IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝メモリ株式会社の特許一覧

特許7273670半導体集積回路、受信装置、及び半導体集積回路の制御方法
<>
  • 特許-半導体集積回路、受信装置、及び半導体集積回路の制御方法 図1
  • 特許-半導体集積回路、受信装置、及び半導体集積回路の制御方法 図2
  • 特許-半導体集積回路、受信装置、及び半導体集積回路の制御方法 図3
  • 特許-半導体集積回路、受信装置、及び半導体集積回路の制御方法 図4
  • 特許-半導体集積回路、受信装置、及び半導体集積回路の制御方法 図5
  • 特許-半導体集積回路、受信装置、及び半導体集積回路の制御方法 図6
  • 特許-半導体集積回路、受信装置、及び半導体集積回路の制御方法 図7
  • 特許-半導体集積回路、受信装置、及び半導体集積回路の制御方法 図8
  • 特許-半導体集積回路、受信装置、及び半導体集積回路の制御方法 図9
  • 特許-半導体集積回路、受信装置、及び半導体集積回路の制御方法 図10
  • 特許-半導体集積回路、受信装置、及び半導体集積回路の制御方法 図11
  • 特許-半導体集積回路、受信装置、及び半導体集積回路の制御方法 図12
  • 特許-半導体集積回路、受信装置、及び半導体集積回路の制御方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】半導体集積回路、受信装置、及び半導体集積回路の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/033 20060101AFI20230508BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20230508BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20230508BHJP
   H04L 25/03 20060101ALI20230508BHJP
   G06F 1/06 20060101ALI20230508BHJP
   H03K 5/125 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
H04L7/033 700
H01L27/04 U
H04L25/03 C
G06F1/06 510
H03K5/125
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019169687
(22)【出願日】2019-09-18
(65)【公開番号】P2021048491
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高田 秀一
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-109349(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103780080(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0253475(US,A1)
【文献】特開2016-076751(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0207502(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 7/033
H01L 21/822
H04L 25/03
G06F 1/06
H03K 5/125
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ信号をブーストする第1のイコライザと、
Nを2以上の整数とするとき、前記ブーストされたデータ信号の波形からクロック周期のN倍以上時間的に離れた一対のライズエッジ及びフォールエッジの情報を抽出し、前記一対のライズエッジ及びフォールエッジの情報に応じた第1の位相調整を行い、クロックを再生するクロック再生回路と、
を備え
前記クロック再生回路は、
前記ブーストされたデータ信号の波形から前記一対のライズエッジ及びフォールエッジの情報を抽出する抽出回路と、
前記一対のライズエッジ及びフォールエッジの情報に応じて、前記第1の位相調整の制御量を決定する制御回路と、
前記決定された制御量に応じて、クロックを生成する生成回路と、
を有し、
前記制御回路は、前記一対のライズエッジ及びフォールエッジを用いて求められた制御量をN倍して、前記第1の位相調整の制御量とする
半導体集積回路。
【請求項2】
前記抽出回路は、
前記波形におけるエッジの有無を示す値を保持する第1のレジスタと、
前記波形におけるライズ方向ゼロクロスを示す値を保持する第2のレジスタと、
前記波形におけるフォール方向ゼロクロスを示す値を保持する第3のレジスタと、
を有し、
前記抽出回路は、前記第1のレジスタ、前記第2のレジスタ、前記第3のレジスタのそれぞれに保持される値のパターンに基づいて、前記波形から前記一対のライズエッジ及びフォールエッジの情報を抽出する
請求項に記載の半導体集積回路。
【請求項3】
前記生成回路は、
容量素子と前記制御量に応じた電流量で電荷を前記容量素子に蓄積する可変電流源とを含むチャージポンプ回路と、
前記容量素子の電圧に応じて、クロックを生成する電圧制御発振回路と、
を有し、
前記決定された制御量は、前記チャージポンプ回路で流す電流の制御量である
請求項に記載の半導体集積回路。
【請求項4】
前記第1のイコライザのブースト量を調整する第1の調整回路をさらに備えた
請求項1からのいずれか1項に記載の半導体集積回路。
【請求項5】
前記ブーストされたデータ信号の論理値を前記クロックに同期して判定するサンプラと、
前記サンプラの判定結果に応じて、前記データ信号に含まれる識別パターンを検出する識別回路と、
を更に備え、
前記第1の調整回路は、前記識別パターンが検出されることに応じて、ブースト量の調整を終了し、
前記クロック再生回路は、前記識別パターンが検出されることに応じて、前記第1の位相調整を終了し、前記ブーストされたデータ信号の波形から抽出される各エッジの情報に応じた第2の位相調整を開始する
請求項に記載の半導体集積回路。
【請求項6】
前記ブーストされたデータ信号を補正する第2のイコライザと、
前記識別パターンが検出されることに応じて、前記第2のイコライザの補正量の調整を開始し、前記識別パターンが再び検出されることに応じて、前記第2のイコライザの補正量の調整を終了する第2の調整回路と、
をさらに備え
前記半導体集積回路は、前記補正されたデータ信号が前記再生されたクロックに同期して所定の回路で処理されるように、前記補正されたデータ信号と前記再生されたクロックとをそれぞれ前記所定の回路へ出力する
請求項に記載の半導体集積回路。
【請求項7】
前記ブーストされたデータ信号を補正する第2のイコライザと、
前記識別パターンが検出される前から前記第2のイコライザの補正量の調整を開始し、前記識別パターンが検出されることに応じて、前記第2のイコライザの補正量の調整を終了する第2の調整回路と、
をさらに備え
前記半導体集積回路は、前記補正されたデータ信号が前記再生されたクロックに同期して所定の回路で処理されるように、前記補正されたデータ信号と前記再生されたクロックとをそれぞれ前記所定の回路へ出力する
請求項に記載の半導体集積回路。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体集積回路と、
前記半導体集積回路でイコライズされたデータ信号と前記半導体集積回路で再生されたクロックとを受け、前記イコライズされたデータ信号を前記再生されたクロックに同期して処理する回路と、
を備えた受信装置。
【請求項9】
データ信号をブーストする第1のイコライザのブースト量を調整することと、
Nを2以上の整数とするとき、前記第1のイコライザでブーストされたデータ信号の波形からクロック周期のN倍以上時間的に離れた一対のライズエッジ及びフォールエッジの情報を抽出し、前記一対のライズエッジ及びフォールエッジの情報に応じた第1の位相調整を行い、クロックを再生することと、
を備え
前記クロックを再生することは、
前記ブーストされたデータ信号の波形から前記一対のライズエッジ及びフォールエッジの情報を抽出することと、
前記一対のライズエッジ及びフォールエッジの情報に応じて、前記第1の位相調整の制御量を決定することと、
前記決定された制御量に応じて、クロックを生成することと、
を含み、
前記制御量を決定することは、
前記一対のライズエッジ及びフォールエッジを用いて求められた制御量をN倍して、前記第1の位相調整の制御量とすることを含む
半導体集積回路の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体集積回路、受信装置、及び半導体集積回路の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クロック再生回路を含む受信装置では、受信された信号からデータを取得するためのクロック信号を再生する。このとき、クロック信号を適正に再生することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4331641号公報
【文献】特許第4848035号公報
