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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】改札機および運賃収受システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20230508BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20230508BHJP
   G06Q 30/0283 20230101ALI20230508BHJP
【FI】
G06Q50/30
G07B15/00 J
G06Q30/0283
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019081139
(22)【出願日】2019-04-22
(65)【公開番号】P2020177575
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-11-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 貴行
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-057021(JP,A)
【文献】特開昭63-308691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運賃計算を行う運賃計算サーバと通信する通信部と、
携帯可能電子装置に処理を要求し、前記携帯可能電子装置からの応答を取得するリーダライタと、
前記リーダライタが前記携帯可能電子装置から取得する初期応答に含まれる識別情報に基づいて運賃を前記運賃計算サーバへ問合せ、前記問合せを実行した後に前記携帯可能電子装置が決済用の媒体であることを確認するための認証を実行し、前記携帯可能電子装置が決済用の媒体であることの認証が成功した場合に前記携帯可能電子装置を用いて前記問合せに応じて前記運賃計算サーバから取得する運賃の決済を実行する制御部と、
を有する改札機。
【請求項2】
さらに、前記携帯可能電子装置に記憶される決済用の媒体として利用するための決済用データに基づいて料金の決済を行う決済サーバと通信する第2の通信部を有し、
前記制御部は、前記携帯可能電子装置が決済用の媒体であることの認証が成功した場合に前記決済サーバによる決済を行うための決済用データを前記携帯可能電子装置から取得し、前記携帯可能電子装置から取得した決済用データに基づく前記運賃計算サーバから取得する運賃の決済を前記決済サーバへ依頼する、
請求項1に記載の改札機。
【請求項3】
前記携帯可能電子装置は、前記リーダライタからの要求に応じて実行する処理の結果を示す応答を出力するICカードである
請求項1または2の何れか1項に記載の改札機。
【請求項4】
改札機と運賃計算サーバとを有する運賃収受システムであって、
前記運賃計算サーバは、
入場者が所持する携帯可能電子装置の識別情報に対応づけて入場情報を記憶する記憶部と、
前記改札機と通信する第1の通信部と、
前記第1の通信部により前記改札機で出場する出場者が所持する携帯可能電子装置の識別情報に対応づけた出場情報を受信した場合、前記出場情報と前記出場情報に対応する識別情報が一致する入場情報とに基づいて運賃を計算し、計算した運賃を示す運賃情報を前記第1の通信部により前記改札機へ送信する制御を行う第1の制御部と、を有し、
前記改札機は、
前記運賃計算サーバと通信する第2の通信部と、
携帯可能電子装置に処理を要求し、前記携帯可能電子装置からの応答を取得するリーダライタと、
前記リーダライタにより前記携帯可能電子装置から取得する初期応答に含まれる識別情報に基づいて運賃を前記運賃計算サーバへ問合せ、前記問合せを実行した後に前記携帯可能電子装置が決済用の媒体であることの認証を実行し、前記携帯可能電子装置が決済用の媒体であることの認証が成功した場合に前記携帯可能電子装置を用いて前記問合せに応じて前記運賃計算サーバから取得する運賃の決済を実行する第2の制御部と、を有する、
運賃収受システム。
【請求項5】
前記改札機は、
さらに、前記携帯可能電子装置に記憶される決済用の媒体として利用するための決済用データに基づいて料金の決済を行う決済サーバと通信する第3の通信部を有し、
前記第2の制御部は、前記携帯可能電子装置が決済用の媒体であることの認証が成功した場合に前記決済サーバによる決済を行うための決済用データを前記携帯可能電子装置から取得し、前記携帯可能電子装置から取得した決済用データに基づく前記運賃計算サーバから取得する運賃の決済を前記決済サーバへ依頼する、
請求項4に記載の運賃収受システム。
【請求項6】
前記携帯可能電子装置は、前記リーダライタからの要求に応じて実行する処理の結果を示す応答を出力するICカードである
