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  • 特許-航跡予測装置および航跡予測方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】航跡予測装置および航跡予測方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 5/04 20060101AFI20230508BHJP
【FI】
G08G5/04 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019050022
(22)【出願日】2019-03-18
(65)【公開番号】P2020154424
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 友之
(72)【発明者】
【氏名】大矢 孟
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-155036(JP,A)
【文献】特開2014-032514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行体の時系列の位置データに基づいて、高度情報を含む航跡パターンを作成する航跡パターン作成部と、
前記作成された航跡パターンを蓄積する航跡パターンデータベースと、
移動体の航跡データを取得する取得部と、
地理的領域を複数に分割したエリアごとに、前記航跡パターンデータベースに蓄積された航跡パターンの頻度数を用いて、それぞれの航跡パターンのポイントの出現頻度を確率で表すエリア別航跡パターン確率を算出するエリア別航跡パターン確率算出部と、
取得された前記航跡データの、前記航跡パターンデータベースに蓄積された航跡パターンに対する類似性を示す指標である航跡パターン確率を、前記エリア別航跡パターン確率に基づいて算出する航跡パターン確率算出部と、
前記航跡パターン確率に基づいて予測される前記移動体の航跡に係わる情報を表示する航跡予測表示部とを具備する、航跡予測装置。
【請求項2】
前記航跡パターン作成部は、異なる飛行体についての前記位置データ間の距離指標に基づくクラスタリングにより、前記航跡パターンを作成する、請求項1に記載の航跡予測装置。
【請求項3】
前記距離指標は、3次元ユークリッド距離である、請求項2に記載の航跡予測装置。
【請求項4】
前記算出された航跡パターン確率を更新しつつ蓄積する航跡パターン確率結果データベースをさらに具備し、
前記航跡パターン確率算出部は、前記航跡パターン確率結果データベースに蓄積された航跡パターン確率を前提条件とする演算により新たな航跡パターン確率を算出する、請求項1に記載の航跡予測装置。
【請求項5】
航跡予測装置のプロセッサにより実行される航跡予測方法であって、
前記プロセッサが、飛行体の時系列の位置データに基づいて、高度情報を含む航跡パターンを作成する過程と、
前記プロセッサが、前記作成された航跡パターンを航跡パターンデータベースに蓄積する過程と、
前記プロセッサが、移動体の航跡データを取得する過程と、
前記プロセッサが、地理的領域を複数に分割したエリアごとに、前記航跡パターンデータベースに蓄積された航跡パターンの頻度数を用いて、それぞれの航跡パターンのポイントの出現頻度を確率で表すエリア別航跡パターン確率を算出する過程と、
前記プロセッサが、取得された前記航跡データの、前記航跡パターンデータベースに蓄積された航跡パターンに対する類似性を示す指標である航跡パターン確率を、前記エリア別航跡パターン確率に基づいて算出する過程と、
前記プロセッサが、前記航跡パターン確率に基づいて予測される前記移動体の航跡に係わる情報を表示する過程とを具備する、航跡予測方法。
【請求項6】
前記プロセッサは、異なる飛行体についての前記位置データ間の距離指標に基づくクラスタリングにより、前記航跡パターンを作成する、請求項5に記載の航跡予測方法。
【請求項7】
前記距離指標は、3次元ユークリッド距離である、請求項6に記載の航跡予測方法。
【請求項8】
前記プロセッサが、前記算出された航跡パターン確率を航跡パターン確率結果データベースに更新しつつ蓄積する過程をさらに具備し、
前記プロセッサは、前記航跡パターン確率結果データベースに蓄積された航跡パターン確率を前提条件とする演算により新たな航跡パターン確率を算出する、請求項5に記載の航跡予測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、航跡予測装置および航跡予測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空間を移動する移動体の航跡を予測する技術が知られている。例えば、位置情報、移動速度、および複数のカメラにより取得された画像データをもとに、移動する電波源の将来の航跡を予測するという技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-44878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カメラを用いる方式は、主に地上を移動する移動体の航跡を予測するのに適しているが、空中を移動する航空機などの航跡を予測することは難しい。予測の精度をよりいっそう高めることが求められている。
