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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】センサー端末の設置管理装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 21/00 20060101AFI20230508BHJP
   G08B 21/10 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
G01D21/00 Z
G08B21/10
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019173897
(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公開番号】P2021050993
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 謙太
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/116670(WO,A1)
【文献】特開2016-218659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 9/00 - 9/42
G01D 21/00 - 21/02
G08B 19/00 - 21/24
G08C 13/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
観測値を検知するセンサー端末の設置を管理するセンサー端末の設置管理装置において、
複数のセンサー端末それぞれの属性を示す第1のセンサー情報を記憶する記憶手段と、
設置対象である前記センサー端末の属性を示す第2のセンサー情報を特定する特定手段と、
特定した前記第2のセンサー情報を検索キーとして、前記記憶手段を検索する検索手段と、
前記検索手段での検索された第1のセンサー情報と、前記第2のセンサー情報を比較して、比較結果が所定条件を満たすか判断し、当該判断の結果に応じて、特定した第2のセンサー情報を前記記憶手段に登録するかを判定する判定手段と
特定した前記第2のセンサー情報の登録処理を実行する登録手段を有し、
前記記憶手段は、前記第1のセンサー情報として、設置済のセンサー端末のセンサー情報であって、当該センサー端末の設置位置を示す第1の位置情報および種別を示す第1の種別情報を含む第1のセンサー情報を記憶し、
前記特定手段は、前記第2のセンサー情報として、前記センサー端末の設置位置を示す第2の位置情報および種別を示す第2の種別情報を含む第2のセンサー情報を特定し、
前記検索手段は、前記第2の位置情報に最も近い第1の位置情報を含む第1のセンサー情報を検索し、
前記判定手段は、
検索した前記第1のセンサー情報に含まれる第1位置情報と前記第2の位置情報を比較し、当該比較の結果、それぞれの間の距離が予め定められた範囲外である場合に登録すると判定し、
検索した前記第1のセンサー情報に含まれる第1位置情報と前記第2の位置情報を比較し、当該比較の結果、それぞれの間の距離が予め定められた範囲内であり、検索した前記第1のセンサー情報に含まれる第1の種別情報と前記第2の種別情報が互いに異なる種別を示す場合に登録すると判定し、
前記比較結果の前記所定条件に対する充足状況を判断し、
前記登録手段は、当該充足状況に応じて、利用者からの前記第2のセンサー情報の登録に関する指示を受け付ける時間であるタイムアウト時間を変動させる登録処理を実行することを特徴とするセンサー端末の設置管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサー端末の設置管理装置において、
前記登録手段は、前記充足状況に応じて、利用者からの指示を登録条件とするか、不登録条件とするかを変更することを特徴とするセンサー端末の設置管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IoT向け無線システムを利用して観測地(例えば、水位観測地点)における観測値を、サーバで収集・蓄積する自然災害監視技術に関する。その中でも特に、観測値を検知するセンサー端末を設置する際の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自然災害から地域住民の生命や財産を守るために、災害が発生する可能性のある場所(例えば河川、ダム、山奥、海岸線、など)の状況をリアルタイムに把握可能な監視システムを国、地方自治体、各企業は導入している。
【0003】
このような自然災害監視を目的としたシステムでは、自然災害が発生する可能性のある場所にセンサー端末を設置する。そして、センサー端末で「水位」や「水の流れる速さや向き」の観測値を収集する。収集した観測値を、LPWA(Low Power Wide Area)の長距離無線通信規格を用いて、センサー端末からデータベースに送信する。そして、データベースでは、送信された情報を受信、蓄積し、この情報を画面に表示し、監視担当者がそれを確認し、目的や必要に応じて表示されている情報に基づき注意喚起や現場対応を行うものである。このような技術の一例として、特許文献1がある。
【0004】
特に、近年では、自然災害の発生頻度の高さから地域住民の危機感の高まりによる24時間365日監視の要望がある。また、ゲリラ豪雨の発生による都市型水害の発生などにより都市部においても、このようなIoTを利用した自然災害監視システムが設置されるケースが増加している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-234654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
