(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】コネクタ及びコネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6587 20110101AFI20230508BHJP
H01R 12/71 20110101ALI20230508BHJP
【FI】
H01R13/6587
H01R12/71
(21)【出願番号】P 2019013196
(22)【出願日】2019-01-29
【審査請求日】2021-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】北沢 翔
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/053149(WO,A1)
【文献】実開平04-038687(JP,U)
【文献】特表2000-500607(JP,A)
【文献】特開平06-052936(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
13/56-13/72
24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1コネクタ本体と、該第1コネクタ本体に装填される第1端子と、前記第1コネクタ本体に装填される第1高周波接続ユニットとを有し、第2コネクタと嵌合する第1コネクタであって、
(b)前記第1コネクタ本体は、前記第2コネクタの第2コネクタ本体と嵌合する凹部と、長手方向両端に形成された嵌合ガイド部であって、前記第1高周波接続ユニットが装填される平面視における形状が略矩形の嵌合凹部であって、前記第2コネクタ本体の相手方嵌合ガイド部が挿入される嵌合凹部が形成された嵌合ガイド部とを含み、
(c)前記第1高周波接続ユニットは、第1高周波端子と、該第1高周波端子の周囲を囲繞して嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の第1高周波シールドとを含
み、前記第1高周波端子は前記第1コネクタ本体の幅方向に複数個並べて配設されていることを特徴とする第1コネクタ。
【請求項2】
前記第1高周波シールドは、前記嵌合ガイド部の側壁に取付けられる第1シールド部材と、前記嵌合凹部の底板に取付けられ、前記第1コネクタ本体の長手方向に延在するシールド板とを含んでいる請求項
1に記載の第1コネクタ。
【請求項3】
(a)第2コネクタ本体と、該第2コネクタ本体に装填される第2端子と、前記第2コネクタ本体に装填される第2高周波接続ユニットとを有し、第1コネクタと嵌合する第2コネクタであって、
(b)前記第2コネクタ本体は、長手方向両端に形成され、前記第1コネクタの嵌合凹部に挿入される相手方嵌合ガイド部であって、前記第2高周波接続ユニットが装填される平面視における形状が略矩形の相手方嵌合ガイド部を含み、
(c)前記第2高周波接続ユニットは
前記第2コネクタ本体の幅方向に複数個並べて配設され、各第2高周波接続ユニットは、前記第1コネクタの第1高周波端子と接触する第2高周波端子と、該第2高周波端子の周囲を囲繞して嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の第2高周波シールドとを含むことを特徴とする第2コネクタ。
【請求項4】
前記第2高周波端子は、前記第1高周波端子と1箇所でのみ接触する請求項
3に記載の第2コネクタ。
【請求項5】
前記相手方嵌合ガイド部は、前記第2高周波端子を収容する第2高周波端子収容凹部を含み、前記第2高周波シールドは、前記第2高周波端子収容凹部の周囲に取付けられている請求項
3又は4に記載の第2コネクタ。
【請求項6】
(a)第1コネクタ本体と、該第1コネクタ本体に装填される第1端子と、前記第1コネクタ本体に装填される第1高周波接続ユニットとを有する第1コネクタと、
(b)第2コネクタ本体と、該第2コネクタ本体に装填される第2端子と、前記第2コネクタ本体に装填される第2高周波接続ユニットとを有し、前記第1コネクタと嵌合する第2コネクタとを備えるコネクタ組立体であって、
(c)前記第1コネクタ本体は、前記第2コネクタ本体と嵌合する凹部と、長手方向両端に形成された嵌合ガイド部であって、前記第1高周波接続ユニットが装填される平面視における形状が略矩形の嵌合凹部が形成された嵌合ガイド部とを含み、
(d)前記第1高周波接続ユニットは、第1高周波端子と、該第1高周波端子の周囲を囲繞して嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の第1高周波シールドとを含み、
前記第1高周波端子は前記第1コネクタ本体の幅方向に複数個並べて配設され、
(e)前記第2コネクタ本体は、長手方向両端に形成され、前記嵌合凹部に挿入される相手方嵌合ガイド部であって、前記第2高周波接続ユニットが装填される平面視における形状が略矩形の相手方嵌合ガイド部を含み、
(f)前記第2高周波接続ユニットは
前記第2コネクタ本体の幅方向に複数個並べて配設され、各第2高周波接続ユニットは、前記第1高周波端子と接触する第2高周波端子と、該第2高周波端子の周囲を囲繞して嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の第2高周波シールドであって、前記第1高周波シールドに挿入される第2高周波シールドとを含むことを特徴とするコネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ及びコネクタ組立体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一対の平行な回路基板同士を電気的に接続するために、基板対基板コネクタ等のコネクタが使用されている。このようなコネクタは、一対の回路基板における相互に対向する面の各々に取付けられ、互いに嵌合して導通するようになっている。また、例えば、アンテナに接続されるアンテナ線のように、高周波信号を伝達するために使用される同軸ケーブルを接続するための同軸コネクタと一体化したコネクタが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図9は従来のコネクタを示す斜視図である。なお、図において、(a)は第1コネクタを嵌合面側から観た斜視図、(b)は第2コネクタを嵌合面側から観た斜視図である。
【0004】
図において、811は、図示されない第1回路基板に実装される第1コネクタの第1ハウジングであり、長手方向に延在する挿入凹部812と、該挿入凹部812の両側に形成された側部814と、長手方向両端に形成された第1端部821とを有する。そして、前記側部814の各々には、複数本の第1端子861が1列に並んで装着されている。さらに、一方の第1端部821からは、第1同軸コネクタ871を保持する第1同軸コネクタ保持部841が延出している。
【0005】
また、911は、図示されない第2回路基板に実装される第2コネクタの第2ハウジングであり、長手方向に延在し、長手方向両端に形成された第2端部921を有する。そして、前記第2ハウジング911には、複数本の第2端子961が2列に並んで装着されている。さらに、一方の第2端部921からは、第2同軸コネクタ971を保持する第2同軸コネクタ保持部941が延出している。
【0006】
そして、第1コネクタと第2コネクタとが嵌合すると、第2ハウジング911が挿入凹部812に挿入され、互いに対応する第1端子861と第2端子961とが接触する。また、第1同軸コネクタ871と第2同軸コネクタ971とが嵌合して接続される。これにより、図示されない第1回路基板に形成されて第1端子861に接続された導電線と、図示されない第2回路基板に形成されて第2端子961に接続された導電線とが互いに導通し、電力や信号を伝達することができる。また、第1同軸コネクタ871に接続された図示されない同軸ケーブルと第2同軸コネクタ971に接続された図示されない同軸ケーブルとが互いに導通し、高周波信号を伝達することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来のコネクタにおいては、近年の電子機器における部材の小型化や信号の高速化に十分に対応することができない。ラップトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、デジタルカメラ、音楽プレーヤ、ゲーム機、ナビゲーション装置等の電子機器においては、筐体の小型低背化及びそれに伴う各部品の小型低背化が要求されるとともに、通信データ量の増加や通信速度及びデータ処理速度の高速化に対処するために信号の高速化が要求されているが、前記従来のコネクタでは、第1ハウジング811及び第2ハウジング911の厚さ方向の寸法が大きく、また、第1同軸コネクタ871及び第2同軸コネクタ971が大きいので、コネクタの小型低背化の要求に十分に答えることができない。さらに、各種の信号が高速化されるために、高周波信号を伝達する信号線の数も、1本でなく、複数本であることが要求されることがあるが、前記従来のコネクタでは、第1同軸コネクタ871及び第2同軸コネクタ971が1つずつなので、かかる要求に答えることができない。仮に、第1同軸コネクタ871及び第2同軸コネクタ971を複数ずつ設けた場合、前記従来のコネクタでは非常に大型化してしまうであろうことは、容易に想像することができる。