【文献】特開2008-270864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一つの実施形態は、クロック信号を適正に再生できる半導体集積回路、受信装置、及び半導体集積回路の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施形態によれば、第1のイコライザとクロック再生回路とを有する半導体集積回路が提供される。第1のイコライザは、データ信号をブーストする。クロック再生回路は、Nを2以上の整数とするとき、ブーストされたデータ信号の波形からクロック周期のN倍以上時間的に離れた一対のライズエッジ及びフォールエッジの情報を抽出し、一対のライズエッジ及びフォールエッジの情報に応じて位相調整を行い、クロックを再生する。クロック再生回路は、抽出回路と制御回路と生成回路とを有する。抽出回路は、ブーストされたデータ信号の波形から一対のライズエッジ及びフォールエッジの情報を抽出する。制御回路は、一対のライズエッジ及びフォールエッジの情報に応じて、第1の位相調整の制御量を決定する。生成回路は、決定された制御量に応じて、クロックを生成する。制御回路は、一対のライズエッジ及びフォールエッジを用いて求められた制御量をN倍して、第1の位相調整の制御量とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態に係る半導体集積回路が適用された受信装置を含む通信システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態における送信されたデータ信号及び受信後にブーストされたデータ信号の周波数特性を示す図である。
図3図3は、実施形態における受信後にブーストされたデータ信号のエッジタイミングの分布を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る半導体集積回路の構成を示す図である。
図5図5は、実施形態におけるエッジ検出回路及びSIPO(Serial Input Parallel Output)回路の構成を示す回路図である。
図6図6は、実施形態におけるエッジ検出回路及びSIPO回路の動作を示す波形図である。
図7図7は、実施形態における一対のライズエッジ及びフォールエッジの情報を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る半導体集積回路の動作を示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る半導体集積回路の動作を示すシーケンスチャートである。
図10図10は、実施形態に係る半導体集積回路の動作を示す図である。
図11図11は、実施形態の変形例に係る半導体集積回路の構成を示す図である。
図12図12は、実施形態の変形例に係る半導体集積回路の動作を示すフローチャートである。
図13図13は、実施形態の変形例に係る半導体集積回路の動作を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる半導体集積回路を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0008】
(実施形態)
実施形態にかかる半導体集積回路1が備えられた受信装置200について図1を用いて説明する。図1は、半導体集積回路1が備えられた受信装置200を含む通信システム400の構成を示す図である。
【0009】
通信システム400は、送信装置100、受信装置200、及び有線通信路300を有する。送信装置100及び受信装置200は、伝送路である有線通信路300を介して通信可能に接続されている。送信装置100は、データを有線通信路300経由で受信装置200へ送信する。受信装置200は、有線通信路300が接続可能である受信ノード200aを有し、有線通信路300経由で送信装置100からデータを受信する。受信装置200は、半導体集積回路1、基準クロック生成回路202、及び内部回路203を有する。半導体集積回路1は、受信処理回路5及びCDR(Clock Data Recovery)回路4を有する。受信処理回路5は、CTLE(Continuous Time Linear Equalizer)回路2及びDFE(Decision Feedback Equalizer)回路3を有する。
【0010】
送信装置100は、送信するデータにクロックのエッジ情報を埋め込みながら所定の変調(例えば、NRZなどの2値変調やパルス振幅変調<PAM>)をかけた信号を生成してデータ信号φTXとして受信装置200へ送信する。データ信号φTXでは、図2(a)に示すように、低周波域からナイキスト周波数(NRZでは、データ転送レートの半分以下の周波数)fに渡って、所望の信号強度を有している。図2(a)は、送信装置100から送信されたデータ信号φTXの周波数特性を示し、例えば、データ信号φTXをFFT(離散フーリエ変換)処理して得られた結果を示す。
【0011】
データ信号φTXが有線通信路300を通過して受信ノード200aで受信されたデータ信号φRXは、有線通信路300における導線の表皮効果や誘電体損失等に起因したチャネル損失を受けて、その信号強度の高周波成分が所望の信号強度から減衰されやすい。その減衰を補償するため、図1に示す受信処理回路5は、CTLE回路2でデータ信号φRXをブーストするが、CTLE回路2でブーストされたデータ信号φBSは、図2(b)に示すように、ナイキスト周波数f以上では大幅に減衰しやすい。図2(b)は、受信後にCTLE回路2でブーストされたデータ信号φBSの周波数特性を示し、例えば、データ信号φBSをFFT(離散フーリエ変換)処理して得られた結果を示す。
【0012】
なお、各データ信号は、差動信号で構成され得る。本明細書では、簡略化のために差動のP側の信号ライン及び回路要素について図示及び説明を行うが、差動のN側の信号ライン及び回路要素も同様に構成され得る。
【0013】
受信装置200の起動時等の初期動作では、CTLE回路2のブースト量を適正化するための制御が行われ得る。CTLE回路2の出力の指標(振幅やパルス幅)をもとにフィードバック制御を行うことがある。このとき、送信側と受信側とが非同期状態である。フィードバック制御の精度を向上するには、送信側と受信側とを同期させることで、出力情報の指標(振幅やパルス幅)への不確かな情報(ノイズ)の混入を軽減させることが望まれる。
【0014】
送信側と受信側とを同期させるために、CDR回路4は、受信処理回路5からのデータ信号φDと基準クロック生成回路202からの基準クロックREF_CLKとを用いて、クロックCLKを再生する。基準クロック生成回路202は、PLL(Phase Locked Loop)で構成され得る。CDR回路4は、基準クロックREF_CLKに基づいて、データ信号φDから抽出されたエッジ情報に対して、クロックCLKの位相が進相しているのか遅相しているのか判定し、その判定結果に応じてクロックCLKの位相を調整する。例えば、CDR回路4は、クロックCLKの位相がデータ信号φDのエッジタイミングに対して遅相していれば、クロックCLKの位相を進相させる。CDR回路4は、クロックCLKの位相がデータ信号φDのエッジタイミングに対して進相していれば、クロックCLKの位相を遅相させる。CDR回路4は、クロックCLKの位相がデータ信号φDのエッジタイミングに合った状態でロックされ得る。これにより、データ信号φDに埋め込まれたエッジ情報に対応したクロックCLKを再生することができる。
【0015】
しかし、非同期状態では、CTLE回路2の設定が適正になっていないことがある。例えば、CTLE回路2でブーストされたデータ信号φBSがISI(符号間干渉:Intersymbol interference)ジッタを含む場合、CDR回路4が誤ったエッジタイミングでロックする誤ロック状態や、エッジタイミングがばらついてCDR回路4がロック困難である不安定な状態になり得る。結果として、CTLE回路2の適正化の制御とCDR回路4のロックとの両者に必要な情報を得ること困難になる。
【0016】
例えば、CTLE回路2でブーストされたデータ信号φBSは、そのアイパターンが、図3(a)に示すように、閉じた状態となり得るが、ゼロクロスエッジに関しては、明らかにエッジの部分(すなわち、電位レベルが-側から+側へゼロクロスしている部分、又は電位レベルが+側から-側へゼロクロスしている部分)が確認できる。図3(a)は、ブーストされたデータ信号φBSのエッジタイミングの分布をアイパターンで示す図である。さらに詳しくみると、図3(b)に示すように、1UI(Unit Interval)内でエッジタイミングの出現頻度について複数の分布DB1,DB2が存在し得ることが見出された。図3(b)は、ブーストされたデータ信号φBSのエッジタイミングの分布をヒストグラムで示す図である。1UIは、波形処理の単位期間であり、クロックCLKの1周期に対応している。分布DB1は、1UI内のタイミングt1の近傍でピークを有し、分布DB2は、1UI内のタイミングt2の近傍でピークを有する。図3(a)及び図3(b)は、それぞれ複数UIについて収集し、タイミングt0~t3で示す1UI内に示した図である。図3(a)及び図3(b)の横軸は、1UI内のタイミングを示す。図3(a)の縦軸は、データ信号φBSの電位レベルを示し、図3(b)の縦軸は、度数(出現回数)を示す。
【0017】
図3(b)に示すように、分布DB1は、分布DB2に比べて、より急峻な分布である。分布DB1のピークは、分布DB2のピークに比べて、高い(すなわち、出現頻度が多い)。このことから、分布DB1が正しいエッジタイミングに対応し、分布DB2がISIによる劣化した高周波成分に対応していると考えられる。このデータ信号φBSに応じて受信処理回路5から出力されるデータ信号φDを用いてCDR回路4でクロックCLKを再生しようとすると、分布DB2のタイミングt2に誤ってロックされる可能性がある。分布DB1と分布DB2との総面積はほぼ等しいので、分布DB2のタイミングt2にロックされた状態から分布DB1のタイミングt1に切り替えるのは難しい。
【0018】
