(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】クレーン下部走行体上のエンジン排気後処理システムのための取り付け配設
(51)【国際特許分類】
B66C 23/36 20060101AFI20230508BHJP
B66C 13/52 20060101ALI20230508BHJP
B62D 21/18 20060101ALI20230508BHJP
B60K 13/04 20060101ALI20230508BHJP
F01N 3/28 20060101ALI20230508BHJP
F01N 3/24 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
B66C23/36 Z
B66C13/52 Z
B62D21/18 E
B60K13/04 B
B60K13/04 D
F01N3/28 301W
F01N3/24 C
F01N3/24 E
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019102695
(22)【出願日】2019-05-31
【審査請求日】2022-05-26
(32)【優先日】2018-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510051082
【氏名又は名称】マニタウォック クレイン カンパニーズ, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】MANITOWOC CRANE COMPANIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】ウィンゲート, ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】クライン, ブランドン エル.
(72)【発明者】
【氏名】エングル, ラリー エス.
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー, コーリー
(72)【発明者】
【氏名】バーカート, ダグラス
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/027765(WO,A1)
【文献】特開2000-127770(JP,A)
【文献】実開昭52-102625(JP,U)
【文献】特開平04-179821(JP,A)
【文献】特開2016-117543(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0160796(US,A1)
【文献】特開2018-044528(JP,A)
【文献】国際公開第2016/163300(WO,A1)
【文献】実開昭52-079417(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 23/36
B66C 13/52
B62D 21/18
B60K 13/04
F01N 3/28
F01N 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陥凹区分のある下部走行体デッキを有する下部走行体と、
少なくとも第1の車軸及び第2の車軸と、
前記下部走行体へ取り付けられている上部構造体と、
エンジンと、
前記エンジンへ流体的に接続されていて前記エンジンからの排気ガスを受け入れるように構成されているエンジン排気後処理システムと、
を備えているクレーンにおいて、
前記エンジン排気後処理システムが、少なくとも部分的には前記第1の車軸と前記第2の車軸の間の前記下部走行体デッキの上面より下に位置付けられるように前記陥凹区分に取り付けられている、
クレーン。
【請求項2】
前記陥凹区分は取り付けブラケットによって形成されており、前記エンジン排気後処理システムは前記取り付けブラケットへ固定されている、請求項1に記載のクレーン。
【請求項3】
外気を吸い込んで当該外気をエンジン排気後処理システムに亘って方向付けるように構成されているパワーシステム冷却パッケージ、を更に備えている請求項1に記載のクレーン。
【請求項4】
前記エンジン排気後処理システムへ流体的に接続されている、前記エンジン排気後処理システムからの前記排気ガスの脱出を可能にさせるように構成されている排気出口、を更に備えている請求項1に記載のクレーン。
【請求項5】