目的は、予測精度を向上させた航跡予測装置および航跡予測方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、航跡予測装置は、航跡パターン作成部と、航跡パターンデータベースと、取得部と、航跡パターン確率算出部と、航跡予測表示部とを具備する。航跡パターン作成部は、飛行体の時系列の位置データに基づいて、高度情報を含む航跡パターンを作成する。航跡パターンデータベースは、作成された航跡パターンを蓄積する。取得部は、移動体の航跡データを取得する。航跡パターン確率算出部は、航跡パターンデータベースに蓄積された航跡パターンに対する航跡データの類似性を示す指標である航跡パターン確率を、当該航跡データについて算出する。航跡予測表示部は、航跡パターン確率に基づいて予測される移動体の航跡に係わる情報を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態に係わる航跡予測装置の一例を示すブロック図である。
図2図2は、日本付近に設定された複数のゾーンの一例を示す図である。
図3図3は、実施形態におけるゾーンの一例を示す図である。
図4図4は、エリア別航跡パターン確率の一例を示す図である。
図5図5は、図1に示される航跡予測装置におけるデータの流れの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る航跡予測装置200の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、時間の経過につれ航跡がいずれかの航跡パターンに分類されてゆく過程の一例を示す図である。
図8図8は、表示部210に表示される航跡、航跡パターン、および確率の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[構成]
図1は、実施形態に係わる航跡予測装置の一例を示す機能ブロック図である。航跡予測装置200は、CPUやMPU等のプロセッサ250と、ROM(Read Only Memory)220およびRAM(Random Access Memory)230を備えるコンピュータである。航跡予測装置200は、さらに、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)などの記憶部240、光学メディアドライブ260、表示部210、および、通信部270を備える。
【0008】
ROM220は、BIOS(Basic Input Output System)やUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)などの基本プログラム、および各種の設定データ等を記憶する。RAM230は、記憶部240からロードされたプログラムやデータを一時的に記憶する。
【0009】
光学メディアドライブ260は、CD-ROM280などの記録媒体に記録されたディジタルデータを読み取る。航跡予測装置200で実行される各種プログラムは、例えばCD-ROM280に記録されて頒布される。このCD-ROM280に格納されたプログラムは光学メディアドライブ260により読み取られ、記憶部240にインストールされる。
【0010】
通信部270は、通信機能を備え、他の装置(航跡データ記憶装置など)との通信を制御する。実施形態において、例えば、地上に設置されたレーダにより航空機の航跡が取得され、その航跡データが、通信部270を介して航跡予測装置200に入力されることを考える。航跡データは、時系列データとして航跡予測装置200に入力される。
【0011】
記憶部240は、プロセッサ250により実行されるプログラム240aを記憶する。このプログラム240aは、例えば通信部270を介してサーバからダウンロードし、記憶部240にインストールされることができる。
【0012】
また、記憶部240は、過去航跡データベース12、航跡パターンデータベース14、エリア別航跡パターン確率データベース16、付属情報データベース17、航跡データベース19、および、航跡パターン確率結果データベース21を記憶する。
過去航跡データベース12は、既に観測された履歴のある、飛行体の過去の航跡(過去航跡)を保存するデータベースである。過去航跡は、時系列で記録された、飛行体の3次元的な位置データである。なお、移動体を飛行体の上位概念として捉えることができる。
【0013】
航跡パターンデータベース14は、航跡パターンを保存するデータベースである。
エリア別航跡パターン確率データベース16は、エリア別の航跡パターンの通過確率であるエリア別航跡パターン確率を保存するデータベースである。エリアとは、地理的領域を複数に分割してそれぞれ区別される領域を意味する。
【0014】
図2は、航跡パターンの一例を示す模式図である。例えば、地理的領域としての日本付近を通過する、2つの航跡パターンA,Bが既に知られているとする。また、日本を例えば6×7のゾーンに分割し、さらに、それぞれのゾーンを図3のように、8×8のメッシュ状の区画に分割したとする。もちろん、この分割の単位は一例であり、実際にはさらに細かな単位でのメッシュを区切ることができる。例えば日本地図を数百~数千のエリア(メッシュ)に分けることが望ましい。
図3に示される単位区画を、エリアと称する。図3の各エリアは、それぞれ番号001~064で区別される。図3は、図2の円で囲ったゾーンを拡大したものに相当する。
【0015】
図4は、エリア別航跡パターン確率データベース16に記憶される、エリア別航跡パターン確率の一例を示す図である。すなわちエリア別航跡パターン確率は、航跡パターンのエリアごとの通過確率を示すデータである。通過確率とは、過去航跡を用いて算出され、或るエリアを、或る航跡パターンがたどる確率を示す指標として理解される。通過確率とは、要するに、エリアごとに航跡パターンのポイントの出現頻度を確率「%」で示すデータである。
【0016】