IoTを利用したシステムを、以上のような用途で利用する場合、センサー端末の観測値がどこで得られたかが重要となる。多くのIoTシステムでは、データベースにセンサー端末の設置位置を登録しておき、観測値が得られた位置を判断している。センサー端末を設置する時は、予めデータベースにセンサー端末の設置位置を登録しておく、もしくはセンサー端末の設置後に設置位置をデータベースに登録する、といった手段がとられている。
【0007】
ここで、センサー端末の設置作業では、作業ミス等により設置位置の誤りが発生することがある。設置位置を誤ると、実際の設置位置とデータベースに登録されている設置位置が一致しなくなり、センサー端末の観測値が意味を持たなくなってしまう。そのため、センサー端末はデータベースに登録した位置に、正確に設置しなくてはならない、という課題が生じている。
【0008】
また、センサー端末の設置作業では、現場の都合から予め決められた位置に設置できず、計画とは異なる位置にセンサー端末を設置することがある。この場合、データベースに登録してあるセンサー端末の設置位置を、実際に設置する位置に修正する必要がある。修正は、センサー端末の実際の設定位置を測定し、その測定結果をデータベースに手動で登録するため、手間がかかるとの課題も生じている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明には、観測値を検知するセンサー端末の設置を管理するセンサー端末の設置管理装置において、複数のセンサー端末それぞれの属性を示す第1のセンサー情報を記憶する記憶手段と、設置対象である前記センサー端末の属性を示す第2のセンサー情報を特定する特定手段と、特定した前記第2のセンサー情報を検索キーとして、前記記憶手段を検索する検索手段と、前記検索手段での検索された第1のセンサー情報と、前記第2のセンサー情報を比較して、比較結果が所定条件を満たすか判断し、当該判断の結果に応じて、特定した第2のセンサー情報を前記記憶手段に登録するかを判定する判定手段と、特定した前記第2のセンサー情報の登録処理を実行する登録手段を有し、前記記憶手段は、前記第1のセンサー情報として、設置済のセンサー端末のセンサー情報であって、当該センサー端末の設置位置を示す第1の位置情報および種別を示す第1の種別情報を含む第1のセンサー情報を記憶し、前記特定手段は、前記第2のセンサー情報として、前記センサー端末の設置位置を示す第2の位置情報および種別を示す第2の種別情報を含む第2のセンサー情報を特定し、前記検索手段は、前記第2の位置情報に最も近い第1の位置情報を含む第1のセンサー情報を検索し、前記判定手段は、検索した前記第1のセンサー情報に含まれる第1位置情報と前記第2の位置情報を比較し、当該比較の結果、それぞれの間の距離が予め定められた範囲外である場合に登録すると判定し、検索した前記第1のセンサー情報に含まれる第1位置情報と前記第2の位置情報を比較し、当該比較の結果、それぞれの間の距離が予め定められた範囲内であり、検索した前記第1のセンサー情報に含まれる第1の種別情報と前記第2の種別情報が互いに異なる種別を示す場合に登録すると判定し、前記比較結果の前記所定条件に対する充足状況を判断し、前記登録手段は、当該充足状況に応じて、利用者からの前記第2のセンサー情報の登録に関する指示を受け付ける時間であるタイムアウト時間を変動させる登録処理を実行するセンサー端末の設置管理装置が含まれる。
【0013】
またさらに、上記のセンサー端末の設置管理装置において、前記登録手段は、前記充足状況に応じて、利用者からの指示を登録条件とするか、不登録条件とするかを変更するセンサー端末の設置管理装置も含まれる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、IoTシステムを構成するセンサーの設置について、設置誤りを低減することができ、設置作業の効率化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】従来の自然災害監視システムを説明するための図
図2】従来のセンサー情報登録処理を説明するための分析・蓄積サーバ109を示す図
図3】本発明の一実施例を適用した自然災害監視システムの装置構成の一例を示す図
図4】本発明の一実施例のセンサー情報登録における処理の概要を説明するための分析・蓄積サーバ109を示す図
図5】本発明の一実施例のセンサー情報登録における保守端末301のフローチャートの一例を示す図
図6】本発明の一実施例のセンサー情報登録における分析・蓄積サーバ109のフローチャートの一例を示す図
図7】本発明の一実施例のセンサー情報登録における保守端末301と分析・蓄積サーバ109の処理シーケンスを示す図
図8】本発明の一実施例で用いられるセンサー情報の一例を示す図
図9】本発明の一実施例で用いられる設置位置可否判断(ステップ805)基準を示す図
図10】本発明の一実施例における本登録許可判断処理(ステップ603)の詳細フローを示す図
図11】本発明の一実施例における本登録処理(ステップ808)の詳細フローを示す図(その1)
図12】本発明の一実施例における本登録処理(ステップ808)の詳細フローを示す図(その2)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて、本発明の一実施例について説明する。本実施例は、センサー情報の登録に関するものである。センサー情報とは、観測データを検知するセンサー端末の属性を示す情報であり、観測データの処理で用いられる。
【0017】
図1に、センサー情報を登録し、それに従って自然災害を監視する従来の自然災害監視システムの装置構成の一例を示す。なお、本実施例では、自然災害の監視を対象としているが、他の監視、観測への適用可能である。
【0018】