【0009】
ここでは、前記従来のコネクタの問題点を解決して、高いスペース効率で高周波接続ユニットを装填することができ、小型低背でありながら、複数本の高周波用信号ラインを接続することができるとともに、高周波端子の高いシールド効果を得ることができ、信頼性の高いコネクタ及びコネクタ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのために、第1コネクタにおいては、第1コネクタ本体と、該第1コネクタ本体に装填される第1端子と、前記第1コネクタ本体に装填される第1高周波接続ユニットとを有し、第2コネクタと嵌合する第1コネクタであって、前記第1コネクタ本体は、前記第2コネクタの第2コネクタ本体と嵌合する凹部と、長手方向両端に形成された嵌合ガイド部であって、前記第1高周波接続ユニットが装填される平面視における形状が略矩形の嵌合凹部であって、前記第2コネクタ本体の相手方嵌合ガイド部が挿入される嵌合凹部が形成された嵌合ガイド部とを含み、前記第1高周波接続ユニットは、第1高周波端子と、該第1高周波端子の周囲を囲繞して嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の第1高周波シールドとを含み、前記第1高周波端子は前記第1コネクタ本体の幅方向に複数個並べて配設されている。
【0012】
更に他の第1コネクタにおいては、さらに、前記第1高周波シールドは、前記嵌合ガイド部の側壁に取付けられる第1シールド部材と、前記嵌合凹部の底板に取付けられ、前記第1コネクタ本体の長手方向に延在するシールド板とを含んでいる。
【0013】
第2コネクタにおいては、第2コネクタ本体と、該第2コネクタ本体に装填される第2端子と、前記第2コネクタ本体に装填される第2高周波接続ユニットとを有し、第1コネクタと嵌合する第2コネクタであって、前記第2コネクタ本体は、長手方向両端に形成され、前記第1コネクタの嵌合凹部に挿入される相手方嵌合ガイド部であって、前記第2高周波接続ユニットが装填される平面視における形状が略矩形の相手方嵌合ガイド部を含み、前記第2高周波接続ユニットは前記第2コネクタ本体の幅方向に複数個並べて配設され、各第2高周波接続ユニットは、前記第1コネクタの第1高周波端子と接触する第2高周波端子と、該第2高周波端子の周囲を囲繞して嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の第2高周波シールドとを含む。
【0015】
更に他の第2コネクタにおいては、さらに、前記第2高周波端子は、前記第1高周波端子と1箇所でのみ接触する。
【0016】
更に他の第2コネクタにおいては、さらに、前記相手方嵌合ガイド部は、前記第2高周波端子を収容する第2高周波端子収容凹部を含み、前記第2高周波シールドは、前記第2高周波端子収容凹部の周囲に取付けられている。
【0017】
コネクタ組立体においては、第1コネクタ本体と、該第1コネクタ本体に装填される第1端子と、前記第1コネクタ本体に装填される第1高周波接続ユニットとを有する第1コネクタと、第2コネクタ本体と、該第2コネクタ本体に装填される第2端子と、前記第2コネクタ本体に装填される第2高周波接続ユニットとを有し、前記第1コネクタと嵌合する第2コネクタとを備えるコネクタ組立体であって、前記第1コネクタ本体は、前記第2コネクタ本体と嵌合する凹部と、長手方向両端に形成された嵌合ガイド部であって、前記第1高周波接続ユニットが装填される平面視における形状が略矩形の嵌合凹部が形成された嵌合ガイド部とを含み、前記第1高周波接続ユニットは、第1高周波端子と、該第1高周波端子の周囲を囲繞して嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の第1高周波シールドとを含み、前記第1高周波端子は前記第1コネクタ本体の幅方向に複数個並べて配設され、前記第2コネクタ本体は、長手方向両端に形成され、前記嵌合凹部に挿入される相手方嵌合ガイド部であって、前記第2高周波接続ユニットが装填される平面視における形状が略矩形の相手方嵌合ガイド部を含み、前記第2高周波接続ユニットは前記第2コネクタ本体の幅方向に複数個並べて配設され、各第2高周波接続ユニットは、前記第1高周波端子と接触する第2高周波端子と、該第2高周波端子の周囲を囲繞して嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の第2高周波シールドであって、前記第1高周波シールドに挿入される第2高周波シールドとを含む。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、高いスペース効率で高周波接続ユニットを装填することができ、小型低背でありながら、複数本の高周波用信号ラインを接続することができるとともに、高周波端子の高いシールド効果を得ることができ、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとが嵌合した状態の斜視図である。
【
図2】本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合前の斜視図である。
【
図3】本実施の形態における第1コネクタの斜視図である。
【
図4】本実施の形態における第1コネクタの分解図である。
【
図5】本実施の形態における第2コネクタの斜視図である。
【
図6】本実施の形態における第2コネクタの分解図である。
【
図7】本実施の形態における第2コネクタの金属部材の配置を示す斜視図である。
【
図8】本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとが嵌合した状態の三面図であって、(a)は第1コネクタの上方から観た平面図、(b)は(a)におけるA-A矢視断面図、(c)は(a)におけるB-B矢視断面図である。
【
図9】従来のコネクタを示す斜視図であって、(a)は第1コネクタを嵌合面側から観た斜視図、(b)は第2コネクタを嵌合面側から観た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1は本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとが嵌合した状態の斜視図、
図2は本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとの嵌合前の斜視図、
図3は本実施の形態における第1コネクタの斜視図、
図4は本実施の形態における第1コネクタの分解図である。
【0022】
図において、1は本実施の形態におけるコネクタであって、コネクタ組立体(コネクタアセンブリ)である一対の基板対基板コネクタの一方としての第1コネクタである。該第1コネクタ1は、実装部材としての図示されない基板である第1基板の表面に実装される表面実装型のコネクタであって、相手方コネクタとしての第2コネクタ101と互いに嵌合される。また、該第2コネクタ101は一対の基板対基板コネクタの他方であり、実装部材としての図示されない基板である第2基板の表面に実装される表面実装型のコネクタである。
【0023】
なお、本実施の形態における第1コネクタ1及び第2コネクタ101は、好適には、基板としての第1基板及び第2基板を電気的に接続するために使用するものであるが、他の部材を電気的に接続するためにも使用することができる。前記第1基板及び第2基板は、例えば、電子機器等に使用されるプリント回路基板、フレキシブルフラットケーブル(FFC)、フレキシブル回路基板(FPC)等であるが、いかなる種類の基板であってもよい。
【0024】
また、本実施の形態において、第1コネクタ1及び第2コネクタ101の各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、前記第1コネクタ1及び第2コネクタ101の各部が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
【0025】
そして、前記第1コネクタ1は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成された第1コネクタ本体としての第1ハウジング11を有する。該第1ハウジング11は、図に示されるように、概略直方体である概略長方形の厚板状の形状を備え、第2コネクタ101が嵌入される側、すなわち、嵌合面11a側(Z軸正方向側)には、周囲が囲まれた概略長方形の凹部であって、第2コネクタ101の第2ハウジング111と嵌合する第1凹部12が形成されている。そして、該第1凹部12内には第2ハウジング111の嵌合面111a側に形成された後述される第2凹部113と嵌合する中島としての第1凸部13が第1ハウジング11と一体的に形成されている。