請求項4または5の何れか1項に記載の運賃収受システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、改札機および運賃収受システムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道などの交通機関では、交通機関等が発行する専用のカード(以下、交通専用カード)を用いて運賃収受を行う改札システムが実用化されている。従来の改札システムでは、改札機が、入場時に交通専用カードに入場情報を記録し、出場時に交通専用カードに記録した入場情報に基づいて算出する運賃を当該交通専用カードが保持する金額情報で精算することで出場を許可する。
【0003】
一方、近年では、交通専用カード以外の媒体を用いて交通機関における運賃を収受するシステムが提案されている。例えば、交通専用カードとは異なる事業者である金融機関などが発行するクレジットカードあるいは電子マネー機能を有するICカードを用いて、運賃の収受を行うアカウント型運賃収受システムと称するシステムが提案されている。
【0004】
アカウント型運賃収受システムでは、入場情報や定期情報などの利用データをサーバが保持し、出場処理に必要な運賃計算などをサーバが実行する。これにより、アカウント型運賃収受システムは、利用者が所持する金融機関などが発行したICカード等の媒体に入場情報や定期情報などの利用データを書き込むことなく、改札処理を実現する。また、アカウント型運賃収受システムでは、利用者が所持する媒体を用いて運賃の決済を行うため、利用者が所持する媒体の認証処理、運賃計算を行うサーバでの運賃計算、媒体からの運賃を決済するための情報の読み取り、決済サーバでの決済処理、決済サーバでの決済結果に応じた媒体への情報の書き込み等の処理が必要となる。従来のアカウント型運賃収受システムでは、上述した種々の処理を改札機とサーバとの通信によって順番に実行するため、出場処理などの処理時間が長くなってしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-170092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するため、他の事業者が提供する決済方式を用いた運賃の収受を含む運賃収受処理を短時間で実施できる改札機および運賃収受システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、改札機は、通信部とリーダライタと制御部とを有する。通信部は、運賃計算を行う運賃計算サーバと通信する。リーダライタは、携帯可能電子装置に処理を要求し、前記携帯可能電子装置からの応答を取得する。制御部は、リーダライタが携帯可能電子装置から取得する初期応答に含まれる識別情報に基づいて運賃を運賃計算サーバへ問合せ、問合せを実行した後に携帯可能電子装置が決済用の媒体であることを確認するための認証を実行し、携帯可能電子装置が決済用の媒体であることの認証が成功した場合に携帯可能電子装置を用いて前記問合せに応じて前記運賃計算サーバから取得する運賃の決済を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る運賃収受システム全体の構成例を概略的に示す図である。
図2】実施形態に係る運賃収受システムにおける改札機の構成例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る運賃収受システムにおける運賃計算サーバの構成例を示すブロック図である。
図4】実施形態に係る運賃収受システムにおける決済サーバの構成例を示すブロック図である。
図5】実施形態に係る運賃収受システムにおける入場処理の流れを説明するためのシーケンスである。
図6】実施形態に係る運賃収受システムにおける出場処理の流れを説明するためのシーケンスである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態に係る運賃収受システム1について説明する。
図1は、実施形態に係る運賃収受システム1の構成例を示す概念図である。
運賃収受システム1は、例えば、鉄道又はバスなどの交通機関における改札システムに適用される。また、運賃収受システム1は、各種の施設(有料施設)などにおける入出場システムなどにも適用することができる。以下、運賃収受システムを交通機関(例えば、鉄道)の改札システムに適用するケースを中心に説明する。
【0010】
図1に示すように、運賃収受システム1は、改札機11、運賃計算サーバ12、および、決済サーバ13を有する。
改札機11は、通過(入場または出場)しようとする利用者の通行を制御する改札処理を実行する。改札機11は、例えば、駅などの各改札口に1台又は複数台が設置される。改札機11は、利用者が所持する決済用の媒体(例えば、ICカード、携帯端末)に応じて改札処理を実行する。
【0011】
実施形態では、改札機11が、改札処理を実施する交通機関以外の事業者(例えば、金融機関)が発行する決済用の媒体で改札処理を実行する場合について説明する。ただし、改札機11は、交通機関が発行する専用のカード(交通専用カード)を用いて改札処理を実行する機能も具備するものであっても良い。また、本実施形態において、運賃収受システム1は、改札機11として入場処理専用の改札機と出場処理専用の改札機とを有するものであっても良いし、入出場兼用の改札機を有するものであっても良い。
