庫(残室)チェックが実行され、在庫のない部屋は、検索結果にヒットしないようにしてもよい。
【0065】
価格タイプがアンカバードグロス又はアンカバードネットの部屋が指定された場合には、購入者画面G3Bに示すように、部屋の販売価格が表示される。例えば、価格タイプがアンカバードグロスの場合、提供者が販売価格を指定するので、提供者が指定した販売価格がそのまま購入者画面G3Bに表示されることになる。また例えば、価格タイプがアンカバードネットの場合、提供者が指定した仕入価格と、代行者が指定した手数料と、を含む販売価格が購入者画面G3Bに表示される。先述したように、代行者が手数料を無料にすると、仕入価格がそのまま販売価格として表示される。
【0066】
また例えば、価格タイプがカバードグロスの部屋が指定された場合には、購入者画面G3Cに示すように、当該部屋が組み込まれたパッケージの販売価格が表示され、部屋の単品の販売価格は表示されない。
【0067】
また例えば、価格タイプがカバードネットの部屋が指定された場合には、販売価格が最低価格未満であるか否かのチェックが実行される。本実施形態では、アンカバードグロスの販売価格が最低価格として指定されるので、カバードネットの部屋については、アンカバードグロスのレコードが存在するか否かが判定される。
【0068】
レコードの存在が確認された場合、カバードネットの仕入価格と手数料を含む販売価格が、アンカバードグロスの販売価格である最低価格未満であるか否かが判定される。販売価格が最低価格以上であることが確認された場合には、購入者画面G3Bと同様に、部屋の販売価格が表示される。一方、販売価格が最低価格未満であると判定された場合には、購入者画面G3Dに示すように、部屋の販売価格は表示されず、実際には在庫があったとしても在庫切れ等の表示となり、部屋の予約ができない状態となる。なお、ここでは、在庫切れの表示としているが、販売価格が最低価格未満である場合には、検索結果にヒットしないようにしてもよいし、部屋のページ自体にアクセスできないようにしてもよい。
【0069】
以上のように、本実施形態の販売代行システムSは、カバードネットの部屋の販売価格が最低価格未満になる場合に、代行者管理画面G2においてアラートA26を表示させたり、部屋の販売価格を購入者画面G3に表示させないようにしたりすることによって、提供者の自社のシステムにおける最低価格を確実に保証するようにしている。以降、この技術の詳細を説明する。
【0070】
[3.販売代行システムにおいて実現される機能]
図7は、本実施形態の販売代行システムSで実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。
図7に示すように、販売代行システムSでは、データ記憶部100、仕入価格取得部101、最低価格取得部102、販売価格取得部103、手数料取得部104、表示制御部105、及び制限部106が実現される。これら各機能は、記憶手段、仕入価格取得手段、最低価格取得手段、販売価格取得手段、手数料取得手段、表示制御手段、及び制限手段の一例である。本実施形態では、各機能がサーバ10において実現される場合を説明する。
【0071】
[3-1.データ記憶部]
データ記憶部100は、記憶部12を主として実現される。データ記憶部100は、代行者が部屋の予約を代行して受け付けるために必要なデータを記憶する。ここでは、データ記憶部100が記憶するデータの一例として、アイテムデータベースDB1と、価格データベースDB2と、について説明する。
【0072】
図8は、アイテムデータベースDB1のデータ格納例を示す図である。アイテムデータベースDB1は、アイテムに関する各種情報が格納されたデータベースである。
図8に示すように、例えば、アイテムデータベースDB1には、提供者を一意に識別する提供者ID、提供者の名前、アイテムを一意に識別するアイテムID、アイテムの名前、及びアイテムの基本情報が格納される。
【0073】
アイテムの名前は、購入者端末40に表示され、本実施形態では、部屋のタイプである。基本情報は、アイテムの内容を示す情報が格納され、例えば、検索時のインデックスとして用いられたり、アイテムのページに表示される情報が格納されたりする。本実施形態では、ホテルの部屋がアイテムに相当するので、基本情報には、部屋の広さやベッド数などの情報が格納される。なお、アイテムデータベースDB1に格納される情報は、
図8の例に限られず、アイテムに関する種々の情報が格納されていてよい。例えば、提供者であるホテルの住所や連絡先などの情報が格納されていてもよい。