本システムは、無線ネットワーク100にIoT無線装置106とIoT無線ゲートウェイ107が接続される。また、有線ネットワーク101~104にIoT無線ゲートウェイ107、受信サーバ108、分析・蓄積サーバ109、画面表示サーバ110、表示装置111が接続される。本システムでは、これらが互いに通信可能な状態で構成される。センサー端末105は、IoT無線装置106に接続され、自身が検知した観測データをIoT無線装置106に伝達する。
【0019】
無線ネットワーク100は、IoT無線装置106とIoT無線ゲートウェイ107を相互接続し、データ通信を行う無線通信線である。有線ネットワーク101はIoT無線ゲートウェイ107と受信サーバ108を相互接続し、データ通信を行う有線および無線通信線である。有線ネットワーク102~103は受信サーバ108、分析・蓄積サーバ109、画面表示サーバ110を相互接続しデータ通信を行う内部ネットワークである。
【0020】
有線ネットワーク104は、画面表示サーバ110と表示装置を相互接続し、表示装置からのデータリクエスト、画面表示サーバからのデータ応答を行う、無線および有線通信線である。
【0021】
なお、各ネットワークは、有線・無線のいずれでもよく、また、各種情報を伝送できればプロトコルなどその通信方式は問わない。
【0022】
センサー端末105(図中ではセンサーと記載)は、IoT無線装置106と接続し、自身が有するセンサー機能により取得した水位、加速度、開度、角度、水温、気温、湿度などの観測データなど環境の変化や状態の変化を検知する装置である。IoT無線装置106は、IoT無線ゲートウェイ107と無線で接続し、センサーからの受信データを伝送可能な装置である。IoT無線ゲートウェイ107は、IoT無線装置106から受信したデータを受信サーバにデータ伝送する中継装置である。
【0023】
受信サーバ108は、IoT無線ゲートウェイ107からのデータを受信し、受信データを処理し、分析・蓄積サーバ109内のデータベース201にデータ(観測データなど)を格納する。なお、データベース201が分析・蓄積サーバ109とは別構成とし、互いにネットワークを介して接続する構成としてもよい。分析・蓄積サーバ109は、受信サーバ108からの格納データ(観測データ、システム動作に必要な各種マスタデータ)を管理するデータベース、データベースに格納している観測データを分析する機能を有する装置である。
【0024】
画面表示サーバ110は、表示装置111からのリクエストを受信し、データベース201で管理している観測データなどを取得し、表示装置に応答を返す装置である。表示装置111は、画面に自然災害監視システムの観測状況を表示する際に画面表示サーバ110にリクエストを送信し、画面表示サーバ110からの応答を受信し、画面に結果を表示する機能を有する。この表示装置111および各サーバは、いわゆるコンピュータ(情報処理装置)で実現可能であり、その機能はプログラムに従って演算で実行される。また、各サーバは、物理的に1つないしそれ以上の装置で構成してもよい。
【0025】
次に、図2を用いて、従来のセンサー情報登録処理の一例を説明する。図2は、分析・蓄積サーバ109の構成を示す。
【0026】
分析・蓄積サーバ109で有する機能は、データを管理するデータベース201、データベース内に管理する202~203の各種テーブル、センサー情報登録処理部204から構成される。
【0027】
センサー端末105を新たに設置する際には、データを管理するデータベース201内で管理する202~203の各種テーブルに対して、センサー情報登録処理部204によりセンサー情報を追加しておく。そして、作業者がその情報に従ってセンサー端末105を現地に設置する。
【0028】
図3に、本実施例を適用した自然災害監視システムの装置構成の一例を示す。システムは、図1に示した既設の方式を含む自然災害監視システムに、保守端末301とIPネットワーク302を追加したものである。IPネットワーク302は情報通信できるものであればよく、無線、有線を問わないネットワークである。
【0029】
保守端末301は、センサー端末105を設置する際に用いる端末である。センサー端末105の設置作業にて保守端末301はIPネットワーク302を用いて、センサー端末105のセンサー情報を分析・蓄積サーバ109が持つデータベースに仮登録する。分析・蓄積サーバ109は、仮登録された情報に対し、登録を許可、もしくは不許可し、その結果を反映する。また、保守端末301は位置検知機能(GPS機能)を有し、自身の位置情報を取得可能である。なお、図3で記載した複数の各装置は、それぞれ単数であってもよい。
【0030】
次に、図4を用いて、本実施例のセンサー情報の登録における処理の概要を説明する。図4は、本処理を実行する分析・蓄積サーバ109の構成を示す。図4図2の相違は、センサー情報登録処理部204の代わりに、センサー情報登録許可/不許可処理部4030を有する点である。また、データベース201に、センサー仮登録テーブル401を有し、保守端末301とIPネットワーク302を介して接続可能である。IPネットワーク302は、情報伝送が可能であればよく、その形式は問わない。また。保守端末301では前述のとおり位置検知機能を有する。
【0031】
なお、分析・蓄積サーバ109におけるセンサー情報登録するための各種処理は、分析・蓄積サーバ109が有するプログラムに従った演算で実行される。
【0032】
次に、本構成でセンサー端末105を新たに設置する際の処理を、図4を用いて説明する。まず、作業者は、センサー設置作業を行う際に保守端末301を携帯し、設置現場に赴く。そして、分析・蓄積サーバ109は、保守端末301を介して作業者からの入力に従って、データベース201内のセンサー仮登録テーブル401にセンサー情報を登録する。
【0033】
ここで、センサー情報とは、前述のとおり、観測データを検知するセンサー端末105の属性を示す情報であり、観測データの処理で用いられる情報である。その具体的な内容は、図8に示すとおり、以下の項目を有する。