【0012】
運賃計算サーバ12は、改札機11による改札処理に必要な処理としての運賃計算を実行する。運賃計算サーバ12は、1台又は複数台のサーバ装置によって構成される。運賃計算サーバ12は、複数台の改札機11とネットワークを介して接続される。運賃計算サーバ12は、各改札機11との間で各種のデータを送受信する。運賃計算サーバ12は、改札機11からの情報に応じて改札処理に必要な処理としての運賃計算を実行し、運賃計算の結果を改札機11へ供給する。
【0013】
複数の改札機11と運賃計算サーバ12とは、利用者の入出場を制御する改札システムを構成する。改札システムは、駅の改札口などの入出場口に配置した各改札機11が個々の利用者に対して円滑な通行制御を行えるように、各改札機11と運賃計算サーバ12とが高速なデータ通信を行うように構成する。また、改札システムは、各改札機11と運賃計算サーバ12とが交通機関におけるセキュアな通信を保つようにローカルなネットワークによって構築される。
【0014】
決済サーバ13は、利用者が所持する決済用の媒体に基づく決済処理を実行する。決済サーバ13は、1台又は複数台のサーバ装置によって構成される。本実施形態では、改札機11で利用者が所持する決済用の媒体による運賃(料金)の決済を行うため、決済サーバ13が、各改札機11と通信可能に接続される。なお、図1に示す構成例では、決済サーバ13は、それぞれの改札機11に接続する構成としたが、決済サーバ13は、運賃計算サーバ12を介して各改札機11と通信する構成としても良い。運賃収受システム1は、各改札機11と決済サーバ13とがセキュアに通信できる構成であれば良い。
【0015】
決済サーバ13が実現する決済処理は、例えば、クレジットカードによる決済、電子マネーによる決済、あるいは、キャッシュカードによる決済などを想定する。また、決済用の媒体としては、例えば、ICカード、携帯端末(携帯電話機、スマートフォン、タブレットPCなど)、電子決済用のコード(例えば、2次元コード)を表示する媒体などが想定される。
【0016】
また、決済用の媒体は、利用可能な金額情報、入場情報(例えば、入場日時、入場駅、入場改札機の識別情報など)および出場情報(例えば、出場日時、出場駅、出場改札機の識別情報など)が改札機11によって書き込まれる交通専用カードとは異なり、入場情報および出場情報が書き込まれることがなく、決済に関連する情報が書き込まれる媒体であるものとする。
【0017】
なお、以下に説明する実施形態では、改札システムで利用可能な利用者が所持する決済用の媒体は、電子マネー、クレジットカードあるいはキャッシュカードなどの決済機能を有する非接触式のICカードあるいは非接触式のICカードと同様な機能を有する携帯端末などの携帯可能電子装置であるものとする。非接触式のICカードあるいは携帯端末などの携帯可能電子装置は、改札機11が具備するリーダライタ25(図2参照)との非接触通信によりデータの読取および書込みが可能な装置である。
【0018】
次に、実施形態に係る運賃収受システム1における改札機11の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る改札機11の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、改札機11は、制御部21、記憶部22、第1通信部23、第2通信部24、リーダライタ(R/W)25、ディスプレイ26、スピーカ27、および、通行制御機構28を備える。
【0019】
制御部21は、改札機11における各種の動作を制御する。制御部21は、プログラムを実行するプロセッサを有する。例えば、制御部21は、プロセッサ、メモリおよびインターフェースなどで構成する。制御部21は、プロセッサが記憶部22または制御部21内のメモリに記憶するプログラムを実行することにより各種の処理を実行する。
【0020】
例えば、制御部21は、リーダライタ25を介して通信するICカードまたは携帯端末などの携帯可能電子装置(決済用の媒体)からの初期応答としてカード製造番号(又は発行番号)などのノンセキュアな識別情報(ID情報)を取得する。制御部21は、取得した識別情報に基づいて当該識別情報の決済用の媒体を所持する利用者に課する運賃を運賃計算サーバ12へ問合せる。また、制御部21は、リーダライタ25を介して通信する決済用の媒体としての携帯可能電子装置を認証する認証処理を行う。また、制御部21は、運賃計算サーバ12から取得する運賃を決済用の媒体を用いて決済するために、決済用の媒体が記憶する決済用データによる決済を決済サーバ13へ依頼する。また、制御部21は、決済サーバ13における運賃の決済結果に応じて通行制御機構28を制御して利用者の通行を制御する。
【0021】
記憶部22は、データを記憶する。記憶部22は、HDD(ハードディスクドライブ)あるいはSSD(ソリッドステートドライブ)などの書き換え可能な不揮発性のメモリで構成する。
【0022】