ここで、データ信号の波形における電位レベルがゼロクロスする部分をエッジと呼ぶことにする。さらに、データ信号の波形において電位レベルが-側から+側へゼロクロスしている部分(ライズエッジ)が出現してから次に電位レベルが+側から-側へゼロクロスしている部分(フォールエッジ)が出現する場合に、CDR回路4で順に(連続的な順序で)検出される一対のライズエッジ及びフォールエッジのことをペアと呼ぶことにする。又は、データ信号の波形において電位レベルが+側から-側へゼロクロスしている部分(フォールエッジ)が出現してから次に電位レベルが-側から+側へゼロクロスしている部分(ライズエッジ)が出現する場合に、CDR回路4で順に(連続的な順序で)検出される一対のフォールエッジ及びライズエッジのことをペアと呼ぶことにする。
【0019】
データ信号の波形には、互いのエッジについて時間間隔が短いペアと時間間隔が長いペアとが存在する(例えば、図7(a)に例示する波形では、タイミングt12付近のライズエッジとタイミングt13付近のフォールエッジとが時間間隔が短いペアであり、タイミングt13付近のフォールエッジとタイミングt17付近のライズエッジとが時間間隔が長いペアである)。正しいエッジタイミングに対応すると考えられる図3(b)に示す分布DB1について、さらに検討すると、分布DB1は、Nを2以上の整数とするとき、1UIのN倍以上時間的に離れたエッジのペアを多く含むことが見出された。
【0020】
例えば、図2(b)に示すように、ブースト後のデータ信号φBSでは、ナイキスト周波数f以上で信号強度が大きく減衰しているが、その1/Nの周波数f/N以下では送信時と同等の信号強度になり得る。図2(b)では、横軸が対数表記された周波数を示すが、N=4であり、ブースト後のデータ信号φBSがナイキスト周波数fの1/4の周波数f/4以下で送信時と同等の信号強度になり得る場合が例示されている。このことから、分布DB1は、1UIで時間的に離れたエッジのペアをほとんど含まないが、1UIのN倍以上時間的に離れたエッジのペア(低周波成分のペア)を多く含むと考えられる。
【0021】
そこで、本実施形態では、半導体集積回路1において、CTLE回路2でブーストされたデータ信号φBSからCDR回路4で低周波成分のペアを抽出し、抽出されたペアの情報を用いてCDR回路4でクロックCLKの位相を調整することで、CDR回路4におけるロックの適正化を図る。
【0022】
具体的には、受信処理回路5の初期動作において、受信後にブーストされたデータ信号φBSがDFE回路3を通った後のデータ信号φDに対して、CDR回路4でエッジ検出を行う。CDR回路4は、検出される全エッジのうち、1UIのN倍以上(Nは2以上の整数)時間的に離れて隣接するエッジのペア(低周波成分のペア)を抽出する。CDR回路4は、低周波成分のペアの情報に応じて第1の位相調整を行う。低下したエッジ密度でもCDR回路4の追従性を補償するために、CDR回路4は、低周波成分のペアを用いて求められた制御量をN倍して、第1の位相調整の制御量とする。CDR回路4は、第1の位相調整の制御量に応じて、クロックを生成する。CDR回路4は、1/Nにエッジ密度が低下した低周波成分のペアを用いるとともに、その周波数をN倍することに相当する制御量の調整を行う。すなわち、半導体集積回路1は、低周波成分のペアを用いてCDR回路4をロックさせながら、CTLE回路2のブースト量を適正化するための適応制御(ラフな適応制御)を行う。これにより、CDR回路4がラフにロックされ得る。CTLE回路2のブースト量が適正化されると、半導体集積回路1は、CTLE回路2の適応制御を終了する。CDR回路4がラフにロックしておりフィードバックのタイミングを規定できるので、半導体集積回路1は、DFE回路3の補正量を適正化するための適応制御を開始する。そして、CDR回路4は、検出される全エッジを用いて第2の位相調整を行い、クロックを生成する。すなわち、半導体集積回路1は、全エッジを用いてCDR回路4をロックさせながら、DFE回路3の適応制御(ファインな適応制御)を行う。これにより、CDR回路4がファインにロックされ得る。すなわち、半導体集積回路1において、等化の精度を段階的に向上することとクロックの位相調整の精度を段階的に向上することとを並行して行うことができ、CDR回路4によるロックを効率的に適正化できる。
【0023】
より具体的には、半導体集積回路1は、図4に示すように構成され得る。図4は、半導体集積回路1の構成を示す図である。半導体集積回路1は、1のパッケージや1又は複数のチップ(ダイ)で形成され得る。
【0024】
半導体集積回路1において、受信処理回路5は、受信ノード200aで受信されたデータ信号φRXに対してデータ信号φRXのブースト等の信号処理を行ってデータ信号φDを生成し、データ信号φDをCDR回路4及び内部回路203へ供給する。受信処理回路5は、CTLE回路2及びDFE回路3に加えて、サンプラ51、CTLE調整回路52、DFE調整回路53、及びSIPO(Serial Input Parallel Output)回路54を有する。
【0025】
CDR回路4は、Nを2以上の整数とするとき、ブースト等の信号処理が施されたデータ信号φDの波形からクロック周期のN倍以上時間的に離れた一対のライズエッジ及びフォールエッジの情報を抽出する。CDR回路4は、一対のライズエッジ及びフォールエッジの情報に応じた位相調整を行い、クロックを再生する。CDR回路4は、エッジ(Edge)検出回路41、SIPO(Serial Input Parallel Output)回路42、抽出回路43、抽出回路44、識別回路45、制御回路46、クロック生成回路47、及びPFD(Phase Frequency Detector)回路48を有する。クロック生成回路47は、CP(Charge Pump:チャージポンプ)回路471及びVCO(Voltage Controlled Oscilator:電圧制御発振)回路472を有する。
【0026】
半導体集積回路1では、PFD回路48→制御回路46→クロック生成回路47→PFD回路48のループがクロックCLKの周波数ロックのループを構成する。制御回路46→クロック生成回路47→DFE回路3→サンプラ51→エッジ検出回路41→SIPO回路42→抽出回路44(又は抽出回路43)→制御回路46がクロックCLKの位相ロックのループを構成する。
【0027】
CDR回路4では、基準クロック生成回路202からの基準クロックREF_CLKをもとにしてPFD回路48を使用した周波数ロック行い、その後、エッジ検出回路41を使用した位相ロックを行う。その際、エッジ検出回路41の出力をSIPO回路42でパラレル化し、そのパラレル化された情報のうち低周波成分のペアとなるエッジの情報を抽出回路44で抽出する。低周波成分のペアは、1UIのN倍以上(Nは2以上の整数)時間的に離れたエッジのペアであり、ライズエッジ及びフォールエッジのペアでもよいし、フォールエッジ及びライズエッジのペアでもよい。なお、データ信号の波形において、-側から+側にゼロクロスしてから+側から-側にゼロクロスせずにさらに-側から+側にゼロクロスすることは不可能であるので、ライズエッジ及びライズエッジのペアは存在しない。同様の理由で、フォールエッジ及びフォールエッジのペアは存在しない。
【0028】
CDR回路4は、その抽出されたエッジ情報を元にクロックCLKの位相を進相又は遅相させて位相調整を行う。位相調整を行う制御回路46では、検出されたエッジ情報からエッジ密度の減少を補償するための制御量を見積もってクロック生成回路47への制御量の調整を行う。半導体集積回路1では、CTLE回路2の調整後にDFE回路3の適応制御を行うことで等化の適応制御とCDR回路4の引き込み動作とを短時間で行うことが可能になる。
【0029】
CTLE回路2は、受信ノード200a(図1)及びDFE回路3の間に電気的に接続されている。CTLE回路2は、受信ノード200aで受信されたデータ信号φRXを受け、CTLE調整回路52により設定されたブースト量でデータ信号φRXをブーストする。CTLE回路2は、そのブースト量が可変であるアンプ21を有する。アンプ21は、入力ノードが受信ノード200aに接続され、制御ノードがCTLE調整回路52に接続され、出力ノードがDFE回路3に接続されている。アンプ21は、データ信号φRXが入力され、データ信号φRXをブーストし、データ信号φBSを出力する。CTLE回路2は、ブーストされたデータ信号φBSをDFE回路3へ供給する。
【0030】
DFE回路3は、CTLE回路2及びサンプラ51の間に電気的に接続されている。DFE回路3は、データ信号φBSをCTLE回路2から受ける。DFE回路3は、DFE調整回路53の補正制御が停止している状態において、バッファーとして機能し、データ信号φBSを転送する。DFE回路3は、DFE調整回路53が補正制御を行っている状態において、DFE調整回路53からの補正量でデータ信号φBSを補正する。DFE回路3は、サマー(Sum)回路31を有する。サマー回路31は、入力ノードがCTLE回路2に接続され、制御ノードがDFE調整回路53に接続され、出力ノードがサンプラ51のそれぞれに接続されている。サマー回路31→サンプラ51→DFE調整回路53→サマー回路31のループが補正動作(DFE動作)のループを構成する。サマー回路31は、DFE調整回路53の補正制御が停止している状態において、入力されたデータ信号φBSを例えば1倍で増幅し、データ信号φCSを出力する。サマー回路31は、DFE調整回路53が補正制御を行っている状態において、入力されたデータ信号φBSをDFE調整回路53からの補正量で補正し、データ信号φCSを出力する。DFE回路3は、データ信号φCSをサンプラ51へ供給する。
【0031】