【0026】
また、前記第1凸部13の両側(Y軸正方向側及び負方向側)には該第1凸部13と平行に延在し、前記第1凹部12の両側を画定する側壁部としての第1側壁部14が第1ハウジング11と一体的に形成されている。そして、前記第1凸部13及び第1側壁部14は、第1凹部12の底面を画定する底板18から上方(Z軸正方向)に向けて突出し、第1ハウジング11の長手方向に延在する。これにより、前記第1凸部13の両側には、第1凹部12の一部として、第1ハウジング11の長手方向に延在する細長い凹部である凹溝部12aが形成される。
【0027】
ここで、前記第1凸部13の両側の側面から凹溝部12aの底面にかけては、第1端子収容キャビティ15が形成されている。図に示される例において、第1端子収容キャビティ15は、前記底板18を板厚方向(Z軸方向)に貫通するように形成される。なお、前記第1端子収容キャビティ15のうちで、第1凸部13の両側の側面に形成された凹溝状の部分を第1端子収容内側キャビティ15aと称し、第1側壁部14における第1凸部13と対向する側面に形成された凹溝状の部分を第1端子収容外側キャビティ15bと称する。
【0028】
本実施の形態において、第1端子収容キャビティ15は、第1ハウジング11の長手方向に並んで2本の列を形成するように、各第1凸部13の両側に、所定のピッチで複数個(例えば、3個)ずつ形成されている。なお、前記第1端子収容キャビティ15のピッチ及び数は適宜変更することができる。そして、第1端子収容キャビティ15の各々に収容されて第1ハウジング11に装填される端子としての第1端子61も、各第1凸部13の両側に、同様のピッチで複数個ずつ配設されている。
【0029】
前記第1端子61は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、被保持部63と、該被保持部63の下端に接続されたテール部62と、前記被保持部63の上端に接続された上側接続部67と、該上側接続部67の下端に接続され、前記被保持部63と対向する外側接触部66と、該外側接触部66の下端に接続された下側接続部64と、該下側接続部64における外側接触部66と反対側の端に接続された内側接続部65とを備える。
【0030】
そして、前記被保持部63は、上下方向(Z軸方向)、すなわち、第1ハウジング11の厚さ方向に延在し、前記第1端子収容外側キャビティ15b内に圧入されて保持される部分である。なお、第1端子61は、必ずしも圧入によって第1ハウジング11に取付けられるものでなく、オーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化されるものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、被保持部63が第1端子収容外側キャビティ15b内に圧入されて保持されるものである場合について、説明する。
【0031】
また、前記テール部62は、被保持部63に対して曲げて接続され、左右方向(Y軸方向)、すなわち、第1ハウジング11の幅方向の外方を向いて延出し、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、典型的には、信号ラインであるが、該信号ラインは、高周波信号を伝達するものでなく、高周波信号よりも周波数の低い信号を伝達するものであるとして、説明する。
【0032】
さらに、前記上側接続部67は、上方(Z軸正方向)を向いて突出するように約180度湾曲した部分である。前記上側接続部67における被保持部63と反対側の下端には、下方(Z軸負方向)に向けて延在する外側接触部66が接続されている。該外側接触部66の一部は、第1ハウジング11の幅方向に内方を向いて突出することが望ましい。
【0033】
また、前記下側接続部64は、前記外側接触部66の下端に接続された略U字状の側面形状を備える部分である。前記下側接続部64において、外側接触部66の下端に接続された部分は、下方外側湾曲部64bであり、内側接続部65の下端に接続された部分は、下方内側湾曲部64aである。さらに、前記内側接続部65の上端には、上方に向って、かつ、外側接触部66に向って突出するように約180度湾曲した内側接触部65aが接続されている。
【0034】
前記第1端子61は、第1ハウジング11の下面(Z軸負方向面)である実装面11bから、第1端子収容キャビティ15内に圧入され、被保持部63が第1側壁部14の内側の側面に形成された第1端子収容外側キャビティ15bの側壁によって両側から挟持されることにより、第1ハウジング11に固定される。この状態、すなわち、第1端子61が第1ハウジング11に装填された状態において、前記内側接触部65aと外側接触部66とは、凹溝部12aの左右両側に位置し、互いに向合っている。また、第1ハウジング11の長手方向(X軸方向)から観て、被保持部63は大部分が第1端子収容外側キャビティ15b内に収容され、内側接触部65aは大部分が第1端子収容内側キャビティ15a内に収容されている。
【0035】
なお、第1端子61は、金属板に加工を施すことによって一体的に形成された部材であるので、ある程度の弾性を備える。そして、その形状から明らかなように、互いに向合う内側接触部65aと外側接触部66との間隔は、弾性的に変化可能である。すなわち、内側接触部65aと外側接触部66との間に第2コネクタ101が備える第2端子161が挿入されると、それにより、内側接触部65aと外側接触部66との間隔は弾性的に伸長する。
【0036】
また、前記第1ハウジング11の長手方向両端には嵌合ガイド部としての第1突出端部21が各々配設されている。各第1突出端部21には、前記第1凹部12に隣接して嵌合凹部22が形成されている。該嵌合凹部22は、略長方形の凹部であり、各凹溝部12aの長手方向両端に接続されている。そして、前記嵌合凹部22内には、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合された状態において、該第2コネクタ101が備える第2突出端部122が挿入される。
【0037】
さらに、前記第1突出端部21は、側壁として、第1側壁部14の長手方向両端から第1ハウジング11の長手方向に延出する嵌合ガイド側壁部としての第1側壁延長部21cと、第1ハウジング11の幅方向に延在し、両端が第1側壁延長部21cに接続された第1仕切壁部21a及び第1端壁部21bとを備える。前記第1仕切壁部21aは、第1側壁部14と第1側壁延長部21cとの境界部分において第1側壁延長部21cに接続され、第1凹部12と嵌合凹部22との仕切壁として機能する。また、前記第1端壁部21bは、第1ハウジング11の長手方向両端において第1側壁延長部21cに接続される。
【0038】
各第1突出端部21において、第1仕切壁部21a及び第1端壁部21bとそれらの両端に接続された第1側壁延長部21cとは、平面視において、連続した略口字状の側壁を形成し、略長方形の嵌合凹部22の四辺を画定する。また、該嵌合凹部22の底面は、底板としての突出端底板23によって概略塞がれているが、該突出端底板23には、上方に向けて突出する第1高周波端子支持部24と、前記突出端底板23をその板厚方向(Z軸方向)に貫通する突出端開口23a及び突出端中央溝23bとが形成されている。
【0039】
該突出端中央溝23bは、嵌合凹部22の幅方向(Y軸方向)中心において第1側壁部14の長手方向(X軸方向)に延在する細長いスリット状の溝であり、嵌合凹部22を幅方向に、すなわち、左右に二分する。そして、前記嵌合凹部22の右半分及び左半分のそれぞれにおける幅方向中心近傍には、前記第1高周波端子支持部24がそれぞれ形成され、各第1高周波端子支持部24の長手方向両端側には、略長方形の突出端開口23aがそれぞれ形成されている。各第1高周波端子支持部24には、第1高周波端子71が取付けられ、各第1突出端部21には第1高周波端子71の周囲を電磁的にシールドする第1シールド部材51が取付けられている。
【0040】
前記第1高周波端子71は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第1接続部75と、該第1接続部75に接続された第1テール部72とを備える。そして、前記第1高周波端子71はオーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化される。すなわち、第1ハウジング11は、第1高周波端子71をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に合成樹脂等の絶縁性材料を充填することによって成形される。これにより、第1接続部75は、少なくとも一部が第1ハウジング11内に埋没するようにして、第1ハウジング11に一体的に取付けられる。なお、第1高周波端子71は、必ずしもオーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化するのではなく、圧入等によって第1ハウジング11に取付けられてもよいが、ここでは、説明の都合上、オーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化されたものである場合について、説明する。