前記上部構造体は旋回台を備えており、前記陥凹区分は、前記上部構造体がその上を延びるように構成されている場所に位置付けられている、請求項2に記載のクレーン。
【請求項6】
前記エンジン排気後処理システムは本体を有する1つのモジュールである、請求項1に記載のクレーン。
【請求項7】
前記本体は、ディーゼル酸化触媒部と、ディーゼル微粒子フィルターと、コンパクトミキサーと、選択的触媒還元部と、を備えている、請求項6に記載のクレーン。
【請求項8】
中線が前記本体を二分割する、請求項7に記載のクレーン。
【請求項9】
上面及び前記上面に形成された陥凹区分を有する下部走行体デッキと、
第1の車軸及び第2の車軸を含む少なくとも2つの車軸と、
を備えているクレーン下部走行体において、
前記陥凹区分が前記第1の車軸と前記第2の車軸の間に配置されている、
クレーン下部走行体。
【請求項10】
前記第1の車軸は前車軸であり、前記第2の車軸は後車軸である、請求項9に記載のクレーン下部走行体。
【請求項11】
前記クレーン下部走行体は第3の車軸を更に備えており、前記第3の車軸が前車軸で、前記第1の車軸及び前記第2の車軸は隣接する後車軸である、請求項9に記載のクレーン下部走行体。
【請求項12】
前記陥凹区分は取り付けブラケットを備えており、前記取り付けブラケットは前記下部走行体デッキの前記上面によって画定される平面より下に延びている、請求項9に記載のクレーン下部走行体。
【請求項13】
前記陥凹区分は前記平面の長さに沿った中間位置に配置されている、請求項12に記載のクレーン下部走行体。
【請求項14】
前記下部走行体デッキは、第1のプラットフォーム及び前記第1のプラットフォームから離間されている第2のプラットフォームを備えており、前記陥凹区分は前記第1のプラットフォームに形成されている、請求項9に記載のクレーン下部走行体。
【請求項15】
前記陥凹区分に取り付けられているエンジン排気後処理システム、を更に備えている請求項9に記載のクレーン下部走行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]以下の記述は、概括的には、エンジン排気後処理システムを有するクレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]移動式クレーンは、エンジンとエンジンからの排気ガスを処理するための排気後処理システムを含んでいることがある。排気後処理システムの構成要素は、全体が、移動式クレーンの下部走行体デッキより上か又は下部走行体デッキの後ろもしくはフェンダー平面の後ろに配置されているのが典型的である。したがって、既知のクレーンの排気後処理システムの構成要素はクレーンの全体的大きさを増加させている。例えば、構成要素が下部走行体デッキ又はフェンダー平面の後ろに配置される場合、クレーンの長さは下部走行体デッキの長さを超えて増加されてしまう。構成要素が下部走行体より上に取り付けられる場合、上部構造体例えば旋回台及び/又はカウンターウェイトは、それら構成要素より上の平面内で回転するための十分なクリアランスを持てるように設計されなくてはならない。このクリアランス増加は結果的にクレーンの高さ増加を招く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]したがって、クレーンの全体的包絡線を縮小又は最小化して取り付けられるエンジン排気後処理システムを有するクレーンを提供するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]1つの態様によれば、クレーンが、陥凹区分のある下部走行体デッキを有する下部走行体と、少なくとも第1の車軸及び第2の車軸と、下部走行体へ取り付けられている上部構造体と、エンジンと、エンジンへ流体的に接続されていてエンジンからの排気ガスを受け入れるように構成されているエンジン排気後処理システムと、を含んでいる。エンジン排気後処理システムは、少なくとも部分的には第1の車軸と第2の車軸の間の下部走行体デッキの上面より下に位置付けられるように陥凹区分に取り付けられている。
【0005】
[0005]エンジン排気後処理システムは、陥凹区分の取り付けブラケットへ固定されていてもよい。クレーンは、更に、外気を吸い込んで外気を排気後処理システムに亘って方向付けるように構成されているパワーシステム冷却パッケージを含んでいる。クレーンは、更に、エンジン排気後処理システムへ流体的に接続されている、エンジン排気後処理システムからの排気ガスの脱出を可能にさせるように構成されている排気出口を含んでいる。