・センサー端末ID:センサー端末105を識別するための情報であり、その形式は問わない。
・位置情報(GPS情報):センサー端末105の設置位置を示す情報であり、GPS機能で検知可能である。なお、この情報は、保守端末301など他の装置で検知された位置情報であってもよい。
・センサー閾値:自然災害監視において、センサー端末105の観測データに対し警報を発生する閾値。
・センサー種別:センサー端末105で検知される観測データの種別を示す情報。
・センサーバイアス値:上記警報のための基準となる値。
【0034】
なお、センサー情報の取得については、後述する。なお、センサー情報は、上述した以外の項目を含んでもよい。
【0035】
このように保守端末301でセンサー情報が取得されると、分析・蓄積サーバ109によりこれらはセンサー仮登録テーブル401に登録される。
【0036】
次に、分析・蓄積サーバ109は、センサー情報登録許可/不許可処理部4030を起動し、センサー仮登録テーブルの取得402を行う。センサー情報登録許可/不許可処理部4030にて、ステップ403のセンサー情報登録許可/不許可処理、つまり、センサー情報を登録すべきかの判断を行う。そして、許可の場合はテーブル更新処理404にてセンサー情報マスタ202とセンサー状態テーブル203に新たなセンサー情報を反映し、登録済となったセンサー仮登録テーブル401の情報を削除する。不許可の場合はテーブル更新処理404にてセンサー仮登録テーブル401の情報を削除する。なお、登録許可/不許可の判断を含むこれら登録の処理の詳細は、以降説明する。
【0037】
ここで、登録の処理は、前述のとおり、保守端末301を介して分析・蓄積サーバ109で登録される。そこで、まず、保守端末301内の処理を説明する。
【0038】
図5に、本実施例におけるセンサー情報を登録する場合の保守端末301内のフローチャートの一例を示す。
【0039】
保守端末301にて、作業員がセンサー端末の設置位置で保守端末アプリが起動すると、情報入力状態であるステップ501となる。このステップ502において、保守端末301は、設置するセンサー端末105の各種センサー情報を取得する。センサー情報は、センサー端末ID、位置情報、センサー閾値およびセンサーバイアス値からなる。
【0040】
そして、センサー情報の取得は、以下のとおり行う。位置情報は保守端末301のGPS機能を用いて取得し、その他のセンサー情報は保守端末301に対し、作業者の手入力により入手する。ここで、位置情報についても住所や緯度・経度を手入力で入手してもよい、また、手入力には予め保守端末301に記憶された情報を用いたり、通信機能を用いて各種サーバから入手したりすることも含まれる。このように、センサー情報の取得方法は問わない。さらに、センサー端末IDは、センサー端末105に付属するタグに記録された情報を読み取って入手してもよい。
【0041】
次に、ステップ502において、保守端末301は、仮登録処理を実行する。仮登録処理とは、取得したセンサー情報に瑕疵があり登録すべき情報でないかを判断する処理である。瑕疵とは、センサー情報の不足や、その値があり得ない値を含む。あり得ない値には、センサー端末IDの桁数が不足することが含まれる。
【0042】
次に、ステップ503において、保守端末301は、登録すべきと判断、つまり、成功であれば、ステップ504の仮登録完了状態となり、画面に仮登録成功と表示する。
【0043】
そして、ステップ504において、保守端末301は、分析・蓄積サーバ109に、取得したセンサー情報を含む登録指示を送信し、一旦、データベース201にセンサー情報を格納する。この際、仮登録フラグを併せて格納する。これで、データベースへの仮登録完了フェーズとなる。
【0044】
また、ステップ503において、保守端末301が、センサー情報には瑕疵があり登録すべきでないと判断、つまり、失敗であればステップ505の仮登録失敗状態となり、失敗理由を表示する。仮登録の結果が表示された後、ステップ501(情報入力状態)に戻る。ステップ501(情報入力状態)で保守端末アプリの終了が選択されると、アプリ、つまり、保守端末301での処理を終了する。
【0045】
次に、センサー情報登録における分析・蓄積サーバ109の処理について説明する。図6に、本発明の一実施例のセンサー情報登録における分析・蓄積サーバ109内のフローチャートを示す。
【0046】
まず、ステップ601において、分析・蓄積サーバ109は、保守端末301からセンサー情報の登録指示を受信する。この登録指示は、図5のステップ504で送信された登録指示である。
【0047】
次に、ステップ602において、分析・蓄積サーバ109は、センサー情報登録許可/不許可処理部4030を起動する。具体的には、本処理を実行するプログラムを起動する。
【0048】
そして、ステップ603において、分析・蓄積サーバ109は、仮登録された、つまり登録指示されたセンサー情報を本登録するかを判断する。この判断で、登録する、つまり許可と判断された場合、ステップ604に進む。登録しない、つまり、不許可と判断された場合、ステップ605へ進む。なお、この判断の詳細は、図10を用いて後述する。なお、本登録とは、データベース201に格納する処理である。
【0049】
次に、ステップ604で、分析・蓄積サーバ109は、本登録を実施する。つまり、データベース201へ受信したセンサー情報を書き込む。この結果、書き込みが成功すればステップ605へ進む。失敗の場合、ステップ603へ戻る。
【0050】
次に、ステップ605において、分析・蓄積サーバ109は、仮登録の削除を行う。これは、以下の2とおりの処理を行う。
1.ステップ604で成功判断された場合、図5のステップ504でデータベース201に格納(仮登録)されたセンサー情報を本登録する。具体的には、仮登録フラグから本登録フラグに変更することで実現可能である。