【0074】
図9は、価格データベースDB2のデータ格納例を示す図である。価格データベースDB2は、代行者が販売を代行するアイテムに設定された価格に関する各種情報が格納されたデータベースである。
図9に示すように、価格データベースDB2には、アイテムID、価格タイプを示す種別情報、指定価格、手数料、及び販売価格が格納される。
【0075】
種別情報は、アンカバードグロス、カバードグロス、アンカバードネット、又はカバードネットの何れかを示す。なお、種別情報は、アンカバー又はカバーの何れであるかを示す情報と、グロス又はネットの何れであるかを示す情報と、に分かれていてもよい。先述したように、価格タイプがカバードネットの場合にはアンカバードグロスの価格も指定する必要があるので、カバードネットの部屋については、2つのレコードが存在する。なお、必ずしもこれら2つのレコードを分ける必要はなく、1つのレコードとしてまとめて管理されてもよい。
【0076】
指定価格は、提供者により指定された価格であり、価格タイプによって指定価格として格納される価格が異なる。例えば、価格タイプがアンカバードグロス又はカバードグロスの場合には、提供者が販売価格を指定するので、提供者により指定された販売価格が指定価格として価格データベースDB2に格納される。また例えば、価格タイプがアンカバードネット又はカバードネットの場合には、提供者が仕入価格を指定するので、提供者により指定された仕入価格が指定価格として価格データベースDB2に格納される。
【0077】
例えば、価格タイプがアンカバードグロス又はカバードグロスの場合には、一律でn%の手数料となるので、提供者が指定した販売価格にn%を乗じた値が、手数料として価格データベースDB2に格納されてもよいし、その場で手数料を計算する場合には、価格データベースDB2には特に手数料が格納されていなくてもよい。
図9のデータ格納例では、手数料が格納されない場合を示している。
【0078】
また例えば、価格タイプがアンカバードネット又はカバードネットの場合には、原則として、代行者が自由に手数料を指定するので、代行者が指定した手数料が価格データベースDB2に格納される。なお、価格タイプがカバードネットの場合には、提供者が指定した販売価格(最低価格)と仕入価格との差分がデフォルト値として自動的に格納されてもよい。代行者が手数料を指定した場合には、当該デフォルト値が変更されることになる。
【0079】
例えば、価格タイプがアンカバードグロス又はカバードグロスの場合には、提供者が販売価格を指定するので、提供者が指定した販売価格がそのまま価格データベースDB2に格納される。また例えば、価格タイプがアンカバードネット又はカバードネットの場合には、提供者は仕入価格を指定するので、提供者が指定した仕入価格と、代行者が指定した手数料又は手数料のデフォルト値と、に基づいて販売価格が計算されて価格データベースDB2に格納される。なお、
図9に示す販売価格のフィールドを省略し、購入者端末40に部屋のページを表示させるときに販売価格が計算されてもよい。
【0080】
以上のように、本実施形態では、データ記憶部100は、価格データベースDB2を記憶することにより、提供者により指定された価格の種別情報と、提供者により指定された仕入価格又は販売価格と、手数料と、を関連付けたデータベースを記憶する。提供者により仕入価格が指定された場合には、仕入価格であることを示す種別情報と、当該指定された仕入価格と、手数料と、が関連付けられて価格データベースDB2に格納される。提供者により販売価格が指定された場合には、販売価格であることを示す種別情報と、当該指定された販売価格と、が関連付けられて価格データベースDB2に格納される。
【0081】
また、本実施形態では、データ記憶部100は、価格データベースDB2を記憶することにより、仕入価格を隠すか否かを識別する識別情報と、提供者により指定された仕入価格と、手数料と、を関連付けたデータベースを記憶する。なお、識別情報が種別情報に含まれている場合を説明するが、種別情報とは別の情報であってもよい。提供者により仕入価格を隠すことが指定された場合には、仕入価格を隠すことを示す識別情報と、当該指定された仕入価格と、手数料と、が関連付けられて価格データベースDB2に格納される。提供者により仕入価格を隠すことが指定されなかった場合には、仕入価格を隠さないことを示す識別情報と、当該指定された仕入価格と、手数料と、が関連付けられて価格データベースDB2に格納される。
【0082】