【0041】
前記第1接続部75は、側面視における形状が概略コ字状の部材であり、上下方向(Z軸方向)に延在する部分の上下両端に前後方向(X軸方向)に延在する部分が接続され、少なくとも上下方向に延在する部分における第1ハウジング11の長手方向の内方を向いた表面の一部が、第1高周波端子支持部24における第1ハウジング11の長手方向の内方を向いた側面に露出し、接触部としての第1接触部75aとして機能する。該第1接触部75aは、第1高周波端子支持部24の側面と概略面一となり、第2コネクタ101が備える第2高周波端子171と接触する部分である。また、前記第1テール部72は、第1接続部75における下側の前後方向に延在する部分の先端から、第1ハウジング11の長手方向の外方を向いて延出して突出端開口23a内に露出し、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、典型的には、信号ラインであって、高周波信号を伝達するものである。
【0042】
また、前記第1シールド部材51は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、前記嵌合凹部22の右半分及び左半分のそれぞれに対応する第1シールド右部材51A及び第1シールド左部材51Bとを含んでいるが、該第1シールド右部材51Aと第1シールド左部材51Bとは、嵌合凹部22の幅方向中心を通るX-Z面に関して、互いに対称な形状を有している。そこで、前記第1シールド右部材51Aと第1シールド左部材51Bとを統合的に説明する場合には、第1シールド部材51として説明する。
【0043】
該第1シールド部材51は、平面視において、略コ字状の第1側板部52を有する。該第1側板部52は、第1仕切壁部21aに取付けられる第1仕切壁シールド部52aと、第1端壁部21bに取付けられる第1端壁シールド部52bと、第1側壁延長部21cに取付けられる第1側壁延長シールド部52cとを含んでいる。そして、前記第1仕切壁シールド部52aの上端には、嵌合面カバー部としての第1仕切壁カバー部53aが一体的に接続され、前記第1端壁シールド部52bの上端には、嵌合面カバー部としての第1端壁カバー部53bが一体的に接続され、前記第1側壁延長シールド部52cの上端には、嵌合面カバー部としての第1側壁延長カバー部53cが一体的に接続されている。前記第1仕切壁カバー部53a、第1端壁カバー部53b及び第1側壁延長カバー部53cは、前記第1仕切壁シールド部52a、第1端壁シールド部52b及び第1側壁延長シールド部52cの上端に約90度湾曲して接続され、それぞれ、第1仕切壁部21a、第1端壁部21b及び第1側壁延長部21cにおける嵌合面11a側の面の少なくとも一部を覆うようになっている。
【0044】
そして、前記第1シールド部材51はオーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化される。すなわち、第1ハウジング11は、第1シールド部材51をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に合成樹脂等の絶縁性材料を充填することによって成形される。これにより、第1シールド部材51は、少なくとも一部が第1ハウジング11内に埋没するようにして、第1ハウジング11に一体的に取付けられる。なお、第1シールド部材51は、必ずしもオーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化するのではなく、圧入等によって第1ハウジング11に取付けられてもよいが、ここでは、説明の都合上、オーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化されたものである場合について、説明する。
【0045】
また、前記第1端壁シールド部52b及び第1側壁延長シールド部52cの下端には、テール部としての第1端壁テール部54b及び第1側壁延長テール部54cが、約90度湾曲して接続されている。前記第1端壁テール部54bは、前後方向、より具体的には、第1ハウジング11の長手方向の外方を向いて延出し、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。また、前記第1側壁延長テール部54cは、左右方向、より具体的には、第1ハウジング11の幅方向の外方を向いて延出し、第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、接地ラインであって、高周波信号を伝達する信号ラインに沿って配置され、該信号ラインの電磁的シールドとして機能する接地ラインである。また、図に示される例においては、第1仕切壁シールド部52aの下端には、テール部が接続されていないが、必要に応じて、第1端壁テール部54b及び第1側壁延長テール部54cと同様のテール部を接続することができる。
【0046】
さらに、前記第1端壁シールド部52b及び第1側壁延長シールド部52cの内側面には、係合凹部としての第1端壁シールド凹部55b及び第1側壁延長シールド凹部55cが凹入するように形成されている。該第1端壁シールド凹部55b及び第1側壁延長シールド凹部55cは、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合されると、第2コネクタ101の第2シールド部材151に形成された係合凸部としての第2端壁シールド凸部155b及び第2側壁延長シールド凸部155cと係合する部分である。なお、図に示される例においては、第1仕切壁シールド部52aの内側面には、係合凹部が形成されていないが、必要に応じて、第1端壁シールド凹部55b及び第1側壁延長シールド凹部55cと同様の係合凹部を形成することができる。
【0047】
また、前記突出端中央溝23bには、導電性の金属板に打抜き等の加工を施すことによって形成された第1ハウジング11の厚さ方向(Z軸方向)及び長手方向に延在するシールド板としての第1中央シールド部材56が収容されて保持される。該第1中央シールド部材56は、第1シールド部材51と協働して略矩形断面の角筒状の第1高周波シールド50を構成する細長い帯状の板材であって、上方に突出する上方突出部56aと、該上方突出部56aと対応する部分において下方に突出する下方突出部56dと、長手方向両端に形成された端縁部56bと、該端縁部56bから突出する係合突起56cとを有する。
【0048】
そして、突出端底板23の下面側、すなわち、実装面11b側から第1中央シールド部材56が突出端中央溝23b内に挿入乃至圧入されると、端縁部56bが突出端中央溝23bの長手方向両端に進入し、係合突起56cが突出端中央溝23bの長手方向両端縁に食込んで係合される。これにより、第1中央シールド部材56は突出端中央溝23bに収容されて保持される。なお、第1中央シールド部材56は、必ずしも挿入乃至圧入によって第1ハウジング11に取付けられるものでなく、オーバーモールド乃至インサート成形によって第1ハウジング11と一体化されるものであってもよいが、ここでは、説明の都合上、第1中央シールド部材56が突出端中央溝23b内に挿入乃至圧入されて保持されるものである場合について、説明する。また、図に示される例において、第1中央シールド部材56は、第1シールド部材51に直接的には接触していないが、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合されると、第1中央シールド部材56及び第1シールド部材51は、ともに、第2コネクタ101の第2シールド部材151に接触することによって、互いに導通して等電位となる。なお、必要に応じて、第1中央シールド部材56と第1シールド部材51とを直接的に接触させることができる。
【0049】