サンプラ51は、DFE回路3、CDR回路4、及びDFE調整回路53の間に電気的に接続されている。サンプラ51は、例えば、データサンプラであり、フリップフロップで構成され得る。サンプラ51は、第1の入力ノード(データ入力ノード)がDFE回路3に接続され、第2の入力ノード(クロックノード)がCDR回路4に接続され、出力ノードがCDR回路4、DFE調整回路53、SIPO回路54に接続されている。サンプラ51は、CDR回路4からのクロックCLKに同期してデータ信号φCSをサンプリングし、データ信号φCSに対して0及び1のいずれの論理値であるかの判定を行う。サンプラ51は、判定結果としてのデータ信号φDをCDR回路4、DFE調整回路53、SIPO回路54へそれぞれ出力する。
【0032】
SIPO回路54は、サンプラ51及び内部回路203(図1参照)の間に電気的に接続されている。SIPO回路54は、例えばSIPO型のシフトレジスタであり、複数段ンのレジスタを有する。SIPO回路54は、クロックCLKに同期してデータ信号φDを1段ずつシフトさせ各段のレジスタから並行して出力することでシリアル信号であるデータ信号φDをパラレル化して内部回路203へ出力する。
【0033】
CTLE調整回路52は、CTLE回路2及び識別回路45の間に電気的に接続されている。CTLE調整回路52は、入力ノードが識別回路45に接続され、出力ノードがCTLE回路2に接続されている。CTLE調整回路52→CTLE回路2→DFE回路3→サンプラ51→エッジ検出回路41→SIPO回路42→識別回路45→CTLE調整回路52のループがCTLE回路2の適応制御のフィードバックループを構成する。CTLE調整回路52は、初期動作において、CTLE回路2のブースト量を調整する。CTLE調整回路52は、識別回路45での識別パターンの検出や識別パターンの検出頻度に応じて、ブースト量の調整を終了する。
【0034】
DFE調整回路53は、DFE回路3、CDR回路4、サンプラ51、及び識別回路45の間に電気的に接続されている。DFE調整回路53は、第1の入力ノード(フィードバックノード)がサンプラ51の出力ノードに接続され、第2の入力ノードが識別回路45に接続され、第3の入力ノード(クロックノード)がCDR回路4に接続され、出力ノードがDFE回路3に接続されている。DFE調整回路53→DFE回路3→サンプラ51→エッジ検出回路41→SIPO回路42→識別回路45→DFE調整回路53のループがDFE回路3の適応制御のフィードバックループを構成する。DFE調整回路53は、初期動作において、DFE回路3の補正量を調整する。DFE調整回路53は、識別回路45での識別パターンの検出や識別パターンの検出頻度に応じて、補正量の調整を開始する。例えば、DFE調整回路53は、データ信号に対する補正量の割合を示すタップ係数を調整する。DFE調整回路53は、識別回路45で再び識別パターンが検出されることやその検出頻度に応じて、補正量の調整を終了する。また、DFE調整回路53は、補正量を調整する動作(DFE適応制御)に加えて、補正制御そのものも行う。すなわち、DFE調整回路53は、サンプラ51からフィードバックされたデータ信号φDと調整されたタップ係数とに応じて補正量を生成する。DFE調整回路53は、補正量をDFE回路3へ供給する。
【0035】
エッジ検出回路41は、サンプラ51及びSIPO回路42の間に電気的に接続されている。エッジ検出回路41は、第1の入力ノードがサンプラ51に接続され、第2の入力ノード(クロックノード)がクロック生成回路47に接続され、出力ノードがSIPO回路42に接続されている。エッジ検出回路41は、クロック生成回路47からのクロックCLKに応じてデータ信号φDにおけるエッジを検出し、エッジ検出結果をSIPO回路42へ供給する。
【0036】
SIPO回路42は、エッジ検出回路41、抽出回路43,44、及び識別回路45の間に電気的に接続されている。SIPO回路42は、第1の入力ノードがエッジ検出回路41に接続され、第2の入力ノード(クロックノード)がクロック生成回路47に接続され、出力ノードが抽出回路43,44、及び識別回路45に接続される。SIPO回路42は、クロック生成回路47からのクロックCLKに応じてエッジ検出回路41からのシリアルのエッジ検出結果をパラレル化し、クロックCLKに応じてエッジ検出結果を抽出回路43,44、及び識別回路45へ供給する。
【0037】
例えば、エッジ検出回路41及びSIPO回路42は、図5に示すように構成され得る。図5は、エッジ検出回路41及びSIPO回路42の構成を示す回路図である。
【0038】
エッジ検出回路41は、データ信号φDにおけるエッジの情報をサンプラ411,412のサンプリング結果に応じて抽出する。エッジ検出回路41は、データ信号φDにおけるその時の値(論理値)の状態から、エッジの有無、向き、位相情報を処理する。エッジ検出回路41で処理された値(論理値)は、SIPO回路42のシフトレジスタでパラレルデータ化される。エッジ検出回路41は、インバータ410、サンプラ411,412、フリップフロップ413,414、及び論理ゲート4151~4153,4161~4163,4171~4173,418,419を有する。SIPO回路42は、EDGEレジスタ421、RISEレジスタ422、FALLレジスタ423、UPレジスタ424、DNレジスタ425を有する。
【0039】
インバータ410は、入力ノードがCDR回路4(図4参照)に接続され、出力ノードがサンプラ412及びSIPO回路42内の複数のレジスタ421~425に接続されている。インバータ410は、クロックCLKを論理的に反転させて反転クロック/CLKを生成し、反転クロック/CLKをサンプラ412、EDGEレジスタ421、RISEレジスタ422、FALLレジスタ423、UPレジスタ424、DNレジスタ425のそれぞれに供給する。
【0040】
サンプラ411は、例えばフリップフロップで構成され、第1の入力ノード(データ入力ノード)がサンプラ51(図4参照)に接続され、第2の入力ノード(クロックノード)がクロック生成回路47(図4参照)に接続され、出力ノードが論理ゲート4151,4161,4171,418及びフリップフロップ413に接続される。サンプラ411は、クロックCLKに同期してデータ信号φDをサンプリングし、サンプリング結果Q1を論理ゲート4151,4161,4171,418及びフリップフロップ413のそれぞれへ供給する。
【0041】
サンプラ412は、例えばフリップフロップで構成され、第1の入力ノード(データ入力ノード)がサンプラ51(図4参照)に接続され、第2の入力ノード(クロックノード)がインバータ410に接続され、出力ノードがフリップフロップ414に接続される。サンプラ412は、反転クロック/CLKに同期してデータ信号φDをサンプリングし、サンプリング結果Q3をフリップフロップ414へ供給する。
【0042】
フリップフロップ413は、第1の入力ノード(データ入力ノード)がサンプラ411に接続され、第2の入力ノード(クロックノード)がクロック生成回路47(図4参照)に接続され、出力ノードが論理ゲート4152,4162,4172,419に接続される。フリップフロップ413は、サンプラ411から受けたサンプリング結果Q1をクロックCLKに同期して保持し、保持されたサンプリング結果をサンプリング結果Q2としてクロックCLKに同期して論理ゲート4152,4162,4172,419のそれぞれへ転送する。サンプリング結果Q2は、サンプリング結果Q1に対してクロックCLKの1周期分遅延した信号となる。
【0043】
フリップフロップ414は、第1の入力ノード(データ入力ノード)がサンプラ412に接続され、第2の入力ノード(クロックノード)がクロック生成回路47(図4参照)に接続され、出力ノードが論理ゲート4152,4161,4162,4171,4172,418,419に接続される。リップフロップ413は、サンプラ412から受けたサンプリング結果Q3をクロックCLKに同期して保持し、保持されたサンプリング結果をサンプリング結果Q4としてクロックCLKに同期して論理ゲート4152,4161,4162,4171,4172,418,419のそれぞれへ転送する。サンプリング結果Q4は、サンプリング結果Q3に対してクロックCLKの半周期分遅延した信号となる。
【0044】
論理ゲート4151は、第1の入力ノードがサンプラ411に接続され、第2の入力ノードがフリップフロップ414に接続され、出力ノードが論理ゲート4153に接続されている。論理ゲート4151は、例えばEXORゲートであり、サンプリング結果Q1とサンプリング結果Q4との排他的論理和を演算し、演算結果を論理ゲート4153へ供給する。
【0045】
論理ゲート4152は、第1の入力ノードがフリップフロップ413に接続され、第2の入力ノードがフリップフロップ414に接続され、出力ノードが論理ゲート4153に接続されている。論理ゲート4152は、例えばEXORゲートであり、サンプリング結果Q2とサンプリング結果Q4との排他的論理和を演算し、演算結果を論理ゲート4153へ供給する。
【0046】
論理ゲート4153は、第1の入力ノードが論理ゲート4151に接続され、第2の入力ノードが論理ゲート4152に接続され、出力ノードがEDGEレジスタ421に接続されている。論理ゲート4153は、例えばORゲートであり、論理ゲート4151の演算結果と論理ゲート4152の演算結果との論理和を演算し、演算結果をエッジ検出信号φEDGEとしてEDGEレジスタ421へ供給する。EXOR演算を「^」で表し、OR演算を「+」で表すと、エッジ検出信号φEDGE=Q1^Q4+Q2^Q4となる。
【0047】
論理ゲート4161は、第1の入力ノードがサンプラ411に接続され、第2の入力ノードがフリップフロップ414に接続され、出力ノードが論理ゲート4163に接続されている。論理ゲート4161は、例えば第2の入力ノードにインバータが追加されたANDゲートであり、サンプリング結果Q1とサンプリング結果Q4の論理反転との論理積を演算し、演算結果を論理ゲート4163へ供給する。
【0048】