なお、データ記憶部100が記憶するデータは、上記の例に限られない。例えば、データ記憶部100は、各部屋の在庫を示すデータを記憶してもよい。他にも例えば、データ記憶部100は、
図2-
図6で説明した各画面を表示させるための画像データを記憶してもよい。
【0083】
[3-2.仕入価格取得部]
仕入価格取得部101は、制御部11を主として実現される。仕入価格取得部101は、部屋を提供する提供者により指定された、部屋の仕入価格を取得する。仕入価格は、提供者端末20において指定されるので、仕入価格取得部101は、提供者端末20から、提供者が指定した部屋の仕入価格を取得し、当該アイテムのアイテムIDに関連付けて価格データベースDB2に格納する。
【0084】
本実施形態では、価格タイプがアンカバードネット又はカバードネットの場合に仕入価格が指定されるので、仕入価格取得部101は、提供者によりアンカバードネット又はカバードネットが指定された場合に、提供者が指定した仕入価格を取得する。仕入価格取得部101は、アイテムIDに関連付けて、アンカバードネット又はカバードネットであることを示す種別情報と、取得した仕入価格と、を価格データベースDB2に格納する。
【0085】
[3-3.最低価格取得部]
最低価格取得部102は、制御部11を主として実現される。最低価格取得部102は、提供者により指定された、部屋の最低価格を取得する。最低価格は、提供者端末20において指定されるので、最低価格取得部102は、提供者端末20から、提供者が指定した部屋の最低価格を取得し、当該部屋のアイテムIDに関連付けて価格データベースDB2に格納する。
【0086】
本実施形態では、価格タイプがカバードネットの場合に最低価格が指定されるので、最低価格取得部102は、提供者によりカバードネットが指定された場合に、提供者が指定した最低価格を取得する。最低価格取得部102は、アイテムIDに関連付けて、カバードネットであることを示す種別情報と、取得した最低価格と、を価格データベースDB2に格納する。
【0087】
例えば、提供者は、仕入価格を指定する場合は、実売価格を最低価格として指定可能なので、最低価格取得部102は、提供者により仕入価格が指定された場合に、提供者により指定された実売価格を最低価格として取得する。本実施形態では、価格タイプがカバードネットの場合には、提供者はアンカバードグロスの販売価格も指定するので、最低価格取得部102は、カバードネットを指定した提供者が指定したアンカバードグロスの実売価格を最低価格として取得する。
【0088】
[3-4.販売価格取得部]
販売価格取得部103は、制御部11を主として実現される。販売価格取得部103は、提供者により指定された、手数料込みの販売価格を取得する。販売価格は、提供者端末20において指定されるので、販売価格取得部103は、提供者端末20から、提供者が指定した部屋の販売価格を取得し、当該部屋のアイテムIDに関連付けて価格データベースDB2に格納する。
【0089】
本実施形態では、価格タイプがアンカバードグロス又はカバードグロスの場合に販売価格が指定されるので、販売価格取得部103は、提供者によりアンカバードグロス又はカバードグロスが指定された場合に、提供者が指定した販売価格を取得する。販売価格取得部103は、アイテムIDに関連付けて、アンカバードグロス又はカバードグロスであることを示す種別情報と、取得した販売価格と、を価格データベースDB2に格納する。
【0090】
[3-5.手数料取得部]
手数料取得部104は、制御部11を主として実現される。手数料取得部104は、部屋の販売を代行する代行者により指定された、部屋の手数料を取得する。手数料は、代行者端末30において指定されるので、手数料取得部104は、代行者端末30から、代行者が指定した部屋の手数料を取得し、当該部屋のアイテムIDに関連付けて価格データベースDB2に格納する。
【0091】
本実施形態では、価格タイプがアンカバードネット又はカバードネットの場合に手数料が指定されるので、手数料取得部104は、提供者によりアンカバードネット又はカバードネットが指定された場合に、代行者が指定した手数料を取得する。手数料取得部104は、アイテムIDに関連付けて、取得した手数料を価格データベースDB2に格納する。
【0092】
[3-6.表示制御部]
表示制御部105は、制御部11を主として実現される。表示制御部105は、購入者端末から受信した要求に基づいて、購入者端末40に販売価格を表示させる。本実施形態では、販売価格は購入者画面G3に表示されるので、表示制御部105は、部屋の販売価格を含む購入者画面G3を購入者端末40に表示させる。なお、サーバ10において表示制御部105が実現されるので、購入者画面G3の表示データ(例えば、HTMLデータ又は画像データ)を送信したり、販売価格を示す情報を送信したりすることが、購入者端末40に販売価格を表示させることに相当する。