2.ステップ603で不許可判断された場合、図5のステップ504でデータベース201に格納(仮登録)されたセンサー情報を削除する。
【0051】
本処理が成功した場合はステップ606に進み、失敗した場合はステップ603に戻る。なお、本実施例では、仮登録を行っているが、本処理は省略してもよい。また、仮登録の際、仮登録フラグを記録する構成としたが、データベース201の専用エリアにセンサー情報を登録し、本登録の際にこれを移動させる構成としてもよい。また、専用エリアの代わりに一時格納エリアに格納する構成としてもよい。
【0052】
以上で、ステップ403のセンサー情報登録許可/不許可処理を終了する(ステップ606)。
【0053】
次に、図5および6の処理内容をまとめる。図7に、図5、6の処理内容をまとめたセンサー情報登録における保守端末301と分析・蓄積サーバ109の処理シーケンスを示す。
【0054】
まず前提として、改めて保守端末301と分析・蓄積サーバ109の構成を説明する。保守端末301は、GPSセンサー704と保守端末アプリ701から構成される。保守端末アプリ701はUI部702と仮登録処理部703から構成される(これらはそれぞれプログラムで実現される)。分析・蓄積サーバ109はデータベース201とセンサー情報登録許可/不許可処理部4030(プログラムで実現)から構成される。
【0055】
次に、各処理について説明する。なお、本処理は、設置対象のセンサー端末105の近傍、つまり、設置位置の近傍に、作業者が保守端末301を携帯して行われる。
【0056】
保守端末301にて、UI部702を介して作業者から、センサー情報の1つであるGPS取得ボタンの押下を受け付ける。これを受けて、UI部702は仮登録処理部703に対して、GPS取得ボタン通知、つまり、GPS取得ボタンの押下を受け付けたことを通知する。そして、仮登録処理部703が、GPSセンサー704に対して、GPS情報取得要求を通知する。これを受け、GPSセンサー704が、GPS情報を取得し、これを仮登録処理部703に通知する。なお、このGPS情報は厳密には保守端末301の位置を示し、設置対象のセンサー端末105の位置からずれている。しかし、保守端末301は設置対象のセンサー端末105の近傍で作業される。さらに一般的なGPSセンサー704の精度からも、保守端末301のGPSセンサー704で検知された位置情報を、センサー端末105の位置情報とみなすことが可能である。
【0057】
また、保守端末301にて、UI部702を介して作業者から、位置情報以外のセンサー情報(センサー端末ID、センサー閾値、センサー種別、センサーバイアス値)を受け付ける。つまり、センサー情報入力、を受け付ける。そして、UI部702では、受け付けられたセンサー情報を仮登録処理部703に通知する。ここまでの処理は、図5のステップ501に対応する処理である。
【0058】
次に、保守端末301では、受け付けたセンサー情報が揃った場合に、UI部702が仮登録ボタンをアクティブとして表示する。これに対し、作業者から仮ボタンの押下を受け付けると、UI部702は仮登録処理部703に仮登録ボタン通知、つまり、仮登録処理の実行要求を通知する。これを受けて、仮登録処理部703が、分析・蓄積サーバ109(のデータベース201)に対して、登録SQL発行、つまり、センサー情報を含むその登録指示を送信する。次に、分析・蓄積サーバ109のデータベース201では、受信したセンサー情報を仮登録する。そして、データベース201が保守端末301(仮登録処理部703)に対して、SQL応答を送信、つまり、仮登録の結果を通知する。これを受け、仮登録処理部703は、その結果をUI部702に通知し、UI部702がそれを表示する。これらの処理は、図5のステップ504~505および図6のステップ601に対応する。
【0059】
また、分析・蓄積サーバ109では、センサー情報登録許可/不許可処理部4030を起動し、ステップ403のセンサー情報登録許可/不許可処理を実行する(図6のステップ403)。そして、分析・蓄積サーバ109では、ステップ603の本登録許可判断処理を実行する。このステップ603の本登録許可判断処理の詳細は、後述する。
【0060】
ステップ603の本登録許可判断処理の結果に応じた本登録のSQL発行、つまり、センサー情報登録許可/不許可処理部4030がデータベース201へ本登録に関する要求を通知する。つまり、本登録可能である場合には本登録すべき通知を、本登録不可能である場合には本登録を行わず、仮登録されたセンサー情報を削除する要求を通知する。そして、データベース201からセンサー情報登録許可/不許可処理部4030へ、SQL応答、つまり、本登録処理に関する通知を送信する。以上で、本処理シーケンスの説明を終了する。
【0061】
次に、前述のステップ603の本登録許可判断処理の詳細について説明する。図10に、本実施例におけるステップ603の本登録許可判断処理の詳細フローを示す。なお、本処理は、センサー情報登録許可/不許可処理部4030にて実行される。本処理では、設置対象のセンサー端末105を、他の同種の観測を行うセンサー端末105(設置済ないし予定)の近傍に設置することを防止することを目的とする。これは、近傍地の同じ観測データが検知されると、その観測データの意義が低いことになるため、同種のセンサー端末105をある程度距離を設けて設置できるようにする。
【0062】
まず、ステップ801において、分析・蓄積サーバ109では、設置対象のセンサー端末105のセンサー情報を特定する。これは、図6ステップ601で仮登録されたセンサー情報が特定される。
【0063】