論理ゲート4162は、第1の入力ノードがフリップフロップ413に接続され、第2の入力ノードがフリップフロップ414に接続され、出力ノードが論理ゲート4163に接続されている。論理ゲート4162は、例えば第1の入力ノードにインバータが追加されたANDゲートであり、サンプリング結果Q2の論理反転とサンプリング結果Q4との論理積を演算し、演算結果を論理ゲート4163へ供給する。
【0049】
論理ゲート4163は、第1の入力ノードが論理ゲート4161に接続され、第2の入力ノードが論理ゲート4162に接続され、出力ノードがRISEレジスタ422に接続されている。論理ゲート4163は、例えばORゲートであり、論理ゲート4161の演算結果と論理ゲート4162の演算結果との論理和を演算し、演算結果をライズエッジ検出信号φRISEとしてRISEレジスタ422へ供給する。AND演算を「&」で表し、OR演算を「+」で表し、NOT演算を「/」で表すと、ライズエッジ検出信号φRISE=Q1&(/Q4)+(/Q2)&Q4となる。
【0050】
論理ゲート4171は、第1の入力ノードがサンプラ411に接続され、第2の入力ノードがフリップフロップ414に接続され、出力ノードが論理ゲート4173に接続されている。論理ゲート4171は、例えば第1の入力ノードにインバータが追加されたANDゲートであり、サンプリング結果Q1の論理反転とサンプリング結果Q4との論理積を演算し、演算結果を論理ゲート4173へ供給する。
【0051】
論理ゲート4172は、第1の入力ノードがフリップフロップ413に接続され、第2の入力ノードがフリップフロップ414に接続され、出力ノードが論理ゲート4173に接続されている。論理ゲート4172は、例えば第2の入力ノードにインバータが追加されたANDゲートであり、サンプリング結果Q2とサンプリング結果Q4の論理反転との論理積を演算し、演算結果を論理ゲート4173へ供給する。
【0052】
論理ゲート4173は、第1の入力ノードが論理ゲート4171に接続され、第2の入力ノードが論理ゲート4172に接続され、出力ノードがFALLレジスタ423に接続されている。論理ゲート4173は、例えばORゲートであり、論理ゲート4171の演算結果と論理ゲート4172の演算結果との論理和を演算し、演算結果をフォールエッジ検出信号φFALLとしてFALLレジスタ423へ供給する。AND演算を「&」で表し、OR演算を「+」で表し、NOT演算を「/」で表すと、フォールエッジ検出信号φFALL=(/Q1)&Q4+Q2&(/Q4)となる。
【0053】
論理ゲート418は、第1の入力ノードがサンプラ411に接続され、第2の入力ノードがフリップフロップ414に接続され、出力ノードがUPレジスタ424に接続されている。論理ゲート418は、例えばEXORゲートであり、サンプリング結果Q1とサンプリング結果Q4との排他的論理和を演算し、演算結果をレイト信号φLATE(アップ信号φUP)としてUPレジスタ424へ供給する。EXOR演算を「^」で表すと、レイト信号φLATE=アップ信号φUP=Q1^Q4となる。
【0054】
論理ゲート419は、第1の入力ノードがフリップフロップ413に接続され、第2の入力ノードがフリップフロップ414に接続され、出力ノードがDNレジスタ425に接続されている。論理ゲート419は、例えばEXORゲートであり、サンプリング結果Q2とサンプリング結果Q4との排他的論理和を演算し、演算結果をアーリー信号φEARLY(ダウン信号φDN)としてDNレジスタ425へ供給する。EXOR演算を「^」で表すと、アーリー信号φEARLY=ダウン信号φDN=Q2^Q4となる。
【0055】
EDGEレジスタ421は、SIPO型のシフトレジスタであり、M段(MはNより大きい整数)のレジスタを有する。各段のレジスタは、データ入力ノードが前段のレジスタの出力ノードに接続され、クロックノードがインバータ410に接続され、出力ノードが次段のレジスタのデータ入力ノード、抽出回路43、抽出回路44、及び識別回路45に接続される。1段目のレジスタのデータ入力ノードは、論理ゲート415に接続される。M段目のレジスタの出力ノードは、抽出回路43,44、及び識別回路45に接続される。図5では、簡略化のため、2段目以降のデータ入力ノード・クロックノード・出力ノードの図示が省略されている。EDGEレジスタ421は、反転クロック/CLKに同期してエッジ検出信号φEDGEを1段ずつ後段に(図5中の右方向に)シフトさせるとともに、Mビットにパラレル化されたエッジ検出信号φEDGEを抽出回路43,44、及び識別回路45へ出力する。
【0056】
RISEレジスタ422は、SIPO型のシフトレジスタであり、M段のレジスタを有する。各段のレジスタの構成は、EDGEレジスタ421と同様である。RISEレジスタ422は、反転クロック/CLKに同期してライズエッジ検出信号φRISEを1段ずつシフトさせるとともに、Mビットにパラレル化されたライズエッジ検出信号φRISEを抽出回路43,44、及び識別回路45へ出力する。
【0057】
FALLレジスタ423は、SIPO型のシフトレジスタであり、M段のレジスタを有する。各段のレジスタの構成は、EDGEレジスタ421と同様である。FALLレジスタ423は、反転クロック/CLKに同期してフォールエッジ検出信号φFALLを1段ずつシフトさせるとともに、Mビットにパラレル化されたフォールエッジ検出信号φFALLを抽出回路43,44、及び識別回路45へ出力する。
【0058】
UPレジスタ424は、SIPO型のシフトレジスタであり、M段のレジスタを有する。各段のレジスタの構成は、EDGEレジスタ421と同様である。UPレジスタ424は、反転クロック/CLKに同期してアップ信号φUPを1段ずつシフトさせるとともに、Mビットにパラレル化されたアップ信号φUPを抽出回路43,44、及び識別回路45へ出力する。
【0059】
DNレジスタ425は、SIPO型のシフトレジスタであり、M段のレジスタを有する。各段のレジスタの構成は、EDGEレジスタ421と同様である。DNレジスタ425は、反転クロック/CLKに同期してダウン信号φDNを1段ずつシフトさせるとともに、Mビットにパラレル化されたダウン信号φDNを抽出回路43,44、及び識別回路45へ出力する。
【0060】
ここで図6図7を用いて、エッジ検出回路41及びSIPO回路42の動作の一例を説明する。
【0061】
例えば、ライズエッジの情報は、図6(a)又は図6(b)に示すように検出される。図6(a)及び図6(b)は、それぞれ、ライズエッジの検出時におけるエッジ検出回路41及びSIPO回路42の動作を示す波形図である。データ信号φDのライズエッジでは、データ信号φDの論理値が0から1になり、その電位レベルが-側から+側へゼロクロスする。図7(a)に例示するデータ信号φDの波形では、タイミングt11,t12間のタイミングのライズエッジ、又はタイミングt16,t17間のタイミングのライズエッジで、電位レベルが-側から+側へゼロクロスしている。図7(a)は、データ信号φDの波形を示す図である。
【0062】
図6(a)に示すタイミングt31において、クロックCLKの立ち上がりに応じて、サンプラ411がデータ信号φDの論理値「0」(Lレベル)をサンプリングし、そのサンプリング結果Q1がLレベルになる。
【0063】
図6(a)に示すタイミングt32において、反転クロック/CLKの立ち上がりに応じて、サンプラ412がデータ信号φDの論理値「0」(Lレベル)をサンプリングし、そのサンプリング結果Q3がLレベルになる。
【0064】
図6(a)に示すタイミングt33において、クロックCLKの立ち上がりに応じて、サンプラ411がデータ信号φDの論理値「1」(Hレベル)をサンプリングし、そのサンプリング結果Q1がLレベルからHレベルに遷移する。また、サンプリング結果(Q2,Q4,Q1)=(Lレベル,Lレベル,Hレベル)に応じて、エッジ検出信号φEDGE、ライズエッジ検出信号φRISEがそれぞれLレベルからHレベルに遷移し、アップ信号φUPがLレベルからHレベルに遷移する。
【0065】
すなわち、図6(a)では、タイミングt33を起点に、データ信号φDのタイミングt31,t32,t33のレベルを、それぞれ、サンプリング結果Q2,Q4,Q1でとらえて演算を行っている。すなわち、サンプリング結果(Q2,Q4,Q1)=(Lレベル,Lレベル,Hレベル)により、データ信号φDのライズエッジが検出され、サンプリング結果(Q4,Q1)=(Lレベル,Hレベル)により、データ信号φDに対してクロックCLKが位相的に遅れている(LATEである)ことが検出され、レイト信号φLATEがLレベルからHレベルに遷移する。すなわち、クロックCLKの位相を進相させる(UPさせる)べきなので、アップ信号φUPがLレベルからHレベルに遷移する。
【0066】
図6(b)に示すタイミングt41において、クロックCLKの立ち上がりに応じて、サンプラ411がデータ信号φDの論理値「0」(Lレベル)をサンプリングし、そのサンプリング結果Q1がLレベルになる。
【0067】
図6(b)に示すタイミングt42において、反転クロック/CLKの立ち上がりに応じて、サンプラ412がデータ信号φDの論理値「1」(Hレベル)をサンプリングし、そのサンプリング結果Q3がHレベルになる。
【0068】
図6(b)に示すタイミングt43において、クロックCLKの立ち上がりに応じて、サンプラ411がデータ信号φDの論理値「1」(Hレベル)をサンプリングし、そのサンプリング結果Q1がLレベルからHレベルに遷移する。また、サンプリング結果(Q2,Q4,Q1)=(Lレベル,Hレベル,Hレベル)に応じて、エッジ検出信号φEDGE、ライズエッジ検出信号φRISEがそれぞれLレベルからHレベルに遷移し、ダウン信号φDNがLレベルからHレベルに遷移する。
【0069】