第1通信部23は、運賃計算サーバ12と通信するための通信インターフェースである。また、第2通信部24は、決済サーバ13と通信するための通信インターフェースである。第1通信部23および第2通信部24は、制御部21の制御に応じて運賃計算サーバ12および決済サーバ13と通信できるものであれば良い。例えば、第1通信部23および第2通信部24は、1つのハードウエアで実現しても良い。
【0023】
リーダライタ25は、利用者が提示する決済用の媒体と通信する。リーダライタ25は、例えば、決済用の媒体として用いられる非接触式のICカードあるいは非接触式のICカードと同様な機能を含む携帯端末と通信する。リーダライタ25は、制御部21の制御に応じて、決済用の媒体から情報を読み取ったり、決済用の媒体に情報を書き込んだりする処理を実行する。
【0024】
ディスプレイ26は、情報を表示する。ディスプレイ26は、当該改札機11を通行(入場または出場)しようとする利用者が視認可能な位置に設ける。ディスプレイ26は、制御部21によって表示内容が制御される。例えば、ディスプレイ26は、利用者が提示する媒体から読み取った情報、および、通行の可否を示す情報などを表示する。
【0025】
スピーカ27は、音を出力する。スピーカ27は、当該改札機11を通行しようとする利用者が認識できるような音を出力する。スピーカ27は、制御部21によって出力する音が制御される。例えば、スピーカ27は、リーダライタ25による媒体との通信状態を示す音を出力したり、通行を不可する利用者に対するアラートを音声出力したりする。
【0026】
通行制御機構28は、改札機11が形成する改札用の通路(入場用または出場用の通路)における利用者の通行を制御するものである。通行制御機構28は、制御部21の指示に応じて利用者の通行を制御するように駆動する。例えば、通行制御機構28は、ドアおよびドアの開閉を制御する駆動機構を有する。通行制御機構28は、利用者の通行を阻止する場合にはドアを閉鎖し、利用者の通行を許可する場合にはドアを開放するように動作する。
【0027】
次に、実施形態に係る運賃収受システム1における運賃計算サーバ12の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る運賃計算サーバ12の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、運賃計算サーバ12は、制御部31、記憶部32、通信部33を備える。
制御部31は、運賃計算サーバ12における各種の動作を制御する。制御部31は、プログラムを実行するプロセッサを有する。例えば、制御部31は、プロセッサ、メモリおよびインターフェースなどで構成する。制御部31は、プロセッサが記憶部32または制御部31内のメモリに記憶するプログラムを実行することにより各種の処理を実行する。
【0028】
例えば、制御部31は、入場用の改札機11から決済用の媒体の識別情報(ID情報)に対応づけた入場情報を受信した場合、当該識別情報に対応づけて入場情報を記憶部32に記憶する。また、制御部31は、出場用の改札機11から取得する識別情報に対応づけた出場情報を受信した場合(出場用の改札機11から運賃の問合せを受けた場合)、出場情報に対応する識別情報と一致する入場情報を検索し、識別情報が一致する入場情報と出場情報とに基づいて運賃を計算し、運賃の計算結果を出場用の改札機11へ返す。
【0029】
記憶部32は、各種のデータを記憶する。記憶部22は、例えば、HDD(ハードディスクドライブ)あるいはSSD(ソリッドステートドライブ)などの書き換え可能な不揮発性のメモリで構成する。記憶部32は、運賃計算を行うためのデータを記憶する。例えば、記憶部32は、入場用の改札機11から供給される決済用の媒体の識別情報に対応づけた入場情報を記憶する。また、記憶部32は、運賃計算を実行するための運賃などの情報を示す運賃テーブルなどを記憶しても良い。
【0030】
通信部33は、各改札機11と通信するための通信インターフェースである。通信部33は、制御部31の制御に応じて改札機11と通信できるものであれば良い。
なお、運賃計算サーバ12は、運賃テーブルなどの運賃計算に用いる情報を記憶する外部装置と通信するための通信部を具備しても良い。この場合、制御部31は、外部装置から取得する情報に基づいて運賃計算処理を実行するようにして良い。
【0031】
次に、実施形態に係る運賃収受システム1における決済サーバ13の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る決済サーバ13の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、決済サーバ13は、制御部41、記憶部42、および、通信部43を備える。
制御部41は、決済サーバ13における各種の動作を制御する。制御部41は、プログラムを実行するプロセッサを有する。例えば、制御部41は、プロセッサ、メモリおよびインターフェースなどで構成する。制御部41は、プロセッサが記憶部42または制御部41内のメモリに記憶するプログラムを実行することにより各種の処理を実行する。制御部41は、決済用の媒体に記録した決済用データに基づいて料金(運賃)を決済する決済処理を実行する。例えば、制御部41は、改札機11からの決済の依頼に応じて決済処理を実行し、決済処理の結果を改札機11へ返す。