次に、ステップ802において、分析・蓄積サーバ109では、特定されたセンサー情報をキーに、データベース201(図8に示すセンサー情報)を検索する。つまり、データベース201にから、設置対象のセンサー端末105のセンサー情報に対応する既に本登録済のセンサー情報を検索する。ここで、本実施例における「対応する」とは、設置対象のセンサー情報に含まれる位置情報に最も近い位置情報を有する本登録済のセンサー情報を意味する。ただし、他に、センサー端末IDが近いセンサー情報、センサー種別が同種であるセンサー情報などを検索してもよい。さらに、検索されるセンサー情報は複数であってよい。
【0064】
また、ステップ803において、分析・蓄積サーバ109は特定されたセンサー情報に瑕疵がないか(例えば、ありえない情報)を確認する。これは、図5のステップ502において、保守端末301で実行する処理と同じであり、省略可能である。この結果、瑕疵があればステップ804に進み、分析・蓄積サーバ109から保守端末301へエラーメッセージを出力する。また、瑕疵がないと判断されれば、ステップ805に進む。
【0065】
次に、ステップ805において、分析・蓄積サーバ109が、ステップ802で検索されたセンサー情報の位置情報と、ステップ801で特定されたセンサー情報の位置情報を比較し、その距離を算出する。この距離の算出は、その位置情報が示す緯度経度から直線距離を算出してもよいし、ナビゲーション機能と同様に経路情報から距離を算出してもよい。そして、分析・蓄積サーバ109は、その距離があらかじめ定められた距離以上かを判断する。この判断のために、図9に示す設置位置許可判断(ステップ805)基準(1)を用いる。具体的には、確保距離の500m以上であるかを判断する。ここで、この確保距離はセンサー種別ごとに設定されるセンサー距離のうち最大値(ないしそれ以上)を用いて、センサーの種別によらず近傍に他のセンサー端末105が存在しないことを確認するために用いられる。なお、本実施例では、センサー種別ごとに確保すべき距離であるセンサー距離を設けているが、一律で確保距離を用いてもよい。
【0066】
この結果、あらかじめ定められた距離以上の場合(YES)、ステップ808の本登録処理に進む。あらかじめ定められた距離未満の場合(NO)、ステップ806に進む。以上のように、本ステップでは、そのセンサー種別を問わず、設置予定位置から所定範囲内に他のセンサー端末105が存在しないかを確認する。
【0067】
次に、ステップ806において、分析・蓄積サーバ109が、ステップ802で検索されたセンサー情報のセンサー種別と、ステップ801で特定されたセンサー情報のセンサー種別を比較する。この結果、同種のセンサーであれば、ステップ807に進む。同種のセンサーでなければ、ステップ808の本登録処理に進む。
【0068】
次に、ステップ807において、分析・蓄積サーバ109が、同種と判断されたセンサー種別ごとに設定されたセンサー距離を確保しているか確認する。これは図9の設置位置許可判断(ステップ805)基準(1)のセンサー距離を用いる。つまり、センサー種別が流速計である場合、ステップ805で算出された距離が300m以上かを判断する。この結果、センサー距離未満(NO)である場合にはステップ809に進み、センサー距離以上(YES)の場合にはステップ808の本登録処理に進む。
【0069】
ここで、本実施例では、ステップ805のセンサー種別を問わない距離確保と、ステップ807のセンサー種別ごとのセンサー距離確保の確認を分けて処理している。このように処理することで、ステップ805でYESの判断はセンサーの種別によらず一律に判断することが可能になる。ただし、センサー距離を直接用いて処理してもよい。この場合は、ステップ805~807の代わりに、センサー種別の判断と距離の算出をまず行い、判断したセンサー種別のセンサー距離と算出した距離を比較する処理を行ってもよい。この場合、図9の設置位置可否判断(ステップ805)基準(2)を用いてもよい。この場合、センサー距離として、条件を設けている。この条件は、設置対象(本実施例では、河川)を特定するものである。これは、設置予定のセンサー端末105の位置情報と、地図情報(図示せず)を用いて特定し、この条件およびセンサー種別に対応する設置エリア(距離)を特定する。そして、これを用いて、上記の比較する処理を行う。このことで、きめ細かな設定が可能になる。
【0070】
次に、ステップ809の処理について、説明する。ステップ809は、設置予定のセンサー端末105の近傍(あらかじめ定めた距離内)に、同種の他のセンサー端末105が存在する場合に、その旨を示すアラートを出力する処理である。本処理では、分析・蓄積サーバ109が、管理者等が利用する表示装置111もしくは保守端末301にアラートを出力する。表示装置111にアラートを出力した場合、管理者等はその旨を電話やメールを利用して設置位置で作業中の作業者にその旨を連絡し、センサー端末105の設置位置の変更を促すことが可能になる。また、保守端末301に出力した場合、作業者がその内容を確認し、センサー端末105の設置位置を変更できる。
【0071】
また、ステップ809でのアラート出力は、設置位置近傍(あらかじめ定めた距離内)に、同種の他のセンサー端末105が存在することを示す情報の他、以下の情報を出力してもよい。
・最寄りのセンサー端末105(ステップ802で検索されたセンサー情報(複数の場合を含む))までの距離
・最寄りのセンサー端末105(同上)の設置位置(地図表示を含む)
・最寄りのセンサー端末105(同上)の設置位置から、半径をセンサー距離とする円を表示した地図情報
さらに、このステップ809でのアラート出力では、最寄りのセンサー端末105(ステップ802で検索されたセンサー情報(複数の場合を含む))までの距離に応じて、アラート出力の仕方を変化させてもよい。例えば、距離が近くなるにつれ、アラート出力する表示を大きくしたり、色を変更したりしてもよい。つまり、本処理では、距離の比較におけるその充足状況に応じて表示を変更している。
【0072】