すなわち、図6(b)では、タイミングt43を起点に、データ信号φDのタイミングt41,t42,t43のレベルを、それぞれ、サンプリング結果Q2,Q4,Q1でとらえて演算を行っている。すなわち、サンプリング結果(Q2,Q4,Q1)=(Lレベル,Hレベル,Hレベル)により、データ信号φDのライズエッジが検出され、サンプリング結果(Q2,Q4)=(Lレベル,Hレベル)により、データ信号φDに対してクロックCLKが位相的に進んでいる(EARLYである)ことが検出され、アーリー信号φEARLYがLレベルからHレベルに遷移する。すなわち、クロックCLKの位相を遅相させる(DOWN(DN)させる)べきなので、ダウン信号φDNがLレベルからHレベルに遷移する。
【0070】
例えば、図7(a)に示す2つのライズエッジは、図7(b)に示すように、目標となるタイミングt12,t17の近くに存在する。これは、図7(c)に示すように、12段目、7段目のレジスタの保持するビット値が(EDGEレジスタ421,RISEレジスタ422,FALLレジスタ423)=(1,1,0)であることから把握される。EDGEレジスタ421,RISEレジスタ422,FALLレジスタ423のそれぞれにおける12段目、7段目のレジスタは、タイミングt12,t17に対応する。図7(a)に示すように、データ信号φDの波形におけるタイミングt12,t17の付近のライズエッジでは、データ信号φDに対してクロックCLKの位相が遅れているので、エッジ検出回路41は、図7(d)に示すように、クロックCLKの位相を進相させることを指示するアップ信号φUPを出力する。
【0071】
図7(b)は、エッジ検出回路41で検出されるエッジ情報を示す図であり、「↑」でライズエッジを示し、「↓」でフォールエッジを示している。図7(c)は、EDGEレジスタ421,RISEレジスタ422,FALLレジスタ423のそれぞれにおける各段のレジスタに格納されるビット値を示し、各段のレジスタは、信号のLレベルを0として格納し、Hレベルを1として格納する。図7(d)は、UPレジスタ424、DNレジスタ425のそれぞれにおける各段のレジスタに格納されるビット値を示し、各段のレジスタは、信号のLレベルを0として格納し、Hレベルを1として格納する。図7(c)、図7(d)では、各段のレジスタが図5と逆向きに示され、1段目のレジスタが右側にM段目(図7(a)では、M=13)のレジスタが左側に示され、シフト動作の向きが図面中の右から左へ向かう向きになっている。図7(c)、図7(d)に示す構成では、13段目のレジスタが最も古いデータを保持するレジスタであり、1段目のレジスタが最も新しいデータを保持するレジスタである。言い換えると、図7(c)、図7(d)に示す構成では、左側のレジスタほど古いデータを保持し、右側のレジスタほど新しいデータを保持する。
【0072】
また、フォールエッジの情報は、図6(c)又は図6(d)に示すように検出される。図6(c)及び図6(d)は、それぞれ、フォールエッジの検出時におけるエッジ検出回路41及びSIPO回路42の動作を示す波形図である。データ信号φDのフォールエッジでは、データ信号φDの論理値が1から0になり、その電位レベルが+側から-側へゼロクロスする。図7(a)に例示するデータ信号φDの波形では、タイミングt13,t14間のタイミングのフォールエッジ、又はタイミングt22,t23間のタイミングのフォールエッジで、電位レベルが+側から-側へゼロクロスしている。
【0073】
図6(c)に示すタイミングt51において、クロックCLKの立ち上がりに応じて、サンプラ411がデータ信号φDの論理値「1」(Hレベル)をサンプリングし、そのサンプリング結果Q1がHレベルになる。
【0074】
図6(c)に示すタイミングt52において、反転クロック/CLKの立ち上がりに応じて、サンプラ412がデータ信号φDの論理値「1」(Hレベル)をサンプリングし、そのサンプリング結果Q3がHレベルになる。
【0075】
図6(c)に示すタイミングt53において、クロックCLKの立ち上がりに応じて、サンプラ411がデータ信号φDの論理値「0」(Lレベル)をサンプリングし、そのサンプリング結果Q1がHレベルからLレベルに遷移する。また、サンプリング結果(Q2,Q4,Q1)=(Hレベル,Hレベル,Lレベル)に応じて、エッジ検出信号φEDGE、フォールエッジ検出信号φFALLがそれぞれLレベルからHレベルに遷移し、アップ信号φUPがLレベルからHレベルに遷移する。
【0076】
すなわち、図6(c)では、タイミングt53を起点に、データ信号φDのタイミングt51,t52,t53のレベルを、それぞれ、サンプリング結果Q2,Q4,Q1でとらえて演算を行っている。すなわち、サンプリング結果(Q2,Q4,Q1)=(Hレベル,Hレベル,Lレベル)により、データ信号φDのフォールエッジが検出され、サンプリング結果(Q4,Q1)=(Hレベル,Lレベル)により、データ信号φDに対してクロックCLKが位相的に遅れている(LATEである)ことが検出され、レイト信号φLATEがLレベルからHレベルに遷移する。すなわち、クロックCLKの位相を進相させる(UPさせる)べきなので、アップ信号φUPがLレベルからHレベルに遷移する。
【0077】
図6(d)に示すタイミングt61において、クロックCLKの立ち上がりに応じて、サンプラ411がデータ信号φDの論理値「1」(Hレベル)をサンプリングし、そのサンプリング結果Q1がHレベルになる。
【0078】
図6(d)に示すタイミングt62において、反転クロック/CLKの立ち上がりに応じて、サンプラ412がデータ信号φDの論理値「0」(Lレベル)をサンプリングし、そのサンプリング結果Q3がLレベルになる。
【0079】
図6(d)に示すタイミングt63において、クロックCLKの立ち上がりに応じて、サンプラ411がデータ信号φDの論理値「0」(Lレベル)をサンプリングし、そのサンプリング結果Q1がHレベルからLレベルに遷移する。また、サンプリング結果(Q2,Q4,Q1)=(Hレベル,Lレベル,Lレベル)に応じて、エッジ検出信号φEDGE、フォールエッジ検出信号φFALLがそれぞれLレベルからHレベルに遷移し、ダウン信号φDNがLレベルからHレベルに遷移する。
【0080】
すなわち、図6(d)では、タイミングt63を起点に、データ信号φDのタイミングt61,t62,t63のレベルを、それぞれ、サンプリング結果Q2,Q4,Q1でとらえて演算を行っている。すなわち、サンプリング結果(Q2,Q4,Q1)=(Hレベル,Lレベル,Lレベル)により、データ信号φDのフォールエッジが検出され、サンプリング結果(Q2,Q4)=(Hレベル,Lレベル)により、データ信号φDに対してクロックCLKが位相的に進んでいる(EARLYである)ことが検出され、アーリー信号φEARLYがLレベルからHレベルに遷移する。すなわち、クロックCLKの位相を遅相させる(DOWN(DN)させる)べきなので、ダウン信号φDNがLレベルからHレベルに遷移する。
【0081】
例えば、図7(a)に示す2つのフォールエッジは、目標となるタイミングt13,t22の近くに存在する。これは、図7(c)に示すように、11段目、2段目のレジスタの保持するビット値が(EDGEレジスタ421,RISEレジスタ422,FALLレジスタ423)=(1,0,1)であることから把握される。EDGEレジスタ421,RISEレジスタ422,FALLレジスタ423のそれぞれにおける11段目、2段目のレジスタは、タイミングt13,t22に対応する。図7(a)に示すように、データ信号φDの波形におけるタイミングt13,t22の付近のフォールエッジでは、データ信号φDに対してクロックCLKの位相が進んでいるので、エッジ検出回路41は、図7(d)に示すように、クロックCLKの位相を遅相させることを指示するダウン信号φDNを出力する。
【0082】
図4に示す抽出回路44は、SIPO回路42と制御回路46との間に電気的に接続されている。抽出回路44は、入力ノードがSIPO回路42に接続され、出力ノードが制御回路46に接続されている。抽出回路44は、SIPO回路42に保持されたエッジ検出結果に応じて、データ信号φDの波形におけるクロック周期のN倍以上時間的に離れた一対のライズエッジ及びフォールエッジの情報を抽出する。すなわち、抽出回路44は、EDGEレジスタ421,RISEレジスタ422,FALLレジスタ423に保持されたビット値を参照し、参照結果に応じて、クロック周期のN倍以上時間的に離れた一対のライズエッジ及びフォールエッジの情報を抽出する。
【0083】
例えば、図7(c)の場合、12段目、7段目のレジスタの保持するビット値が(EDGEレジスタ421,RISEレジスタ422,FALLレジスタ423)=(1,1,0)であることに応じて、抽出回路44は、図7(a)に示すタイミングt12,t17の近くにライズエッジが検出されたことを把握する。また、11段目、2段目のレジスタの保持するビット値が(EDGEレジスタ421,RISEレジスタ422,FALLレジスタ423)=(1,0,1)であることに応じて、抽出回路44は、図7(a)に示すタイミングt13,t22の近くにフォールエッジが検出されたことを把握する。
【0084】
抽出回路44は、時間的に隣接して検出されたエッジのペアPR1,PR2,PR3を特定する。ペアPR1は、タイミングt12のライズエッジとタイミングt13のフォールエッジとからなるペアである。ペアPR2は、タイミングt13のフォールエッジとタイミングt17のライズエッジとからなるペアである。ペアPR3は、タイミングt17のライズエッジとタイミングt22のフォールエッジとからなるペアである。
【0085】
抽出回路44は、特定された各ペアPR1,PR2,PR3におけるエッジ間の時間間隔を求める。抽出回路44は、ペアPR1におけるライズエッジ・フォールエッジ間の時間が1UIであることを求める。抽出回路44は、ペアPR2におけるフォールエッジ・ライズエッジ間の時間が4UIであることを求める。抽出回路44は、ペアPR3におけるライズエッジ・フォールエッジ間の時間が5UIであることを求める。例えば、N=4であり、クロック周期の4倍以上(すなわち、4UI以上)時間的に離れた一対のライズエッジ及びフォールエッジを抽出すべき場合、抽出回路44は、ペアPR1を除外し、ペアPR2,PR3を位相調整に用いるべき低周波成分のペアとして抽出する。