【0032】
記憶部42は、データを記憶する。記憶部42は、例えば、HDD(ハードディスクドライブ)あるいはSSD(ソリッドステートドライブ)などの書き換え可能な不揮発性のメモリで構成する。記憶部42は、決済用の媒体に応じて決済を行うためのデータを記憶する。
通信部43は、各改札機11と通信するための通信インターフェースである。通信部43は、制御部41の制御に応じて改札機11と通信できるものであれば良い。
【0033】
次に、実施形態に係る運賃収受システム1における改札処理について説明する。
まず、実施形態に係る運賃収受システム1における入場処理について説明する。
図5は、実施形態に係る運賃収受システム1における入場処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
ここでは、決済用の媒体が、交通専用カードではなく、金融機関が発行する決済サーバ13での決済が可能な非接触式のICカード(または非接触式のICカードと同等の機能を有する携帯端末)である場合を想定して説明するものとする。
【0034】
待機状態において、改札機11のリーダライタ25は、通行する利用者が所持するICカードに対して応答を要求する電波を発信する(ST11)。例えば、入場口(改札口)に設けられた改札機11は、センサなどにより入場しようとする利用者(入場者)を検知する。入場しようとする利用者を検知した場合、改札機11のリーダライタ25は、利用者が所持するICカードに対して応答を要求する電波を発信する。利用者が所持するICカードは、リーダライタ25からの電波を受けて起動し、初期応答として識別情報(ID)を含む応答を発信する。ICカードが初期応答として発信する識別情報は、認証処理なしで発信されるノンセキュアな情報である。ICカードが初期応答として発信する識別情報は、例えば、ICカードの製造番号などである。
【0035】
改札機11は、リーダライタ25により利用者が所持するICカードからの識別情報を含む初期応答を受信する(ST12)。リーダライタ25がICカードからの初期応答を受信すると、制御部21は、当該ICカードが入場に用いる決済用の媒体として正当なものであるかを確認する認証処理を実行する。ICカードの認証処理として、制御部21は、リーダライタ25を介してICカードへ認証要求を送信する(ST13)。ICカードは、リーダライタ25からの認証要求を受けて認証処理を実行し、認証結果をリーダライタ25へ送信する(ST14)。当該ICカードの認証が失敗した場合、制御部21は、利用者に対して当該ICカードを用いた通行(入場)が不可である旨の案内をディスプレイ26に表示し、通行制御機構28によって利用者の通行を阻止する。
【0036】
当該ICカードの認証が成功した場合、制御部21は、当該ICカードを用いた入場処理を実行する。ICカードを用いた入場処理を実行する場合、制御部21は、リーダライタ25を介して入場処理に必要なデータの読み出しをICカードに要求する(ST15)。ICカードは、リーダライタ25からの読み出し要求に応じて入場処理に必要なデータ(入場処理データ)を読み出し、読み出した入場処理データをリーダライタ25へ送信する。これにより、リーダライタ25は、利用者が所持する認証済みのICカードから入場処理データを取得する(ST16)。
【0037】
制御部21は、ICカードから取得した入場処理データに基づいて入場処理を実行する。入場時に料金の決済が必要である場合、制御部21は、決済サーバ13によりICカードを用いた決済を実行する。ただし、料金の決済の必要が無い場合(入場時に料金の収受を行わない運用形態である場合)、制御部21は、ST21へ進み、当該利用者に対する通行制御を実行するようにしても良い。
【0038】
例えば、所定の料金(例えば、初乗り運賃)を入場時に収受する運用形態である場合、制御部21は、所定の料金を利用者が所持するICカードで決済する。この場合、制御部21は、ICカードから入場処理に必要なデータとして決済用データを読み取る。決済用データを読み取ると、制御部21は、読み取った決済用データに基づいて所定の料金を決済することを決済サーバ13へ要求する(ST17)。決済サーバ13は、改札機11からの要求に応じて入場処理データに含まれる情報に基づく決済処理を実行し、決済結果を改札機11へ返信する。これにより、改札機11は、決済サーバ13からの決済結果を示す情報を取得する(ST18)。
【0039】
料金の決済が完了すると、制御部21は、利用者が所持するICカードに対して決済に係る書込み処理を実行する。すなわち、制御部21は、リーダライタ25によってICカードに対して決済結果に応じた書き込みを要求する(ST19)。ICカードは、改札機11のリーダライタ25からの書き込み要求に応じて決済結果に応じたデータを書き込み、書込み完了(書込み結果)を示す通知をリーダライタ25へ送信する(ST20)。これにより、制御部21は、リーダライタ25によりICカードからの書込み完了の通知を受けると、利用者が所持するICカードを用いた決済を完了する。