【0006】
[0006]上部構造体は旋回台を含んでおり、陥凹区分は、上部構造体がその上を延びるように構成されている場所に位置付けられていてもよい。エンジン排気後処理システムは本体を有するモジュールであってもよい。本体は、ディーゼル酸化触媒部と、ディーゼル微粒子フィルターと、コンパクトミキサーと、選択的触媒還元部と、を含んでいてもよい。本体は中線によって二分割されることができる。
【0007】
[0007]別の態様によれば、クレーン下部走行体が、上面及び上面に形成された陥凹区分を有する下部走行体デッキ、第1の車軸、及び第2の車軸、を含んでいる。陥凹区分は、第1の車軸と第2の車軸の間の、下部走行体デッキの長さに沿った位置に配置されている。
【0008】
[0008]第1の車軸は前車軸であり、第2の車軸は後車軸であってもよい。クレーン下部走行体は、更に、第3の車軸を含んでいてもよく、その場合、第3の車軸が前車軸で、第1の車軸及び第2の車軸は隣接する後車軸であってもよい。取り付けブラケットが陥凹区分に配置されていて、下部走行体デッキの上面によって画定される平面より下に延びていてもよい。陥凹区分は平面の長さに沿った中間位置に配置されていてもよい。下部走行体デッキは、第1のプラットフォーム及び第1のプラットフォームから離間されている第2のプラットフォームを含んでいて、陥凹区分は第1のプラットフォームに形成されていてもよい。クレーン下部走行体は、更に、陥凹区分に取り付けられているエンジン排気後処理システムを含んでいてもよい。
【0009】
[0009]本発明のこれら及び他の特徴並びに利点は、下記の詳細な説明並びに付随の特許請求の範囲から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】[0010]或る実施形態によるエンジン排気後処理システムを有するクレーンの側面図である。
【
図2】[0011]或る実施形態によるクレーン下部走行体上に取り付けられているエンジン排気後処理システムを示す側面図である。
【
図3】[0012]或る実施形態によるエンジン排気後処理システムを有するクレーン下部走行体の上方斜視図である。
【
図4】[0013]
図3のクレーン下部走行体の一部分を示す別の上方斜視図である。
【
図5】[0014]或る実施形態によるエンジン排気後処理システムを有するクレーン下部走行体の一部分を示す側面図である。
【
図6】[0015]
図5のクレーン下部走行体部分の上面図である。
【
図7】[0016]或る実施形態によるエンジン排気後処理システムの斜視図である。
【
図8】[0017]或る実施形態によるエンジン排気後処理システム及び陥凹区分の斜視図である。
【
図9】[0018]或る実施形態によるエンジン排気後処理システムの周りに位置付けられているハウジングを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0019]本装置は様々な形態での具現化の余地があるものの、本開示は装置の一範例と見なされるべきであって示されている特定の実施形態に限定されるものではないとの了解の下に現時点で好適とされる実施形態が図に示され以下に説明されている。
【0012】
[0020]
図1は、下部走行体12及び下部走行体12上に回転可能に搭載されている上部構造体14を有するクレーン10を示している。下部走行体12は、上面18を有する下部走行体デッキ16と、既知のやり方で下部走行体デッキ16へ接続され下部走行体デッキ16より下に位置付けられている少なくとも2つの車軸20、22と、を含んでいる。下部走行体デッキ16は、概してクレーン10の前端寄りに位置付けられている第1端24及び概してクレーン10の後端寄りに位置付けられている第2端26を有し、第1端24と第2は端26の間に画定されている長さLを有している。上面18は、下部走行体デッキ16の長さLの少なくとも一部分に沿った上面の平面Pを画定していてもよい。1つの実施形態では、下部走行体デッキ16は、長さLの異なる部分に沿って複数の平面が上面18によって画定されるように1つ又はそれ以上の段状部分28を含んでいてもよい。
【0013】
[0021]下部走行体デッキ16は、第1端24と第2端26の間に陥凹区分30を含んでいる。1つの実施形態では、陥凹区分30は、平面Pに対比して陥凹していて、長さLの平面Pを画定している部分に沿って位置付けられている。1つの実施形態では、陥凹区分30は下部走行体デッキ16を貫いて延びる開口部であってもよい。