例えば図3において、航跡パターンA,Bに属する航跡のいずれもエリア001~エリア008を通過していない。よって図4においては、エリア001~エリア008のエリア別航跡パターン確率は、航跡パターンA,Bのいずれも0%である。
【0017】
エリア011~エリア024においては航跡パターンAに属する航跡の多くが占めているので、図4のテーブルにおいても、それに応じた値が設定される。また、エリア022,023,024には航跡パターンBに属する航跡も存在し、占有度に応じた値が図4のテーブルに設定される。エリア028,029,030,031には、航跡パターンBに属する航跡だけが通過していることがわかる。
【0018】
図1に戻って説明を続ける。付属情報データベース17は、航跡の諸元を示す付属情報を保存するデータベースである。
航跡データベース19は、航跡データを保存するデータベースである。付属情報を付与された航跡データを航跡データベース19に保存してもよい。
【0019】
航跡パターン確率結果データベース21は、予め登録された航跡パターンへの航跡データの類似性を示す指標である航跡パターン確率を蓄積するデータベースである。航跡パターン確率は、例えば算出されるたびごとに更新され、最新の情報が航跡パターン確率結果データベース21に蓄積される。
【0020】
さらに、図1において、プロセッサ250は、OS(Operating System)および各種のプログラムを実行する。また、プロセッサ250は、実施形態に係る処理機能として、航跡パターン作成部13、エリア別航跡パターン確率算出部15、付属情報付与部18、航跡パターン確率算出部20、および、航跡予測表示部22を備える。
【0021】
これらの機能ブロックは、記憶部240に記憶されたプログラム240aがRAM230にロードされ、当該プログラムの進行に伴ってプロセッサ250が計算処理を実行することで生成されるプロセスとして、理解され得る。つまりプログラム240aは、航跡予測装置200を動作させるためのプログラムであって、コンピュータである航跡予測装置200を、航跡パターン作成部13、エリア別航跡パターン確率算出部15、付属情報付与部18、航跡パターン確率算出部20、および、航跡予測表示部22として動作させる。
【0022】
航跡パターン作成部13は、図5に示されるように、過去航跡データベース12に登録されている過去航跡を取得し、例えば緯度、経度、および高度情報を含む3次元の航跡パターンを作成する。作成された航跡パターンは、図5に示されるように、航跡パターンデータベース14に登録される。
【0023】
ここで、航跡パターン作成部13は、個々の飛行体について記録された航跡データの緯度、経度、高度情報を用いて、航跡同士の類似度を示す距離指標を算出する。そして、距離指標の値の近い航跡同士をクラスタリングすることにより、航跡パターン作成部13は航跡パターンを作成する。距離指標としては3次元ユークリッド距離が代表的である。
【0024】
ここで、異なる航跡pおよびqについて、各航跡における或るポイントの緯度、経度、高度をそれぞれ(p1,p2,p3)、(q1,q2,q3)とすると、3次元ユークリッド距離d(p,q)を次式(1)により求めることができる。
【0025】
【数1】
【0026】
エリア別航跡パターン確率算出部15は、過去航跡データベース12に登録されている過去航跡及び航跡パターンデータベース14に登録されている航跡パターンを読み出し、エリアごとの航跡パターン確率を算出する。算出されたエリア別航跡パターン確率は、図5に示されるように、エリア別航跡パターン確率データベース16に登録される。
【0027】
付属情報付与部18は、例えば通信部270を介して取得された航跡データに、付属情報を付与する。付属情報とは、航跡データから推測することの可能な付帯情報である。付属情報付与部18は、図5に示されるように、付属情報データベース17から取得した付属情報を航跡データに付与することで、取得された航跡データの諸元を充実させる。付属情報を付与することのできた航跡データ、および付属情報を付与することのできなかった航跡データのいずれも、航跡データベース19に保存される。
【0028】
航跡パターン確率算出部20は、航跡データベース19から航跡を、エリア別航跡パターン確率データベース16からエリア別航跡パターン確率を、航跡パターンデータベース14から航跡パターンを取得し、現在の航跡データの緯度、経度、高度情報から、当該航跡データの該当する航跡パターンの確率(航跡パターン確率)を算出する。確率を算出した結果(航跡パターン確率結果)は、航跡パターン確率結果データベース21に登録される。
【0029】
過去に出現した履歴のある航跡については、航跡パターン確率結果データベース21から航跡パターン確率結果を読み込み、その航跡が過去に算出された航跡パターン確率を事前確率として用いて、現在位置の航跡パターン確率を算出する。
【0030】
航跡予測表示部22は、航跡パターン確率算出部20から与えられた航跡、航跡パターン、および航跡パターン確率を、表示部210に表示する。これらの情報は、デジタルマップ上に重ねて表示されても良い。
【0031】
[作用]
図6は、実施形態に係る航跡予測装置200の処理手順の一例を示すフローチャートである。図6のステップS11において、航跡予測装置200は、過去航跡データベース12から航跡を読み込む。
【0032】
ステップS12において、航跡予測装置200は、航跡パターンを作成する。すなわち航跡予測装置200は、過去航跡データベース12に保存されている全ての航跡を読み込み、3次元ユークリッド距離を用いて、近い航跡同士をグループ化(クラスタリング)していく。同じ航路を飛行する航空機でも、高度によってその航跡が特定されることを考慮し、高度情報を使用する。クラスタリングの結果は、航跡パターンデータベース14に登録される。