【0040】
決済が完了すると、制御部21は、利用者に対する通行制御として当該利用者を入場させる制御を実行する(ST21)。この場合、制御部21は、利用者の入場を許可する旨の案内をディスプレイ26に表示し、通行制御機構28としてのドアを開放することで当該利用者を入場させる。これにより、改札機11は、当該利用者に対して入場を促すとともに、当該ICカードを用いた入場を許可する。
【0041】
利用者を入場させる場合、制御部21は、初期応答としてICカードから読み取ったノンセキュアな識別情報を含む入場情報を生成し、生成した入場情報を運賃計算サーバ12に送信する(ST22)。運賃計算サーバ12は、改札機11からの入場情報を受信し、受信した入場情報を記憶する(ST23)。すなわち、運賃計算サーバ12の制御部31は、通信部33により通信する入場用の改札機11からの入場情報を記憶部32に記憶する。運賃計算サーバ12は、出場用の改札機11からの運賃計算の要求に応じて識別情報に基づいて入場情報を検索できるように、識別情報に対応づけて入場情報を記憶する。
【0042】
以上の処理によって、実施形態に係る運賃収受システムは、交通専用カード以外のICカードを用いた入場処理が実行できる。また、上述した入場処理によって、運賃収受システムでは、ICカードが初期応答として返信するノンセキュアな識別情報に対応づけた入場情報を運賃計算サーバが記憶できる。
【0043】
次に、本実施形態に係る運賃収受システムにおける出場処理について説明する。
図6は、実施形態に係る運賃収受システムにおける出場処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
ここでも、決済用の媒体が、交通専用カードではなく、金融機関が発行する決済サーバ13での決済が可能な非接触式のICカード(または非接触式のICカードと同等の機能を有する携帯端末)である場合を想定して説明するものとする。
【0044】
待機状態において、改札機11のリーダライタ25は、通行する利用者が所持するICカードに対して応答を要求する電波を発信する(S31)。例えば、出場口(改札口)に設けられた改札機(出場用の改札機)11は、センサなどにより出場しようとする利用者(出場者)を検知する。出場しようとする利用者を検知した場合、改札機11のリーダライタ25は、利用者が所持するICカードに対して応答を要求する電波を発信する。
【0045】
利用者が所持するICカードは、リーダライタ25からの電波を受けて起動し、識別情報(ID)を含む初期応答を発信する。ICカードは、入場処理と同様に、初期応答としてICカードの製造番号などのノンセキュアな識別情報(ID)を含む情報を送信する。利用者が所持するICカードが初期応答を発信すると、改札機11のリーダライタ25は、ICカードからの識別情報を含む初期応答を受信する(ST32)。
【0046】
リーダライタ25がICカードからの初期応答を受信すると、制御部21は、初期応答に含まれる識別情報と出場情報とに基づく運賃を運賃計算サーバ12へ問い合わせる(ST33)。ここで、出場情報は、出場駅、出場処理を実行する改札機のコードおよび出場日時などを示す情報である。すなわち、ICカードからの初期応答を受信すると、制御部21は、当該ICカードの認証処理を待たずに、初期応答に含まれるICカードの識別情報と出場情報とに基づく運賃計算を運賃計算サーバ12へ依頼する。
【0047】
運賃計算サーバ12は、出場用の改札機11からの運賃の問合せ(運賃計算の依頼)を受けて運賃計算を実行する。すなわち、運賃計算サーバ12の通信部33は、出場用の改札機11からの識別情報と出場情報とを含む運賃の問合せを受信する。運賃の問合せと共にICカードの識別情報を受信すると、制御部31は、受信した識別情報と一致する識別情報に対応づけられた入場情報を記憶部32から取得する(ST34)。
【0048】
識別情報が一致する入場情報を取得すると、制御部31は、入場情報が示す入場駅から出場情報が示す出場駅までの運賃を計算する(ST35)。識別情報が一致する入場情報と出場情報とに基づいて運賃を計算すると、制御部31は、運賃の計算結果を示す運賃情報を問合せ元(依頼元)の改札機11へ送信する(ST36)。運賃を問い合わせた改札機11は、運賃計算サーバ12からの運賃情報を通信部23により受信する(ST36)。
【0049】
なお、運賃計算サーバ12において、運賃の問合せと共に受信した識別情報と一致する入場情報が記憶部32に保存されていない場合、あるいは、識別情報が一致する入場情報と出場情報との関係が不正である場合(例えば、入場日時に対して出場日時が不正な範囲である場合)、制御部31は、出場不可、あるいは、運賃計算が不可である旨を依頼元の改札機11へ送信するようにしても良い。
【0050】