【0086】
抽出回路44は、抽出された結果に応じて、DNレジスタ424、UPレジスタ425における11段目、7段目、2段目のレジスタのビット値を位相情報(遅れ/進み)として選択し制御回路46へ供給する。
【0087】
図4に示す抽出回路43は、SIPO回路42と制御回路46との間に電気的に接続されている。抽出回路43は、入力ノードがSIPO回路42に接続され、出力ノードが制御回路46に接続されている。抽出回路43は、SIPO回路42に保持されたエッジ検出結果に応じて、データ信号φDの波形から全エッジの情報を抽出する。例えば、抽出回路43は、EDGEレジスタ421を参照し、参照結果に応じて、全エッジの情報を抽出する。
【0088】
抽出回路43は、抽出された結果に応じて、DNレジスタ424、UPレジスタ425における12段目、11段目、7段目、2段目のレジスタのビット値を位相情報(遅れ/進み)として選択し制御回路46へ供給する。
【0089】
識別回路45は、SIPO回路42と制御回路46、CTLE調整回路52、及びDFE調整回路53との間に電気的に接続されている。識別回路45は、入力ノードがSIPO回路42に接続され、出力ノードが制御回路46、CTLE調整回路52、及びDFE調整回路53に接続される。識別回路45は、サンプラ51からのデータ信号φDをエッジ検出回路41及びSIPO回路42経由で受け、データ信号φDに含まれる識別パターンを探索して検出する。
【0090】
例えば、データ信号が64b/66b符号化されている場合、識別回路45は、識別パターンとして、66ビット毎に、2ビットのプリアンブル(又は、Syncヘッダ、Syncビットとも呼ぶ)を検出してもよい。プリアンブルは、ペイロードに関する情報を示し、例えば、“10”でペイロードが通常のデータであることを示し、“01”でペイロードが制御データであることを示す。ペイロードでは、スクランブル方式でデータにクロックの情報が重畳される。
【0091】
あるいは、データ信号が128b/130b符号化されている場合、識別回路45は、識別パターンとして、130ビット毎に、2ビットのプリアンブルを検出してもよい。
【0092】
あるいは、識別パターンは、プリアンブル(又は、Syncヘッダ、Syncビット)に限定されず、特定パターンでもよい。例えば、データ信号がPCIe規格に従っている場合、識別回路45は、識別パターンとして、PCIe規格で規定された同期用の特殊シンボルであるTS1シンボルのビットパターンを検出してもよい。
【0093】
すなわち、識別回路45は、データ信号φDに含まれる識別パターンを探索する。識別パターンを検出すると、識別回路45は、識別パターンが検出されたことを、制御回路46、CTLE調整回路52、DFE調整回路53に通知する。
【0094】
なお、制御の安定性を考慮して、識別回路45は、識別パターンが検出される連続回数がm回(mは、任意の2以上の整数)未満の場合に、識別パターンが検出されたことを通知せず、識別パターンが検出される連続回数がm回以上である場合に、識別パターンが検出されたことを、制御回路46、CTLE調整回路52、DFE調整回路53に通知してもよい。
【0095】
あるいは、制御の安定性・精度を考慮して、識別回路45は、識別パターンの検出・喪失の情報に基づいて、推定ビットエラー率を算出してもよい。Kビット(Kは任意の2以上の整数)で構成されたブロックの場合、各ビットのエラー発生の確率がランダムだとすると全てのビットでのエラーの有無の組み合わせは2通りになる。少なくともプリアンブル(又は、Syncヘッダ、Syncビット)の2ビットがエラーになることにより“01”又は“10”が“00”又は“11”になるのは、どちらかのビットがエラーになったときであると考えられる。すなわち、2ビットがエラーになるには、“正正”、“正誤”、“誤正”、“誤誤”の組み合わせのうち、“正誤”と“誤正”との2通りであると考えられる。これにより、全ての組み合わせ中、プリアンブルの2ビットでエラーになる確率は2/(2/2)=1/2である。また、各ビットのエラー発生がランダムだとしているので(K-1)ビットで構成されたブロック中の任意の連続した2ビットを仮定しても同じエラー率になっていると推定出来るので、ブロック内のエラー数はプリアンブルのエラー率のK/2倍と推定できる。このため、所定期間内にあるプリアンブルのエラー数が判ると全体のエラー率が推定できる。
【0096】
例えば、推定ビットエラー率は、次の数式1により算出され得る。
(推定ビットエラー率)=(喪失回数)/{(データレート)×(判定期間)}×(ブロックビット数)/2・・・数式1
【0097】
データレート、判定期間、ブロックビット数は、予め、識別回路45に設定され得る。識別回路45は、設定されたブロックビット数のデータ信号φに対して識別パターンを探索し、その喪失回数をカウントする。識別回路45は、カウントされた喪失回数に応じて、数式1により、推定ビットエラー率を算出してもよい。例えば、データレートが32Gbpsであり、判定期間が50μsecであり、データ信号φDに含まれるブロックビット数が130である場合、識別回路45は、識別パターンの喪失回数(検出に失敗した回数)として10回をカウントすると、推定ビットエラー率として、4.06×10-4を算出する。
【0098】
識別回路45は、推定ビットエラー率が閾値以上の場合に、識別パターンが検出されたことを通知せず、推定ビットエラー率が閾値未満の場合に、識別パターンが検出されたことを、制御回路46、CTLE調整回路52、DFE調整回路53に通知してもよい。
【0099】
制御回路46は、抽出回路43,44、識別回路45とクロック生成回路47との間に電気的に接続されている。制御回路46は、入力ノードが抽出回路43,44、識別回路45に接続され、出力ノードがクロック生成回路47に接続される。制御回路46は、初期動作において、クロック周期のN倍以上時間的に離れた一対のライズエッジ及びフォールエッジの位相情報(遅れ/進み)を採用する。クロック周期のN倍以上時間的に離れた一対のライズエッジ及びフォールエッジは、例えば、低周波数の1又は0のパルスの両エッジと言い換えることもできる。制御回路46は、識別回路45で識別パターンが検出されると、初期動作が終了したとして、抽出回路43から供給される全エッジの位相情報(遅れ/進み)を採用する。
【0100】
制御回路46は、対となるエッジの位相情報(遅れ/進み)を一定時間積分してCDR回路4の位相調整を行う。制御回路46は、対象となる組み合わせのエッジのDNレジスタ424のビット値、UPレジスタ425のビット値を所定期間(例えば、クロック周期のN倍より長い期間)累積した、ΣDNとΣUPの大小からクロック生成回路47の位相調整方向を決定する。制御回路46は、決定された位相調整方向に応じて、位相調整の制御量を決定する。このとき、制御回路46は、一対のライズエッジ及びフォールエッジを用いて求められた制御量をN倍して、位相調整の制御量とする。
【0101】
例えば、図7(c)に示すペアPR2のライズエッジ及びフォールエッジを用いて制御量を求めた場合、ライズエッジ及びフォールエッジの時間間隔が4UIであるので、制御回路46は、制御量を4倍して、位相調整の制御量とする。ペアPR3のライズエッジ及びフォールエッジを用いて制御量を求めた場合、ライズエッジ及びフォールエッジの時間間隔が5UIであるので、制御回路46は、制御量を5倍して、位相調整の制御量とする。
【0102】
図4に示すクロック生成回路47は、制御回路46とサンプラ51、DFE調整回路53、エッジ検出回路41、及びSIPO回路42との間に電気的に接続されている。クロック生成回路47は、入力ノードが制御回路46に接続され、出力ノードがサンプラ51、DFE調整回路53、エッジ検出回路41、及びSIPO回路42に接続される。クロック生成回路47は、制御回路46から供給される制御量に応じて、位相を調整したクロックCLKを生成する。制御回路46から供給される制御量は、CP回路471で流す電流の制御量である。CP回路471は、可変電流源471a及び容量素子471bを含む。可変電流源471aは、制御回路46からの制御量に応じた電流量で電荷を容量素子に蓄積する。これにより、CP回路471は、制御回路46からの制御量に応じた電圧を容量素子で発生させてVCO回路472へ供給する。VCO回路472は、電圧に応じた周波数で発振するクロックCLKを生成する。これにより、クロック生成回路47は、制御回路46から供給される制御量に応じて位相を調整したクロックCLKを生成する。クロック生成回路47は、クロックCLKをサンプラ51、DFE調整回路53、エッジ検出回路41、及びSIPO回路42のそれぞれへ供給する。
【0103】
次に、半導体集積回路1の動作について図8及び図9を用いて説明する。図8は、半導体集積回路1の動作を示すフローチャートである。図9は、半導体集積回路1の動作を示すシーケンスチャートである。
【0104】
半導体集積回路1は、受信装置200の起動時等の初期動作すべきタイミングになると、CTLE調整回路52によるCTLE回路2のブースト量の調整を開始する。すなわち、CTLE回路2のブースト量を適正化する適応制御が行われる(S1)。それとともに、ブーストされたデータ信号φBSにおける低周波成分のペアの情報が抽出され、抽出された情報を用いて、CDR回路4をラフにロックさせるための位相調整が行われる(S2)。半導体集積回路1は、識別回路45により識別パターンを探索し(S3)、第1の条件が満たされるまで(S4でNG)、S1~S3を繰り返す。第1の条件は、識別パターンが1回検出されることでもよいし、識別パターンが検出される連続回数がm回以上であることであってもよいし、識別パターンの検出・喪失の情報に基づいて算出された推定ビットエラー率が第1の閾値以上であることであってもよい。第1の閾値は、例えば、1×10-4であってもよい。