このように、第1シールド右部材51Aと第1シールド左部材51Bとの間に第1中央シールド部材56が存在するので、各嵌合凹部22の右半分及び左半分のそれぞれに、1つの第1高周波端子71の周囲を囲繞して嵌合方向(Z軸方向)に延在する略矩形断面の角筒状の電磁的シールドを提供する第1高周波シールド50が構成される。そして、1つの第1高周波端子71と第1高周波シールド50とによって、第1高周波接続ユニット70が構成される。該第1高周波接続ユニット70は、小型低背でありながら、従来の同軸コネクタと同等のシールド効果を発揮することができ、高周波信号を伝達することができ、また、平面視における外形が略矩形であるので、平面視における外形が略矩形である各第1突出端部21に複数個ずつ隙間なく並べて配設することができる。したがって、図に示される例のように、第1ハウジング11の長手方向に並べられた第1端子61の各列の延長線に近接して各第1高周波接続ユニット70を配設することができる。なお、図に示される例においては、各第1突出端部21において、第1高周波接続ユニット70が第1ハウジング11の幅方向に2個並べられているが、必要に応じて3個以上並べることもできるし、また、第1ハウジング11の長手方向に2個以上並べることもできる。
【0050】
さらに、第1シールド部材51は、金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第1ハウジング11に取付けられた状態において、第1仕切壁シールド部52a、第1端壁シールド部52b及び第1側壁延長シールド部52cが第1仕切壁部21a、第1端壁部21b及び第1側壁延長部21cの内側面の過半を覆い、第1仕切壁カバー部53a、第1端壁カバー部53b及び第1側壁延長カバー部53cが第1仕切壁部21a、第1端壁部21b及び第1側壁延長部21cの嵌合面11a側の面の少なくとも一部を覆うので、第1突出端部21及び第1コネクタ1全体を補強する補強金具としても機能する。また、第1端壁シールド部52b及び第1側壁延長シールド部52cの下端に接続された第1端壁テール部54b及び第1側壁延長テール部54cが第1基板の接地ラインに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されるので、第1シールド部材51が変形しにくくなり、第1突出端部21及び第1コネクタ1が効果的に補強される。
【0051】
次に、第2コネクタ101の構成について説明する。
【0052】
図5は本実施の形態における第2コネクタの斜視図、
図6は本実施の形態における第2コネクタの分解図、
図7は本実施の形態における第2コネクタの金属部材の配置を示す斜視図である。
【0053】
本実施の形態における相手方コネクタとしての第2コネクタ101は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に形成された相手方コネクタ本体である第2コネクタ本体としての第2ハウジング111を有する。該第2ハウジング111は、図に示されるように、概略直方体である概略長方形の厚板状の形状を備える。そして、第2ハウジング111の第1コネクタ1に嵌入される側、すなわち、嵌合面111a側(Z軸負方向側)には、周囲が囲まれた概略長方形の凹部であって、第1コネクタ1の第1ハウジング11の第1凸部13と嵌合する第2凹部113が形成されている。また、該第2凹部113の両側(Y軸正方向側及び負方向側)には、第2ハウジング111の長手方向(Z軸方向)に延在し、前記第2凹部113の両側を画定する側壁部としての第2側壁部112が第2ハウジング111と一体的に形成されている。さらに、前記第2凹部113の前後(X軸正方向側及び負方向側)には、第2ハウジング111の幅方向(Y軸方向)に延在し、両端が第2側壁部112に接続され、前記第2凹部113の前後を画定する横壁部としての第2横壁部114が第2ハウジング111と一体的に形成されている。なお、前記第2側壁部112及び第2横壁部114は、前記第2凹部113の底面を画定する第2ハウジング111の底板118から上方(Z軸負方向)に向けて突出している。
【0054】
そして、各第2側壁部112には、相手方端子としての第2端子161が配設されている。該第2端子161は、第1端子61に対応するピッチで、かつ、対応する数だけ配設されている。
【0055】
前記第2端子161は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、内側接触部165と、該内側接触部165の上端に接続された接続部164と、該接続部164の外方端に接続された外側接触部166と、該外側接触部166の下端に接続されたテール部162とを備える。そして、前記第2端子161はオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化される。すなわち、第2ハウジング111は、第2端子161をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に合成樹脂等の絶縁性材料を充填することによって成形される。
【0056】
これにより、第2端子161は、少なくとも一部が第2ハウジング111内に埋没するようにして、第2ハウジング111に一体的に取付けられ、また、内側接触部165、接続部164及び外側接触部166の表面が第2側壁部112の各側面及び嵌合面111aに露出する。また、前記テール部162は、第2側壁部112から第2ハウジング111の幅方向外側を向いて延出し、第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、典型的には、信号ラインであるが、該信号ラインは、高周波信号を伝達するものでなく、高周波信号よりも周波数の低い信号を伝達するものであるとして、説明する。
【0057】
なお、第2端子161は、必ずしもオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化するのではなく、圧入等によって第2ハウジング111に取付けられてもよいが、ここでは、説明の都合上、オーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化されたものである場合について、説明する。
【0058】
そして、前記第2ハウジング111の長手方向両端には相手方嵌合ガイド部としての第2突出端部122が各々配設されている。該第2突出端部122は、第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合された状態において、前記第1コネクタ1が備える第1突出端部21の嵌合凹部22に挿入される挿入凸部として機能する。なお、各第2突出端部122は、第2横壁部114との間に空間部115が形成されるように、前記第2横壁部114から第2ハウジング111の長手方向に離間して配設され、複数本(図に示される例においては3本)の接続桁115aによって前記第2横壁部114に接続されている。
【0059】
さらに、前記第2突出端部122は、第2ハウジング111の長手方向に延出する第2突出端部122の側壁部としての第2側壁延長部122cと、第2ハウジング111の幅方向に延在し、両端が第2側壁延長部122cに接続された第2仕切壁部122a及び第2端壁部122bとを備える。前記第2仕切壁部122aは、前記空間部115側において第2側壁延長部122cに接続され、第2突出端部122と空間部115との仕切壁として機能する。また、前記第2端壁部122bは、第2ハウジング111の長手方向両端において第2側壁延長部122cに接続される。なお、該第2側壁延長部122cは、第2ハウジング111の幅方向外側に位置する接続桁115aを介して第2側壁部112に接続され、その外側面は、第2ハウジング111の幅方向外側に位置する接続桁115a及び第2側壁部112の外側面とほぼ面一となっている。
【0060】
各第2突出端部122には、第2高周波端子収容凹部124が第2ハウジング111の幅方向に2つ並んで配設されるとともに、2つの第2高周波端子収容凹部124間に中間凹部125が形成されている。そして、第2高周波端子収容凹部124と中間凹部125とは、第2側壁延長部122cと平行な第2中間壁部122dによって仕切られている。該第2中間壁部122dは、その両端が第2仕切壁部122a及び第2端壁部122bに接続されている。前記第2高周波端子収容凹部124及び中間凹部125は、第2突出端部122を板厚方向(Z軸方向)に貫通する貫通孔である。
【0061】
なお、各第2高周波端子収容凹部124内には、第2ハウジング111の幅方向に延在して両端が第2側壁延長部122c及び第2中間壁部122dに接続された梁状の第2高周波端子支持部126が配設されている。そして、各第2高周波端子収容凹部124内は、第2高周波端子支持部126によって、中央側凹部124aと端側凹部124bとに区画されている。なお、図に示される例では、第2端壁部122bの端側凹部124bに対応する部分が欠如し、端側凹部124bが第2ハウジング111の長手方向端部において開放されているが、必ずしもこれに限定されるものでなく、第2端壁部122bが連続したものであって、端側凹部124bが第2ハウジング111の長手方向端部において閉止されていてもよい。
【0062】