一方、決済用の媒体としてのICカードから読み取った識別情報と出場情報とに基づく運賃を運賃計算サーバ12へ問い合わせた後、改札機11の制御部21は、運賃計算サーバ12からの応答(運賃情報の受信)を待たずに、利用者が所持するICカードの認証処理を実行する。すなわち、改札機11は、運賃計算サーバ12での運賃計算と並行して、当該ICカードが出場に用いる決済用の媒体として正当なものであるかを確認するための認証処理を実行する。ICカードの認証処理として、制御部21は、リーダライタ25を介してICカードへ認証要求を送信する(ST37)。ICカードは、リーダライタ25からの認証要求を受けて認証処理を実行し、認証結果をリーダライタ25へ送信する(ST38)。
【0051】
ここで、決済用の媒体としてのICカードの認証が失敗した場合、制御部21は、利用者に対して当該ICカードを用いた通行(出場)が不可である旨の案内をディスプレイ26に表示し、通行制御機構28によって利用者の通行を阻止する。
【0052】
決済用の媒体としてのICカードの認証が成功した場合、制御部21は、運賃計算サーバ12が計算する運賃に基づく料金を決済するための処理を実行する。制御部21は、リーダライタ25を介して運賃(料金)の決済に必要なデータ(決済用データ)の読み出しをICカードに要求する(ST39)。決済用データは、ICカードを用いて決済サーバ13で料金の決済を行うために必要なデータ(例えば、クレジットカード番号など)である。ICカードは、リーダライタ25からの読み出し要求に応じて運賃の決済に必要なデータ(決済用データ)を読み出し、読み出した決済用データをリーダライタ25へ送信する(ST40)。改札機11の制御部21は、リーダライタ25によってICカードから決済用データを受信することにより決済用データを取得する(ST40)。
【0053】
ここで、ICカードからの決済用データの読み出しは、運賃計算サーバ12での運賃計算と並行して実施して良い。つまり、制御部21は、ICカード(決済用の媒体)が保持するカード内データとしての決済用データの読み出しを運賃計算サーバ12から運賃情報を受信する前に実施して良い。なお、図6に示す例では、ICカードに対する読み出し要求とICカードからの決済用データの受信までの間に運賃計算サーバ12から運賃情報を受信するものとしたが、運賃計算サーバ12からの運賃情報の受信は、決済サーバ13への決済要求の前であれば、いつでも良い。
【0054】
ICカードから決済用データを取得し、かつ、運賃計算サーバ12から運賃情報を取得すると、制御部21は、取得した決済用データを用いて運賃情報が示す運賃(料金)を決済するための決済の依頼を決済サーバ13へ送信する(ST41)。決済サーバ13は、改札機11からの依頼に応じて決済用データに基づいて運賃を決済する決済処理を実行し、決済結果を改札機11へ返信する。これにより、改札機11は、決済サーバ13からの決済結果を示す情報を取得する(ST42)。
【0055】
運賃の決済が完了すると、制御部21は、利用者が所持するICカードに対して決済に係る書込み処理を実行する。すなわち、制御部21は、リーダライタ25によってICカードに対して決済結果に応じた書き込みを要求する(ST43)。ICカードは、改札機11のリーダライタ25からの書き込み要求に応じて決済結果に応じたデータを書き込み、書込み完了(書込み結果)を示す通知をリーダライタ25へ送信する(ST44)。これにより、制御部21は、リーダライタ25によりICカードからの書込み完了の通知を受けると、利用者が所持するICカードを用いた決済を完了する。
【0056】
運賃の決済が完了すると、制御部21は、利用者に対する通行制御として当該利用者を出場させる制御を実行する(ST45)。この場合、制御部21は、利用者の出場を許可する旨の案内をディスプレイ26に表示し、通行制御機構28が具備するドアを開放して利用者を出場させる。また、ディスプレイ26には、決済した運賃を示す情報などを表示しても良い。これにより、改札機11は、当該ICカードを用いた出場を許可し、当該利用者に対して出場を促す。
【0057】
利用者を出場させると、制御部21は、初期応答としてICカードから読み取ったノンセキュアな識別情報を含む入場情報を削除するために、出場完了通知を運賃計算サーバ12に送信する(ST46)。運賃計算サーバ12の通信部33は、改札機11からの出場完了通知を受信する。運賃計算サーバ12の制御部31は、通信部33により受信した出場完了通知に基づいて識別情報が一致する入場情報を記憶部32から削除する(ST47)。
【0058】
以上の処理によって、実施形態に係る運賃収受システムは、交通専用カード以外のICカードを用いた運賃の決済を含む出場処理が実行できる。上述した出場処理によれば、運賃収受システムは、ICカードからの初期応答に含まれる識別情報に対応づけた入場情報に基づく運賃を運賃計算サーバで計算できる。これにより、実施形態に係る運賃収受システムは、改札機が読み取る決済用の媒体(ICカード)の認証処理と運賃計算サーバによる運賃計算とを同時並行して実施できる。
【0059】
以上によって、実施形態に係る運賃収受システムは、認証処理後に運賃計算を行う改札システムに比べて、全体の出場処理におけるサーバでの運賃計算に要する処理時間を実質的に短縮することができ、スムーズな出場処理を実現できるアカウント型の運賃収受システムとしての改札システムを提供できる。