【0093】
例えば、価格タイプがアンカバードグロス又はアンカバードネットの場合には、販売価格又は仕入価格を隠す必要がないので、後述する制限部106の処理を要することなく、表示制御部105は、部屋の販売価格を含む購入者画面G3を購入者端末40に表示させる。また例えば、価格タイプがカバードグロスの場合には、販売価格を隠すべき部屋はパッケージで販売され、部屋単品の販売価格は知りうる状態にないので、表示制御部105は、パッケージの販売価格を含む購入者画面G3を購入者端末40に表示させる。
【0094】
また例えば、価格タイプがカバードネットの場合には、後述するように、制限部106によって販売価格が最低価格未満であるか否かが判定され、販売価格が最低価格以上である場合に販売価格の表示が許可されるので、表示制御部105は、制限部106によって表示が許可された場合に、購入者端末40に販売価格を表示させ、制限部106によって表示が許可されない場合に、購入者端末40に販売価格を表示させない。
【0095】
[3-7.制限部]
制限部106は、制御部11を主として実現される。制限部106は、仕入価格と手数料とに基づいて定まる、代行者によるアイテムの販売価格が最低価格未満になることを制限する。販売価格を計算するための計算式は、データ記憶部100に予め記憶されているものとする。この計算式は、任意の数式であってよく、例えば、仕入価格と手数料の合計値を販売価格として計算する数式であってもよいし、消費税等が考慮された値を販売価格として計算する数式であってもよい。また例えば、仕入価格と手数料から計算された販売価格に対してクーポン等の値引きを考慮する数式であってもよい。なお、価格タイプがアンカバードグロス又はカバードグロスの場合には、提供者により販売価格が指定されるので、特に計算式を用意しなくてよい。
【0096】
制限とは、最低価格未満の販売価格でアイテムが販売されないようにすることである。例えば、最低価格未満の販売価格が購入者端末40に表示されるのを禁止すること、最低価格未満の販売価格の部屋のページが購入者端末40に表示されるのを禁止すること、最低価格未満の販売価格の部屋の予約を禁止すること、最低価格未満の販売価格になるような手数料が指定された場合にその旨を通知すること、又は、最低価格未満の販売価格に基づく購入処理(決済処理)が実行されるのを禁止することは、制限の一例である。制限部106は、価格データベースDB2に基づいて、販売価格が最低価格未満であるか否かを判定する。制限部106は、販売価格が最低価格未満であると判定された場合に制限を実行し、販売価格が最低価格未満であると判定されない場合には制限を実行しない。
【0097】
例えば、制限部106は、購入者端末40から要求を受信した場合に、販売価格が最低価格未満であるか否かを判定し、表示制御部105による表示を許可するか否かを制御する。この要求は、販売価格の表示要求(部屋のページの表示要求)であり、例えば、購入者が部屋を指定したときなどに送信される購入者画面G3の表示要求である。制限部106は、販売価格が最低価格未満であると判定された場合に、表示制御部105による表示を禁止し、販売価格が最低価格未満であると判定されない場合に、表示制御部105による表示を許可する。
【0098】
また例えば、制限部106は、代行者により手数料が指定された場合に、販売価格が最低価格未満であるか否かを判定し、販売価格が最低価格未満であると判定された場合に、代行者に、販売価格が最低価格未満であることを通知する。制限部106は、販売価格が最低価格未満であると判定されない場合には、販売価格が最低価格未満であることは通知しない。この場合、何の通知も行われなくてもよいし、手数料が正常の範囲内であることが通知されてもよい。
【0099】
なお、通知は、代表者が知覚可能な形式で行われるようにすればよく、例えば、視覚的な通知が行われてもよいし、聴覚的又は触覚的な通知が行われてもよい。視覚的な通知は、画面上で所定の画像を表示させたり、画面上の画像の表示形態を変えたりすることによって行われる。例えば、アラートA26を表示させる以外にも、入力フォームF24の色や明度を変えることによっても通知が行われてもよい。
【0100】