また、第2仕切壁部122a及び第2端壁部122bの中間凹部125に対応する部分には、該中間凹部125に連通する中央側切欠部125a及び端側切欠部125bが形成されている。第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合されると、第1コネクタ1の第1中央シールド部材56における上方突出部56aの両端近傍部分が前記中央側切欠部125a及び端側切欠部125b内に収容される。
【0063】
そして、各第2高周波端子支持部126には、第2高周波端子171が取付けられ、各第2高周波端子収容凹部124の周囲には、第2高周波端子171の周囲を囲繞して嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の第2高周波シールド150を構成する第2シールド部材151が取付けられている。
【0064】
前記第2高周波端子171は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第2高周波端子支持部126によって保持される被保持部である第2被保持部173と、該第2被保持部173の一端に接続されたテール部である第2テール部172と、前記第2被保持部173の他端に接続された第2接続部174と、該第2接続部174の先端に接続された第2接触腕部175と、該第2接触腕部175の先端、すなわち、自由端に形成された接触部である第2接触部175aとを備える。
【0065】
そして、前記第2高周波端子171はオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化される。すなわち、第2ハウジング111は、第2高周波端子171をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に合成樹脂等の絶縁性材料を充填することによって成形される。これにより、第2高周波端子171は、少なくとも第2被保持部173が第2高周波端子支持部126内に埋没するようにして、第2高周波端子支持部126に一体的に取付けられる。なお、第2高周波端子171は、必ずしもオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化するのではなく、圧入等によって第2ハウジング111に取付けられてもよいが、ここでは、説明の都合上、オーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化されたものである場合について、説明する。
【0066】
前記第2被保持部173は、全体的には第2ハウジング111の長手方向に延在する部材であるが、上方向(Z軸負方向)に膨出するように湾曲し、これにより、第2高周波端子支持部126内に埋没して保持される。また、前記第2テール部172は、第2被保持部173の一端から、第2ハウジング111の長手方向の外方を向いて延出し、端側凹部124b内に露出し、第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、典型的には、信号ラインであって、高周波信号を伝達するものである。
【0067】
さらに、前記第2接続部174は、第2被保持部173の他端から、第2ハウジング111の長手方向の内方を向いて延出し、中央側凹部124a内に露出する。また、前記第2接触腕部175は、中央側凹部124a内において、第2接続部174の先端から上方に向って延出し、その上端近傍は、U字を形成するように約180度湾曲し、第2ハウジング111の長手方向の外方を向いて膨出する第2接触部175aが形成されている。
【0068】
なお、第2高周波端子171は、金属板に加工を施すことによって一体的に形成された部材であるので、ある程度の弾性を備える。そして、その形状から明らかなように、第2接続部174、第2接触腕部175及び第2接触部175aは、弾性的に変形可能である。したがって、中央側凹部124a内に第1高周波端子71が取付けられた第1コネクタ1の第1高周波端子支持部24が挿入されると、前記第1高周波端子71の第1接触部75aと接触する第2接触部175aは、第2ハウジング111の長手方向の内方に向けて弾性的に変位する。
【0069】
また、前記第2シールド部材151は、導電性の金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第2突出端部122の右半分及び左半分の第2高周波端子収容凹部124のそれぞれに対応する第2シールド右部材151A及び第2シールド左部材151Bとを含んでいるが、該第2シールド右部材151Aと第2シールド左部材151Bとは、第2突出端部122の幅方向中心を通るX-Z面に関して、互いに対称な形状を有している。そこで、前記第2シールド右部材151Aと第2シールド左部材151Bとを統合的に説明する場合には、第2シールド部材151として説明する。
【0070】
該第2シールド部材151は、平面視において、略口字状の第2カバー部152を有する。該第2カバー部152は、平面視における外形が略長方形の平板状部材であり、中央に略長方形のカバー開口152aが形成されている。また、前記第2カバー部152の4つの側縁には、第2仕切壁部122aに取付けられる第2仕切壁シールド部153aと、第2端壁部122bに取付けられる第2端壁シールド部153bと、第2側壁延長部122cに取付けられる第2側壁延長シールド部153cと、第2中間壁部122dに取付けられる第2中間壁シールド部153dとが一体的に接続されている。前記第2カバー部152は、第2仕切壁部122a、第2端壁部122b、第2側壁延長部122c及び第2中間壁部122dの嵌合面111a側の面の過半を覆い、前記第2仕切壁シールド部153a、第2端壁シールド部153b、第2側壁延長シールド部153c及び第2中間壁シールド部153dは、第2カバー部152の各側縁に約90度湾曲して接続され、それぞれ、第2仕切壁部122a、第2端壁部122b、第2側壁延長部122c及び第2中間壁部122dの外側面の過半を覆うようになっている。
【0071】
そして、前記第2シールド部材151はオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化される。すなわち、第2ハウジング111は、第2シールド部材151をあらかじめ内部にセットした金型のキャビティ内に合成樹脂等の絶縁性材料を充填することによって成形される。これにより、第2シールド部材151は、少なくとも一部が第2ハウジング111内に埋没するようにして、第2ハウジング111に一体的に取付けられる。なお、第2シールド部材151は、必ずしもオーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化するのではなく、圧入等によって第2ハウジング111に取付けられてもよいが、ここでは、説明の都合上、オーバーモールド乃至インサート成形によって第2ハウジング111と一体化されたものである場合について、説明する。
【0072】
また、前記第2仕切壁シールド部153aの下端には、テール部としての第2仕切壁テール部154aが、約90度湾曲して接続されている。該第2仕切壁テール部154aは、第2ハウジング111の長手方向の内方を向いて延出し、第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続される。なお、前記導電トレースは、接地ラインであって、高周波信号を伝達する信号ラインに沿って配置され、該信号ラインの電磁的シールドとして機能する接地ラインである。また、図に示される例においては、第2端壁シールド部153b、第2側壁延長シールド部153c及び第2中間壁シールド部153dの下端には、テール部が接続されていないが、必要に応じて、第2仕切壁テール部154aと同様のテール部を接続することができる。
【0073】
さらに、前記第2仕切壁シールド部153a、第2端壁シールド部153b、第2側壁延長シールド部153c及び第2中間壁シールド部153dの外側面には、係合凸部としての第2仕切壁シールド凸部155a、第2端壁シールド凸部155b、第2側壁延長シールド凸部155c及び第2中間壁シールド凸部155dが膨出するように形成されている。第1コネクタ1及び第2コネクタ101が嵌合されると、前記第2端壁シールド凸部155b及び第2側壁延長シールド凸部155cは、第1コネクタ1の第1シールド部材51に形成された係合凹部としての第1端壁シールド凹部55b及び第1側壁延長シールド凹部55cに入込んで係合する。また、前記第2仕切壁シールド凸部155aは、前記第1シールド部材51の第1仕切壁シールド部52aの内側面を押圧する。さらに、前記第2中間壁シールド凸部155dは、対向する第2中間壁シールド部153d同士の間に挿入される第1中央シールド部材56の側面を押圧する。
【0074】