【0060】
なお、上記した各処理はいくつかのソフトウェアによって実行することが可能である。このため、上記処理の手順を実行するいくつかのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこれらプログラムを運賃収受システム(改札機11及び運賃計算サーバ12)へインストールして実行することで、上記処理を容易に実現することができる。例えば、改札機および運賃計算サーバは、プログラムをネットワーク経由でダウンロードし、ダウンロードしたプログラムを記憶することで、プログラムをインストールするようにしても良い。また、改札機および運賃計算サーバは、上記プログラムを各種の情報記憶媒体から読み取り、読み取ったプログラムを記憶することで、プログラムをインストールするようにしても良い。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載した内容を付記する。
[1]
運賃計算を行う運賃計算サーバと通信する通信部と、
利用者が所持する決済用の媒体に対して読取および書込みを行うリーダライタと、
前記リーダライタが前記決済用の媒体から読み取る識別情報に基づいて運賃を前記運賃計算サーバへ問合せ、前記問合せを実行した後に前記決済用の媒体の認証を実行し、前記決済用の媒体の認証が成功した場合に前記問合せに応じて前記運賃計算サーバから取得する運賃の決済を実行する制御部と、
を有する改札機。
[2]
さらに、前記決済用の媒体が記憶する決済用データに基づいて料金の決済を行う決済サーバと通信する第2の通信部を有し、
前記制御部は、前記決済用の媒体の認証が成功した場合に前記決済サーバによる決済を行うための決済用データを前記決済用の媒体から読み取り、前記決済用データに基づく前記運賃計算サーバから取得する運賃の決済を前記決済サーバへ依頼する、
[1]に記載の改札機。
[3]
前記決済用の媒体は、前記リーダライタからの要求に応じて応答を出力する携帯可能電子装置であり、
前記識別情報は、前記決済用の媒体が初期応答として出力する情報に含まれる、
[1]または[2]の何れか1つに記載の改札機。
[4]
改札機と運賃計算サーバとを有する運賃収受システムであって、
前記運賃計算サーバは、
入場者が所持する決済用の媒体の識別情報に対応づけて入場情報を記憶する記憶部と、 前記改札機と通信する第1の通信部と、
前記第1の通信部により前記改札機で出場する出場者が所持する決済用の媒体の識別情報に対応づけた出場情報を受信した場合、前記出場情報と前記出場情報に対応する識別情報が一致する入場情報とに基づいて運賃を計算し、計算した運賃を示す運賃情報を前記第1の通信部により前記改札機へ送信する制御を行う第1の制御部と、を有し、
前記改札機は、
前記運賃計算サーバと通信する第2の通信部と、
利用者が所持する決済用の媒体に対して読取および書込みを行うリーダライタと、
前記リーダライタにより前記決済用の媒体から読み取る識別情報に基づいて運賃を前記運賃計算サーバへ問合せ、前記問合せを実行した後に前記決済用の媒体の認証を実行し、前記決済用の媒体の認証が成功した場合に前記問合せに応じて外部装置から取得する運賃の決済を実行する第2の制御部と、を有する、
運賃収受システム。
[5]
前記改札機は、
さらに、前記決済用の媒体が記憶する決済用データに基づいて料金の決済を行う決済サーバと通信する第3の通信部を有し、
前記第2の制御部は、前記決済用の媒体の認証が成功した場合に前記決済サーバによる決済を行うための決済用データを前記決済用の媒体から読み取り、前記決済用データに基づく前記運賃計算サーバから取得する運賃の決済を前記決済サーバへ依頼する、
[4]に記載の運賃収受システム。
[6]
前記決済用の媒体は、前記リーダライタからの要求に応じて初期応答を出力する携帯可能電子装置であり、
前記識別情報は、前記決済用の媒体が初期応答として出力する情報に含まれる、
[4]または[5]の何れか1つに記載の運賃収受システム。
[7]
改札機と通信する運賃計算サーバであって、
入場者が所持する決済用の媒体の識別情報に対応づけて入場情報を記憶する記憶部と、
改札機と通信する通信部と、
前記通信部により前記改札機から出場者が所持する決済用の媒体が初期応答として出力する識別情報に対応づけた出場情報を受信した場合、前記出場情報と前記出場情報に対応する識別情報が一致する入場情報とに基づいて運賃を計算し、計算した運賃を示す運賃情報を前記通信部により前記改札機へ送信する制御を行う制御部と、
を有する運賃計算サーバ。
【符号の説明】
【0062】
1…運賃収受システム、11…改札機、12…運賃計算サーバ、13…決済サーバ、21…制御部、22…記憶部、23…第1通信部、24…第2通信部、25…リーダライタ(R/W)、28…通行制御機構、31…制御部、32…記憶部、33…通信部、41…制御部、42…記憶部、43…通信部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6