【0014】
[0022]
図2は
図1のクレーン10の一部分の側面図である。
図1及び
図2を参照して、上部構造体14は、概して、例えば旋回台32、カウンターウェイト34、操作員運転台36、及びブーム38を含むことができる。上部構造体14には、ホイスト(又は複数ホイスト)、1つ又はそれ以上のセンサ、制御システム、など、の様な他の既知のクレーン構成要素も同様に含まれていてもよい。
【0015】
[0023]
図3は或る実施形態によるクレーン下部走行体12の上方斜視図である。
図1-
図3に関し、エンジン40がクレーン下部走行体12に搭載されている。1つの実施形態では、エンジン40はディーゼルエンジンである。
【0016】
[0024]
図4は
図3のクレーン下部走行体12の一部分を示している上方斜視図である。
図1-
図4を参照して、クレーン10は、更に、エンジン40からの排気ガスをダウンパイプ44経由で受け入れるように構成されているエンジン排気後処理システム42を含んでいる。エンジン排気後処理システム42は、それが少なくとも部分的には上面18より下又は上面18によって画定される平面Pより下に取り付けられるようにして陥凹区分30に位置付けられている。
【0017】
[0025]1つの実施形態では、下部走行体デッキ16は、第1のプラットフォーム46及び第1のプラットフォーム46から離間されている第2のプラットフォーム48を含んでいる。1つの実施形態では、エンジン40は第1のプラットフォーム46と第2のプラットフォーム48の間に取り付けられていてもよい。第1のプラットフォーム46は左側のプラットフォーム、第2のプラットフォーム48は右側のプラットフォームとしてもよい。各プラットフォーム46、48は、下部走行体デッキ16の長さLに概ね相当する長さを延びていてもよい。
【0018】
[0026]エンジン排気後処理システム42は陥凹区分30に1つ又はそれ以上のサイドマウントと共に取り付けられている。1つの実施形態では、陥凹区分30は、少なくとも部分的には、下部走行体デッキ16の隣接する単数又は複数の部分へ既知の適切な締結具を使用して固定された取り付けブラケット50によって形成されている。エンジン排気後処理システム42は取り付けブラケット50へ取り付けられていてもよい。別の実施形態では、取り付けブラケット50は下部走行体デッキ16と一体であり下部走行体デッキ16と連続している。
【0019】
[0027]
図5は、エンジン排気後処理システム42が備え付けられている下部走行体12の一部分の破断側面図である。
図6は
図5の下部走行体12の部分の上面図である。1つの実施形態では、クレーン10は、更に、外気Aを取り込んで外気Aをエンジン排気後処理システム42に亘って方向付けるように構成されているパワーシステム冷却パッケージ52を含んでいてもよい。パワーシステム冷却パッケージ52は、例えば、1つ又はそれ以上の吸気ファン54を含んでいてもよい。1つの実施形態では、外気流れ経路(
図5及び
図6に「A」と表示された矢印で図示)が吸気ファン54からエンジン排気後処理システム42まで形成されていて、吸気ファン54を通して吸い込まれた外気Aがエンジン排気後処理システム42を冷却するためにエンジン排気後処理システム42に亘って流れてゆくことができるようにしている。
【0020】
[0028]
図7は、或る実施形態による、エンジン排気後処理システム42の斜視図である。ここに説明されているエンジン排気後処理システム42は、当業者には理解される様に既知の後処理システムで一般に使用されている1つ又はそれ以上の構成要素を含むことができる。例えば、エンジン排気後処理システム42は、少なくとも、ディーゼル酸化触媒(DOC)、ディーゼル微粒子フィルター(DPF)、及び選択的触媒還元システム(SCR)を含むことができる。当業者には理解される様に、エンジン排気後処理システム42には既知のやり方で付加的な構成要素又はより少ない構成要素が含まれていてもよい。ここでの実施形態によれば、DOC、DPF、及びSCRの様な構成要素の何れか、幾つか、又は全ては、少なくとも部分的には下部走行体デッキ16の上面18より下に取り付けられることができる。
【0021】