【0033】
ステップS13において、航跡予測装置200は、航跡パターンの頻度数を用いて、エリア別航跡パターン確率を算出する。算出した結果はエリア別航跡パターン確率データベース16に登録される。
【0034】
ステップS14において、航跡予測装置200は、現在の航跡を入力する。
ステップS15において、航跡予測装置200は、入力した航跡に付属する情報があるかどうかを判断する。ステップS15で航跡に付属する情報があると判断されれば(Yes)、航跡予測装置200は、付属情報データベース17から付属情報を読み込み、付属情報を付与する。
【0035】
ステップS17において、航跡予測装置200は、ステップS16から入力された付属情報が付与された航跡、またはステップS15で付属する情報がない(No)と判断された航跡を、航跡データベース19に登録する。
【0036】
ステップS18において、航跡予測装置200は、航跡が初めて出現したかどうかを判断する。
【0037】
ステップS19において、航跡予測装置200は、初めて出現した航跡に対しては、ステップS17で保存された航跡と、ステップS13で保存されたエリア別航跡パターン確率とを読み込み、現在の航跡の緯度、経度に基づき、航跡パターン確率を算出する。算出した結果は、航跡パターン確率結果データベース21に保存される。
【0038】
ステップS20において、航跡予測装置200は、すでに出現した履歴のある航跡に対し、ステップS17で保存された航跡と、ステップS13で保存されたエリア別航跡パターン確率、および、航跡パターン確率結果を読み込み、現在の航跡の緯度、経度、および、前ポイントの航跡パターン確率をもとに、航跡パターン確率を算出する。
【0039】
例えば、前ポイントの航跡パターン確率がパターンAが70%、パターンBが30%であり、現在のポイント位置におけるエリア別航跡パターン確率がパターンAが50%、パターンBが50%であれば、現在の位置における航跡のパターン確率は、パターンAが60%、パターンBが40%となる。このように、航跡パターンは、前ポイントの航跡パターン確率を用いて更新し、航跡パターン確率結果データベースへ保存する。
【0040】
例えば、図3のエリア24に出現した航跡(実線矢印)は、この時点では航跡パターンA,Bのいずれに分類されるべきかがはっきりしない(破線矢印)。これに対し図7に示されるように、次に移動したポイント以降の航跡については、航跡パターンAに沿って進む可能性の高い(80%)ことが示される。
【0041】
ステップS21において、航跡予測装置200は、ステップS20において得られた航跡、航跡パターン、および確率を、例えば図8に示されるように表示部210に表示する。
【0042】
[効果]
以上説明したようにこの実施形態では、高度情報を用い、緯度、経度および高度を含む3次元で航跡パターンを表現するようにした。これにより、2次元地図上では区別しにくい航路であっても、高度を用いて分類することが可能となる。
【0043】
また実施形態では、空域をメッシュ状に区切ったエリアごとに航跡パターンの確率を示すエリア別航跡パターン確率を算出した。そして、このエリア別航跡パターン確率に基づいて現在観測中の航跡が属する航跡パターン確率を算出し、将来における航跡を予測するようにした。これにより航跡予測の精度の向上を図ることができる。また、将来における航跡を、作業者の勘や経験に頼ることなく予測することが可能となる。また、各エリア別の航跡パターン確率を事前に求めておくことで、連続データである航跡のパターン確率を逐次更新していくことが可能となる。
【0044】
これらのことから、実施形態によれば、予測精度を向上させた航跡予測装置および航跡予測方法を提供することが可能となる。
【0045】
実施形態において、コンピュータに関連して用いられる「プロセッサ」という用語は、例えばCPU、MPU、GPU、或いは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、またはFPGA等の回路と理解され得る。
【0046】
プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを読み出し実行することで、プログラムに基づく特有の機能を実現する。また、メモリに代えて、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成することも可能である。このケースでは、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することでその機能を実現する。
【0047】
実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示するものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
12…過去航跡データベース、13…航跡パターン作成部、14…航跡パターンデータベース、15…エリア別航跡パターン確率算出部、16…エリア別航跡パターン確率データベース、17…付属情報データベース、18…付属情報付与部、19…航跡データベース、20…航跡パターン確率算出部、21…航跡パターン確率結果データベース、22…航跡予測表示部、200…航跡予測装置、210…表示部、220…ROM、230…RAM、240…記憶部、240a…プログラム、250…プロセッサ、260…光学メディアドライブ、270…通信部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8