このように、第2高周波端子171を収容する第2高周波端子収容凹部124のそれぞれの周囲に第2シールド右部材151A及び第2シールド左部材151Bが取付けられているので、各第2突出端部122の右半分及び左半分のそれぞれに、1つの第2高周波端子171と、その周囲を囲繞して嵌合方向(Z軸方向)に延在する略矩形断面の角筒状の電磁的シールドを提供する第2高周波シールド150とを備える第2高周波接続ユニット170が構成される。該第2高周波接続ユニット170は、小型低背でありながら、従来の同軸コネクタと同等のシールド効果を発揮することができ、高周波信号を伝達することができ、また、平面視における外形が略矩形であるので、平面視における外形が略矩形である各第2突出端部122に複数個ずつ隙間なく並べて配設することができる。したがって、図に示される例のように、第2ハウジング111の長手方向に並べられた第2端子161の各列の延長線に近接して各第2高周波接続ユニット170を配設することができる。なお、図に示される例においては、各第2突出端部122において、第2高周波接続ユニット170が第2ハウジング111の幅方向に2個並べられているが、必要に応じて3個以上並べることもできるし、また、第2ハウジング111の長手方向に2個以上並べることもできる。
【0075】
さらに、第2シールド部材151は、金属板に打抜き、曲げ等の加工を施すことによって一体的に形成された部材であり、第2ハウジング111に取付けられた状態において、第2カバー部152が第2仕切壁部122a、第2端壁部122b、第2側壁延長部122c及び第2中間壁部122dの嵌合面111a側の面の過半を覆い、第2仕切壁シールド部153a、第2端壁シールド部153b、第2側壁延長シールド部153c及び第2中間壁シールド部153dが第2仕切壁部122a、第2端壁部122b、第2側壁延長部122c及び第2中間壁部122dの外側面の過半を覆うので、第2突出端部122及び第2コネクタ101全体を補強する補強金具としても機能する。また、第2仕切壁シールド部153aの下端に接続された第2仕切壁テール部154aが第2基板の接地ラインに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されるので、第2シールド部材151が変形しにくくなり、第2突出端部122及び第2コネクタ101が効果的に補強される。
【0076】
次に、前記構成の第1コネクタ1と第2コネクタ101とを嵌合させる動作について説明する。
【0077】
図8は本実施の形態における第1コネクタと第2コネクタとが嵌合した状態の三面図である。なお、図において、(a)は第1コネクタの上方から観た平面図、(b)は(a)におけるA-A矢視断面図、(c)は(a)におけるB-B矢視断面図である。
【0078】
ここで、第1コネクタ1は、第1端子61のテール部62、第1高周波端子71の第1テール部72、並びに、第1シールド部材51の第1端壁テール部54b及び第1側壁延長テール部54cが図示されない第1基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されることにより、第1基板に表面実装されているものとする。また、前記第1高周波端子71の第1テール部72が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、信号ラインであって、アンテナに接続されるアンテナ線のように、高周波信号を伝達するものであり、第1シールド部材51の第1端壁テール部54b及び第1側壁延長テール部54cが接続される接続パッドに連結された導電トレースは、接地ラインであって、高周波信号を伝達する信号ラインに沿って配置され、該信号ラインの電磁的シールドとして機能する接地ラインであり、第1端子61のテール部62が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、信号ラインであって、前記高周波信号より低周波の信号を伝達するものであるとする。
【0079】
同様に、第2コネクタ101は、第2端子161のテール部162、第2高周波端子171の第2テール部172、及び、第2シールド部材151の第2仕切壁テール部154aが図示されない第2基板の導電トレースに連結された接続パッドにはんだ付等によって接続されることにより、第2基板に表面実装されているものとする。また、前記第2高周波端子171の第2テール部172が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、信号ラインであって、アンテナに接続されるアンテナ線のように、高周波信号を伝達するものであり、第2シールド部材151の第2仕切壁テール部154aが接続される接続パッドに連結された導電トレースは、接地ラインであって、高周波信号を伝達する信号ラインに沿って配置され、該信号ラインの電磁的シールドとして機能する接地ラインであり、第2端子161のテール部162が接続される接続パッドに連結された導電トレースは、信号ラインであって、前記高周波信号より低周波の信号を伝達するものであるとする。
【0080】
まず、オペレータは、
図2に示されるように、第1コネクタ1の第1ハウジング11の嵌合面11aと第2コネクタ101の第2ハウジング111の嵌合面111aとを対向させた状態とし、第1コネクタ1の第1凸部13の位置が第2コネクタ101の第2凹部113の位置と合致し、第2コネクタ101の第2突出端部122の位置が第1コネクタ1の対応する嵌合凹部22の位置と合致すると、第1コネクタ1と第2コネクタ101との位置合せが完了する。
【0081】
この状態で、第1コネクタ1及び/又は第2コネクタ101を相手側に接近する方向、すなわち、嵌合方向に移動させると、第1コネクタ1の第1凸部13が第2コネクタ101の第2凹部113内に挿入され、第2コネクタ101の第2突出端部122が第1コネクタ1の嵌合凹部22内に挿入される。これにより、
図1及び8に示されるように、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、第1端子61と第2端子161とが導通し、第1高周波端子71と第2高周波端子171とが導通した状態となる。
【0082】
具体的には、各第1端子61の内側接触部65aと外側接触部66との間に第2コネクタ101の第2端子161が挿入され、第1端子61の内側接触部65aと第2端子161の内側接触部165とが接触し、第1端子61の外側接触部66と第2端子161の外側接触部166とが接触する。これにより、互いに対応する第1端子61と第2端子161とは、2箇所で接触する、いわゆる、複数接点の状態となるので、衝撃や振動を受けたときに、一方の接点が離間しても、導通状態を維持することができる。そして、第1端子61のテール部62が接続された第1基板上の接続パッドに連結された導電トレースと、第2端子161のテール部162が接続された第2基板上の接続パッドに連結された導電トレースとが導通する。
【0083】
また、各第1高周波端子支持部24が対応する第2高周波端子収容凹部124の中央側凹部124a内に挿入され、第1高周波端子71の第1接触部75aと第2高周波端子171の第2接触部175aとが接触し、その結果、第1高周波端子71の第1テール部72が接続された第1基板上の接続パッドに連結された導電トレースと、第2高周波端子171の第2テール部172が接続された第2基板上の接続パッドに連結された導電トレースとが導通する。これにより、互いに対応する第1高周波端子71と第2高周波端子171とは、1箇所でのみ接触する、いわゆる、単接点の状態となり、複数箇所で接触する、いわゆる、複数接点の状態と比較すると、第1高周波端子71の第1テール部72から第2高周波端子171の第2テール部172までの信号の伝送線路に意図しないスタブ(Stub)やDivided Circuitが形成されることがないので、前記伝送線路のインピーダンスが安定する。したがって、前記伝送線路を高周波信号の伝送に用いた場合も、良好なSI(信号対干渉)特性を得ることができる。
【0084】
さらに、嵌合凹部22に第2突出端部122が挿入され、第2シールド部材151の第2端壁シールド凸部155b、第2側壁延長シールド凸部155cが第1シールド部材51の第1端壁シールド凹部55b及び第1側壁延長シールド凹部55cと係合して接触し、第2シールド部材151の第2仕切壁シールド凸部155aが第1シールド部材51の第1仕切壁シールド部52aに押圧されて接触する。また、第2シールド部材151の第2中間壁シールド凸部155dは、対向する第2中間壁シールド部153d同士の間に挿入される第1中央シールド部材56の側面に押圧されて接触する。その結果、第1シールド部材51の第1端壁テール部54b及び第1側壁延長テール部54cが接続された第1基板上の接続パッドに連結された導電トレースと、第2シールド部材151の第2仕切壁テール部154aが接続された第2基板上の接続パッドに連結された導電トレースとが導通する。したがって、第1基板の接地ライン、第2基板の接地ライン、第1シールド部材51、第1中央シールド部材56及び第2シールド部材151が等電位となり、シールド性が向上する。
【0085】