[0029]1つの実施形態では、エンジン排気後処理システム42は、少なくとも部分的には上面18より下又は上面18によって画定される平面Pより下に位置付けられている本体56として形成されたモジュールであってもよい。エンジン排気後処理システム42の構成要素は、普通は、クレーン10上にユニットとして搭載されることになるモジュール本体56に収納されているか又はそれ以外のやり方でモジュール本体内に互いに連結されている。例えば、1つの実施形態では、モジュール本体56の構成要素は、入口/ディーゼル酸化触媒(DOC)部422、DPF部424、コンパクトミキサー426、及びSCR/出口部428を含んでいてもよい。エンジン排気後処理モジュール本体56は、ユニットとして陥凹区分30へ取り付けられることができる。
【0022】
[0030]但し、本開示はその様なモジュール式後処理システムに限定されないものと理解している。例えば、後処理システム42の上述の構成要素は、構成要素の何れか、幾つか、又は全てが、少なくとも部分的には下部走行体デッキ16の上面18より下に位置付けられるようにして、個別に及び独立に下部走行体12に搭載されていてもよい。
【0023】
[0031]
図2、
図5、及び
図7を再び参照して、例えば、エンジン排気後処理システム42は、水平方向平面内でシステム42を実質的に二分割する中線Mを有していてもよい。例えば、中線Mは本体56を実質的に二等分していてもよい。異なる実施形態では、中線Mは、上面18の平面Pより上に、又は上面18の平面Pと実質的に水平に又は面一に、又は上面18の平面Pより下に(例えば
図2を参照)、位置付けられていてもよい。1つの実施形態では、陥凹区分30は平面Pの長さに沿った中間位置に配置されている。
【0024】
[0032]クレーン10は、更に、ディーゼル排気流体(DEF)をSCRへ供給する供給ライン60によってエンジン排気後処理システム42へ接続されているディーゼル排気流体(DEF)タンク58を含んでいてもよい(例えば
図3を参照)。
【0025】
[0033]
図5及び
図6を参照して、処理された排気の後処理システム42からの脱出を可能にさせるように排気出口62がエンジン排気後処理システム42へ流体的に接続されていてもよい。
【0026】
[0034]1つの実施形態では、陥凹区分30は、下部走行体12の或る場所であって、その上を上部構造体14が延びるように構成されている場所に位置付けられている。例えば、陥凹部分30は、下部走行体デッキ16上の或る位置であって、その上を旋回台32又はカウンターウェイト34の一部分が回転するようになっている位置にあってもよい。
【0027】
[0035]1つの実施形態では、少なくとも2つの車軸は少なくとも第1の車軸20及び第2の車軸22を含んでいる。1つの実施形態では、第1の車軸20及び第2の車軸22はクレーンの何れか2つの車軸とすることができる。例えば、第1の車軸20及び第2の車軸22は、それぞれ、2車軸クレーンの前車軸及び後車軸であってもよい。代わりに、又は加えて、第1の車軸20及び第2の車軸22は、2つより多い車軸を有するクレーンの隣接する車軸の対の様な、前車軸と後車軸と中間車軸の何れかの組合せであってもよい。1つの実施形態では、第1の車軸20は第1の後車軸20であり、第2の車軸22は第1の後車軸20に隣接していてそれより後方の第2の後車軸22であってもよい。その様な実施形態では、前記少なくとも2つの車軸20、22は、更に、第3の車軸23を含んでいてもよく、第3の車軸23はクレーン10の前車軸としてもよい。
【0028】
[0036]陥凹区分30は第1の車軸20と第2の車軸22の間に位置付けられるものとすることができる。例えば、陥凹区分30はクレーン10の前車軸と後車軸の間に位置付けられていてもよい。1つの実施形態では、クレーン10は3車軸クレーンであり、第1の車軸20及び第2の車軸22は上述の様に隣接する後車軸であってもよい。こうして、その様な実施形態では、陥凹部分30は隣接する後車軸20と22の間に配置されていてもよい。但し、本開示は或る特定の数の車軸を有しているクレーンに限定されないものと理解している。
【0029】
[0037]
図8は、陥凹区分30に配置されているエンジン排気後処理システム42の斜視図である。1つの実施形態では、陥凹区分30例えば取り付けブラケット50は、例えば通気口無しに形成されることによって、外気が通過して流れてゆくのを実質的に防止するように構成されていてもよい。そうすれば、パワーシステム冷却パッケージ52を通して受け入れられた外気Aは、より効率的に、エンジン排気後処理システム42に亘って流れてゆくことができる。但し、本開示はその様な陥凹区分30に限定されない。例えば、幾つかの実施形態では、陥凹区分30は通気口64を含むことができる(