さらに、最寄りのセンサー端末105とセンサー距離を確保してなくとも、一定距離の範囲内であれば、表示装置111を介して管理者が登録許可を通知した場合、センサー情報の登録(ステップ808の本登録処理)を可能としてもよい。
【0073】
また、ステップ807でセンサー距離が確保されている場合のステップ808については、図11および図12を用いて後述する。ステップ808および809を処理することで、本フローチャートに示す処理は終了する。
【0074】
なお、上述の説明では、設置済のセンサー端末105のセンサー情報を比較対象としたが、計画データとしてもよい。この場合、以下の2とおりの処理方法が存在する。
1.設置済のセンサー情報と同じに処理し、他の設置計画中である同種のセンサー端末105を検索する。
2.ステップ802の検索を、設置対象のセンサー端末105のセンサー情報に含まれるセンサー端末IDをキーに検索を行う。この結果、計画データに、同じセンサー端末IDを含むセンサー情報が検索された場合、エラー出力する(ステップ804)。また、検索されない場合、ステップ808の本登録処理を行う。なお、計画データの形式も図8と同じであるが、設置予定のセンサー端末105自身のセンサー情報も登録されている点で相違がある。
【0075】
さらに、本実施例では、図10におけるステップ603の本登録許可判断処理やステップ403のセンサー情報登録許可/不許可処理を、分析・蓄積サーバ109で実行しているが、少なくともその一部を保守端末301で実行してもよい。この場合、あらかじめ、保守端末301が設置予定場所の近傍(適宜指定可能な範囲)のセンサー情報をデータベース201から取得しておく。そして、設置作業の際に、上述の処理を行い保守端末301にセンサー情報を自身登録し、分析・蓄積サーバ109に接続可能なタイミングで登録内容をデータベース201に反映させる。
【0076】
またさらに、本フローでは、距離(位置情報)をキーに比較、登録可否判断を行っているが、設置予定のセンサー端末装置と同種のセンサー端末装置の数など他の要件との充足状況を用いて登録の可否を判断してもよい。
【0077】
次に、図11を用いて、ステップ808の本登録処理の詳細フロー(その1)を説明する。本フローでは、作業者ないし管理者の何らかの指示があった場合に、データベース201にセンサー情報を登録する構成としている。ただし、本フローを省略し、そのままセンサー情報を登録する構成としてもよい。
【0078】
まず、ステップ1101において、分析・蓄積サーバ109は、図10で算出された設置予定のセンサー端末105と他の同種のセンサー端末105の距離を取得、特定する。そして、ステップ1102において、分析・蓄積サーバ109は、ステップ1102で特定された距離に応じたタイムアウト時間を算出する。ここで、特定された距離に応じたタイムアウト時間の算出として、距離が長いほどタイムアウト時間を長くすることが含まれる。距離が長いほどセンサー情報の登録に問題がない可能性が高まる。このため、後述する登録指示の入力漏れを、距離が長いほど防ぐことが可能になる。また、逆に距離が短いほどタイムアウト時間を長くしてもよい。この場合、距離が短いほど登録に疑義が生じる可能性が高まるため、登録指示までの時間を多く取れることになる。
【0079】
なお、これらの処理は省略可能であり、この場合は他の条件に従ってタイムアウト時間を決定したり、あらかじめ定めたタイムアウト時間を用いたりしてもよい。
【0080】
次に、ステップ1103において、分析・蓄積サーバ109は、本登録処理が開始されてからタイムアウト時間が経過したかを判断する。この結果、タイムアウト時間を経過(YES)の場合、ステップ1106に進む。この場合、ステップ1106では、分析・蓄積サーバ109は、ステップ801で特定した、つまり、仮登録されたセンサー情報を破棄し、処理を終了する。
【0081】
ステップ1103において、タイムアウト時間の経過前(NO)の場合、ステップ1104に進み、登録指示を受け付けたかを判断する。この登録指示は、保守端末301や表示装置111から分析・蓄積サーバ109が受信するもので、それぞれ作業者や管理者が入力を行う。ここで、登録指示を受け付けていないと判断した場合(NO)は、ステップ1103に戻る。
【0082】
また、ステップ1104において、登録指示を受け付けたと判断した場合(YES)、ステップ801で特定したセンサー情報を、データベース201に登録する。
【0083】
以上の図11では、ステップ1104で登録指示があった場合に登録する構成としているが、逆の処理を行ってもよい。つまり、ステップ1104で、タイムアウト時間を経過しても登録不要指示がない限り、ステップ1105の登録処理を実行する。この場合、タイムアウト時間内に登録不要指示を受け付けた場合、ステップ1106の処理を実行する。
【0084】
次に、図12を用いて、図11とは別の態様であるステップ808の本登録処理の詳細フロー(その2)を説明する。本フローは、設置位置可否判断(ステップ805)に用いる基準である距離を満たしたことを前提とし、その距離の充足状況に応じて登録指示と登録不要指示のいずれかを用いる処理である。つまり、距離が十分(充足状況が良好)であれば登録不要指示がなれば登録し、十分でない(充足状況が良好でない)場合は登録指示を条件に登録処理を行う。なお、距離が十分(充足状況が良好)とは、図10におけるステップ603本登録許可判断処理で用いたあらかじめ定められた距離(確保距離やセンサー距離)よりも長い距離であればよい。
【0085】
以下、各ステップについて説明する。まず、ステップ1101において、分析・蓄積サーバ109は、図11にと同様に距離を特定する処理を実行する。
【0086】