本実施形態では、提供者は、仕入価格又は販売価格の何れか一方を指定可能なので、制限部106は、提供者により仕入価格が指定された場合に、販売価格が最低価格未満になることを制限する。提供者が販売価格を指定する場合には、提供者が最低価格未満の販売価格を指定することは、原則として考えられないので、制限部106は、特に制限はしなくてよい。例えば、制限部106は、価格タイプがカバードネットの場合に、販売価格が最低価格未満になることを制限する。
【0101】
本実施形態では、提供者は、仕入価格を隠すか否かを指定可能なので、制限部106は、提供者により仕入価格を隠すことが指定された場合に、販売価格が最低価格未満になることを制限する。提供者が仕入価格を隠さないことを指定した場合には、提供者は原則として最低価格保証を行っていないと考えられるので、制限部106は、特に制限はしなくてよい。例えば、制限部106は、価格タイプがカバードネットの場合に、販売価格が最低価格未満になることを制限し、アンカバードネットなどの場合には、特に制限はしない。
【0102】
[4.本実施形態において実行される処理]
図10及び
図11は、販売代行システムSにおいて実行される処理の一例を示すフロー図である。
図10及び
図11に示す処理は、制御部11,21,31,41が、それぞれ記憶部12,22,32,42に記憶されたプログラムに従って動作することによって実行される。下記に説明する処理は、
図7に示す機能ブロックにより実行される処理の一例である。
【0103】
図10に示すように、まず、提供者端末20がサーバ10にアクセスすると、制御部21は、サーバ10から提供者管理画面G1の表示データを受信し、提供者管理画面G1を表示部25に表示させる(S1)。なお、ここでは、S1の処理が実行されるにあたり、提供者は、価格タイプ及び価格の指定対象となる部屋を指定しているものとする。また、提供者端末20は、サーバ10に記憶されたアイテムデータベースDB1を参照し、指定対象の部屋のアイテムIDを取得し、記憶部12に記録しているものとする。
【0104】
制御部21は、操作部24の検出信号に基づいて、サーバ10に、指定対象の部屋のアイテムID、提供者が指定した価格タイプを示す種別情報、及び提供者が指定した価格を送信する(S2)。S2においては、入力フォームF10においてアンカバードグロスが指定された場合には、制御部21は、アンカバードグロスであることを識別する種別情報と、入力フォームF11に入力された販売価格と、を送信する。また、入力フォームF10においてカバードグロスが指定された場合には、制御部21は、カバードグロスであることを識別する種別情報と、入力フォームF11に入力された販売価格と、を送信する。
【0105】
また、入力フォームF10においてアンカバードネットが指定された場合には、制御部21は、アンカバードネットであることを識別する種別情報と、入力フォームF11に入力された仕入価格と、を送信する。入力フォームF10においてカバードネットが指定された場合には、制御部21は、カバードネットであることを識別する種別情報、入力フォームF11に入力された仕入価格、及び入力フォームF14に入力されたアンカバードグロスの販売価格を送信する。
【0106】
サーバ10においては、S2で送信された情報を受信すると、制御部11は、価格データベースDB2を更新する(S3)。S3においては、制御部11は、価格データベースDB2に新たなレコードを作成し、受信したアイテムID、受信した種別情報、及び受信した仕入価格又は販売価格を格納する。
【0107】
なお、種別情報がカバードネットである場合には、アンカバードグロスの販売価格も指定されているので、制御部11は、価格データベースDB2に2つのレコードを作成し、1つ目のレコードに、受信したアイテムID、受信した種別情報、及びアンカバードネットの仕入価格を格納し、2つ目のレコードに、受信したアイテムID、受信した種別情報、及びアンカバードグロスの販売価格を格納する。
【0108】
以上により、提供者による設定が完了する。その後、代行者端末30がサーバ10にアクセスすると、制御部31は、サーバ10から代行者管理画面G2の表示データを受信し、代行者管理画面G2を表示部35に表示させる(S4)。S4においては、
図4に示す代行者管理画面G2Aが表示され、代行者によるホテル及び部屋の指定が待ち受けられる。なお、代行者端末30は、サーバ10に記憶されたアイテムデータベースDB1を参照し、提供者ID及びアイテムIDのリストを取得しているものとする。
【0109】
制御部31は、操作部34の検出信号に基づいて、サーバ10に、入力フォームF20に入力されたホテルの提供者IDと、入力フォームF21に入力された部屋のアイテムIDと、を送信する(S5)。