さらに、第2シールド部材151の第2端壁シールド凸部155b及び第2側壁延長シールド凸部155cが第1シールド部材51の第1端壁シールド凹部55b及び第1側壁延長シールド凹部55cと係合するので、第1シールド部材51と第2シールド部材151とがロックされた状態となり、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合状態の解除が防止される。
【0086】
このように、第1コネクタ1と第2コネクタ101との嵌合が完了すると、第1高周波接続ユニット70のそれぞれに対応する第2高周波接続ユニット170が挿入された状態となり、各第1高周波接続ユニット70の第1高周波端子71と対応する第2高周波接続ユニット170の第2高周波端子171とが単接点の状態で接触して導通する。また、第1高周波接続ユニット70の第1シールド部材51の第1側板部52と第1中央シールド部材56とによって構成される略矩形断面の角筒状の第1高周波シールド50内に、第2高周波接続ユニット170の第2シールド部材151によって構成される略矩形断面の角筒状の第2高周波シールド150が挿入された状態となる。したがって、互いに接続された第1高周波端子71及び第2高周波端子171は、その周囲を嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の電磁的シールドによって二重に囲繞された状態となるので、伝送線路を高周波信号の伝送に用いた場合も、良好なSI特性を得ることができる。
【0087】
なお、ここでは、第1高周波端子71及び第2高周波端子171が、アンテナ線のように、高周波信号を伝達する信号ラインを接続するものとして説明したが、当該信号ラインは、必ずしもこれに限定されるものでなく、いかなる周波数の信号を伝達するものであってもよい。また、第1端子61及び第2端子161が、低周波の信号を伝達する信号ラインを接続するものとして説明したが、本開示における「低周波」とは相対的な意味で使用されており、前記高周波信号の周波数と比較して低い周波数であることを意味する。
【0088】
このように、本実施の形態において、コネクタ組立体は、第1ハウジング11と、第1ハウジング11に装填される第1端子61と、第1ハウジング11に装填される第1高周波接続ユニット70とを有する第1コネクタ1と、第2ハウジング111と、第2ハウジング111に装填される第2端子161と、第2ハウジング111に装填される第2高周波接続ユニット170とを有し、第1コネクタ1と嵌合する第2コネクタ101とを備える。そして、第1ハウジング11は、第2ハウジング111と嵌合する第1凹部12と、長手方向両端に形成された第1突出端部21であって、第1高周波接続ユニット70が装填される平面視における形状が略矩形の嵌合凹部22が形成された第1突出端部21とを含み、第1高周波接続ユニット70は、第1高周波端子71と、第1高周波端子71の周囲を囲繞して嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の第1高周波シールド50とを含み、第2ハウジング111は、長手方向両端に形成され、嵌合凹部22に挿入される第2突出端部122であって、第2高周波接続ユニット170が装填される平面視における形状が略矩形の第2突出端部122を含み、第2高周波接続ユニット170は、第1高周波端子71と接触する第2高周波端子171と、第2高周波端子171の周囲を囲繞して嵌合方向に延在する略矩形断面の角筒状の第2高周波シールド150であって、第1高周波シールド50に挿入される第2高周波シールド150とを含んでいる。
【0089】
これにより、一般的な略矩形状の第1基板及び第2基板に実装されて高いスペース効率を発揮する第1コネクタ1及び第2コネクタ101に、高いスペース効率で第1高周波接続ユニット70及び第2高周波接続ユニット170を装填することができ、小型低背でありながら、複数本の高周波用信号ラインを接続することができるだけでなく、第1高周波端子71及び第2高周波端子171の高いシールド効果を得ることができ、信頼性が向上する。
【0090】
また、第1高周波接続ユニット70は第1ハウジング11の幅方向に複数個並べて配設され、第2高周波接続ユニット170は第2ハウジング111の幅方向に複数個並べて配設されている。これにより、高いスペース効率を維持しつつ、多数本の高周波用信号ラインを接続することができる。
【0091】
さらに、第1高周波端子71は、第2高周波端子171と1箇所でのみ接触する。これにより、インピーダンスが安定し、高周波用信号ラインの接続に用いた場合も、良好なSI特性を得ることができる。
【0092】
さらに、第1高周波シールド50は、第1突出端部21の第1仕切壁部21a、第1端壁部21b及び第1側壁延長部21cに取付けられる第1シールド部材51と、嵌合凹部22の底板である突出端底板23に取付けられ、第1ハウジング11の長手方向に延在する第1中央シールド部材56とを含んでいる。さらに、第1中央シールド部材56は、互いに隣接する第2高周波シールド150同士の間に挿入されて第2高周波シールド150と接触する。さらに、第2突出端部122は、第2高周波端子171を収容する第2高周波端子収容凹部124を含み、第2高周波シールド150は、第2高周波端子収容凹部124の周囲に取付けられている。これにより、簡素な構成でありながら、第1高周波端子71及び第2高周波端子171の高いシールド効果を得ることができる。
【0093】
なお、本明細書の開示は、好適で例示的な実施の形態に関する特徴を述べたものである。ここに添付された特許請求の範囲内及びその趣旨内における種々の他の実施の形態、修正及び変形は、当業者であれば、本明細書の開示を総覧することにより、当然に考え付くことである。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本開示は、コネクタ及びコネクタ組立体に適用することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 第1コネクタ
11、811 第1ハウジング
11a、111a 嵌合面
11b 実装面
12 第1凹部
12a 凹溝部
13 第1凸部
14 第1側壁部
15 第1端子収容キャビティ
15a 第1端子収容内側キャビティ
15b 第1端子収容外側キャビティ
18、118 底板
21 第1突出端部
21a 第1仕切壁部
21b 第1端壁部
21c 第1側壁延長部
22 嵌合凹部
23 突出端底板
23a 突出端開口
23b 突出端中央溝
24 第1高周波端子支持部
50 第1高周波シールド
51 第1シールド部材
51A 第1シールド右部材
51B 第1シールド左部材
52 第1側板部
52a 第1仕切壁シールド部
52b 第1端壁シールド部
52c 第1側壁延長シールド部
53a 第1仕切壁カバー部
53b 第1端壁カバー部
53c 第1側壁延長カバー部
54b 第1端壁テール部
54c 第1側壁延長テール部
55b 第1端壁シールド凹部
55c 第1側壁延長シールド凹部
56 第1中央シールド部材
56a 上方突出部
56b 端縁部
56c 係合突起
56d 下方突出部
61、861 第1端子
62、162 テール部
63 被保持部
64 下側接続部
64a 下方内側湾曲部
64b 下方外側湾曲部
65 内側接続部
65a、165 内側接触部
66、166 外側接触部
67 上側接続部
70 第1高周波接続ユニット
71 第1高周波端子
72 第1テール部
75 第1接続部
75a 第1接触部
101 第2コネクタ
111、911 第2ハウジング
112 第2側壁部
113 第2凹部
114 第2横壁部
115 空間部
115a 接続桁
122 第2突出端部
122a 第2仕切壁部
122b 第2端壁部
122c 第2側壁延長部
122d 第2中間壁部
124 第2高周波端子収容凹部
124a 中央側凹部
124b 端側凹部
125 中間凹部
125a 中央側切欠部
125b 端側切欠部
126 第2高周波端子支持部
150 第2高周波シールド
151 第2シールド部材
151A 第2シールド右部材
151B 第2シールド左部材
152 第2カバー部
152a カバー開口
153a 第2仕切壁シールド部
153b 第2端壁シールド部
153c 第2側壁延長シールド部
153d 第2中間壁シールド部
154a 第2仕切壁テール部
155a 第2仕切壁シールド凸部
155b 第2端壁シールド凸部
155c 第2側壁延長シールド凸部
155d 第2中間壁シールド凸部
161、961 第2端子
164 接続部
170 第2高周波接続ユニット
171 第2高周波端子
172 第2テール部
173 第2被保持部
174 第2接続部
175 第2接触腕部
175a 第2接触部
812 挿入凹部
814 側部
821 第1端部
841 第1同軸コネクタ保持部
871 第1同軸コネクタ
921 第2端部
941 第2同軸コネクタ保持部
971 第2同軸コネクタ