次に、ステップ1202において、分析・蓄積サーバ109は、十分に距離を確保しているか(距離が十分か)を判断する。これは、ステップ1101で特定された距離が、上述のとおり図10におけるステップ603の本登録許可判断処理で用いたあらかじめ定められた距離よりも長い距離かを判断する。この結果、距離が十分(充足状況が良好)と判断すればYESであり、ステップ1203-1に進む。距離が十分でない(充足状況が良好でない)と判断すればNOであり、ステップ1203-2に進む。
【0087】
なお、このステップ1202は、図10のステップ805や807の結果を流用したり、ステップ805や807で処理したりしてもよい。
【0088】
次に、ステップ1203-1および1203-2において、分析・蓄積サーバ109は、タイムアウト時間を経過したかを判断する。これは、図11のステップ1103と同様の処理を行う。また、タイムアウト時間は距離に応じて算出してもよいし、あらかじめ定めた時間としてもよい。また、ステップ1203-1および1203-2で同じタイムアウト時間を用いてもよいし、異なるタイムアウト時間を用いてもよい。
【0089】
次に、ステップ1203-1でタイムアウト時間を経過したと判断した場合(YES)、ステップ1105に進み、分析・蓄積サーバ109はセンサー情報登録処理を実行する。これは、図11での処理と同様の処理を実行する。
【0090】
また、ステップ1203-1でタイムアウト時間を経過していないと判断した場合(NO)、ステップ1204-1に進む。本ステップでは、分析・蓄積サーバ109は登録不要指示を受け付けたかを判断する。これは、図11のステップ1104と同種の処理であり、保守端末301ないし表示装置111からの指示を受け付けたかを判断する。この結果、受け付けていない場合(NO)、ステップ1203-1に戻る。また、登録不要指示を受け付けた場合(YES)、ステップ1106に進む。ステップ1106では、分析・蓄積サーバ109では、図11に示す処理と同様に特定したセンサー情報の破棄を実行する。
【0091】
また、ステップ1203-2でタイムアウト時間を経過したと判断した場合(YES)、ステップ1106に進み、特定したセンサー情報の破棄を実行する。
【0092】
また、ステップ1203-2でタイムアウト時間を経過していないと判断した場合(NO)、ステップ1204-2に進む。本ステップでは、分析・蓄積サーバ109は登録指示を受け付けたかを判断する。この結果、受け付けていない場合(NO)、ステップ1203-2に戻る。また、登録指示を受け付けた場合(YES)、ステップ1105に進み、センサー情報の登録を行う。
【0093】
以上で、図12のフローを終了する。本フローでは、距離が十分である場合、登録不要指示がないかぎりステップ1105の登録処理を行う。これは、充足状況が良好、つまり、設置対象のセンサー端末105をその場所に設置してもよい問題の可能性が低い場合に、半自動登録を行うこととなる。つまり、作業者や管理者が何もしないと、センサー情報を登録することになる。また、逆に充足状況が良好でないと判断された場合、作業者や管理者が積極的に登録のためのアクションをとった場合に、センサー情報を登録することになる。このように、本フローでは、充足状況に応じて作業者や管理者が行うべきアクションを変えることで、状況に応じた登録処理が可能となる。
【0094】
以上で、図12の処理フローの説明を終了する。なお、図12の処理フローにおいても、図11の処理と同様に充足状況の基準は距離に限らない。センサー端末105の数などを用いることも可能である。
【0095】
なお、本実施例では、GPSセンサーを保守端末301に設けたが、センサー端末105に設け、保守端末301を省略して本登録処理を実行してもよい。この場合、位置情報以外のセンサー情報は、表示装置111から受け付けてもよい。さらに、センサー端末ID、センサー種別は位置情報と同様にセンサー端末105から分析・蓄積サーバ109に送信してもよい。また、位置情報を含むセンサー情報を表示装置111から分析・蓄積サーバ109に送信してもよい。
【0096】
また、保守端末301は入力部と出力部を兼ねるパネルを有するタブレット端末でもよいし、これらが分かれた構成の端末でもよい。
【0097】
以上のように、本実施例では、センサー設置における設置位置を容易に測定し、その結果をデータベースへ送信する技術を提供する。これにより、センサー端末を効率よく、正しい位置に設置できるようにすることを目的とする。この目的を達成するために、本発明では、センサー端末の設置の際に、当該センサー情報の登録可否を、当該センサー情報の属性を用いて判断する。本発明において、属性とは、センサー端末の設置の際における登録可否を判断するための情報である。そして、属性の一例として、センサー端末を識別するセンサー端末IDおよびセンサー端末の設置位置を示す位置情報が含まれる。
【0098】
また、本実施例の一態様として、以下の構成が含まれる。なお、以下、センサー端末の設置管理装置として記載しているが、本装置を用いた方法、本装置をコンピュータとして処理を実行させるためのプログラムも本発明に含まれる。さらに、本装置を構成とするコンビネーションやサブコンビネーションとするシステムも本実施例に含まれる。
【0099】
以上で、本実施例の処理の説明を終わる。本実施例によれば、設置予定のセンサー端末105の設置位置などを加味して、設置すべきかを適切に判断することが可能になる。
【符号の説明】
【0100】
100…無線ネットワーク、101、102、103、104…有線ネットワーク、105…センサー端末、106…IoT無線装置、107…IoT無線ゲートウェイ、108…受信サーバ、109…分析・蓄積サーバ、110…画面表示サーバ、111…表示装置、201…データベース、301…保守端末、701…保守端末アプリ、702…UI部、703…仮登録処理部、704…GPSセンサー、4030…センサー情報登録許可/不許可処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12