【0105】
図9のシーケンスチャートでみると、CTLE調整回路52によるCTLE回路2の適応制御(SQ1)とCDR回路4における低周波成分のペアを用いたラフな位相調整(SQ3)とは、ほぼ同時に開始され、それより少し遅れて、識別回路45による識別パターンの探索(SQ2)が開始される。その後、SQ1~SQ3は、互いに並行して実行される。
【0106】
図8において、半導体集積回路1は、第1の条件が満たされると(S4でOK)、CDR回路4がラフにロックされたとして、CTLE回路2の適応制御を終了するとともに、CDR回路4で全エッジを用いてCDR回路4をファインにロックさせるための位相調整を開始する。また、半導体集積回路1は、DFE回路3の補正量の調整を開始する。すなわち、DFE回路3の補正量を適正化する適応制御が行われる(S5)。半導体集積回路1は、識別回路45により識別パターンを探索し(S6)、第2の条件が満たされるまで(S7でNG)、S5~S6を繰り返す。第2の条件は、識別パターンが1回検出されることでもよいし、識別パターンが検出される連続回数がm回以上又はmより大きい値以上であることであってもよいし、識別パターンの検出・喪失の情報に基づいて算出された推定ビットエラー率が第2の閾値以上であることであってもよい。第2の閾値は、例えば、1×10-12であってもよい。
【0107】
半導体集積回路1は、第2の条件が満たされると(S7でOK)、CDR回路4がファインにロックされたとして、調整の処理を終了(S8)する。
【0108】
図9のシーケンスチャートでみると、識別回路45で識別パターンが検出される(SQ4)と、SQ1,SQ3が終了され、DFE調整回路53によるDFE回路3の適用制御(SQ5)が開始され、これに応じて、CDR回路4における位相調整がラフな調整(SQ3)からファインな調整(SQ6)に切り替えられる。それより少し遅れて、識別回路45による識別パターンの探索(SQ7)が再び開始される。その後、SQ5~SQ7は、互いに並行して実行される。識別回路45で識別パターンが検出される(SQ8)と、SQ5,SQ6が終了され、調整の処理が終了される。
【0109】
なお、SQ8に応じてSQ5が終了されるが、その後も、SQ6が継続されてもよい。
【0110】
以上のように、本実施形態では、半導体集積回路1において、CTLE回路2でブーストされたデータ信号からCDR回路4で低周波成分のペアを抽出し、抽出されたペアの情報を用いてCDR回路4で位相調整する。これにより、初期動作において、CTLE回路2による処理後の波形で十分なアイパターンの開口が得られていなくても、CDR回路4のロック位置をラフに特定して、CDR回路4をラフに且つ適正にロックさせることができる。この結果、CDR回路4によるロックを最適化できるので、CTLE回路2のブースト量を適正化するラフな適応制御を行うことができる。また、その後に、全エッジを用いてCDR回路4をファインにロックさせながら、DFE回路3の補正量を適正化するファインな適応制御を行うことができる。したがって、等化の精度を段階的に向上することとクロックの位相調整の精度を段階的に向上することとを並行して行うことができ、CDR回路4において誤ロックを回避してロックを効率的に適正化できる。
【0111】
例えば、CTLE回路2のブースト量を0dB,-5dB,-8dB,-10dB,-11dB,-15dBと変更しながら、低周波成分のエッジの最頻度位置を探索したCDR回路4のロックポイントをもとにして、CTLE回路2+DFE回路3による等化を行った結果を図10に示す。図10は、半導体集積回路1の動作による結果を示す図である。図10は、受信したデータ信号φRXの波形、ブースト後のデータ信号φBSのアイパターン、データ信号φBSから検出されるエッジタイミングのヒストグラム、DFE回路3で補正されたデータ信号φCSのアイパターンを、CTLE回路2のブースト量0dB,-5dB,-8dB,-10dB,-11dB,-15dBのそれぞれについて示している。図10に示すように、CTLE回路2及びDFE回路3による等化後にアイパターンの開口が適正化できる状態が得られる。例えば、CTLE回路2のブースト量が-11dBのときに、データ信号φBS,φCSのアイパターンの開口の振幅方向幅及び時間方向幅が最も確保され得ることが分かる。
【0112】
(変形例)
なお、図4に示す構成では、CDR回路4のロックに必要な情報がCTLE回路2の設定で得られる。このため、クロックCLKの位相ロックのループからDFE回路3を外して、DFE回路3の適応制御のフィードバックループをクロックCLKの位相ロックのループから独立させることが可能である。これにより、クロックCLKの位相調整とDFE回路3の適応制御とを独立して行うことが可能になる。
【0113】
具体的には、半導体集積回路1iは、図11に示すように構成され得る。図11は、実施形態の変形例に係る半導体集積回路1iの構成を示す図である。半導体集積回路1iは、受信処理回路5及びCDR回路4(図4参照)に代えて、受信処理回路5i及びCDR回路4iを有する。CDR回路4iは、識別回路45を有さず、受信処理回路5iは、サンプラ55i及び識別回路56iをさらに有する。
【0114】
図11の構成では、DFE回路3の適応制御のフィードバックループ(DFE調整回路53→DFE回路3→サンプラ55i→SIPO回路54→識別回路56i→DFE調整回路53のループ)が、クロックCLKの位相ロックのループ(制御回路46→クロック生成回路47→サンプラ51→エッジ検出回路41→SIPO回路42→抽出回路44(又は抽出回路43)→制御回路46)から独立している。
【0115】
サンプラ55iは、DFE回路3、SIPO回路54、及びDFE調整回路53の間に電気的に接続されている。サンプラ55iは、第1の入力ノード(データ入力ノード)がDFE回路3に接続され、第2の入力ノード(クロックノード)がCDR回路4iに接続され、出力ノードがSIPO回路54に接続されている。識別回路56iは、SIPO回路54と制御回路46、CTLE調整回路52、及びDFE調整回路53との間に電気的に接続されている。識別回路56iは、入力ノードがSIPO回路54に接続され、出力ノードが制御回路46、CTLE調整回路52、及びDFE調整回路53に接続される。
【0116】
また、半導体集積回路1iの動作が、図12及び図13に示すように、次の点で実施形態と異なる。図12は、実施形態の変形例に係る半導体集積回路1iの動作を示すフローチャートである。図13は、実施形態の変形例に係る半導体集積回路1iの動作を示すシーケンスチャートである。
【0117】
半導体集積回路1iは、図8と同様の処理(S1)の後に、CDR回路4iをラフにロックさせるための位相調整(S2)と並行してDFE回路3の補正量を適正化する適応制御(S5i)を行う。半導体集積回路1iは、識別回路56iにより識別パターンを探索し(S6i)、第3の条件が満たされるまで(S7iでNG)、S1~S6iを繰り返す。第3の条件は、識別パターンが1回検出されることでもよいし、識別パターンが検出される連続回数がm回以上であることであってもよいし、識別パターンの検出・喪失の情報に基づいて算出された推定ビットエラー率が第3の閾値以上であることであってもよい。第3の閾値は、例えば、1×10-12であってもよい。
【0118】
半導体集積回路1iは、第3の条件が満たされると(S7iでOK)、CDR回路4iがラフにロックされたとして、CTLE回路2の適応制御とDFE回路3の適応制御とをそれぞれ終了するとともに、CDR回路4iで全エッジを用いてCDR回路4iをファインにロックさせるための位相調整を開始する。半導体集積回路1iは、CDR回路4iがファインにロックされると、調整の処理を終了(S8i)する。
【0119】
図13のシーケンスチャートでみると、CTLE調整回路52によるCTLE回路2の適応制御(SQ1)とDFE調整回路53によるDFE回路3の適用制御(SQ5i)とCDR回路4iにおける低周波成分のペアを用いたラフな位相調整(SQ3)とは、ほぼ同時に開始され、それより少し遅れて、識別回路56iによる識別パターンの探索(SQ2i)が開始される。その後、SQ1,SQ2i,SQ5i,SQ3は、互いに並行して実行される。識別回路45で識別パターンが検出される(SQ4i)と、SQ1,SQ5i,SQ3が終了され、CDR回路4iにおける位相調整がラフな調整(SQ3)からファインな調整(SQ6)に切り替えられる。それより少し遅れて、識別回路56iによる識別パターンの探索(SQ7i)が再び開始される。その後、SQ7i,SQ6は、互いに並行して実行される。識別回路56iで識別パターンが検出される(SQ8i)と、SQ6が終了され、調整の処理が終了される。
【0120】
このように、半導体集積回路1iでは、CTLE回路2及びCDR回路4iの係数変更とDFE回路3の係数変更のシーケンスが個別に制御できる。結果として、起動からDFE回路3の適正化までの時間を短縮できる。また、DFE回路3の適正化の完了を待たずに、CDR回路4iでの全エッジを用いたファインな位相調整を完了させることができるので、起動からファインな位相調整の完了までの時間を短縮できる。
【0121】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0122】
1,1i 半導体集積回路、2 CTLE回路、3 DFE回路、4,4i CDR回路、44 抽出回路、46 制御回路、47 クロック生成回路、52 CTLE調整回路、53 DFE調整回路、421 EDGEレジスタ、422 RISEレジスタ、423 FALLレジスタ、471 CP回路、472 VCO回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13