【0110】
サーバ10においては、提供者IDとアイテムIDを受信すると、制御部11は、価格データベースDB2に基づいて、手数料の指定対象となる部屋の価格タイプを参照する(S6)。S6においては、制御部11は、価格データベースDB2を参照し、受信したアイテムIDが格納されたレコードの価格タイプを参照する。
【0111】
価格タイプがアンカバードグロス又はカバードグロスである場合(S6;グロス)には、代行者が手数料を指定する必要がないので、制御部11は、手数料を入力するための入力フォームF24を含まない代行者管理画面G2の表示データを送信する(S7)。S7においては、制御部11は、
図4に示す代行者管理画面G2C又はG2Dの表示データを生成して送信する。
【0112】
代行者端末30においては、表示データを受信すると、制御部31は、入力フォームF24を含まない代行者管理画面G2を表示部35に表示させる(S8)。S8においては、
図4に示す代行者管理画面G2C又はG2Dが表示される。
【0113】
一方、価格タイプがアンカバードネット又はカバードネットである場合(S6;ネット)には、代行者が手数料を指定する必要があるので、制御部11は、手数料を入力するための入力フォームF24を含む代行者管理画面G2の表示データを送信する(S9)。S9においては、制御部11は、
図4に示す代行者管理画面G2E~G2Gの表示データを生成して送信する。なお、価格タイプがカバードネットの場合には、販売価格が最低価格未満であるかを判定する処理と、アラートA26を表示させる処理と、が記述されたスクリプトが表示データに含まれるものとする。
【0114】
代行者端末30においては、表示データを受信すると、制御部31は、入力フォームF24を含む代行者管理画面G2を表示部35に表示させる(S10)。S10においては、
図5に示す代行者管理画面G2E~G2Gが表示される。
【0115】
価格タイプがカバードネットの場合には、制御部31は、代行者が指定した手数料に基づいて、販売価格が最低価格未満であるか否かを判定する(S11)。なお、S11以降の処理は、例えば、表示データ内のスクリプト等によって実行される。また、価格タイプがアンカバードネットの場合には、S11~S12の処理は実行されない。
【0116】
販売価格が最低価格未満であると判定された場合(S11;Y)、制御部31は、アラートA26を表示部35に表示させる(S12)。一方、販売価格が最低価格未満であると判定されない場合(S11;N)、S12の処理は実行されない。
【0117】
制御部31は、操作部34の検出信号に基づいて、サーバ10に、手数料の指定対象となる部屋のアイテムIDとともに、代行者が指定した手数料を送信する(S13)。ここでは、アラートA26が出たとしても手数料を送信可能とするが、アラートA26が出た場合には手数料が送信されないようにしてもよい。
【0118】
サーバ10においては、S13で送信された情報を受信すると、制御部11は、価格データベースDB2を更新する(S14)。S14においては、制御部11は、価格データベースDB2を参照し、受信したアイテムIDが格納されたレコードに、受信した手数料を格納する。
【0119】
以上により、代行者による設定が完了する。
図11に移り、その後、購入者端末40がサーバ10にアクセスすると、制御部41は、価格データベースDB2に基づいて、購入者画面G3の表示対象となるアイテムIDの価格タイプを参照する(S15)。なお、ここでは、S15の処理が実行されるにあたり、提供者は、検索処理を実行し、表示対象の部屋やパッケージを指定しているものとする。
【0120】
価格タイプがアンカバードグロス又はアンカバードネットの場合(S15;アンカバードグロス又はアンカバードネット)、制御部41は、部屋の販売価格を隠さない購入者画面G3の表示データを送信する(S16)。S16においては、制御部41は、価格データベースDB2を参照し、表示対象となるアイテムIDが格納されたレコードに基づいて、購入者画面G3の表示データを生成する。この購入者画面G3は、
図6に示す購入者画面G3Bのような状態となる。
【0121】
価格タイプがカバードグロスの場合(S15;カバードグロス)、制御部41は、パッケージの購入者画面G3の表示データを送信する(S17)。S16においては、制御部41は、価格データベースDB2を参照し、表示対象となるアイテムIDが格納されたレコードに基づいて、購入者画面G3の表示データを生成する。この購入者画面G3は、