図6参照)。
【0030】
[0038]
図9は、陥凹区分30に取り付けられたエンジン排気後処理システム42を有している下部走行体12の一部分の斜視図である。1つの実施形態では、ハウジング64が下部走行体12へ固定されていて、エンジン排気後処理システム42が搭載されている空間を実質的に囲んでいる。1つの実施形態では、ハウジング64は、下部走行体12へ固定されている1つ又はそれ以上のパネルを含むことができる。加えて、ハウジング64は、ハウジング64を出入りする空気流れを可能にさせるハウジング通気開口66を含むことができる。
【0031】
[0039]また、ここに説明されている或る実施形態では、排気出口62は、例えば
図2に示されている第1の車軸20と第2の車軸22の間に位置付けられていてもよい。但し、他の実施形態では、排気出口62は、例えば
図1に示されている様に第2の車軸22の後方の位置まで延びていてもよい。その様な実施形態では、排気出口62は、
図8に示されている様に細長い区分68を含んでいてもよい。
【0032】
[0040]したがって、以上の実施形態では、エンジン排気後処理システム42は、少なくとも部分的には下部走行体デッキ16より下又は下部走行体デッキ16の上面18によって画定される平面Pより下に取り付けられる。このやり方では、上部構造体14例えば旋回台32及び/又はカウンターウェイト34は、後処理システムを上面18又は上面18より上に取り付けさせる先行技術のクレーン下部走行体に比べ、上面18により近接して位置付けられることができる。つまり、ここに説明されている実施形態では、上部構造体14と下部走行体デッキ16の間には、より低いクリアランスが提供され得るのである。加えて、エンジン排気後処理システム42を第1の車軸20と第2の車軸22の間に位置付けることによって、後方に位置付けられる後処理構成要素用付属部品を省略できるので下部走行体12の長さは実質的に下部走行体デッキ16の長さに一致し得る。
【0033】
[0041]以上の実施形態の何れかからの様々な特徴は、ここに説明されている他の実施形態と共に使用できるものと理解している。
【0034】
[0042]ここで言及されている全ての特許は、本開示の文脈内で明確に援用されているか否かにかかわらず、これにより参考文献としてここに援用される。
【0035】
[0043]本開示では、原文の単数形を表す冠詞「a」又は「an」の対訳である「或る」又は「一」という語は、単数形と複数形のどちらも含むと捉えられたい。反対に、複数品目への何らかの言及は、該当する場合には、単数形を含む。加えて、様々な構成要素の向きに言及する用語遣い、例えば「上」又は「下」などは、もっぱら例示目的で使用されており、本開示の主題を特定の向きに限定するものではないと理解している。
【0036】
[0044]上記からは、本開示の新規性のある概念の真髄及び範囲から逸脱することなく数多くの修正型及び変形型が達成され得るということが観取されるであろう。示されている特定の実施形態に関しては何らの限定も意図されず、また推察されてもならない、ということを理解しておきたい。本開示は、特許請求の範囲の範囲内に入る全てのその様な修正型を網羅するものとする。
【符号の説明】
【0037】
10 クレーン
12 下部走行体
14 上部構造体
16 下部走行体デッキ
18 下部走行体デッキの上面
20、22、23 車軸
24 下部走行体デッキの第1端
26 下部走行体デッキの第2端
28 段状部分
30 陥凹区分
32 旋回台
34 カウンターウェイト
36 操作員運転台
38 ブーム
40 エンジン
42 エンジン排気後処理システム
44 ダウンパイプ
46 第1のプラットフォーム
48 第2のプラットフォーム
50 取り付けブラケット
52 パワーシステム冷却パッケージ
54 吸気ファン
56 エンジン排気後処理モジュール本体
58 ディーゼル排気流体(DEF)タンク
60 供給ライン
62 排気出口
64 通気口(
図6)
64 ハウジング(
図9)
66 ハウジング通気開口
68 細長い区分
422 入口/ディーゼル酸化触媒(DOC)部
424 ディーゼル微粒子フィルター(DPF)部
426 コンパクトミキサー
428 選択的触媒還元システム(SCR)/出口部
A 外気
L 下部走行体デッキの長さ
M 中線
P 上面によって画定される平面