図6に示す購入者画面G3Cのような状態となる。
【0122】
価格タイプがカバードネットの場合(S15;カバードネット)、制御部41は、価格データベースDB2に基づいて、同じアイテムIDのアンカバードグロスのレコードが存在するか否かを判定する(S18)。同じアイテムIDのアンカバードグロスのレコードが存在しない場合(S18;N)、本処理は終了する。この場合、アンカバードグロスの販売価格が指定されておらず、部屋の最低価格を特定できないので、部屋のページが表示されないものとする。
【0123】
一方、同じアイテムIDのアンカバードグロスのレコードが存在する場合(S18;Y)、制御部41は、販売価格が最低価格未満であるか否かを判定する(S19)。S19においては、制御部41は、カバードネットのレコードに格納された仕入価格と手数料に基づいて計算した販売価格が、アンカバードグロスのレコードに格納された販売価格である最低価格未満であるか否かを判定する。
【0124】
販売価格が最低価格未満であると判定された場合(S19;Y)、制御部41は、販売価格を隠す購入者画面G3の表示データを送信する(S20)。この購入者画面G3は、
図6に示す購入者画面G3Dのような状態となる。
【0125】
一方、販売価格が最低価格未満であると判定されない場合(S19;N)、S16の処理に移行する。この場合、販売価格が最低価格以上となっているので、販売価格を隠さない購入者画面G3の表示データが送信されるので、購入者画面G3は、
図6に示す購入者画面G3Cのような状態となる。
【0126】
購入者端末40においては、表示データを受信すると、制御部31は、購入者画面G3を表示部35に表示させ(S21)、本処理は終了する。S21においては、S16、S17、又はS20の何れかで送信された表示データに基づいて、購入者画面G3が表示されることになる。
【0127】
販売代行システムSによれば、代行者による部屋の販売価格が最低価格未満になることを制限することで、他のシステムにおける最低価格を確実に保証することができる。例えば、代行者により低い手数料が指定された場合であったとしても、仕入価格と手数料とに基づいて計算される販売価格が最低価格未満であれば、実施の販売価格が最低価格未満になることが制限されるので、提供者が最低価格を保証できる確率を高めることができる。また、アンカバードグロス、カバードグロス、アンカバードネット、及びカバードネットの価格を1つの価格データベースDB2でまとめて管理することにより、日本で主流のシステムと、海外で主流のシステムと、を統合することができる。これにより、データベースの数を少なくすることができ、データの管理を容易化するとともに、サーバ10のメモリ消費量を抑えることができる。
【0128】
また、サーバ10が購入者端末40から購入者画面G3の表示要求を受信した場合に、販売価格が最低価格未満であるか否かが判定され、販売価格の表示を許可するか否かが制御されるので、最低価格未満の販売価格が購入者画面G3に表示されてしまうことをより確実に防止することができる。
【0129】
また、代行者により手数料が指定された場合に、販売価格が最低価格未満であるか否かが判定され、販売価格が最低価格未満であると判定された場合に、代行者管理画面G2にアラートA26が表示されることで、販売価格が最低価格未満であることを代行者に注意喚起することができる。その結果、誤入力等によって最低価格が保証できなくなっていることに気付きやすくすることができ、他のシステムにおける最低価格を確実に保証することができる。
【0130】
また、提供者が仕入価格又は販売価格の何れか一方を指定させることで、提供者が好む価格タイプで価格を入力させることができる。また、提供者が販売価格を指定する場合には、代行者による手数料の誤入力等によって販売価格が最低価格未満になることは起こらないが、提供者が仕入価格を指定する場合には、代行者による手数料の誤入力等によって販売価格が最低価格未満になることが起こりうるので、この場合に販売価格が最低価格未満になることを制限することで、他のシステムにおける最低価格を確実に保証することができる。
【0131】
また、提供者が仕入価格又は販売価格の何れを指定しても同じ価格データベースDB2に情報が格納されることで、複数のデータベースを管理する必要がなくなるので、データベースの管理を容易なものにすることができる。また、価格データベースDB2という1つのデータベースでまとめて情報を管理することで、サーバ10のメモリ消費量を削減することができる。また、複数のデータベースに分けて管理すると、参照するデータベースを決定してそのデータベースを参照する必要があるが、1つのデータベースにまとめることで情報を参照する処理が簡略なものになるので、情報の読み出し速度を高速化することができ、サーバ10の処理負荷を軽減することができる。
【0132】
また、価格タイプがカバードネットの場合には、提供者が最低価格を指定する必要があるが、これをアンカバードグロスの販売価格として指定させることで、データ管理が容易化し、サーバ10のメモリ消費量を削減することができる。例えば、アンカバードグロスの販売価格とは別の情報として最低価格を指定させる場合には、別種類の情報を定義する必要があるが、本実施形態によれば、その必要が無くなるので、情報の種類を少なくすることができる。
【0133】
また、仕入価格を隠さないアンカバードネット又は仕入価格を隠すカバードネットの何れか一方を提供者に指定させることで、提供者が好む価格タイプで価格を指定させることができる。また、提供者がアンカバードネットを指定する場合には、仕入価格を隠す必要がないので、特に最低価格は保証する必要はないが、提供者がカバードネットを指定する場合には、代行者による手数料の誤入力等によって販売価格が最低価格未満になることが起こりうるので、この場合に販売価格が最低価格未満になることを制限することで、他のシステムにおける最低価格を確実に保証することができる。
【0134】
また、提供者がアンカバードネット又はカバードネットの何れを指定しても同じ価格データベースDB2に情報が格納されることで、複数のデータベースを管理する必要がなくなるので、データベースの管理を容易なものにすることができる。また、価格データベースDB2という1つのデータベースでまとめて情報を管理することで、サーバ10のメモリ消費量を削減することができる。また、複数のデータベースに分けて管理すると、参照するデータベースを決定してそのデータベースを参照する必要があるが、1つのデータベースにまとめることで情報を参照する処理が簡略なものになるので、情報の読み出し速度を高速化することができ、サーバ10の処理負荷を軽減することができる。
【0135】
[5.変形例]
なお、本発明は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0136】
例えば、提供者が自社システムの最低価格を保証する場合を説明したが、自社以外のシステムにおける最低価格が保証されてもよい。また、グロス又はネットの何れかを自由に指定できる場合を説明したが、価格タイプは、ネットだけが存在してもよい。また例えば、価格タイプごとにデータベースを分けて管理してもよい。また例えば、アンカバード又はカバードの何れかを自由に指定できる場合を説明したが、価格タイプは、カバードだけが存在してもよい。
【0137】
また例えば、ホテル以外のアイテムに対して販売代行システムSを適用してもよい。例えば、電子商取引における店舗の最低価格を保証するために販売代行システムSが利用されてもよい。また例えば、レストランやレンタカーなどの最低価格を保証するために販売代行システムSが利用されてもよい。
【0138】
また例えば、主な機能がサーバ10で実現される場合を説明したが、各機能は、複数のコンピュータで分担されてもよい。例えば、サーバ10、提供者端末20、及び代行者端末30の各々で機能が分担されてもよい。また例えば、販売代行システムSが複数のサーバコンピュータを含む場合には、これら複数のサーバコンピュータで機能が分担されてもよい。また例えば、データ記憶部100で記憶されるものとして説明したデータは、サーバ10以外のコンピュータによって記憶されてもよい。
【符号の説明】
【0139】
S 販売代行システム、N ネットワーク、10 サーバ、20 提供者端末、30 代行者端末、40 購入者端末、11,21,31,41 制御部、12,22,32,42 記憶部、13,23,33,43 通信部、24,34,44 操作部、25,35,45 表示部、G1,G1A,G1B,G1C,G1D,G1E,G1F,G1G 提供者管理画面、G2,G2A,G2B,G2C,G2D,G2E,G2F,G2G 代行者管理画面、G3,G3A,G3B,G3C,G3D 購入者画面、100 データ記憶部、101 仕入価格取得部、102 最低価格取得部、103 販売価格取得部、104 手数料取得部、105 表示制御部、106 制限部、A26 アラート、B12,B22,B25 ボタン、DB1 アイテムデータベース、DB2 価格データベース、F10,F11,F14,F20,F21,F24,F30 入力フォーム、M13 プルダウンメニュー。